戦士「遊び人ってさ…割とたくましい体してる……あっ」ｻｽﾘ

遊び人「フォフォフォ…」ｻｽﾘ

いちゃ・・・いちゃ・・・

僧侶「くぁー！見るに耐え難い光景！勇者殿、アレは一体何なのでしょう！？」

勇者「あの二人仲良くて羨ましいよねー。僕も混ざりたいよ」

僧侶「ホモ様でいらっしゃいますか！？」

僧侶「やはり勇者殿は狙って我々三人を仲間へ迎え入れたのですか！あそこの獣は置いておいて、私はノンケですが！！」

勇者「ノンケってなぁに？ていうか僧侶くん、もしかして僕たちと一緒じゃ辛かったりするのかな…」

僧侶「うっ！」

僧侶（何だこの小動物のような愛くるしさは……違う、私はけしてアッチ側の人間ではないのに）

勇者「辛いなら遠慮なく言ってほしいよ。無理矢理僕たちに合わせても君がこの先大変なだけだもん」

僧侶「遠慮なく言わせていただきましたが…そのぅ…」

勇者「あれれ、どうして顔真っ赤になってるの？」

僧侶「もう、私は何がなんだか……」

勇者「さっき僧侶くんさ、男四人パーティは暑苦しくてあんまりだって言ってたよね」

勇者「君が知っての通り、これからの僕たちの旅は真面目なものなんだよ。女の子がその中にいても耐えられるかな？」

僧侶「覚悟を持って挑む者もいるでしょう……失礼ですが、勇者様は、女が戦力的に見て不利だという点で仲間に入れなかったのですか？」

勇者「そうでもあるかなぁ。だって女の子に傷ができちゃう事はさせたくないし、立場的にも色んな面で舐められる時があるし」

勇者「正直僕は邪魔だと思ってるよ。君だって少なからずはそう思ったりしてるんじゃないかな？女はひ弱で足手まとい。だけど目の保養程度にはなれる」

僧侶「別にそこまでは！勇者殿、男だってそこまで屈強な者ばかりではないのです。そこを忘れずに」

勇者「うん。だから僕は君たちを仲間に選んだんだよ！実際君たち強いし、遊び人くんだって将来性あるもんね！」

勇者「えっと…むさ苦しいと思わせちゃってるならごめんね。でも僕は女の子を仲間にする気はこれからも一切起きないし、正直女の子嫌いだから」

僧侶「え！？結局個人の好き嫌いでだったのですか！？」

勇者「うん。女いらない男だけで十分。暑苦しいの通り越してカッコいいよ、そっちのが！」

勇者「さぁー！みんな先へ進むぞー！おー！」

戦士・遊び人「ﾊｧﾊｧ…ﾝ」

僧侶「真面目な人だと思っていたのだが、よく分からない人になってきたぞ……」

戦士「ンアッーーー！！！」

スライム「ﾋﾟｋ」ｸﾞﾁｬｧ！

勇者「流石だ戦士くん！みんな、この調子で残りもさっさと片付けていこうね！」

戦士「俺をもっと誉めてくれ…あとで、色んな形や角度で俺をいっぱい…あぁ」

僧侶「戦闘中におかしな発言は慎んでくれませんか！？ あっ……！」

ﾄﾞﾗｷｰ「ｷｷｰｯ！」

ドカーン！

僧侶「あ、あれ……魔物は……」

遊び人「無事みたいだな相棒。俺の体に見惚れる気持ちは分からんでもねぇが、余所見は余裕ある時にしときな？」

僧侶（あいかわらずこの人はキャラ定まってないな）

勇者「ふぅ、今ので最後だったみたいだ。お疲れさま、みんな怪我とかはしてない？」

僧侶「見てる限りでは。戦士さんと遊び人さんが上手く立ち回っていたし――」

戦士「チッ、何てこった…首筋辺りを魔物にちょぴっとぶっ刺されちまったみてェだ…んァ…」

僧侶「ぶっ刺されたとか言われると、軽傷という感じには聞こえませんね。よく分かりませんが私の魔法で」

遊び人「いや、待って」

遊び人「ここ……？ この辺りを刺されたの、相棒……？ んん……？」ﾍﾟﾛﾘ

戦士「ああ＾～たまらねェ……ォあぁぁ～」ぞくぞく

僧侶「」ｿﾞｸｿﾞｸ

勇者「あはっ、仲良さ気って感じだ」

僧侶「いやいやいやっ！！」

僧侶「仲良さ気越えて危ない感じにしか見えませんが！」

勇者「二人ばっかりずるいよ～僕も戦士くんペロペロさせて～」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

遊び人「ぃよっしゃ」

戦士「ホモになるぅ～……」

僧侶「ああああぁーーー！！ああああぁーーー！！」

勇者「…ん、僧侶くんも混ざりたいの？だったら遠慮しないでほらほら」

僧侶「結構です！いい加減悪ふざけはその辺にしてくださいよっ」

僧侶「……何なんですか。勇者殿はやはりそういうおつもりでこのパーティを築いたのですか？」

僧侶「はっ、だとすれば私の貞操も危険」

遊び人「俺が奪ってやンよ」ﾎﾟﾝ

僧侶「私に寄るなぁぁぁ！！」

戦士「どうしたんよ…おいでよ『男の世界』…」

僧侶「はぁ、はぁ……狂っている……」

勇者「何だかよく分からないけどごめん。僧侶くんは必要以上に人と慣れ合うのは好きじゃないみたいだね」

僧侶「必要…それって限界ライン越えた先の慣れ合いですか…。私はホモではないのです…」

勇者「だったら僕も別にホモってわけじゃないんだけど」

僧侶「それは冗談で言っていらっしゃるのでしょうかね…？」

遊び人「あまり気張るなよ相棒。らしくないぜ？ ほぅら、お陰で尻がキュッてしまってやがる」ｷｭ

僧侶「も、もうこいつら嫌です！私耐えられません！」

戦士「あうぅぅぅ……？」

遊び人「嫌われちまったみてぇだ、俺たち」

戦士「おぉん……」

僧侶「ふざけないでいただけませんか！？」

僧侶「勇者様も真面目な旅をなさるおつもりならば、一度彼らをガツンと叱るべきです！」

僧侶「いくら女がいなくても、これでは不抜けた変態一味ですよっ」

戦士「お前も含まれるんだろうな」

僧侶「喧しいぞ変態！！ …勇者様ぁ！」

勇者「うーん……確かに僕としても真面目に魔王城まで目指したり、魔物退治したりしたいよ」

僧侶「ではここでお叱りの言葉を！」

勇者「でもさ、旅が始まったばかりってこともあるし、少しづつみんなの仲を良くしていきたいというか」

僧侶「その仲も危険なベクトルを向き始めていますがね」

勇者「あはは。とりあえず最初はガチガチにしてたくないんだよ。でも適度に緊張感を持って先を進もうね！」

戦士「そんな俺たち」

遊び人「すでにガチムチ」

戦士・遊び人「二人はホモだちっ！」

僧侶「へー……あー、そう……」

勇者「僧侶くん大丈夫？顔色悪そうに見えるんだけど…」

僧侶「ええ、たぶん気分的には最悪な状態ですからね…私はこのままでいいのだろうか」

勇者「で、出て行っちゃうの？僕たちの仲間やめちゃうの…？」

僧侶「うっ……」

僧侶（いくらふざけた集団とはいえ、実の勇者パーティ。こんな序盤で途中離脱は情けなさすぎる）

僧侶「抜けるつもりはありません。ですが、この状態を改善なさるつもりがないのでしたら、その時は考えますから」

勇者「うう、そんなぁ……」

戦士「やれやれだぜ。面白くねぇ野郎だな」

僧侶「なんだと！」

戦士「てめぇ一人で騒ぎやがって。その行為が、せっかく勇者が築き上げた調和を乱していると何故気付かん？」

勇者「せ、戦士くんっ」

戦士「黙って聞いていればてめぇは勇者の優しさに甘えてばかりよ」

戦士「ホモだホモがと……ホモで何がおかしいんだ？」

僧侶「……」

僧侶（わ、わけが分からないが言い返せない）

戦士「てめぇ、ホモの何を知ってゴミを見る様な目で俺たちを見てんだ。適当うだうだ抜かしてんじゃあねェぞ……！」

勇者「戦士くんもういいって…僧侶くんも悪くないんだから…」

戦士「だがしかしッ！！」

遊び人「待ちなよ相棒。そうカッカしなさんな、僧侶兄ちゃんがおっかながってるぜ」

僧侶「は、はぁ」

遊び人「兄ちゃん。あんたが俺らに何の不満があるのかはよく分からねぇがよ…」

僧侶「いえ、散々言っていますが……」

遊び人「郷に入れば郷に従え、って良いことわざがあるんだが」

僧侶「……結構ですっ！！」

遊び人「男は度胸。何でもやってみるもんさ」

僧侶「選択する権利がこちらにはあります！私まで変態の道へ引きずり込もうとしないでくださいよ！」

戦士「へ、変態…俺たちは俺たちが正しいと思っていることを行ってるだけなのに…」

遊び人「酷いな…」

僧侶「勝手に言っててください」

勇者「ね、僧侶くん。もうその辺で二人を許してあげてよ？悪い人たちじゃないんだよ」

僧侶「悪いとは言いません……ですが、いくら何でも人前で不快だと思われる行為を見せつけてくるのが」

遊び人「あ、そういう問題か？なぁんだ……」

戦士「そっか。僧侶に見せなきゃモーマンタイなんだな…」

僧侶「え、えっと……もういや……」

勇者「二人で急に茂みの方に行っちゃったね。僕たち二人っきりだー」

僧侶「……勇者殿までは彼らのように墜ちないでくださいね」

勇者「そんな大げさなぁ。二人は本当に仲が良いだけなんだと思うんだけどな～」

僧侶「だからっ、はぁ……もう何でもいいです……」

僧侶「勇者殿は彼らのあの様な真似を見て不愉快だとは思わないのですか？」

勇者「楽しそうだなって思うよ！」

僧侶「思わないでください、お願いします。アレは道を間違えた者たちのなれの果てなのです」

僧侶「勇者殿までホモになっては私はどうしたらよいのですかぁ！」

勇者「僕はホモにはなれないと思うけど？まぁ、そうなったら仲良くしてよ。僧侶くんっ」

僧侶「勘弁してくださいな…」

ｱｧｯーーーーーー！―――――――――・・・・・・

僧侶「ひぃ！？」ﾋﾞｸｯ

勇者「何してるのかな？僕ちょっと見てくるよ」

僧侶「いやあぁ、おやめくださいっ！！」

遊び人「スッキリ気分転換できたからそろそろ行こうや」

戦士「ヒリヒリするの…ここ、見てみ…」

僧侶「やめてください」

勇者「みんな元気そうに見えるけど、今日はそろそろ町に入って宿を探そっか」

僧侶「そうですね。無理に進んでも疲労が溜まるだけですし。この先も魔物に気をつけて行きましょう」

勇者「うん！僧侶くんの言う通りだ！」

戦士「ここで戦士くんから一つ提案。連結ごっこして進もうぜ？股間のコイツを前に立ってるやつにズッポしてーの」

僧侶「……」

戦士「無言はyesと受け取るぜ。さぁ」

僧侶「貴様の脳味噌何で形成されているんだ？」

これってホモじゃなくてゲイじゃないのか？

なんにせよ支援

早く僧侶を掘ってくれ

あぁ�・＾

この遊び人はいい男に違いない

この勇者はショタか男の娘なのか只の男なのかでだいぶ変わってくるな
僧侶の容姿も気になるな。　戦士と遊び人はどうせ普通のガチムチだから興味ねえや

骨太でガチムチの遊び人…

怖いよぉ…(´;ω;)

僧侶「塩はこちらの袋に。あ、干し肉はもう一つの方へお願いします」

勇者・戦士・遊び人「ヤンヤヤンヤ」ｷｬｯｷｬﾌﾌﾌ

僧侶（あの三人が腑抜けている分私がしっかりしなくちゃ）

勇者「お買い物済んだ？僧侶くんありがと～。きみが全部こういう事引き受けてくれて僕たち大助かりだよ！」

僧侶「それはどうもです。遊び人さん辺りには絶対に任せられませんので、これからも私を使ってくださいな」

遊び人「兄ちゃん俺が嫌いなの？俺はこんなに愛しておるというにぃ」ﾓﾐﾝ

僧侶「ひぃあぁ！？ 冗談でも私の体に触れるな変な物が移るッ！！」

遊び人「……検査引っ掛かってないよ。陰性でしたもん」

戦士「なぁ？虐めるなよ。こんななりして人一倍デリケートなんだぜ？」

戦士「こことかも、ね」ｻｽﾘ

遊び人「ファッ……っん」

僧侶「おえええぇぇぇ…おえええぇぇぇ！！ げぇ最低だ、勇者殿どうにか…」

勇者「」ぼけー

僧侶「勇者殿？どうかなされましたか？」

勇者「…えっ？あ、今何か話かけてた？ごめんごめん、ぼーっとしてたよ！」

僧侶「その様でしたが、一体何を見ていらしたのですか？」

勇者「何でもないって。ほら、二人がどっか行っちゃうよ！僕たちも行こっ！」ぐい

僧侶「え、ええ……」ﾁﾗ

「このドレス可愛い～」「こっちの髪留めも見て！素敵でしょおぉー」「かわいいなぁ～」

きゃぴきゃぴ

僧侶（町の娘たちか。華やかに着飾って良い物だなぁ。やはり仲間に一人でも女性が入てくれたら違ったものだろうに）

勇者「はぁー……」じー

僧侶「…勇者殿、二人へ追いつくのではなかったのでは？まさか彼女たちに興味があるのでは？」

勇者「へ！？ ち、違うよぉ……僕はそんなんじゃ」

僧侶（勇者殿……女性嫌いだなんだと言ってはいたが、本当は女性を求めているのではないだろうか）

戦士「戦士くんが良い情報を手に入れてきたんだ。教えようかぃ」

僧侶「はぁ、もしかして良さ気な装備が手に入りそうなお店を見つけたとかでしょうか？」

戦士「装備とかクソつまんねぇ話休憩中に出してくんじゃねぇよ！！ …ハッテン場。別称サウナだよ」

僧侶「はい？それは一体どのような？」

勇者「僕も初めて聞いたよー」

遊び人「フンハッ、サウナをご存じないとはね……。あれは、良い物だ。裸の男たちが熱気漂う密室の中、肩を並べ合い、さらには互いの肉体撫ぜ合いーの…」

僧侶「ええ、ええ。予想通りというか、嫌な予感大的中でしたよ…！行くならあなたたちだけにしてくださいなっ」

遊び人「相棒、照れる必要はないぜ。何故なら俺たち全員男同士じゃあねぇかさ？ここいらでお互いの美肌を晒しあうのも悪くないと思うが」

僧侶「その必要性が全く感じられません！勇者殿もこの二人にそこへ着いて行くのだけはお止めになってくださいよ！」

勇者「うん。僕たぶん行かないかも」

戦士・遊び人「ハァッ！？どうしたァー…勇者ァ！？」

勇者「えーっとさ……二人と違って僕は体に自信がないっていうか、そういうのは傍から見るのが好きだなぁ～って」

僧侶「最後の方は聞こえなかった事にしておくとして。いいですか？勇者殿はあなたたち野獣とは違うお方なのです！」

僧侶「さぁさ、私たちの事は放って置いて二人でその魔界へ跳び込んでらっしゃいな！！」

遊び人「……仕方がねぇ。俺たちはノンケ相手に無理は言わねぇさ、まぁ気が変わったら来いよ。オイル塗ってあげる」

僧侶「遠慮しますっ！！さっさと失せろ！！」

戦士「僧侶のいじわるなの、おれすき…いいよォ…」ﾁｭﾎﾟｫ

僧侶「ああああぁぁぁっ！！！ああああぁぁぁっ！！！」

遊び人「じゃあお前らはこの誰にも邪魔されない二人だけの空間をゆったりじっくり楽しんでろよ。なぁに、俺たちも帰りは遅くなるから心配すんな」

勇者「そうなの？明日に響かないように気をつけて遊んできてねー？」

戦士「今宵は俺のコックで脳髄まで痺れさせたげる…」ｶﾞｼ

遊び人「好きねェ…悪くないぜ、激しいのは」ｶﾞｼ

僧侶（ここ２日間、あの二人といるだけで悪夢の世界だ…）

>>21
もしや男の娘！？

勇者「本当は僕も行ってみたかったかもー」

僧侶「いえ、彼らの誘いを断ったのはとても良い判断だったと僧侶は思いますよ！！」

僧侶「それにしても、勇者殿はまだ男色道へ足を突っこんだわけではなく、ただ物珍しさに興味を引かれているだけのようですね…良かった」

勇者「でも男の人は好きだよ？強いし、たくましいし、頼りになるし、汗臭いし」

僧侶「…ん、大変失礼だとは存じて言わせてもらいますが、勇者殿はご自身にないもの、理想をホモどもめに求めているのではないでしょうか？」

勇者「えっとー、男らしさを求めてって事を言いたいの？」

僧侶「ええ、それが同性愛を傍から見る事で欲を満たすという行為は私には到底理解できませんし、恐らく稀有なケースだと考えられますが」

勇者「別に欲ってわけじゃ…言うなら憧れだと思うんだけど…」

僧侶「ゆ、勇者殿も彼らの様なガチムチした者へ変貌を遂げたいと！？それはとても勿体ないと私は思いますがっ！」

勇者「へ……」

僧侶「ゆゆゆ、勇者殿！あなたはご自分のお顔の美しさと、その体の黄金比とも言えよう華奢さに何とも思わぬのですか！」

僧侶「それはもう、男にしてはって感じですよ！ええもうっ！正直そんじょそこらの女どもでは太刀打ちもできないレベルかとッ！！」ﾊｧﾊｧ

勇者「……」ﾑｽｯ

僧侶「それをあんな野獣どものようなおぞましい肉体へ変えようだなんて勿体なくて、勿体なくてっ！ふーっ、ふーっ！……あっ」

勇者「…僧侶くんキモい」ぼそ

僧侶「ウゲェーッ！？」

勇者「キモいキモいキモいっ！散々みんなに色々言っておいて、自分もやっぱりそうじゃないか！」

僧侶「わ、私が……この私が、ホモと……ッ？」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

僧侶「お……お言葉ですがッ！！例え男といえど、美しい少年を見る事を嫌う者は少ないと思いますがね！」

僧侶「正直にお話しましょう！！勇者殿ッ！！私は別に男が好きなわけではありません！！ただ、ただッ…あなたの様な美少年を眺めるのは嫌いじゃない！！」

僧侶「あなたはご自身で思うよりも、大変お美しいのです……そうですともっ……」

勇者「え、えっと……悪く言ったのは謝るよ。だから、ちょっと落ち着いてほしい、な…？ あ、あははっ…」

僧侶「……」ｼﾞﾘｼﾞﾘ

勇者「ち、近いよぉ……」ｽｰ…

僧侶「……失礼。私とした事が少し頭に血が昇ってしまったようで」

勇者「そ、そうみたいだね。落ち着いてきたかな？」

僧侶「ええ、すみませんでした……僧侶は深く反省しましょう……」

僧侶（私はけしてホモなんぞではない。そう思っていたのに、彼を目の前にした時だけ、気持ちが揺らいでしまう）

僧侶（この気持ちは一体何なのだろうか。さっきも胸の高まりが抑えられなくなってしまった……）

僧侶「（話を変えてしまおう。この雰囲気は危険だ）勇者殿、さきほど町で娘たちを眺めていらっしゃいましたよね？」

勇者「えっ、あー…だから何でもないんだってば。ほら、彼女たちワーワーうるさかったじゃない。だから何だろうなって思って」

僧侶「ふぅん。それにしてはジックリと見られていたような。…正直、本当は女性が嫌いというわけではないのでしょう？」

勇者「嫌い。女なんて子どもを産むだけなんだよ。弱っちいしさ」

勇者「だから僕は強い男が好きなんだよ！」

僧侶（うーむ、これはもしかしたら、勇者殿はただ年頃の男子によくある強がり的なものを見せているだけではないだろうか）

僧侶「勇者殿、人は歳を重ねるたびに感性が変化していくものです。あなたはまだお若い」

勇者「こ、子どもだからってバカにするつもり！？それは卑怯だと思う！」

僧侶「いえ、そういうつもりではありませんよ。ただ…」

勇者「もうっ、これ以上堅苦しい話はやめようよー！今はみんな休憩中なんだからそういうのはなし！」

勇者「それより僧侶くん疲れたでしょ？お風呂入ってきたらいいんじゃないかなぁ」

僧侶「汗を流すですか……。そうですね、私もそろそろ入りたいと考えていたところです」

僧侶「宜しければ勇者殿もご一緒にいかがです？お背中流しますよ……っ」

勇者「なんかやらしい目してる。やーだっ」

僧侶「べ、別に良からぬ事は何一つ考えては！ただあなたへ忠誠を誓った身として、主の穢れを流そうと」

勇者「一々硬いんだよなぁ、僧侶くん。いいよ別にそんなのしなくても」

僧侶「いやいや、遠慮なさらずに～」

勇者「いいってば。しつこいと嫌いになるよ。僕はあとで入るからお先にどーぞ」

僧侶「ぐうぅ……っ！」

勇者をひんむいて性別を確かめたくなってきたぞ

僧侶「勇者殿も年頃の少年、中々扱いが難しいものです。いやしかし、あの調子なら何とかすれば女性嫌いも克服できそうだ」

僧侶「本質的に嫌っているわけでもなさそうだし……ふー、あぁ～旅の疲れが癒えるー」ｶﾎﾟｰﾝ

僧侶「父親が厳格な方だったのだろうか。そうだとすればあの女嫌いにもわけがあるのかもしれないなぁ」

ｱｯーーーーーーー！―――――……

僧侶「ひぃ！何ですか今のおぞましい程の雄叫びは！」

僧侶「……向こうの方から聞こえたけれど、まさか」

←ここ↑サウナ　ブラジル→

僧侶「あっ……」

僧侶「ここが戦士さんが話していた例の魔界なのでしょうか。何となく嫌な雰囲気は漂っていますが」

僧侶「……もちろんスルーしますが。罠と知って飛び込む阿呆がどこにいる」

男「オウ、アンチャン」

僧侶「えっ！？な、何ですか。どなたでしょうか…」

男「ウシロ、ツマッテル。サッサトナカハイル。オゥケィ？」

僧侶「いえいえっ！！私はここに用があるわけでは……ちょ、ちょっと！押さないで！あぁ！」

どてっ

僧侶「いたた……って蒸し熱い！！ここは地獄の窯の中でしょうか！？いやぁっ」

僧侶「急いで外に出なくては……はっ」

僧侶が目にしたもの、それは汗を全身から噴き出して肉と肉をぶつけ合う男たちの姿だった。

彼らは一心不乱に行為に勤しみ、あるいはフリーの獲物を鋭く輝いた瞳で選別している。

そう、ここはまさにホモパラダイス。ハッスルハッスル

「そ～れ！ハッスル！ハッスル！」「ファンンっ…ンマァ！！ヒィアァーッ！！」

僧侶「危険だ……！」

僧侶「ああ、危険過ぎますっ！！この場に私が居てはいけない！！殺される！！」

僧侶「で、出口はどこに……出口っ……！」ﾖﾛﾖﾛ

男「兄ちゃんめんこい顔してんのぉ？」がしっ！

僧侶「アッ！！」ｷｭｩｩ…

男「ほんれ、おじさんと仲よーしよや。おじさんな、今日は機嫌ええんじゃあ…。優しくするけーの」

僧侶「ひ、ひっ……たすけて……いや、いやです、やめてくださっ……！」

ブチュウ

僧侶「ンッ――――――！？」

男「じゅてぇ～むじゃあ……。どれ、こっちの具合は……あン？」

男「兄ちゃん、オメェ相当こっちで良い思いしてきたようじゃのう？穴ガバガバや。ほら、広げてみっから自分で指入れてみ？」

僧侶「やだあああぁぁぁ……！やめてくれよぉぉぉ！もう、いやなんだよぉぉぉ！！」

男「そげんつれん事言っても、兄ちゃんの穴が指飲みこもうとヒクヒクしとるが」

「オイ」

男「あン？」

ヒィアァッーｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

男「なんやお前、この兄ちゃんはワイが先に目ェつけて……」

戦士「うるせェ！！失せろッ！！」

男「…なんじゃてホンマ…………」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

僧侶「戦士さん……？」

戦士「こっちに来い。外に出してやるから心配するなよ。…よしもう外だ。少しそこに座ってな」

僧侶「はぁ、はぁ……戦士さん、どうして」

戦士「相手が拒否してるのに無理矢理プレイしようとするああいう輩が俺は死ぬほど嫌いなんですわ」

戦士「それよりお前どうしてここに来た？俺たちと一緒ならまだしも、一人では危険だぜ。どうも、ここは治安が悪いらしい……」

僧侶「来たくて来ちゃったわけでは……巻き込まれたと言いますか、そのぅ」

僧侶「あっ、遊び人さんは一緒ではないのですか？」

戦士「あの男は一足先に引き上げたところだ。ほら、あいつ勇者から色々期待されてんだろ。何とかソイツに答えようと一人で必死に特訓してんのサ」

僧侶「えぇ、あの遊び人さんがですか！？」

戦士「詳しくは俺もよくわかんねェ。俺と濃厚な仲のくせして中々そーいうの教えてくれねぇんだよな…」

僧侶「何だかにわかには信じ難い話です……」

戦士「おめぇもうかうかしてると遊び人から抜かれちまうぜ。気をつけな」

僧侶「ていうか、戦士さん！今初めてあなたとまともな会話をしている事に私は驚いています！！」

戦士「おいおい…俺もお前と同じ人間なんですが…何だぁ？ホモは同じ人間じゃねぇって言いたいのか？」

僧侶「それは……そうではありません！ただ、私はホモが理解できないというか！」

僧侶「嫌いなんですよっ…あなたには悪いかもしれませんが、気持ち悪い…！！」

僧侶「さっきはあなたが助けてくれたから何とかなりましたが、あのまま犯されそうになったら自分の舌を噛み千切って死のうかと考えてました」

戦士「そいつぁ感心できん話だぜ。まぁ今後こういった場所へ行きたい時は俺か遊び人と一緒の時にしておきな？」

戦士「手取り足取り、先輩がおめぇに詳しく教えてやっからよぉ…」

僧侶「さようなら。どうもありがとうございました」ﾀﾀﾀ

戦士「おゥーい！風呂場を走るなァ！……しかし、僧侶。あいつの体の傷、随分なもんだな…」

僧侶「体を清めに行ったというのに、危うく穢されるところでした」

僧侶「は、ははっ、今回ばかりは戦士さんに感謝しなければいけないや…」

僧侶「勇者殿、勇者殿？中にいらっしゃいますかー？お風呂は別の場所にするのをお勧めしますよ」ｺﾝｺﾝ

『！ あっ、ちょっ…まって！！ だめ！！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀｯ

僧侶「……？ 勇者殿、何を部屋の中で騒いでいるのです？あまり喧しいと店主から怒鳴られてしまいますよ」ｶﾞﾁｬ

『わぁあー！！だめだってばっ！？ま、まだ…僧侶くんまっ―――』

がちゃり

僧侶「……えっ？」

勇者「ッー！…………///」ｶｧｧ

僧侶「ゆ、勇者殿……その恰好は、一体何でしょうか……っ！」

何だ？何があった！？

勇者「ちくしょー！！ だから待ってって言ったのに！僧侶くんのバカ！どアホ！」ﾎﾟｲﾎﾟｲ

僧侶「投げないで下さい！お、落ち着いて！」

勇者「う、ううっ……うわーんっ……」

僧侶「ああっ、そんな泣く事では…本当にどうなされたというのですか…」

僧侶「いつの間にその様なドレスを。しかもそれを着るだなんて」

勇者「みないでよぉ……やだよぉー……」

僧侶「まさか勇者殿。あなた女装がお好きなのですかっ？」

勇者「えっ、そっ！そういうわけじゃ！！」

勇者「とにかくこれは違うんだよ！お願い、見なかった事にして！誰にも言わないでっ」

僧侶「主がそう仰るのなら、そう致しますが……」

僧侶（なんてこった。勇者殿、女性が嫌いなはずなのに。一体どういうことか私には見当がつかない）

勇者「あの、もう着替えるから悪いけど一回外に出て欲しいんだけど」

僧侶「え？別に私を気にすることはありませんよ。どうぞです」

勇者「で・て・いっ・て！！」

どーん！

僧侶「あうっ、そんな乱暴に追い出さなくても……。男同士ではありませんか、何も気にする必要は」

『見られるのがいやなんだよ。大人しく待っててください！』

僧侶（初めて勇者殿がお怒りになっているようだ。私とした事がとんでもない）

僧侶「勇者殿、申し訳ありませんでした！この僧侶取り返しの付かない真似を…」

『……変だと思ったでしょ？』

僧侶「は？」

『お、思ったよね。おかしいよねこんなの。何かごめんなさい…僕が悪かった…」

僧侶「そ、そんな。謝るのは私の方です！勇者殿の言う通り部屋の外で待っていれば良かったのに」

僧侶「…というか、勇者殿。本当に、先程のお姿は女性に匹敵、いえ！それ以上に可愛らしくお美しかったですよ！！」

『うるさいっ！！」どんっ！

僧侶「おぅふっ…」

ここで押し倒さないとかヘタレか！

勇者「もうさっきのは忘れてね。絶対だからね？」

僧侶「ええ、重々承知していますとも。ですが勇者殿。あなたひょっとしてそちらのご趣味をお持ちで…」

勇者「もう触れるなぁー！！」

僧侶「そうは言われましても！あなたは強い男に憧れていたのでは？先程の行為もただの行き過ぎた興味が」

勇者「…興味あって悪い？いいでしょ、一人の時ぐらい好きな服着ても」

僧侶「悪いとは言いませんが。……勇者殿、やはり仲間に一人女性を加えましょう」

僧侶「あなたは恐らく欲求不満でもあるのです。確かにあなた美少年。女装も大変お似合いになられていました」

僧侶「ですがね…さすがにご自身の姿を鏡に映して解消しているのは誉められた行いでは」

勇者「そんなじゃないよ！…本当にただ着てみただけだから」

勇者「あと、今日も話したけど仲間に女の子は入れません。不要。邪魔」

僧侶「そうですか……。でも、私なんだか少し安心してしまいました」

勇者「えぇ？」

僧侶「何だかんだ言ってもあなたは女性に興味があったのですね。ふふっ」

僧侶「一時は本当に同性愛に目覚めてしまうのだろうかとヒヤヒヤしていたのですよ？」

勇者「そう？大体僕そういうの求めてキミたちを仲間にしたんじゃないからね。真面目に、選ばせてもらったんだから！」

僧侶「はぁ、それで偶然パーティにホモが二名も紛れてしまったと。災難というか」

勇者「別にそんな風に思っちゃいないよぉ。どうして僧侶くんはそんなに二人のような仲を嫌うの？」

僧侶「嫌悪するのが当たり前かと思いますよ。あなたが女性を嫌うのと同じ様だとは言えませんが」

僧侶「私は絶対にホモなんて汚らわしい輩を認めませんし、良く思うことはありません」

勇者「男の人が嫌い？」

僧侶「はい。ダメですね」

勇者「でも僕とは平気に話してるじゃない。よく分からないよー…？」

僧侶「それはあなたにも同じ事が言えますよ。大体、男に向かって男が好きと尋ねて好きだと答える者はまともではない」

僧侶「最低なんですよ、ホモって奴らは……」

勇者「なんか、難しいね。僕には全然わかんないや」

僧侶「奴らが変態だという事をしっかり理解していただければ、それで十分ですよ」

勇者「う～ん……」

僧侶「！ 勇者様、こちらに来ていただけますか？ここの髪が少し乱れています。私がとかしましょう！」ｽ…

勇者「だめぇ！！」ﾊﾞｼｯ

僧侶「えぇ！」

勇者「髪は…触っちゃやだ…自分でやるからいい…っ」

僧侶（やれやれ、本当に難しい年頃だ）

遊び人「相棒、今朝は清々しい朝だな。息子の調子も悪くねぇや」

戦士「素敵じゃないかぁ…」

僧侶「朝から見るもおぞましい場景を展開なさるのはやめてもらえませんかね」

戦士「お前昨日俺たちを理解してくれたんじゃないのかよぅ！」

僧侶「それはたぶん私ではないかと思いますが！」

勇者「みんなおはよー！！調子良さそうだねっ、二人は遅くまで無理に夜更かししちゃったりしてないよなー？」

遊び人「俺たち…」

戦士「朝帰り…」

戦士・遊び人「ねー？」

僧侶「少しは見直していたのに、一気に株が下がりました…私がバカでしたよっ」

ﾁﾗ

僧侶（遊び人さんのレベルが上がっている。特訓しているって話は本当だったんだ）

遊び人「おぉい、みんなが見てる前でジロジロ見るなってば…ほら、俺らの関係バレちまうって…な？」

僧侶「遊び人さんはお強いみたいですので、回復は薬草を使うなり自力でお願いします」

遊び人「あーんっ！僧侶ちゃんのいじわるぅ！」

勇者きゅんぺろぺろ

僧侶「え？村の女性の方々が魔物に？」

村長「そうなのだ。わしの娘も連れて行かれ、ご覧のあり様よ……ぐすん」

戦士「家の中まで荒されて、ひでぇ感じだぜぇ…」

勇者「魔物たちめ、力のない人々まで襲うだなんて卑怯だ！」

僧侶「勇者殿、ここは私たちでさらわれた村民たちを救い出しましょう。上手くいけば彼らもあなたを支持してくれますし、お礼もいただけるでしょう！」

勇者「それ利益しか見てない感じで嫌な感じだよ？正直なのはいいけど、そういうとこは治そう」

僧侶「は、はい……すみません」

遊び人「お前たち！俺はとても重要な事に気づいたかもしれん！」

「！」

村長「き、聞かせてくれたまえ！」

遊び人「ああ、魔物たちは女ばかりさらった……つまりだぜ」

遊び人「奴らはホモじゃねぇ。むしろ異種姦を企んでいる変態どもさ……」

戦士「…ほう、冴えてるな」

村長「彼奴らァ……！」

僧侶「あはっ、笑うしかねぇや」

勇者「この洞窟の中に魔物たちが巣を作ったみたいだね。うん、少しだけどそれとなく気配も感じるよ」

戦士「ビンビン来るぜェ…！」

僧侶「下半身を前に突き出しながらそういう事言わないで頂けませんか。恐ろしいです」

僧侶「道具も装備も村で買い揃えてきましたし、準備は万端！いつでも突入できますよ、勇者殿！」

勇者「よーし！僧侶くん頼りになるぅー！それじゃあ行くよ。作戦はガンガンいこうぜっ！」

戦士「ハァハァ…ガンガンいくぜェ…！？」

遊び人「攻めちまうか…相棒よォ…」

戦士「ウホ、興奮してきやがったァアッー！！」

僧侶「そ、そうですか…がんばりましょう、ね…」

魔物の群れ『うおﾞぉおォおんおﾞぉおォおんおﾞぉおォおんおﾞぉおォおん！』

僧侶「思っていたより魔物の数多いですね！」

勇者「みんな！互いに背中を預ける陣形で戦おう！カバーし合って隙を見せないように！」

戦士「ウダァアッーアァ！！」ﾒｷｨｯ

魔物『んごおおおぉほぉぉぉぉぉっ！しゅごいぃのぉおおょぉぉぅ』

遊び人「よぉ、ケツががら空きだぜ……」ﾄﾞｰﾝ！

魔物『おﾞぉおォおんおﾞぉおォおんきいぃ。いぃっぱいぃれてるのぉおおおん！』

戦士「ヒャッハー！ファックオンステージだぜッ！」

遊び人「俺の美技に酔いな。骨抜きしてやんよ～」

僧侶「す、すごい……たった二人であの数を圧倒し始めている……！それにあのコンビネーションは一体……！？」

勇者「短期間でここまで息を合わせて戦えるなんて流石だよ。僕の目に狂いはなかった…む！」

勇者「戦士、６時方向ッ！遊び人、１時の方向ッ！！、魔法攻撃に気をつけろッ！」ｷﾘｯ

戦士・遊び人「了解ィー」

勇者「いい！上手く動けてる！二人ともファイトー！おー！」

僧侶「……」

僧侶（なんてことだ。今まで勇者殿は適当に二人を自由に遊ばせていたわけではなかったんだ）

僧侶（短い期間だけど、二人は勇者殿を信頼し切っている！そして勇者殿は状況を冷静かつ的確に判断し、指示を出す）

僧侶「か、完璧な動きすぎますよ……」

勇者「僧侶、退けッ！！キミは壁に背を向けて二人へ支援！防御力の強化を！」

僧侶「えっ！？あ、はい…！」

勇者「みんないい調子だよ！戦士は魔法を唱える魔物を重点的に狙え。遊び人、無理はするな」

勇者「僧侶ォ！！どこを見ている余所見をするなッ！！」

僧侶「は、はいぃ！！（しかしなんだこの豹変っぷりは！！）」

魔物『イっくぅぅふぅぅぅぅぅぅぅん――――――……」ｼﾞｭﾝｼﾞｭﾜｧ

僧侶「……全ての魔物を倒しちゃいました。すごいですよ、これ」

勇者「うん。みんなが一生懸命頑張ってくれたお陰だよぉー！やったね！」

遊び人「ナニ言ってるの。お前さんがいつにもなくリーダーしてくれてたお陰でもあるよん」

戦士「もっと怒声を上げて俺をパンパン叩いてくれてもいいぜぇ…それは俺へのご褒美になるぅ…」

勇者「えへへ、急にごめんね。ビックリさせちゃったよね…。でも、今の戦いは気を抜けなかったからさ」

勇者「それと、いつもみんなばかりに戦わせちゃってごめんなさいだよ。僕の腕じゃまだまだ魔物に敵わないから、みんなを頼りにさせてもらってる」

僧侶（確かに勇者殿が直に魔物へ攻撃した事は一度もなかったような。見たところ筋肉もあまり付いていないようだし、戦闘には不向きなのかもしれない）

戦士「この奥から雌豚どものかほりがプンプン臭ってきやがる。残りの魔物どもが戻って来る前に村へ送り届けようぜ」

勇者「そうだね。その後は突撃前に話した通りの手筈を」

遊び人「しっかし、それって大丈夫かねぇ？下手したら魔物どもの恨み買って村を強襲してくるかもよん？」

勇者「大丈夫、僕に良い考えがあるんだ」

僧侶「あなた、本当にあの勇者殿でしょうか？」

勇者「ん？うん、そうだよぉ～！」

魔物のヤられ方がすげぇ気になるｗｗｗ

有情破顔拳みたいな死に様でイメージした

娘「パパぁ～！怖かったよぉ！」

村長「おお、おお！我が愛娘よ！無事でなによりだ……！」

村長「勇者様、全てはあなた様のお陰ですぞ。ああっ、何とお礼を言えば良いか」

勇者「待ってください。安心するのは魔物たちを全て倒してからだよ！」

村長「は、はて？魔物を？まだ連中に生き残りがおると！？」

戦士「どうやら何組かに分けて行動しているようでな。残りは他の村へ向かったようだぜ」

遊び人「それをこれからみんなでどうにかしようぜってわけさァ～」

村長「みんな？皆というのは……まさか私たちを含めて仰っているのでは」

勇者「そう、自分たちの場所は自分たちで守らなきゃだよ！僕も全ての人を一々助けに行けるわけじゃないんです！」

村長「そんな……我々には彼奴等と戦う術も、技能もないのですぞ。無茶を言われるなっ」

勇者「ううん、みんな僕よりも力はあるし、術だって持ってる。それに戦いは力尽くだけが全部じゃない」

勇者「始めから弱気なのが一番ダメなの。このままじゃ魔物に舐められたままだよ？」

村長「しかし……なぁ？」

「魔物を相手にするのは恐ろしいのです」「オラたちを殺すつもりかぁ？」「やめとこうよぉ…」

村長「ゆ、勇者様。この通りですじゃ。村の者たちをこれ以上危険に晒すわけには」

僧侶「…そうですよ勇者殿。彼らは脅えきっています。この状態では返って足を引っ張りかね――」

勇者「お前ら男だろぉぉぉーーーッ！！！」

「ひぃ！」戦士「ん…」ﾋﾞｸﾝｯ

勇者「玉付いてないのかよ？立派なのは体格だけで中身は鼠以下なの？宝の持ち腐れってお前らの事を言うんじゃないか！？」

戦士「ああ＾～くせになる～…」

勇者「戦士くん、静かにして」

戦士「……」

村長「ゆ、勇者様…そうは言われても…」

娘「わ……私は戦うわ！また何もできずに村を滅茶苦茶にされるだなんてたまらないもの！」

「あたいも！これ以上魔物の好きにされたくないの！」「村を守らなきゃ！」「あんなゲテモノ今夜のおかずに変えてやるんだから！」

村長「お前たち！何を馬鹿言っておるのだ！危険じゃ！」

僧侶「そ、そうですよ。女性が魔物へ立ち向かうなんて危険過ぎる…」

娘「危ないのはこっちも承知よ。でも今立ち向かわなきゃ、私たちはこれから先、今よりももっと苦しまなきゃいけなくなる」

娘「それなら戦うわ！覚悟はしてるの！」

僧侶「……ゆ、勇者殿」

勇者「今の彼女の話をしっかり聞いたか。彼女は、彼女たちはお前たち以上に勇気があるし、根性もあるぞ」

勇者「お前たちほどのたくましい男たちが、こんな村娘如きに守られるつもりか？その様はきっと随分滑稽なさまだろうな」

「っくー！！」

「やればいいんだろ！！俺たちも男だ！！火事場の底力見せてやろうぜ！！」

「うおー！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

遊び人「…だそうだぜ。旦那？」

村長「……勇者殿！我々に指示を！何から手をつければ！？」

勇者「よしきたっ」ﾆｺ

僧侶（ゆ、勇者殿が、勇者殿じゃないみたいだ……）

魔物リーダー『おのれ下賤な人間どもめ。我が同胞をよくも殺してくれたな！」

魔物リーダー『おまけに捕えた捕虜も解放しおって！完全に油断していた。部隊を多く割きすぎた我の責任でもあるか」

魔物リーダー『同士よ、これより我らは先の村を再び落としにかかる！これは復讐なのだ！手加減は一切無用ッ、見つけ次第人間は八つ裂きにしようぞッ』

『ワアアアアアアアアアアァァァァァァァ……』

魔物リーダー『全隊、突撃ィー！！』

『オオオオオオオオオオオォォォォォォォ』

『オオオオオォォォォ、ォ、ォォ……？』

魔物『人間誰も居ないヨ。何処いるネ？』

魔物『きっと俺たち恐れて隠れてるネ。間違いないヨ』

魔物『人間ども、俺たち怖い！それ知ってる！あいつら臆病！うほ、うほうほ！』

娘「あら、魔物の皆さんよくいらしてくださいました～」

魔物『人間ッ！いたお(｀・ω・´)！』ｼｬｷｰﾝ

「こんな辺鄙で何もない村へようこそ！さぁさぁ、大したお持て成しはできませんが、どうぞこちらへ！」

魔物『こいつら、何言ってる？』

魔物『持て成す言った。意味不明だぎゃ！リーダーは見つけ次第殺せ言った！殺す！』

「あら、そんな物騒な物なんて置いて、ほらどうぞお上がりくださいな！あ、御召物は脱がなくて大丈夫ですからね～」

「ほらほら。遠慮なさらず～」ぐいぐい

魔物『う、うう？何か予想してたのと違う？人間俺たちに観念してる？』

魔物『…女、そういえばお前たち俺たちが捕まえてた。何故逃げた！誰が逃がした！』

娘「…ああっ、魔物さま方！私たちはあなたたちのお傍に仕えていたかったのに、悪い悪い勇者が私たちをさらったのです！」

娘「今は勇者も村を離れましたが、村に滞在している間に私たち女は彼らから乱暴を、恥ずかしめを受けたのです……おーいおいおい…」ﾎﾛﾘ

魔物『むぅ…勇者悪い奴、それいくない…本当に勇者かそいつら…ひどい話だ！』

魔物『リーダーにも伝えるべき！俺たちの女いじめた勇者ひどいと！』

魔物『了解シタ！』

娘「ありがとうございます。お礼に精一杯村で取れた作物を使った料理を振舞いましょう！」

「勇者様、魔物たち見事に全員酒と料理へ手を出し始めました。完全に良い気になって宴を始めてますぜ」

僧侶「バカな！こんな単純な策が通っただなんて！」

勇者「僧侶くん、魔物たちはどうして女の子ばかりをさらったか分かるかな？」

僧侶「それは……恐らく自分たちの身の回りの世話をさせようと」

戦士「当たらずとも遠からずってとこだなァ。ヒント、異種姦」

僧侶「下品な…。彼らも男だという事でしょうか？だから我々同様に性欲があって」

僧侶「……あっ」

戦士「そうよ、魔物には雌となる個体が存在しねェ。ぜぇーんぶ男だ、男祭りよ」

僧侶「…魔物が数を増やすにはどうしても人間の女を使う必要がある。こんな簡単なことにも気付けなかっただなんて」

勇者「そしてどうもあの魔物たちは女の子に不慣れみたい。１週間も前にさらっておいて誰一人手を出されてなかったしね」

勇者「まぁ、もしかしたら何処かへ送るつもりだったのかもしれないけれどね…」

僧侶「もし違っていたら村の女性たちは今頃八つ裂きでしたよ！取り返しのつかない事になったらどうしたのですか！」

勇者「今回は彼女たちの覚悟に恐れいって、この作戦を実行させてもらったの」

勇者「もう一つの方は少し村人たちに手伝ってもらうには残酷なものだったから、本当こっちで助かったよぉー」

戦士「しかし勇者くんよぅ、何もそこまで村人たちに手伝わせるこたぁなかったんじゃあねぇか。俺たちだけでも」

勇者「ううん、自分たちの村は自分たちで守らなきゃダメ。全部勇者と国頼りなんてそんなのずるいもん！」

勇者「…それに見て？みんなしっかりできてるじゃないさ。さっきまでの腰抜け具合が嘘みたいだ」

女たちが屋敷で魔物の群れを持て成し、良い気にさせている間、男たちはせっせと外で簡単な罠を作る。

さらに農具を武器に持ち替え、その時を待ち構えていた。

娘「～！」ｻｯｻ

遊び人「合図が来たぜェ、今だ。屋敷に火を放て」

村長「今じゃ、屋敷に炎を！」

「「「「「「いいですとも！」」」」」」

村長の指示に男たちは次々と屋敷へ火を放つ。中の女たちは既に外へ避難済み。残ったのは酔っ払いの魔物たちのみ。

娘「あいつら馬鹿みたいにお酒飲んでベロンベロンだったよ。私たちが抜けた事にもまだ気づいてない」

遊び人「だがまだ油断できねぇかもな、何故なら俺の尻が疼いてやがんだ。こういう時はいつも何かある」

娘「お尻……？」

屋敷は徐々に火へ呑まれてゆく。しばらくして中から魔物たちの悲鳴が沸き上がった。

壁が崩れ、火達磨になった魔物たちが外へ飛び出す。すぐに武器を持った男たちが囲んでメッタメッタにタコ殴りを始めた。

魔物『ギイイイイィィィアアアアァァァ』　「思いっきしぶん殴ってやれ！」「はっはっ、農夫の腕っ節を舐めるなだァー！」「こんなの土を耕すに比べりゃ楽勝もんだべさ！」

一匹たりとも村の外へは逃がさない。慌てて走る魔物は予め鍬で乱雑に掘り返された土に足を取られ、駆けつけた男たちに囲まれている。

僧侶「魔物たちが油断した結果とはいえ、農民たちが魔物相手に戦えています……こんなの初めて見た」

戦士「奴さんらの敗因はただ一つ、シンプルな理由だぜ……奴らはノンケだった……！」

僧侶「いや、えっ…あっ……もう何も言いません……」

勇者「っ……」ﾁﾗﾁﾗ

僧侶「勇者殿？落ち着かない様子ですが、いかがなされましたか？」

勇者「隊長格の姿が見当たらない……。あの魔物は他のに比べて頭一つ抜けて強そうに見えたの。あの程度の炎では焼死したとも思えなくて」

僧侶「まさか。すぐに村人たちを屋敷から離れさせましょう！！」

勇者「そうした方が良さそうだね…。遊び人くーんっ！」

遊び人「ほいサ―――――」

『ヌワアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァアッー！！』ドカーン

「うひぃ！？」「きゃあああぁ、まだ魔物が！」「で、でっかくなってるだァー！！」

遊び人「むぅ……ゥこの野郎、脳筋系に見せかけて魔法を使うタイプだったのかぃ……」

魔物リーダー（ﾄﾞﾗｺﾞﾝ）『よくも我が真の姿を晒させたな！おのれ人間ども！ハァー、こうなれば一匹残らず我が竜の息吹で焼き殺してくれるわッ』

村長「あわわわわ……」ｶﾞｸｶﾞｸ

遊び人「じっちゃん何ボサっとしてやがる。すぐに立って外へ走れやァ！」

村長「腰抜けて無理やァー！！ こ、殺される…ここまでか……はっ！？」

ドラゴンは村長の娘へ目をつけたようだ。

ドラゴン『貴様が図ったのだな娘ェー！許しを請うても遅いッ。我らに刃向ったこと、そして同胞を滅ぼしてくれたこと！全てを悔み、果てに死ぬがよい！」

娘「来ないでよぉ……！」

勇者「させないよぉー……！」

僧侶「いけないっ、今から走っても間に合いません！」

勇者「諦めるにゃ早いってもんだよ！！あの子は殺させやしない！！」

勇者たちは走った。しかしドラゴンの尾は娘へ向かって、それより早く薙ぎ払われる。

勇者「うわあああぁぁぁぁーーーーッ！！」

娘「っ……」

ドラゴン『去ねィ！小娘ェ～！！』

村長「…うぐぐ、ぬわああああああぁぁぁぁ～～～！！」がしっ

完全に怖気づいていた村長が立ち上がり、娘を抱えて横へ跳んだ。尾は二人の毛髪をかすめただけで、対象を見失う。

ドラゴン『アララ！？』

娘「…パパぁ！」

村長「……こ、怖かった。だが良かった！」

ドラゴン『ウガァーッ！！見逃すものかァ！！」

村長・娘「ひっ！」

怒るドラゴンはその口から漏らす火炎の息を、二人目掛けて吐き出す。

勇者「村長よく男を見せたぁぁぁーーーッ！！…あとは任せてください」

追いついた勇者は二人を勢いに任せて突き飛ばして、火炎の息の身代わりとなった。

僧侶「ゆ、勇者殿ぉーっ！！」

ドラゴン『勇者？勇者だとォ？だとすれば実に他愛のない小僧だったなッ！どれトドメをくれてやろうか……！』

ドラゴンは負傷し倒れた勇者へさらに火炎の息を吐こうと大きく口を開き、周りの酸素を一気に吸い上げた。

だが、瞬間。火炎を溜めたその大口目掛けて遊び人が何かを投げ込む。

ドラゴン『ムグッ！』

遊び人「残った最後の火薬だァ……その舌でよく味わうがいいぜ……」

ドラゴン『』ドオォーン！！

戦士「相棒、やったな…大手柄だぜぇ…」

遊び人「へへっ。しかし、喜ぶのは勇者の安否を確認してからだよ。無茶しやがって」

僧侶「あ、あれ…おかしい！回復魔法は既にかけた筈なのに起きません！勇者殿しっかり！」

勇者「」

娘「し、死んでしまったの……？」

村長「そんな……」

戦士「馬鹿垂れがよォ！いきなり決めつけてんじゃあねぇぜ！退け、僧侶。俺が何とかする」

僧侶「な、何とかするって…！」

戦士「動かない時はとりあえず人工呼吸して心臓マッサージすりゃ治るって相場は決まってるんだよぉ……」

ぶちゅう

僧侶「勇者殿おおぉぉーーーっ！！ あなたっ、何て事を！」

戦士「うるせぇ！緊急事態だ黙って見てろ！…次は心臓マッサージを」ぐっ

戦士「！！……」

娘「どうしたの？早く助けてあげないと！」

戦士「あ、ああ…そうだな…だがよぅ……」

遊び人「相棒ぉ？」

戦士「……あ…いや、何でもねぇんだ…気にすんじゃあねぇ…」

僧侶「ええい、戦士さん退いてください！やはり私が！」

勇者「……ん」

僧侶「勇者殿？勇者殿！気がつかれたのですか！？」

勇者「あ、なんとか……みんな無事だった……？」

僧侶「勇者殿はまず私たちよりご自身のお身体を心配なさってくださいな！！死んでしまったのかと心配したのですよっ」

勇者「えへへっ、ちょっと無理してかっこつけちゃったよぉ……いたた」

娘「勇者さま、私…私…！」

勇者「うん、お父さんすごーくカッコよかったね。ちゃんと見てたよ、僕…」

村長「勇者様…」


戦士「……勇者、まさかあいつ」

勇者・・・まさかな・・・

しえんしえん面白い