美希「でこちゃん!でこちゃん!」 (19)
伊織がよかった。
毎日たくさんミキに告白してきてくれる人はいたけれど、ミキは伊織がよかった。
ミキはずっと伊織のこと見てたけれど、
その目はミキを写してはくれないの。
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期待なの
『おにぎりガールはメランコリー』
美希「ねぇでこちゃん?」
伊織「何よ?っというかでこちゃん言わないの」
美希「でこちゃんってさ……」
伊織「うん?」
美希「ミキのこと好き?」
伊織「あんたっていつもいきなりよね」
美希「ほーら、答えるの」
伊織「ええ、だーいすきよ」
美希「……むー」
伊織「何よ?」
美希「そんな棒読みで言われても嬉しくないの!」
伊織「はいはい」
美希「もー。それじゃあやよいは?」
伊織「やよい?」
美希「うん、仲良いじゃん、でこちゃんとさ」
伊織「……好きよ」
美希「ミキの時とは違うの!」
伊織「あんたの時は『だーいすき』って言ってあげたじゃない」
美希「い・い・か・た!気持ちこもってる言い方だったの!ズルイの!」
伊織「んで、質問はお終い?」
美希「ううん。……あと一つあるの」
伊織「なら早く言いなさいよ」
美希「……うん。伊織はさ、プロデューサーさんのこと、好き?」
伊織「す……」
美希「す?」
伊織「好き、なわけないでしょ!あんなにダサくてダメダメで……」
美希「ホントに?」
伊織「うっ!まぁ、その最近はちょっとはマシになってきたわよ」
美希「ふーん」
伊織「何よ?」
美希「べつにー」
ホント、嘘が下手くそなんだ、伊織ったら。
そんだけ顔真っ赤にしながら言ったら、千早さんだって気づくの。
ミキがこの事務所に来る前からプロデューサーさんと伊織の間にもうちゃんと繋がりがあって、ミキが入った時にはそこに入り込む隙間なんて無くて、さ。
『一番じゃなくても良いからさ!ミキのこと好きって言ってよ!抱きしめてよ!キスしてよ!』
って言ったら伊織はどうしてくれるのかな?
……きっと優しいからさ、ものスゴく悩んで泣きそうな顔で『ごめんなさい』って言ってくれるんだろうな。
ミキね、好きなんだ、伊織のこと。
届かなくて好きでいていいよね?
好きで居続けてもいい、よね?
もうすでに切ないの…
美希「でこちゃーん!」
伊織「きゃ!もう!どうしてあんたはそうやっていきなり抱きついてくんのよ?」
美希「……」
伊織「何よ、黙っちゃって」
美希「どういう理由だったらでこちゃんを誤魔化せるかなって」
伊織「結局無いんじゃない!」
美希「えー、なんとなくじゃダメー?」
伊織「あんたらしいわね」
美希「へへーん」
伊織「……全く。じゃあそれで良いわよ」
美希「ありがとー!」
伊織「それとこれとはまた別よ!」
ずっとずーっと好きだよ、伊織。
さすがに気持ち悪い
短いの一本、いおみき物でした。
読んでくださりありがとうございました。
イイハナシダナー
乙なのー
良いものです
切ない……
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