後輩「先輩のためにパックですけどおいしい紅茶の入れ方教えます」(26)

後輩「まず湯を沸かします」

先輩「まあ基本ね」

後輩「100℃なのでぐらぐら沸かしましょう」

後輩「今回はパックのやつを使います」

先輩「某ファミレスとかでよくおいてあるけど・・・」

先輩「たまにいただいて帰るわ」

後輩「マナー違反ですけど怒れません」

後輩「私もしたことありますから」

先輩「誰でも一回はあるのでは?」

後輩「そうですね」

後輩「特に学生はしてそうです」

先輩「でも一人暮らしならともかく実家通いで本当に使ってるのかしら?」

後輩「私はちゃんと使ってましたけどね」

後輩「友達が来たときに何かと重宝します」

先輩「…呼ぶ友達がいない」

後輩「…」

先輩「…」

後輩「なんていってる間にお湯が沸いてきました」

先輩「はい、それを直接注ぐの?」

後輩「その前にカップを暖めましょう

後輩「というかそれだとこの説明はいらないでしょう」

先輩「あー盲点でした」

後輩「カップの温め方はお湯をちょっと注いでまわして捨てます」

後輩「20秒ほどを2、3回でおkです」

先輩「はい、できたわ」

後輩「ではパックをセットしてゆっくりお湯を注ぎます」

先輩「ところで相棒の右京さんは高い位置からお湯を注いでいるけど

先輩「何か意味があるのかしら?」

後輩「あれは先にミルクをカップに入れてます」

後輩「高い位置から注ぐことでよくミルクが混ざるのです」

先輩「なるほど」

後輩「そういえば本場イギリスでは先にミルクを入れるか後でミルクを入れ

るかで真剣に討議してたそうです」

先輩「どちらでもいいのでは」

後輩「私もそう思います」

後輩「でも本場の人は違うのでしょう」

後輩「結果は出たみたいですが私はとくに興味がないので覚えてません」

後輩「っと話が脱線しましたね

先輩「すごくした」

後輩「えーとお湯を注いだので上から蓋をします」

後輩「ソーサーあたりがちょうど良いでしょう」

先輩「後輩、うちにはしゃれたカップをソーサーもないよ」

後輩「小皿でもかまいません」

後輩「私もひとりで飲むときは手近なお茶碗で代用してます」

先輩「なんでもありね」

後輩「なんでもありです」

先輩「ズボラ…」

後輩「ほめ言葉ですね」

先輩「でどのくらい蒸せばいい?」

後輩「パッケージに書いてますからそれを目安に」

後輩「今回のは1分前後ですね」

後輩「あとは好みによりますから調整してください」

先輩「はーい」

後輩「ちなみに私は薄目が好きです」

先輩「へー意外」

後輩「紅茶の渋みが苦手なのです」

先輩「あーわかる気がする」

後輩「渋すぎると砂糖ミルク入れても渋み消えません」

後輩「ちなみに渋みが少ない紅茶には某プライベートブランドの」

後輩「セイロンブレンドがおすすめです

先輩「サモンナイトのセイロンと同じ名前」

後輩「あれは確かお酒から名前を取ってましたね」

後輩「紅茶と同じ名前のお酒があるのかしら?」

先輩「料理得意の後輩でもわからないことあるのね?」

後輩「お酒は苦手です」

先輩「でも紅茶にお酒を入れるってきいたことあるわ」

後輩「はい、ウォッカやリキュールなんかをいれると香味が増すようです」

後輩「お菓子作り用の洋酒もいけます」

先輩「今日は入れないの?」

後輩「準備してないのです」

後輩「日ごろからお酒飲んだりお菓子つくりが趣味の人は

後輩「常備してるみたいですけど、私はお酒ないほうが好きです」

後輩「・・・っと、1分過ぎてますね」

後輩「ソーサーをとります」

先輩「いい香り」

後輩「今日の紅茶はダージリンです」

先輩「あっ知ってる」

先輩「けっこうポピュラーな紅茶だっけ」

後輩「そうですね」

後輩「他にもウパやアッサムなども有名です」

先輩「紅茶花伝は確かウバ茶だったかな?」

後輩「ええ、ウバ茶はミルクティーに合うお茶として有名ですね」

先輩「ダージリンやセイロンブレンドはミルクいれないの?」

後輩「セイロンブレンドはさっき行ったとおり渋みが少ないですから」

後輩「ミルクを入れると味が薄まるんですよね」

後輩「試してみましたけどミルクティーというより紅茶風味の牛乳って感じでした」

先輩「今日のダージリンは?」

後輩「合いますよ」

後輩「ウバほどではありませんけど」

後輩「どちらにもいえますが抽出時間を長くすると良いみたいですね」

後輩「やっぱりミルクを入れると紅茶の味が薄まるのです」

先輩「なるほど」

先輩「ところで話が変わるけど牛乳と砂糖の組み合わせっておいしいよね」

後輩「あれを発見した人は偉大です」

後輩「甘党の私としては同意せざるを得ませんね」

後輩「とくに甘いフルーツと組み合わせるとなおも素敵です」

先輩「いいですね」

先輩「みかんとか柑橘系やバナナも捨てがたいけど一番は・・・」

先輩後輩「「イチゴ!」

先輩「やっぱりイチゴと牛乳の組み合わせサイコーだわ」

後輩「前にイチゴだけのジュースを飲んだけどしっくりきませんでした」

後輩「やっぱり牛乳と砂糖がないと」

後輩「今度はイチゴミルクのつくろうかな」

先輩「いいわね今日みたいに作り方を教えてね」

後輩「まあ私はてきとーにつくってますけどね」

後輩「ただミキサーは使わずにスプーンで押しつぶすようにしてます」

先輩「そのこころは?」

後輩「人力のほうが程よく果肉が残るからです」

後輩「あ、でも最近のミキサーは調整できるのかな?」

先輩「さあ家にはないので」

先輩「実家にはあるけど」

後輩「一人暮らしではめったに使いませんからね」

先輩「そうかも」

先輩「あ後輩紅茶はもういいかな?」

後輩「ちょっと時間かけすぎたかな」

後輩「とにかくパックを取り外しましょう」

後輩「このときパックを絞ってはダメです」

後輩「渋み成分だけが出て渋みが増します」

先輩「そうなんだ」

先輩「前のカフェでのバイト先では絞ってる方がいたけど」

後輩「カフェでパック?」

後輩「まあ別にいいけど」

先輩「安さを売りにしてたし」

後輩「安けりゃいいってものじゃないですよ」

後輩「大切なのは味と手ごろな値段と場所です」

先輩「場所?」

後輩「ええやっぱり快適空間でお茶したいじゃないですか」

後輩「静かに本を読みながらのお茶も素敵です」

先輩「私は飲み食いしながらの読書は苦手」

先輩「本が汚れるのがイヤなのと本はごろ寝で読む主義だから」

後輩「なんですかその主義は?」

先輩「よくぞ聞いてくれました」

先輩「この主義は活字中毒で物語りマニアの私が・・・」

後輩「さてとそろそろ飲みましょう」

先輩「無視ですかそうですか」

後輩「パックは絞らずゆっくり取りまして」

先輩「完成ですか?」

後輩「完成です」

先輩「おー」パチパチパチ

後輩「ではさっそく」

先輩後輩「「いただきます」」

・・・・・

先輩「後輩しぶくない?

後輩「ちょっと渋いです」

先輩「紅茶放置で長話でしたね」

後輩「淹れ方の説明より雑談のほうが多かった」

先輩「・・・・」

後輩「・・・・」

先輩「ミルクでもいれてみる?」

後輩「そ、そうですね入れちゃいましょう」

後輩「はからずもミルクティーにちょうどいい味ですし」

先輩「ミルクはどれくら入れればいい?」

後輩「人それぞれですが、私は色合いで量を調節してます」

先輩「色?味ではなくて」

後輩「はいペットボトルで売ってある紅茶の色になるくらいは入れます」

先輩「はーい」

後輩「こんなものですね」

先輩「けっこう入ったね」

先輩「後輩は砂糖いくつ?」

後輩「1個お願いします」

先輩「どうぞ」

後輩「ありがとうございます」

先輩「ではあらためて」

先輩後輩「「いただきます」

先輩「あ、程よい渋さ」

後輩「いいですねちょっと香りは減りますけどおいしいです」

先輩「そういえば本場英国では砂糖は入れないそうね」

後輩「逆にあちらでは緑茶に砂糖のようです」

先輩「えー気持ち悪い」

後輩「あちらもそう思ってますよきっと」

後輩「向こうでは日本で言う緑茶の代わりが紅茶なんでしょう」

先輩「ご飯食べながら紅茶かあ」

先輩「合うのかな?」

後輩「あちらは米でなくパンですから」

先輩「あそっか」

先輩「でも私は緑茶でパンもいけるかな」

後輩「小さいころから慣れ親しんでる日本の味ですから」

先輩「うんうん」

先輩「ふーごちそうさま」

後輩「おそまつです」

先輩「おいしかった」

後輩「もっと作っておいたほうが良かったですね」

先輩「1パックからどれくらい飲めるの?」

後輩「普通は1カップっていわれてます」

後輩「でも私は2回目の味が好きです」

先輩「やっぱり薄味ですか」

後輩「そうですね」

後輩「でも抽出時間を長くすれば気になりません」

後輩「もう1杯行きますか」

先輩「行く!」

後輩「ではしばらくお待ちください」

後輩「今回はストレートで」

先輩「ストレートに砂糖は?」

後輩「入れないです」

後輩「紅茶はそのままが好きです」

先輩「私もペットボトルの紅茶買うけどストレートは砂糖なししか買わないかも」

後輩「何かが違うんです」

先輩「渋みと甘みがごちゃまぜでおいしくない」

後輩「最近ノンシュガーが流行ってるけど人工甘味料でごまかしてる感じがします

先輩「あれはダメ」

先輩「人工甘味料を入れるくらいなら最初から素直に砂糖を入れなさい」

後輩「まあ甘くてカロリーが低いにこしたことはないですけどなかなかそういうのは見ないですね」

後輩「ってなんだかんだでカップ空っぽになりましたね」

先輩「ごちそうさまです」

後輩「ではここでおさらいといきますか」

先輩「いいですね」

先輩「お喋りばかりで内容忘れそうだった」

後輩「お湯を100℃くらいに沸かしてカップにちょっと注ぎます」

先輩「カップを暖めるためだっけ」

後輩「はい」

後輩「だいたい2,3回くらいお湯を注いで捨てるを繰り返します」

後輩「次にパックをセットしてお湯をゆっくり注ぎます」

後輩「そしてソーサーでふたをして1分くらい蒸らして」

後輩「蒸らし終わったらパックを取り出します」

後輩「ここで注意」

先輩「パックは絞らないよね」

後輩「はい、余計な渋みが出ます」

後輩「以上で完成です」

先輩「おさらいしてみると作業工程はそんなに長くなかった」

後輩「まあパックの紅茶ですから」

先輩「なのに時間かかりすぎ」

後輩「おしゃべりに夢中になりすぎましたね」

後輩「反省です」

後輩「次はお喋りを少なくしましょう」

先輩「キューピー3分クッキングみたいに」

先輩「淡々とすすめてみる?」

後輩「それはそれでありですね」

後輩「おもしろみにかけますけど」

先輩「いっそのことしゃべっちゃダメゲームみたいな」

後輩「逆に新鮮すぎて良いかもです」

後輩「次は何をつくろうかな」

先輩「お茶に会うお菓子が食べたいかな」

後輩「了解」

後輩「それでは簡単なレシピを考えておきますね」

先輩「おねがいします」

後輩「それではおいしいお茶の入れ方を終了します」

先輩「はいありがとうございました」

後輩「おつかれさまでした」

おわり

このスレを見た方々においしい紅茶が飲めますよーに


パックは揺らすのも渋みが出るんだっけ?



乙!

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom