王「え……」
勇者「あ゛? 聞こえなかったか?」
王「…ゴホン。いや、勇者よ。聞けい」
王「今日はお主の16歳の誕生日、よってこれより魔王討伐の任を」
勇者「あ゛あ゛ぁぁぁあん!? なんだテメェよぉ!!」ガシッ
王「ひひいっ!あ、その・・・ひひっ、コレ少ないですが」
【勇者は6000G手に入れた】
勇者「6,000G?」
王「あの、では誠に恐縮ですが早速魔王の方を」
勇者「……」ギロ
王「あの…?」
勇者「てめぇまだ持ってんだろ。跳べ」
王「え……」
チャリンチャリン…
勇者「なんの音だよこれw」
王「……」
【勇者はさらに2000G手に入れた】
王「あぅぅ…わたしの小遣いが」
勇者「チッ。一国の長ともあろうじじいが、しけてやがる」
勇者「ついでに王冠もらってくからな」サッ
王「え、ちょ…それはさすがに返して欲しいんじゃが」
勇者「王冠なんてなくてもハゲ散らかしてるぴかぴかの頭で十分だろw」
王「…」
大臣「ふぉっふぉっふぉ。元気がいいですな。血気盛んで頼もしいですわい」
大臣「勇者殿、どうかその調子で魔王めを屈服させてくだされ。期待してますゆえ」
大臣「我々一同、心を込めて勇者殿のことをお見送りさせていただきますぞ」
勇者「おう、ついでだ。てめーも跳べ」
大臣「え……」
チャリンチャリン…
勇者「あと武器もよこせ」
王「…お、おおではこの銅の剣を」
勇者「あ゛? こんなガラクタてめーらをなぶり殺しにするくらいしか使えねーが?」
王「ぐっ、アレを持ってまいれ」
兵士「王者の剣でございます」
勇者「おーこれでいいんだよこれで!」
王「代々伝わる国宝じゃぞ!大事にするんじゃぞ!絶対じゃぞ!」
勇者「心配すんなってw ほんじゃ行ってくるわ」
大臣「勇者殿まずは酒場にいくんですぞ! 国の選んだ勇者殿のお仲間が待機しております!」
勇者「うーいw」
【城下町】
道具屋「おー勇者君! どうした。いや言わずともわかってるよ今日は君にとって晴れの旅立ちの日」
道具屋「うちで十分に旅の準備をととのえてだね」
勇者「これ買い取れ」ゴトン
道具屋「え…」
勇者「いくらぐらいになんだよ」
道具屋「これ…冠かい?」
勇者「あ? みりゃわかんだろ。本物だぜ」
道具屋「えっと…」
勇者「10000Gぐらいにはなんのか?」
道具屋「い、いやこれだけの宝飾だ。軽く見積もっても10万は…しかしいったいこれは」
勇者「じゃあ買えいますぐ」
道具屋「え゛…いやぁ、ウチはあの、宝石店じゃないから……あと鑑定書もないし」
勇者「あ゛ー? つっかえねぇなぁ」
道具屋「す、すみません」
勇者「買い取れねーならしかたねぇな」
道具屋「あの…どこへ」
勇者「この辺に鍛冶屋あったか?」
道具屋「ええ。通りをずっと行けば…しかし武器の調達でしたら当店でも」
道具屋「行ってしまった…」
【鍛冶屋】
勇者「これ溶かして金塊にかえてくれ」
鍛冶屋「は?」
勇者「持ち運ぶのめんどくせーんだわ。宝飾は外してくれ」
鍛冶屋(いいのかこれ…)
勇者「あとこれもな」
鍛冶屋「こ、この剣は!?」
勇者「これも刀身長すぎて振り回すのだるいから溶かして短剣に加工してくれw」
鍛冶屋(やべぇよこれ国宝だよ)
鍛冶屋「あの…無理って言ったら」
勇者「やれ。俺は勇者だぜ」
鍛冶屋「うぅ」
勇者「まだしばらくこの街にいるから完成したらもってこい」
鍛冶屋「はい…」
【城下町】の【酒場】
僧侶「来ませんねぇ」
武闘娘「もうずっと待ってるのに…日が暮れちゃうよ」
剣士「…」
僧侶「こちらからお出迎えに行きましょうか?」
武闘娘「道に迷ってるとか」
僧侶「まさか。ここ勇者様の生まれ育った街ですよ?」
剣士「さては己の過酷な運命に怖気付いたか」
僧侶「そんな…!」
武闘娘「ボクらで探しに行こうよ!」
僧侶「そうですね…もし不安がっているのなら私たちが励ましてあげないと…」
剣士「仕方ない。出よう。行き違いにならなければよいが」
その頃の勇者――
【カジノ】
勇者「あ゛ーちくしょお。なんで出ねぇんだよ」ガンガン
店員「お、お客様…ていうか勇者様」
勇者「壊れてんじゃねぇのかぁこの台!!」
店員(お前が絶賛破壊中だろ)
勇者「くそッ。おい1000G分追加だ。メダルもってこい」
店員「あの、勇者様今日たしか旅立ちですよね…?」
店員「国民総出で街道パレードの準備してた気がするんですが」
勇者「あーそんなことハゲが言ってたな。で?」
店員「我々としても、勇者様がいつまでもここにいらっしゃられますと、上からお叱りをうけてしまいますのでどうか」
勇者「はぁ? 出禁かよ。この俺が?」
店員「やむを得ず、そういう措置を取らせていただきたく思いますが…ていうか魔王を…」
勇者「あ゛ぁん? 俺にとっての魔王はこいつだよ」ガンガン
店員「筐体を叩くのはやめてください! 我々の商売道具ですので!」
勇者「いいからメダル持って来いっつってんだろうが! あと酒追加な」グビグビ
店員「か、かしこまりました…」
店員「支配人……というわけなんですが…」
支配人「困ったなぁ。力づくで追いだそうにも暴れられてゴタゴタになったら嫌だしなぁ」
店員「まさかアイツが旅立ちの日にまで来るとはおもいませんでしたよ」
支配人「俺はあの不良小僧が勇者に選ばれたことが信じられんよ」
店員「ですよねぇ、いつも薄汚い格好で居座ってただけのガキが…」
支配人「よし」
店員「なにか良い策があるんですか?」
支配人「きっと旅の資金をたんまり王様にもらったからここへ来たんだ。全部落としていってもらおう」
店員「おいおい、それしちゃうと王様にお叱りを…下手すれば営業停止ですよ…」
武闘娘「ここはボクらに任せてください!」
支配人「ん? 君お客さん? 困るよ~子供の出入りはお断りさせてもらってるからね~」
武闘娘「子供じゃないよ!」ピョン
剣士「はぁ…よもやこんな不埒な場所に本当に居るとは」
店員「あの、君たちは…?」
剣士「あそこで迷惑行為を働いている奴の旅の連れだ」
支配人「おお! あなたたちが国選の…! 是非頼みます」
支配人「早くあいつを引きずりだしてください」
勇者「だーもう糞が! んだよこれ詐欺かよ」バンバン
勇者「ふっざけんなおい店員! 店員! いんだろこっち来いてめぇ」
勇者「ほんとにコレ出んのかよ!! なんとか言えや!」ガンガン
武闘娘「勇者みーっけ!」
勇者「あ゛? 誰だチビ」
武闘娘「えへへへー」
勇者「おいっ! 気安く隣座んな今すぐ消えろ 3・2・1……」
剣士「遠目で少し様子を伺っていたが品位のかけらもない」
勇者「あ゛ぁ?? だからてめぇら誰だっつってんだ」
武闘娘「あれ? 聞いてないの? あのねー今日はねー勇者さんのねー16歳のねー」
勇者「……」イライライラ
剣士「酒場になぜこなかった」
勇者「…?」
剣士「君のことをずっと待っていたんだ。なのに君はこんないかがわしい場所で」
勇者「いやだからてめぇら誰だよ」
武闘娘「勇者さんの魔王討伐の旅のお供をさせていただきます! 武闘家やってます!」
剣士「私は剣士だ。君の旅のガードを務める」
勇者「ふーん…で?」ジャラジャラ
剣士「今日は記念すべき旅立ちの日だぞ!」
勇者「いや今日は記念すべき新台追加の日だから」ジャラジャラ
剣士「何をやっているんだ! あと勇者としての自覚はないのか!」
勇者「スロット。ない」
武闘娘「ないそうです」
剣士「グ…なぜ貴様のような輩が勇者に」
勇者「知るか。帰れ帰れ」
武闘娘「でもほら魔王たおさないと大変だし! ね!」
勇者「うっせぇーなぁ…いい子ちゃんかよ」
剣士「やはりな。貴様、恐れているのか」
勇者「……あ゛?」
剣士「旅をして魔物と戦うのが怖いんだろう? だからこうして安全な場所にいつまでも」
勇者「おい。てめぇ今なんつった?」ガタッ
武闘娘「わわっ! おちついて……」
剣士「臆病者は必要ない。私達だけで行こう」
勇者「待てよ。てめぇ表でろ」
剣士「……そのつもりだ」
武闘娘「あわわわ…どうしよう」
武闘娘「僧侶どこいっちゃったのかなぁ…二人の喧嘩をとめなきゃ」キョロキョロ
僧侶「…」ガチャガチャ ジャラジャラ
武闘娘「あ! 居た! なにやってんの!!」
僧侶「今日新台入る日だったんですねー。あ、見てくださいキングスライム揃いましたよ」ジャラジャラ
武闘娘「もー! いま二人が喧嘩しそうで大変なんだって!」
僧侶「聞いてましたよ。やらせとけばいいんじゃないですか?」
僧侶「手足がふっとぶくらいの大怪我さえしなければ私たぶん治せますし」
武闘娘「うぅ…」
僧侶「あ、それよりこれ景品と替えてきてくれません? できれば日持ちする食べ物で」
武闘娘「ボクもう帰っていい?」
【城下町】【大通り】
町人1「なんだ、喧嘩か?」
町人2「おいアレ。裏町のタチ悪い不良小僧…じゃなくて今は勇者様か」
町人3「相手の剣士は誰だ? あのガキくそやべぇから下手すりゃ死ぬぞ?」
町人1「見たことねぇが、ありゃあえらい良いとこのおぼっちゃん騎士様だなぁ。俺にはわかる」
町人2「おぼっちゃんか? お嬢ちゃんだろ?」
町人3「かわいい顔してるから俺はどっちでもいいぜふひひ」
鍛冶屋「あ! いたいた! 勇者君!」
勇者「おう、出来たか。わりぃな」
剣士「ナイフか…元ゴロツキにはふさわしいが、そんなリーチの短い武器でいいのか?」
勇者「お嬢様にはこれで十分だろw」
剣士「なに…わ、私を愚弄するな!」チャキン
勇者「綺麗な顔に傷がつく前にさっさと剣を収めて土下座しな」
剣士「参る」
――ギィン…! キィン!
僧侶「あーやってるやってる」
武闘娘「あわわわ…本気だよあれ。あぶっあぶなっ」アワワワ
僧侶「勇者様思ったより身のこなし良いですね。正直いまいちかなとおもってました」
武闘娘「あんな戦い方、危なっかしくて見てられないよ」
僧侶「あ、勝負つきましたね」
勇者「…へっ、クク」ヨロッ
剣士「どうした。威勢がよかったのは最初だけか」
勇者「てめぇ、結構やるじゃねぇか」
剣士「私は守備隊として実戦経験をたくさん積んできた。君の不良同士の喧嘩とはわけが違う」
勇者「なるほどな…参った俺の負けだ!」
剣士「思ったより潔いな。よし、早速旅の準備をしよう」
勇者「…」
剣士「どうした、立てるか? 私は先に行くぞ」チャキン
勇者「なんていうとおもったかよぉおおおww」
剣士「!」
勇者「あめぇんだよ! 喧嘩ってのはよぉ! 先に獲物しまったほうの負けなんだよぉww」グワッ
勇者「もらった!」
僧侶「はいストップ」ゴツン
勇者「だっ!?――――」ドサリ
武闘娘「取り押さえました!」
僧侶「そのままがっちり固めといてください」
武闘娘「うん」ギリリリ
勇者「おいこら離せおいチビっ、痛」
武闘娘「だめー」
剣士「僧侶、すまない。油断した」
僧侶「気を抜いちゃだめですよ。相手は全く信用ならない人なんですから」
勇者「おいてめ離せよこの野郎」
勇者「後ろからしこたまぶん殴りやがって! 卑怯な」
剣士「貴様が言えたことか」
勇者「てめぇなにもんだ」
僧侶「私は僧侶です。勇者様の旅のお供にと任命されました」
勇者「…チッ、うっぜーのばっかだな。ありえねぇ」
僧侶「…」ジィー
勇者「なんだよ。締めあげてるこいつどけろよ」
武闘娘「だめー」
僧侶「旅、行きますよね?」
勇者「誰が行くか!」
僧侶「もっと強くしていいですよ」
武闘娘「はーい」
ミシミシ
勇者「ダっ…!?」
剣士「旅、行くだろ?」
勇者「…パス」
ミシミシミシ
勇者「がっ…ぁッ!」
武闘娘「ねー、旅いこうよぉ?」ミシミシ
勇者「そのまえにっ、離せッ! 折れるッ! おい折れるぅ!!」
武闘娘「ねー?」ミシミシミシミシ
勇者「わぁった。おう行く。行くっつってんだろ殺すぞ離せや!!」
武闘娘「ふー、行くって!」
僧侶「はぁ、良かった!」
剣士「よし、そうと決まれば早速支度をしよう。どうせ君だけ何も準備してないんだろう?」
勇者「魔王より先にこいつら殺す」
・・・
勇者「よぉ、またあったな…」
道具屋「おー勇者君! どうした。いや言わずともわかってるよ今日は君にとって晴れの」
僧侶「えっとお薬は私が持ってる分でいいとして、着替えとあと食べ物を余分に買っておきましょうか」
僧侶「お金はなぜかこーーんなにありますし」
剣士「スロットで無駄にした分が惜しいな」
勇者「…チッ」
勇者「つーかかさばるし服なんていらねぇだろ・・・」
僧侶「私たち 女の子 ですので。あ、荷物は持ってくださいね♪」
勇者「あ゛?」
剣士「目的の街までは歩いてだいたい7日くらいだな」
勇者「あぁ゛? 7日!?」
武闘娘「たった一週間だよ?」
勇者「ふっざけんなよ誰がそんなに歩くか!」
剣士「しかし山を超えなければいけないからどうしてもな。迂回するならさらにもう3日ほどかかる」
勇者「な゛」
僧侶「なんですかさっきから。まさか散歩感覚で旅にでるつもりだったんですか?」
勇者「いや出ねーつもりだった」
僧侶「わーご立派。勇者の鑑です。私そんな勇者様みたことありません」
勇者「ぶん殴りてぇ」
道具屋「あの、それで何を用意すれば」
僧侶「あんまりここでお金つかうとこの先大変ですしねぇ」
剣士「服は我慢するか、もしくは途中で川でも見つけて洗うしかないな」
武闘娘「お金ないとご飯たべられないもんね!」
僧侶「はい、あと宿もとれませんし。私貧乏旅は嫌ですので」
勇者「俺の金つかう気でいるんじゃねーよ」
勇者「チッ。しゃあねぇな。おい道具屋」
道具屋「はいなんでしょう」
勇者「お前今日なんの日か知ってっか?」
道具屋「はいもちろん! 勇者様の門出の日でございます! めでたい日です」
道具屋「買い物していただければ、特別に私のほうから何か一点贈与しようかと考えておりました」
勇者「おうわかってるじゃねぇか。つーわけだ」
道具屋「…?」
勇者「お前、いい馬車もってるよな…」
・・・
馬「ヒヒーンwww」
武闘娘「どぅどぅ」
僧侶「いいんでしょうか、本当に」
勇者「気にすんな。俺とあいつの仲だ」
武闘娘「泣いてたよ」
勇者「旅の間借りるだけだっつの。まじでまじで」
僧侶「にしてもいい馬車ですね。荷台も広いし、屋根がついてるのでこれなら雨がふっても大丈夫です!」
勇者「おっし、気は乗らねーが早速いくか」
道具屋「あの、どうか…お気をつけて、無理しないでください、絶対に無事で、最悪馬だけでも生き延びて」
勇者「じゃあとっとと魔王ぶっ殺してくるわまっとけよ」
剣士「…」
勇者「おい行くっつってんだろ早く乗れ」
剣士「…」
剣士「店主」
道具屋「はい…」
剣士「迷惑をかけた。これ、内緒で受け取ってくれ」スッ
道具屋「え? なんですか、封筒?」
剣士「荷馬車代には少し足りないかもしれないが…その、ありがとう旅の支援感謝する」
道具屋「!!」
剣士「じゃあ、いってくる」
道具屋「嗚呼、この世知辛い世の中にも良い人はいるもんだなぁ…」
道具屋「ふふ、がんばってくれよぉ勇者一行!」ゴソゴソ
【道具屋は35G手に入れた】
道具屋「 」ブワッ
【城外】【馬車】
僧侶「どうしたんですか? 口元緩んでますよ」
剣士「えっ? あ、いや…少し良いことをした後だから」
僧侶「はい?」
剣士(無事かえってこれたら謝礼としてあの倍は渡さないとな!)
勇者「あーー俺の金…めちゃくちゃ減ってるじゃねぇか」
剣士「それは貴様がスロットなんかにつぎ込んだからだろう」
僧侶「私は勝ち逃げしましたけどね」ジャラ
勇者「あ゛?」
剣士「は?」
僧侶「いずれ負け越しに収束するんですから、退き時が肝心ですよ」
【馬車】【御者台】
武闘娘「はいよー!」
パカッ パカッ ゴトゴト
馬「ヒヒwwフヒwwww」
勇者「おいクソチビ代われ。俺にやらせろ」
武闘娘「えー! だめ」
勇者「んでだよ! どけ!」
武闘娘「だめ」
勇者「じゃあもっと飛ばせ! 倍の速度は出せんだろ!」
武闘娘「あんまり早く走ると危ないよー?」
馬「セヤデwwwww」
僧侶「急に魔物が飛び出して衝突したら大変です」
勇者「邪魔するカスは全部ひき殺せよ」
馬「ムチャイウナヤwwwww」
剣士「やはり馬車は速いな。当初の予定よりかなり早く次の街へ着きそうだ」
僧侶「それが問題なんですよね!」
剣士「良いことではないのか?」
僧侶「私たちはともかく、ずっとこれだと勇者様の戦いの経験値がたまりません」
馬「オレガwwwタオシテルカラwww」グシャア
勇者「俺は強ぇーから問題ねぇよ」
剣士「強い? 私に無様に負けたのにか…?」
勇者「あ゛? 負けてねーけど?」
剣士「君のナイフ捌きはたしかに見事だった。しかしあれではゴロツキの喧嘩の域を出ない」
勇者「じゃあもう一回やってみっか? ズタズタにひん剥いてやるが」
剣士「何度試しても同じこと」
勇者「おい馬車とめろ」
武闘娘「えー? また喧嘩ー?」
勇者「喧嘩じゃねぇ。決闘だ。誰がこん中で一番偉いのかってのをこいつに体でわからせてやんだよ」
剣士「…」
ザッ
剣士「抜け」
勇者「吠えづらかかせてやるぜ」
剣士「いまどき三下の魔物でもそんな台詞口にしないぞ」
武闘娘「ねー僧侶とめないの?」
僧侶「武闘娘ちゃんこそとめないんですか? 勇者様を制止する力は十分あるでしょう?」
武闘娘「えぇー、だって勇者様なんだかギラギラしてて怖いし」
僧侶「そうですねぇ。普通勇者様っていったらもっと品行方正で頭脳明晰、容姿端麗」
勇者「てめぇもあとでぶっ殺すからな!」
僧侶「あ、地獄耳」クスクス
武闘娘「うわ! それよりふたりとも前々!」
剣士「…!」
勇者「さっそくお出ましか」
魔物たち「エモノダ」ゾロゾロ
剣士「勝負はお預けだな」
勇者「いや、変更しようぜ。どっちが多く狩れるかによ!」
剣士「いいだろう」
勇者「俺にケンカ売ったこと後悔すんなよ雑魚ども」ヘヘヘ
ザシュッ ザシュッ
グシャッ バシュッ
勇者「オラァ!血飛沫まきちらして死ねや!」
僧侶「はい、闘娘ちゃんの分」
武闘娘「わぁ! ありがとう」ズズズ
僧侶「町でおやつ買っとけばよかったですねぇ」
武闘娘「だねー。お茶だけじゃちょっとねー。でもおいしー」
僧侶「のどかですねぇ。これから過酷な旅がはじまるなんて、なんだか信じられません」
武闘娘「ボクも」ズズズッ
勇者「おいふざけんなてめぇら降りてこい!!」
勇者「勇者様が闘ってるってのになんで馬車でくつろいでんだ殺すぞ!」
僧侶「え、勝負中なんでしょ?」
武闘娘「手だしちゃ怒られるかなって」
剣士「…フン」ザシュッ ザシュッ
勇者「チッ、くそっどけっおらぁ!」
僧侶「勇者さまー、右肩かまれてますよー!」ズズッ
武闘娘「あー、そこでもっと間合いをつめなきゃー」
勇者「クソッ!」ザシュ
僧侶「一方で剣士さんは苦もなく倒してますね」
武闘娘「ココらへんの魔物とは戦い慣れてるらしいからね」
僧侶「ほら勇者さまかんばってー」
勇者「うっせ! てめぇ離れろカス」
大兎「ギャウッwww」
剣士(ひどい戦い方だな)ザシュッ ザシュッ
勇者「よしっまずは軸足を蹴り折って…ってこいつ軸足どれだ」
大兎「ギャギャwww」
剣士「それは人間相手のセオリーだろう。魔物には通じない」
勇者「うっせぇ余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ」
大兎「コイツwwザコww」
剣士「…こうやって頭を狙うんだ」ザシュッ
大兎「オギャwww」ピョンピョン
剣士「そして距離が開いたら」テロリロ
【剣士は燃え盛る火の玉をとばした】
大兎「ドゥフwwwww」
勇者「!」
剣士「魔法で追い打ちをかけるといい」
勇者「ま、魔法…つかえるのか」
剣士「少しだけな」
勇者「…チッ」
僧侶「はーいお疲れ様でした!」
武闘娘「おつかれー。楽しそうだったー」
剣士「このあたりは大したレベルじゃないな」
勇者「てめぇら…」
僧侶「あ、そうだ。狩り勝負してたんですよね?」
剣士「あぁ、そういえばそうだったな!」
武闘娘「成績発表~」
僧侶「勇者様! いったい何体狩りました!?」ワクワク
勇者「……」
勇者「…………4」ボソッ
僧侶「なるほど4体! なかなかの戦果ですね! で、剣士さんは!?」
剣士「10体以降は数えていない」
僧侶「わぁすごい! 余裕ですね!」
勇者「ちくしょうてめぇらバカにしてんのか!!!」ガタッ
剣士「大丈夫だ勇者! 焦らなくていい。まだまだ君はこれから強くなる!」
僧侶「もちろんです! 期待してますよ!」
勇者「…ッ! くそっ」プイッ
武闘娘「あー、寝ちゃった。ふたりともだめだよ怒らせちゃ」
僧侶「きっと疲れたんですよ」
剣士「怪我、診てあげてくれないか?」
僧侶「はい! 初めての戦闘で軽傷なんてすごいですよ勇者さま」
剣士「そうだな…私が始めて実践の場にでたときは結構な深手を負ったよ」
武闘娘「ねー出発していーい?」
剣士「あぁ、行こうか」
武闘娘「ガタガタ鳴るとぐっすり寝れないだろうからゆっくりにしよ。はいよー」
馬「ヒヒンwww」
更新終わりー
乙道具屋さんかわいそう
まだ全然面白くない...
今後に期待
35乙手に入れた
しえん
面白い、おつおつ
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