男「あー」魔神女「あ?」(152)
ー天界ー
全能神「……564」
魔神「あ?」
全能神「何の数字か、当ててみ?」
魔神「えー……富◯がハン◯ーハン◯ー休載した回数」
全能神「ぶっぶー!ちゃうわボケ!お前より富◯の方がよっぽど仕事しとるっちゅうんじゃ!」
魔神「じゃあなんだよ」
全能神「言わしてもらうけどな?これ君が下界にいたずらした回数やねん。なんやこれ。」
魔神「あー……そんなにやってたんだ」
全能神「何を感心しとんの?アホかおのれは」
魔神「別にいいじゃないすか。下界があたしらに何の関係があるんすか」
全能神「あのな?おかげでこっちのイメージダウンばっかしとんねん。『神何やってんだよ』みたいな。」
全能神「あと地獄の悪魔どももな?『神だっせぇww』っていう風潮になっとんねん。堪忍してほしいわホンマに」
魔神「頑張ってくださいよ。明日はみんなにありますから」
全能神「ワシを励ましてどないすんねん1はり倒すぞわりゃあ!」
魔神「えー」
魔神「結局用事ってなんなんすか。説教っすか」
全能神「ちゃうわ。ワシもええ年したオッサンやねんもう。単刀直入に言うで?」
魔神「全然単刀を直入してないじゃないすか」
全能神「じゃあかしぃわボケ!黙っとけやホンマに。」
全能神「補習や。補習。もっかい初心に帰ってもらうで?もっかい初心に帰ってもらってぶた麺食うてもらうで?」
魔神「はぁ?」
魔神「で、具体的に何やるんすか?」
全能神「まずな、下界に落ちてもらうわ。」
魔神「はぁ!?」
全能神「あ、嫌がっても無駄やで?もう天使会議で決まっとんねん。決定事項やねん」
魔神「この格好どうするんすか!?」
全能神「あ、心配あらへん。ちゃんと服代は支給するから」
魔神「あ、力的なものは?」
全能神「誰がお前なんかのために力使う言うねん。お前に使うぐらいやったらご飯炊くのに使うわ」
全能神「……しかし、不自然なのもいかんなぁ。ジャージは支給するわ」
魔神「何このジャージ。だっせぇ」
全能神「我慢せぇってお前ホンマ文句多いなぁ」
魔神「たりめーでしょ!」
全能神「じゃあ落とすでー?」
魔神「え、ちょ、マジで?マジでやるんすか」
全能神「当たり前だのクラッカーやがな。誰のための金とジャージやねん」
魔神「ちょ、ちょっと待って」
全能神「はいタイムアウトー。ボッシュート!」ヒューン
魔神「あああああああああああああ!!!」
魔神「ったぁ……あんのボケぇ……ケツからいったじゃねぇか……」
全能神(なに?何か文句あんの?」
魔神「チッ……」
全能神(こっから姿とかは見えへんけど声は聞こえるからな?あとでマジでタイマン張るでコラ)
魔神「うっせー!ったく……」
魔神「てか、何やんのかまだ聞いてないんだけど……」
全能神(ああ、あんな?人間一人を幸せにしてこいっちゅうミッションや。アラジン的な?)
魔神「ああ、3つの願いをどうたらこうたら……」
全能神(せやせや。それをやってきてほしいねん。それで3つの願い聞いて叶えて、『ホンマありがとうなぁ、ごっつし幸せやでワシ』
って言わせたら補習は終了や。今までバカやってたのもチャラやで)
魔神「要するに願い叶えて幸せですって言ってもらえばいいのな?」
全能神(せやで。ほな、グッドラックやでぇ……)スゥ
魔神「……はぁ」
魔神「めんなどくせぇなぁ……そもそもどうやって魔神であることを証明するんだよ……あの加齢臭やろう……」
全能神(じゃあかしわボケぇ!ワシだって香水つけとんねん!)
魔神「うるせーなまだ居たのかよ!」
全能神(ずっと居るっちゅうねんバーカ!ババ食うてろ!」
魔神「うっせバーカバーカ!」
全能神(一応言っとくけども、願い叶えるために魔神のパワーは使えるようにしたからな。ほなな)スゥ
魔神「……ああそうかよ……」ヘ゜ッ
魔神「じゃ、ぼちぼち始めますかぁ……」コキコキ
魔神「……あ、そこのお兄さん!」
モブ「え?」
魔神「どうですか?願い叶えてみます?」
モブ「はぁ?」
魔神「なんでも好きなこと三つ言ってもらって、幸せだーって言ってください」
モブ「ちょ、ちょっとすいません……」ソソクサ
魔神「待てやコラァー!」
魔神「っち……んだよバーカ。一生童貞貫いてろ」
魔神「あ!すんませーん!願い叶えませんかぁー?」
魔神「すんません」
男「……え?俺?」
魔神「そうそう、そこの兄さん」
男「なにか……」
魔神「なんか願い事無いですか?」
男「はぁ?」
魔神「ここではちょっと人目につきますねぇ……ちょっと移動しましょうか」
男「だ、誰ですかあなた?」
魔神「あたしはね、ぐふふ、魔神よ。アラジンのジーニーを想像してもらうといい」
男「は?」
魔神「とにもかくにも論より証拠。移動しますか」カ゛シッ
男「え?ちょ」
魔神「ルーラ!」シュハ゛
魔神「ここらでいいか……」
男「は?あれ?」
魔神「はいはい、驚くのもそこまで」
男「いや、だって……」
魔神「いいからいいから。ちょっと願い事叶えさせてくれればいいから」
男「ど、どういうことですか……?」
魔神「うーん……かくかくしかじかでね」
男「へー……ほー……いやそれ自分が悪いじゃないですか」
魔神「うるせぇんだよ!暇なんだよ。仕事全部天使にとられたし」
男「以外とシビアなんですねぇ……」
魔神「そうよ全く……で、決まった?願い事」
男「な、なんか例外とかあるんすか?ジーニーにもあったし」
魔神「うーん……まぁ無いかな。惚れろと言ったら誰でもあんたに惚れるし死者蘇生もできる」
男「す、すごいですね……だ、代償とか、ないですよね?」
魔神「無いよんなもん。こっちのパワー消費するだけだから」
魔神「で、決まった?」
男「そんな急に言われましても……」
魔神「んだよ。ターゲットお前に絞っちまったからな。お前がご主人だ」
男「マジすか」
魔神「マジだよ。早く言え」
男「ま、まだないかな……」
魔神「ああー?ぶっ飛ばすぞお前」
男「あなたが言うと現実味があって怖いんですよ!」
魔神「うるせぇ。決まるまでお前に一生ついて回るからな。地獄まで」
男「ええー……」
魔神「あ?」
男「い、いえ……」
誤字大杉氏んだ
一旦落ち
期待
これは期待せざるをえない
舞台設定がいまひとつわからん
>>15
すんません
男「あー……急に言われると出てこないもんですね……」
魔神「早くしてくれよなー。帰れねぇじゃねぇか」
男「あ、そろそろバイトの時間だ……行かないと……」
魔神「あ?バイトやってんの?」
男「はい、そうですけど」
魔神「ちょっと下界に興味あったんだよな。見物させてもらうわ」
男「いやいや、困りますって。見られたら嫌だし」
魔神「大丈夫大丈夫。姿とか普通に消せるから。あたし魔神なんだぜぇ?」
男「ああ、そうなんですか……いやダメですけど」
魔神「行く」
バイト先
男「どうもー」
店長「うぃーす。」
店員「今日はお客さん少ないねぇ」
男「まぁそうですよね。まだ朝ですし」
店員「しょうがないかなぁ。じゃ、よろしくね」
男「……ええ……わかりました」
店員「ん?どうしたの?」
男「いや……なんでもないっすけど……ちょ、近い……」
店員「は?」
魔神「クケケケ。ここが下界の職場ってやつか。きったねぇな」
男「いや、話しかけないでくださいよ……」
店員「そ、そう……」
男「ち、違います!」
店員「うわーん1男の奴がいじめるー!」
男「ちょ、違いますって……勘弁してくださいよ……」
魔神「泣かした泣かしたー。いーけないんだー」
男「いや、あんたのせいでしょ!」
店員「うわーん1」
男「ああもうそうじゃなくて……ちょっと今日休みます!」
店長「あれ?どうしたのおーい」
魔神「戦線離脱かー!見苦しいぞー!」
男「いやあなたも来てくださいよ!居てどうするんですか!」
魔神「おおそうだった」
魔神「なによ」
男「なにもかも無いでしょう!なんで邪魔するんですか!」
魔神「だってずっと黙ってんのって無理だもんよー」
男「だからって人がいるところで声出さないでくださいよ!一人で喋ってるみたいじゃないですか!」
魔神「だいたいそうだろ」
男「いや、今もですけど……姿現してくださいよ早く!」
魔神「ほいよっと」スゥ
男「はぁ……それでいいですね!もう今日は家に居ます!」
魔神「んだよつまんねーな」
男「なんですか?一人で外出ちゃいけないんですか?」
魔神「いやよ、つまんねぇから。お前からかってる時の方が楽しいわ」
男「嫌な楽しみ方ですね」
男「ていうか、三つの願い事叶えるために来たんですよね。何で楽しんでるんですか」
魔神「いや、ほら、社会科見学とかめんどくせぇけど一応楽しんだみたいなアレだよ」
男「妙にわかりづらい例えやめてください」
魔神「いいじゃねぇか。折角来たんだ。そもそも天界のやつらが直接来ることなんか滅多にねぇんだし」
男「勝手に遊ばないでくださいよ。俺が疲れるだけじゃないですか」
魔神「まぁまぁ。」
男「今日何しよう……」
魔神「あ、服買おうぜ」
男「なんでですか」
魔神「ジャージだけじゃ活動できねぇだろってバカが服代くれたんだよ。いくら入ってっかなーっと……」
ヒ゜ラッ
魔神「……」
男「……千円ですね」
魔神「あんまーのボケぇぇぇぇぇ!千円ごときでどこまで偉そうにしてんだこるぁぁぁぁぁぁぁ!!ハゲろバーカ!」
男「まぁまぁ」
魔神「ったく……お前の金で買っていいよな。」
男「え?」
魔神「パワー使うのも面倒だしよぉ、てかあんま使いたくない」
男「え?ちょ」
魔神「まぁまぁ入ってんじゃねぇか。レッツゴーだぜ」
男「俺も!?」
魔神「あったりめーだろ。ご主人よぉ」
俺「はぁ…」
一旦落ち
魔神「で、服ってどこで買えばいいんだ?」
男「……しまむらでも行きますか」
魔神「ほう。そんな名前なのか。学校でいそうだな」
男「見たことないですけどね……」
魔神「早く行こうぜ。姿消すの面倒だしそのままでいいよな」
男「そうですね……」
魔神「いんやーワクワクすっぞ。人の金で買い物するときが一番気持ちいい」
男「嫌な神様だな」
町
サ゛ワサ゛ワ
ミロヨアイツノカノシ゛ョカワイイ
リアシ゛ユウハ゛クハツシロ
男「なんか騒いでますね……なんでしょうか……」
魔神「アレじゃね?糸井◯里がいたとか、高橋麻◯がいたとか」
男「なんで鼻の穴のでかい人が……」
魔神「じゃ研ナ◯コ」
男「鼻の穴でかいじゃないですか……なんなんすかそのこだわり」
魔神「……なんか見られてね?あたしって鼻の穴でかかったのか」
男「でかくねぇから!なんで見られる原因が100%鼻の穴!?」
魔神「そんならいいわ。さっさと行くぞ。なんだったっけ?よしのや?」
男「すいませんそれ牛丼屋です」
しまむら
魔神「へー。いっぱい服がある」
男「そらそうでしょうね。どんな感じにしたいんですか?」
魔神「もうなんでもいいよ。あ、女っぽくしてぇな。職場だとガチガチだし」
男「へぇ。どんな感じなんですか?」
魔神「小林幸◯みたいな」
男「アレでガチガチ!?基準がわかんないんですけど!」
魔神「あれがだいたい真面目な人が着る服だよ。ガチガチだろ」
男「ここでそんな格好してたら写真撮られるレベルですよ……まぁ女らしく……か……」
魔神「へぇ、お前が選ぶんだ」
男「あなたが選ぶととんでもないことになりそうなんで」
魔神「なんか失礼だなお前も。神だぞあたし。神なんだぜ?」
男「ちょっともう黙っててください」
魔神「……」
男「うーん……こんなんどうですか」
魔神「はぁ……へぇ……」
男「これは?」
魔神「ほーん」
男「…………これは?」
魔神「お?おお?おおお!」
男「ん?」
魔神「これこれ!こんなんだよ!」
男「……ワンピース?ですか?」
男「……うわっ、でもこれけっこうしますよ」
魔神「いいじゃねぇか。あたしも金出すからよ」
男「いや、千円しか助かってないんですけど。」
魔神「うるせーな買っとけよ。人間の分際で」
男「なんでそういうところで神様要素使ってくるんですか」
魔神「すいませーんこれお願いしまーす」
男「もうレジに!?いつのまに……」
魔神「あたし、神なんだぜぇ?」
男「なんかパワーもったいないような……」
魔神「はいはいいいからいいから!」
レジ打ち「……仲のいいカップルですね」
男「はいっ!?」
魔神「カップルってなんだ」
男宅
魔神「ふーむ……」
男「どうしたんですか」
魔神「こういう服初めてだからよぉ、スースーすんだけど」
男「まぁワンピースですし。お金返してください」
魔神「そう言ってもよぉ……あ、そうだ。お前お金ほしいって言えよ」
男「は?ああ、願い事……」
魔神「そうだよ。それでいいじゃん」
男「そうですね……ワンピースの3倍のお金出してください」
魔神「よっしゃわかった!むむむむ~……とおりゃぼろぁ!」ヒ゜カッ
男「かけ声がキモイんだけど!」
男「……ん?」
魔神「見てみ」
男「ん?……ああ!すげぇ!3万ある!」
魔神「すげーだろオイ。あと2つだ」
男「……なんかもったいなかったな」
魔神「自分で決めた金額だろ。文句言うな」
男「そりゃそうですけど……」
一旦落ち
おつ
男「………」
魔神「さてさて、あと二つどうすかぁ~?」
男「……いや、あと二つはちゃんと考えます……うん……」
魔神「はぁ?なんだよそれ。早くしろよ。帰れねーじゃねぇか」
男「だって……」
魔神「早くしろよな。あ、不老不死とかやめといたほうがいいぜ」
男「なんで?」
魔神「そりゃお前……ふふふ」
男「なんですか!」
魔神「今までに何度か人間が不老不死を願って叶えてきたことは何度かあるが、
結果的にあのハゲ神野郎が面倒になって悪魔使わせて魂奪っちゃうことになるんだわ」
男「そ、そんなことが……」
魔神「ぐふふ、どうするよ。不老不死も出来るぜ?」
男「や、やりません……」
魔神「だよな。あー良かった。パワーすげぇ使うんだアレ」
男「やったのあなたですか!」
魔神「まぁそうとも言う」
魔神「あー……腹減ったなぁ。ふぁーすとふーどとかいう食べ物買ってこいよ」
男「なんですか。マックですか」
魔神「じゃあそれでいいよ。てきとうに」
男「はいはい……」
魔神「あ、もちろんお前の金でな。こっちビタ一文ださねぇから」
男「インなんとかさんですか」
魔神「イン◯ックスは結構好きだよ」
男「なんで知ってんすか」
数十分後
男「すいませーん買ってきましたー」
魔神女「おーよしよし」
男「何がいいですか?」
魔神女「なんでもいいわ。あ、じゃあこの照り焼きなんたら」
男「バーガーくらい言ってください」
男「……そういえば、なんでここに来たんですか?」
魔神「は?だから言っただろ補習だって……」
男「いや、そうじゃなくてなんで補習するハメになったんですか……?」
魔神「あ、あのね。色々いたずらしちゃったのよ」
男「はぁ?」
魔神「ホラ、一応あたし神じゃん?だから暇じゃん」
男「いや、知らないですけど」
魔神「でさ、色々やったちゃったんだよね。菅原道真っていうのに手を貸してお屋敷焼いたり」
男「あれあなたの差し金ですか」
魔神「なんだったっけ。なんか笛吹く男に魔法の力授けてやったり。あいつ結局ネズミ退治したのに
ギャラもらえなくてグレてロリコンになったらしいよ」
男「もしかして最後に仕事したのハーメルンっていう町じゃないですか?」
魔神「あ、よくわかったね」
男「色々と思い当たりがあるんで」
男「なんでそんなんしてるんですか?暇だからですか?」
魔神「それもあるけどよぉ、なんか教育ママ?っていうの?に疲れたんだよね。」
男「ああ、思春期みたいな……」
魔神「だからもうね、心がまさかり状態になっちゃったわけ」
男「すいません、心がまさかりってどんな比喩ですか」
魔神「もうとんがってたわけよ」
男「あ、続けるんだ」
魔神「もう……なんだっけ。ギザギザハートのなんとか」
男「それ何で知ってるんですか。40代ですか」
魔神「マジで荒んでてねー。もうまさに心がナイフみたいなまさかり状態だったのよ」
男「ナイフで良くね?」
魔神「思えばあの頃が一番とんがってたよ。もう『切れたまさかり』だよ」
男「ナイフで良くね?」
魔神「それが過ぎたからさ。上から『もうお前のような切れた千枚通しには愛想が尽きた』って」
男「ナイフで良くね?いや違うか。急に鋭さが増したんだけど」
魔神「それで補習ってわけよ」
男「はぁ……」
魔神「まぁこれでチャラになるわけだし。頑張るか」
男「頑張ってください」
魔神「バーカ。お前が何にも言わないとあたしが頑張れないんだよ」
男「あ、そうか」
魔神「と、いうわけで二つめの願いはなんだ」
男「えー……ないな……」
魔神「おーいふざけんなよー。モチベーション下がったわー最悪だわー」
男「元々やる気がなかった人が言うセリフですよそれ」
魔神「あー……下界の土産話もしたいし……どっか行くぞ」
男「え、マジですか?」
魔神「ああそうだよ。色々見てやる」
男「めんどくせー……」
魔神「うるせぇ。ゲームとか見に行くぞ」
男「えー……」
魔神「はいはい金持ってけよ。これも神への供物だと思え」
男「俺あんまり神様信じない派なんですけど」
魔神「だから、あたしが神だ」
男「ああ、そうだった」
魔神「はーいレッツゴー」
男「しょうがないな……」トホ゛トホ゛
-ゲーム屋-
男「まぁ中古ゲームでいいか……」
魔神「おお、ぷよぷよじゃん。やろうぜ」
男「すいません、それなぞぷよっていう派生商品です。一人用のです」
魔神「んだよ騙された」
男「まぁそれスーファミですし騙されることもありますよ……」
魔神「まぁボンバーマンでいいか」
男「え、結局買うんすか」
一旦落ち
乙
「にひゃくさんじゅえんにゃにゃーす……」
魔神「え?なんて?」
男「はい。二百三十円ですか」
魔神「なんでわかるんだお前。すげぇ」
男「店員ってだいたいこんな喋り方なんです」
魔神「へー。下界って不便」
魔神「さーってやろうか」
男「スーファミどこだったっけ……」
魔神「そんなん探さなくていいよ。出すから」
男「ここでパワー使うんすか」
魔神「ああ。ていうか、これで願いにしてくれない?」
男「嫌ですよ」
魔神「じゃあいいよ……へいよぉ!」ホ゜ンッ
男「あ、出た」
魔神「ッへーい!やろうぜー!」
男「いいですけど……」
男「……アイテムのとりすぎですよ」
魔神「なーに言ってやがんだよアイテムは多いほうがいいんだよ……」
男「いや、友達がなんかそれで自滅しm」
ホ゛カーン
魔神「ぁっ……」
男「ほら。自分の爆風に当たってんじゃないですか」
魔神「あぁ!?ふざけんなおい!もう一回だ!」
男「いや、いいですけど……」
魔神「あぁ……くっそう……」
男「四戦してこれですか。やっぱり爆風アップやめたほうが……」
魔神「ああ!?うるせぇ!子供の頃はこれで大勝ちしてたんだ!今更戦法はかえねぇ!」
男「いや、それでことごとく全滅じゃないですか。どんだけ外野やりたいんですか」
魔神「やりたくてやってるわけじゃねぇ!頑張ってんだ!」
男「あー……そうですか……」
魔神「疲れた……からここでやめてやるよ。しょうがねぇから」
男「どの口が言うんですか」
魔神「この口だよーだ。バーカ」
男「誰がバカだ」
魔神「あーゲームやったら腹へってきたわー」
男「早くないですか。どんだけ食べるんですか」
魔神「食べるっつったってあんまりなかったじゃんよー。あんなの急ごしらえだぜ」
男「そうですけど……」
魔神「あーあー!バカな人間が神様に何もないでー!天罰が下るぞおーい!」
男「わかりました!わかりましたから!何が食べたいんですか!」
魔神「あー……えー……」
男「決めてないですか」
こういう自由奔放な女性に振り回されるの大好物です④
魔神「あ、吉野家」
男「ここが無難かと」
魔神「人間にしてはいい選択だ」
男「それはどうとればいいんですか」
魔神「褒め言葉だ」
男「ああそうすか。ありがとうございます」
魔神「さーて、どうする?つゆだく?」
男「ああ、大盛りのつゆだく」
魔神「あたしも大盛りのつゆだく。あと生卵とみそ汁」
男「ちょ、何勝手に……」
魔神「ケチケチしてんじゃねぇよ。ぶっ飛ばすぞ」
男「怖いですよ!俺の金ですから!」
魔神「あ、どーもー」
男「知ってますか。大盛りだとご飯の量が多くなって牛肉の量は並盛りと同じなんですよ」
魔神「えー……特盛り頼めば良かった……」
男「まぁもう注文しちゃいましたし」
魔神「なんか損した気分だぜ……」
男「黙って食べましょうか」
魔神「………………」
男「…………………」
魔神「………………」
男「…………………」
男「すいません喋ってください」
男「すいませんでした……何考えてるのかわかんなくて……怖い……」
魔神「今……あたしの頭の中でお前がワルプル◯スの夜にやられた……あとちょっとなのに……」
男「どんな妄想してるんですか!何で俺魔法少女なんですか!」
魔神「いや。、お前の顔けっこう四角いからどうしてもホームベースに……」
男「ひどい言い草ですね」
魔神「だってもう……しょうがないじゃない」
男「死んでもqbとは契約しませんよ……死んでもっていうか死んでるようなもんだけど」
魔神「確かにそうだな……」
魔神「すいません紅しょうが貰えますか。え?有料?」
男「勝手に追加しないでください」
アリアトーヤシター
男「意外と安く済んだ」
魔神「まぁ魅力の一つだし」
男「そうですけど、料金の2/3が追加オーダーなんですけど」
魔神「いっぱい食べちゃった。えへ」
男「殴りますよ」
魔神「お、お前が言ったらけっこう怖い……」
男「はぁ……まぁいいですよ。明日はちゃんとバイト出ないと……」
魔神「ああ。泣かしちゃったからな」
男「いや、あなたのせいですよ」
魔神「は?なに?イチャモン?」
男「正当な不満です」
魔神「ていうか、何で泣いたんだよアレ」
男「あなたが居たから『話しかけないで』って言っちゃったんじゃないですか!」
魔神「マジか」
男「マジですよ」
魔神「なに?何であたしが悪いみたいな空気になってんの?」
男「純度100%あなたが悪いです」
魔神「……… マジで?」
男「ていうか明日どうやって謝ればいいんですか」
魔神「さぁ……?」
男「すっとぼけないでください」
魔神「正直に言うのが一番だわ」
男「どう正直に言うんですか。『近くに神様がいまして』とか言うんですか」
魔神「それは……うん……いんじゃね?」
男「よかねぇ」
魔神「じゃあどうだ。私のパワーで記憶を抹消する」
男「そんなの出来るんですか?」
魔神「あたし神だぜ?過去を消すことはできねぇが未来を創ることなら出来るんだぜ?」
男「なにかっこいいこと言ってるんですか。やってくださいよ」
魔神「……それを願うのか?」
男「ええ、はい。そうですね。」
魔神「よっしゃわかった!むむむむ~……とおりゃぼろぁ!」シュン
男「消えたっ!?」
魔神「ほっ」シュン
店員「ひっ!?だ、誰!?」
魔神「通りかがりの神だ」
店員「は!?」
魔神「あ、ちょっと黙ってて。これけっこう集中するから」
店員「何がですか!?」
魔神「はい!黙る!」ハ゜ッ
店員「え!?あぐ……んんん!?」ハ゜クハ゜ク
魔神「ごめんね湯婆みたいな感じで」
魔神「むむむむ~…………ッヘーイ!」ヒ゜カッ
店員「んんん!?んん………」ト゛サッ
魔神「………」ニヤ
魔神「へい!ミッションコンプリート!」
男「へー。ちょっとは神っぽいことするんですね?」
魔神「っぽいって何だよ。神だぞ」
魔神「まぁいいよ。はいはい。これで2つ目の願いは叶った」
男「え?」
魔神「だってお前言っただろ?『やってくださいよ』って」
男「あ、……」
魔神「はーいやったー願いは一つだぜー」
男「ちょ、ちょっと!」
魔神「ああ?」
男「いや、今のは……えっと……」
魔神「取り消しは無しだぜ。だってもう抹消しちゃったし」
男「マジですか!」
魔神「ああ。今日のは全部チャラだ。明日も普通に行けるぜ」
男「ほ、本道ですか……ありがとうございます……」
魔神「へへっ、悪い気はしねぇな」
男「ていうか、こんなことに使ってしまった……」
魔神「まぁまぁ。そうそうお目にかかれないぜ?人の記憶が消えるとこ」
男「そうですけど……」
魔神「はいはい、明日に備えてもう寝ようぜ」
男「えー……」
魔神「ていうかあたしが眠いんだよ。歯磨きもうしたから」
男「えぇ!?誰の使ったんですか!」
魔神「誰のっていうか一本しか無かったから」
男「俺のじゃないですか!」
魔神「あ、そうなの?まぁいいよ。あたし別に気にしないし」
男「俺が気にしますよ!」
魔神「うるせぇなお前も」
魔神「布団は?」
男「あ、ちょっと」
魔神「敷いてあるじゃん。お前準備いいな。おやすみ」
男「なにやってんるんですか!布団1組しか……」
魔神「zzz……」
男「早い!もう寝るのが早い!お約束すぎて!」
男「はぁ……歯ブラシ使っちゃったのか……」
男「謎の罪悪感が……」
男「あー……しょうがないか……ぐええ……」シャコシャコ
魔神「……ぐへへ……zzz……」
一旦落ち
高橋真麻っていうんですね。誤字すいません
魔神「ふぁぁ……」ムクリ
魔神「あれ……?どこだ男の奴。あたしを置いてどっか行ったか」
魔神「………ん?書き置きだ。母親かあいつは」ヒ゜ラッ
【レンジの中にチャーハンがあります。そのままあっためてくださいね】
魔神「ガキじゃねぇんだよ。懐かしいわボケ」
魔神「全くあの野郎……チャーハンしかねぇのかよ。」
バイト先
男「ちゃーっす!」
店員「やぁ、男君」
男「あ、ど、どうも……」
店員「ん?どうしたの?よそよそしい」
男「あ、え?あ、そうか…いや、なんでもないです」
店員「ん?なんか変だなぁ……」
男(そうだ……記憶消したんだった……マジで魔法すげぇ……)
店長「あれー?どうしたの?昨日のこと怒ってないの?」
店員「え?」
男(そうか、店長も見てた……どうしよう、考えてなかった)
店員「何がですか?」
男「はいはい!店長、あとで謝ったんでもう和解してんですよ……」
店長「あ、そうなんだ。君も意外と誠実ね」
男「あ、当たり前じゃないですかぁ!」
店長「じゃ、仕事よろしく」
男「はーい!」
店員「はい!」
男(良かったぁ……これで何も気にせずに仕事できる……魔神さん使えるじゃないか……いや、魔神さんが撒いた種だけど)
店員「随分楽しそうだねー?何かあった?」
男「え!?い、いえいえ。なんでもないです」
店員「なんだか、幸せそうな顔見てると自分まで幸せになっちゃうよねぇ」
男「え?幸せそう?」
店員「うん!」
男「どうでしょうねぇ……」
男(うーん……助けてもらったし、今夜は豪華な夕食かな……)
男(そうなると……うーん、そうだな……フレンチ料理……)
男(よし、予約いれとこう……休憩時間の間に……)
店員「やっぱり、楽しそうだよ?」
男「そうかな……俺って仏頂面だし」
店員「ううん、今すっごい楽しみにしてそうな顔してたよ。子供のクリスマスみたいに」
男「どんな純粋な例えですか」
店員「どうなの?何かいいことあったの?いい事しようとしてるの?」
男「そ、そんなことないですよ……」
店員「そうかなぁ……」
男「なんでもないですよ。ていうか幸せそうな顔なしてません」
店員「えー?そう?」
男「はい。八番オーダー。コーンスープですよ」
店員「う、うん」
タッタッタ
男「俺が楽しそうな顔ねぇ……」
ーーーーーーーーー
店長「はーい!お疲れさまぁ」
男「お先でーす」
店員「どーもー」
男「さーて、時間がない……」
店員「男君、やっぱり楽しそうだねぇ」
男「全然そんなことないですよ。最近大変なことが多くて……」
店員「全然そんなことなさそうだけどねぇ」
男「あるんです」
カ゛チャ
男「ただいまー」
魔神「おかえりー。お前さっさとドア閉めろよな。寒いじゃねぇか」
男「はいはい。まぁこれか出かけるけど」
魔神「えー。マジかよ。お前何するつもりなんだ?メシは?」
男「今日は外食だ」
魔神「なんでだよ。寒いよ」
男「いいから!来なさい!」
魔神「ったくなんなんだよ。さみー……」
魔神「んだぁここ……コンビニ?」
男「違います。フレンチですよ。聞いたことないですか?」
魔神「ねぇなぁ。何それ。調味料?」
男「料理の種類っていうか、ジャンルですよ」
魔神「へー。面白い名前だ」
男「そうですかね」
男「じゃ、入りますよ」
カランカラーン
魔神「おお……おお!?」
魔神「すげぇ……キラキラ……」
「いらっしゃいませ、ご予約を頂きました、男様ですね?」
男「あ、はい」
「こちらのテーブルになります。こちらにメニューがございますので」
男「ありがとうございます」
「ごゆっくり」
魔神「な、なぁ……これなんだ?」
男「メニューですよ」
魔神「は?」
魔神「メニューってなんだよ」
男「いや、ここに料理名とか書いてあるじゃないすか。これで食べたいものを頼むんですよ」
魔神「へー。面白い制度だな。天界では念ずれば料理出て来たぞ」
男「そっちのほうが面白い制度じゃなですか」
魔神「そうかな。いちいち来るのめんどくせぇじゃん」
男「そうですけど、それができれば人間じゃないです」
魔神「そうかね」
「お決まりでしょうか」
男「えーっと……このフルコースお願いします。二人前」
魔神「え?これけっこう高くねぇか?」
男「いいんですよ。願い事のお礼です」
魔神「……なんか調子狂うな。願い叶えるのは使命だってのに」
男「まぁまぁ。いいじゃないですか。俺が食べさせたいんです」
魔神「………そうか。ありがとな」
男「い、いやいや。あはは」
魔神「へー……あれ?料理は?」
男「いやいや、フルコースですから。スープが最初に出てくるんですよ」
魔神「なんだ?順番決まってるのか?」
男「そうですよ」
魔神「むー……つまんないぞ……」
男「そう言いながらストローで吸うのやめてください。冷製だからって」
魔神「だってさー……」
男「あ、ほらサラダ来ましたよ」
魔神「……サラダかよ」
一旦落ち
ーーーーーーーーーーーーーー
男「………」
魔神「すげぇ!すげぇ!」
男「も、もう魚だけでお腹いっぱい……」
魔神「なんだよ。まだ肉残ってるぞ」
男「いやもう……ホント……」
魔神「何だお前、お腹いっぱいなのか?」
男「はい……もう……」
魔神「あたしが食わせてやる!」カ゛ツ
男「あぶっ……もぐもぐ……」
魔神「クカカカ!うまいだろ!」
男「そ、そうっすね……」
「お会計……」
魔神「なんだ、けっこうするな」
男「いや、大丈夫ですよ。お礼ですから」
魔神「いや、でも……」
男「ん?」
魔神「……いや、いいわ」
男「そうですか。はい。どうぞ」
「ありがとうございました。またお越しください」
男「ありがとうございました」
魔神「ごちそうっしたー」
カランカラン
男「はー……家に帰ってくるとすごい落ち着く……」
魔神「お前小食だなぁ」
男「そんなことないです」
魔神「だって魚食べて終わりだったじゃねぇか」
男「そんなこと……ゲプ」
魔神「お前なんなんだよ……」
男「だって魚いっぱいだったんですもん……」
魔神「あーあーそうかよ」
男「ちょ、ちょっと……まくら……まくらがない……」
魔神「お前苦しすぎて寝込んでんじゃねぇか。大丈夫か」
男「まくらがなくて……どうしよう……うえ……」
魔神「じゃああたしの膝使えよ」
男「え?」
魔神「お礼だ。お礼のお礼」
男「ややこしいです……いいんですか?」
魔神「あたしがいいって言ってんだ。ありがたく思え」
男「ありがとうございます……うー…」スッ
魔神「ふふん」
男(あー……落ち着く……やわらか……)
魔神「大丈夫かお前」
男「……ちょっと大丈夫じゃないかもしれないです」
魔神「そうか……」
魔神「……よーしよし……」スリスリ
男「え、ちょっと……あー……落ち着く……」
魔神「人間の背中さすると気持ちよくなるって本当だったんだな。猫みたいだ」
男「それは合ってますけど……あー……」
魔神「………」スリスリ
男「うー……ふぁぁ……」
魔神「……ん?」
男「zzz……」
魔神「……まったく」
魔神「ふああ……眠い……」
男「zzz……」
魔神「お前がいるから寝れねぇじゃねぇか……まったく……」
魔神「………ありがとうな、男」スリスリ
魔神「ふぁぁ……zzzz……」クタッ
朝
男「あーあー……あ?」ハ゜チ
魔神「………ん」
男「…………」
魔神「……おはよう」
男「おはようございます。なんで上に乗ってるんですか」
魔神「いや、布団が冷たかったらからよ。お前あったかいし」
男「はぁ……まぁいいですよ。しょうがないですね」
魔神「そうか、ありがとうな」
男「別にいいですよ……」スッ
魔神「ん?どっか行くのか?」
男「買い物ですよ。出費ひどいんで節約しないと」
魔神「あたしも行く!行く!」
男「……いいですけど」
ーーーーーーーーー
男「あ、牛乳安い」
魔神「ふーん……」
男「他なんかないかなー……」
魔神「あ!すげぇ!やっすい!なにこれ!20円だぞ!」
男「あ、そうか。もやしも買っておこう」
魔神「すげぇ!ここすげぇ!」
男「天界にはこういうの無いんですか?」
魔神「いや、みんな念力で作り出すからな」
男「ああ……やっぱり……」
魔神「あー……すげー……」
男「あ、あとソーダ買おう」
店員「ん?」
男「あ」
魔神「すげー……」
店員「あれ?男君?誰その人」
男「あ、えーっと……」
魔神「神だ!」
店員「か……み……?」
男「ああ、気にしないでいいんですよ!」
店員「そう?」
店員「あ、もしかして恋人?」
男「な、ち、違いますよ!」
魔神「恋人ってなんだ?」
男「あとで教えますから!」
店員「え?違うの?」
魔神「恋人ってなんだ」
男「ああもうちょっと……」
店員「……あ。そっか!だからこの前楽しそうだったんだね!デートの前?」
男「いや、あの、デートっていうか……お礼みたいな……」
魔神「でーとって何だ?」
店員「なんだぁ、言ってくれればよかったのに」
男「ちょ、だから……」
魔神「おーい早く教えてくれよー」
男「ちょっと黙っててくださいよ」
魔神「…………………」
男「……………………」
店員「…………………」
魔神「…………………」
男「……………………」
男「すいません喋ってください」
店員「何か変な人だね。でもけっこう可愛い」
魔神「人とは何だお前!あたし神なんだぜ!」
店員「へ?」
男「あーもーいいですから!じゃ、これで」
店員「あ、うん。ばいばーい」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
男「大変だったじゃないですか」
魔神「いいじゃねぇか。面白い奴だったぞ」
男「あなたが面白がってるだけです!」
魔神「なんでよ」
魔神「ていうかよー。お前なーに喋ってるときニヤニヤしてんだよ。気色悪いな」
男「に、ニヤニヤしてませんよ!なんですか!」
魔神「いーや、絶対ニヤニヤしてた。何だお前、あいつ好きなのか」
男「好きなわけじゃないですよ!」
魔神「ふーん……面白いな」
男「な、何がですか」
魔神「あたしのパワーで惚れさせてやろうか?」
男「ものすっごい余計なことですよ」
魔神「あ、そう。つまんねぇなぁ」
男「面白さで動くことをやめてください」
魔神「………良かった」ホ゛ソ
男「はい?」
魔神「なんでもねぇよ。メシは?めっしー!」
男「はいはい……」
魔神「……なにこれ」
男「もやし炒めですけど?」
魔神「これ味ついてねぇじゃん。どうやって食えってんだよ。氷食ってたほうがマシだぜ」
男「そのレベルで食べられませんか」
魔神「味くれよ味ー!あーじー!」
男「ああはいはい!ポン酢ですよ!」
魔神「……は?なにこれ」
男「ポン酢知らないですか?」
魔神「………知らん」
魔神「これかけるのか」
男「そうですよ」
魔神「ふーん……」トフ゜トフ゜
男「ちょ、入れすぎですよ!」
魔神「いいじゃねぇか。味濃いほうが好きなんだあたしは」
男「ていうか、無駄……」
魔神「いいからいいから」ハ゜クッ
魔神「ぶおおおおおお!うめぇぇぇぇ!もやしうめぇ!」
男「はぁ……半分使った……」
魔神「すげー!これすげー!」
一旦落ち
しえん
魔神ちゃん可愛い
男「あー…また調味料が足りなくなった……」
魔神「わりぃわりぃ。つい使っちまってよぉ」
男「ていうか、何であんな味濃いの好きなんですか。味覚バカですか」
魔神「んだとてめー。天界ではご飯が主流だからおかず少ないんだよ。
しかもみんな味薄くてよぉ。もう食えたもんじゃねぇ」
男「どこでご飯食べてるんですか」
魔神「なんか、食堂みたいなとこ。わかんねぇな」
男「ああそうですか……それはちょっとキツいかも……」
魔神「だろ。まったくあのハゲ調味料ぐらいおいとけよ……」
魔神「くぁぁ……けっこう食ったのにこれ30円か。もやしって何でできてんだ」
男「えーっと……豆じゃなかったでしょうか。そこから伸びてくるとか……」
魔神「へー。じゃあ栽培しようぜ」
男「……え?もやしですか?}
魔神「そうだよ。美味しいだろ」
男「なんか、神の力のアレでやらないんですか?」
魔神「バカかおめーは。そんなん楽しみがないだろうが」
男「あなたもそういうこと気にするんですね」
魔神「あたぼぅよ」
男「じゃあ意外と魔神さんって育成ゲームとかハマりそうですよね」
魔神「育成ゲーム?」
男「こういう……なめこ栽培キットっていう……」
魔神「ああ、それならもうやってるぜ。ほらみろ」
男「……え!?ほぼコンプリートしてある!新バージョンまで!?」
魔神「意外と楽だったぜ。ハマったなぁ」
男「本当にそういうの好きなんですね……」
魔神「まぁな。凝り性っていうか、なんとなくやりたくなっちゃうんだよなぁ」
男「もしかして、a型ですか?」
魔神「は?何言ってんのお前?」
男「……あ、神だった」
魔神「よく見たら、一人暮らしだってのにあんまり植物とかねぇよな」
男「ああ、そうですね。そういうのあんまりやる気なくて」
魔神「今何時だったっけ?」
男「えー……あ、まだ7時なんですね。時間経つの遅いなぁ」
魔神「よし、行くぞ」
男「え?どこに?」
ーーーーーーーーーーーーーー
男「……ホームセンター?」
魔神「そうだ」
男「よく地図わかりましたね」
魔神「あたし仮にも神だからさ。朝飯前だよ。夕食食べちゃったけど」
男「で、何を買うんですか?」
魔神「まぁ、ついてこい」
男「え?は、はい……」
魔神「ふっへっへ……」
魔神「ここだ」
男「……植物のゾーンですね」
魔神「せっかくだから、お前の部屋に実家を再現する」
男「は?実家?」
魔神「そう。あたしが住んでるとこ」
男「え?天界ですよね?」
魔神「そうだけど?」
男「いや、そんな普通に返されてもアレなんですけど。再現ってどういうことですか?」
魔神「どういうことも何も、そのままの意味だよ」
男「は?え?」
魔神「だから、彩りがないからよ。あたしの家を再現すれば綺麗になると思って」
男「確かに植物とか全然無いですけど!」
魔神「まぁまぁ、これはあたしがやりたいことだからさ。あたしが金出すよ」
男「………いや、いいです。結局俺の部屋のことですから。俺が出します」
魔神「え、別にいいよ。」
男「嫌です。なんか嫌なんです」
魔神「あ、そう。じゃあ別にいいよ」
男「で、どうするんです?」
魔神「これとこれとこれと……あとこれは絶対必要」
男「へー。プランターってけっこう安くなってるんですね」
魔神「あと、肥料土。最近はこういう肥料が最初っから混ぜてあるやつもある」
男「へー…………」
魔神「それとこれと……」
男「へー!……ほー!……ふーん……」
魔神「よーし……」
「占めて一万三千円になりまーす」
男「ふぅ……」
魔神「……ご、ごめんな。金出させて」
男「ん?どうしたんですか?急に」
魔神「い、いや、でもよ……」
男「別にいいんですよ。やる気になってるから、協力してあげたいだけです。いけませんか?」
魔神「そ、そんなことないぞ!うん!いい心がけだ!褒めてやる!」
男「どうもありがとうございます……」
魔神「……あ、ありがとな」
男「……はいはい」
ーーーーーーーーーーー
魔神「よし!始めるぞ!」
男「はーい」
魔神「よし!いい返事だ!」
男「それはどうも」
魔神「ガンガン始めるぜー!」
男「こういうのパワー使わないんですか?」
魔神「達成感がねぇだろうが!もっと楽しんでこうぜー!」
男「もうノリがわかんないです俺」
魔神「あー!ちげぇよ!それ窓側だ!」
男「す、すいません……」
魔神「そっち持てそっち!」
男「お、おも……なんでそんな涼しい顔で……」
魔神「はいはいオーライ」
男「自分で押してください」
魔神「はい!完成!」
男「おお……確かに完成すると、達成感がありますね」
魔神「今更気付いたか愚かな人間よ!あっははは!」ケラケラ
男「ふーん……」
魔神「ん?なんだ?」
男「いや、魔神さんの実家ってけっこう落ち着いたところなんだなぁって……」
魔神「そ、そんなことねぇよ……」
男「いつか行ってみたいですねぇ」
魔神「……は?何?死亡宣言?」
男「え?あれ?あ、そういうことになりますかね……」
魔神「……ダメだ」
男「は?」
魔神「……お前は、まだ生きててくれ」
男「え?なんでですか?」
魔神「あー!うるせぇな!生きようとしろよ自分で!そういうもんだろ!」
男「そ、そうですね……」
男「と、とにかく、腰を落ち着けましょうか!」
魔神「そ、そうだな。一息つこうぜ」
男「はぁ……植物ってけっこういいものですね。綺麗で」
魔神「だろ?ふへへ」ニタニタ
男「魔神さん、ありがとうございます」
魔神「な、なんだよ。急に」
男「魔神さん来てなかったら、絶対俺の部屋こんなになってなかったですよ。落ち着けて、いいとこになりました。
ありがとうございます。」
魔神「べ、別にお前のためじゃねぇよ……別に……」
男「いや、それでも感謝したいですから」
魔神「お、お前どうかしたのか……?も、もう寝るわ……」
男「そうですか。おやすみなさい」
魔神「あ、ああ。おやすみ」
朝
男「ふああ……」
魔神「お、おはよ……」
男「あ、ああ。おはようございます。眠れました?」
魔神「はぁ・なんでそんなこと聞くんだよ」
男「いや、目の下にクマが……」
魔神「……マジで?ふんぬぬぬ~……はうぼろぁ!」ハ゜ッ
男「うわっ……あ、消えた」
魔神「ふん、どうだ。これが神だ」
男「毎回思いますがパワー無駄遣いしてませんか?」
魔神「……ぁっ」
男「気付いてなかったんですか……」
魔神「ば、バッカ言えそんなこととっくに気付いてたってマジで」
男「はぁ……」
魔神「そ、それよりバイトあるんじゃないか!?」
男「ああ、そうですね。準備しよう」
魔神「あ、メシなんか買ってこいよ。もやしとか」
男「どんどんふてぶてしいですね……」
魔神「だって腹減るじゃん」
男「そうですか……じゃあ卵焼き作っておいたんで、チンして食べといてください」
魔神「わーい!卵焼きー!」
男「行ってきますね」
魔神「行ってらっしゃーい!」
ーーーーーーーーーーーーー
店長「お!きたね」
男「うぃーす。来ました。何かあるんですか?」
店長「やだなぁ、彼女いるんでしょ?」
男「はぁ?」
店員「ごめんね……喋っちゃって……」
男「だ、だから彼女じゃないって…」
店員「じゃあ何?」
男「え?えー……と……」
店員「同棲してるの?」
男「え、あ、はい。」
店員「じゃあ彼女だ」
男「なんでですか!?」
一旦落ち
魔神ちゃんのデレが今から楽しみ
店員「ねぇねぇ、付き合ってどれくらいなの?」ニヤニヤ
男「だからー……もう疲れました」
店長「全く、妬けるねぇ。ヒューヒュー」
男「褒め方がベタすぎて古いですよ店長」
店長「いやいや、これナウなヤングにバカウケな……」
男「古いわ!ナウなヤングがもう古いわ!」
店員「イカす若者に……」
男「そっちも古い!」
家
魔神「卵焼きしょっぱかった……何だよ塩派かよ……」
魔神「あーったく暇だなぁ……」
フ゛ーッフ゛ーッフ゛ーッ
魔神「……あ?ケータイ忘れていきやがったあいつ」
魔神「なんだなんだ。どうしよう……」ウーン
フ゛ーンフ゛ー……フ゜ツッ
魔神「あ、切れた。」
魔神「うーん……不便だろうし……届けるか。カーッ!しょうがねぇなぁおい!」
魔神「ったくあたしのパワーがないとホント何もできねぇからなぁ!」
魔神「レッツゴー」ハ゜シュッ
店員「どこまでいったんですか?a?b?cですかぁぁぁ?」ニタニタ
男「ちょ、厨房でなんて話を……」
店員「いいじゃないですか1誰もいないんだし言ってみてくださいよ!」
男「いや、aすらいってないんですけど」
店員「えー?」
魔神「よぉ!ケータイ忘れてたぞ!」
男「うぁぁ!?」
店員「わぁ」
魔神「あ?」
男「ま、魔神さん……なんで鍋から……」
魔神「悪い悪い、とりあえず飛んだら変なとこに」
男「そ、それよりもヤバいですよ、店員さんに見られて……」ヒソヒソ
魔神「おう」
魔神「ん~……ッヘーイ!」ハ゜チン
店員「ぐええ」フッ
男「あれ!?」
魔神「イッツア・記憶抹消」
店員「うーん……」
男「て、店員さん、大丈夫ですか?」
店員「うーん……あれ?何が?」
男「す、すげぇ……」
魔神「だろ?だろ?」
店員「は?あれ?何で男君の彼女さんがここに」
魔神「彼女って何だよだから」
男「……なんかデジャヴ」
魔神「彼女って何か教えてくれたら状況説明してやってもいいぜ」
店員「あれ?知らないの?あのね……」ホ゛ソホ゛ソ
男「……………」
魔神「………………」ホ゛ッ
魔神「な、ななななななななななな」
店員「あれ?違うの?」
魔神「ば、バカ!誰がこんな、あの……」チラッ
男「え?」
魔神「あっ……え……か、帰るわ……」
男「あ、ああそう。」
魔神「おい!卵焼きは砂糖入れとけよ!」タ゛タ゛タ゛タ゛
男「はぁ……」
店員「……ウブで可愛い子だったねぇ」
男「一体何を教えたんですか……」
店員「べっつにー?うふふ」
店長「大変だよー!客が今日一番と見られるピークだよー!」
男「はーい!」
店員「オーダー入りまーす!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
魔神「………………」モンモン
魔神(むぅぅ……か、彼女、か……うん……)
魔神(き、きっとこう……こんな生活を……)カァァ
魔神「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」フ゛ンフ゛ン
魔神「あああー……ふぁぁ……」
魔神「…………zzz………」
男「はー……疲れた……」カ゛チャ
魔神「zzz……」
男「やっぱりよく眠れてないじゃないですか……」スッ
魔神「zzz……」
男「ほらほら、毛布はがないでください」スッ
魔神「zzz………」カ゛シッ
男「え」
魔神「んー……」ス゛ルス゛ル
男「ちょ、力強すぎ……おうっ」ホ゜ス
魔神「ぐぅ……」カ゛シッ
男「…………………」
男(俗にいう……だいしゅきホールド……)
男「…………」
男(起こしたらヤバいかな……変なテンションで帰ってったし……)
魔神「ふへへ……男……」
男「……は?」
魔神「えへへへ………しょうがないなぁ……zzz……」スリスリ
男「……しょうがないなぁ……はぁ……」
男「全くもう………」ナテ゛ナテ゛
深夜
男「……そろそろ深夜だぞ、どうしよう」
魔神「zzz……」
男「朝まで起きなさそうだな……」
男「魔神さん、どんな夢見てんすか……」
魔神「んー……ぐぅ……」スリスリ
男「……すいません、胸に顔うずめないでください」ク゛ィィ
魔神「ぐぅぅ……」キ゛ュウ
男「あでででで!すいません!すいません!」
魔神「………zzz」スッ
男「ったく……起きてんのかこれ……」
朝
チュンチュン
男「ふぁぁ……」ムクリ
魔神「……………」トントン
男「……あれ?料理ですか?」
魔神「…………」フ゜イッ
男「ど、どうかしたんですか?」
魔神「…………なんでもねぇよ」
男「いや、でも、料理は俺が……」
魔神「い、いいから。やりてぇんだよ。やらせろ」
男「は、はぁ……」
魔神「………ふふっ」トントントントン
男「………?」
魔神「で、できた」
男「へー。意外とちゃんと出来てますね」
魔神「まぁな!あたし神だからな!」
男「どれどれ」ハ゜クッ
魔神「…………」シ゛ッ
男「……あ、美味しいですねこれ」
魔神「…………」ハ゜ァァァ
男「……あの、何か言ってください」
魔神「あ、ああ!そ、そうか!あったりまえだ!」ケタケタ
男「美味しいですよこれ!ありがとうございます!」
魔神「あ、あはははははは!」
男「……?なんで赤くなってるんですか?どうかしました?」
魔神「ば、バーカ。あたし神なんだぜ?何もないに決まってんだろ!」
男「そ、そうですか」
男「……あ、そろそろバイトだ。行ってきますね」
魔神「あ、ああ」
男「………?」カ゛チャ
ハ゛タン
魔神「…っふぅぅぅ…………」
魔神「ああああああああああ!!!」ホ゛スッ
魔神「美味しいって言ったぁぁぁぁぁぁぁぁうおあああああああああ!!」ハ゛タハ゛タ
魔神「ふ、ふへへ……」
魔神「全く……あたしが寝てたら抱きついてきやがってよぉ……しょうがないやつだなぁ全く……」
魔神「あいつもけっこう可愛いとこあるなぁ……人間の分際で……ふへへへへ……」ハ゛タハ゛タ
魔神「あー……早く帰ってこねぇかなー……つまんねぇ……」
男「ぶえっくしょん!」
店員「あ、誰か噂かなぁ?彼女さん?」
男「違います!まったく……」ス゛ス゛
店長「もう認めちゃいなよお。ケータイ持ってきてくれたんでしょ?同棲もしてるんでしょ?」
男「そうですけど……」
店員「可哀想だよ?ちゃんと認めないと」
男「何を認めろっていうんですか」
店長「強情だねぇ……」
男「全く……」
男(……今日朝食も作ってもらったし、ちゃんとお礼しないとな。何がいいかなぁ……)
男「……………」ニヤニヤ
店員「……何をニヤニヤしてるの?」
男「し、してませんよ」
店員「嘘つきだねぇ」
店長「ほんとほんと」
男「…………」カチャカチャ
男(甘いもの好きかなぁ……食べてるとこ見たことないからなぁ……)
男(甘いもの好きそうだしなぁ……何か買っていこうかなぁ……)
男(甘えん坊だから、好きかもしれないなぁ)クスクス
店員「だから、何笑ってるの?彼女のこと?」
男「ち、違いますよ……」
店員「目、泳いでるよ」ニヤニヤ
一旦落ち
おつ
乙
魔神ちゃん可愛い
魔神「あー……暇だぜぇ……」
魔神「ん?スマブラあるな。やろう」
ヒ゜コーン!ハ゛シュ!
魔神「ふー……まぁネスだよな。飛び道具強いし」
全能神「えー?せやけどaボタンの攻撃弱いで?ゲームアンドウォッチは問題外やけど」
魔神「んなこと言ってっからいつまで経っても弱いんだよ……あ?」
全能神「よぉ。元気やっとるか」
魔神「……てめぇハゲ。何ここにいるんだよ」
全能神「顔だけでも見て帰ろかなぁ思て。なに?ここに住んどる感じ?」
魔神「うるせぇな……」ハ゛シュッ!テッテレッテッテッテッテ
全能神「あー!ハンマーとりよったでこいつ!」
全能神「てぇことはアレか?もう願い叶える予定の奴ここに住んどるん?」
魔神「ああそうだよ。てめータルばっか投げるなよ」
全能神「タルは外しても転がるし」
魔神「顔見たらさっさと帰れよ。」
全能神「なにー?何でそんな怒っとんの?千円やったから?」
魔神「あれはマジで腹立ったよ!てめー千円ごときでどんだけふんぞり返ってんだよ!」
全能神「あ。千円バカにしたな。千円をバカにするやつは千円に泣くんやで。」
魔神「うっせーな!オカンはてめーは!」
全能神「当たり前やがな。言うたらワシが全人類のオカンやで」
魔神「合ってるっちゃあ合ってるけどさ!腹立つんだよ言い草が!」
全能神「なんやねん。何が不満なんやお前は」
魔神「今言い草が腹立つって言っただろうが!」
全能神「おお、すまんすまん。聞こえんかったわ。耳にバナナが入っとってな」
魔神「ったく……何か腹立つんだよてめーは!」
全能神「……あ、卵焼き。食うたれ」
魔神「あ、こらハゲ!あたしのメシ食ってんじゃねぇよオイ!」
全能神「うるっさいのー。そんなしみったれた事言うなや。パワーで出したろか?」
魔神「いらねぇよ。塩味だしそれ。」
全能神「そんな遠慮せんでええのに」
魔神(……男が作ったやつじゃなきゃいらねぇよ……)
全能神「もーそないに怒らんといてよ。カルシウム足りてへんで?」
魔神「あーあーそうかよ」
全能神「で、本題やねんけど」
魔神「あ?本題なんかあったの?」
全能神「アリやアリ。おおアリや」
魔神「何なんだよ。早く話せ」
全能神「うん。単刀直入に言うとな?」
魔神「だから前置きが長いっすよ。全然単刀を直入してないっすよ」
全能神「じゃあかしわボケぇ。今から喋るんじゃ黙っとけアホ」
全能神「……あのさぁ、そろそろ補習終わりにせぇへん?」
魔神「……は?」
全能神「せやから、補習終わりにしよう言うてんねん。」
魔神「は?な、なんでだよ?」
全能神「君も神やねん。いつまでも君の担当の地区を代理にやらすわけにいかへんねん。」
魔神「だ、だからって……」
全能神「だいたい、もう流石に願い叶えとるやろ?何個?」
魔神「に、二個叶えた」
全能神「おー。すごいやん。十分やで。君としては上出来や」
魔神「で、でも……」
全能神「ていうかな?そもそも天界の神が下界に長くいること自体異例やねん。ワシが許しとるからええけども」
魔神「………」
ーーーーーーーーーーーー
男「うーん……」
店員「あれ?どうしたの?」
男「いや、ちょっと甘いもの買っていこうかと思って」
店員「一緒に食べるの?ヒューヒュー」
男「ちょ、ちが、違いますって……」
店員「んー、ならね!これ!このケーキ買っていきな!」
男「え?なんでですか?」
店員「いいからいいから!それで、まず真ん中から二つに分けるのね」
男「ああ、はい」
店員「よしよし!うふふ」
男「……??」
店員「ぜっっったい、真ん中から二つに分けるんだよ」
男「は、はぁ」
男「ただいまー。ケーキ買って……」
魔神「あ、ちょっとまって。今ファイナルラップだから」
全能神「君、いっつもキングテレサ使うよな」
魔神「うるせぇ。バランス派なんだよ。てめーこそいっつもベビーマリオじゃん」
全能神「うっとーしーのー。ワシはスピード派やねん。追い抜くねん」
魔神「はい残念でしたー。羽コウラ」
全能神「あー!やめろやー!」
男「誰だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
男「………はぁ、この人が千円で偉そうにしてた……」
全能神「おうおう、なんやねん。小僧ほどの人間なんてワニの胃袋に飛ばすことだってできんねんで?」
男「こ、怖いこの人……」
全能神「神やぁ言うとるやろ」
魔神「そういうわけなんだよ。こいつがハゲだ」
全能神「ハゲてへんっちゅうねん!アホか!」
魔神「うっせーんだよ!サクセスしてるくせに頭皮が全然育ってねぇじゃねぇか!」
全能神「これから育つねん。まだまだ和解ねやワシは!」
魔神「バーカてめー今年で何歳だボケナス」
全能神「えーとちょお待てや。今21世紀やから……」
男「いや今計算するんですか!ていうか計算必要なの!?」
全能神「小僧、中々ええツッコミしよるな。若々しいわ」
魔神「今お前自分で若いって言ってただろ」
全能神「……あ、そうやった」
男「なんかここ来てからボケまくりですね…」
全能神「お、クールツッコミもバッチリやん。ええで兄ちゃん」
男「どこで褒められてるんですか。神が褒めるようなところじゃないと思うんですけど」
全能神「あはははは!兄ちゃん、ホンマええ感性しよるな。一緒に連れ帰りたいぐらいやで」
男「だから………え?連れ帰る?」
全能神「ん?せやで。今から帰るとこや。」
魔神「………」
男「え……いや、え?」
男「ど、どういうことですか?」
全能神「ほら、元々の目的は知っとるやろ?補習や」
男「え、ええ……」
全能神「それがな、すまんけど強制終了や。大人の判断っちゅうやつや」
男「で、でも……」
全能神「ええやろ兄ちゃん。願い叶えてもろたんやろ?幸せか今?」
男「え、ええ。幸せ、ですけど……」
全能神「……なら、ええな?」
ハ゜ァァァァァァァァァァ
男「うおっ!?」
全能神「良かったやん。君のミッションコンプリートやで」
男「……あ……」
全能神「願い叶えて、幸せやー言うてもらう。ええやんこれで」
魔神「う……」
全能神「ほなな、兄ちゃん」
男「っ、ま、待ってくださいっ!」
全能神「ん?なんや」
男「そ、その人は……その神は!俺の!彼女です!」
魔神「!?」
全能神「………はぁ?何を言うとんの」
男「え、えと、そ、そうだ!願い決めました!三つ目!叶えてくれますよね!」
全能神「……おお。ええやん。これで完遂ってもんやで」
魔神「……なんだ。言ってみろ」
男「お、俺と……俺と!ずっと一緒にいてください!」
全能神「………………………はぁ?」
男「だから1これが俺の願いです!一緒にいたいんですよ!」
魔神「お、お前、何言ってんだ……そんなの……」
全能神「……はぁ。あんなぁ兄ちゃん。一応こいつも神なんやし、仕事があるんやで?
兄ちゃんの仕事とは比べもんにならんぐらい超ハードや」
男「………」
全能神「それに、ここまで長く天界から離れて下界で暮らす例も無いねん。
はっきり言って、前代未聞なんやで?」
男「で、でも……」
全能神「それにな、この願いは兄ちゃんだけじゃなくて色んな人に許可とらなアカンねん。大変やでぇ?
それでも、ええんか」
男「……はい!死んでからいくらでも罪は償います!だから……」
全能神「………はぁ」
全能神「……って言うてるけど、どうする?ん?」
魔神「え?」
全能神「兄ちゃんは、お前と一緒に居たい言うとんねん。お前にも選択権はあるで」
魔神「あたしは……あたしも………一緒に、居たいよ……」
全能神「……はぁ、全く、ガッカリやで……お前それでも神か」
魔神「……」
全能神「あーあー。もうええ。もうええわ。お前みたいな核弾頭ずっと抱えてんのも疲れててん。
ここらで降りてもらうことにするわ。」
魔神「……は?」
全能神「……あーあー不本意やなぁ……兄ちゃんの願い、お前の代わりに叶えたるわ」
ハ゜ァァァァァァ
男「……そ、それって」
魔神「ハゲ、お前……」
全能神「……この補習、無駄やなかったみたいやしな。兄ちゃんの勝ちや。おい、魔神」
魔神「な、なんだよ」
全能神「……まぁ、なんや。幸せにやれや」
全能神「魔神、お前今日から人間や。パワーも貰うで」シュゥゥゥ
魔神「あ…?…う……」スゥゥゥゥ
全能神「言うとっけど、これも補習や。戻りたくなったら徳積んで天使から出直すことやな」
男「か、神様……」
全能神「なんや兄ちゃん」
男「あ、ありがとうございます!」
全能神「まぁまぁ、こんなじゃじゃ馬乗りこなせるなんて、大したもんやで。褒めたるわ」
全能神「こいつの昔のあだ名知っとる?『ジャックまさかり』やで」
男「だからそれナイフでいいだろうが!」
全能神「あっはっはっは!あー大笑いや。………まぁ、上から見守ってるで。幸せにやれや?」
魔神「てめーも頭皮治しとけよ」
全能神「だからこれまだ育つ言うとるやろうがぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
スゥゥゥゥゥゥゥ
男「……行っちゃった」
魔神「……ああ、感謝しないとな、あのハゲに」
男「ははっ、そうですね」
魔神「……ありがとうな。」
男「俺は本心を言ったまでですよ。一緒にいたいのは本当ですから」
魔神「ば、バカかお前は……全く……」
男「……なんだか恥ずかしいですね。あ、ケーキ買ってきたんですよ。食べましょう!」
魔神「ケーキってあの、甘いやつか?大好きなんだよ!」
男「あはは、やっぱり。そうじゃないかと思ってたんですよ」
魔神「ふん、お前にもあたしの好みがわかってきたか。人間風情が」
男「魔神さんも人間ですけどね」
魔神「……そうだったな」
男「……あ、真ん中から分けるって言ってたな」
サクッ
魔神「………お前これ」
男「ハ、ハートマーク……店員さんめ……」
魔神「……なぁ、あれも、本音か?」
男「え?」
魔神「あ、あたしが……彼女だって……す、好きっていうことか……?」
男「………ええ。そうなりますね。本音です。」
魔神「……そうか。あたしも本音吐きたくなったところだ」
男「何ですか?」
魔神「……男、大好きだぞ」
男「……うふふ、そうですか」
魔神「……ふはは」
魔神「さーて、一緒に食べるかこのケーキ」
男「あはは、まるでバカップルですね」
魔神「カップルっていうのはみんなバカップルさ」
男「そういう見方もできますね」
魔神「……あたしも、ずっと一緒にいたいからな。ずっとだぞ」
男「………うふふ。そうですね。魔神さんみたいな人には、一生かけても会えませんよ」
魔神「そりゃそうだ。“元神”なんているわけないからな」
男「なんて会話してるカップルいますでしょうか」
魔神「いねぇに決まってる」
男「ふふ、ですよね」
魔神「あー食べた食べた……お腹いっぱいだ」
男「そうだ、じゃーん!見てくださいこれ!」
魔神「ん?」
男「長くバイトやってるんで店長が正社員に誘ってくれたんです!」
魔神「そりゃ良かったなぁ!家庭が安泰だ!あははは!」
男「……いつか、俺らで家庭作ります?」
魔神「……ああ、そうだな!みんなでずっと一緒の、あったかい家庭!」
男「約束ですよ」
魔神「ああ。もちろんだ」
男「……うふふ」
魔神「……ははは!」
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子供「うわーん!おかーさーん!」
母「どうしたんだオイ」
子供「あ、あのいじめっこに殴られたぁ~!うわーん!」
母「よーし、やり返してこい!」
子供「でも僕、弱いし……」
母「大丈夫だ!あたしの技を教われば強くなれるぞ!」
子供「ほんと?」
父「ああ!本当だぞ!お母さんは昔は暴れん坊だったからな!」
母「はいはい、うるせーぞ。」
父「ちゃんと教われば強くなれるんだぞー?」
子供「わかった!ちゃんと教えてよね!」
母「もちろんだぜ!なんてったって、あたしは神だったんだからな!」
完
乙
くぅ~wwww……はぁ……疲れた……
最後まで読んでくれた方に、是非時間を返したいです。レスくれた人に、キーボード打つ労力を返したいです。
本当に、ありがとうございました。
乙
よかったで
乙
面白かった
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