咲子「言えない気持ちを卵とじ」 (26)

◆ひなビタ♪SSです
◆相変わらず夏休み前の話ですがゆるして

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カパッ
カシャカシャカシャ

咲子「ふんふふんふふーん♪」

咲子「これをフライパンに……」

ジュー

咲子「よっ、と」

咲子「それで形を整えて……」

咲子「うん、今日もとってもとっても上手く焼けました!」

咲子「これをお弁当に詰めてっと…」

咲子「えへへへ、イブちゃん、私の気持ちが詰まった卵とじ、喜んでくれるかな?」

……

一舞「おはよーさきこっ!」

咲子「おはようございます、イブちゃんっ!」

一舞「あー、今日はいい天気だしっ!」

咲子「そうですね、昨日は悪天候でしたから余計に……」

一舞「なんか気分も晴れやかになるよね、さきこっ!」

咲子「は、はいっ!」

咲子(私は、イブちゃんを眺められればそれでいいんだけど……)

一舞「ふふふー、ふふふー、ふんふふふーん♪」

咲子(あらら、鼻歌まで歌っちゃって……綺麗な声…)

咲子(はぁ、私に、イブちゃんの声が、イブちゃんの全てが好きだって言える勇気があれば……)

咲子(…………)

一舞「…んー?どうしたのささきこ」

咲子「えっ!?な、なんでもありませんよっ?それよりまりかちゃんは?」

一舞「そう?ならいいけど…まりかはもうすぐ来ると思うけど…ほら来た」

まり花「イブ!さきちゃん!おはよっ!」

咲子「あ、おはようございます、まりかちゃん」

一舞「おはようだしっ」

まり花「ねえイブ~さっき鼻歌歌ってたよねっ!また歌ってよっ!」

一舞「えっ!?そ、そう言われるとなんというかしにくいし……」

まり花「えーわたし、イブの歌声大好きだよー?」

一舞「そ、そう?しょ、しょうがないな…あー…ごほん」

まり花「わぁっ♪」

咲子「…………」

咲子(……私、少し嫌な気持ちになっちゃった、まりかちゃんが来て……)

咲子(何考えてるんだろう私、まりかちゃんは大事な友達なのに)

咲子(でも、まりかちゃんがイブちゃんに言った大好きって言葉、すっごく……)

咲子(私、とってもとっても悪い子だな……)

咲子「……」

さきこのマシュマロボディぬくぬくだし…

~お昼~

咲子「イブちゃん、あの、お弁当持ってますか?」

一舞「えっ?今日もないよ、普段はメロンパン食べてるから」

咲子「な、なら、今日も作って来過ぎちゃったので、イブちゃん食べませんか?」

一舞「え、いいの?でもこの前も……」

咲子「いいんですっ!それとも、嫌とか……」

一舞「そんな訳ないしっ!じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて……」カパッ

咲子「ふふふ」

一舞「あ、卵とじ今日もあるじゃん、あーん、もぐもぐ……」

咲子「ど、どうですか……?」

一舞「どうって…ちょー美味しいよ!」ニコッ

咲子「あ……ありがとうございますっ!」

一舞「そ、そんなに大きな声で言わなくても……」

さきこのマシュマロボディぬくぬくだし……

ヨエコスキーなので期待

咲子(はあ、イブちゃんに美味しいって言われちゃった……♪)

咲子(それだけなのに、なんかとってもとっても幸せで……)

咲子(…………でも)

咲子(最初からイブちゃんのために作ってきたって言えば……)

咲子(こんなの、周りくどいよね……)

咲子「はぁ……」

一舞「んー?また溜息吐いてる…どうしたの、さきこ」

咲子「な、なんでもありません!」

一舞「それならいいけど……もぐもぐ」

まり花「あーっ!またイブだけさきちゃんの卵とじ食べてるっ!」

一舞「い、いいじゃん……」

~翌朝~

ジュー

咲子「…………」

咲子「……はぁ」

咲子(またこうやって卵とじを作って…いい加減イブちゃんもおかしいって思っちゃうよ…)

咲子(卵とじに気持ちを込めても、それにイブちゃんが気付くことはないし…)

咲子(結局、独り善がりなんだよね……)

ジュー

咲子「はぁ……あっ」

咲子「わーっ!焦げちゃいましたっ!わーっ!わーっ!」バタバタ

……

一舞「んー、さきこが遅いなんて、珍しいし」

まり花「そうだねー」

一舞「寝坊でもしたのかな……?」

まり花「そうじゃないと思うよっ?」

一舞「えっ」

まり花「今日の卵とじさんは、焦げてそうだねっ」

一舞「えっ?なんで卵とじ?」

まり花「あれ、もしかしてイブ、気付いてなかったの?」

一舞「え、何が?」

まり花「あー、イブって意外とそうなんだ」

一舞「???」

咲子「お、遅くなってごめんなさい……」ハァハァ

まり花「大丈夫だよっ!まだまだ時間あるもんねっ!」

一舞「まぁそうだけど」

咲子「じゃ、じゃあ早速行きましょう!遅れちゃいますよっ!」

まり花「あ、さきちゃんっ!走らなくても大丈夫、絶対大丈夫だよっ!」

一舞「……」

一舞(なんでまりかは今日のさきこのお弁当がわかってるんだろ?)

一舞(それで気付いてないって……?)

一舞(…………もしかしてさきこはあたしのために…?)

一舞(…あとでまりかに聞こうっと)

……

まり花「あっお昼休みだよっ!イブ、わたし、メロンパンのために走ってくるよっ!」

一舞「それもいいけど、ねぇまりか、朝の話なんだけど……」

まり花「朝?なに?手短にお願いねっ!」

一舞「さきこの卵とじって…あたしのために作ってくれてるの?」

まり花「そうだよっ?だってさきちゃんはイブのこと、大好きだもんっ!」

一舞「え」

まり花「じゃあ私はメロンパンのために走るねっ!はしれー!はしれー!階段をー……」ダダダダ

一舞「え……」

一舞(だ、大好きって……それって……どういう意味で…?)

一舞(お友達として……かな?いやいや、ただのお友達に卵とじ作ってきたりしないよねえ……)

一舞(じゃ、じゃありんがまりかに抱いてるような……)

一舞(…………)

咲子「あの、イブちゃん」

一舞「わっ!?さ、さきこ?い、いつの間に……」

咲子「何言ってるんですか、さっきから呼んでるのに……」

一舞「え、そうなの?で、な、何のよう?」

咲子「あの、今日もお弁当が……」

一舞(さ、さきこがあたしのために作ってくれた卵とじ……)

一舞「あー、ありがとね!食べるよ!うん」カパッ

咲子「あ、あの、今日は焦げちゃったので……自信ないんですけど……」

一舞(ほ、ほんとだ、焦げてる……)

一舞(でっ、でも…………)モグッ

咲子「ど、どうですか?」

一舞「…………」モシャモシャ

一舞「うん……ちょっと焦げてるけど、今日のも、おいしいよ、さきこ」

咲子「そ、そうなんですか?お世辞じゃ……」

一舞「お世辞なんかじゃないよ、さきこ」ギュッ

咲子「あっ……!?」

咲子(い、イブちゃんに抱き締められちゃった……な、なんで?)

咲子「あ、あの、イブちゃ……」

一舞「ごめんねさきこ、もっと早く気付いてあげらればよかったのに」

咲子「え」

一舞「この卵とじ、さきこの気持ちがいっぱい詰まってたんだね」

咲子「ええっ」

一舞「だからさ、さきこ、その……えっと、なんていうか……」

咲子「い、イブちゃんっ……」

一舞「あのね……じ、実は、あたしもね、さきこのこと……」

まり花「イっ、ブ――――――――――っ!」

一舞「っ!?」ビクッ

咲子「!?」ビクッ

まり花「イブっ!もうメロンパン無かったよ!売り切れてたよっ!これもイブのせいだよっ!」

一舞「ちょ、まりか、今は……」

まり花「だからずっと我慢してたそのとっても甘そうな卵とじさん貰うねっ!もぐもぐ」ヒョイッ

咲子「あ、まりかちゃん、そんなに急いで食べたら……」

まり花「う、ぐぐううっ!の、喉に……」ジダンダ

咲子「ま、まりかちゃん、お茶ありますから、落ち着いて……」

まり花「ううう……ありがとさきちゃん……」

一舞「………」

一舞「……さきこ」

咲子「はい?」

一舞「この話の続きは……あたしの部屋でしよ?」

咲子「え……」

一舞「だめ?」

咲子「だ、だめじゃないです…!」

一舞「そっか、よかった」

咲子(こ、この流れって……もしかして……)

咲子「え、えへへへへ」

一舞「ふふふ」

まり花「………ふぅ、お茶おいしいよぅ……」プハー☆

~後日~

凛「あら、喫茶店と洋服屋は……?」

まり花「今日は二人でピクニックに行くって言ってたよっ!」

めう「モロデートめう」

凛「あの二人……急に仲良くなったみたいだけど……」

まり花「前から仲良かったよっ?でも、それがちょっと進んじゃったみたいだねっ」

凛「す、進んだって……」

めう「めうう…まりりがなんだかまりりらしくないめう……」

まり花「えーっ?めうめうーわたしは意外と勘がいい女の子なんだよっ!ふんすっ!」

めう「うぇー、本当めう?」

まり花「ほんとだよっ!わたしの勘の良さは宝くじさんで100円が当たるくらいいいよっ!」

めう「びっみょーめう……」

凛(なら私の気持ちにも気付いて欲しいわ、レコード屋……)

……

一舞「さきこ、今日のお弁当はなあに?」

咲子「えっとですねー、唐翌揚げにちくわきゅうり、あとプチトマトとサラダにサンドイッチ…」

一舞「卵とじは?」

咲子「勿論ありますよっ!はいっ!」

一舞「それにさきこの気持ちがいっぱいとじてあるの?」

咲子「もう、イブちゃんったら……もうそんなことする必要無いじゃないですか」

一舞「ふふふ、それもそっか」

咲子「はい、イブちゃん、あーん♪」

一舞「あーん……」モグモグ

咲子「どうですか?」

一舞「うん、やっぱりさきこの卵とじは、ちょーおいしいしっ!」

おわり

乙めう

お疲れ様でした
タイトルの元ネタは指摘された通り倉橋ヨエコさんの「卵とじ」という曲です
あんまり参考にはなってないような気がしますが、機会があったら聞いてみて下さい

乙めう
めうも卵とじが食べたくなっためう

最初からくっついてない世界線はいつぶりだし?
乙めう

とってもとっても乙です。
いつもの半角ガヤの中にしれっと混ざるBEMANIネタが好きなんですが、今回は無いんですね…。

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