穂乃果「親孝行!」 (18)
ちょっと寄り道
ラブライブSS
もうじき高校生が二人になるのか
「そうね」
時間がたつのが早く感じるな
「そう?少しにまだ2時か……とかぼやいてたけど?」
そういうこっちゃない
「はいはい、わかってますって」
子供か……男は一人欲しかったな
「あら、じゃあ今からでも頑張る?」
いい、子供二人も生んでくれたし、それで十分さ
「本当に?未練ないの?」
本当ならあるさ、趣味とか、将来とか男同士でいろいろ語り合ってみたかったもんだ
だがそれはそれ、これはこれ
今は居間で満足してる
「ちぇ、せっかく久しぶりにあなたの本気が見れると思ったのにな」
まるで俺がいつもけだるく生きてるみたいじゃないか
「そうよねー、あなた出会った時から和菓子にぞっこんだったもの、そんなあなたを振り向かせるのにどれだけ苦労したか……」
気がなかったわけじゃない、ただ将来を考える大事な時期で余裕なんてなかったし、それにあの時は女とあまり話したことがなかったからで……
「はいはいわかってますよ、うふふ」
一家の大黒柱をからかいおって……
「あなたをからかえるのは世界で私だけですからねー♪」
……そうだな
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ところで、あの二人に親孝行されたことってあるか?
「そりゃー、いっぱい。母の日とか、誕生日とか!」
そうか、俺はあまり覚えてないな……
「物覚えが悪いんですよ、いろいろされてますよー?」
……例えば?
「ふーむ、肩たたきとかされてるのは見たかな」
あぁ、幼稚園の。
「そうそう、でもあなた『もっと力入れろ!』とか無茶な注文して、穂乃果と雪穂泣かせてたんだから」
えっ、そんなことしたのか?
「あとで二人に聞いてみましょうか」
……遠慮しておく
「あら、そう。あとはそうね……あぁ、父の日!」
……あぁ、覚えてるぞ
二人で初めてうちの和菓子を俺に出してくれたんだっけか
「そうそう、なんだ覚えてるじゃない、で、お味はどうだったの?」
形はひどかったな
「穂乃果たちだって真剣に作ったんだから、そういうこと言うもんじゃありません」
あぁ、とっても美味しかった、娘の手からあんなにおいしいものが作ってもらえると嬉しくなる
「あら?妻の私が作っているものは美味しくないと、そういうこと?」
本当にからかうのが好きだな、お前
「からかい甲斐のある性格してるのが悪いんですー♪」
悪かったな、不器用なんだよ
「あとそうだ、よく二人に連れられて遊んでましたね」
んー、鬼ごっことか、かくれんぼとかな
「ことごとく鬼にされては捕まえるのが早くて文句言われっぱなしでしたね」
大人の余裕ってやつを見せつけたほうがよかったのか?
「あなたやると決めたことはすーぐ終わらせちゃうから、そこが悪い」
……むっ……
「でも、そういう姿勢は穂乃果には見習ってほしかったな、雪穂はちゃんとできるけど、あの子は宿題とか平気で最終日まで残すし」
それで俺たちに聞いてきたことあったな、全部お前に丸投げしたけど
「大変だったんですからねー?覚えてることのほうが少なくって」
成績優秀だった元生徒会長様も寄る年波には勝てませんな?
「……うっさい、和菓子バカ」
はっはっは、これでお相子だ
「まだ私がリードしてるから」
お前が嫁になってよかったよ
「いーっだ」
また数年したら、今度は大学生と高校生、そして社会人になっていくんだな
「そうね、寂しくなっちゃうわ、看板娘がいなくなるんですもの」
あの二人はどんな道に進むだろうな
「まぁ、悪いようには起きないでしょうて」
……そうだな
というわけで雪穂、親孝行をしたい!
「……いきなり何?」
親孝行だよ、親孝行!
「はぁ……」
私たち、お母さんにはいろいろしてきたけど、お父さんになんかしたことある
「……覚えてない」
というわけで!お父さんとお母さんまとめて親孝行をしよう作戦を提案します!
「めんどくさい、一人でやってよ……」
えー!やろうよ!楽しそうじゃん!
「あいにく私は受験生で忙しいの、やるなら一人でやってくんない?」
むー、雪穂のケチ!
いいもん!一人でやる!
……ところで、親孝行ってどうやるんだろ?
親孝行、親孝行……
考えても浮かばないから海未ちゃんたちに聞こうっと
いったんじゃあの
おつ
パパママが会話するSSなんて貴重や
親孝行か……
そういえばしばらくやってないなあ
最後にしたのいつだっけ?
あれ?母の日にやってるのが親孝行なら毎年やってるし……
お父さんに最後にやったのいつだっけ?
んー、思い出せない
仕方ない、お姉ちゃんのために一肌脱いであげようかな
おかあさーん
「なーに―雪穂ー?」
お姉ちゃんがね、お母さんたちに親孝行したいんだって
「ん?うんうんそれで?」
おねえちゃん、どうせろくなことしないだろうけど、乗ってあげてくれない?
「ふーん……いいわよ、雪穂に頼まれたんじゃ仕方ないし」
ありがと
「ところで雪穂はしてくれないの?」
……今は受験に合格することがい版の親孝行だって思ってるから
「そう、ありがと。勉強頑張んなさい」
うん
頑張ってね、お姉ちゃん
海未ちゃん、ことりちゃん、親孝行って何すればいいのかな?
『うーん、そういわれると何すればいいのかわかんないね』
『普通に話をするとかでいいのではないでしょうか?』
だってさ、会話なんて夕飯の時にやってるし
『なるほど、では肩をもむとかはどうでしょう?』
おぉ、確かに!
『それに肩をもんでいるときにいろいろ話をすれば、親孝行っていえるんじゃないかな?』
そっかそっか!ありがとう、海未ちゃん、ことりちゃん!
『いえ、私もしばらくしていませんし、やってみようと思います』
『ことりも、ちょっとやってみたくなったかも!』
じゃあ、3人一緒に頑張ろうね!終わったら、どういうことしたか言い合おうよ!
『いいですね、では明日、それぞれ報告しましょうか』
『うん!』
オッケー!じゃあまた明日!
よーし燃えてきた!
早速今晩決行だー!
「おとーさん!」
「どうした?穂乃果」
「肩、揉ませて!」
あらあら、もうやるつもりなんだ、親孝行
「どういう風の吹き回しだ?」
「別になんだっていいじゃーん、いいでしょ?」
「そこまで言うなら……、ほれ、やってくれ」
「はーい、失礼しまーす」
「お、そうそう力つよくなったなー」
「お店の手伝いとかダンスとかで体使ってるからねー」
「……時間が流れるのって本当に早いんだな」
「え?」
「将来和菓子屋の職人になるって決めて、それからいろんな勉強して、お母さんとであって、お前と雪穂が生まれて……」
「で、今こうして肩をもんでもらってる」
ふふふ、なーに感傷に浸ってるんだか
「年って取りたくねぇなぁ、こんなこと考えちまう」
「お父さん、そういえばお父さんとお母さんってどうやって知り合ったの?」
ん?
「あぁお母さんとはな、ちょっとした……」
ストップ、それは私が穂乃果とするから
「いいだろ、別に」
あなたの口から話すとあることないこと全部話すでしょ?私にやらせて
「お母さん、なんか気が立ってない?」
そんなことないわよ、気のせい
「恥ずかしいだけだから気にしなくていいぞ」
うっさい
「さっきのお返しだ」
あとで覚えてなさい
「おーこわ」
いい雰囲気、期待
「さてと、明日の仕込みをして寝るかね」
「えー、行っちゃうの?」
「お、肩軽くなった、ありがとな」
「むぅ、もうちょっと話とかしたかったんだけどな……」
「じゃあ、気が向いたらまた頼むかね」
「ほんと?いつでもいいよ!」
「おう」
……行ったわね
「ねえお母さん、どうしてお父さんって基本あんなぶっきらぼうなの?」
ん?口下手で不器用で、言いたいことだけはしっかり言っちゃうからかしらね
「……なんでお父さんと結婚したの?」
そういうところが素敵だったから……かしら、ふふ
「んー、よくわかんない」
恋したらわかるわよ、きっと
「そう?まだそういう人と会ったことないからわかんないや」
あなた、将来どうするとか決めてるの?
「ぜんぜん。まだ時間もあるし、けどちゃんと決めたいからまだふらついてる」
そう、うちを継ぐとかは?
「考えてはいるよ?けど女一人でできるような仕事じゃないってのはお父さんたち見てればわかるし」
まぁ焦らずゆっくり考えなさい、それでちゃんと結論つければお母さんたち何も言わないから
「…うん!」
どう?親孝行したって気分になった?
「え?どうして知ってるの?」
雪穂が言ってたからね
「……そっか、後で雪穂にもお礼言わなきゃ」
「とにかく、今日はありがと!久しぶりにお父さんとお母さんでゆっくりお話しできた気がする!」
そう、じゃあ今度は雪穂も入れてゆっくり家族団欒したいわね
「うん!」
-おしまい-
ちょっとだけ告知なんじゃ
前作: 穂乃果「君のメロディー」
穂乃果「君のメロディー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399371024/)
真姫「私で遊ぶのはいいけど」
真姫「私で遊ぶのはいいけど」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404326379/)
じゃあの
おつ
君のメロディーの人だったのか
おつ
乙
あなただったのね
乙
いい雰囲気だった
乙
このSSまとめへのコメント
親父ェ...ホント良い家族だな(涙)
羨ましいぜw