女武道家「遂に魔界に辿り着いた!」戦士「いくぞおらァ!」 勇者「待って」 (11)

戦士「どうしちまったんだ勇者ァ! ここは雄叫び上げて魔王城に突っ込む所だろうが!!」

女武道家「そうよ! 私なんてブブゼラ用意してたんだよ!?」

女武道家「それを何さ、『待って』だってえ!?」

勇者「……ごめん聞いてくれ」


勇者「トイレがしたい」

戦士「……」

女武道家「……勝手にすれば」

勇者「近くに川が見えたからそこでしてきます」スタスタ

戦士「……女武道家、それまでに突入時の掛け声を」ヒソヒソ

女武道家「わかった」ヒソヒソ

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*川*

チョロチョロ…


勇者「ここでいいか」ボロン

勇者「……ふぅ」シャー

勇者「……透明な川にこうして色をつけていく」

勇者「背徳的で、なかなか素晴らしいなあ」シャー

魔王「そうですなあ」シャー

勇者「……?」クルッ

魔王「……?」ジーッ


勇者「だ、誰!?」

魔王「そっちこそ、な、何者じゃあッ!?」

勇者「な、何者とは何だ! 僕はせいれいに名指しで指名されたゆうしゃだぞ。

勇者「な、何者とは何だ! 僕は精霊に名指しで指名された勇者だぞ!!」

魔王「わしだって13代魔王なんじゃからなァ!!」

勇者「……えっ魔王?」

魔王「そうじゃが……えっ勇者?」


勇者「……」フルチン

魔王「……ごほっ」フルチン


勇者 (魔王との対面が尿臭い川────ッ!?)

魔王 (宿敵にわしのフニャチン見られた、だと!?)

勇者 (これならば素直に魔王城突入しときゃあよかった!)

魔王 (川じゃなくて城の備え付けですれば良かった!)

勇者 (さ、さてどうするか。このまま、お互いの勇者と魔王を晒したまま闘うか)

魔王 (モチベ上がらんな)

勇者「……えーと魔王さん」

魔王「何だ」

勇者「一度ここで別れませんか」

魔王「何……?」

勇者「ほら、このまま戦ってどっちかが倒れても……」

魔王「締まりがない、と」

魔王「確かにその通りだが……」

勇者「じゃあ、いっせーのせで転移魔法を」

魔王「うむ」

勇者「いっせーの……それっ」バビューン

魔王「……」


魔王「……とっとと、わしはまだ残尿感があるからな、ちゃんと出してから帰ることにしよう」

*魔王城前*


勇者「よいしょっと」ストン

女武道家「あ、やっと来たね勇者っ!」

戦士「待ってたぜっ」

女武道家「……こほん、じゃあさっそく」

勇者「え?」


女武道家「み、見えたわッ! あれが魔王城……!」

戦士「おおっ、なんと禍々しいことかッ!」

女武道家「その圧倒的邪悪に押されそう……でもッ! 私達!!」

戦士「ここまで築いた絆があるッ! だから大丈夫だ、行くぞオラァ!!」

勇者「……ま、魔王のもとへ!」

女武道家・戦士「オーーーーッ!!」

ブブゼラ <ブブーッ ブブーッ


女武道家「よし、満足した。さっそく乗り込もう」スッキリ

戦士「そうだな!」

勇者 (魔王と会って話もしちゃったから、イマイチ……なあ)

*魔王城内部*


獣将軍「俺こそが魔王様第一の刺客────ッ 女武道家「────ウラッ! せいけん突き!!」バキッ

獣将軍「馬鹿なッ!? ……ぐふっ!」


淫魔将軍「四天王の紅一点がお相手────ッ 戦士「────喰らえッ! 斬鉄剣!!」スパッ

淫魔将軍「め、メイクもしたのに一瞬ッ!? ……ぐふっ!」


鳥将軍「くるっぽー! わしは────ッ 女武道家「────せいやっさァッ! 筋肉バスター!!」

鳥将軍「ぬわーーーーッ!」


龍将軍「よもや三人が殺られるとは……最後はこの俺、第四の────ッ 戦士「────どっせいッ! エンドオブハート!!」スパッ

龍将軍「ウボァーーーーッ!」



女武道家「ふう。やっと魔王の間ね」

戦士「苦戦したぜ」

勇者 (嘘こけや、口上の途中で皆一太刀じゃあないかッ!)

女武道家「……さあ、扉を開けてよ、勇者」

勇者「ああ……」ギイ

勇者 (何故だろう、奮い起たない)

────ギィ


魔王「────わっはっは、ようこそ愚かな人間代表ゥ……!」


勇者 (あ、魔王だ……っていう感想しか出ねえコナクソッ!)

女武道家「いよいよ、ね……! 皆……!」

戦士「ああっ……! 行くぜッ!」

勇者「お、おう」


魔王「愚の骨頂とはこの事よッ! 我に刃向かうなど、言語道断……生物の頂点には敵わぬということを教えてやろうッ!!」


女武道家「勇者!」

勇者「何だい」

女武道家「最初の一太刀は任せたよッ! 景気付けに一発行ってッ!」

戦士「自慢の雷を纏った剣……見せろよ!」

勇者「……ああ」


魔王「……」


勇者 (といっても一度会った知り合いだから斬り辛ェーーーーッ!)

勇者「……どうしよう」


女武道家「何やってんの……勇者!」

戦士「糞ッ!怖じけたなか、しょうがねえ……!」


魔王「こ、来ないのか……? ならば我が自ら────ッ 女武道家「────させるかッ!! ボディプレス!!」

魔王「何ィ!?」

魔王「い、いきなし攻撃など────ッ戦士「────卑怯じゃないぜッ!! 凶斬り!!」


魔王「────ぬわああああッ! ……ぐっ !」

魔王 (強い、えっ? 普通に強いんだが!!)


女武道家「さあ勇者、奴は虫の息だ! 今度こそ!!」

戦士「最後の一発頼むぜオラァ!!」

勇者「……うん」


魔王「ゼェ……ハァ…ハァ……!」


勇者 (あ、今凄く可哀想だって思っちゃったよ……やばいやばい)

もうお前らだけでいいだろ!

勇者「……ええと、ぎ、ギガスラ────ッ 魔王「遅いわッ!!」


魔王「我の手で殺すぞ勇者────ッ女武道家「────させるかッ!! 四の字固め!!」ギューッ

魔王「グハッ!! ぎ、ギィーーーーブッ!」

戦士「追い討ちでそりゃっ!!」スパッ

魔王「────ッ! ……ぐふっ」

魔王「」


勇者 (結局一回も攻撃出来なかったね……魔王)


女武道家「……ふぅ」

戦士「倒したか」

勇者「あ、み、皆!」

勇者「おつかれ────ッ


バキッ!


勇者「……え?」

勇者 (誰に殴られた……誰!?)

女武道家「……」シラー

勇者 (女武道家ッ!?)

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