理科室
女「やだなぁーっ、先生ったら冷たいんだからー」
教師「……はぁ」
女「あっ!!また昼御飯食べないつもりだったんでしょー!?」
教師「……」
女「そんな事だろうと思って作ってきたんだよ!先生の分のお弁当!」
教師「……」カチャカチャ
女「ほらほら~、実験の続きなんてしてないでー、お腹減ったでしょ?ね?」
教師「減ってないし、いらん」
女「女子中学生の折角の手作り弁当だよ~?ほれほれ~」
教師「興味ない」カチャカチャ
女「ありゃ?先生は女子高校生の方が良かったかね?」
教師「…そういう問題ではない」
女「でもねーっ先生!私のこの胸を見て下さい!最近急激に大きくなって来てねー!いやーっ、成長期だなぁ!」
教師「……」カチャカチャ
女「何カップあるか知りたいですか?」ニヤ
教師「…知りたくないから、帰れ」
教師「実験の邪魔だ」カチャカチャ
女「何と!私Cカップもあるんですよ!」ズイッ
教師「」ピクッ
女「凄くない!?Cカップだよ!Cカップ!」フニフニ
教師「…おい」
女「あっ!興味ある?やっぱり?」
教師「……お前は俺の邪魔をしに来たのか」ギロ
女「!」
女「ご、ごめんなさい」
教師「…弁当食べてやるから、教室に戻れ」
女「!!」パアァッ
女「はい!!」
女「先生!ピーマン残しちゃ駄目だよ!」
教師「…ああ」
女「じゃっ」ガラッ
ピシャン
教師「……はぁ」
教師「…あいつにも困ったものだな…」
………………
……
女「ふんふ~んふふ~んふんふん♪」
クラスメイトA「あら?随分とご機嫌じゃない、女ちゃん」
女「おっ!Aちゃん!」
クラスメイトA「ふふ、何か良い事でもあったの?」
女「えへへー、ちょっとねー」
クラスメイトA「気になるじゃないの」
クラスメイトA「あ、そうだ」
女「何々?どうしたの?」
クラスメイトA「明日、新人の先生と転校生が来るらしいわよ」ヒソヒソ
女「えっ!本当!?」
クラスメイトA「ええ。急な話よね」
女「へ~、楽しみだねー!」
クラスメイトA「そうね!」
放課後 理科室
女「たのもー!」ガラッ
教師「…静かに入れ」
女「はいよー!」ドスッ
教師「…静かに鞄を置け」
女「弁当どうだった!?」
教師「お前は静かに質問出来ないのか…」
女「だって先生が私の愛妻弁当を食べてくれたんだよ!?とにかく嬉しいの!」
教師「お前が妻になった覚えは無いが」
女「で、どうだった?」
教師「…どうって」
女「おいしかった?」
教師「…まぁ、普通だな」
女「そこは、美味しかったよマイハニーでしょーが!」
教師「お前はほんとに何から何までめんどくさいな…」
女「先生のために作ったのに…先生のためだけに」
女「先生が好きで、先生の事を想って」
教師「誰かに聞かれたら不味いから黙ってくれないか」カチャカチャ
女「そうやって都合が悪くなったら私をほって実験始めるんだからっ」ムスッ
女「そう言えば、先生」
教師「何だ」カチャカチャ
女「新しい先生が来るって聞いたんですけどほんとですか?」
教師「ああ、その話か」
女「聞いてたんだ」
教師「当たり前だ。俺だって教師だぞ」
女「忘れられて無かったんだね、良かった…」
教師「おい、どういう意味だ」
女「…どうしますか?」
教師「何が」
女「新人の先生がピチピチの若くて美人なナイスバディーなお姉さんだったら!!」バンッ
教師「…別にどうもしないが」
女「…先生って本当に男なの?」
教師「何が言いたいんだ」
女「Hな気持ちにならないのっ!?」
教師「」カチャカチャ
女「くそぉ……」
女「そろそろ帰るね、先生」
教師「…ああ」
女「明日もまたお弁当作って来るから待っててねーっ!じゃ!」
教師「……ああ」
ガラガラッ ピシャン
教師「………」
教師「………」
教師「………」
……………………
…………
……
次の日
新人「き、今日から、この学校の先生を勤める事になりましたっ…!し、新人ですっ、宜しくお願いします…!」
女「ちっ、ちょっと!滅茶苦茶可愛いねっ!あの先生!」ヒソヒソ
A「胸も大きいわね…男子も鼻の下伸ばしてるわよ…いやらしい…」ヒソヒソ
女「…!」ピクッ
女「…」キョロキョロ
女(あ、あれ…?先生、いない…?)
女「……」
A「?どうしたの?」
女「あっ、ううん!何でもないよ!」
A「ならいいけど…」
④
…………………
………
新人「……」スタスタ
新人「……」スタスタ
新人「……」ピタッ
新人「……」
新人「どうしましょう…」
新人「……」キョロキョロ
新人「早速迷ってしまいました……」
新人「教室、どこ…?」
新人(校内の地図とか貼ってないんでしょうか…)キョロキョロ
新人「……うぅ」ギュッ
新人(どうしたらいいのっ…!もうすぐ一限目が始まるのにっ…)ジワァ
新人「……」
新人(……教師になれば)
新人(…変われるんじゃないかって)
新人(信じてたけど…)
新人「……全然、駄目」
新人「ダメダメのまんまだ…私…」
新人「……っ」クルッ
教師「…どうかしましたか?」
新人「ひぃあっ!?」
教師「」ビクッ
新人「……ぁ、ぇと」カアァ
教師「…新人先生、ですよね?新しく勤める事になった」
新人「はっ、はい!そうです!」
教師「…迷いました?もしかして」
新人「…!」
新人「…」コクッ
新人「ぉ、お恥ずかしながら…」
教師「あー、やっぱり」
新人「!ごっ、ごめんなさい!方向音痴でごめんなさい!!」
新人「こうなるとは思って無くてっ…こ、今度から地図を持参します!ごめんなさい!」
新人「方向音痴で……ごめんな、さい…!」
教師「そんなに謝らないで下さい。顔上げて。迷うのは仕方無いんです」
新人「え?」バッ
教師「…この学校無駄に広いし、造りがややこしい事になってますから」
教師「俺も未だによく分かってない場所とかもありますしね。お互い様ですよ」
新人「そ、うだった…んですか…」
新人「……」
教師「…新人先生は確か、美術の担当でしたよね?」
新人「はっ、はい!」
教師「美術室なら、ここを真っ直ぐ行って右の所にありますよ。すぐ近くです」
新人「は、はい!ありがとうございます!」ペコッ
教師「いえいえ」
教師「…じゃ、俺はこれで」
新人「あっ、あの!」
教師「…?はい」クルッ
新人「教師の方ですよねっ…?」
教師「はい」
新人「職員の朝会の時、いらっしゃらなかったようなので……」
教師「あー……」
教師(…あれは、時間を忘れて実験に没頭しちゃってたんだよなぁ……失礼な事をやってしまった)
教師(お陰で生徒朝会まで行かなかったとは……教師としてどうなんだろうか、俺)
新人「だからっ、あのっ…!先生方の自己紹介の時にいらっしゃらなかったので…聞いてないのでっ、なっ、名前と…!あとっ…」
教師「教師です。担当教科は理科」
新人「!」
新人「あっ、ありがとうございます!教師先生!」
教師「いえ」
キーンコーンカーンコーン
新人「ああぁぁっ!!チャイムが鳴ってしまった!!」
新人「そっ、それじゃ!教師先生!また職員室で!」
教師「はい」
新人「間に合わなーい!!」タタタッ
新人「あっ」ガッ
教師「!」
新人「っ、とと…あ、危なかった…」
教師「…」ホッ
新人「」タタタッ
教師「……」
教師(大丈夫だろうか…)
担任「皆のお待ちかね、さくっと転校生を紹介すっぞー」
ザワザワ
女「転校生ってこのクラスだったの!?」ガタッ
担任「女、静かにな」
センセーオンナーオトコー?
担任「自分の目で確かめろ」
コノクソジジイッ
担任「クソジジィ言った奴、用があるから後でちょっと来い」
担任「おほんっ……じゃあ、入って来ていいぞー」
ガラッ
不良「……」
女「!」
シーン
担任「不良の席はそこだ、女の隣」
不良「……」スタスタ
不良「……」ドガッ
女(何と!不良少年!)
女(手振ってみよーっと)フリフリ
不良「……」ギロッ
女(わお)
………………………
……………
……
裏庭
不良「…」カチッカチッ
シュボッ
不良「…」スパー
不良「……ふぅ」
女「やっ!金髪少年!」ヒョコッ
不良「………あ?」
女「一限目からサボりかい?やるねー!ヒューヒュー!」
不良「………バカにしてんのか」
女「とんでもない!」
不良「…ちっ」スパー
女「中学生の内から吸ってると良くないよー!色々と!」
不良「…わりぃかよ」
女「いんや!全然!そんなの人の勝手だもんね!」
不良「……」
女「……」
不良「…てめぇも吸うか?」スッ
不良「…ま、どうせいらn」
女「じゃ、貰おうかね」ヒョイッ
不良「…!」
女「…」カチッカチッ
シュボッ
不良「意外だな…断ると思ってた」
女「…」スパー
女「……ふぅ」
不良「……」
女「ま、人間意外な一面の一つや二つあるもんだよね」
不良「…随分手慣れてるけどよ、普段吸ってんのか」
女「全然」スパー
不良「……」
女「当たり前だけど煙草なんて良いもんじゃないしね。寿命縮めるだけだし」ポイッスリスリ
女「何より……不味い!うぇっ」
不良「…」
女「煙草吸う女は嫌いかね」
不良「……巨乳ならありかもな」
女「そりゃ、どうも」
不良「…けっ」
男キャラがどっちも好きなれないなぁ
不良「………」スパー
女「……♪」
不良「…で」
不良「……授業はどうしたんだよ」
女「いやさぁ、保健室で休んでたら丁度窓から君の姿が見えたもんだから」
不良「……それで、わざわざこっちに来たって訳か」スパー
女「そうそう!」
不良「…」ポイッ
不良「…」スリスリ
不良「…じゃあな」
女「もう行くの?」
不良「……」
不良「……」スタスタ
女「ばいばーい!不良くーん!またねー!」
不良「……ち」スタスタ
…………………
…………
理科室
女「せんせーい!お昼ご飯の時間ですよーっと!」ガラッ
教師「黙って入れ、実験の邪魔だ」
女「だってやっと先生に会えたんだもん!はしゃいじゃうし、テンションも上がりますよ!」ギュッ
教師「…抱き付くな、暑苦しい」
女「あっ!今ドキってした?したでしょ?」ニヤ
教師「してない」
女「したくせにー」
教師「……このマセガキが」
女「先生の前だけだよーん!だから安心してっ」ニヤニヤ
教師「……」
女「それに胸は大人だしっ」ボイン
教師「……知らん」カチャカチャ
女「そう言えば、先生」
教師「……何だ」カチャカチャ
女「生徒朝会、どうして来なかったの?折角朝から先生の顔見れる機会だったのにさ!」
教師「あぁ……」
女「……」
教師「……」カチャカチャカチャカチャ
女「まさか…先生…」
教師「」カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
女「忘れてたの…?」
教師「……」
女「……」
教師「……」
女「そんなんだから校長に存在忘れ去られるんだよ!?」
教師「そ、そんな事はない!」
女「朝から私と会えるチャンスだったってのにそれを見事に見逃して……許せない!!」プンスカ
教師「…問題はそっちじゃないと思うが」
女「ただでさえ!私のクラスの教科担当でも無いのに!」
教師「…まぁ、それは仕方無いというか」
女「あーあ…理科の担当、先生が良かったな……」
教師「…1年生と2年生の時は、ずっと俺が持っていたのにな」
女「三年生になってから、急に別の先生に変わるなんて…」
女「ショック!!」
女「だから私と先生が会える時間は昼と放課後だけなんだよ!?分かってる!?」
教師「分かってる、分かってる」
女「絶対分かってない!」
教師「…そんなに会いたいなら朝ここに来ればいいだろう」
女「先生が学校に来る時間帯がいつもギリギリでそんな暇ないの!」
教師「……」
女「…先生が別にサボっても良いって言うなら朝、会いに行くけど?」
教師「それは駄目だ」
女「……」
教師「……分かった」
教師「…すまなかったな、女。朝、会ってやれなくて…」
女「…別に。もう過ぎた事だし」
女「…それにちゃんと謝ってくれたから、許してあげる」
教師「…そうか、ありがとう。今度から気を付ける事にする」
女「うん」
女「……」
女「何かこの喧嘩恋人同士みたい」ニヤッ
教師「」カチャカチャカチャカチャ
女「……はぁ」
女「…先生が私の担任だったらなぁ」
女「毎日会えたのに」
教師「…」カチャカチャ
女「先生ってクラス持ってなかったよね?」
教師「…ああ」
女「やっぱり、忘れ去られてるんじゃ…」ボソッ
教師「そんな事は無い、………多分」カチャカチャ
女「ねっ、先生!お弁当どう?」
教師「…うまいが」
女「先生大好き!」ギュッ
教師「誰かに見られたらどうするんだ、離れろ…」
女「いやーっ」ギュウ
教師「……」モグモグ
教師「…そろそろ授業が始まる、教室へ行け」
女「…はぁい」スッ
女「じゃね!先生!また放課後来るから!」
ガラッ ピシャン
教師「……」モグモグ
教師「……」モグモグ
もう来ないのか
放課後はよこーい
まだ放課中かな
まだー?
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