安価によってはバンバン死にます
多少グロもあるので抵抗あるひとは注意で
…………
シューーッ… シューー…
女「う……んっ、んう……え…?」
女「……ここ、どこだろ…」
女「甘ったるい臭い……」
木々の生い茂った深い森の中で、私は目を覚ました。
全周囲どこを見渡しても緑。ブナにシダ……温帯林で見られるような種類の樹木が群生している。
密林特有のつんと鼻の奥に抜ける青臭さはない。
周囲を満たすのは、頭がクラクラするような甘い刺激臭だ。
女「…立たなきゃ」ヨロ…
胸がむかつく。吐き気を催すほどの甘い臭い。
その異臭から逃れたくて、立ち上がった。
目がちかちかする。息が不規則に途切れる。酸欠のときみたいに視界がぐにゃぐにゃ曲がる。
体調は最悪。
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シューーッ… シューー…
女「さっきから……なんの音?」
頭がぼーっとしてまともに思考が働かない。
焦点の定まらない目が周りを見回す。
女「…赤い、霧?」
視界の悪さは、どうも体調のせいばかりじゃなかったようだ。
赤い霧。
女「霧が赤いのなんて初めて見た…」
物珍しさよりも、ぞっとするような光景。
生理的な忌避感。
樹林の先から流れ込んでくるあいだに薄らいだのか、先が見通せないというほどではない。
それでも足首までが薄い赤色の靄に覆われている。
女「足元見えないくらい濃い。こんな見ず知らずの森の中で、まずいかも」
女「とにかく状況を確認したいな。このままじゃ危な…」ズルッ
言ったそばから、ぬかるみに足を取られて態勢を崩した。
思ったより傾斜があったみたいだ。地面についた膝がそのまま傾斜を下って滑り落ちていく。
女「きゃああーっ!」
ガラガラガラ…
女「くっ……あ、危なかったぁ…」
咄嗟に木の根っこを掴んで落下は止められた。
荒い息のまま下を見る。
かなりの角度……どころか、断崖と言っていいくらいの垂直の崖。
こんな高さから落っこちたら怪我はさけられないだろう。
女「危うく死ぬとこだったよ」フゥー
いくら混乱してても周りが見えない状況で下手に動かないようにしなきゃ。
肝に銘じ、汗をぬぐってからもぞもぞと上に登る。
その途中で視界の隅にあるものが引っ掛かった。
女「あれって吊り橋…?」
遠目に崖の急斜面を避けて、対岸へ続く吊り橋があった。
女「あそこから渡れば下に降りられそうだけど…」
木の板と荒縄のような太いロープで吊るされた橋。
強風が吹きつけるとグラグラ揺れる。
女「……怖いな」タラリ
ひとまず吊り橋については保留にして、ずり落ちた斜面を登る。
?「誰だ! 誰かいるのか!」
ようやくよじ登れて深呼吸していたら、密林の向こうから大声が呼びかける。
女「…さっきの悲鳴を聴きつけて誰かきてくれたのかな?」
安価>>4
1 呼びかけに応える
2 黙ってやり過ごす
1
女「い、います! ここですっ!」
?「………」
ズザザッ ガサガサ…
奇妙な沈黙のあと、斜面を滑り下りてくる気配がする。
女(思わず返事しちゃったけど、変なひとじゃないよね?)
女(でも、救助とは限らない…)
ガサッ サクサクサク…
女(近づいてくる)
女「…ね、ねえっ!」
?「………」
女(なんで返事してくれないの…?)
女(どうしよう。ホントにこのままでいいのかな?)
安価>>6
1 やっぱり逃げる
2 逃げない
2
女(…どうせ、ここがどこかもわかんないんだから)
女(人がいるなら訊いたほうが早い)ヨシッ
女「………」
女(一応、怖いひとだったら逃げ出せるように身構えとこ)アセ
ガシッ
女「ッ!」ビクッ
ゆるふわ「よかったー。霧すごいからほとんど勘だったよ。ビンゴ~」
ゆるふわ「見つかってよかったよ。危なかったねえ」ニコ
女(わわ…すごく可愛いコ)
私の手を掴んだのはピンク色の髪をした少女。
背格好は同じくらい。歳も離れてなさそう。
自然にウェーブかかった髪は肩先にかかる程度。
白の肩だしニットとチェックのミニ。
なんだか目を引くっていうか、こう…色気のある女の子だ。
ゆるふわ「ほら、こっちきて。女ちゃん」
女「……私のこと、知ってるんですか?」
私には全然見覚えがないんだけど。
初対面……だと思う。
こんな可愛いコ、普通は忘れないだろうし。
ゆるふわ「あれ~? 女ちゃん、やけに落ち着いてる…」
ゆるふわ「…もしかして状況わかってない?」
ゆるふわ「ここは『魔の山』なんだよ?」
ゆるふわ「人間を食べちゃう、魔物だらけの」
女「魔物…?」
ゆるふわ「うん。女ちゃん、そんな危ないトコで遭難しちゃってるの」
ゆるふわ「覚えてない?」
女「……わかんない」フルフル
言われてみれば目覚める前の記憶が曖昧だ。
全然まったく記憶喪失じゃないけど……どうして私がこの山にいるのとか、前後の記憶がぼやけてる。
ゆるふわ「そっかぁ。女ちゃんは人間だから、しょうがないかな」
ゆるふわ「この『魔の山』の瘴気に当てられて頭がオカシくなっちゃうコもいるから」
女「あの…待って」
ゆるふわ「ん?」
女「さっきから会話変だなって思ってたんだけど…」
女「あなたは人間、なの?」
きょとんとした彼女がにっこりと笑う。
ゆるふわ「んーん。ばっちり魔物だよー?」
女「ま、魔物…」アトズサリ
ゆるふわ「怯えない怯えない。アハッ、ひどいことしないってば~」
女「そ、そんなこと言われても!」
ゆるふわ「もー。疑り深いなぁ」
ゆるふわ「そんなに気にしなくて平気だって」
ゆるふわ「あたしは食べない派だもん」
女「食べない…?」
ゆるふわ「そ。ここの魔物はねー、けっこーみんな主義主張が違うってゆーか」
ゆるふわ「人間は食用派でしょ。繁殖派でしょ。下僕派でしょ……だいたいこの3つが主流だけど」
ゆるふわ「あたしみたいな草食系は少数かなー」エヘヘ
ゆるふわ「今のトップが放任主義だから。わりと好き勝手してていいの」
ゆるふわ「だからあたし、女ちゃんを食べるつもりないから。安心してね?」ニコ
この前地下世界で女が奴隷にされる安価スレやってた人?
sage忘れスマソ
>>11
そうです
あっちは畳みまして、ちょっと新しいのをやってみようかと
ゆるふわ「じゃー行こっか。こっちにいても危ないだけだし」
女「行くって、どこに…」
ゆるふわ「集落だよ。魔物の本拠地ー!ってカンジのとこー」テクテク
女「危なくない…?」
ゆるふわ「山の中で逃げのびようったって無理があるよ? みんな鼻も耳も目もいいし」
ゆるふわ「女ちゃんは特に危ないかな……うち、面食いが多いから」ジー
ゆるふわ「山には人間の食べ物もないしさー。鹿狩りとか、できるなら別だけど」
ゆるふわ「町中に紛れ込んだほうがいいと思うよ。あたしも匿ってあげれるし」
女「それは…」
どうなんだろう。
確かに魔物の嗅覚や視程の広さは、人間の比較にならないって言うけど。
不慣れな人間が山歩きしたほうが悪目立ちするかもしれない。
彼女の言うことは的を射ている。
女(悪いひとじゃないと思うけど…)
この人間を食べないと言った魔物を信じていいんだろうか。
安価>>14
1 ついてってみよう
2 やっぱり逃げる
1
-山の集落-
『魔の山』の魔物の巣窟。
集落は山の中腹にできた小さな渓谷に、ひっそりと隠れるように築かれていた。
木材を使った家屋はほとんど見られない。
住人の屋根となるのは、岩壁を刳りぬいた住居だ。
渓谷の側面にある岸壁はさながらマンションで、1階、2階、3階…と上層に伸びていく。
木材は各部屋のドアや仕切りに使用される。
ランプが仕切りごとに煌々と燈り、赴きのあるホテルにも見える。
渓谷の中央は石畳が続く。
排水溝、高架水道、街灯、商店、市場、カフェ、カジノ、劇場、広場などが軒を連ねる。
女「すごい」
こんな山深い奥地に小さな町ができている。それも人里と変わらないレベルで。
私は恐怖も忘れて、つい感動してしまった。
女「ここにいるの、みんな魔物なんだ…」
ゆるふわ「だよー。じゅううぅぶん、気をつけてねー」
ゆるふわ「下手なひとに見つかると死ぬよりヒドい目に遭っちゃうよ?」
女「……」ブルッ
>>1
ネタバレにならない範囲で答えてくれればいいんだけど丸呑みの描写とか含む?
>>17
ありますね
バッドネタは死亡に限りませんが……
グロ描写がメインではないので、あまり長々とは描かないつもりです
ラッサイラッサイ ソコノオネーサンヨッテカナーイ? ワイワイガヤガヤ…
女「…けっこう盛況なんだね」
ゆるふわ「市場だからねー。たぶん一番活気はあるかなぁ」
ゆるふわ「あ、そのへんの屋台で売られてるケバブ、人肉だから。見ないほうがいーよ?」
女「う、うあぁ…」ブルブル
女(よく見ると、ザ・魔物ってカンジのひと多い)
女(あっちの屋台のお姉さんは角はえてるし…。テーブルで何か食べてるオバサンは翼でてる…)
女(みんなじゃないけど……一見、人間と変わらないって見た目のひともいる。半分くらいかな)
女(ゆるふわさんもそうだけど…)チラ
女「……あの、ゆるふわさん。今更だけどホントにバレないの?」ヒソヒソ
女「見た感じ、人間っぽいってひともいるけど」
ゆるふわ「んーとね。実は人間もいるんだよね」
女「えっ……い、いるの!?」
ゆるふわ「浚われたり、山に迷い込んだ人間を、わざと食べないで町に放すの」
ゆるふわ「狩りの楽しみっていうのかな。怯える人間を追いつめて殺すのが大好きな魔物もいてねー」
女「じゃあ…」チラ
ボイン「ウフーン」ユサユサ
三つ編み「………」ウロウロ
ギャル「キャハハハッ」
メイド「………」スタスタ
そばかす「ハアハア」
制服「…ッ……ッ」ブツブツ
女(あのひとたち……見た目は、人間みたいな…)
ゆるふわ「女ちゃんはだいじょうぶだよ? すぐにはバレないと思う」
女「…どうして?」
ゆるふわ「どうしてって……お守りしてるじゃん?」
ゆるふわさんの視線が私の胸元にそそがれる。
ロザリオ。
幼い頃から首にかけてきたお守りだ。
肌身離さず持っていたのが幸いしたらしい。
ゆるふわ「女ちゃんのロザリオってね。魔力がこもってて魔物からは狙われにくくなるんだよ」
女「…そうなんだ。そんな破邪の力があったなんて知らなかった」
ゆるふわ「破邪……とは違うかな」ンー
ゆるふわ「それしてると魔物には魔物に視えちゃうの」
女「魔物に視える…?」
ゆるふわ「幻術ってわかる? 幻を見せて、それが本物だと認識阻害させるの」
ゆるふわ「そういう魔法。だからね…人間だって見破った魔物にロザリオを突きつけても退治とかムリ」
ゆるふわ「だから、町中のほうがかえって安全なんだよ」ニコ
女(…逆に言えば人間だとバレたら抵抗できないってことだよね)
女(怖いけど確かに町中のほうがいいのかも。ゆるふわさんも、助けてくれるっぽいし)
女(でもこのひと……何が目的なんだろう?)
ゆるふわ「さっ、おうちに行こーっ」
今回もレズしかいないの?
ていうか地下都市はよ、トゥルーエンドが気になってしょうがない
-岩窟マンション ゆるふわの部屋-
ゆるふわ「はーいどうぞー。上がって上がってー」
ゆるふわ「ここがあたしのお城だよー!」エヘンッ
女「……せ、狭い」
ゆるふわ「六畳一間だもんね!」
女「マンションの間取りって全部屋こうなんですか?」
ゆるふわ「あたし弱いから一番狭いトコにやられたの♪」
ゆるふわ「魔物の世界は弱肉強食……本当に強いひとは岩窟マンションじゃなくて、城館に棲むの!」
女「城館…?」
ゆるふわ「大通りをまっすぐ行くとね、石造りの古城があって…」
ゆるふわ「その城館には『魔の山』の支配者が棲んでるの」
女「……」ゴクッ
>>22
奴隷さんの話はちょっと風呂敷広げすぎちゃったので…すみません
ゆるふわ「みんなにはウサギ小屋ってバカにされるけど…」
ゆるふわ「でも狭くってもあったかい家庭は築けるよ…」ポッ
女「ここにこれから二人で暮らすの…?」
ゆるふわ「同棲だょね……嬉しぃ。優しくしてね?」ウワメヅカイ
女「…冗談はやめてください。匿ってくれることは嬉しいけど」
女「ようやく落ち着けたし…いろいろ聞かせてもらえますか?」
ゆるふわ「うんっ。いーよ!」カモンッ
女「じゃあ質問…」
安価>>26
1 魔の山について
2 赤い霧について
3 記憶がはっきりしないことについて
4 集落にいる人間について
5 脱出する方法について
2
女「そういえば…」
女「私、目が覚めたとき、ちょうど真っ赤な霧が出てたんだけど…」
女「あの霧はなんなの?」
ゆるふわ「あっ、それねー。うーん…なんていったらいいんだろ」ムー
ゆるふわ「あれは警戒信号なんだよ」
女「警戒信号?」
ゆるふわ「赤い霧が出てるときに外へいたらいけないの」
ゆるふわ「本当は赤い霧の出現と同時に、城館の鐘が鳴るはずで…」
ゆるふわ「鐘の音を聴いたら外に出ちゃだめ」
ゆるふわ「できれば広い屋内に避難すること。間に合いそうになかったら、城館にも入っていい」
ゆるふわ「それが、魔の山での掟」
女「…魔物も?」
ゆるふわ「だよー? 女ちゃんを捜しに行ったときもビビってたんだから」
ゆるふわ「途中で晴れたから助かっちゃったねー」エヘヘ
女(赤い霧を魔物も恐れてる……?)
女(よくわからないけど、それって逃げるときには使えるかも)
女「……それじゃ次の質問は」
安価>>29
1 魔の山について
2 記憶がはっきりしないことについて
3 集落にいる人間について
4 脱出する方法について
3
女「それと…」
女「さっき集落にも人間がいるって言ってたじゃない」
ゆるふわ「いるねー。狩り用の人間だね」
女「…その人たちはどうやって生きのびてるの」
ゆるふわ「んー……たぶん女ちゃんは引くと思うけど」
ゆるふわ「町で流通してる食べ物って、人肉だけじゃなくてね」
ゆるふわ「中には山で採れる石榴や果物もあるし。珍味ってことで鹿肉なんかも売られるけど」
ゆるふわ「それだけ食べてると、すぐに『あっ、こいつ人間じゃね?』って感づかれちゃうんだー」
女「…まさか」
ゆるふわ「食べてるよ。人肉」
ご飯食べてきます
まさか...人肉を...!
ムシャムシャムシャ……ゲプッ
再開します
女「嘘でしょ…」サアァ
ゆるふわ「やっぱりそーゆー反応だよね? 大抵の人間は共食い嫌がるからねー」ウンウン
ゆるふわ「でも魔の山でしぶとく生きのびてる人間は、人肉を食べる」
ゆるふわ「魔物の振りをする……そうするには人肉を食べるのが一番それらしく視えるから」
ゆるふわ「いくら頑張っても人間に角や羽はないじゃーん?」
ゆるふわ「食事を人肉メインにすれば魔物の嗅覚も、誤魔化しやすくなるし。臭いって胃からくるんだよ?」
女「………」フラ
ゆるふわ「だからね…人間にもネジの外れた奴らがいるよ」
ゆるふわ「魔物にも人間にも見境のなくなっちゃったひと。話が通じないのばっかだから気をつけてね」
女(危ないのは魔物だけじゃないんだ…)
女(上手くしたら潜伏してる人たちと協力できればって思ってたけど)
女(さすがに全員じゃないだろうし。食べたくて食べてるわけじゃないとしても……協力するのは人を選ばないと)フム
女(次の質問で時間的に最後になりそう。慎重に…)
安価>>
1 魔の山について
2 記憶がはっきりしないことについて
3 脱出する方法について
4 城館について
4
3
すみません、安価ミスです
直後の>>36さん取らせてもらいます
女「城館……」
女「魔の山の支配者が棲んでるって言ってたよね」
女「どんな魔物なの?」
ゆるふわ「うちのボス? 怖いよ~」
ゆるふわ「普段は放任主義…ってゆーか無関心なんだけどー」
ゆるふわ「機嫌悪いときは集落に下りてきて誰彼構わず殺しまくるから」ウヒー
女「…ま、魔物でも?」
ゆるふわ「イェース! ボス、めっちゃ強いからねーっ。逆らえるヤツなんかいないっつーの!」
女(無差別殺人鬼……怖い)ヒキ
ゆるふわ「ボスを止められるとしても同じお城のひとくらいかなぁ」ウーン
ゆるふわ「何人か、ボス以外にも力の強い魔物がお城に棲んでてね」
ゆるふわ「あのひとたちなら説得くらいはできるかも…。そのへんの魔物じゃ口きくまで持たないちゃうし」
女「城館にはどのくらい魔物がいるの?」
ゆるふわ「支配者階級って意味なら、五人かなぁ」
ゆるふわ「住み込みで働いてるコはたくさんいるよー。あたしの知り合いにもっ」
ゆるふわ「賄い飯が豪華だし、高位魔物のそばに侍るのって一種のステータスだからやっぱり人気の職だね!」
女「…城館は出入りできたりする?」
ゆるふわ「んー、ムリ」キッパリ
女「………」
ゆるふわ「門番がいるの。それに、さすがに城館は見ず知らずのコがうろつける場所じゃないよ」
ゆるふわ「雇いのコはみーんな顔覚えてるだろうから不審者がいたら即捕まると思うよー?」
女「それもそっか」
女(…やっぱり危ないかな。お城くらいでかければ隠れ場所に困らないかと思ったけど)
ゆるふわ「さってとー。じゃ、そろそろゴハンにしよっか!」
女「えっ」
ゆるふわ「あれ、お腹すかない? 何も食べてないでしょ?」
女「すいてるけど…。でも食べ物って…」
ゆるふわ「んー?」
女「やっぱり人肉…なの?」
ゆるふわ「あー……そっちの心配かー」
ゆるふわ「あたしはヒト食べない派だから。あたしと一緒のメニューでいいなら人肉じゃないんだけどー」
女「そ、そうなんだ。よかった…」ホッ
ゆるふわ「んー…でもー」
ゆるふわ「人肉を食べたほうが、安全は安全なんだよね」
女「…え?」
ゆるふわ「さっきも言ったけど魔物の嗅覚って凄いから。胃で吸収した食べ物の臭いまで嗅ぎ付けるくらい」
ゆるふわ「ロザリオがあっても臭いでバレるかもしれないし」
女(ちょっと……待って)
ゆるふわ「女ちゃんが決めていいよ」
ゆるふわ「メニュー……お肉にする?」
安価>>42
1 お肉
2 ゆるふわさんと一緒がいいです!
2
女「ムリ! ムリムリムリ!」ブンブンッ
女「た、食べれるわけないよっ」
ゆるふわ「だよね」
ゆるふわ「じゃー、はいっ」
女「……こ、これ」
ゆるふわ「今日の晩御飯だよーっ」
ゆるふわ「たーっぷり堪能しようね!」ニッコリ
ゆるふわ「あむっ…ああんっ……んはあっ」レロレロ
ゆるふわ「んん……おいしっ…」
ゆるふわ「はあぁっ…いい香り……」ジュポジュポ
ゆるふわ「サイッコーに美味しいねえッ……女ちゃんっ」
女「で、ですねー」
女(まさか晩御飯がマツタケ丸ごと一本だなんて…)
ゆるふわ「うんっ、もうっ……ゼータクすぎるよぉっ」ペロペロ
ゆるふわ「はぁぁ……今日もいい汗かいちゃった。お肌ツヤツヤ」ペカー
ゆるふわ「じゃー寝よっか! 明日、もうちょっと集落について教えなきゃだし」
女「あ、はい」
ゆるふわ「お布団しいたし! さあ寝るよッ! おいで!」カモンッ
女「なんで一緒の布団で寝るの確定なの…?」
ゆるふわ「二組も敷けるスペースないんだもん! いいからくるっ」グイッ
女「ちょっ…わかったってば!」
なんだかやたらと鼻息の荒いゆるふわさんに急かされ、いっしょの布団に入ることに。
六畳間のスペース考えたらしょうがないことなんだけど…。
結果、ものすごく至近距離で、彼女の整いすぎた顔と見つめ合ってしまいます。
ゆるふわ「……」ニコ
女「……」カアァ
女(ていうか。よく考えたら、ゆるふわさんも魔物……なんだよね)
女(助けられてそのまま部屋までついてきちゃったけど。こんなそばで寝て、だいじょうぶなの…?)
女「……念のためにきくんだけど。な、何もしないよね?」
ゆるふわ「エロいこと?」
女「違う意味で危険だった!?」
ゆるふわ「あはは。あーんしんしてー。あたし無理強いとかしない主義だもん!」
女「……いやだからそっちじゃなくって…まぁいいや」
ゆるふわ「んー? なんかよくわかんないけど心配事なくなったかんじ?」
ゆるふわ「寝れそ?」
女「うん……おやすみなさい」
ゆるふわ「はぁーいおやすみー」
ゆるふわ「……ジュルリ」
女「ジュルリ!?」
-翌日-
ゆるふわ「やっぱり面通ししといたほうがいいと思うの」
女「面通し?」
ゆるふわ「そ。知り合いの魔物たちにね。新しく入った仲間だぞーって」
ゆるふわ「あたしが身元保証人ってことで紹介するから。テキトーに相槌打ってくれればいいよー」
女「…そうしたほうが怪しまれないってことですか?」
ゆるふわ「だよ! あと、あたしに敬語いらない。友達感覚で話してっ」
女「でも…」
ゆるふわ「もー水臭いなー。いっしょの布団で寝た仲じゃん!」
女「……わかった。そうするね」ニコ
ゆるふわ「うんっ!」パアァッ
ゆるふわ「さってとー。じゃあ…どこから行きたい?」
安価>>48
1 城館
2 図書館
3 劇場
4 カジノ
1
3
-劇場-
女「立派な建物なんだね」
ゆるふわさんに案内された場所は、大通り沿いにある大きなドーム型の劇場。
材質は石でも木材でもなく…。何本もの鉄の支柱を樹脂のカーテンで包んだみたいな感触。
岩窟マンションからは岩陰で見通せなかったけど、ここまでくれば大通りの先に石造りの威容が映ります。
あれが城館。
あそこに魔の山の支配者がいる…。
ゆるふわ「ここねー。けっこう友達でも来るひと多いんだけど」
ゆるふわ「あたしはあんまり足運んだことなくってー」
女「そうなの? 意外…」
ゆるふわ「まずチケットが高いし。敷居も高い」ムー
娯楽が少ない集落だと、こういう劇場とかの歓楽施設は儲かるもんです。
その証拠に、ゾロゾロと列を成した人々が劇場へ入っていきます。
ザッザッザッ…
司書「……」
おかっぱ「……」
リボン「……」
どこか異様な雰囲気。
騒ぐでもなく、はしゃぐでもなく、ただ黙々と前へ前へと踏み出していく列の方々。
まるで精神統一でもしているかのような…。
シーーーーン…
ゆるふわ「いい? 女ちゃん」
ゆるふわ「ハコの中に入ったら…絶対、物音ひとつ立てちゃだめ」
ゆるふわ「息を殺して直立不動でカーテンが上がるのをひたすら待つ」
ゆるふわ「熱狂的なファンは怖いから。大声でゲラゲラ笑ったりしたらリンチされちゃう」
女「え……ど、どういう…」
ゆるふわ「あたしから言えるのは……これだけ」
ゆるふわ「健闘を祈ってるから」
スポットライト パッ
女(眩しッ)
レディーーーースッ エーンド ジェントルメーーン!!!
ウオオオオオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!
アイドル「みんなーー!! 私のライブにきてくれてありがとーーっ!!」
ウオオオオオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!
アイドル「またこのステージでみんなに会えてッ……本当に嬉しいよ!!」
イッシュウカンブリーーーー!! ノウミソフットーシシャウウゥ!! ウルサイソコ!
アイドル「今日はみんなのお財布を空っぽにするつもりで歌うからッ……私に、ついてきてね!!」
ゼン・ザイ・サン!!! ゼン・ザイ・サン!!!
アイドル「借金したって……イイよねッ! 一度きりの人生だもんっ!!」
ゼン・ザイ・サン!!!(ビヨンド!) ゼン・ザイ・サン!!!(ビヨンド!)
アイドル「それでは聴いてください……『子々孫々アイドル漬け☆』!! いっっくよーーー!!」
♪~~(イントロ)
シシソンソン カチクブタ! ゾウキデハラッテ イチニンマエ!…
…………
……
臓器で払って一人前!wwwwwwwww
女「夢のような時間が過ぎた…」ボーゼン
女「いつの間にか蛍光色の棒みたいの二本握らされてたし…。一糸乱れぬ動きで踊りまくるし」
女「ステージに立ったアイドルさん……綺麗だった……」ポー
女「あれはなんだったの……幻? 奇跡?」
ゆるふわ「女ちゃーん? もしもしー」
女「あ、はい」
ゆるふわ「よかったぁ…正気に戻ったみたい」ホッ
ゆるふわ「ここはやっぱり危険だね。まだ早すぎたよ」
女「…?」
ゆるふわ「別んトコ行こーっ」
安価>>52
1 城館
2 図書館
3 カジノ
1
すみません安価ミスです
>>54で
-城館-
そびえる古城は厳しく、如何にも恐ろしげに見えた。
城館の周囲には水掘が穿たれ、鉄の鎖で操作する跳ね橋で仕切られる。
城の外観は奇妙な形状だった。
城館を支える石の円柱がテーブルの脚のように八方へ伸び、館はあたかも水の上に浮いているように視える。
三階層からなる水上宮殿の奥には尖塔があった。
女「……すごい」
建築における技術の粋を尽くした、としか言いようのない風貌。
ただ息を呑むしかなかった。
女(魔物にこんなのが作れるものなの…?)
ゆるふわ「ここが『魔の山』の中心地だねー」
ゆるふわ「今のボスはテキトーにやってるけど、その気になれば周辺の人間たちと戦争だってできるから」
ゆるふわ「何をするにも決めるのはここの支配者たち。だから、さっと顔だけ出してパパッと帰っちゃお!」
太眉「おや?」
ゆるふわ「おひさでーす! いつも門番お疲れ様っす!」
ゆるふわ「これは差し入れ……つまらないものですが」ズイ
太眉「しばらく顔を見ないと思ったら……今日は如何な用向きで?」ムシャムシャ
女(すごい…迷い無く差し入れを食べてる。きっと賄賂慣れしてるんだ…)
太眉「後ろに、また見ないのを連れてるね」ジロ
女「ッ!」ビクッ
ゆるふわ「可愛いでしょー! 今日はねえ、このコの紹介に来まして。ほら、一応集落に住み着くわけだし、ご挨拶をと」
太眉「ほぉ…」
太眉「おまえ。どこに棲む気?」
女「えっ……えっと」オド
ゆるふわ「このコは女ちゃんって言いまして! あたしと一緒に棲むことにしたのです! 念願の同棲!」ネッ!
太眉「ゆるふわと? あの狭い部屋でか? それはまた…」
女(気の毒そうな顔をされてしまった…)
女(怖いと思ったけど、わりといいひと?)
太眉「ま、いい。通れ」
ゆるふわ「どもですーっ」ペコ
女(はやっ…。賄賂ってスゴい効き目)
太眉「…ゆるふわが身元保証人になるならここでやることはない」
太眉「面倒があるとしたら『中で』になるね」
太眉「もし、何かあったら」
太眉「そのときは……わかってるね?」ギロ
ゆるふわ「はあーい」テクテク
女(…やっぱり怖い)タラリ
-城館 1階エントランス-
女「広い……しかもすごい豪華!」
シャンデリアに床一面の大理石。
黒曜石の台座に飾られる調度品や彫刻の数々。
ドアノブや正面階段の手すりでさえ鮮やかな細工が施される。
さらに言えば城館の部屋数は、百を越えるという無駄っぷり。
どう見ても、王侯貴族の屋敷でした。
女「ふわー…」
おびただしい高貴な香りに頭がクラクラしてきます。
ゆるふわ「んーと…」キョロキョロ
ゆるふわ「見つからないうちに早くすませたいんだけど…」
メイド「どうなさいました?」
女「わっ……び、びっくりした」
女「メイドさん…? このお城の方、ですよね?」
メイド「これは…失礼いたしました」ペコリ
メイド「見慣れない方でしたので…不躾ながら、後ろから声をかけさせて頂きました」
女「いえ、こちらこそ…」
女(このひと市場で見かけた……見た目は人間っぽいひとだ)
メイド「………」
女「あの…」
メイド「それで」
メイド「どちら様でございますか?」ニコ
安価>>61
1 ゆるふわさんにお世話になってる者です
2 実は記憶が曖昧で…
3 実はアイドルさんの信者です
1
女「その…ゆるふわさんにお世話になってまして」
ゆるふわ「そうそうっ! 女ちゃんはあたしのなの! 取っちゃだめだよー!」
女「あ、あたしのって…」
メイド「………」
メイド「然様ですか」
メイド「では…面通しがご希望で?」
ゆるふわ「うんっ、そーだねーできればねーゴスロリさんn」
メイド「どうぞこちらに…主人をお呼びします」
ゆるふわ「………」
女(ゆるふわさん…?)
ゆるふわ「えーっと……やっぱり忙しいみたいだし日を改めて」
メイド「どうぞこちらに」ニコ
ゆるふわ「……あーうー」
ゆるふわさんはさっきから浮かない顔です。
いつも明るくて元気な彼女を一瞬でテンション谷底に突き落とせる人物…。
メイドさんのご主人様ってどんなひとなんだろう。
ゆるふわ「ごめんね女ちゃん……まずいことになっちゃった」
女「まずい…の?」
ゆるふわ「メイドさんが呼びに行ったの……『令嬢』さんって言ってね」
ゆるふわ「ここのNo.1」
ゆるふわ「魔の山の王様、なの」
女「!」
女(魔物の支配者……)
ゆるふわ「気まぐれだからこないかもだけど…」
カッカッカッ…
ドアの外から足音が聞こえてくる。
ゆるふわ「先に謝っとくね。女ちゃん、もしものときは先立つ不幸を受け入れてね」オガミ
女「怖いよ!」
>>66
※コンマ判定
令嬢がくる=00~49 こない=50~99
低め
すみません寝ます
続きは明日で
乙
>>65の判定から再開します
バァンッ
女「わっ!」ビク
ドアを荒々しく開け放ったのはドレス姿の少女。
美しい銀髪をたなびかせて。
令嬢「おまえが……女ね」ファサ
女「ッ……」
声を失う。
見たこともない、想像したこともないくらい、綺麗で。
令嬢「………」ジィー
女「あ、の…」
令嬢「……ふうん」グイッ
女「いたっ!」
いきなり髪を無理やり掴まれた。
自然に前屈み。つんのめるように引っ張られる。
令嬢「いい艶の黒髪……」ナデナデ
女「な、なに…?」
令嬢「――可愛いわね、おまえ」
令嬢「決めたわ」クス
令嬢「女、私のものになりなさい」
女「え……」
女(どういうこと? な、なにされるの…)
ゆるふわ「だーめ♪」
令嬢「……」ジロ
ゆるふわ「困るよー、ボス。あんまりワガママ言っちゃ」ニコ
ゆるふわ「女ちゃんはあたしのものだよ」
メイド「………」スッ
ゆるふわ「メイドさんもやめよーねー? 殺気なんて出しちゃいやんっ」
ゆるふわ「怖い顔ばっかしてるとー……助けを呼んじゃうよ?」
令嬢「女。おまえはどうしたいの?」
女「い? えぁ…?」
令嬢「ゆるふわの所有物でいたい? それとも…」
令嬢「私のものになる?」
安価>>73
1 令嬢さんのものにして!
2 ゆるふわさんを裏切れない!
3 実はアイドルさんの信者です
2(私たち付き合ってるの!)
3
ちょっと用事あるので出かけます
続きは夜で
>>72からはじめます
>>73からでした
すみません
まーた女を巡って奪い合ってしまうのか
レズ多すぎィ!
再開します
女「私…もう心に決めたひとがいて」
令嬢「私?」
ゆるふわ「あたし?」
女「アイドルさん……」ポッ
令嬢「……」
ゆるふわ「……」
女「私……アイドルさんの信者に、されちゃったんです…」キャッ
令嬢「………………」
ゆるふわ「………………」
メイド「………………」
死んだか
令嬢「そう……」
令嬢「よくわかったわ」
令嬢「私の命令がきけないのね」ギラッ
女「ふぇ…?」
ゆるふわ「女ちゃん逃げてッ!」
ドンッ
女「きゃっ!」
ヒュンッ…バキバキバキッ!
ゆるふわさんに突き飛ばされた、と思う間もなく……床が抉れた。
巨大な怪物の爪で引き裂かれたみたいに。
令嬢さんがやったのだ。それはわかる。
わかる、けど…。
女(手も触れないで……?)
女(令嬢さんの目が赤く光ったと思ったら、床がグチャグチャに……)
女(これが、魔法?)
ザッ
令嬢「よけるなんて生意気ね」
女「ひっ…!」
ゆるふわ「くっ…」
令嬢「…命令よ」
令嬢「よけちゃ、だめ」スゥ…
女「い、イヤ……たすけてッ!」
>>
※コンマ判定
助かる=00~49 助からない=50~99
あ
安価つけ忘れしました
>>82から
アイドル「はあーい! 助けて、あ・げ・る☆」ダキッ
女「えっ……?」
ゆるふわ「あっ」
令嬢「……!」
いつの間にか現れた金髪の女性に、抱きしめられていた。
やわらかい感触。
顔に押しつけられるのは豊満な胸。
その夢の中から出てきたような現実離れした美しさには、見覚えがあった。
女「アイドル、さん…?」
アイドル「えっへへー!」ニコッ
女「どうして…?」
アイドル「もっちろんッ、助けるよーっ!」
アイドル「私のライブにきてくれたでしょー?」
アイドル「私ってファンとの距離が近いタイプだから☆」ウインクッ
女「アイドルさんッ…」ジワ
女「一生ついていきますっ!」
アイドル「よーしよしっ。いいコいいコ☆」ナデナデ
令嬢「…アイドル、邪魔よ」
令嬢「どきなさい」
アイドル「えー? やだーっ」キャピッ
アイドル「だって令嬢ちゃん、このコ殺す気じゃん?」
令嬢「ムカついたのよ」
アイドル「じゃー、だめーっ!」
令嬢「…なぜ?」
アイドル「だあーーって~」
アイドル「このコには長生きしてもらってぇ…ずーーーーっと! 搾取しないと!!」
アイドル「私ッ! ファンには優しいよ!!」キラッ☆
まあ...そうだな
ヒュンッ…バキバキバキバキバキッ!
メコッ…ビシビシ! ドゴォッ!
アイドル「あったらな~い☆」サッ サッ
女「ひゃあああっ」
令嬢「ふん」スゥ…
ゆるふわ「女ちゃ…ッ!」
メイド「動かないでくださいませ」ピタ
アイドル「ヘイヘイ令嬢びびってるッ!」イェー!
令嬢「……」ムカ
女「あ、煽らないでぇ…!」
令嬢「……面倒ね」ピタ
令嬢「アイドル。遊びはそこまでよ」
令嬢「次は、あなたも無事じゃすまない」コオォ…
アイドル「むっ」
女(うぅ……こ、怖いっ)ガタガタ
女(無理だ……絶対、逃げられない…)
女(死んじゃう…。このままじゃ殺されちゃうよッ)
撫子「騒がしいですね。お昼寝もできないくらい…どうしたのですか?」アフ…
バンッ
ツインテ「ちょっと! さっきからうるさ過ぎ!」
ツインテ「ゴスロリさんが怒って……あれ?」
ツインテ「えーっと……」
ツインテ「もしかして修羅場?」ハテ
ゆるふわ「ツインテ! いいトコきたーっ!」
ツインテ「あぁん?」
ゆるふわ「おたすけ! この横暴メイド蹴っ飛ばしてぇ!」
メイド「なにを…」
ドゴォォォ
メイド「ッ…」
ツインテ「なにウチのモンに手ぇ出してんのよ?」
ゆるふわ「ナイスアシストー。んーっ、やっと解放されたぁ」パンパン
ゆるふわ「さっ…逃げるよ女ちゃん!」ギュッ
女「えっ…」
ゆるふわ「ツインテ、後ろは任せるからねー? 誰も通すな~!」
ツインテ「ん? あー、うん」
ゆるふわ「最後の一兵となって踏みとどまれー」ヒラヒラ
ツインテ「ん? おう」
ゆるふわ「じゃあ行くよ! 女ちゃん、ついてきて!」ダッ
女「えっ、ええっ……」タタッ
撫子「………」ジィー
撫子「もしかして…」
タッタッタッ
女「ど、どこに逃げるのッ…?」
逃げ場所なんてあるのだろうか。
ゆるふわのマンションはダメだ。逃げ込んでも意味がない。
魔の山の支配者は彼女たち。どこに逃げようが結局は手のひらの上。
ゆるふわ「城館の真後ろ……葡萄園が広がってて」
ゆるふわ「そこに、令嬢さんたちと同じ支配者クラスで、頼りになるひとがいるから!」
ゆるふわ「こうなったらもう匿ってもらうしか…。幸い、女ちゃんが人間だってバレたわけじゃないから」
ゆるふわ「偉いひと同士の話し合いで、令嬢さんに口利きしてもらおっ」
女「ぜ、ぜんぶ人任せ…」
とはいえ、それしかもう方法がないのは事実。
とにかく葡萄園まで走らないと…!
太眉「そんなに急いで…どこに行くんだい?」
ゆるふわ「あー……忘れてた」コツン
太眉「随分うちのメイドを可愛がってくれたみたいだね」
太眉「お礼くらいは、してやんないとねえ」ニィ
女「あ、う……」ゾクッ
ゆるふわ「あーあ……もうっ」
ゆるふわ「夢の同棲生活が……。やんなっちゃうな~」
ゆるふわ「…女ちゃん、ゴメンね」ニコ
ゆるふわ「逃げて」
安価>>94
1 逃げる
2 逃げない
2
女「嫌……逃げらんない」
女「ゆるふわさんを置いていけないよっ」
ゆるふわ「女ちゃん……」
女「逃げるなら二人で逃げようよ!」
女「平気だよっ……。こ、こんなひとにッ…魔物なんかに捕まったりしないもん!」
女「ゆるふわさんも一緒にッ……こんな山、捨てて…!」
ゆるふわ「危ない女ちゃん!!」バッ
ドシュッ
ビチャア…
女「……え?」
しくじったか
ゆるふわ「」
女「ゆるふわさん……?」
ゆるふわ「」ブラン
私を庇ったゆるふわさんが鋭い尻尾みたいなものに貫かれた。
色白な体を持ち上げられて、空中でダラリと四肢を投げ出す。
ゆるふわさんの胸からは、大量の血が、あとからあとから溢れて…。
あれ?
ちょっと…えっ? だってあれ、死んで……
女「あっあああぁ、うッ……うッ……」
女「いやあああああーーーッ!」
…………
……
-???-
……アー……アーー……
クチュクチュクチュクチュクチュ…
令嬢「……んっ……んむ……」
令嬢「はあぁっ……」
令嬢「このプチプチって食感、たまらないわね…」
メイド「お嬢様。お口周りを」サッ
令嬢「ん」フキフキ
メイド「まだお召し上がりになりますか?」
令嬢「そうね……」
令嬢「いえ。こっちの上等な部位は、『あのコ』に持っていってあげて」
メイド「……ですが」
令嬢「食べなければ、それでもいいのよ」
令嬢「ただ…あのコにも早く自覚を持ってほしい。それだけよ」
メイド「かしこまりました」ペコ
メイド「それでは…こちらは運ばせていただきます」
令嬢「ええ」
…アーーーッ……アアァァァ……
…クチュ…クチュクチュ…クチュクチュ…
令嬢「………」
令嬢「…どうしたの? もう、あー、しか言えなくなった?」
グチュッ
女「アーーーーーッアアアアッーーー」
令嬢「内臓を掻き回しても……痙攣も起こさなくなっちゃった」
令嬢「つまらないわ」
ガリガリガリッ
女「ッアッアッアッアッアッアッ」ビクンビクン
令嬢「あら?」
令嬢「なんだ……まだ動くじゃない」クスクス…
令嬢「あと何日おまえの悲鳴が聴けるか……愉しみ」
女「…………ぁ……」
-DEAD END-
乙
これは逃げたほうが正解だったのか
「上等な部位」は、ゆるふわさんに…ぎゃあああ
こんてにゅーを要求する!
2週目いきます
時間的にきついんで出来るトコまでで…
…………
……
クチュクチュ… クチュクチュ…
胃の腑を締めつけられるような音がする。
それは耐え難い音。
耳を塞いでしまいたくなるほどの音は……けれど私には、どうしようもないんだ。
クチュ…ブチュ… ジュウウゥゥッ…
ああ。
聴かせないで。その音を。
耐えられない……耐えられないよ。
女「もう……だめッ…!」
ゴトッ
ゆるふわ「はあーい! 晩御飯よーっ!」
女「待ってましたーーっ!」
ゆるふわ「今日は奮発して……牛豚の手ごねハンバーグ~~!」
女「キャーーーーーーッ!」
バクバクバクバクバクッ
女「芳ばしい匂いッ……!」
女「溢れる肉汁ッ…!」
女「至高すぎる芳醇な味わいッ!」
女「生きてるって……素晴らしい!!」ペカー
ゆるふわ「んあっ……はぁんっ…んっ、んっ……」ジュポジュポ
ゆるふわ「あはぁっ……女ちゃんが美味しそうでよかったよぉ…」レロォ
女「うん。ゆるふわさんもねマツタケ」
女「はぁぁーー……美味しかったぁ…」クタ
ゆるふわ「満足ー?」
女「うん…人間として最高の幸せを味わったよぅ…」ボー
ゆるふわ「そっかぁー」
ゆるふわ「まあねー女ちゃんがウチにきてから、ろくに人間らしい食事って取れてないから…」
ゆるふわ「あたしも、お忍びで人里までお肉を買いに行った甲斐があったよー」フフッ
ゆるふわさんは毎日これ一本のマツタケ責めに辟易していた私のために、お肉を調達してくれたのです。
久々の肉料理に私はテンションMAXまで舞い上がってしまいました…。
もちろんお肉と言っても人肉じゃなく……普通の、牛と豚の合挽肉。
ただ、普通の肉は、この魔の山では流通していなくて。
女「……人里、か」
女「ねぇ。人里ってどうやって行くの?」
寝ます
また明日続きします
おつ
再開します
はい
ゆるふわさんに保護されて、集落やお城での面通しも無事にすんで。
……令嬢さんはメチャクチャ怖かったけど。
そのあと、どうにか二人で六畳間に暮らしています。
先日ゆるふわさん家に遊びに来たツインテに、『魔の山』の全体図について教えてもらった。
あくまで人間ってバレちゃまずいから誤魔化し誤魔化しだったけど…。
…………
……
ツインテ「だっからー、麓に下りるのなんて簡単だって!」
女「でも……吊り橋しかなかった、ような」
女「ほかは断崖絶壁ってかんじだし…」
ツインテ「崖なんか垂直に下りればいいじゃん!」
女「わ、私にはちょっと難しいかな……。足腰もたないってゆーか」ハハ…
ツインテ「ええぇー…………弱」
ツインテ「それって、ゆるふわ以下じゃね? あいつより弱い魔物なんていたんだ…」ジト
女「う、うんっ。ちょっと…かなり、体力に自信なくって!」アタフタ
ツインテ「ふうーーん…」
ツインテ「同類相憐れむってヤツかー」
ツインテ「まぁー、そーだなー」
ツインテ「ここの岩窟マンションを含めた集落部分と、奥にお城があるのは知ってるよね?」
女「うん、そこは…」
ツインテ「あと大きいところで言うと……お城の右手にある、町外れの《図書館》」
ツインテ「それと反対側にそびえる岩山の山頂付近に《天文台》」
ツインテ「あとはー……そだ、お城の真後ろに《葡萄園》があるんだけど」
ツインテ「そこ、ウチの職場だから。勝手に踏み荒らしたりしないよーに!」
女「職場?」
ツインテ「ここじゃ飲み物はワインって決まってるから。大々的に栽培してんのよ」
ツインテ「盗み食いしたらぶっ殺すぞ?」
女「し、しないしないっ……しませんっ」ブンブン
記憶喪失が男子禁制の村で繰り返す死のループを安価で脱出したいの人?
女「あと…」
女「切り立った崖側にあった、《吊り橋》」
女「あれって渡れる?」
ツインテ「渡れるっちゃ渡れるけどー」ゴクゴク
ツインテ「渡る意味あんの?」プハー
ツインテさんは持参したワインを一気飲みして首を傾げます。
ちなみにこれ、彼女が丹精込めて作ったワインだそうです。
女「その……麓に興味があったから」
ツインテ「あっ、そーいうこと!」
ツインテ「自給自足ってわけね。偉い、偉いっ」
ツインテ「《麓町》にもそれなりに人間いるもんねー」
女(…壮絶な誤解を生んでる気がする)タラリ
>>115
ちゃいますー
あのシリーズは自分も好きでしたが
ツインテ「でも気ぃつけなー」
ツインテ「アンタ新顔だから知らんのだろーけど、人間にもヤバイ連中はいるし」
女「…?」
ツインテ「《ハンター》ってんだけど。……知らない?」
女「……」フルフル
ツインテ「まじか。よく生きてこれたなー…」
ツインテ「アンタもまるっきり戦闘ダメそうだし。あいつらとは戦わんほうがいいよ」
女「……怖い人たち、なの?」
ツインテ「頭のネジぶっ飛んでるよ」
ツインテ「《ハンター》どもは魔物狩りに命懸けてんのさ。怖い怖い」ベー
ツインテ「ちなみに……この集落にも、紛れ込んでるかも」ニッ
女(…そんな人たちがいたんだ)
女(ハンター……魔物にも警戒されるくらいの強い人間)
女(それが集落にも潜んでいるかもしれなくて)
女(もし、会えたら心強いと思うけど…)
女「そういえば…」
女「集落の大通りから、なだらかな山道を下ってくと」
女「入り口を封鎖された《トンネル》が、あるよね?」
女「あそこからなら……崖を越えなくても麓へ下りれる?」
ツインテ「あぁ…あのトンネルね」
ツインテ「あれはさ、」
ゆるふわ「おつまみできたよー!」
ツインテ「やーりぃーーー!!」ウヒョー
…………
……
結局それで話題は途切れちゃって、あとは三人でくっちゃべることに。
ツインテも忙しいのか、あの日以来、姿を見せず。
ゆるふわには……なんとなく聞かれたくなかったし。
私の記憶は目覚めたときと変わらず、曖昧なまま。
多少のことを忘れたって人間は生きていけるものだけれど。
やっぱり確かめたい。
そのためには……彼女を説き伏せないとダメなんだろう。
ゆるふわ「………」
女「一番近い人里ってなると麓町だよね?」
ゆるふわ「……女ちゃん」
ゆるふわ「女ちゃんってさー。ここでも上手くやれてると思うの」
ゆるふわ「ツインテともまあまあ話せてたし」
ゆるふわ「あたし、魔物としては弱っちいけど……女ちゃん一人を養うくらいなら、なんとかするから」
ゆるふわ「女ちゃんが欲しいもの……食べ物でも、なんでも……持ってくるし」
ゆるふわ「ねえ…」ニコ
ゆるふわ「人里のことは忘れて……いっしょに暮らそ?」
安価>>124
1 やっぱり帰りたい
2 ゆるふわと一緒に暮らす
3 とりあえず頷いといて、隙を見て逃げる
1
3
今日はここまでで
明日夜>>124から始めます
おつ
令嬢との安全なコンタクトが正史になったって ことでいいのかな
アイドルとの出会いは無しに?
再開します
>>127
お城で会った人物とは面識できて、無事に帰れた…という感じです
アイドルとも面識はアリの状態っす
女(……ゆるふわのことは嫌いじゃない)
女(でも彼女には、私を人里へ帰すつもりがないんだ)
女(だったら…)
女(表面上は納得したふりして、ゆるふわの気が緩んだ隙に、麓へ下りよう)
女(麓への降りるルートは当てもあるし…)
女(……騙すみたいで申し訳ないけど)
ゆるふわ「女ちゃん……」
女「………」
女「わかった」
ゆるふわ「え……」
女「あなたの気持ちは、わかったよ」
女「一緒に暮らそう」
女「私も…過去のことは忘れることにするから」ニコ
ゆるふわ「ッ!」ダキッ
ゆるふわ「女ちゃんっ…!!」ギュウゥ
女「ひゃわ!?」
ゆるふわ「嬉しいっ……嬉しいよ……」グス
ゆるふわ「これで、一緒になれるんだね……」
女(な、なんか罪悪感が…)ズキ
翌日、ゆるふわは朝一番で麓町へ出掛けていった。
私が一緒に暮らそうと言ったのがよほど嬉しかったみたい。
ゆるふわ「いぃ~っぱい! 美味しい物もってくるから!」
ゆるふわ「お洋服も新しいの欲しいよねっ! お布団も新調して! あとあと……宝石とか!」
お祝い、だそうで。
ものすごくはしゃいでらっしゃる…。
申し訳なく思ったけど、とにかくゆるふわがいない今日はチャンスだ。
集落から脱出する方法……探ってみなきゃ。
安価>>135
1 トンネルへ
2 吊り橋へ
3 ほかの経路がないか探す
kskst
kskst
2
《吊り橋》か……
ツインテの話だと渡れるみたいなことは言ってたけど。
遠目に見た限りでもボロっちくて危なそうだった。
それでも、魔の山を下りられる可能性が少しでもあるなら…。
女「…行ってみる価値はあるかな」
吊り橋までは集落を大回りしてかなきゃ目立つ。
集落のど真ん中を突っ切っていくこともできるけど、あまり目立ちたくなかった。
いくら魔物に視える幻術がかかっているからって万能なわけじゃないんだ。
町中で、機嫌の悪い魔物に絡まれたりしたら、もうそれだけでヤバイ。
私自身は普通の人間と変わらないんだから。
女「魔物は好戦的だって言うし…」
もちろん確実にトラブルに巻き込まれるわけじゃないけど…。
安価>>138
1 町中を突っ切る
2 大回りする
2
女「やっぱり人目を避けていこう」
集落の賑わいを外れて、大回りで行くことにする。
森のすぐ近くを通っていく。
ちょうど木立の中へ足を踏み入れたときだった。
?「ギャアアアーーーッ」
女「ッ…」ビクッ
?「……ああぁ、ああああ」
女「な、なに……?」
森の茂みの向こう。耳をつんざく悲鳴はだんだん弱々しくなっていく。
恐る恐る茂みへ近づく。
本能的な危機感。足音を消し、慎重に太い樹木の陰に移動する。
次第に…ピチャピチャと水音が聞こえてくる。
髭面「たすけ、助けて、あッ…が、がッ……」
ブチッ…グチッ……ガッガッ…
髭の濃い中年の男性が地面に倒れている。
そのそばで、うずくまる影。
ガツガツと何かにむしゃぶりつく女の後ろ姿があった。
女「な…なに……してるの?」
ブチブチ…クチャクチャ…
ボイン「ふーッ……満腹」
ボイン「けど、やっぱりおっさん肉は筋張って固いわねえ。臭味も強いし…」
ボイン「あーーーー」
ボイン「若い女の子……食べたいわあ」
女(人を……食べてる!?)
一見普通の女性が、人間の男の首を引き抜いて、真っ赤な血肉に喰らいついていた。
口許から顎の下まで血で染めて。
あんなの人間業じゃない。
女の細腕で人間を紙みたいに引き裂くなんて。
殺人。屍食。
人間じゃない。――魔物。
《グール》だ。
パキッ
あまりに凄惨な光景に、後ずさりした足が小枝を踏んづけてしまう。
女「……ッ」
思わず両手で口を塞ぐ。
そんなことをしても意味がないのに震える手で必死に押さえる。
ボイン「あらぁ?」
ボイン「いまの。なにかしら…」
ボイン「……おいしそうな匂い」ペロ
ボイン「どこかしら」クルリ
ボイン「どこにいるのぉ?」ザッザッ
ボイン「ねーえー。出てらっしゃいよう」メキメキ
一直線に隠れた茂みへ向かってくる。
乱暴に振り払われた藪や枝が、猛獣が通った後のように折れていく。
女「う、あっ…」
逃げなきゃ。
見つかった。見つかってる。
なのに身体が動かない。
まだピクピクと痙攣してる、殺された男に目が釘つけになったまま。
食べられる。私も。
あんなふうに。
女「ッ!」
安価>>145
1 背後へ逃げ出す
2 逃げたと見せかける
2
2
すみません寝落ちしてました
おはよ
支援
面白いな
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