-モバP営業帰り-
P「はあ……」パタパタ
P「あっついなあスーツ」パタパタ
P「……」マジマジ
P「だいぶくたびれてきたなーこのスーツも」
P「そろそろ新調するか……っと」
P「今日は事務所帰ってからミーティングがあるんだったな」
P「ミーティング中に食うおやつでも買って帰るか。ま、コンビニスイーツだけど」
>イラッシャーセー
P「適当に。これとこれとこれと、これっと」ポイポイ
>アザーシター
P「これでよし。さてと、帰ってもう一仕事がんばりますかね」
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ガチャ
P「ふーうただい」
奈緒「卯月! そっちだ! そこにいる!」
卯月「えっ私の近く!? どこ、どこどこ奈緒ちゃん!?」
奈緒「ってああいやこっち来た! よっしゃ来い!」
P「ま……」
卯月「あ、あれ? でもこっちにもいるよっ!?」
奈緒「マジか!? じゃ、じゃあ卯月、そっちのは任せるよ!」
卯月「お、おっけーです! 卯月、がんばります!」
奈緒「さーもう観念しろー……てい! えい! そりゃ!」パチン!パチン!パチン!
卯月「しゃ! とー! やー!」パチン!パチン!パチン!
P「……」
奈緒「ちっくしょ……この! このこのこの!」パチンパチンパチンパチン
卯月「ふぬ! ぬん! んお!」パチンパチンパチン
奈緒「だ、ダメだ……かすりもしねぇ……」ゼエハア
卯月「…………っ」ゼエハア
奈・卯「なんて、すばしっこい……」ゼエハアゼエハア
お
P「お、おっすお疲れ。ただいまー」
奈緒「うわっ! Pさん!」ゼエハア
卯月「お、お帰りなさいPさん……」ゼエハア
P「2人して……何? 創作ダンス?」
奈緒「ち、違うよ! 何ちょっと冷たい目で見てるんだよ!」ゼエハア
卯月「蚊が、蚊がいるんですよ~……」ゼエハア
P「なんだ蚊か」
奈緒「ちょ、『なんだ』じゃないって!」
卯月「そうですよー! 私も奈緒ちゃんも、2か所もさされちゃったんですから!」
P「ん、ほんとか」
奈緒「あたしなんか顔面さされたんだぞ!」
P「な、それはよくないな……」
P「でも、見た感じ特に赤くなったり腫れたりしてなさそうだけど……」
奈緒「いや、よく見てくれよ! ここだよほら」
P「ん? いや悪い、やっぱりよくわからない」
奈緒「いやだからここ! 左の眉毛んとこ!」チョイチョイ
P「ん、眉毛? あ、うん……うん……」
奈緒「な? 赤くなってるだろ?」
P「うん……あの、さ」
奈緒「? なんだよ」
P「……奈緒って眉毛、ふさふさだからさ。ほとんどわかんないわ」
奈緒「は!?」
卯月「ウフッ」
奈緒「卯月!?」
卯月「ご、ごめん……ウフフ」
P「まあよく見ると確かに赤いけど……そんなに目立たないし、気にするほどじゃないかもしれないな」
卯月「だ、だから奈緒ちゃん……私もそう言ったじゃない……フフッ」
奈緒「く、くっそー……眉毛剃ってやろうかな……」
P「なんでお前はあえて墓穴を掘ろうとするんだよ……」
卯月「いっそさらに太くしちゃえば完全に隠れるんじゃないかな?」
奈緒「あ、そっか! そうすりゃ完全に隠せるしあたしのアイデンティティーも消さずに済んで一石二鳥ってんなわけないだろ!」
卯月「それにしてもどこ行っちゃったかなー蚊さんってば……2匹いるなんて思わなかったな」ムー
奈緒「乗ってやれば放置かよ! ……まあでも、実際それだよな。切実だよ」
卯月「退治しとかないとですよー」
奈緒「だな。あたしたちの安息のためにも」
卯月「よしっ」キリッ
奈緒「おう」キリッ
P(お、仕事前みたいな顔になってる)
卯月「蚊さーんどこにいますかー」キョロキョロ
奈緒「蚊ー出てこーい」キョロキョロ
P(蚊取り線香セットしとこうか)
卯月「どこ行ったんですか……?」ギョロ
奈緒「さっさと出てこいって……」ギョロ
P「!?」
卯月「……」ギョロッギョロッ
奈緒「……」ギョロッギョロッ
P「……」
卯月「…………」クルッサッギョロギョロ
奈緒「…………」クルッバッギョロギョロ
P「……あのな」
卯月「なんですかPさん」ギョロ
奈緒「気を散らさないでくれよ」ギョロ
P「……2人とも怖いって」
P「新鮮な肉を求めるゾンビみたいになっちゃってるって。見てるこっちが胸が痛むよ」
卯月「あ……」
奈緒「う……」
P「さされてイライラするのはわかるけど、とりあえずちょっと落ち着こう。ほら座って座って」
奈・卯「はーい……」
P「ひとまず気休めにしかならないかもだけど、蚊取り線香焚いとくから」
卯月「蚊取り線香かあ……」
奈緒「……」
P「ああ、ところでさ」
卯月「? どうしましたPさん」
P「美嘉はまだ来てないのか? あいつもミーティング参加するはずなんだけど」
奈緒「あれ? そういやそうだ。さっきまでいたんだけどなあいつ」
卯月「あ、美嘉ちゃんはさっき、Pさんが帰ってくる少し前に……」
卯月「蚊がいるってわかってる部屋なんかで寛げないしー。アタシは仮眠室にこもるねー★」
卯月「って言って、出てっちゃいました」
P「なんかどこかで聞いたようなセリフ……あいつ無事かな……」
奈緒「美嘉……逃げやがって……」
卯月(渾身のモノマネ、誰も触れてくれないんだね……結構自信あったのに……)シュン
P「まあ、来てるんならいいや。じゃ2人とも、俺はまだ仕事あるから、ミーティングの時間まで喋るなり遊ぶなり」
P「怖い顔にならない程度に蚊を追うなり、自由にしてなさい」
卯月「はーいっ、Pさん!」
P「いい返事だ。そんじゃ、そういうことでな」
スタスタ……
奈緒「……って言われてもなあ」
卯月「のんびりぐでーってわけにもいかないよねー……安心できないもん」
奈緒「まあ確かに、さっきはちょっと必死すぎたかもしれないけどな」
卯月「うん、私と奈緒ちゃんと美嘉ちゃんのだんらんに水を差されちゃった感じがしたから……」
奈緒「だよなあ。ま、ちょっと大人しくしとこうよ。Pさん蚊取り線香焚いてくれたみたいだし」
卯月「……蚊取り線香って聞くと」
奈緒「ん?」
卯月「……最近凛ちゃんの蚊取り線香トークがすごくて」
奈緒「あ、卯月にもか」
卯月「奈緒ちゃんも?」
奈緒「ああ……あれだろ? 蚊取り線香が蚊を仕留める瞬間に立ち会って感動したってやつだろ?」
卯月「そう」
奈緒「動画つきで詳細に解説してくるあれだろ?」
卯月「うん」
奈緒「あたしあの動画もう5回は見たよ。加蓮と一緒に」
卯月「私もたぶん同じくらい……」
奈緒「よっぽど嬉しかったんだろうなあ凛のやつ」
卯月「だろうね……凛ちゃん、たまに子どもっぽいところあるし」
奈緒「ああ。それがかわいいからいいんだけどな」
卯月「あはは、そうだよねっ。かわいいとこあるなって思う」
奈・卯「…………」
奈緒「あの動画ってさ」
卯月「なあに?」
奈緒「1時間ぐらいあるだろ」
卯月「そうだったね」
奈緒「少なくとも1時間、あの蚊は蚊取り線香に耐えたってことだよな」
卯月「たぶん」
奈緒「……気の長い話だよな」
卯月「アナログな感じがするよね……」
奈緒「……やっぱりさ」
卯月「安心できないかも……」
奈緒「かと言って、またPさんにゾンビみたいとか言われんのもやだしな」
卯月「うん。さすがにちょっと疲れちゃいましたし」
奈緒「でものんびりお喋りとかしてたら、またさされるかもしれないよな」
卯月「気は抜けないっ」
奈緒「うーんジレンマだなあ」
卯月「……あ! 奈緒ちゃん、こうしましょう!」
奈緒「お、何? なんか妙案ありか?」
卯月「私と奈緒ちゃん、お互いを見張りあいましょうっ」
奈緒「お? ど、どういうこと?」
卯月「自分の周りってよく見えないけど、他の人ならよく見えるじゃないですか?」
卯月「私と奈緒ちゃん、割とさされやすいほうだと思うから、じっとしてたら蚊のほうから寄ってくるはず」
奈緒「ほうほう」
卯月「だから、私はこの、奈緒ちゃんの正面の位置から奈緒ちゃんの周りを見張って」
奈緒「あたしは卯月の周りを見張る、か」
卯月「はいっ。どちらかに蚊が寄ってきたら、チャンスターイム!」
奈緒「すかさずパチン! ってか。なるほど、いいかもな」
卯月「蚊を必死で探すんじゃなくて、あくまでお互いを見あうだけだから、怖い顔になることもないと思います」
奈緒「よっし。じゃあ早速作戦開始だな」キリッ
卯月「おっけーです!」キリッ
奈緒「……」
卯月「……」キリッ
奈緒「…………」
卯月「…………」キリリッ
奈緒「……フフ」
卯月「!? 奈緒ちゃん何笑ってるんですか!」
奈緒「わ、悪い沈黙に耐えられなかった。いつもニコニコの卯月の真顔が逆に面白くてフフ」
卯月「奈緒ちゃん失礼ですよー! だいたい顔ばっかり見てちゃダメですよー。適度に周りを見ないと」
奈緒「悪かったって。ったく結構厳しいよな卯月は」
卯月「奈緒ちゃんがしっかりしててくれないと、私がさされちゃうかもしれないんですからねっ。はいやり直しっ」
奈緒「おう」
奈緒「……」キリッ
卯月「……」キリッ
奈緒「…………」キリッ
卯月「…………」キリッ
P(……? あいつら今度は何? 朝青龍の土俵入りみたいな顔して)
奈緒「……」キリッ
卯月「……」
卯月「……」ヘニョッ
奈緒「!?」
卯月「……」キリッ
奈緒「……?」
卯月「……」キリッ
奈緒「……」
卯月「……」ヘニョーン
奈緒「ブフフフフってこら卯月ぃ! 笑わせんなよぉ!」
卯月「ごめん私も真顔がキープできなくなっちゃって……えへへ」テヘ
奈緒「だからってフフ変顔すんなよブフフ……もう、ただのにらめっこになっちまってるじゃねぇか」
卯月「ほんとだね。こんなんじゃダメだ奈緒ちゃん! 真面目にやろ真面目に!」キリッ
奈緒「真面目にやりたいんだよあたしも……」
卯月「……」キリッ
奈緒「……」キリッ
卯月「……」キリリッ
奈緒(やられっぱなしってのもなんかな……)
奈緒(でも変顔とかしたことないし……)
奈緒「……(こんな感じか?)」ベチョロンチョ
卯月「!?」
奈緒「……(お、効いてんじゃないかこれ?)」ベチョロンチョ
卯月「……グ」
奈緒「……(ほっぺた膨らまして堪えてる! あと一息!)」ベチョロンチョ
卯月「……!」ピコン
奈緒「……(なんだ? 『閃きました!』の顔しやがった)」ベチョロンチョ
卯月「……」ゴソゴソ
奈緒「……(スマホを取り出して……?)」ベチョロンチョ
卯月「♪」パシャ
奈緒「」
卯月「送信♪」
奈緒「のおおぉぉぉおおおぉおぉおぉぉ!?」
卯月「素敵な写真が撮れましたー♪」
奈緒「卯月! どこだ! どこに送信しやがった!」
P「睨みあったりスマホ奪い合ったり。楽しそうだなあ」
奈緒「卯月っこらっ見せろっ」ブンブン
卯月「あっPさん。お仕事片付いたんですか?」ヒョイッサッ
P「まだ。2人にお茶とおやつを持ってきただけ。ほら、どうぞ」
卯月「わあ、ありがとうございます! これ、水ようかんですか?」
P「うん。今日出先でいただいてきた」
卯月「いいんですか? 食べちゃって」
P「いいよ、別に俺のじゃないし。お菓子冷蔵庫に入れといたらだいたいいつの間にかなくなってるし。早い者勝ちってこと」
卯月「あはは、確かにそうかも。じゃあ、いただきまーす♪ ほら、奈緒ちゃんも食べましょう」
奈緒「その前に……スマホを見せろって……」ゼエハア
P「また息切らしちゃってこの子は」
卯月「さっきのは冗談ですよ奈緒ちゃん。どこにも送信してないし、写真自体撮ってないですから」
奈緒「ほ、ほんとか? でもばっちりシャッター音が」
卯月「あ、この水ようかんおいしいですPさん!」モグモグ
ガチャ
P「お? もう一人の主役が帰ってきたんじゃないか?」
??「……」ムッスー
P「顔」
卯月「あ、美嘉ちゃーんおかえりー!」モグモグ
美嘉「……」ムッスー
P「美嘉お疲れ」
美嘉「……プロデューサーお疲れ」ムッスー
P「美嘉さんはどうしてそんな不機嫌そうな顔をしているの?」
美嘉「……仮眠室でさ」
P「仮眠室で?」
卯月「おいしー♪」モグモグ
美嘉「蚊にさされたんだけど」ムッスー
P(期待を裏切らん子だなあ……)
美嘉「3か所も」ムッスー
卯月「あらら」モグモグ
奈緒「プッ。あたしと卯月よりさされてやんの。逃げたくせに」
P(期待を越えていく子だなあ……)
美嘉「マジむかつくんだけど。蚊いすぎでしょ」
卯月「そういう時期なんですよ美嘉ちゃん」
奈緒「ま、そうだよな。あんまり目くじらたててたらキリないのかも。あたしもようかん食べよ」
美嘉「あんたたち何悟っちゃってんの……あのさ、プロデューサー」
P「ん、何?」
美嘉「ここって断然女子が多いオフィスじゃん? 虫とかそういうの、もっと気をつけたほうがいいと思うんだよね」
美嘉「アイドルが虫さされいっぱいしてたらさ、『管理ができてない事務所』って思われちゃうかもしれないっしょ」
卯月「で、でも美嘉ちゃん! Pさん、蚊がいるって言ったらすぐに蚊取り線香焚いてくれましたよ!」
美嘉「……うーん、それがさ」
美嘉「古くない? 蚊取り線香とか」
美嘉「凛の蚊取り線香トーク、あたしもう6回聞いてるけどさ」
卯月(私より多い……)モグモグ
奈緒(上には上がいるな)モグモグ
美嘉「蚊一匹落とすのに1時間かかってんじゃん」
P「……」
美嘉「それは置いといてもさ。けむりと匂い。これ女子メインのオフィスじゃ致命的っしょ」
P「……」
卯月(あれ? もしかして今って気まずい空気ですか?)ヒソヒソ
奈緒(もしかしなくてもな。ようかんが味しないよ)ヒソヒソ
P「……美嘉」
美嘉「何?」
P「ありがとうな。はっきり言ってくれて」
美嘉「え?」
P「一応上に具申はしてるんだ。どうもこのビル、立地的に蚊が多いってのはあるみたいなんだけど」
P「アースノ―マットとか蚊にきくカトリスを使うとか、業者を頼むとかな」
P「でも業者を呼ぶなんてのは費用もかかってくるし」
P「液体系のやつは稀に頭痛やめまいを催したりする人もいるらしいっていうから」
P「たくさんの人間が出入りするここで使うのはどうかって話になってて」
美嘉「……じゃあ」
卯月(美嘉ちゃんの表情がちょっと晴れました)モグモグ
奈緒(デレる一歩手前くらいだな。ようかんがうまくなってきた)モグモグ
P「こんなんだらだら話しても仕方ないけど。一応今できることはやってるつもりなんだ。この、蚊取り線香でな」
美嘉「プロデューサー……」
卯月「そっか……あの蚊取り線香はプロ上層部に対するPさんのささやかな抵抗なんだね……」シミジミ
奈緒「そんなたいそうなもんなのか?」
P「においについては……今日はバラの香りにしてみたんだ」
美嘉「バラ? ふーん、そんなのもあんだね。ま、まあ、アタシにはやっぱ煙たい匂いにしか感じらんないけど」
P「だよな。俺もバラではないと思うよ」
美嘉「まあ、その……ちょっと八つ当たりしちゃったかもね。ごめんプロデューサー」
P「いいよ。アイドルもこう言ってますって、上に迫る材料になるしな」
卯月「さあさあ美嘉ちゃんもこっち! 改めて3人で歓談しましょーっ」
奈緒「歓談って。どこのパーリーなんだよ」
美嘉「あ、そだねー★」
卯月「やっと★が帰ってきた!」
P「はい美嘉にもお茶と水ようかん」
美嘉「おおあんがと★」
P「じゃ、俺まだ仕事あるから」
スタスタ……
美嘉「おいしそー……ってさ」
美嘉「この部屋にもまだ蚊がいることには変わりないよね?」
奈緒「あ! そういやそうだった!」ハッ
卯月「すっかりくつろいじゃいました……お茶とようかんで癒されちゃって」
美嘉「まずいっしょ。アタシこれ以上さされんのとか耐えらんないよ」
奈緒「卯月、もっかいさっきのやるか」
卯月「さっきの? あ、やっちゃいますか? でも3人でどうやるの?」
奈緒「簡単だよ。あたしは美嘉を見る。美嘉は卯月を見る。で卯月があたしを見る」
卯月「あ、そっか。三角関係ですね!」
奈緒「それで納得すんのやめろ。なんか違うから」
美嘉「いやいやアタシ置いてけぼりだから。一から説明してよその、さ、三角関係? について」
卯月「あ、うん! えっとね、私が奈緒ちゃんを見て、奈緒ちゃんは美嘉ちゃんを見てー」
奈緒「それはさっきあたしが言ったことを繰り返してるだけだな? 視点が変わっただけだな?」
卯月「え、あ、そっか。んーとね」
奈緒「もういい。あたしが説明する」
美嘉「うん、お願い……」
卯月「わかりやすく言うと三角関係なんですよっ」
奈緒「こじれるからやめろ! かくかくしかじかなんだ」
美嘉「なるほどねー★ それはいいかも」
奈緒「始める前からなんでこんなに疲れるんだよぉ……」
卯月「それじゃ改めまして」キリッ
奈緒「おう」キリッ
美嘉「あ、もう始まった感じ?」
卯月「……」キリッ
奈緒「……」キリッ
美嘉「……」
奈緒(視線が絶対合わない分、こっちの方が集中できるな)
3人「…………」
P(……美嘉も混ざって今度は何を始めたんだ? もうわからん……女の子ってほんとわからん)
美嘉「……! 卯月っ」
卯月「!? ど、どうしたのっ? 蚊!? 近くにいるの!?」キョロキョロ
美嘉「……ごめんほこりだったっぽい」ペロ
卯月「むー。美嘉ちゃんふざけちゃダメですよー」プク
美嘉「ほんとに見間違ったんだってばー★」
卯月「んもー」
奈緒(絶対やると思ったよ)
卯月「……!? あ! 奈緒ちゃん! 奈緒ちゃん!!」
奈緒「え? 何だよ?」
卯月「います!」
美嘉「……?」
奈緒「な、蚊か!? あたしの近く!?」
美嘉「! マジだよ! いるいる! 近くっつーか……」
卯月「もう奈緒ちゃんにとまっちゃってます」
奈緒「は!? ど、どこ? どこどこ?」キョロキョロ
美嘉「奈緒のチャームポイントの」
卯月「右の眉毛のあたりに……」
奈緒「くっそおおおおおお!」バシン!
蚊「ヒラリ♪」
美嘉「あ」
卯月「逃げちゃった」
>プーン♪
奈緒「痛ってぇし……」
美嘉「あーあ絶好の機会だったのにねー」
卯月「まさか逃げられちゃうなんて……」
奈緒「……なんだよ。あたしが悪いみたいな言い方だな」
卯月「あ、そういうことじゃ」
美嘉「べっつにんなこと言ってないじゃん」
奈緒「元はと言えば美嘉がいらねぇことして卯月があたしから目を離すことになったから悪いんじゃないのかよ」
美嘉「つーかさ、目の上に蚊がとまったら普通気づかない? 目の周りってビンカンだって言うじゃん」
卯月「な、奈緒ちゃんだったら気づかなくてもおかしくないですよ!」
奈緒「は?」
美嘉「どゆこと?」
卯月「だって……奈緒ちゃん眉毛ふさふさなんですから!」キリッ
奈緒「は!?」
美嘉「……」
卯月「ふさふさ眉毛にとまられちゃったらいくら肌がビンカンでもきっとわからないです!」キリッ
美嘉「……」チラッ
奈緒「~~」プルプル
卯月「……」
美嘉「フフフ」
奈緒「!」
美嘉「ま、そうだね。奈緒は眉毛ふさふさなんだし仕方ないかー★」
奈緒「なんで納得するんだよ! 仕方なくねぇよ!」
美嘉「うりうりふさふさ眉毛★」ボサボサ
奈緒「おいこら! 触んな荒らすな!」バタバタ
卯月「対話に成功。私たちは再びわかり合うことができました!」ニパッ
美嘉「それにしても蚊のやつ。さすだけじゃなく女の友情にひび入れようとするなんて」ゴゴゴ
卯月「はい、もう許せません」ゴゴゴ
奈緒「だな」ゴゴゴ
卯月「絶対私たち3人で退治しましょう!」
美嘉「卯月、奈緒。円陣組むよ」
奈・卯「よし!」ガシッ
3人「打倒! 蚊! おー!」
>パシン!
P「お、やった」
3人「……?」
P「おーいみんな喜べ。蚊一匹はたき殺したぞ」
3人「……」
3人「がっくー」ヘタリ
P「なんでっ!?」
美嘉「ったくプロデューサーもうちょい空気読んでよー。アタシたちの団結が」
美嘉「……あれ? これって……」
美嘉「ここにも蚊が落ちてる……」
美嘉「プロデューサーが退治したのとは別のやつ?」
美嘉「じゃあ、こいつは蚊取り線香が効いて落ちた、ってこと?」
美嘉「…………ふーん」
美嘉「ま、やるときゃやるんだねー蚊取り線香も……ふーん……」
美嘉「ふ、古いとか言っちゃったけどさ……その」
美嘉「ちょっとぐらいは頼りにしてもいいかもって……うん……思ったよ」
美嘉「……///」
奈緒「美嘉のやつ何してんだあれ?」
卯月「私たちより出番が少なかったから最後に自己アピールしてるんじゃないかな?」
奈緒「ああなるほどな」
金○の夏、日本の夏。
という感じでおしまい
乙
生まれ変わったら蚊になって飛鳥に潰されて生涯を終えたい乙
乙。
キ○チョーもいいけどアー○もね
香りつきのニュアンスは伝わるけどなんとなく違う匂い
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