艦これのえすえす (35)
書き殴りっぽい。
脈絡ないっぽい。
オムニバスっぽい。
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「ねー、じろじろ見られると集中できないんですけどー」
「あ、ああすまない、気を付けるよ」
本日の秘書艦が軽く顔をしかめている。どうやら短くない時間、彼女を眺めていたらしい。
「鈴谷の顔になんかついてる? あ、それとも……鈴谷に見惚れてたっしょ?」
ニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべる彼女は、人をからかうのが好きだ。
「最近、悩んでいることがあってな。ぼーっとしてたんだ」
「あれ、そうなんだ。鈴谷を見てたんじゃないんだね……」
これ見よがしにため息を吐いて、大げさに落ち込んだ素振りを見せる。
「最近、鈴谷のことが頭から離れなくてな。どうすればいい?」
「なっ……ナニ言ってんの提督!? からかわないでよ、もー!」
「真面目に悩んでるんだけど」
「なっ、なんなの……いきなりそんなこと言って、もう……」
「すまない、困らせちゃったか?」
「あったりまえじゃん! いきなりそんな……告白みたいなこと言われたら、誰だってびっくりするっしょ!?」
「ちょっ、近いよ鈴谷……」
「何これくらいで恥ずかしがってんの? あんなこと言われた鈴谷の方が、よっぽど恥ずかしいってば……」
「いや、そんなつもりじゃなかったんだ、本当に」
「そういう問題じゃないじゃん……鈴谷に同じこと言われたら、どう思う?」
「えっと……からかわれてるなって」
「いつもの鈴谷じゃなくて、マジな鈴谷が言ったら?」
「それは……ドキッとするかもしれん」
「でしょー? 提督、想像力無さすぎじゃん……」
「いやー、田中少将は本当いいよねー」
「……ん、提督。どうかしたか?」
「悔しい」
「何だ? またセクハラに失敗したの?」
「田中少将に勝てなくて、悔しい」
「へ? 何、ライバル視してたんだ。初耳だな」
「長波の一番は田中少将だもんな」
「はぁ? いきなり何言ってんだよ……」
「どうせ女々しくて情けない提督ですよ、俺は」
「よくわかんねーけど……今のあたしには、あんただけだぞ」
「いいよ、無理しなくても……」
「提督、本当、女々しいぞ……」
ケッコンしたのに多聞丸ばっかりの飛龍ちゃん
期待
長波、五十鈴、飛龍は嫉妬してしまうな。
「……じろじろ見てんじゃないわよ、このクズ!」
「気にしないでいいよ。お構いなく」
「気が散るったら! 用が無いなら消えなさいな!」
「用事ならあるってば」
「な、なに近寄ってきてるのよ!」
「抱っこさせて」
「はぁ!? 気持ち悪いったら! ○ねば!?」
「可愛い霞を抱っこしたいんだ」
「そ、そんなに目を見るんじゃないわよ……クズ」
「いつもと言ってることが違うぞ」
「うるさいったら! ……か、勝手にすればいいじゃない!」
「じゃ、遠慮なく……」
抱き寄せると、張り裂けんばかりに鼓動が脈打っている。
「あーもう、本っ当に迷惑だわ……」
「扶桑姉様? ……なんだ、提督か」
明らかに落胆の表情を浮かべている。いつものことだが。
「山城ひどい、俺はこんなに愛してるのに」
「き、気持ちはありがたいですけど、私には姉様がいるので……」
申し訳なさ半分、迷惑半分といった顔。
「二番じゃダメなんですか?」
「え?使い方間違ってますけど、それ……」
「ローテの二番手でいいから! いや、それも贅沢というなら、敗戦処理でもいいから!」
「何の話をしてるんですか……私は姉様一筋ですから、二番目はありませんってば」
恋のマウンドへ、登板機会は来ないのだろうか。片思いは続く……
フタフタマルマル、今日の仕事も、もうすぐ終わる。
「電ちゃん、この書類で最後……寝ちゃったか」
適度にサボりながら仕事をする子もいる那珂……偉いものだ。
ずっと気を張って働いてるのを見ていれば、この時間帯にうたた寝していても咎めることが出来ようか。
「今日もお疲れ様、電ちゃん」
そっと、そっと、頭を撫でる。彼女を起こさないように。
しかし、突然、その手は払われてしまった。
寝起きだから機嫌が悪いのは仕方ないか。
次の瞬間、その解釈は、ものの見事に消し飛ばされてしまった。
「気安くさわるな、なのです」
にこりと笑みを浮かべた彼女からは、それとは裏腹に威圧感が出ている。
明らかに普通ではない電ちゃんの様子に、俺は硬直してしまった。
>>9
那珂ちゃんサボってなんかないもん!
その日は、電ちゃんとはそれっきりだった。
優しいという言葉を体現したような彼女が、何故あんな風に……
気にするまいと思いながらも、それは難しいことだった。
次の日、朝一番に部屋を訪ねてきたのは、その電ちゃんだった。
「き、昨日は、大変失礼しましたっ!」
何度もペコペコと頭を下げる姿に、呆気にとられてしまう。
「頭を上げて、気にしてないから」
嘘を吐いた。昨日は中々寝付けなかったというのに。
しかし、これ以上頭を下げられるのは忍びない。
「ほ、本当ですか……?」
「うん。むしろ、電ちゃんに嫌われたんじゃなくて良かった」
「わ、私は司令官さんが大好きなのです!」
「……ありがとう」
救いの言葉だった。心の底から安堵したように感じる。
「でも、その……私『は』、大好きなのですけど……」
プラズマが中に居るのか!
提督「最近、秘書艦の子が変わる度に聞いてみることがあるんだけどな」
榛名「何でしょうか? 何でも聞いて下さい、榛名は大丈夫ですから」
提督「じゃあ聞こうか。純愛って何だろうな?」
榛名「純愛……ですか。そうですね……」
提督「そんな立派な答えを求めている訳じゃないからな。榛名が思う答えでいいんだ」
榛名「榛名が考えるのは……意中の相手が、女性と一緒に歩いているのを見かけて、それが恋人、もしくは伴侶だと分かったら、彼に憎しみを抱く前に自ら命を絶つ……のが純愛でしょうか」
提督「そ、そっかぁ……そういうのもあるかぁ……(おいおい、予想外にすげー重いの来ちゃったよ!)」
榛名「ちなみにですけど……」
提督「ま、まだあるのか?(勘弁してくれぇ……!)」
榛名「榛名は、そういう気持ちを、提督に持っています///」
提督「う、嬉しいなぁ……ちょうど恋人居ないしな、あはは……」
榛名「承知してますよ。あの、恋人が出来たら、教えて下さいね?」
提督「いやー……その心配は無いと思うヨ、あはは……」
乙 榛名さん怖ぇ~
そして鈴谷の話の続きがみたい
>>14
特に続きを考えていなかったのですが
どんな感じのがいいでしょうかね?
伊19「てーとく! じゃあ、ちゃんと時間通り来てね、なの!」
提督「ああ、わかってる。後でな~」
伊58「後でち~」
イクをはじめとする潜水艦ズと、飲みに行く約束をしてしまった。
勿論、嫌という訳ではないけれど……問題は、仕事が終わるかどうかだ。
熊野「ねえ、提督も大変ですわね、毎晩毎晩……」
提督「そういや、ここ最近、毎晩飲んでる気がするなあ……」
しかし断れるのも気が引けるし、何より彼女たちとのお酒は楽しいものだ。
しおいにこっそり『このジュースおいしいよ~』ってお酒飲ませたいし……。
素直なしおいはゴクゴク飲んで、簡単に酔っちゃって、そしたら……うへへ。
そう思うと、仕事を片付けようとする手も、一段と速くなる。
熊野「私たちとの時間を大切にしてくださるのは嬉しいけれど……」
熊野「無理してまで付き合ってくれなくても、大丈夫ですわよ」
熊野「昨晩、あまり寝ていないのでしょう?」
確かに昨日は、マルヨンマルマルに帰って来て、一時間後には秘書艦の熊野と顔を合わせた。
提督「……熊野が心配してくれる日が来るなんてなあ……おじいちゃん感動!」
熊野「誰がおじいちゃんですの、まったく……」
ここへの着任当初はツンツンした高飛車お嬢さまだった熊野。
熊野「他に心配する人が少ないんですもの。仕方なく、ですわ」
艦娘の数は百を超える。皆、一癖も二癖もある子たちばかりだ。
その中でも、『良心』と呼べる存在は、多くない。
ゆえに熊野は、他の子に振り回される僕を、気の毒に思っているようだ。
提督「それでも嬉しいよ。ありがとうな、熊野」
熊野「そ、そんなことより、仕事を続けたほうがいいですわよっ」
ぷいっとそっぽを向いて、顔が見えなくなる。
けれども、どんな表情をしているかは、手を取るように分かる。
いまや『高飛車ツンツンお嬢様』ではなく『ツンデレ重巡』。
今の彼女の半分は、優しさで出来ているのだ。
提督「あ、朝潮ちゃん、お尻にごみついてるよ」
朝潮「本当ですか? どのへんでしょうか……取れました?」
提督「いや、取れてないよ。取ってあげるね」
朝潮「はい、お願いします」
まったく朝潮ちゃんは警戒心が薄いなあ。
……うん、小ぶりだけど、引き締まっていて素晴らしい。
朝潮「あの、司令官、取れましたか?」
提督「いや、なかなか取れないんだ」
朝潮「そうですか……では、もう少し待ちますね」
他の子だったら、ビンタの一つも飛んでくるのに、疑いもせずこの子は……
嗚呼、なんだか良心の呵責が……でも触りたい、触る。
割れ目……は不味いか、流石に。
しかし……いやらしく撫でても、ぴくりともしないな。
エロいことに無頓着というか、そういう概念が無いのかもなあ……
スカートの上から撫でるのもいいけれど、那珂も見たい。
あさしおぱんつは、どんなのかな~……
と、少し行為がエスカレートしそうになった時だった。
瑞鳳「あっ! 提督がセクハラしてる!」
提督「げえっ、瑞鳳!」
ちっ、なんと間の悪い……作戦は中止か、はぁ。
瑞鳳「大丈夫? 嫌だって、ちゃんと言った方が良いわよ?」
朝潮「いえ、司令官はごみを取ってくださっただけですから」
瑞鳳「え、嘘! 提督、お尻を触る口実でしょ!?」
提督「い、いや、その……」
万事休すか……づほの奴、本当に余計な事を……
朝潮「瑞鳳さん、ごみ、まだ付いていますか?」
瑞鳳「えっ? や、付いてないけど……」
朝潮「では、私はこれで失礼します」
瑞鳳「元々付いてなかったんじゃないの……?」
怪訝そうにじろじろとこちらを見る瑞鳳。
当の朝潮ちゃんは、颯爽と部屋を出ようと歩く。
朝潮「あ、司令官。言い忘れました」
提督「な、なんだい?」
朝潮「また、ごみが付いていたら、取ってください」
その表情は、魔性の笑みなどではなく、
いつもと同じ凛とした彼女のものだった。
提督「う、うん。勿論だよ」
オーケーサインってことなのだろうか……?
いや、純粋無垢な彼女がそんなまさか……
瑞鳳「ねえ、本当にごみを取ってただけ?」
提督「……ああ、そうだよ」
瑞鳳「なんか怪しいなぁ~……」
どちらにせよ、俺は決めた。
彼女の純情さにつけ込むのは、やめよう。
堂々と、触らせて、って言おう」
提督「あっ……」
瑞鳳「て~い~と~くぅ~!!?!?」
この後めちゃくちゃお説教された。
○くまりん(こ)(熊野)
あしがラウンダー「重巡最上、鈴谷、熊野の三名を確保して」
最上「み、三隈は……?」
あしがラウンダー「重巡三隈は……必要ない」チャキッ
熊野「やめて……やめてくださいまし……!」
あしがラウンダー「オミアイオミアイオミアイ……」
あしがラウンダー「……」パァン
三隈「」ドサッ
最上「み、みくま……」
三隈「」
最上「なんだよこれ……なんだよこれえっ!!!」
あしがラウンダー「……」
バァン!!
陸奥「……」チャキッ
あしがラウンダー「……!」チャキッ
鈴谷「むっちゃん……?」
陸奥「41cm……第三砲塔……点火済み……!」
熊野「!」ダダダッ
あしがラウンダー「!」チャキッ
鈴谷「熊野!!」
熊野「私が行きますわ!」
鈴谷「でも、もし失敗したら!!」
熊野「早くしてくださる!?」
鈴谷「タイムリープしてもいいの!? ねえ、熊野!? あっ……」パァン
熊野「(鈴谷さん!!)くっ……とぉぉぉぉぉぉぉぉぉ↑↑う!!」
○じゅうじゅんなくちくかん
提督「朝潮ちゃんって、従順だよね」
朝潮「? いえ、私は駆逐艦ですが」
提督「うん、従順な駆逐艦だよね」
朝潮「? あの、おっしゃる意味がよく分かりません」
提督「じゃあ、少し考えてみようか」
朝潮「は、はい、わかりました」
従順という言葉を知らない、という訳ではないと思う。
自分と、従順と言う言葉が、結びついていないのだろう。
そして、しばらく唸っていた彼女がやっと口を開く。
朝潮「もし違っていたら、恥ずかしいのですが」
何故だか、恐る恐るといった様子だ。
朝潮「私を重巡のように頼りになる、と思ってくださっているということでしょうか」
提督「いや、違うよ」
朝潮「そ、そうですよね、大変失礼しました!」
しょんぼり朝潮ちゃん。
予期せずとも、あげて落とす形になったし、そうなるよな。
提督「さっきのは、朝潮ちゃんは素直でいい子だなーってことだよ」ナデナデ
朝潮「あ……すみません、勝手に勘違いしていました」
提督「でも、頼りにしてるのは本当だよ。いつも頑張ってくれて、ありがとう」ギュー
朝潮「い、いえっ! あしゃしおは……」
提督「ふふっ……」
朝潮「は、恥ずかしいです……」ムギュー
○提督さんと最上型重巡さんと
提督「はぁ~……おっぱい揉みたいな~」
三隈「提督、欲求不満ですの?」
最上「まー提督も男の子だからね、しょうがないよね、わかるよ」
提督「おっぱい大きい彼女でもいれば、いつでも触りホーダイなのになぁ」
熊野「それは違いますわ!」
三隈「提督はひょっとして、彼女ならいつでもお触りオッケーだと思っていらっしゃるのかしら?」
提督「え? そうじゃないの?」
鈴谷「きんもーっ☆」
最上「いかにも、DT丸出しの考え方だね、あはは」
熊野「一つ勉強になりましたわね、童貞さん?」
鈴谷「あっ、提督の近くに居たら、なんかヌメヌメするぅ~」
提督「ひ、酷いよ鈴谷!」
鈴谷「キャー! 襲われるー! 逃げろー!」
提督「うわああああああああああああ!!!!」
鈴谷(ま、鈴谷はオッケーなんですけどね♪)
○LOVEずっきゅん
長門「きみ きみ 君は誰 want you わたし艦娘乙女」
陸奥「ラバウル帰りの恋するハイティーン♪」
矢矧「すき すき すき 隙だらけ あいつ発言キッド」
阿賀野「欠かさずつけてる秘密の提督日誌(ダイアリー)」
隼鷹「あれ?あれ?いきなり肝硬変」
伊168「わたし年がら年中 燃料集めて歩くのオリョ―ルを」
伊19「イク」伊8「はち」伊58「でち」三人「うちらが急接近したあの日から」
潜水艦ズ「燃料集めて泳ぐのやめました(労働スト)」
全員「ラブ ラブ ラブずっきゅん♪」
全員「ラブ ラブ ラブずっきゅんだね♪」
全員「ラブ ラブ ラブずっきゅん♪」
全員「提督にほら ラブずっきゅん♪」
提督「若干名うわキツ」
あしゃしお・・・(*´ω`*)ヵヮェェ
○加賀さんはポーカーフェイス
提督「よし、これで今日の分は終わりだ。お疲れ様」
加賀「提督もお疲れ様……いつもより早く片付いたわね」
提督「加賀さんが頑張ってくれたおかげだね」
加賀「いえ、私はいつも通りだったのだけれど……」
提督「いやいや、そんなことないよ。それに、加賀さんが秘書艦だと捗るからね」
加賀「そ、そう……助けになっているなら、いいのだけど」
加賀さんが頑張ってくれているのは、紛れもない事実だ。
しかし実は、今日は俺も本気を出して早めに終わるようにしたのだ。
それも全ては、この後の為の時間を確保するためである。
加賀さんは相変わらずの表情の乏しさだが、よく見ると耳にやや朱が差している。
ポーカーフェイスとは言うけれど、成歩堂、少し分かり辛いだけなんだ。
むしろ、そここそが加賀さんの魅力、と言うべきか。情報提供者、赤城さんに感謝。
提督「ところで、加賀さんの労をねぎらいたいんだけど……良いかな?」
加賀「労を……肩でも揉んで下さるのかしら」
提督「それもいいですけど、ご飯行きましょう。俺の奢りで」
加賀「……ええ、構わないわ。いえ……喜んで、お供します」
居酒屋鳳翔へ向かう道の途中、俺の話を遮って、加賀さんは言った。
加賀「どうして急に誘ってくれたの?」
俺がきょとんとすると、彼女は言葉を続ける。
加賀「その、今まではこんなこと無かったから……驚いたわ」
確かにそれなりに長い付き合いだけれど、ご飯のお誘いは今日が初めてだ。
加賀「何か理由があるのではないの?」
提督「理由は……あるよ。理由というか、動機というか……」
加賀「……何か、話したいことでもあるの?」
ふと、先日の赤城大先生とのやりとりが脳裏をよぎった。
赤城『ああ見えてですね……真っ直ぐな言葉に弱いんですよ、加賀さん。ふふふ……』
提督『そうなんだ……いや、でもそれは赤城さんだからじゃないの?』
赤城『提督が知らないだけですよ、加賀さんの好意を。結構好き好きオーラ出てるじゃないですか』
提督『いや、全く分からないんだけど……』
赤城『鈍いですねえ。いえ、当事者には分かり辛いのかもしれませんね』
赤城『とにかく! 押して駄目、なんてことはあり得ないですから、もぐもぐ……』
提督『は、はい、ご指導ご鞭撻おおきに……(よく食べるなこの人は)』
それを踏まえて、俺が言うべき台詞は……
提督「もっと、加賀さんと一緒に居たかったんだ」
提督「ご飯はその口実っていうだけだよ。本当にそれだけ」
恥ずかし恥ずかし恥ずかし恥ずかしいいいいい!!!!
忘れろ忘れろ忘れろ忘れろおおおおおおおお!!!!!
という羞恥心の爆発をおくびにも立てず、精一杯のスマイルを作る。
加賀「そ、そう……」
ヤヤもすると、無関心にとってしまいそうな台詞だ。
しかし、加賀さんの耳は真っ赤っかだ。さっきの比ではない。なんなら赤城さんくらい赤だ。
もっとも、俺の耳も、いや、顔も、負けないくらい真っ赤なのだろうけど……
加賀さんが照れているという事実、そして、俺が加賀さんを照れさせている事実。
苦しいくらいに胸が締め付けられる、鼓動は加速するばかりだ。
照れ加賀さん可愛すぎるッ!!!!!
加賀「あの、提督……?」
提督「は、はい!? ああ、すみません、ぼーっとしてました、あはは……」
焦りから早口で返答してしまった。明らかに挙動不審だ。
どうやら一時、加賀さんに見惚れていてしまったようだ。
そんなジロジロ見ていたら俺の好意が筒抜けになってしまうじゃないか……
いや、もう遅いか。あんな恥ずかしいこと言ったし……ハハッ、ワロス。
加賀「いきなり誘われて、驚いたのは事実だけれど……」
加賀「嬉しかったわ。ありがとう、不愛想な私なんかを誘ってくれて」
加賀「……中々恥ずかしいものね、気持ちを言葉にするのって」
……駄目だ。気持ちを抑えきれない。なんでこんなに……
提督「好きです」
貴女は俺の心を揺さぶるのでしょうか。
加賀「えっ?」
提督「加賀さんが赤城さんを想う気持ちに負けないくらい、好きです」
―――――――――――――――――――――――――――――
昨日は結局、鳳翔さんの所へ行きはしたものの、ほとんど言葉を交わすことは無かった。
心此処に在らず、心居酒屋鳳翔に在らず。
ま、あんな告白をした後では、そうなっても仕方ないだろうけど、ははは……
……無いわ。あり得ないだろう。大馬鹿者だ。
初めて食事に誘っておいて、いきなり告白?
しかも、食事の後なら百歩、いや百里くらい譲ったら分かるけれど……
食事処に辿り着く前に告白?
……無いわ。『出会って○秒で合体シリーズ』を笑えないレベル。
加賀さんの可愛さがいくら理性を崩壊させるくらいのものだとしても、言い訳にしかならない。
いくら謝っても足りないけれど……ごめんなさい、加賀さん……
加賀『え、あの……』
加賀『本気……ですね……その表情は……』
加賀『……ふぅ』
加賀『私も、提督の好意に応えたいわ』
加賀『愛しています。赤城さんよりも、ずっと、ずっと……』
提督「はぁ……加賀さんマジでかわいいよおおおおおおおおおおおおおおお」
瑞鶴「……何言ってんの、この人」
提督「はっ!? 誰だ!? 瑞鶴、居たのか!」
瑞鶴「今北とこなんだけど……ねえ、私の聞きまつがいよね?」
提督「いや、聞き間違いではないが……聞かなかったことにしてくれ」
なんて言っても、瑞鶴が聞き入れる訳がなく……
瑞鶴「あんな不愛想な鉄仮面のどこが可愛いのよ!?」
瑞鶴「どう考えても、愛想良し、器量良し、純情可憐で物腰柔らかくて奥ゆかしい大和撫子の翔鶴姉の方が可愛いに決まってるでしょ!?」
提督「適当に褒め言葉を並べたようにしか聞こえない、薄っぺらい」
瑞鶴「いいのよそこは! それに私だって……ごにょごにょ……」
え、何……おまえ俺の事好きなの?
瑞鶴「べ、別に私は提督さんなんて、好きな訳じゃないんだからね!」
ツンデレは白ワンピの重巡だけで十分……もう居ないけど。それに、時代はクーデレですよ、瑞鶴さんや。
提督「っていうか、勝手に人の心を読むな」
瑞鶴「エスパーですから。じゃなくて、なによ! 加賀さんなんか可愛いって!」
瑞鶴はホント嫉妬が似合うなぁ
提督「太陽は東から昇る。カレーライスはおいしい。加賀さんは可愛い。OK?」
瑞鶴「オーキードーキー……な訳ないでしょ! 確かに顔は綺麗だけどさ……」
提督「いいんだ、瑞鶴にはまだ早かったな、うん」
瑞鶴「何年たっても分からないわよ! 提督さんのバカ!」
偉くご立腹だ。ここまでおこな瑞鶴は久しぶりに見たかもしれない。
やはり加賀さんは、彼女にとって大きい存在のようだ。
瑞鶴のご機嫌取りも大事だが、今はそれよりも仕事の時間だ。
提督「この問題は一旦置いておいて、ほら、もう仕事始めるぞ、本日の秘書艦」
瑞鶴「私、加賀さんが可愛いって撤回するまで働かないからね!」
ツーン。あれか、普段厳しく当たられてるから、可愛い加賀さんを認めたくないのか。
提督「ストライキは一人でやっても仕方ないぞ……ん?」
ノックの音がした。現れたのは、このタイミングでですか!? と突っ込まざるを得ない人だった。
絶妙のタイミングでの登場に、思わずお代を払いたくなる。
加賀「執務中に失礼します。私物を忘れてしまったので……あら、五航戦」
瑞鶴「加賀さん……っていうか五航戦って呼ぶの止めてください! 瑞鶴ですよ、瑞鶴!」
加賀「あら、ごめんなさいね。瑞鶴」
瑞鶴「えっ……は、はい、大丈夫です……?」
面食らっている瑞鶴をよそに、加賀さんは私物を持って、速やかに退室した。
瑞鶴「誰よ、今の人は……?」
提督「一航戦の加賀さんだ。眼鏡が必要ならちゃんと用意をしておくようにな」
瑞鶴「見えてるわよ! っていうか、そんなボケは要らないの!」
提督「すまんな、瑞鶴のリアクションがが面白すぎて、からかいたくなったんだ」
瑞鶴「初めて名前で呼ばれたんですけど! 今まで何度文句言っても頑なに『五航戦……』って冷たく言い放ってたのに!」
提督「元気がいいね、何か良いことでもあったのかい?」
瑞鶴「べ、別に名前を呼んでもらえて嬉しい訳じゃないし! 名前で呼ぶとか普通のことだから!」
どうみてもニヤけるのを抑え切れてません。本当にありがつございました。
瑞鶴「ひょっとして、雪でも降ってくるの? もう梅雨も明けるっていうのに……」
提督「おっ、それいいな。少しはこの蒸し暑さから解放されたいよ」
瑞鶴「提督さんでしょ!!?」
ずいっと、瑞鶴が俺の目の前に顔を寄せる。
瑞鶴「さっき加賀さん可愛いとか言ってたし……何かあったんでしょ? 白状しなさい!」
提督「ぐええぇーー!悪霊退散悪霊退散!!」
瑞鶴「誰が悪霊よっ!!」
>>2の続き
提督「こればっかりはどうしようもないんだが……」
鈴谷「駄目だよ、鈴谷を困らせたセキニンは取ってもらうかんね!」
提督「責任って、結婚する訳でもないのに」
鈴谷「じゃあさ~、愛の告白をして、鈴谷その気にさせたことは、どーしてくれんの?」
提督「それは、その……」
鈴谷「鈴谷、案外モテるんだよ? でも、全部キッパリお断りしてんの!」
鈴谷「アタシが好きなのは、想像力がちょっと足りない誰かさんだからね!」
や、
鈴谷「ここまで言っても駄目なら、諦めるけどさ……や、諦めないケド……」
提督「そ、想像力が足りない奴でもいいのか?」
鈴谷「鈴谷が好きになったのは、そういう提督だかんね……って恥ずかしい台詞言わせんな、もう!」
提督「いや、さっきからずっと恥ずかしいぞ、聞いてるこっちも」
鈴谷「~っ! とととにかく、鈴谷の事、大事にしてよね!」
提督「おう、勿論だ」
鈴谷「うんっ! それじゃ、今夜さっそくデートだね! おめかししてくるね!」
提督「あっ、鈴谷! ……行ってしまったか……」
提督「鈴谷が彼女かぁ……なんか凄いことになったなぁ……」
提督「というか、鈴谷のこと好きだったんだな、俺……」
提督「んで鈴谷も好きでいてくれたなんてな……ははっ、凄いな、なんだこれ」
提督「大切にしなきゃな……よし、俺も支度するか」
鈴谷「提督、こっちだよ~!」
私服に身を包んだ『彼女』が、手を大きく振っている。
鈴谷「ほぉ~、提督の私服とかレアだねえ。無難にキレカジ系だね!」
提督「そうなのか? 適当だけど……」
鈴谷「適当でもいいじゃん? でもB系とか裏原系とかだったら、ビックリしてたよ~」
提督「そうなのか……鈴谷のは何系っていうんだ?」
鈴谷「鈴谷はきれい系だよ。いつもより大人っぽく見えるっしょ?」
提督「なんか、普段はJKって感じだけどさ」
鈴谷「まーね。制服がそれっぽいもんね」
提督「今は、いいとこのお嬢様って感じだな、似合ってるよ」
鈴谷「ちょ、ちょっと大げさすぎじゃん? 鈴谷褒められて伸びるタイプだけどさ……」
提督「いや、見たまんま言っただけなんだけど……」
鈴谷(気合い入れてきて良かったぁ~……)
提督「鈴谷?」
鈴谷「えっ? あ、ごめんね、何でもない! さ、デートに突撃いたしましょう!」
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