しばふ娘たちと過ごす日々・抄 (104)
☆『艦隊これくしょん』しばふ氏デザインの艦娘を題材とした二次創作SSです。
※残念ながら、全ての該当キャラクターが登場する訳ではありません。
☆あらかじめ書き溜めた短編(形式はバラバラ)を逐次投下する形式です。
☆おしながき
・北上のスタジアムグルメ
・最上と日向の艦娘マイカー談義
・赤城「ヒノノニトン?」
・初雪と司令官の一日
・大井とミスリード (番外編)
・加賀さんのポーズ研究
・伊勢の曲芸斬り
・蒼龍&飛龍の新型開発会議
・綾&敷の、ちいさな癒し見つけます
・深雪の独白 ※R-17ぐらい
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410683424
★北上のスタジアムグルメ (北上さんと会話してるつもりで読んでね)
「ねーねー提督。野球観戦とか興味なーい?」
「そっかー・・・あんまり関心ないんだ」
「んー、一回行ってみれば好きになると思うけどなぁ」
「ね?だからさ、一緒に行こうよー」
「・・・あぁ、だいじょーぶ。応援なんて適当にやっとけばいいの」
「どーかな?」
「・・・むむー」
「強情だなー。そんなんだから大井っちに睨まれるんだぞー」
「もー」
「・・・じゃーさ、あたしイチオシのグルメ教えるからさ」
「スタジアム食べ歩きツアーってことで!」
「いいでしょ?」
「・・・素直にいいって言えよー」
――――――
――――
~某球場・場外~
「まーなんだかんだ言って来ちゃうあたりさ、やっぱうちらの提督よねー」
「あーそだ、これがチケットで、こっちが球場のパンフね」
「・・・ん、なぁに?」
「詳しいのかって?うーん、あたしはそこまでコアなファンじゃないかな」
「・・・うん。結構遠いけど、休みが合えば割とよく来てるね」
「今日は提督もいるから、内野1塁側のちょっとおとなしい席にしてみた」
「・・・あー。あたしはいつも外野自由なんだけど」
「そこは応援団の陣地だから」
「応援しないと若干浮いちゃうの。嫌でしょー?」
「うんうん。もっと感謝してくれてもいいんだぞー?」
――――
「・・・おっ!あれは阿武隈と」
「うげ」
「うげとはなんだー、このやろー。うりうり」
「ひゃああ」
「・・・こほん。あと、名取だねー」
「あ、その、こんばんは・・・」
「・・・あ、提督さんもいらしてたんですね。お二人はご一緒で?」
「まぁねー。今日は実地観戦の良さを知ってもらおうと思ってさ」
「あ、あはは・・・。」
「でも提督さんって、こういうのにあんまり関心ないのかなって思ってました」
「あ、それはあたしも思ってました。ちょっと意外だなーって」
「ふふー。それはね?」
「はい」
「食べ物で釣って連れ出した」
「……」
「・・・そ、そうですか」
「そーです。あぁ、二人はレフトスタンドだよね?」
「あ、はい」
「なんか食べてきた?」
「ええと、ネストの方で軽くなら・・・」
「あたしもです。あとは試合見ながらケンタでも、と」
「おっ。ネストまで行ったんだー。いいね!」
「・・・ん?なんでケンタなのかって?」
「レフトから近いからねー。定番ってやつよ」
「・・・それでさ、ネストって言ってたけど、二人は何食べたのー?」
「いやさ、森キチ引っ越しちゃったじゃん?」
「提督連れてくのにね、どこいいかなーって思って」
「それなら・・・」
「KBCっていう小山のハンバーガーと、藤田のテリヤキバーガーを二人で食べました。だよね?」
「・・・どっちが良かったか、ですか?んーと・・・」
「藤田の方はマッシュポテトがぼろぼろ零れて、ちょっとむさかったですよね」
「うん。逆に小山の方は野菜がしゃきしゃきで、食べやすい感じでした」
「へぇー。あたしはどっちも食べたことないなー。・・・にしても」
「二人してハンバーガーってのが意外だなー」
「それに、分け合いっこしたんだ」
「あ、それは、その・・・」
「ね?・・・」
「うんうん。こっちも意外な発見だー」
――――
「あの二人、なにげに結構ガチ勢なのよねー」
「応援始まると人が変わるっていうかさー、ね」
「んじゃー席も確認したし、何か食べにいこう」
「・・・え?もう試合始まるって?」
「あー、いいのいいの。どうせ今日の相手じゃ見せ場もないっしょ」
「それで、どこにいくー?」
「えっとね?さっき通ってきた2階のとこが、ピザとか弁当みたいなちょっと重めの中心」
「もちろんスナック系とかおつまみもあるけどね」
「んで、阿武隈たちが言ってたネストが・・・」
「まー行くのは面倒だけど、選手プロデュースのメニューとかカクテルがあるとこ」
「あとは球場の外とかー、3階コンコースなんかにもいろいろあるよー」
「・・・外に出てみる?じゃー序盤の内に行っちゃおうか」
「外だとなんでもあるよ。焼きたてピザとかー、肉まんとか」
「モツ煮も確か外だったかな」
「あ、チケットはちゃんと持ってねー」
――――
ワァァァ
「あれっ、なんだなんだ?」
「・・・うわ、打ってんじゃん!」
「・・・でしょー?こういう大事な場面に限って見逃しちゃうんだよ、あたし」
「まぁこの場面は後でスポニューでみるからいいけど」
「んじゃ、いい機会だからそろそろ中に戻ろっか」
――――
「そこらで飲み物売ってる売り子さんってさー」
「なんか缶みたいなの背負ってるからさー」
「あたしら艦娘みたいだよね?」
「・・・んー、そうは見えない?」
「へ?あたしらの方が綺麗?」
「……」
「またまたー。そういう冗談はやめてよねー」
「っていうか、そんな事言ってると売り子さんに睨まれるよ?」
――――
「ふぅー・・・」
「そろそろ疲れてきた?」
「・・・うん。6回裏だからね。あたしもちょっと休憩したいわー」
「3階コンコースとか行ってみない?」
「ちょっと応援に疲れたときとかさ」
「あそこで優雅にラーメンすすりながら試合を見下ろすんだ」
「・・・うん?」
「いや、ラーメン以外もあるから・・・」
「焼き鳥とかさ、軽めの」
「・・・クレープ?ああ、パンフに載ってたっけ」
「あー、あそこのクレープは超重いから」
「クレープ食べるなら外にあるスターズクレープがいいかな」
「・・・めんどくさいから場内でいい?そうねー、あたしも同感」
――――
「はー・・・。やっぱここ、落ち着くわ」
「にしても、提督遅いなー。さみし」
「・・・おっ、やっと来た。遅いぞー」
「独りだと寂しかったんだよねー」
「・・・あれ?クレープ買ってきたんだ」
「いいなー」
「一口ちょーだいよ」
「あ、間違えた。一口よこせー!がぶー」
「んー!おいし」
「ひとさまのものを横取りして食べる、これだよこれ。いいねぇ」
――――
「うちの球団のチアさん達ってさー」
「色っぽいよねえ」
「・・・ん、そーお?やっぱ若造にはわかんないかー」
「そのへんのおっちゃんに訊いたときは」
「ですよねえ!って乗ってくれたんだけどなー」
「・・・んー。可愛いとかじゃないんだよ」
「年増の・・・あ、違う違う。てへへ」
「えーとね、熟成された年上の魅力っていうかさ」
「まー提督の周りには、若くて綺麗な子もいっぱいいるからねえ」
「でも、いずれ分かると思うよー」
――――
「なになに、選手が気になる?どの人ー?」
「・・・あれは小関だよ。嶋の方が有名だけど」
「嶋はずっとエース相手で捕球してきたからねえ」
「要求が際どいし、荒れ球の捕球もちょっと不安なのよ」
「だからかな、今年は以前よりもかなり出番控えめになったんだー」
「小関とか伊志嶺にもチャンスがあるのは、悪いことじゃないけどね」
「・・・あ、ちなみに名取は嶋のファンね」
『恥ずかしいです!(キリッ』
「みたいなさー。もうばっちり影響受けちゃってんの」
「・・・で、あっちが岡島で、阿武隈が追っかけてる選手」
「女子大生にめっちゃ人気なんだってさ」
「んで、あたしが気に入ってるのはほら、あそこにいる藤t――」
パカーン
「・・・あっ」
「こほん、・・・ちなみに今日は居ないけど、のしろんが応援してんのがあれ」
「今ばっちり打たれてる長谷部」
「本人が言うにはね、あのヘタレっぽいオーラがたまんないらしいね」
「のしろんってさー、絶対いつか変な男に引っかかりそうだよね」
「そんでヒモに寄生されて――」
パカーン
「あらー・・・」
「……」
「これ絶対ダメなパターン入っちゃったよ」
――――――
――――
「はぁ・・・最初打ったときはいけると思ったんだけどなぁ」
「松井降りた途端にばんばん打たれてるし・・・」
「・・・あー、そうね。残念っちゃ残念かな」
「せっかく提督連れてきたしさ、やっぱ勝ち試合見せたかったじゃん」
「でもさー、これくらいはいつものことなのよ」
「まぁ、あたし的には藤田のファインプレーが生で見られただけでも収穫さね」
「名取と阿武隈はすっごいむくれてると思うけど」
「・・・それでさ、今日一緒に来てみて、どうだった?」
「楽しかった!?ほんとに?・・・よかったー」
「盛り上がってるの、あたしだけだったらどうしようー、って思ってた」
「うんうん。いいことだよ」
「・・・何?あたしと来たから楽しかったの?」
「うわー、恥ずかしいこと言うねえ」
「阿武隈とか名取にチクったら怒られそうだわ」
「・・・んー、今日の目的からすると、その回答はナシなんだけど」
「やっぱ野球を好きになってもらいたい、ってのがあるからね」
「・・・でもね、本音を言うならさ、嬉しかったよ」
「頑張って誘った甲斐があったかも」
「だから、・・・ありがとね」
「次はさ、提督から何か誘ってくれる?」
――――――
――――
<END>
※トンデモ設定許してくだち
★日向と最上でみる艦むすマイカー事情
最上「ボクさ、車好きなんだよね」
日向「最上・・・君、趣味まで男っぽいんだな」
最上「む・・・車好きなだけで男っぽいとは心外だなぁ」
日向「まあ、そうなるか」
最上「何だよ、もぉ」
日向「・・・まあ、艦むすの中には車を持ってる者も少なくないがな」
日向「車があれば、たまの休みも活用しやすい」
最上「でしょ?ボクも妹たちにせがまれてさぁ。ついに買っちゃった」
日向「なるほどな」
最上「うん。いろいろ考えたんだけど、結局レヴォーグってやつにしてみた」
日向「ふぅん。君にはよく合った車じゃないか」
最上「でしょ?ぶつからないっていいよねぇ」
日向「ああ。それもそうだが、その少年っぽさがいかにも君という感じだな」
最上「なにさー、もう・・・」
最上「それで、今の車選ぶのに参考にしようと思って、みんなの車調べてて・・・」
日向「ふむ、それで好きになったんだな」
最上「そうそう!やっぱり分かる?」
日向「ああ。そうだな」
最上「それで、日向はMR-Sだっけ?」
日向「そうだ。まあ、伊勢と共有だがな」
日向「あいつと話し合った結果、やっぱりハンドルがよく利く方がいいということになった」
日向「速い車ではないが、まあ、そこも含めて私たちらしいだろう」
最上「うん、そうかもね」
最上「扶桑は確かデリカ・・・」
日向「スペースギアだな」
最上「そう、それ。あれ、たまに提督と夕張が渓流釣りにー、って借りてくんだけど」
日向「ふむ」
最上「そのたびに少しずつクロカン仕様にカスタムされてるんだよね」
日向「・・・そうなのか?」
最上「うん。扶桑もさすがに気付き始めたみたいだけど・・・」
最上「これがかなりのヘビーカスタムでね。あの人、もう諦めてそのまま乗ってる」
日向「既成事実とは。扶桑も災難だな・・・」
最上「ボクも、明日は我が身だと思ってるさ。・・・絶対提督には貸してやらないもんね」
最上「それで、山城がエルグランド」
日向「古い方だったか?」
最上「うん、いっこ前のモデル」
日向「そうか。たしか後輪駆動だったな」
最上「そうだね。それと僕が見た限り、大体いつも白露型とか朝潮型が乗っかってる」
日向「ブツブツ言いながらも、結局断らずに運転してやるあたりが山城らしいな」
最上「あはは。・・・しかしさ」
最上「姉妹そろって妙に背の高いヤツに乗るよね」
日向「ああ。わざわざ先代モデルを持ち出すあたりにこだわりを感じるな」
最上「わざとやってるのかなぁ、あれ」
日向「さぁな。あの姉妹のことだ、なんとも言えん」
最上「で、その夕張と提督はなんだっけ?」
日向「それだが、提督は確か旧型のクラウンだったと思う。詳しい年式やグレードは分からないが」
最上「ふぅん」
日向「外回りに適した車種なんだろう。彼にも立場というものがある」
最上「フォーマルなセダン型で、成金臭くも貧乏臭くもなくて、人乗っけるのに向いてるとなると・・・」
日向「まあ、そういうことだろうな」
最上「そのぶん、ちょっとオヤジくさいけど」
日向「それは言うな」
日向「でもって、夕張はバイクだ。883R」
最上「あっ!そうだそうだ、ハーレーだったね」
日向「ああ。だが、あいつはイジるばかりでな」
最上「彼女のことだし、それが好きで選んだんだろうねぇ」
日向「だろうな。しかしイジるのは良いんだが、乗ると・・・」
最上「ちょこーんって感じだよね」
日向「小柄だから、どうしてもな」
最上「それに、ちょっとキョドってるし」
日向「おっかなびっくりと言ってやれ」
最上「うーん・・・。提督に運転させればかっこいいんだろうけど」
日向「ん、見たことないのか?たまに二人乗りでツーリングに行ってるようだが」
最上「そうなの?見てみたいなぁ」
最上「それに、ちょっと憧れるね。そういうの」
最上「金剛姉妹はEタイプとセンチュリーだね」
日向「ジャガーというと・・・長女の趣味だな」
最上「おしゃれだよなぁ。で、センチュリーが次女、と」
日向「さすがはお召艦」
最上「本人は、司令と同じのにします!って買いに行ったんだけど」
日向「ふむ。高いのを掴まされたか」
最上「なんというか・・・まぁ、だいぶ危なっかしいよね」
日向「悪い店ではないのか?」
最上「普通に優良なお店みたいだよ」
最上「ただ、本人がいろいろ分かってなくて・・・」
日向「見栄が出たのか」
最上「多分ね。・・・あの人、普通に生活したら大変だろうなぁ」
最上「あ、そうだ。榛名さんと霧島さんも共同でバイク持ってるんだった」
日向「乗ってるのはほぼ榛名だな」
最上「あの人がバイクなのは驚いたなぁ」
最上「しかもDAEGだよ?めちゃシブいおっさんが乗ってるようなさ」
日向「まぁ、姉妹揃ってスタイルいいからな。想像以上に似合ってる」
最上「ねー。榛名さんが乗ると不二子ちゃんみたいだ」
日向「あれは反則だな」
最上「でさ、霧島さんが乗ると、タダ者じゃない感じ」
日向「同感だ」
最上「あの人の運転、めちゃ正確だし速いしね」
最上「他には、確か大和さんと武蔵さんが共同でLS600hL」
日向「この間のMCで買い換えていたな」
最上「お金持ちだね。で、長門さんと陸奥さんがティアナ」
日向「どちらかといえば陸奥の趣味か」
最上「うん。長門さんがごねて、せめてセダンをという形になったんだって」
日向「・・・そうか」
最上「足柄さんが80系クレスタ」
日向「バブルだな」
最上「島風がNSR250RのMC28型と、ロードバイク。そっちは詳しくないんだけど・・・」
日向「彼女は足が長いからな、ロードの方が似合っているかもしれない」
最上「それと、ドイツの人たちはやっぱりドイツ車に乗ってるんだよね」
日向「そうだな。確かビスマルクがケイマンだったか」
最上「うん。それで、レーベがザ・ビートル、マックスがクワトロスポーツ」
日向「最初はビスマルクがビートルに乗ってたらしいが・・・」
最上「あ、聞いた?彼女、最初はビートル見てはしゃいでたんだけど」
日向「懐かしかったのか?」
最上「そうかも。でも、いざ乗ってみたら色々想像と違ったらしくって」
日向「ああ。前輪駆動だしな」
最上「トレッドもホイールベースも大きいし・・・」
最上「まぁ、色々ね。・・・それで、レーベに譲って自分はケイマンを買いなおしたと」
日向「随分車格が上がったな」
最上「彼女が言うには、これが一番想像に近いんだって」
最上「ホントはもっとちっちゃくて可愛いのが好きみたいだけど」
日向「確かにそんな趣味をしてそうではあるな。ちょっと子供っぽいというか・・・」
日向「・・・あと、マックスだけ古いのは何故なんだ?」
最上「ほら、さっき言ったビスマルクの件でさ、レーベは新しいの貰ったじゃん」
日向「で、マックスはそれがなかったから古いのか」
最上「まあ、本人は気にしてないみたいだけどね」
最上「あと、レーベが前に乗ってた初代GTIは、一応残してるみたい」
日向「ふむ。この間明石が熱心に整備してたのはそれか」
最上「そうだね。いずれ誰かに譲るつもりで残してるんじゃないかなぁ」
最上「その明石さんは130iクーペを持ってたような」
日向「彼女もドイツ車か」
最上「実際にはあの人出不精だし、ほぼ大淀さんの私物になりかけてるけど」
日向「その大淀にはちょっと不評のようだが」
最上「まぁ明石さんのことだから、いろいろいじくり回してるんじゃない?」
日向「想像がつくな」
日向「そういえば、他の駆逐艦の子達は・・・さすがにあまりないか?」
最上「そうだねぇ。だいたい大型艦の人たちにせがんで乗っけてもらってる感じかな?」
日向「スクーターとかミニバイクくらいなら持ってる子もいただろう」
最上「えーっと、暁がジョルノに乗ってたような?あれ、なかなか様になってたよね」
日向「ああ、あれか・・・。確か電が借りてって・・・」
日向「盛大にずっこけて破損した」
最上「うわ・・・」
日向「しばらくショックで二人とも気まずくなっていたな」
最上「まぁ、それはねぇ・・・。ボクたちの傷はドッグで直るけどなぁ・・・」
日向「・・・考えてみると、普通は自分の身の方が大切なはずなんだがな」
日向「ある意味私たちらしい、変な価値観を垣間見た」
最上「ボクも、ドジッ子には気をつけたほうがいいかなぁ」
日向「・・・それを君が言うか?」
――――――
――――
<おわり>
一旦休憩します
個人的にはバイク勢に注目して欲しい
このあとのエピソードもコアなネタでやったとき、全部理解しきれる奴いたら凄いな
>>21
コアなネタが入ってこないのは初雪、伊勢、あやしき、深雪になるかと思われます
★ヒノノニトン
赤城(こっそり外の定食屋さんに来てしまいました)
赤城(何を頼もうかしら。やっぱりオススメの三元豚?)
「最近、ヒノノニトン増えてるよなぁ」
赤城(・・・!)ハッ
赤城(ヒノノニトン・・・。新しいわね)
「やっぱり安全性が評価されてるんだろう。近頃はうるさいし」
赤城(安全・・・。味は美味しいのかしら)
赤城(まぁ、物は試しよね)
赤城「すみません。ヒノノニトン、ください」
「?」
「……!」ニヤァ
――――――
――――
赤城(結局三元豚にした)「お恥ずかしい・・・。貨物車のことだったんですね」モグモグ
「ははは。確かに間違えたのはお客さんが始めてですよ。」
赤城「も、もういいじゃないですか」テレ
「・・・しかし、失礼ながらなかなかの健啖家でいらっしゃる」
赤城「こう見えて、肉体労働者ですから」フンス
「へぇ・・・。なかなかそうは見えませんが・・・」
赤城「相方にもよく言われるんですよねぇ。一応、少しは威厳が出るようにしているのですが・・・」
「あ、すみません。それにしてはスマートですし・・・」
赤城「そうですか?まぁ、こう見えて公務員でもありますからね」ドヤ
(んー、なんか会話がズレてるな・・・)
赤城「しかし、ヒノノニトンですか~。どんな味がするんでしょう?」
「あはは、まだ言いますか。トラックの味なんて、怪獣にでも訊いてくださいよ」
赤城「怪獣・・・。それもそうですねぇ」
赤城(手近な深海棲艦にでも訊けないかしら?)
――――――
――――
<完>
お二人は割と常識的な感性を持ってそうなので、コンパクト系が似合うかも
それぞれGE型FITとベリーサ・・・とか
それと、もう1本だけ投下します。連休中に終わらすぞう
★初雪と司令官の1日
~鎮守府内・提督の私室
09:00
提督「……」(ちゃぶ台で書き物中)
ガチャ
初雪「……」
提督「お、来たか。おはよう、初雪」
初雪「ん・・・おはよ、司令官」トコトコ
初雪「漫画見して」
提督「おー・・・新刊、そこな」
初雪「うん」イソイソ
ゴロン
初雪「……」パラパラパラ
提督「……」
初雪「……」ペラ…
提督「お茶でいいか?」
初雪「ん」
提督「待ってろ。・・・よっと」
スタスタ・・・
初雪「……」ペラ
初雪「・・・くぁ」
初雪「……」パタン
初雪「・・・ひま」
――――
――
スタスタ・・・
初雪「・・・!」
提督「遅くなった。持って来たぞ」コト
初雪「ん。ありがと」
提督「・・・冷めないうちに飲めよー」
初雪「だいじょぶ」
――――――
――――
12:00
ピ!ピ!ピ!ポーン・・・
初雪「んー・・・」ノビー
チラ
初雪「司令官、おなかすいた」
提督「おー・・・お昼だもんなー」
提督「食堂行くかー?」
初雪「や。めんどくさい」
提督「言うと思った」
提督「じゃあ何か適当に作ってくるかー」
ゴソゴソ
初雪「待ってー。・・・私も行く」
提督「・・・面倒くさいんじゃなかったのか」
初雪「司令官いないとつまんないし」
提督「そっかー」
提督「・・・(居てもお互い何もしなくね?)」
――――――
――――
13:30
提督「ふぁぁ・・・初雪?」
初雪「……」コクリコクリ
初雪「・・・ぁ・・・何?」ボー
提督「おっと。起こしちゃったか?」
初雪「別に、いいよ」
提督「悪いな」
初雪「・・・やっぱだめ」
提督「なんだよ」
初雪「膝貸してくれたら許す」
提督「じゃーいいわー。書類書きにくい」
初雪「むー・・・」
初雪「よい・・・しょ」ヨジヨジ
提督「これ!俺の首を足で挟むな。プロレスの練習台じゃないんだぞ」
初雪「……」
提督「おーい」
初雪「・・・ふん」ムスッ
提督「拗ねるなよ・・・あのな」
クルリ
提督「・・・お。水色」
初雪「……」ギリギリ
提督「いたたっ、ギブギブ!」バンバン
初雪「だめ」グググ
提督「ッー!」バタッ
提督「……」
提督「あっ、でも・・・生温かくてふかふかだった・・・」
初雪「……」
初雪「ん゛!」ムギュー
提督「フゥグッ!?踏むな!くせぇ!」モガモガ
初雪「くさくないし!・・・たぶん」
提督「お前普段革靴だろ!普通ににおうわ!」
初雪「……」
初雪「ていうか、なんで嗅いでるの・・・」
「「……」」
――――――
――――
15:00
初雪「ところで」
提督「なんだ?」
初雪「今日は休みでしょ。何書いてるの」
提督「ああ。・・・私的なもんかな。手紙とか」
初雪「え」
初雪「・・・それならあんなに邪魔しなくてもいいじゃん」
提督「悪かったよ・・・」
初雪「いい。私もムキになりすぎたし」
初雪「だから、今度はこうする」ノッシー
提督「・・・重い。背中にくっつくな」
初雪「なによう」
提督「っ!肩にあごを乗せるな!耳元でささやくな!」
初雪「んふふ。そう言いつつ、どかさないの」
初雪「・・・ほんとは嫌じゃないんでしょー」ニマ
提督「……」
――――――
――――
16:30
コンコンコン
「司令官、白雪です」
提督「入っていいぞー」
白雪「失礼しまーす・・・」
ガチャ
「初雪は・・・あ、やっぱりいた」
初雪「どうしたの」
白雪「あのね、今晩なんだけど」
初雪「ん」
白雪「吹雪がね、姉妹でご飯食べに行かない?って」
初雪「んー・・・」
白雪「叢雲はちょっと用事ー、って言ってたけど、磯波と深雪も来るよ」
初雪「・・・たまには、いいかも」
白雪「ほんと?じゃあ吹雪には私から――」
初雪「ただし」
白雪「・・・え?」
初雪「司令官もいっしょで」
白雪「・・・だ、そうですけど」チラ
提督「・・・断れねえな、こりゃ」
提督「分かった。いっしょにな」
白雪「なんだか申し訳ないです」
提督「いいよ。白雪、吹雪たちもそれでいいか?」
白雪「多分みんな大丈夫だと思います。・・・あ、そうでした」
白雪「それで、事後的ですが夜間外出の許可を・・・」
提督「分かってる」
――――――
――――
~鎮守府外・ダイニング的な
18:30
「――だよねー。あはは」
「……」
「ふふ・・・。司令官も――なんだ」
「うっ・・・」
「お、図星?何だ、司令官も――なとこあるじゃん!」
「――!」
「――」
ワイワイ
――――――
――――
20:00
吹雪「ふー。それじゃ、そろそろお開きにします?」
提督「……」チラ
提督「ん、そうしようか」
提督「・・・初雪も疲れてきたようだし」ボソ
白雪「ふふ・・・」
深雪「よく見てんなぁ。あたしにはさっぱりだわ」ボソ
白雪「ほんとねー。ちょっと妬けちゃう」ボソ
吹雪「それじゃ、支払いを・・・」
提督「あ、支払いはさっきやっといた」
深雪「おっ。さっすが!」
磯波「えっ!?そんな、悪いですよ!」
提督「いいのいいの、俺にも見栄ってもんがあるし、な?」
磯波「ええと、ええと・・・」
磯波「それじゃ、ご馳走になります・・・」
深雪「やったぜ!」
初雪「ん・・・夕飯代、浮いた」
――――
――
~鎮守府
吹雪「今日はお世話様でした。またみんなで行きたいです」ペコリ
提督「おー、その時はまた呼んでな。最悪行けなくてもカンパくらいはする」
吹雪「い、いえ、今度は私たちにも出しますから。・・・では」
深雪「じゃーなー司令官」フリフリ
テテテ
提督「はいよー・・・」フリフリ
提督「さて。・・・初雪、お前はどうする?」
初雪「ん、お風呂。司令官のとこの、借りていい?」
提督「好きに使っていいぞー」
初雪「わかった。着替えもってくる」
――――――
――――
21:30
初雪「お風呂、お先」
トテトテ
提督「んー。さて、俺もちょっと入ってくる。が」
ゴロン
提督「・・・夜更かしもほどほどに、な」
初雪「ん。わかってる」
――――――
――――
22:00
ガチャ
提督「ふぁぁ・・・ん、初雪ー?」
初雪「んむー・・・」
提督「まだ22時だぞー。お前テレビ見るんじゃなかったのかー?」ユサユサ
初雪「・・・んはっ」ガバッ
提督「無理しないで寝てもいいぞ。テレビなら多分夕張辺りが録画してる」
初雪「うん・・・でももうちょっと頑張る」
提督「ん、頑張れよ」
提督「・・・俺がほっといたら寝落ちしてたくせに」ボソ
初雪「・・・何か言った?」
提督「んー?初雪はかわいいなーって」シラー
初雪「うざ・・・」
――――――
――――
00:00
初雪「……」スー
提督「・・・結局俺の部屋で寝てるし」
初雪「……」スー
提督「・・・せめてベッドで」ヨイショ
イソイソ
提督「吹雪たちにはー・・・や、言わなくても分かるか」
初雪「……」スー
提督「ふぅ。・・・おやすみ、初雪」ナデナデ
初雪「んふ・・・えっち・・・」
提督「!!」ドキーン
初雪「……」スー
提督「寝言かよ・・・」
提督「くっそ・・・次は本気で、尻でも撫でてやろうか」
初雪「……」
提督「お前にはほんと振り回されるな・・・」
初雪「……」
提督「でも、なんとなくほっとけないよ」
提督「・・・ん。じゃ改めて、おやすみ」
初雪「……ンフフ」
――――――
――――
<fin.>
リアルでもおやすみなさい、です
初雪SSもっと増えますように。
番外編投下します。連休中にはスレ完結しないかも・・・
※そんなに大井っち活躍しないので番外編
★大井とミスリード
鎮守府・執務室――――
コンコンコン
「間宮です。あのー、今からお時間よろしいですか?」
提督「入っていいぞ」
ガチャ
間宮「お疲れ様です、提督。そろそろ夕方ですし、おやつはいかがでしょうか・・・?」
提督「ん・・・果物か。ありがたくいただこう」
間宮「はいっ」
――――
提督「林檎にブドウ、スイカ、梨・・・。バナナもあるのか。今時珍しいな」
間宮「南方から来た輸送船団に少しばかり積まれておりまして。それで、うちの駆逐艦の子たちがその護衛をさせていただいたご縁で、頂いちゃいました」
提督「はは、とんだ役得だな。しかし・・・とすると、俺が真っ先に頂いてしまってもいいのだろうか?」
間宮「あの子たちにはちゃんと夕食で回しますから、どうかご心配なく。」
間宮「それに、なかなか意地っ張りな子達ですが、皆貴方には感謝いたしておりますから。これくらいは、ね?」
――――
提督「ふう・・・思いがけずいいものを頂いたよ。ありがとう」
間宮「おかわり、お作りいたしましょうか?」
提督「ん、いや・・・遠慮しておくよ。夕飯が入らなくなってしまう」
間宮「はい。承知いたしました」
間宮「・・・あの、軽食でしたら今後とも間宮にお声がけくださいね。」
提督「それはもちろんお願いするが・・・。どうした、急に改まって」
間宮「その、私は、艦隊の皆さんのように提督にお貸しする力はございませんが・・・こうしてお食事を提供することで、貴方をお支えできたら、いいな・・・と」
間宮「・・・オホン!で、では私は夕食の仕込みが終わっておりませんので・・・ぁ、し、失礼いたします!」
――――
提督「恥ずかしいなら言わなければいいだろうに。・・・たまらんけど、ちょっと照れる」
提督「……」
提督「しかし、もうこんな季節か。」
提督(実家の梨園もそろそろ収穫の時期だろう。・・・昔はよく手伝わされたものだ。豊水だか幸水だかに、長十郎、それから・・・)
提督「愛宕。食いたいなぁ」
(・・・)ヒソヒソ
提督「・・・実家に電報でも送っとくか」
(・・・!!)
バァン
大井「て、提督?」
提督「お、おう・・・?ノックもなしにどうした、大井?」
大井「あ、すみません。艦隊が帰投・・・じゃなくって!今の!どーいう意味ですか!?」
提督「今の?・・・ああ、独り言のことか。実家が梨農家でな。あっはっは」
大井「いや実家もそうですけど、その前!・・・な、何を、食べたいとか・・・」
提督「ああ、そこから聞かれてたか。愛宕ってのはな、こう、でっかくて、瑞々しくて、甘い香りで」
大井「甘い香り!?そこはかとなく背徳な・・・!」
提督「そう!甘いんだけど~、つい手を出しちゃいたい背徳感な。夕飯食べられなくなるし、太るし」
大井「いやあああ!?なんかぞわっと・・・!?」
大井「……」
大井「・・・は?農家?太る?」
大井(あ、そういうこと・・・。察するに、なんかの品種ってオチね)
提督「ん?」
大井「あ、いえ。何でもないです」
提督「そうか。・・・ところで、報告は君だけで来たのか?」
大井「いえ、そういえば・・・。さっきまで夕張さんがいらしたんですけど・・・。」
提督「ふむ」
大井「私が騒いでたから引っ込んでしまったんでしょうか」
大井(・・・ホントはさっき寮のほうに走ってっちゃったんだけど。今頃面倒な事になってるだろうなぁ)
提督「わかった。下がって休養してくれ」
大井「はぁい」
大井(それにしてもあの子、あんなに速く走れたのね・・・。)
――――――
――――
ダダダダ・・・
夕張「ちょっ!!みんなっ、た、大変よっ!」ゼェゼェ
「どうしたのー?そんなに焦っちゃって」
夕張「それがねっ、はぁはぁ・・・」
夕張「提督がっ、愛宕さんをねっ、たっ、食べたいって!実家に電報って!」
「・・・は?」
『な・・・何ですってぇーーー!?』
「結婚ね」
「報告するんだわ!」
「食べるってそういう・・・」
「いつの間にそこまで・・・!」
ガヤガヤ
大井(やっぱりこうなってた)
大井(こうなったらとことん腹いせしてやるわ)
大井「その話、私も聞きました。あの人が言うには・・・」
『言うには?』
大井「でっかくて」
「「「うっ」」」
大井「瑞々しくて」
「あぐっ」
「若さなのね・・・」(この言動が既にBBA)
大井「甘い香りなのがたまらないそうですよ?」
「きもっ」(若干カレー臭い)
「あぁっ」(がっつり機械油臭い)
高雄「・・・確かにその条件なら、うちの妹がぴったりですわね」
大井「ええ、まぁ。・・・そういうことでしょうね」
『むむむ・・・』
大井(ふん。これであの人も少しは困るでしょう)
大井(たまには、困らされる側の苦労を知ればいいわ)
愛宕(あらっ・・・ふーん。聞いちゃった♪)
――――――
――――
<つづ・・・かない>
※愛宕(梨)は本当に存在します。ぱんぱかサイズ
これ以上やるとコンセプトから外れちゃうので・・・(文才が無くて書けないなんて言えない)
もがみくまの修羅場・・・いずれ投稿スレにでも投下できるといいな
ともかく、加賀さん投下します
★加賀さんのポーズ研究
部屋に戻ってみたら――
「・・・加賀さん?何やってるんですか、鏡の前で」
「あっ。これはその・・・」
加賀さんが、なにやら楽しそうにポーズを取っていました。
・・・え?楽しそうに見えないですか?
そうですかねえ。
私には、にんまり微笑んでいるようにしか見えませんが。
あ、でも、少しだけ真剣さも感じますね。
「ふふ・・・。言わずとも解ってますから大丈夫です。」
「赤城さん。私の悩みを解って・・・!」
「はい。私も一緒によろしいですか?」
「赤城さんが一緒であれば心強いです。」
・・・ヨガでダイエットですね!
と、いうわけで。
「まずは見せていただけますか?」
「はい、まずはこれなんですが・・・」
はじめに加賀さんがとったのは、例のキービジュアルのポーズ。
「他の子達は皆素直に喜ばれているのに、私のコレだけは未だにネタ扱いで・・・。」
「それだけ愛されているのでしょう?」
「しょうでし――」
あ、噛みましたね。
「こほん・・・そうでしょうか?」
そうです。
それはそうとして、と加賀さんは続けます。
「コレに変わる新たなポーズ、何かありませんか?」
ふむ。
「なるほど・・・。そういうことでしたら、こんなポーズはいかがですか?」
そう言って私がとったポーズは・・・
「雷巡の子のポーズかしら。」
「はい。」
片膝ついて上半身をひねるこのポーズは、意外と体幹を使います。
ウエストを引き締める効果が期待できると思うのですが・・・。
「これはちょっと・・・。あの子のアイデンティティを奪ってしまうわ。」
「そうでしょうか?」
「と言うか、私が面白おかしく言われることを我慢できなくて始めたのですよ。」
加賀さんは困った様子で、
「他の子のポーズを真似てしまっては、てい良く道化を押し付けるだけではありませんか。」
このようなことを言ったきり、またぞろ悩み始めてしまいました。
はて。
彼女なりに、なにやらこだわりをお持ちの様子。
ちょっとからかって、様子を窺ってみましょうか。
よし――
「加賀さん、こちらはいかがですか?」
鬼怒のポーズ。
「・・・・すごい漢ね。」
そう言いつつも、加賀さんため息。
しかし、彼女を茶化すにはまだまだ足りません。
「ではこれで!」
太陽賛美。
「胸が熱くなるわね。」
冷めた様子で、ひと声。
心にもない事を言う余裕ができたのでしょうか。
「あ、あなたにしか見せないんですからね!」
腰に手を当てて指差し。
加賀さんはというと――
「提督の私室にある、“らいとのべる”によくあるポーズね。」
と、バッサリ。
緑の表紙のものは、特にいやらしいですよね。
・・・提督、隠してもバレバレですよ。
「次はどうでしょう?」
ろくろ。
「賢くて、自信家のイメージかしら。」
あくまでイメージだけれど、と加賀さんはほくそ笑みます。
「こっちの方がいいですか?」
シェー。
「赤城さん、古いわ。」
む。言われてしまいました。
「これもいいですよねえ。」
ジョジョ立ち。
「お腰にひびきますよ。」
なおも加賀さんは畳み掛けます。
「それと、下着が丸見えです。セクシーね」
「……」
これは・・・恥ずかしい。
私の心は、ここで折れてしまったようです。
「やはり私だけのポーズを見つけたいのだけど、難しいかしら。」
そう言う加賀さんの表情は・・・
さっきよりは、少し明るいでしょうか。
心を折られた甲斐は、少しだけあったようです。
・・・と言うか、ヨガではありませんでしたね。(途中で気付きました。)
「きりがありませんね。どなたか頼れそうな子を捕まえてきます。」
言うが早く、私は飛び出します。
「ちょ・・・ちょっと赤城さん?待って!」
制止する加賀さんの声に、聞こえない振りをして。
「連れてきましたよ。」
「うぅ・・・赤城さん、他言するなんて鬼畜だわ・・・。」
威厳がどうたら、と落ち込む様子の加賀さん。
はて、威厳とは何のことでしょうか?
知らない子ですね。
「それで・・・誰を連れてきたのかしら。」
それはですね――
「私よ、瑞鶴よ。なになに?面白そうな話をしてるじゃない。」
「翔鶴です。お困りでしょうか?」
「くっ・・・よ、よりによって五航戦の子を・・・。」
加賀さんどうかなさいましたか?顔色が優れないようですが・・・。
あら?辱めの仕返し?・・・なんのことでしょうかねえ。
「ふぅん。それで、新しいポーズを模索してるんだ?」
「・・・そうよ。」
ぶっきらぼうになった加賀さんも、ちょっぴり愛らしいです。
「一航戦がどうたらとか言ってるくせに、ちっちゃいわねぇ。」
「だったら、あなたも同じ目に遭ってくれるのかしら。」
おや、今度はちょっとむくれ面。
瑞鶴はというと――
「あたしは別に、先輩サマと同じ失敗を繰り返すほどマヌケじゃありません~。」
さらなる攻撃は、立て板に水のよう。
「アンタ胸だけはでかいんだから、だっちゅーの!とかやってれば?」
「まぁまぁ瑞鶴・・・」
翔鶴も、ムキになった妹を押し留めることはできません。
「それとも、こーんな感じのポーズでもとってみる?」
許されざる角度。
流し目を送る瑞鶴は、絶妙にイラつく笑みを貼り付けています。
「……」
あ、加賀さんったらプルプルしてますよ。
「・・・少し教育が必要かしら。」
今しがた、キャットファイトのゴングが鳴らされた模様です。
>>55
>「・・・・すごい漢ね。」
分かってるじゃないか(歓喜)
しばし後。
「と言うか、短弓ならポーズの自由も利くのではなくて?」
加賀さんが、何かに気付いたように言い放ちます。
・・・そういう問題ではない気がしますが。
「そこの五航戦。弓を貸しなさい。」
「お、横暴だわ!」
しかし瑞鶴はふと冷静になると、
「でも翔鶴ねえの弓を触らせるわけにはいかないわね・・・。」
おや。
「使うならあたしのにしなさいよ。」
なんやかんや言って、武器を預ける程度には加賀さんを信頼しているようです。
あの二人も、難儀な性格ですよねえ。
などど、取り留めのない事を考えていると――
「こほん。大変お仲がよろしいようですが。」
凛とした声が、それまで黙って俯いていた翔鶴から上がります。
「お二人は後で説教です。壊した家財の分、きっちり反省して頂きますからね?」
「そんなあ・・・。」
「なぜ私まで・・・。」
・・・加賀さん?
私たちの部屋でここまでやって、なんでとは心外ですねえ。
この際、手痛いお灸でも――
「赤城さんもです!貴方なら止められるんですよ!ちゃんと止めてください!」
怒鳴られてしまいました。
・・・今夜のお夜食は、後輩の苦い苦い説教となりそうです。
――――――
――――
<おしまい>
また23時頃にでもお付き合い下さいな
>>59 すごい漢に気付いて頂けるとは・・・
弓でダブルトリガーしたりケッチャコつけたりするのが仮面ライダー
伊勢のヤツ投下します。(ネタ的に薄い箸休め)
ここの伊勢は4コマ準拠の口調・・・のつもりです
★伊勢の曲芸斬り
伊勢「提督ー」
提督「んー?」
伊勢「わたし最近、武芸にハマってるんだ~」
提督「んー」
伊勢「ほらあの、頭の上になんか乗っけてズバーってやるやつ」
提督「ああ」
伊勢「あれできるようになったの~」
提督「へぇ。すごいじゃないかー」
伊勢「・・・むむ。なんだかすげない反応~?」ムー
伊勢「いいもん!どうせ実際やってみれば分かってくれるし!」
伊勢「だからさ、はい」つリンゴ
提督「・・・は?」
伊勢「提督の頭でやっちゃおっかなって」テヘ
提督「」
――――――
――――
提督「お、おいホントに大丈夫かこれ?なあ失敗しないよな?」アワワ
伊勢「も~、私を信じてよ~。でも・・・」
伊勢「動いちゃだめよ?」ニィ
提督「ヒィ!」コクコク
伊勢「うんうん。・・・あ、もうちょっと右ね。よっと」サワ
提督「おぅっ!?どこ触ってんの!」
伊勢「あはは、ごめんごめん。大丈夫そうね~」
伊勢「・・・じゃー、行きますよ」
伊勢「……」
提督「……」ゴクリ
伊勢「・・・フゥー」
伊勢「むんっ!」シュババッ
提督「――!!」
ポトッ
伊勢「……」グッ
提督「・・・終わった?なぁ終わった?」
伊勢「うん。成功~」
提督「そうか」
伊勢「うん。ど~よ!」
提督「・・・怖かった」
伊勢「うん・・・えっ、それだけ?」
提督「・・・ああ」
伊勢「あ~。そんな冷たい反応しちゃうんだ~?」ムー
提督「いやあのな?・・・普通に怖くて真っ白」
伊勢「そんな冷たい反応だと、お腹まで冷えちゃうかもよ」ニヤニヤ
提督「は?」
パサァ・・・
提督(下半身大破)「あ・・・れぇ・・・?」
提督「・・・き」
伊勢「き?」
提督「キャァァーーーーーーーーッ!!!」
――――――
――――
伊勢「あっははははは!!」
伊勢「提督ったら!お、女の子みたいな悲鳴あげてるし!」バンバン
伊勢「いやー二太刀目がキモでさぁ~。ふぅーふぅーっ、・・・くふふ」
提督「・・・ふん」
伊勢「ごめんごめん。ちょっとやりすぎたよ。・・・んふっ」
提督「なんだよ」ムッ
伊勢「いやね、その格好でね、ふんっ!って威張ると・・・くくっ」
提督「……」ムスー
伊勢「も~、ごめんって!弁償だってするからさ~」
提督「・・・ま、もういいけどさ。でもな?でも・・・」
提督「恥ずかしいじゃん!どうしてくれんだ!」
伊勢「え~?大丈夫だよ~。なかなか立派じゃん?」チラ
提督「そういう問題じゃ・・・」
提督「ってこら、見んな!」
伊勢「いいじゃん~減るもんじゃないし。それに・・・」カガンデ
伊勢「わたしだってこんなんで――」ユビサシ
提督「こんなん・・・」ズーン
伊勢「し、失礼?・・・真っ赤になったり喚いたりするほどウブじゃないし」ツンツン
提督「……」ヤメロ
伊勢「なんならお嫁さんにもなってあげ――」
ガチャ
青葉「司令官!ご報告があり・・・っ!?」
提督(ズボンとパンツDOWN)「」
伊勢(屈んで提督の顔を見上げつつ)「る、し・・・」
青葉「ひゃああ!ごめんなさーい!!」バタン
伊勢「……」
伊勢「あちゃー」
提督「」マッサオ
伊勢「あの子、意外と純情だよねぇ・・・」
提督「」
伊勢「うん、まあ・・・これはわたしが蒔いた種だ・・・」
伊勢「青葉追っかけなきゃ。今日はゴメン!じゃねっ」タタタ
提督「・・・お、おう」
提督「・・・ひとまず何か穿こう」
提督「えーっと、たしか箪笥の下の段に――」ヨツンバイ
ガチャ
??「提督さん提督さん、遊んで欲し――」
提督「ひゃ」プリケツ
夕立「・・・お尻っぽい?」
――――――
――――
<おし(り)まい>
短めですが、蒼龍&飛龍投下します。
コアなネタを通じたイチャイチャ?
★蒼龍&飛龍の新型開発会議
蒼龍「私たちってさ」
飛龍「うん」
蒼龍「地味だよね」
「「……」」
飛龍「・・・まぁ、昔よりはいいと思うな」
蒼龍「まぁ、そうなんだけど」
蒼龍「だからね、ここいらで一発でっかく新型を作っちゃってさ」
蒼龍「“龍”一族を見直させてやろうと思うの」
飛龍「・・・勝手に“龍”で括っちゃっていいのかなぁ」
蒼龍「大丈夫大丈夫!」
蒼龍「雲龍ちゃんも天龍さんもちょっと他の子に押され気味だし、なんやかんやで優しいから!」
飛龍「・・・まぁ怒られたら、その時謝ればいいか」
蒼龍「まずは母艦だよね」
飛龍「うん、私らと同じ母艦、大事だね」
蒼龍「龍といえば・・・」
飛龍「竜虎の拳?」
蒼龍「う~ん、そっちはあの、ちょっと権利がアレだから・・・」
飛龍「えっ、うん。まぁ時事だけどさ」
飛龍「・・・私たちがそれを言うのってナンセンスじゃない?」
蒼龍「まぁまぁ。それで、そっちじゃなくてほら、昇竜!」
飛龍「そっちのメーカーもダメじゃないかな・・・」
飛龍「結局権利的にマズいのは変わらないし」
蒼龍「だってかっこいいでしょ!対空とか強そうじゃん!」
飛龍「でも機動力というか、立ち回り?はイマイチになりそうよね」
飛龍「私たちが活躍できたのってさ、やっぱり小柄でも足が速いから、って所が大きいじゃん」
蒼龍「むむー、確かに・・・」
飛龍「ショウリュウ、っていう響きはすごくそれっぽいんだけどさ」
蒼龍「よ、よぉーし!気を取り直して次行こう!」
蒼龍「それじゃ、えーと艦載機かな」
飛龍「うんうん、私たちはこれが無いとね」
飛龍「・・・で、やっぱり飛び道具系?波動拳とか」
蒼龍「それもいいけどー・・・んー」
飛龍「何さ?」
蒼龍「いやね、波動、ってなんだか仰々しいなーってさ」
飛龍「まぁねー・・・。それで、どうするのさ?」
蒼龍「私が考えたのはね、・・・」
飛龍「……」
蒼龍「まぁ、サマソとソニブなんだけど」
飛龍「はぁ」
飛龍「・・・浮かばなかったなら、素直にそう言いなさいよ」
飛龍「それで、どうやってそれっぽい名前にするの?」
蒼龍「和訳するの。サマソは・・・夏塩?」
飛龍「いや、それとんぼ返りのことだから・・・っていうか、英語だとフラッシュキック」
蒼龍「・・・へ?そ、そうなんだ~。あはは」
「「……」」
飛龍「もーさぁ、そんなんでいいの?全くやる気を感じないよ」
蒼龍「いいのー。そんでもって、ソニブは空波。真空波の略ね」
飛龍「んー、今度はちゃんと和訳っぽいかな」
飛龍「でもなんか・・・チンピラくさい?」
蒼龍「てへへ、私も実は、必殺技っぽくて結局仰々しいじゃん、って一瞬思った」
蒼龍「・・・誰かさんが言うまでは、考えないようにしてたんだけどなー」
飛龍「いっぺん気付いちゃうと、もう頭から離れないよね」
飛龍「あ、それでさ」
飛龍「私も母艦の名前考えてみたんだけど」
蒼龍「おっ。飛龍もやっとやる気になってくれたのかぁ」
飛龍「まぁねー」
蒼龍「それで、なになに~?」
飛龍「烏龍とかー、小龍包とか!」
蒼龍「がくっ・・・」
飛龍「なによー。蒼龍の案だって、普通に考えればがっかりクオリティーじゃない」
蒼龍「・・・っていうか、飛龍」
飛龍「ん?」
蒼龍「お腹減ってるでしょ」
飛龍「お、分かる?」
蒼龍「そりゃまぁ、ね・・・」
蒼龍「それじゃ時間もちょうどいいし、二人で中華でも食べに行こうか」
飛龍「いいねー。いこいこ」
飛龍「私食べ放題がいいなー」
蒼龍「えー、飛龍食べ過ぎ」
飛龍「蒼龍が気を遣いすぎなんだよー」
――――――
――――
蒼龍「ねえ飛龍、私たちさ」
蒼龍「・・・さっきまで何の話してたんだっけ?」
飛龍「・・・うん。あんたのそのー、前向き?な所、私嫌いじゃないよ」
蒼龍「どしたの急に?まあでも、褒められて悪い気はしないかなぁ」
「あ、すみませーん!杏露酒一杯追加で!」
「紹興酒も一緒にお願いしまーす、ザラメ入りで」
…………
……
…
――新しい艦が完成したみたい。
「航空母艦、鎧龍(ガイリュウ)だ。負けはせぬ。この友の形見にかけて」
――――――
――――
<終>
ageてしまった本当に申し訳ない
投下おしまい
くにへかえるんだな
>>79
だいじょぶです
目立つスレでもないですゆえ
あやしきのお話だけ投下します。
★綾&敷の、ちいさな癒し見つけます
はぁ・・・。癒されますねぇ。
皆様こんにちは、綾波です。
そして――
「はぁ・・・あたしってつまんないヤツなのかなぁ」
そこに見えるのが敷波ちゃん。
素直じゃないですけど、健気でいじらしくて、とっても可愛い妹です。
「どうしたんです?せっかくの休日なのに、朝から暗いですよ」
「姉貴が特別能天気なんだよ。あたしら女の子なんだし、悩みくらい普通あるって」
「む。失礼な。私だって悩みくらいありますよー」
「はいはい。・・・それでさぁ、あたしって無趣味すぎるんじゃないかと思ってね・・・」
うんぬん。
・・・
さて、ここは食堂の小上がり。
私のお気に入りの癒しスポットです。
でも皆さんには、おばあちゃんみたいだー、って言われちゃいます。
「はぁ・・・姉貴も年寄りじゃないんだからさぁ」
・・・気にしてなんか、いませんよ?
「敷波ちゃんも、じきに分かりますよ?」
「そんなもんかなぁ・・・」
そんなものです。
ですから今日は、他にもある私の癒しスポットをご紹介したいと思います。
どれも鎮守府内の、ほんのちょっとしたものですけどね。
――――
まず思い浮かぶのは、司令官のお膝でしょうか。
駆逐艦娘の皆さんなら、きっと共感して頂けることと思います。
お仕事の邪魔になっちゃいますし、機会がなければなかなかお願いもできませんが・・・
さて――
そんな訳で、綾波、司令官にお願いしちゃいました。
「姉貴、あんたも大概気まぐれだよね」
「むむ。それを言うならあなたもですよ、敷波。司令官もそう思いませんか?」
――綾波は甘えん坊で、敷波はつんっとクールなところが、猫みたいだな。
そう答えて苦笑する声は、しかし綾波のお膝から。
綾波、甘えに行ったら、逆に甘えられてしまいました。
「急に来ちゃってゴメン。姉貴の気まぐれで・・・」
――甘えてるのは、俺なんだけどな。
「ほら、司令官もこう言ってますし、いいじゃありませんか。ね?」
「もぉ、この姉は・・・」
すっかりむくれちゃって、ご立腹の敷波ちゃん。
・・・そんなに綾波の膝枕が恋しいのでしょうか?
「はぁー、いいなぁ・・・」
妹がなんだか難しい、そんな今日この頃です。
でも・・・
こうして司令官が身じろぎするたび、綾波のふとももをくすぐる、こそばゆさ。
刈り上げられた短髪の、その感触。
これはこれで、癒されますねぇ。
――――
次に私たちが向かったのは、川内さん達のお部屋。
川内さん達のお部屋は、お昼はとても静かです。
現在時刻は、ヒトヒトマルマル。
午前中のいちばんいい時間に訪れたのは、暖かな日差しの差し込む南向きのお部屋。
くかー、くかー・・・と。
夜に備えて眠る川内さんの、規則正しい寝息のリズムを聴きながら。
「・・・それでね、那珂ちゃんのこないだのお仕事先がね?・・・」
那珂ちゃんさんのお仕事のお話で、いろんな方々や地域の、楽しい想像を膨らませ。
(妹の自慢話に、いつも付き合わせてしまいますね・・・)
(いえいえ。好きで聴かせていただいてますから)
(そう、ですか?)
(はい。普通に艦むすやってたら、まず聞けない話です)
こそこそ、くすくすと。
神通さんと、ときどきはさむ内緒話に安らぎを感じて。
アツアツのお茶を頂いてすする、このひとときは。
絆を確認するようで、まさに・・・
「これこそ、私の好きな癒しの時間です」
・・・あ。でも、くれぐれも夜は来ちゃいけませんよ。
癒しどころか、へとへとに疲れちゃいますから。
――――
こんどは、工廠に来てみました。
「なー、怪我してる訳じゃないのに、なんでこんな所に来るんだよ?」
敷波ちゃん、ご不満ですか?
「・・・まあ、お風呂が癒しなのは分からんでもないけどさ」
「うーん、分かってませんねえ。」
お風呂は確かに魅力的ですよね。
でも、綾波がお伝えしたいのはそこではなくて・・・
「――!」
「――?」
「……。」
あーでもない、こーでもないと右往左往する小さな影。
ちょこまかと走り回る、ちっちゃな働き者さんたち。
そうです。
綾波は妖精さんたちの働くお姿が見たいのです。
勿論彼らにお仕事があるのは、必ずしも良いことではないです。
お怪我をされた艦むすさんがいらっしゃるかもしれません。
あるいは司令官や秘書さんが、新たな出撃に備えているかも知れません。
でも。
そんな心配を忘れさせてくれるのもまた、妖精さん達のお姿です。
その様子はどことなくコミカルで、たまらなく愛くるしく。
小さな背中からは、頼りがいも感じます。
彼らが頑張ってくださればこそ、綾波たちはいつも前線に出られるのでしょう。
彼らは綾波たち艦むすにとって、正しく相棒と言うに相応しい存在ではありませんか。
「これ、ひとくち饅頭です。いっぱいあるので、休憩の時にでもどうぞ」
「――?」
「……♪」
さすがに、お仕事後の真っ黒なお手では食べられないでしょうか。
ちょっぴりちぎって差し出してみます。
「他の皆さんには内緒ですよ?」
「――はむっ」
「ひゃ!綾波の指まで咥えないでください・・・」
なんて言いつつ、実はこのくすぐったさが癖になりそうです。
いうなれば、妖精さんセラピーですね。
「敷波ちゃんも、見てましたか?分かってくれましたよね」
「・・・うん。ちょっと悶えそう」
この癒しが、分かって頂けたようで何よりです。
――――
「あたし的には、自分の部屋以上に落ち着く場所なんてないと思うけど」
敷波ちゃん、ちょっぴり癪ですが同感です。
最後はやっぱり、綾波たちふたりのお部屋。
何だかんだ言っても、やっぱりいちばん落ち着きます。
でもまあ、それはそれとして――
「なんであたしって、姉貴みたいに素直になれないんだろうなぁ・・・」
そう愚痴をこぼしながら、ぐったり寝そべる妹の。
もちもちほっぺに敷かれる、この机。
「きっと、そんな敷波ちゃんのいじらしさが大好きな殿方も、少なくないですよ」
こんなことを言う綾波の、最近ちょっとお肉がつき過ぎなお尻に敷かれる、この座布団。
そうです。
綾波たちのお部屋には、司令官から頂いたお古の家財が混じっています。
こういうのって、なんといいますか・・・
お兄さんからお下がりをもらう、妹になったみたいじゃないですか?
ふふふ。司令官と兄妹ですよ?
ちょっとだけ嬉しい気持ちになりますね。
あ、そうでした。
なかには司令官のお古のシーツで繕った抱き枕なんて、マニアックな代物も。
・・・一応言っておきますけど、それは私が使う訳じゃないですよ?決して――
決して敷波ちゃんが、もうあの抱き枕なしでは眠れないとか、そういう訳でもないです。
・・・ないですからね?
・・・
それと、この部屋のことは、艦隊の皆さんには内緒です。
特に、金剛さんとか、酒匂さんとか。
夕雲さんや荒潮さんもダメです。
霞さんも・・・かな?
綾波は別に、家財に執着はしてないですけど。
・・・してないですけど?
でも、敷波ちゃんが落ち込んじゃいますから。
だから、取り上げていっちゃいそうな人たちには、ぜったいヒミツです。
さて。
綾波のとっておきの場所たち、味わっていただけたでしょうか?
今日は日頃の密かな癒しを、いっぺんにたくさん味わってしまいました。
明日から、また新しい場所を探すこともしないといけませんね。
では皆さん、本日はさようなら。
ひとりひとりに、ほんのひと時でも癒しが訪れますように。
綾波より、ちいさな祈りをこめて――
――――――
――――
<結>
おしまいです。
最近書いたヤツなので、地の文が入ってます
早朝・・・というほど早くもありませんが深雪投下します
>>1でも記載した通り、R-17くらいのアダルト要素を含みます。ご注意を
★深雪の独白
着任からしばし時間が経った頃。
あたしは、あの司令官とシたことがある。
やっぱり意外かな?
あいつが女に手を出したなんて、仮に言ったとしても信じてもらえないだろ。
あのヘタレのことだから、セクハラやイタズラ程度と思われるのがオチだ。
でもな。
みんなあいつのこと、聖人か何かと勘違いしてんだよ。
あいつも、割と普通の人間なんだ。
もちろん、あたしも。
だからまぁ・・・さ、お互い難しい時期もあったんだ。
まだまだ鎮守府にも艦娘が少なかったし、気苦労も多かったんだろうなあ。
そしてあたしも、あいつに苦労をかけた艦むすの一人だ。
あたしは艦艇として、一度の実戦も経験せずに沈んだろ?
だから、怖かったんだ。
深海棲艦との戦いが。
もっと言うと、慣れない実戦の空気が、かな。
そんでさ。
それまで何とか騙し騙しやってきたけど、ある時ついに実戦でやらかした。
その場は他の艦娘たちがカバーしてくれたから何とかなったさ。
でもあたし、もう我慢できなくなった。
やられる予感を味わって、もう一人でいることが嫌になった。
どうしようもなくなって、気が付くと司令官に頼っていたんだ。
あの頃のこと・・・
司令官に抱かれた夜のことは鮮明に覚えてる。
あれは確か、中秋の頃。
――――
あたしは工廠から出ると、夜まで自分の布団に篭ってた。
自分たちの部屋なら大体初雪ねえがいたから、安心できたんだよな。
そして、みんなが寝静まった頃。
俯きがちに私室へ入ってきたあたしを、司令官は優しく受け入れた。
「深雪?眠れないのか。」
黙って頷くと、あいつは頭一つ背の低いあたしに、視線を合わせて言った。
「よかったら、少し話さないか。」
それから、あたしは色んなことを話した。
船として実戦の経験が無いこと、戦いが怖いこと。
姉妹たちみんな戦いに慣れてる感じだから、疎外感もあったよ。
あたしたちが沈んだらどうなるのか、っていう疑問も話したっけ。
ほら、あたしたちって人間じゃないんだろ?
あいつは、あたしの相談に期待どおりの受け答えをしてくれた。
答えがほしい相談をすれば、必ず答えてくれて。
ただ話したいだけの語りかけは、黙って聴いていてくれた。
そして、多くの時間が経った頃かな。
あたしはふと、こんなことを口にしたんだ。
「……なあ、司令官。」
「あんたはあたしを、受け入れてくれるのか?」
ここで、あいつは何かに気が付いた様子を見せる。
あたしはあいつに身体を寄せながら、上目遣いで続けた。
「今、あたしは誰かに必要とされたい。」
「……あんたなら、分かるだろ。」
あいつは答える。
「それはつまり……そういうこと、か?」
あたしはこくりと頷いた。
司令官はあからさまに戸惑ってたっけ。
今思えば、当然のことかもしれないな。
だけど、結局あいつは、あたしの意思を尊重してくれたらしかった。
司令官はソファーに腰を下ろすと、あたしを招く。
あたしはそれに素直に応じる。
座るあいつの両足の間に膝をつき、あたしは正面からもたれ掛かった。
あいつの首に腕を回して、ちょうど身体を抱き合わせる感じだ。
そのまま二人、息のかかる距離で見つめ合う。
それからほどなく。
あいつは回した腕であたしの身体をそっと寄せ、あたしはそれに身を任せるまま……
唇を合わせた。
どのくらいの時間、それを続けたのか分からない。
むしゃぶりついたり、舌を入れ合ったり。
とにかくキスだけで、かなりの時間をかけたんだろうな。
やっと離れると、あたしの口端からは、ふたり分の涎がきらりと糸をひいた。
既に気持ちが昂ぶっていたあたしは、衣服を脱ぐ手間も惜しくなって。
スカートとショーツだけを脱ぎ捨てて、あいつに続きを求めた。
この時のあたしの顔はきっと、真っ赤に上気して蕩けていたに違いない。
司令官はまず、あたしの腰に手を回す。
身体をそっとなぞる指が、こそばゆい。
「・・・ふっ、ぅ」
くすぐったいだけの感覚だが、この時のあたしはちょっと興奮している。
雰囲気にあてられた、ってヤツだろうか。
焦らされるような刺激に、あたしは身体をよじらせた。
あいつはもう一度あたしを抱き寄せると、首筋に顔を近づける。
「少し、汗ばんでいるな。」
・・・汗くさかったかな?
「汗で湿った髪が、首筋にまとわりついている。・・・暑く、ないか?」
甘えるような声で、あたしは答える。
「司令官が大丈夫なら、いい。」
耳元で、あいつも囁く。
「そうか。・・・なら、いいんだ。」
あたしはこの、クセのある髪があんまり好きじゃなかったが・・・
あいつは、汗でうなじに張り付く髪を、色っぽいって気に入ってくれた。
やがてあいつは、あたしをソファーに組み敷くと、あたしのシャツを捲り上げた。
ひんやりした合皮のソファーの上に、あたしの小柄な身体が沈む。
少し不安になるあたしだが、あいつはどこまでも優しい。
ちっちゃな胸だが、あいつは特に気にすることなく弄んでくれた。
あたしの秘所が、じわりじわりと疼きだす。
・・・
まあ、最初から気持ちいい訳じゃなかったのは確かなんだが。
なにせ、あたしらどっちも初めてなんだ。
ぎこちない様子も見せたあいつだが、あたしの身体が快楽に弾むうち、少しずつ要領を得ていった。
ここから先は、俗に言う本番ってヤツ。
司令官とあたしの間の、ふたりだけの秘密だ。
――――
翌朝、あたしは司令官より一足先に目を覚ました。
お互い初めてのことだから、少し股に違和感が残っていたけど。
それはまあ、さておき。
静かに窓を開けると、柔らかな朝日とは裏腹に、少しひんやりした風がそよぐ。
その風が、室内にこもる生臭い空気を晴らしていった気がした。
あたしは乱れた衣服を着なおし、書置きで感謝を伝えた後、こっそりとあいつの部屋を後にする。
去り際に、もう一度だけ軽いキスを残して。
――――
その日、内股を引きずって歩くあたしを見た吹雪ねえがギョッとしてたっけ。
あれは色々察した上での表情なのか、単純に怪我したと思ったのか……。
まぁ吹雪ねえのことだからな、どっちもあり得る話だとは思う。
な、わかるだろ?
でさ、それからもいろんな所に行ったり、仲間が入ってきたり……。
結構な時間を、あたしはこの鎮守府で過ごしてきているんだよな。
そんな中で、あたしがこうして図太く居座れるのは、さ。
あの時のことがあったからだと思うよ。
こんなんでも感謝してるんだぜ、司令官?
ああ、そうそう。
今のあたしは司令官とそんな関係じゃないから、安心してくれよ?
あたしもあいつも、すがる相手が必要なほど参ってるわけじゃないはずだ。
もしそんなに参ってたなら、さすがのあたしもすぐに気付いて駆けつけてるぜ。
あの時の恩返しだって、結局満足にはできてないんだからな。
……うん。
ま、それはともかく。
身体の関係に関してはあれっきりだ。
あいつは司令官で、あたしは部下。
たまに友達だったりもするけど、その程度の関係に過ぎない。
この距離感に特別不満を感じたことはないつもりだし、これからもこの関係で行くつもりだ。
――――
あたしたち艦むすだって腹は減るし、眠い時だってある。
それにちょっとだけ、エッチな気分になることだってあるだろ?
これはきっと、そんな当たり前の話の一つに過ぎない。
だけど、あたしは前に言ったことがあるよな。
“あたしたちって人間じゃないんだろ?”
ってさ。
このことについてだけど、あたしたちは多分普通の女の子と何ら変わりないと思う。
人間の三大欲求を持ってて、自分たちは何者なんだ?って思い悩む。
これのどこが、普通の女の子と違うんだろうな。
あたしの小さな脳みそなりに、色々考え抜いた末の回答だ。
――――――
――――
<おわり>
・頭一つ分低い背丈(重要)
・下だけ脱いで…(重要)
・内股でびっこひき(察して)
うまく描写できた自信がありませんが・・・
これで全ての投下を終わります。お付き合いいただいた方に、感謝を。
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