とある悪魔と闇のソウル (292)

古い時代



世界はまだ分かたれず、霧に覆われ
灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった


だが、いつかはじめての火がおこり
火と共に差異がもたらされた
熱と冷たさと、生と死と、そして光と闇と


そして、闇より生まれた幾匹かが
火に惹かれ、王のソウルを見出した


最初の死者、ニト

イザリスの魔女と、混沌の娘たち

太陽の光の王グウィンと、彼の騎士たち




そして、誰も知らぬ小人




それらは王の力を得、古竜に戦いを挑んだ



グウィンの雷が、岩のウロコを貫き
魔女の炎は嵐となり
死の瘴気がニトによって解き放たれた



そして、ウロコのない白竜、シースの裏切りにより、遂に古竜は敗れた


火の時代のはじまりだ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403576459

だが、やがて火は消え、暗闇だけが残る



今や、火はまさに消えかけ
人の世には届かず、夜ばかりが続き
人の中に、呪われた不死者が現れはじめていた






やがて1人の不死者が、太陽王グウィンの治める古き王の国『ロードラン』に辿り着いた


やがて1人の太陽をシンボルとした戦士が辿り着いた


やがて1人の変わった鎧を纏った紳士が辿り着いた


やがて1人の大きな帽子を被った大魔法使いが辿り着いた


やがて1人の名もなき戦士が辿り着いた
そしてその心を折られた




しかし誰1人として、ロードランから戻って来る者はいなかった

火は既に風前の灯となり、今にも消えかけようとしている







古き王達の住まう土地『ロードラン』






あらゆる時空が混ざり合い、過去の英雄も未来の勇者も入り混じった閉ざされた空間




今正に消えようとするその火は





その継ぎ手を求めて、遂には次元を超えた





舞台は現代、学園都市へ

DAY-1 AM07:00




アナウンサー『緊急速報が入りました。本日未明、突如学園都市を覆うように濃霧が発生し、霧の発生とほぼ同時に学園都市との連絡が全く取れない状況になっています。
現在霧は、学園都市を囲む壁から少しずつ外へと出てきているそうです。
ここで中継が入ります。現場はどのような状況でしょうか?』



リポーター『ハイッ!!現在私は学園都市のすぐ側まで来ています!!ご覧下さい!!霧が!!学園都市を覆うように濃霧が発生しているのが見えます!!中の様子は全く確認することが出来ません!!
平時なら、この位置から学園都市内のビルなどが多く確認出来るのですが、現在全く確認出来ません!!


……ん?霧が少しずつコチラに広がってきてますね」




アナウンサー『その霧の中は一体どうなっているのか確認出来ますか?毒性のあるモノでは無いとの事ですが』




リポーター『ハイッ!!少し中に入って見たいと思います!!』

…………




アナウンサー『……どうですか?中の様子はわかりましたか?……映像が出ませんね……音声も届いてないのでしょうか?』




リポーター『ヒギァァァァァァァァアアアアアアアアッ!!!!!!!!』




アナウンサー『ッ!?どうしましたか!?何があったんですか!?』



リポーター『く、来るなッ!!来るなァァアッ!!!何なんだこのバケモノ共はァァアッ!!!!!』




アナウンサー『何かいるんですかッ!?逃げて下さい!!早くッ!!!』



リポーター『出られないッ!!入り口が無くなってるッ!!皆死んでしまった!!何処なんだココはッ!!!どうなってるんだッ!!!』



アナウンサー『死んだ!?どういうことですか!?出られない!?』



リポーター『学生が……いやッ!!学生だけじゃない!!中世のヨーロッパの騎士みたいな巨人も……空を飛んでるバケモノもいる!!なんなんですか!?皆いきなり襲いかかってきてッ!!』



アナウンサー『落ち着いて下さいッ!!今どの辺りにいるのかわかりますかッ!?学園都市の壁の近くですかッ!?』



リポーター『壁ッ!?学園都市の壁なんか何処にもないッ!!目の前にあるのは映画に出てくるような巨大な城ですよッ!!遠くには学園都市のビルみたいなのも見えますけど……めちゃくちゃだ!!現代と中世が入り混じってるような……とにかくめちゃくちゃなんですよッ!!わぁッ!?竜が!!赤いドラゴンが来るッ!!』



アナウンサー『ドラゴンッ!?ドラゴンってまさか』



リポーター『ギャァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!』


ブツンッ!!!

その日






学園都市は色の無い濃霧に覆われた







政府は自衛隊、各国から軍隊を要請し、3日間に渡って、学園都市内部の把握と救出作戦を行ったが







帰ってきた人間は居なかった






数万モノ人員が動員されたにも関わらず





誰1人

とある学園都市と、古き王達の土地『ロードラン』が交差する時






はじまりの火は再び灯される






あるいは……

とある魔術の禁書目録と、ダークソウル・デモンズソウルのクロスとなります。


メインのSSが他にある為、恐らくかなり遅筆になります。気長ーに見て行ってください。ちなみにメインの方もゆっくりですが……



時系列に関してはあまり気にしないでノリで読んでもらえると幸いです。



設定はダークソウルの舞台『ロードラン』が主ですが、デモンズソウルのステージや、ダークソウル2の舞台『ドラングレイグ』も混じって、なおかつ学園都市の建物も混じってます。

後々書いていきますが、時空が乱れて舞台が入り混じった感じです。いつかMAPを出せたら出します。



続きはまたメインの方と共に、夜に投下します。

ふむ。期待しとく

期待

楽しみだけど、ただでさえGANTZが更新滞ってるのに大丈夫か?

奴隷兵や亡者に活躍の場があらんことを・・・

お前のせいでダクソやりたくなってきただろどうしてくれる

ダンテかと思ったけど違った

変わった鎧とは失礼な!!
刃を受け流し、打撃を逸らし、恰幅の良い体型を気にしなくてもいい素晴らしいカタリナの装備だぞ!?
男女共に装備でき、かつ数千年の時を経ても残るこの鎧…もはや伝説級の逸品ではないか!?

これ死んだ人間全員亡者になってるのか

>>15
ジークリンデ乙

こんばんわ、1です。それでは投下を始めたいと思います。皆さんよろしくです。


>>11
なんとかなると思います。多分、おそらく、きっと。

DAY-1 06:00




第7学区 とある高校 男子学生寮



インデックス「とーま!!とーまー!!」ドンドンッ!!


上条「ん……何だよ……イテテテ……」ファァッ……



あらゆる異能の力をかき消す右手を持つ少年、上条当麻が、居候の白いシスター、インデックスの声によって起こされる。


ベットはインデックスが使用している為、上条は風呂場で寝ている為、身体が固くなり起きづらい。



上条「何だよ……まだ6時じゃねーか……上条さんはまだまだお眠の時間ですことよ……」


インデックス「いいから外!!外を見てほしいんだよッ!!


インデックスが、かなり焦った表情でベランダへと上条を誘導する。

上条「外だぁ?外が一体……なんじゃありゃぁぁぁあああッ!!!!!!」



目覚めきってない頭でベランダへと向かった上条は、その光景に一気に目が覚めた。



見慣れたハズのベランダの景色。

立ち並ぶ建物。

周辺はいつも通りだ。


少し霧が出ているくらいの変化しかない。



ただ、少し北の方の遠くを見てみると、第7学区の中心部。
窓のないビル辺りだろうか?とてつもなく巨大な岩山のようなモノが聳え立っていた。

よく見ると、その山の頂上辺りが、何やらほんのり光輝いているのが見える。

上条「ど……どうなってんだ一体……何があったんだよこの一晩で……」


インデックス「それだけじゃないんだよ……そこら中から凄まじい魔力が漂ってきてる。この霧自体が高い魔力を持ってるような……」


上条「魔力?てことは、これも魔術師の仕業なのか!?」


インデックス「多分違う……だって……だってこんなの……まさか……」ブルブルッ……


インデックスは怯えた様子で震えている。


上条「と、とにかくTVでもつけてみようぜ!!」

ザーーーーーッ!!!!!




上条「あれ?クソッ!!どのチャンネルも何も映らねぇ!!どうなってるんだよ!!」




ドンドンッ!!



「おーい上ヤン!!起きてるかー!?寝てるなら今すぐ起きるぜよー!!」ドンドン!!!



映らないTVに戸惑っていると、玄関から隣に住む土御門の声が聞こえてきた。



上条「土御門か!?起きてるよ!!ちょっと待て!!」ガチャッ!!



上条は、すぐに玄関へと向かう。



インデックス「まさか……あれって……『アノール・ロンド』なんじゃ……それにこの霧は……『ボーレタリアの濃霧』?」ブルブルッ……

05:40



常盤台中学 学生寮



白井「な……何なんですのアレ……」


学園都市の名門、常盤台中学の学生寮の屋上で、寝間着姿の白井が辺りの光景に絶句している。



第7学区の中心部に、巨大な山が現れているのだ。
部屋から持ってきた、とある人物の覗き用に購入した望遠鏡を覗くと、山の麓辺りには見たこともない建物……いや、遺跡と言うべきなのか。それとも城?とにかくよくわからない多少荒廃したモノが建っている。


白井「一晩で何故こんなモノが……しかも、他の学区の方向にもうっすらと大きな建物が……」



霧によって見えづらいが、第7学区以外にも、昨日までは無かったモノが現れているようだ。


白井「警備員は既に動いているのでしょうか……私達も準備しておかなければ……」ピッ


白井は、同じ風紀委員である少女へと連絡をとった。

05:00


黄泉川邸



黄泉川「…………」ゴソゴソ


警備員であり、上条の通う高校の教師でもある黄泉川は、静まり返った室内で、警備員としての出動の準備を行っていた。


先ほど、仲間の警備員から連絡があったのだ。

外を見ろと。



外を見た黄泉川は、直ちに全警備員の出動を要請し、現在、学園都市に何が起こっているのかを確認しようとした。



黄泉川「……それじゃあ、行ってくるじゃんよ……」


黄泉川は、静かに部屋の同居人達へと伝える。

一方通行「どこに行くンだァ?こンな朝ッぱらからよォ」


黄泉川「ッ!?何だ、起きてたんじゃん……」


その背後から、同居人の1人。学園都市第1位の能力者、一方通行が声をかける。


一方通行「クソガキが寝ぼけて布団に入ってきやがってよォ。挙句の果てには蹴り起こされちまった。
……で。何かあったのか?何なンだァ?あの外のバカデケェ岩山は」

黄泉川「それを確かめに行くんじゃんよ。留守は頼んだじゃん、一方通行」ガチャ


黄泉川が玄関を開けて外に出る。外はまだ、多少白んでるくらいだ。

一方通行「……さっさと終わらせてこい。あのクソニートとガキ共のメシを作ってもらわねェとな」


黄泉川「ハイハイ、わかってるじゃん」バタンッ!!


そして、黄泉川は外へと出て行った。



一方通行「さて……」


一方通行は静かに首につけられたチョーカーへと、充電を行う。


これから何かややこしい事が起きる。


そう、直感で感じたのだろう。


実際は、彼の想像を遥かに超えた、壮絶な未来が待っているのだが。

06:10



とある高校 学生寮



上条「……つまり、お前にも何が起こってんのかサッパリってことか」


土御門「あぁ。少なくとも魔術師の仕業じゃない。あの岩山もそうだが、学園都市各地に異常が起きているみたいだ。

確認出来ただけでも、東の方に巨大な中世の城や鉱山みたいな山。あとはバカデカイ塔。

北西の方には海が広がってるなんて情報もある。恐らく、学園都市はバカデカイ結界の中に閉じ込められたみたいだにゃー」

上条「結界?」



土御門「あぁ。学園都市は壁で囲まれているだろ?その壁を超えた先には、海や荒野、とにかく日本から切り離されたようになっているにゃー。
恐らく、学園都市は今本来とは別の世界……次元に閉じ込められている」



上条「何だよそれ……一体誰がそんな事を」


土御門「1人、こんな馬鹿げた事をやりそうなヤツを知っているが、恐らく違うだろう。人間がどうこうできる事じゃない。そして、それを知る為に俺はここにいるんですたい」チラッ


土御門は、インデックスを見る。

土御門「禁書目録。お前の10万3000冊の知識の中に、何か思い当たる事はないか?」


インデックス「…………2つだけあるんだよ…………」


インデックスは、暗い顔でそう答える。


上条「ッ!?何か知ってるのかインデックス!?」



インデックス「知ってるっというか……大昔の伝承みたいなモノなんだけど……」


土御門「なんでもいい。少しでもヒントになることがあれば言ってくれ」



インデックス「……『ボーレタリアの濃霧』と『アノール・ロンド』……」



土御門「ッ!?」



インデックスが発した言葉に、土御門が表情を変える。

土御門「『ボーレタリアの濃霧』って……あの中世に一夜にして壊滅したっていう北の大国ボーレタリアか?」


上条「知ってんのか土御門!?」


土御門「あぁ……北欧に伝わる昔話みたいなモノだが」


インデックス「昔々。北の大国ボーレタリアという王国がありました」


土御門の言葉を遮るように、インデックスが語り出した。

『北の国ボーレタリアの王様、オーラントは、人跡地の限界、氷山脈の奥地で、巨大な楔の神殿を見出し、ソウルの業を手にしました。


ソウルとは人に隠された、新たな力であるようで、ボーレタリアは王様の元、豊かな暮らしを手に入れる事が出来ました。


しかし、ボーレタリアの繁栄は長くは続きませんでした。

おじいさんになった王様は、更なる力を求め、楔の深奥に入り込み。
そこに眠る古の獣を目覚めさせた為、色の無い濃霧と、デーモンたちが生まれてしまいました』

上条「デーモン?ソウル?」


土御門「その古の獣の手下みたいなモンぜよ。ソウルは生命力だか魔力だか……まぁそんな感じだにゃー」



『色の無い濃霧はボーレタリアを覆い、デーモンたちは人々からソウルを奪い、食べてしまいました。
古い獣は、デーモン達にソウルを集めさせ、自分のモノにしようとしたのです。

ボーレタリアは、あっという間にソウルに飢えた亡者だけが彷徨う国となってしまい、霧が晴れた頃には、全ての人達がいなくなってしまいました。
1人残った王様は、自分の強欲によって国民を全て失い、違う世界で1人で寂しく暮らしましたとさ』





インデックスは、口を閉じる。

上条「今の状況が、その昔話そっくりだって事なのか?でも作り話なんだろ?」



土御門「それはわからんぜよ。昔話ってのは何かしら元の話があって出来るものだからにゃー。
ただし、ボーレタリアの話には、何か建造物が現れるなんて事は記されてなかった。もう一つの『アノール・ロンド』とは何なんだ?」



インデックス「『アノール・ロンド』は……神々の地『ロードラン』に建てられた、『太陽王グウィン』の居城と言われているんだよ。
神の試練を乗り越えたモノのみが辿りつける神聖な場所。これも一部の地域に伝わる単なる神話だと思ってたけど……」

上条「グウィン?ロードラン?」


インデックス「世界の始まりを書いた神話なんだよ。古い時代……>>1




…………

06:20


常盤台中学 学生寮



御坂「んー……あれ?黒子?」グググッ


目が覚め、大きく背伸びをする御坂は、いつもならまだ寝ているハズの同室の後輩、白井黒子を探す。


御坂「制服がない……何処に行ったんだろ?こんな朝早くから……」スッ……



御坂はベットから降り、顔を洗う為に動き出す。


そして、ふと窓を見る。



御坂「んー……ん?……んんッ!?」バッ!!


三度見ほどで、ようやくその光景の異常さに気がついた。

06:20



第7学区 浜面宅




浜面「zzZ……」
滝壷「zzZ……」


とあるアパートの一室で。浜面と滝壷はまだ眠っていた。


プルルルルッ……

プルルルルッ……



浜面「ん……誰だよ……こんな朝早くに……」ピッ


麦野『はぁまづらぁぁあッ!!!テメェ電話にはワンコールで出ろっつってんだろうがッ!!!』


浜面「ッ!!?麦野か!?朝っぱらからワンコールなんざ出れるわけないだろうが!!」



電話は学園都市の暗部『アイテム』のリーダーである麦野沈利からのようだ。

麦野『とりあえず、アンタと……どうせ滝壷も裸で隣にいるんでしょ?外を見たら、すぐさまアジトに集合ね』ピッ


浜面「いるけど裸じゃねぇよ!!未だに清い関係ですぅー!!あー切れやがった」

滝壷「ん……どうしたの?はまづら……」ウトウト……

同じく『アイテム』メンバーの滝壷が寝ぼけながらこちらを見る。


浜面「いや、何か麦野が外を見て、状況がわかったらアジトに来いって……」ガラッ!!


浜面は、窓を開けて外を見る。




浜面「……滝壷……10分で支度しろ」

06:29



とある高校 学生寮



上条「つまり、その『最初の火』ってのが世界を作ったんだろ?」


インデックス「この神話ではそう伝えられてるんだよ。あの『アノール・ロンド』が本物だとしたら、もしかしたら『最初の火』も存在していて、それが消えかかっているのかも……」


土御門「その火が消えたらどうなんのかにゃー?」


インデックス「元の何も無い世界になるんだよ……生も死も。光も闇も。熱さも冷たさも。誰もが生きているのか死んでいるのかもわからない世界に……」




『06:30』カチッ






そして、異変は起きた。

御坂「何かわからないけどいつでも動けるようにしておかないと……ん?」



浜面「滝壷ッ!!早く車に乗れッ!!!何かヤベェぞこの霧ッ!!」



一方通行「なンだ?あの光は」




インデックス「あ……アノール・ロンドから光が……」


上条「伏せろッ!!!」



カッ!!!!!!!






その瞬間



アノール・ロンドがあると思われる岩山の頂上から、学園都市全体を照らす強烈な光が発せられた。

上条「……大丈夫か?2人とも」



インデックス「う、うん……私は何ともないんだよ……」


土御門「ん?禁書目録。何か右目がおかしいぜよ。瞳孔の部分に橙色の輪っかが……」


上条「土御門!!お前の目も右目だけ輪っかみたいなのが」


インデックス「とーまの目にもあるんだよ!!も、もしかしてこれって……」ブルブルッ……



上条「わかるのか!?インデックス!!」


インデックス「これは……ダークリング……不死者の証かも……」



グォォォォォォォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!





その瞬間、外から途轍もなく大きな咆哮が聞こえてくる。

インデックス「な、何?今の……」


インデックスがベランダの外を覗くと





王の赤竜「グルルルルルッ……」
王の青竜「ガルルルルルッ……」



外には巨大な赤い飛竜と、青い飛竜がいた。


いわゆるドラゴンだ。




上条「……は?」


映画やゲームに出てくるような。



そんな怪物が唐突に。




インデックスや、上条。土御門ですら、完全に思考が停止してしまっていた。





王の赤竜「グルァァァァアアアアッ!!!!」グググッ!!!



こちらに気づいた赤い竜が、何か溜め込むような動きをする。

上条は連想する。


竜。ドラゴン。


ドラゴンといえば、大抵炎を吐く。


『炎を吐く』



上条「2人共ッ!!伏せろォォォォオオオッ!!!」バッ!!!



咄嗟に上条は前に出て、異能の力を消し去る右手を前に構える。

その瞬間




王の赤竜「ガァァァァァァァアアアッ!!!!!」カッ!!




ゴォォォォォォオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!




上条達の部屋どころか、寮全体を飲み込む程の炎が、竜の口より吐き出された。

投下終了です。


とりあえず、プロローグ的なところでした。

明日からはしばらく、デモンズソウルでいう、ゲーム内ではやらなかったボーレタリアが亡者で溢れた原因のところを投下していきたいと思います。

デモンズ・ダークソウルをやった事ない人にも出来るだけ伝わるように頑張るので、よろしくお願いします。


では、おやすみなさい。

乙です
これからどうなっていくのか楽しみです。

Souls of the mind key to life's Æther...
Souls of the lost withdrawn from its vessel...
Let the strength to be granted, so the world might be mended...
so the world might be mended...

上条さんが病み村のクラーグや姫様の呪いを解いて元の人型に戻す展開……あると思います

デモンズととあるのクロスで速攻でエタったSS知ってるけど、ああはならないよな?

このひとのメインは相当長寿だしそれはないと思いたい

上条さんはパッチやペトルス、リーシュに詐欺られるだけでなく
ユルトやロートレクに後ろからズブッとやられたりしそうだな

上条さん1人じゃ牛頭のデーモンにすら勝てそうにないんだよなあ…

デモンズも混ざるならソウル体の方かと思ったけど、楔の神殿に縛られて無いから無理か

歩く教会が完全ならインなんとかさん最強だったのに......

装備だけを剥ぎ取るデーモンがいるらしい

炎に潜むものをレールガンハメで倒す御坂

>>1のデモンズ・ダークソウル知らない人の為の、このSS用重要用語講座ー

一部、原作とは設定が変わっています。デモンズとダークソウルを混ぜた為です。ご理解を。






『ソウル』


生物に宿る、生命力・精神力・魔力のようなモノ。まとめると魂みたいな感じ。色の無い濃霧の中でのみ、具現化出来る。
自分の体内に一時的に吸収し、人に分け与える事も出来る。ソウルを操り強力な術を使う事が出来る人間もいる。
持ち主が死ぬと、一時的に吸収している分は側にいる者へと流れていく。

ソウルを完全に取り込むと、自分が強くイメージした部分が強化される(体力、力、身体能力、精神力、運など様々)。この場合、死んでもソウルは流れていかない。


ソウルが枯渇すると、生物は思考する力を失い、理性や記憶を失う。そして、本能のままに枯渇したソウルを求めて、ソウルを持つ者へと襲いかかる。これを『亡者』と呼ぶ。


完全な亡者が元の人間に戻るには、通常のソウルをいくら集めても意味が無い。特別で強力なソウルを得る必要がある。


更に、その特別なソウルを、死者のソウルへと叩き込むことで……

『ダークリング』


橙色に妖しく輝く、『不死人』の証。
これが身体に現れた者は、死んでも何度でも生き返る不死人となる。
しかし、死と同時にソウルが流れ出ていく為、何度も死ぬと結果的にソウルを求めて彷徨う亡者と化す。


ロードランの『最初の火』が消えかけている事によって、火によって生み出された生と死の境が曖昧になってきている事が原因。

現在、色の無い濃霧に包まれた学園都市にいる。あるいは、新しく濃霧の中に入り込んだ者全てに、ダークリングは現れ、決して死ぬことが出来なくなる。




『デーモン』


色の無い濃霧と共に、生み出された存在。
『ボーレタリアの濃霧』によると、古い獣にソウルを供給する為の存在で、全ての生物からソウルを奪い取る。

そしてデーモンとは主に、濃霧とそれに混じった高濃度のソウルが、人々の恐怖・信仰の対象など、強い思いを具現化した似非である。

したがって、神話や伝承。人々から恐れ、崇められているモノが、そのまま具現化される為、結果的に能力や弱点なども、その元になった対象に準ずるモノとなる。



同じ原理で、死者のソウルを具現化することも、色の無い濃霧の中では……

『かつてボーレタリアには、オーラント王に仕えていた三英雄と呼ばれる者達がいました。


その中の1人。アルフレッド。


巨大にして堅牢な塔の盾で全てを受け止める不動の姿は、ボーレタリアを守る最強の盾と呼ぶに相応しい戦士でした。



人々は、彼を讃えてこう呼んでいました』






『塔の騎士』と。

06:31




第7学区 浜面のアパート前



浜面「な……何だ?今の光……」

滝壷「はまづら……大丈夫?」



車の中で、アノール・ロンドからの光を浴びた2人は、状況に混乱している。




浜面「ッ!?滝壷!!何か右目がおかしいぞ!?」

滝壷「はまづらも、右目だけ少し橙色になってる。似合わない」


浜面「そういう問題!?もしかして、今の光のせいか?身体に影響は」



ズンッ!!!





その直後、突如辺りに地響きが鳴り響いた。




そして、その正体は、浜面達のすぐ目の前にあった。

浜面「な……何だ……コイツ……」



浜面の目の前に現れたモノ。




それは、巨大な騎士の甲冑を身に纏い、その手には巨大な槍。そして更に巨大な塔の盾を持った巨人であった。




浜面が名前を知ることは無いが、その名を『塔の騎士』と呼ぶ。





塔の騎士『…………』ユラァッ……



塔の騎士が、ゆっくりと手に持つ巨大な塔の盾を持ち上げる。




浜面「?……ッ!?滝壷!!掴まれ!!」ガチャガチャッ!!


ブォォォオンッ!!!!


浜面は、車のシフトレバーをバックギアに入れ、すぐさまアクセルを踏み、巨人から一気に離れた。

ドォォォォォオオオオオオオオンッ!!!!!!



滝壷「きゃっ!?」

浜面「おわぁっ!?クッ、やっぱりやりやがった!!」

パリィンッ!!
パリィンッ!!!



その直後、巨人は盾を思いっきり振り下ろし、道路に叩きつける。


その衝撃は凄まじく、周囲の建物ほとんどの窓ガラスが割れ、道路もヒビ割れている。



「なんだなんだ!?地震か?」

「な、何だコレ!!何が起こってんだよ!!」



今の衝撃で、ようやく周囲の建物から人が出てきた。
皆、この訳のわからない状況に混乱している。

浜面「ようやく他の住人も動き出したか。俺らは早く、コイツから逃げ出さねーと」

ブォンッ!!!



グシャァァァァァァァアアアアアアアッ!!!!!!



浜面「……へ?」


次の瞬間には、巨人は手にした槍を横に薙ぎ払い、周囲の建物を一掃した。


槍の届く範囲にある、建物に居た人達は、恐らく全滅だろう。



塔の騎士『…………』


浜面「な……な……」ガタガタッ……


浜面はその光景を見て震えていた。




突如現れた巨人の騎士。


自分達に攻撃を加えてきた事。


一瞬で周囲の建物、人間を殲滅したこと。



かつて、麦野と三度殺しあった頃と同じ。いや、もしかしたらそれ以上の恐怖感があるかもしれない。



塔の騎士『…………』キィィィィイイイイイインッ!!!!



震える浜面をよそに、巨人の槍が蒼白い光にゆっくりと包まれていく。


高濃度のソウルを槍へと纏い、その破壊力を飛躍的に上げるソウルの業である。

ガシッ!!!


浜面「ッ!?」

滝壷「はまづらッ!!逃げよう!!」



震える浜面の腕を、力強い目をした滝壷が掴む。


そして、浜面は巨人の槍の異様さに気づいた。

巨人は槍を、思いっきり振りかぶっている。




浜面「ヤッベッ!!」ガチャガチャッ!!!

グンッ!!!!

ブォォォォォォォオオオオオッ!!!!!




浜面は、シフトレバーをドライブに切り替え、アクセルを全力で踏んだ。



浜面達の乗った車は、鈍重な巨人の足元をくぐり抜ける。


そして巨人は、浜面の事などまるでお構いなしに、ソウルに包まれた蒼白く光る槍を、前方に投げた。

槍の着弾地点、大体半径5、60mほどだろうか。





その全てが、完全に吹き飛んでいた。





建物も。人も。何もかもが。






もちろん、巨人はその爆風に耐えている。
その手に持つ巨大な塔の盾は、あらゆる驚異を防ぐ、無敵の盾なのだから。

ブォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



浜面「何だよ……何なんだよあのバケモンはッ!!!あの辺にいた人間、皆死んじまったぞ!!訳がわかんねぇッ!!」ガンッ!!!



浜面は、車を走らせながら、ダッシュボードを思い切り叩く。


唐突に。


本当に唐突に現れたあの巨人の騎士に、多くの命が奪われた。


滝壷がいなければ、自分もあのまま死んでいただろう。


滝壷「はまづら。とにかく、今はむぎの達と合流しよ。私達だけじゃあ、どうにもならないこともある」


浜面「あぁ……わかってる。……わかってるよ……」ブォォォォォォォオオオオオッ!!!!



浜面は、車を走らせ麦野達が待つであろうアジトへと向かった。


途中、見たことの無い化け物達が、人間を襲っているのを何度も見るが、浜面は止まらなかった。




止まれなかったのだ。

塔の騎士の初見プレイの威圧感はやばかったな…二週目からは動く置物だが

豆腐の異名を持つ塔の騎士さんがかっこよくて満足です

06:35



浜面のアパート跡地 周辺



「う……あれ?俺なんでこんなところに……何で家がぶっ壊れてんだ?周りの建物も……」



塔の騎士の襲撃があった、浜面のアパート周辺にて。



1人の男子学生が、立ち上がった。



先ほど、塔の騎士の槍によって、確実に命を落としたハズの人間が。



そして、ふと周りを見ると、他にも大勢の人間が立ち上がっているのが見える。



皆、何が起こったのかわからないようだ。

「えっと……確かすげぇ地震があってから……ダメだ……思い出せない。ていうか今日何日だっけ?」ヒュンッ!!



グシャァァァァァァアアアアアアッ!!!!!




そして、唐突に背後から、再び男子学生は塔の騎士によって踏み潰される。




シュゥゥゥゥウウウウウウッ…………



塔の騎士の足元からは、蒼白い微量の光が舞い上がり、その光は塔の騎士へと吸収されていく。



これが生命力・精神力の源とも言えるモノ『ソウル』である。



学園都市を覆う霧によって実体化したそれは、塔の騎士の犠牲者達から、少しずつ発せられ、塔の騎士へと吸収される。

06:40




「う……あれ……おれなんでこんなところに……あれ?きょうなんにちだっけ?おれって……だれだっけ?」




あれから、5回ほど。



男子学生は塔の騎士に殺され、そして生き返り、また殺されている。



その度に、男子学生のソウルは絞りとられ、男子学生の生命力・精神力は削られている。


見た目はガリガリに痩せこけ、記憶どころか思考も定かではない。




グシャァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!




そして再び、男子学生は死を迎え、再び立ち上がる。



限界までソウルを絞りとられた人間。いや、生物はどうなるのか。






答えは『ボーレタリアの濃霧』で伝わる通り。

「お……あ……は……ァァァァァア"ア"ア"ア"ッ!!!!」ダッ!!



生き返った男子学生は、完全に理性を無くし、限界まで絞りとられたソウルを求めて走り出した。



一匹の亡者の出来上がりだ。




「ァァァァァアアアアッ!!!!」ダッ!!
「ガァァァァァァァアアアッ!!!」ダッ!!!



そして、周辺の共に塔の騎士にハメ殺されていた人達も、次々に理性を無くし、ソウルを求めて走り出す。



標的はソウルを持つモノ。つまり生者だ。






異変が始まってから僅か10分。





学園都市総人口230万人の内、実に20万人。10%近くの人間が、突如現れた化物達にソウルを奪われ、生者を襲いソウルを奪う亡者と化していた。



そして、その割合は更に爆発的に増えていく。


何故ならば、次は亡者が直接、生者を亡者へと変えてしまうからだ。

『尖兵』




<意味>

1 軍隊の行動中、本隊の前方にあって警戒・偵察の任に当たる小部隊。

2 他に先がけて、その分野・場所などに進出する人。「市場参入の―となる」

06:30




黄泉川邸 マンション前






拡散の尖兵「グルルルルッ……」ズンッ!!ズンッ!!!



学園都市が光に覆われた後。

黄泉川のマンションの前に現れたのは、巨大な斧を持った、巨大な怪物である。



全長6mほどの重量級の体躯。背に悪魔のような羽。頭には捻れた角が生え、三つの目が怪しく光る。



ようするに、パッと悪魔というモノを連想すると、こんな感じ。という風貌の怪物である。

現在、学園都市のあらゆる場所で、見たこともないような化け物達が暴れているが、後に『拡散の尖兵』と呼ばれるこの怪物は、恐らく大量生産品と言えるだろう。


この怪物に限り、学園都市のあちこちで目撃証言があったのだから。霧の拡散を広める尖兵の役割があるのだろう。故に、拡散の尖兵。



この怪物達は、『ボーレタリアの濃霧』の物語でいう、『デーモン』と呼ばれる存在である。



デーモンは、霧を発生している古い獣に献上する為にソウルを集める存在。
故に、この霧の内側にいる、ソウルを持つ生物から、片っ端からソウルを奪う事が存在理由なのだ。

だから、現在。デーモン達は、学園都市の人間を無差別に攻撃し、ソウルを回収している。


もちろん彼らには、女子供などという概念はない。ソウルを持つ者は、全て獲物なのだ。



そしてこの拡散の尖兵は今、黄泉川のマンションに住む人間達を、標的としている。





一方通行「あー、どちら様ですかァ?」





そのマンションの前には、黄泉川邸の住人、一方通行が1人立ち塞がっていた。

一方通行「悪ィな。今ウチのクソガキ共がお出かけの準備中でよォ。男は邪魔って部屋から立ち入り禁止くらってんだ。わかったらさっさと回れ右しな。デーカーブーツーくゥン」


一方通行は、下から挑発するように身を屈め、拡散の尖兵へと話す。


現在、一方通行の命により、黄泉川邸に住む3人が、このマンションからの避難の用意をしていた。
外の様子を見た一方通行が、そう判断したのだ。




拡散の尖兵「」ブォンッ!!!


ギィィィィィィイイイイイインッ!!!!!!


拡散の尖兵は、一方通行の言葉など気にも止めずに、手に持つ巨大な斧を、一方通行へと振り下ろした。

ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!!!!!


ザンッ!!!!!



しかし、振り下ろしたハズの斧は、柄が真っ二つに折れ、宙を舞い、地面に突き刺さる。



拡散の尖兵「ッ!?」ブシュゥゥゥウウウッ!!!!




同時に、拡散の尖兵の両腕から、大量に出血しているのが確認出来た。
渾身の力を出した両腕は完全に折れ、半分千切れているように見える。
痛みを感じているかはわからないが、少なくとも何が起きたかわからないようには見えた。

一方通行の反射は物理攻撃ならなんとかなりそうだけどソウルの槍とかは計算の想定外だから最初は苦労しそうだな

ヒル溜まりと腐れは仲良くなりそうだなー

一方通行「言葉が通じねェみてェだな。まァそれなら別に、それでいい」グッ!!


一方通行は、拡散の尖兵が手放した、巨大な斧を掴む。
彼の細腕には似合わない大きな斧を、一方通行は軽々と持ち上げ、振りかぶる。



一方通行「オラ、落としモンだぜ?」ブンッ!!!


グサァァァアアアアッ!!!!!



一方通行は、その斧を拡散の尖兵へと投げつける。
一方通行の能力によって、投擲速度が爆発的に加速されたその斧は、一瞬で拡散の尖兵の腹へと突き刺さる。



勢い余って20mほど吹き飛んだ後。拡散の尖兵は身動き一つしなくなった。

一方通行「で……お友達も一緒だったのかァ?」



一方通行が前方を見ると、そこには今片付けた怪物と同じ。

拡散の尖兵と呼ばれる怪物達が5体ほど、こちらに近付いてきているのが確認出来た。


どうやら、仲間が倒されたのを知り、数を集めて一方通行を始末しに来たようだ。



一方通行「面白ェえええッ……テメェらみてェな脳筋野郎じゃあ、俺に指一本触れられねェってことを教えてやるよォ。嫌ンなるくらいなァッ!!!」ニィィイイッ……



一方通行は、オモチャを目の前にした子供のような表情で、拡散の尖兵達を迎え入れる。




無邪気で。


そして残虐な笑みで。

06:35




打ち止め「あなたッ!!お待たせッ!!って、ミサカはミサカはあなたにダイビングッ!!ってオゥッ!?」ドサッ!!



一方通行に抱きつこうとする打ち止めが、一方通行の能力効果である『反射』によって、あえなく弾き飛ばされる。



一方通行「アァ?何やってんだクソガキ」カチッ



一方通行は、首のチョーカーの電源を、能力使用モードから通常モードに切り替える。

番外個体「ウッヒャーッ!!派手にやったねー親御さん。張り切り過ぎてもうへばってんじゃないの?」



一方通行「馬鹿か。こンなモン、準備運動にしかならねェよ」


打ち止め「準備運動にはなったんだね。ってミサカはミサカはちょっとは手応えがあったんだってことを指摘してみたりッ!!」



打ち止めと同じく、学園都市第3位の御坂美琴のクローン、番外個体は、目の前の光景に多少圧倒されてるようだ。



僅か5分足らずで一方通行によって無惨に引き千切られた、拡散の尖兵達の死体の山の光景に。


芳川「あなた達、まずこの怪物について少しは驚きなさいよ……何なのコレは」


一方通行や打ち止め達の保護者の1人である芳川は、目の前の怪物に、珍しく困惑した表情を見せる。

一方通行「さァな。とりあえず向かってきたからぶっ殺した。さっきの光といい、この霧といい、あのデケェ岩山といい、どうせこのデカブツと何か関係があんだろ。……あ?」



カッ!!!!!



次の瞬間、一方通行が散らかした拡散の尖兵の死体達が、蒼白い光の大粒へと一瞬で分解。


そして、その光の大粒は、全て一方通行へと吸収されていった。



一方通行「ンだァ?コレ」

打ち止め「へッ!?何ッ!?大丈夫なのあなたッ!?って、ミサカはミサカは心配してみる」


番外個体「大変だー!!一方通行が怪物に取り憑かれたー!!殺せー!!殺せー!!!」


一方通行「ざけンなクソったれが。別に何ともねェよ」



光を吸収した一方通行に、目立った変化はないようである。



芳川「本当に何ともないの?」


一方通行「アァ。いや、何ともないというか……何かはあるンだがよくわかンねェな。害はなさそうだが」

番外個体「本当に一方通行かどうか確認です。一方通行の秘蔵のロリ本は、一体何処に隠しているでしょうか?」


一方通行「テメェ……あの雪山ン時のように、余程もう一度死にかけてェみてェだなオイ……」ピキピキィッ……


番外個体「あ、本物だねコレ。ヤメテその顔。ミサカマジあの時の事トラウマだから」



打ち止め「それで、これからどうするの?って、ミサカはミサカはあなたに尋ねてみる」



一方通行「とりあえず、黄泉川と合流だ。あンなモン、警備員程度じゃあ、単体ではどうにかなっても相手の数が多けりゃ歯が立たねェだろ。それと」



一方通行が、こういう非科学的な事態に詳しそうな少女を思い浮かべる。




一方通行「三下とあの白いのに合流だ。この訳のわかンねぇ状況、アイツ等なら何かわかるかもしれねェ」





『一方通行は、拡散の尖兵のソウル×6を手に入れた』

3人そろってドーザー二刀流しよう(提案

投下終了です。寝落ちしてすいません。


とりあえず、上条、一方通行、浜面パートを出しておきました。まぁ、スタンダードコースですね。

とりあえずDAY-1は、現れた強力なデーモン達や亡者に対応出来ない学園都市が蹂躙され、大半の人間が亡者になる話が主になると思います。

ちなみに、シリーズを知らない方。亡者は簡単に言えば、走るゾンビやバタリアンみたいなものです。

殺してもしばらくすれば復活する。
ソウルを持つモノを全力で殺しにくる。
理性はないが、知性はある程度残っていて、徒党を組んだり、戦闘能力はあまり変わらない。

まぁ、SIREN並に絶望的な状況ってことですね。こっちは救済措置はちゃんとありますが。

それでは、また次回。


願わくば学園都市に脳筋戦士が生まれんことを

アンバサ

太陽万歳!


上条さんは物理オンリーだから脳筋以外の道が見えないぜ

上条さんの武器はセスタスかな?

ソウルの槍使おうとしたら自分の能力で消えそうだしな

上条さんにお勧めの鎧貫き(ダクソ使用)があるんですが…

アックアさんが軽快に竜骨砕きを振り回す姿が見えた

かみやんにお勧めの武器それは大弓!!

デモンズソウルかあ……
あの世代のRPGの中ではゼノブレイドとかと並んで評価の高いゲームのようだから是非ともやってみたいんだが、死にゲーと聞いていまいち踏み込めないでいるんだよなあ……

大丈夫だ、次第に快感に変わっていくから

攻略情報は遮断してやらないと操作に慣れればヌルゲーだから気をつけてね

すまん上げてしまった

今からデモンズやっても人いるのかね?

いたよー、削り取る槍持ちと頭突きはめ野郎が

今はPS+が無料開放してるから増えてる
坑道1ではうじゃうじゃ血痕やらが見えてるのに坑道2では激減してる…また坑道で装備壊しの野郎が出てきてるみたい

わかった この話はやめようAA略

友達と三人でベルセルク風ロールプレイやってるよデモンズ


あ、乙です。更新待ってます。

まだー?

まだ?

心が折れたか

こんばんわ、1です。


心折れつつも、何とかキリのよいとこまで書けました。

とりあえず、途中でエタらせる気は、どちらのSSもありませんが、しばらくめちゃくちゃ忙しいので更新はかなり遅くなります。
まぁキリがいいとこまで書け次第投下するのでご了承を。


では21時過ぎに投下始めます。

『ボーレタリアの王、オーラントはそれはそれは立派な王様でした。



その知識はあらゆる事象を理解し。



その力は、王国内に並ぶ者無しと言われたほど。



それ故、オーラント王を描いた絵画には、王の強さの象徴として2体の飛竜が描かれているのです』

06:32



第7学区 とある高校 男子学生寮




上条「ハァッ……ハァッ……一体何なんだコイツは……」シュゥゥウッ……


かつて、インデックスと出会った自身の部屋のベランダにて。


再び上条は、非日常の世界へと舞い戻る。



王の赤竜『グルルルルッ……』



突然現れ、突然上条達の寮へと巨大な炎を吐き出した赤竜は、寮の前の建物に乗ったままじっと上条の姿を見ている。


自分の炎が何故掻き消されたのか疑問に思っているのだろうか。
そもそも、この赤竜にそのような知能があるかはわからないが。

インデックス「ま、まさか……デーモン?」ガタガタッ……

土御門「静かにしろ……上やんの右手で炎は消せたのはいいが、直に襲いかかってきたらお終いだ」ゴクリッ……


上条「頼む……このままどっかに行ってくれ……」


部屋にいる3人は、赤竜がこの場を離れる事をひたすら願う。

上条の右手『幻想殺し』で消せるのは、あくまで能力や魔術に類するモノのみ。
直接的な攻撃には何の効果も無いのだ。今赤竜がその鋭い爪や牙で襲いかかってくれば、お終いである。

王の青竜『グルルルルァッ!!!!』バサァッ!!!!

王の赤竜『グルルルルッ……』バサァッ!!!!!



バサァッ!!!バサァッ!!!!バサァッ!!!!!



そして、5秒ほど睨み合った後。
上条達には何分にも感じられただろうが、2体の竜達は、そのままその場から飛び去っていった。


まだまだ学園都市にはソウルを持つ獲物が大勢いる。
不明な力を持つ者など放っておけばいいと判断したのだ。



上条「た……助かった……」ガクッ……


上条は、その場にへたり込んでしまう。

インデックス「とーま!!大丈夫!?」

上条「あぁ……何とかな。咄嗟に右手を出してよかったよホント。ドラゴンだから火でも吹くと思ったら予想通りだった」

インデックス「うん……デーモンっていうのは、そういう人々の強い思いが、超高濃度のソウルによって具現化された存在って言われているんだよ
ドラゴン→火を吐くという、強いイメージがあるからこそ、あのドラゴンも火で攻撃してきたのかも」


上条「ようは、幻ってことなのか?だったら俺の幻想殺しであの竜自体消せるんじゃ」


インデックス「んーん。あれはもはや一つの生物として確立したモノになってるかも。だから、あのドラゴンの存在自体はとーまの右手でも消せないんだよ」

土御門「やれやれ。とりあえず、上やんのお陰で命拾いしたにゃー。じゃあ、上やん。ここからは一旦別行動ぜよ」


土御門は、既に玄関口にいた。


上条「何でだ?こんな状況だし、出来るだけ集まっていたほうが」


土御門「舞夏が今『学舎の園』の中にいるんだ」


土御門の義妹、舞夏は、現在学園都市のお嬢様が集まる学舎の園の中にある学校の寮に、実習として通っている。
恐らくまだそこにいるハズなのだ。


上条「迎えにいくのか……何なら俺らも一緒に」


土御門「いーや、上やんには上やんにしか出来ない事があるハズにゃー。その右手しか出来ない事がな」


土御門がサングラスの奥から真っ直ぐこちらを見る。

土御門「上やん。上やんは、この異変をインデックスと共に止めてくれ。多分、この学園都市の色んなヤツが動いてるだろうが、上やんとインデックスにしか出来ない事が必ずあるハズだ」


上条「……あぁ……わかったよ……」


土御門「お互い、生きていたらまた会おうにゃー。青ピも一緒にな」


そう言って、土御門は舞夏のいる学舎の園へと走っていった。



インデックス「とーま……これからどーするの?」

インデックスが、不安そうに上条に尋ねる。


上条「……行こう……あの岩山の上に……アノール・ロンドに……」



こうして上条達は、第7学区の中心部へと足を進めることになった。




行き先は、アノール・ロンドと共に、その岩山の麓に現れた町。





『不死城下町』だ。



『06:45』

途中ですが



>>1の勘違いにより、御坂達の住む寮が学舎の園の中にある事になってます。


訂正すると後々ややこしくなるので、そのままになってます。ご了承を。

第7学区 学びの園

常盤台寮 エントランス



06:35



ガヤガヤ、ガヤガヤ



御坂「くっ、何で入口付近でこんな詰まってんのよ!!」


御坂は、アノール・ロンドからの光を浴びた後、すぐさま学びの園から抜け出す為、寮の外へと繋がるエントランスの前へと来ていた。

何故かはわからないが、一刻も早くここから離れた方がいいと判断したのだ。
そして、あの岩山へと向かった方がいいと。


しかし、エントランスには、同じ事を考えていたのか、多くの女生徒達で混み合っている。

湾内「あ、御坂様ッ!!」

泡浮「ホントですわ!!婚后さんッ!!御坂様がいらっしゃいました!!」

婚后「御坂さんッ!!こっちですわ!!」


聞き慣れた声の先には、ルームメイトの白井の同級生と、御坂自身の同級生であり、同い年では最も親しいであろう婚后光子の姿があった。



御坂「皆ッ!!よかった、無事だったのね!!」


婚后「えぇ。何とか今のところは。それよりも、一体何が起こってるんですの?あの岩山といい、先ほどの光といい……極めつけは、皆さんの右目に現れたこの橙色の輪は!!」

御坂「橙色の輪?あ、ホントだ。皆、右目の瞳孔が橙色になってるわね」

婚后「貴女もですわよ、御坂さん」


御坂は、ようやく自身にも橙色の輪『ダークリング』が現れている事に気づいた。


御坂「で、やっぱり皆もこの学舎の園から出ようと?」


泡浮「えぇ。あの光を浴びた後、何故かここから離れた方がいい気がしまして」

湾内「私もです。恐らく他の皆さんも……何故か私はあの岩山へと向かった方がいい気がしまして」


御坂「皆考える事は一緒なのね……まさかあの光に、そんな暗示がかかるような何かが……」

婚后「わかりませんわ……ですが、ここにいても仕方ありません。現状、学園都市で何が起こっているかもわかりませんし、ある程度情報は入手していた方が……」




その瞬間であった。

『ボーレタリアには、その領土内に良質の鉱石が採掘出来る、とても大きな鉱山がありました。


かつて、その坑道を掘り進んでいた穴掘り人達は、あまりにも深く掘りすぎて、溶岩の吹き出る大空洞を掘り当ててしまいました。



何故こんな地底にこのような大空洞が存在するのか。



そこには、穴掘り人よりも先に先客がいたのです。


獄炎の中に潜む魔物が』

ドォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!!




御坂「わっ!?な、何!?今の!!」

婚后「ひ、火柱!?」



突如、御坂達のいる寮からかなり離れた場所。学舎の園の中心部辺りから、地から天へと突き上げるような火柱が発生したのだ。

それは、寮のエントランスからも視認出来るほどの大きさであった。



キャァァァァァァァァアアアアアアアアッ!!!!!!




それを見た他の女生徒達は、一斉に我先にとエントランスから自室の方へと戻って行く。

もはや、お嬢様の品格など無くなっている少女も少なくはない。

ダッ!!


婚后「御坂さん!!何処に行かれますの!?」


御坂「決まってるじゃないッ!!あの火柱が何なのか確認するのよ!!」ダッダッダッ!!!


自室に戻ろうとする生徒達の波を逆流するように、御坂は寮から外へと飛び出した。








06:40



学舎の園



ゴォォォォォオオオオオッ……



御坂「ッ!?ひ、酷い……一体何があったのよ……」


御坂の目に飛び込んだのは、学びの園の敷地内の建物が、所々炎を上げて燃え盛っている様子であった。


警備員らしき人達が炎に包まれて息絶えている姿もそこら中に見える。


中には学舎の園の女生徒達も。

婚后「待って下さい御坂さ……何ですの……コレ……」

泡浮「学舎の園が炎に……あ!!他の方達は脱出しようとしてるみたいです!!」


婚后達と共に、パニックによって一度は自室に逃げ戻ろうとした者達も、続々と寮から出てきた。
そして、目の前の光景に愕然としている。



そして、炎に包まれた学舎の園から脱出しようと、まだ無事だった建物から大量に生徒や関係者が、学舎の園の門へと向かっていく。




ゴォォォォォオオオオオッ!!!!!!!


そして、再び大きな火柱が現れた。

御坂「な……何か火柱の中にいるんだけど……」ゴクリッ……




御坂は、その火柱の炎の中に潜む、何かを視認した。




炎に潜む者『グォォォォォオオオオッ!!!!』




その火柱の『炎に潜む者』は、凄まじい咆哮と共に、火柱から学びの園の建物の上へと飛び移る。


その見た目は、炎に包まれた魔人とでも言うべきか。



御坂「コイツが学びの園を……何なのよ……またアイツ絡みの異変なわけ!?」



御坂は、こういう現実から飛び出したような出来事に、非常によく巻き込まれている少年を知っていて、それを真っ先に連想する。

ただ、その少年もこの事態に巻き込まれているが、少なくともその少年が原因ではない。

ドォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!



泡浮「キャッ!?た、建物が一瞬で……」ガタガタッ……」


次の瞬間には、炎に潜む者の乗っていた建物が、一瞬で炎と共に灰塵と化した。


その炎の威力は、学園都市の能力で言えば明らかにレベル5クラスかそれ以上だろう。

普通の人間など一溜まりもないハズだ。



炎に潜む者『ルォォォォォオオオオッ!!!!』ダッ!!!


そして、そんな強力な力を持つ魔人が、こちらに向かってくる。



比較的高いソウルを持つ、学びの園の女生徒達を狩るために。

その中でも更に飛び抜けたソウルを持つ、御坂を狩る為に。

御坂「皆ッ!!早くここから逃げてッ!!!」ピィィィイインッ……


御坂は、ポケットから取り出したコインを指で弾きながら、逃げ惑う者達に避難を促す。


カッ!!


ドォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!



そして、コインの落下と共に、御坂が再び指でコインを弾くと、そのコインは凄まじい速度と熱量を持って、炎の魔人へと向かっていく。


学園都市第三位の能力者、御坂美琴の代名詞。



『超電磁砲(レールガン)』である。

炎に潜む者『ッ!?』バッ!!


音速を超える何かを感じ取ったのか、炎の魔人が両手を前に突き出す。

そして、その両手から、巨大な炎の砲弾が放たれた。


ドォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!!




御坂「ッ!?相殺された!?ウソォッ!!」バチバチッ!!



紫電をまとった御坂が、自身の必殺技を防がれた事に衝撃を受ける。



目標までの距離は、確かにそこそこ離れていた。

しかし、狙いは完璧だったハズだ。


それを後出しで完全に相殺された。



すなわち

炎に潜む者『グルルッ……』



御坂「パワーは私よりもずっと上ってわけね……全くどいつもコイツも……」バチバチバチバチッ!!!!



御坂の身にまとった電光が、激しさを増している。



御坂「皆ッ!!私がアイツを食い止めるから!!今の内にここから逃げなさいッ!!!」バチバチバチバチッ!!


婚后「御坂さん!!私も手伝いますわッ!!」


御坂「婚后さんも早く逃げてッ!!悪いけど、婚后さん(レベル4)でも今は足手まといになるから……」バチバチバチバチッ!!!!


雷光が、更に激しくなる。

炎に潜む者『ォォオッ!!ルォォォォォオオオオッ!!!!』ダンッ!!ダンッ!!!



炎の魔人は、建物を飛び移りながらこちらへと向かってくる。




御坂「一応私だって第三位の看板背負ってんだからさぁ……そんなにポンポンとッ!!上が出てきてもいい気にはなれないってのよォォォォォオオオッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!!


御坂の半分愚痴が混ざった怒りの電撃が、炎の魔人へと放たれた。
御坂の最大出力は、10億ボルトである。パワーなら落雷にも匹敵するその雷も



炎に潜む者『ルォォォォォオオオオッ!!!!』ゴォォォォォオオオオオッ!!!!!



炎の魔人の作り出した、ドーム型の炎の結界によって、完全に防がれた。

周囲の空気も焼き尽くしそうな、そのマグマのような圧倒的な熱量は、全ての外敵を容易く飲み込む。

御坂「ハァッ、ハァッ、ヤバイわね……マジで強いわアイツ……」


それなりに全力で放った電撃も通じず、御坂の疲労は溜まっていく。

それでも一方通行と初めて相対した時のような、完全なる敗北の絶望ではない。何処かに勝機は必ず潜んでいるハズである。


あくまで、あの炎の魔人は自身の1ランク上程の存在なのだろう。
しかし、その1ランクが中々に遠い。




炎に潜む者『…………』シュゥゥゥウウッ……


御坂「?……追撃してこない……向こうも疲れたのかな?」


先ほどの炎のドームを作り出した後から、炎の魔人は少し疲れているように見える。


やはり、絶対的な差はない。向こうも力を使えば疲れるのだ。勝機はある。

御坂「まぁ……あっちのが強いのは確かなんだけどね……」ジリッ……



御坂は、炎の魔人に対して身構える。
自身が回復しつつ、彼方がいつ向かってきてもいいように。





ゴォォォォォオオオオオッ!!!!!


御坂「ッ!?」


次の瞬間、再び炎の魔人が火柱に包まれた。






そして、火柱は瞬く間に消え、同時に魔人の姿も気配も消えていた。



撤退したのだ。これ以上の戦闘は、現時点では無意味と判断して。

06:45


御坂「……ハァッ……」ドサァッ……


御坂は、気が抜けたのかその場に座り込んだ。


御坂「まさかあれ一体って訳じゃないわよね……何が起こってんのよ全く……」


御坂は再びあの岩山を見つめる。


御坂「どうせアイツの事だから、真っ先にあの怪しい岩山の頂上に向かってんでしょうね……行ってやろうじゃないの……」スッ……


そして、ゆっくりと立ち上がり、既に誰もいなくなった門へと向かっていく。


行き先は、御坂の想う少年と同じ。


『不死城下街』へ。








御坂「それにしても、黒子は何処行ったのよ……」

06:30

第7学区 繁華街 南エリア





白井「クッ……何でしたの今の光は……」


いち早く、異変に気づいた人間の一人。

風紀委員の白井は、突如現れた岩山へと向かう途中、岩山から放たれた光を浴びる。


そして、それはその周囲にいる大勢の人間も同じである。



繁華街故に、早朝でも人通りが多い為、現時点で相当な数の人間が周囲に集まっていた。








バサァッ!!


バサァッ!!!



白井「一体何が起こっているんですの……ん?」



バサァッ!!!!!



バサァッ!!!!!!!



突如、白井の周囲が大きな影に包まれ、その頭上からは、巨大な羽ばたき音のようなモノが聞こえてきた。

白井「何です……ッ!?」ギョッ!!!


ドォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!!!!!



『ソレ』は、白井が頭上を見上げると同時に、白井の僅か数メートル程の前に降りてきた。

凄まじい地響きを上げて。










『グルルルッ……』フーッ……フーッ……


白井「あ……あ……ア……ア"ッ……」ガタガタガタガタッ……


ソレを目の前にした、ソレに最も近い位置にいる白井は、悲鳴を上げることも出来ず、それから目を逸らす事も出来ず、ただ目に涙を溜めながら震えていた。

『多大なる犠牲の結果。


炎に潜んでいた魔物を封印した穴掘り人は、大空洞の更に奥深くまで進んで行きます。



あの魔物は、何故ココにいたのか。


真相はわかりませんが、可能性の一つと見られるモノがその奥にありました。



大空洞の更に奥。そこにある溶岩の海には、とてつも無く大きなドラゴンの化石が眠っていたのです』

白井の目の前にいるのは、全長何十メートルも。100メートル近くもありそうな大きさの怪物。いや、もうこれは怪獣と言っていいだろう。



周りのビルを薙ぎ倒しそうな大きな翼。大きく鋭い爪や腕。


青く輝いている大きな目。ゆっくりと、周囲を吹き飛ばしそうな大きな呼吸をする口。大きな牙。




いわゆる『ドラゴン』というヤツである。


上条の前に現れた、腕が無く、翼のみの飛竜(ワイバーン)では無く。



腕があり、翼もあるドラゴン。




その巨大さと、圧倒的過ぎる威圧感から、『竜の神』とでも呼ぼうか。

「ば、バケモンだッ!!バケモンが降ってきやがった!!!」

「何だよこのめちゃくちゃデケェのはッ!!怪獣か!?」

「TV……なわけねぇよな?」


周囲の人間は、ソレを目にした瞬間、恐怖と共に騒ぎ、多くの者はソレから離れる為に逃げていく。





竜の神『ッ!?』ギロッ!!


白井「ア……アッ……」ガタガタッ……




竜の神は、逃げていく人々をじっと眺める。
その瞳の色はいつの間にか、鮮やかな青から血のような真っ赤な赤に変わっている。











竜の神『……ッグォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!!!!!!』ビリビリビリビリッ!!!!!












白井「ッッッッッ!!!!!!!!」ビリビリビリビリビリビリビリビリッ!!!!!



パリィーンッ!!!
ガッシャァァアアアッ!!!!!




同時に、竜の神の口から、あまりにも大きすぎる咆哮が放たれる。

周囲の建物のガラスは全て割れ、ガラスの雨が真下の逃げ惑う人間達に降り注ぐ。

そして





再び竜の神が口を開いた瞬間






第7学区の繁華街南エリアは、一瞬で炎に包まれた。






竜の神が吐き出した炎は、周囲数百メートルに拡がっていき、全てを包んでいった。




その中で生き残った者など、いるハズがない。
あちこちから、死者のソウルの、青白い光が宙に漂っていた。

06:35


竜の神『グルルッ……』バサァッ!!!!



何千もの人間のソウルを吸収した竜の神は、その大きな翼を羽ばたかせ、次なる狩場を探しに行く。



白井「…………」フラッ……


ドシャッ!!!


竜の神の最も近くにいた為、炎に包まれる事は無かった白井は、ゆっくりとその場に倒れ伏した。


その目や耳からは、血が流れている。
炎に包まれずとも、あの破壊的な咆哮の間近に居た為、白井は既に死んでいたのだ。

尤も。



数分後には、既に不死者となっている白井は再び立ち上がる。


恐らく受けたダメージ度合いから、亡者になることはまだまだ無いだろう。ちょっとした記憶の混濁で済むハズ。


しかし。


周りの、煉獄のような業火に包まれた者達は、恐らく全てのソウルを絞り取られただろう。



白井が目覚めた時。


彼女に待つのは、周囲を取り囲む圧倒的な数の亡者の大群である。

投下終了です。



若干後付けクサイですが、デモンズかダークソウルのどちらかの、殺された時のダメージ量によって、ソウル獲得量が増える設定を持ってきてます。


ようするに竜の神の炎に焼かれた方々は、一発でソウル殆ど無くして亡者化ってことです。
炎に潜むものにやられた方々も、ほぼ全滅です。


次回、一方通行サイドをやってから、舞台をダークソウルのロードランへと移して行きたいと思います。おやすみなさい。

竜の神か…バリスタ設置しないと


竜狩りさん呼ばないと…

鷹の目もな

??「貴公にゴーの竜狩りを見せてやろう」

敵とかボスばっかり来てるのもあれだからな。
ソラールとかオストラヴァとかバンホルトとか味方になってほしい

アックアさん竜殺しの剣持って早く来てくれ…!


U
乙(T)<さて……狩の時間だ>(T)乙

これヤバイな、何がヤバイってそこらじゅうに死の幻影見せる血痕があるんだぜ?
ゲームならまだしもリアルだとかなり精神に来ると思うわ

おはようございます。1です。


今日明日は久々の1日オフなので、ゆっくりと投下して行きたいと思います。


>>146
NPCは普通に出て来ます。単純に今はデーモン達の虐殺タイムなだけなのです。

『深淵歩きのアルトリウス』



アノール・ロンドに住まう、太陽王グウィンに仕える4人の騎士。



竜狩り オーンスタイン
鷹の目 ゴー
王の刃 キアラン


そして、深淵歩き アルトリウス


深淵の魔物と契約し、あらゆるモノを飲み込む深淵を、自由に進む事が出来たという、伝説の騎士。


アルトリウスは、4騎士最強と呼ばれ、その実力と人徳から、アノール・ロンドのあらゆる神々からも敬意を払われる存在でした。



ある時アルトリウスは、深淵に呑み込まれたという魔法大国ウーラシールと言う国から、ウーラシールの宵闇と呼ばれる姫君を救出するようにと、王の勅命を受けました。



アルトリウスは、友であり、相棒でもある狼の子シフと共に、ウーラシールへと向かいます。


そして見事深淵の主を討伐し、ウーラシールの宵闇を救出することができました。


眠っていたウーラシールの宵闇を安全な所へと運ぶと、目覚めぬ内に、アルトリウスはシフと共に、新たな旅へと旅立ちました。

今日もアルトリウスは、弱き民を守る為、その手に持つ大剣を振るっていることでしょう。



めでたし


めでたし

06:50


第7学区 繁華街 中央エリア



「キャァァァァアアアアアアアッ!!!!」

「やめろ!!やめてくれ!!俺が何したっていうんだァッ!!!」

「殺さないで!!頼む!!殺さないでア"ッ!?」




黄泉川「な、何が起こってんじゃん……」

鉄装「く、狂ってる……こんなの人間じゃないよ……」


警備員として、街で起きた暴動を止める為に出動した黄泉川達の目の前には、凄まじい光景が広がっていた。

人が人を襲っている。

これだけで言えば、暴漢や通り魔なども当てはまる。


しかし目の前には、手当たり次第に人に襲いかかる猛獣のような人間が、大量にいた。



正気を失っているように見えるその人間達は、正気の人間のみに狙いを定め、襲いかかる。



『ヒヒヒッ……アッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!!』グサッ!!グサッ!!!


黄泉川「や、やめるじゃんッ!!」チャキッ!!



目の前では、中学生くらいの女生徒が、大の大人の男へとマウントを取り、手に持つナイフを狂ったように刺し続けている。

黄泉川が警告の為に銃を向けても、全く気にも止めていない。


そして、男が動かなくなると、その男の死体から青白い光が生まれ、それが女生徒へと吸収されていくのが見えた。

黄泉川「何じゃんよ……あの光は……」


『ヒヒヒッ……ヒャァァァァアアアアッ!!!!』バッ!!!


黄泉川「ッ!?クッ!!」チャキッ!!


黄泉川は、こちらに狙いを定めて来た女生徒へと、銃の照準を合わせる。


既にこの女生徒は何人もの人を殺している。
治安を守る者として、最悪射殺しても不思議ではない。


しかし、黄泉川には撃てなかった。


例え殺人鬼でも、黄泉川に子供を撃つ事は出来なかった。

グサァッ!!!



黄泉川「グッ!?……ガハッ……」ドサァッ!!


『ウヒャヒャヒャヒャッ!!!!!』


そして、黄泉川の心臓に女生徒のナイフが突き刺さる。



鉄装「黄泉川さん!!ウワァァァァァア"ア"ッ!!!」パラララララッ!!!

その光景を見ていた同じ警備員で黄泉川の部下である鉄装が、女生徒へと容赦無く発砲する。


パラララララッ!!!!
パラララララッ!!!!!

続けて、他の警備員達も、狂ったように殺戮を続ける者達へと発砲を行った。


狂人と化した者達は、次々に銃弾に倒れていく。

しかし、数の暴力とは恐ろしいモノ。


銃弾に全く怯む事の無く、狂人達は警備員達へと向かっていく。

周りが次々に倒れようとも、気にする事も無く。


鉄装「来ないでェ!!死にたくない!!死にたくないよォォオオッ!!!」パラララララッ!!!!


絶叫しながら撃ち続ける鉄装の前には何十何百の人間が襲いかかってくる。


カチッ!!

鉄装「ッ!?ヒッ……イヤァァァアアア"ア"ア"ア"ッ!!!」

グサッ!!
ズシュッ!!!
グサッ!!!
グサッ!!!!!


そして、弾が切れたと同時に、警備員達に次々と狂人達が襲いかかり、何度も、何度も刃物で刺す。


そして、銃声が完全に止んだ時。


ここら一帯に、まともな人間の生存者の姿は無かった。

07:00




黄泉川「……ウッ……」ヨロッ……


悪夢のような惨劇から10分程経った後。


心臓を深く刺され、絶命したハズの黄泉川は、ゆっくりと起き上がった。
胸の刺し傷も今はもう塞がっている。


黄泉川「ここは……そうだ……私はさっき刺されたハズじゃん……なんで……」


不死者となった者は、決して死ぬことは出来ない。


刺されようと。
撃たれようと。
焼かれようと。
溺れようと。
バラバラになろうと。


必ず、蘇る。


そして、死んだ時のダメージ・損傷具合によって、自身の理性を保つ為のソウルが失われる。


黄泉川は、心臓を刺されただけなので、損傷自体は少なく、ソウルの減少は少なかった。記憶の混濁も少ない、



しかし

『ゥ……ァ……ァァァァア"ア"ア"アッ!!!!』

『ヒヒヒッ……あはははははははッ!!!!』




徹底的に殺された他の犠牲者達は、同じように蘇ろうとも、ソウルが大量に失われている。



新たな亡者の出来上がりだ。



黄泉川「なっ……確かに今まで死んでたハズじゃん!?」



『ァァァァア"ア"ア"アッ!!!!』



更に、先ほど黄泉川を刺し殺し、警備員達が撃ち殺した女生徒。もといソウルに飢えた亡者も、再び蘇り、動き出す。

鉄装『ォォッ……ァァァアアアッ……』ググググッ……


先ほどまで共に戦っていた同僚達も。


黄泉川「鉄装……アンタまで……」



亡者は新たなソウルを求めて。自分に足りないソウルを少しでも補おうと。


鉄装『』ギロォッ!!!


黄泉川「ッ!?」


辺り一帯の亡者が、まだソウルの残った黄泉川へと、一斉に狙いを定める。


鉄装『ァァァアアアッ!!!!』ダッ!!!


そして、全力で襲いかかって来た。


思わず、黄泉川は目を瞑る。

ズシャァァァァァァアアアアアアッ!!!!!!




次の瞬間、黄泉川の耳に、肉を切り裂くような音が聞こえて来た。



黄泉川「ッ!!!……ん?」


しかし、目を開けた黄泉川の身体には傷一つ無かった。


代わりに、何人もの亡者が、地に倒れ伏している。



そして、黄泉川は視線を上げた。






ビチャッ……ビチャッ……





黄泉川「な……何者じゃん……」


そこには、ボロボロに黒ずんだ、騎士の甲冑を身に纏い。


完全に死んでいる左腕をぶらぶらと下げ。



右手には、人以上の大きさの大剣を握り締めた、大柄の騎士の姿があった。

騎士『…………』ズシュッ!!!




『ァァァァア"ア"ア"アッ……』ドサッ!!



騎士は、その大剣で倒れ伏している亡者へとトドメを刺す。



しかし騎士の目の前には、まだまだ大勢の理性の無い亡者達がいた。





騎士『ォォッ……ォォォオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!!』


黄泉川「ッ!?」ビクゥッ!!



騎士が咆哮を上げたその瞬間





猛スピードで駆け抜け、すれ違い様に亡者の群れを一閃に叩き斬っていった。

黄泉川「……人間技じゃないじゃん……」



騎士『オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!』ブォンッ!!!!


ビチャビチャッ!!!




左腕が死んでいるボロボロの騎士は、右手に持つ大剣一本で、次々と亡者達を薙ぎ払っていく。


甲冑からは、黒く淀んだ液体のようなモノが流れており、騎士の通り過ぎた道を、その液体が表している。





そして、1分もしない間に、周辺の亡者は、騎士の手によって全て倒れ伏していた。

騎士『ハァッ……ハァッ……』ガシャッ!!

騎士は、その場でしゃがみ込んでしまった。流石に疲れたのだろうか。


黄泉川「あ、アンタ……何者かは知らないけど、助かっ……」


黄泉川が、騎士に近づこうとした瞬間



ブォンッ!!!
ジャキッ!!!!


黄泉川「……へ?」


黄泉川の喉元へと、騎士の大剣が添えられた。


騎士『ハァッ……ハァッ……近付くな……早くわたしから離れるんだ……』ビチャビチャッ!!



黄泉川「ッ!?アンタ……」


黄泉川が、再び様子のおかしい騎士に声をかけようとしたその時

騎士『ッ!?』ブォンッ!!!

ドゴォォオッ!!!!


黄泉川「クッ!?……アレは……」


突如、何処からか高速で飛んで来たコンクリート片を、騎士が大剣で破壊する。

そして、黄泉川の視線の先にいたのは











一方通行「テメェ……今すぐソイツから離れやがれェッ!!!」


強烈な怒りの表情を露わにした、学園都市第1位の能力者。一方通行であった。

07:02



一方通行は見た。


大量の人間が、目の前の騎士の大剣によって、紙クズのように千切れ飛ぶのを。



一方通行は見た。


黄泉川の喉元へと、騎士がその大剣を向けたのを。




彼が敵意を剥き出しにするのに、理由はそれで十分であった。

一方通行「離れろッつッてンだろォがッ!!!!」ダンッ!!!



自身の能力で、移動速度を何倍にも上げた一方通行が、ボロボロの騎士へと突っ込んでいく。



騎士『ッ!?』グッ!!

あまりの素早さに、騎士は大剣を盾のようにして迎え討つ。




一方通行「オラァッ!!!」ブンッ!!!


バキィッ!!!!


勢いを弱めず、一方通行は騎士の大剣へと拳を叩き込んだ。


それによって生じた衝撃を、一方通行が何十倍にも増幅。これにより、黄泉川に向けた大剣を叩き折ろうとした。




しかし

騎士『ッ!?』ズザァァァアアッ!!!


一方通行「チッ!!壊れねェ!!何で出来てンだあのデカイのはッ!!」


騎士は多少吹き飛んだが、体勢は崩れず、大剣も折れてはいない。



明らかに普通の人間ではないと思った。


いつかの非科学サイドの人間のような、底知れぬ存在だと。




そう考える内に、騎士は一方通行の頭上高くに飛んでいた。



そして、大剣をそのまま一方通行へと振り下ろす。

一方通行「ンなモン効くワケねェだろうがァッ!!!」




一方通行は、自身の能力で騎士の攻撃の衝撃を反射させようとする。



大剣が折れるか、騎士の腕が折れるか。



いずれにせよ、これで騎士を戦闘不能に出来ると考える。








甘かった。

ガキィィィィィィイイイイイイッ!!!!!!


一方通行「ガッ!?」メキメキィッ!!!

騎士『ッ!?」ピキピキッ……


一方通行の能力で作られた反射膜に大剣が触れた瞬間。


どういうワケか、一方通行の左肩の骨が折れ、騎士の大剣には僅かなヒビが入った。



一方通行「ァァァアア"ア"ッ!!!!」ドサッ!!


能力を使用しておきながらも、大きなダメージを負った一方通行が膝を着く。

一方通行「(何が起きたッ!?反射は働いたハズだ!!だったら何故俺の肩は折れた!?)」


一方通行は考える。そして、騎士を見る。


騎士『…………』ォォォオオオオオオオッ……


その目には、騎士と大剣を覆うように、黒いモヤが見えた。
それが騎士を守るように……蝕むようにも見えた。


一方通行「(単純な馬鹿力だけじゃねェ……あの得物には非科学の力も混ざってやがるってワケか……ふざけやがってッ!!!)」


一方通行が、木原数多・垣根帝督を完全撃破した、自身の能力のその先にある力に手を伸ばそうとした瞬間

黄泉川「待てッ!!待つじゃんよ一方通行ッ!!!」



黄泉川が一方通行の前に立ちはだかる。



一方通行「どけェッ!!テメェ死にてェのか!!」


黄泉川「この人は、私を助けてくれたんじゃん!!敵じゃないじゃんよッ!!打ち止めッ!!」


黄泉川は、近くにいるであろう、打ち止めへと呼びかける。


打ち止め「わかった!!ってミサカはミサカは緊急停止!!」

一方通行「ッ!?ガッ……」ドシャッ!!


そして空気を読んだ打ち止めによって、一方通行への補助演算が切られ、一方通行は強制的に行動を封じられる。

騎士『…………』


黄泉川「アンタは敵じゃない。あの連中みたいにイカれてもいない。そうじゃん?一体何がこの街で起こってるんじゃん?」

黄泉川は、ボロボロの騎士へと話しかける。

もし、騎士が害を成すモノならば、黄泉川は確実に殺されるだろう。尤も、死ねないのだが。



騎士『……時間がない……私の知る限りの事を全て話す……その後すぐに、私から離れるんだ……』



黄泉川の決死の思いは、どうやら功を奏したようだ。

…………


一方通行「チッ……」イライラ

打ち止め「もう!!いい加減機嫌を直してってミサカはミサカはなだめてみたり!!」

番外個体「心が狭いねぇ第1位サマは。この騎士サマに負けそうだったくせにさ」



芳川「愛穂……」

黄泉川「まず、アンタは何者じゃん?人間なのか?」


騎士『私は……ゲホッ!!大王グウィンに剣を預けし騎士……アルトリウスだ……人間とは似て非なる存在……」ゲホッ!!


補助演算が回復した一方通行を護衛につけ。

黄泉川は『アルトリウス』と名乗る騎士に話を聞く。

黄泉川「一体この街に何が起こってんじゃん?」


アルトリウス『……『最初の火』が消えようとしているのだ……だから不死人が……ゴホッ!!』ビチャビチャッ!!


甲冑でアルトリウスの顔は隠れているが、顔の部分から黒い液体が流れていく。


芳川「『最初の火』?」


アルトリウス『この世の始まりに生まれた火だ……火によって、光と闇が。生と死が。熱さと冷たさが。あらゆるモノに境界が生まれ、確かなモノとなった……この火があるからこそ、我々の世界は……グハッ!!!』ビチャビチャッ!!!


黄泉川「し、しっかりするじゃん!?」

アルトリウス『ハァッ、ハァッ……光からは我らが……闇からは君達人間が生まれた……火が消えかけている事で、闇が強まり……生と死の境界が薄くなり、結果不死人が生まれる……目に不死の印を刻まれて……』ビチャビチャッ!!!



アルトリウスから黒い液体が、絶え間無く溢れてくる。


黄泉川「不死人?それがあのイかれた連中の事じゃん!?」

一方通行「俺らもああなるってのか?」



アルトリウス『不死は決して死なない……それだけならばまだいい……死ぬ度にソウルを失い、理性を失う事……そして、生者のソウルを求めて襲いかかる……それが不死人の最大の脅威……』

一方通行「なるほどなァ……だから死んだハズの連中が起き上がって襲ってくンのか……もう元の人間には戻れないのか?そのソウルってのを得れば正気に戻ンのか?」


アルトリウス『……特別な……濃縮されたソウルが必要だ……君が今持っているような……ゲホッ!!ゴホッ!!!』


アルトリウスは一方通行を指差す。




一方通行「俺が?……まさかさっきのバケモンを殺った時の……」


一方通行は感づく。


先ほど、黄泉川のマンションで撃退した、大きな化物。拡散の尖兵から得た、6つの灰色の何かを。

アルトリウス『……君は人間でありながら、私と打ち合い、デーモンをも討ち倒してる。
何故、我らの次元と君達の次元が重なっているのかはわからないが……君は強い。君達不死であり、闇に近い人間ならば……ガハァッ!!!!』ビチャビチャッ!!!


アルトリウスから大量の黒い液体が滲み出て行く。


一方通行「最後だ……俺らはどうしたらいい?」


アルトリウス『ハァッ、ハァッ……アノール・ロンドへ……あの岩山の頂上へと行け……我ら4騎士の誰かか……神々の誰かがいるハズ……今何が起こっているのか聞いてくれ……』


一方通行「わかった……テメェはどうすンだ?」


アルトリウス『……私は既に死んだも同然だ……王の命により、深淵の魔物に立ち向かったが……私は何も出来なかった……』


一方通行「深淵?」


アルトリウス『恐らく、深淵の魔物もこの次元に来ている……闇に近い君達なら深淵の魔物も……さぁ、早く行け……もう私は長くない……』

…………



黄泉川「それで。これからどうするじゃん」

一方通行「……俺はあの騎士の言った、アノール・ロンドとやらに向かう。テメェ等はどっかに隠れて」

打ち止め「ミサカはついて行くからね!?ってミサカはミサカは抱きついて離れない!!」ギューッ!!!


一方通行の足元では、打ち止めが一生懸命しがみついている。

番外個体「ミサカも行くよ?大体、この様子じゃあ安全なところなんて何処にも無いだろうしさ」


芳川「今別れるのは逆に危険でしょうね……」


一方通行「チッ……しょーがねェ……途中までだからなクソガキ共」



一方通行達は、騎士アルトリウスの言葉に導かれ、アノール・ロンドを目指す。

…………





アルトリウス『これまでか……許してくれ……シフ……アルヴィナ……キアラン……』ォォォオオオオオオオッ……



膝をついたアルトリウスの周囲に、黒い液体が集まってくる。

アルトリウスから流れ出ていたモノだ。


その液体からは、禍々しい黒いオーラが漂っている。






アルトリウス『願わくは……誰も私に近付くな……』ォォォオオオオオオオッ!!!!






それらが全てアルトリウスへと取り込まれた後。



猛獣のような咆哮が、辺り一帯に轟いた。

投下終了です。


とりあえず、深淵歩きのアルトリウスと一方通行でした。


アルトリウスはソウルシリーズのボスでもトップ3に入る強さ・格好良さだと思います。


次回からダークソウルのロードランへと学園都市勢が突入します。ではまた。

乙、白ファンの出番か


貫きの騎士とアルトリウスは初めて見たとき格好よさのあまり感動した


久しぶりに白やってアルトリに挑んでくっかな

アルトリは倒したあと思わずコスしたくなるかっこよさだよな
他のNPC勢も気になるな、ソラールの雷の槍とビリビリの雷はどっちが強いのだろうか

乙トラヴァ

アルトリウスさんと戦ってねえんだよなワイ
やってみるか

(T)ダイスンスーン

アルトリウスの何がヤバイか知ってるか?アイツ本当は盾も持ってるし左腕死んでるから右手だけであの大剣振ってるけど、実は左利きなんだぜ?恐るべしアルトリウス…

しかも、諸々の心身共に深刻極まりない悪影響を及ぼすものに幾星霜も侵食され続けてあの強さという…

>>188
それ元は海外版パケの上級騎士が左手にアルトリウスの大剣持ってたから広まった説だったはず
デザインワークスの未使用デザイン集にも現行のアルトリウスのデザインがあるので、あれはアルトリウスではないと思われる

どのみち片手であれなんだから、アルトリウスの大盾持ってたら本気で無双してたであろうことは間違いないな

一方ご一行はとりあえずゴーさんに逢って話を聞くことになるか

深淵歩きのアルトリウス

HP 1000/100000

ステータス異常
出血
呪い
バーサク
混乱
片手使用不可

装備
アルトリウスの大剣(ボロボロ)
盾 無し

アルトリウス防具一式(ボロボロ)




葬られたプレイヤー数知れず




( ゚д゚)

深淵に飲まれたか

8月後半まで更新出来そうにないだってさ

こんばんわ、1です。お久しぶりです。
とりあえず死ぬほど苦労して、課題も色々残りましたが、一区切りつきました。
これからもちょくちょく離れますが、更新した時はよろしくお願いします。

それではゆっくり投下します。

07:00




第7学区 ロードラン 小ロンド遺跡付近



麦野「さて……アジトが襲われて、何とかここまで辿りついたのはいいけど……辛気臭いところね」



絹旗「麦野……よかったんですかね?襲ってくる人間片っ端から超殺っちゃっても」


麦野「あんなのどっからどう見てもゾンビにしか見えないじゃないの。それに向こうから襲ってくるんだから正当防衛よ」




比較的早く行動開始していた麦野達は、アイテムのアジトであるホテルの一室に集まっていたのだが、現在学園都市中で発生している、デーモンによる虐殺と亡者による虐殺に巻き込まれ、脱出し、第7学区に突如現れた遺跡の麓辺りに到着していた。






『小ロンド遺跡』








かつて、神々が力を持ちロードランが繁栄していた頃は、4人の優秀な公王の元、ロードランの下部に位置するこの都市に沢山の民が住んでいた。


公王達は、人間でありながら太陽神グウィンに認められ、その大いなるソウルを分け与えられた程の人間であった。


しかし、最初の火の力が弱まり始めた頃。


小ロンド遺跡の都市にある異変が起きた。



それは後に語られるが、それが原因でこの小ロンド遺跡の大半は水没し、現在封印されている。



今では、封印から溢れた亡者や、その亡者の犠牲者達が、決して覚めぬ悪夢の中に取り残されている。

バシャバシャッ!!!


麦野「あー、ズボンの裾ビショビショじゃないの。何でこんなに水が溜まってんのよココ」


絹旗「水面から薄っすら古代都市みたいなのが広がってるのが見えますね。超ワクワクするんですけど!!潜ってみていいですか?」


麦野「やめときなさいよ。それよりこっから分かれ道よ。あっちの建物が並んでる水場の方と、何か上層部まで繋がってるエレベーターみたいなのがある丘。どっちに行く?」

絹旗「決まってるじゃありませんか!!こういうゲームってのは上に行く程超珍しいお宝があるんですよ?だから丘の方です!!」


麦野「私も丘ね。こんな水場、うろつくモンじゃないわ。どっかで焚き火でもして乾かさないとね」


麦野と絹旗は、小ロンド遺跡の大半を占める水場から離れ、丘の方へと向かう。


麦野「あれ?こっちの扉カギかかってんじゃない」ガチャガチャッ!!


絹旗「麦野ー。エレベーターみたいなのありましたよー。これが動けば一気に超上まで登れます」


絹旗は、丘から遺跡の上層部へと向かうエレベーターを見つけ、麦野に知らせる。
凄まじく古いモノだが、どうやら動きそうだ。

麦野「よし。じゃあ上に上がるか。……ん?」


ふと、麦野は丘の向こうに隠れた道を見つける。


麦野「何かしら?他にも道があんの?」


麦野は、その道を真っ直ぐ行くと、そこには岩山をくり抜いて作られた、牢屋のようなモノがあった。





??「ん?……へぇ、珍しいな。こんなところにまともな人間が来るなんざ」


その牢屋の中には、一人の男が入っていた。

麦野「こんなところに牢屋ねぇ。アンタ一体何したの?」


??「何にも。強いて言うなら存在が罪ってヤツかな。不死人ってのはそういうもんだろ?」


絹旗「不死人?」


??「アンタ達も不死人だろ?目にダークリングがあるじゃないか」


麦野「……ちょっと詳しく話を聞かせてくれないかしら?」

07:20


麦野「なるほどね……この目はそういう事だったのね」

絹旗「ほ、本当に超死なないんですか?私達も貴方も」

??「あぁ。本当さ。死んでも必ず生き返る。そしてソウルが無くなり、いずれ亡者となるのさ」


牢屋の男に、麦野と絹旗は自分達が不死人となっていることを教えられる。


麦野「じゃあ、ここに来る途中に襲いかかってきたゾンビみたいなのは、その不死人の成れの果てってわけね?」


??「あぁ。そういえばお前達、女で武器も持たずよくここまで来れたな。途中の亡者達はどうしたんだ?」


絹旗「全部殺っちゃいましたよ。超正当防衛です!!」


??「へぇ……ならいいが、そろそろヤツ等が生き返る頃だ。もしかして、背後に大勢いるんじゃねぇのか?」


牢屋の男が麦野達に注意を促す。

麦野「あら……ホントだわ。本当に生き返るんだ」


丘から牢屋までは細い一本道。


その道を、亡者がウジャウジャと埋め尽くしていた。数は20ほどだろうか。


??「災難なことだな。あの数を一片に相手するのは無理だろ。まぁ、死んでも運がよければまだ正気で生き返れるさ」


麦野「……アンタはどうするの?」


??「俺か?俺はこの牢屋に居れば安全だ。気にするな」


麦野「そう……」キィィィィイインッ!!!


同時に、麦野の右手から青白い光が発せられる。

??「ッ!?な、何だそりゃ?魔術師だったのかお前?しかも触媒も無しに……」


男はその様子を見て驚いている。
この男の知る限り、このような芸当が出来るのはソウルの業を操るデーモン達や、人間の魔術師のみ。


更に、人間ならばソウルの業を操るのに、何らかの術の触媒が必要なのだ。


それを、目の前の女は何の触媒も無しに強烈な力を宿している。



絹旗「狭い一本道に大勢なんて、麦野にしてみたら超殺してくださいって言ってる様なモノです」




次の瞬間、麦野の右手から放たれたレーザー。


『原子崩し(メルトダウナー)』と呼ばれる力によって、亡者の群れは、跡形も無く粉砕された。

シュゥゥゥウウッ……


麦野「さて。色々わかったところで、そろそろ上に上がるか。アンタも来なさい。この状況、まだまだアンタは色々知ってそうだからね」


砲撃を放った麦野は、涼しい顔で男へと言い放つ。


??「……いや、俺はここでのんびりしてる方が」


ドォォォォオオオオッ!!!!!!


麦野の砲撃が、男の居る岩山の牢屋の上部分を消し飛ばした。



麦野「来い」ニコッ……

??「……今日は厄日だな……わかった。わかったよ」




男は、仕方なさそうに牢屋から出てきた。
亡者の侵入を防げなくなったからには、ここにいても意味はない。

絹旗「さ、超早く行きましょう!!まだ浜面や滝壷さん達とも合流しないといけませんからね」


麦野「そうね。どっか拠点みたいなのが作れればいいんだけど。そういえばアンタ名前は?」


麦野は男に名を尋ねる。



リッケルト「……リッケルト。ヴィンハイムのリッケルトだ。拠点を作るなら上の祭祀場がいいだろう。彼処は他より安全なハズだ。火防女の篝火もあるしな」


麦野「火防女?篝火?」


麦野がリッケルトと名乗る男の言葉に返す。


リッケルト「不死人にとって神聖なモノさ。さ、今消し飛ばした亡者達が復活する前に行くぞ」




そして、3人は丘へと戻り、そのまま古い昇降機に乗って遥か上の層まで上がって行った。

07:25


第7学区 浜面宅→ロードラン移動中



モノレール高架下沿いの道路




ブォォォォォオオオオオッ!!!!



滝壷「うん……うん、わかった。そこは安全なんだね。うん。……じゃあ今からそこに向かうね」ピッ!!



浜面「麦野達ははまだ無事なんだな?何て言ってた?」


塔の騎士から逃げ延びた浜面達を乗せた車は、亡者の群れを避けながら、ひたすら走っていた。

目的となっていたアイテムのアジトであるホテルは、既に亡者達に囲まれ入れなかったのだ。


まぁ、途中で警備員の車両からショットガンやライフルなどの銃器や、ある程度の装備を得る事が出来たので、結果オーライだが。

滝壷「むぎの達は、早めにアジトからあの岩山へと向かったみたい。
彼処に、安全が確保出来る場所があるから、ひとまずそこに集合だって。位置データはもらった」



浜面「流石だな。まぁ、麦野ならあんなイかれた奴ら、相手にはならないだろうが」



浜面達の車にも、ソウルを求めて亡者達が襲って来たのだ。
もちろん、思いっきり轢いたが。



正当防衛である。





浜面「よし。場所はわかった。このまま高架下沿いを進んで行くぞ」

投下終了です。明日も投下予定です。
GANTZの方は、もうしばらくかかるので気長にお待ちを。

乙っす
これから面白くなる予感…期待


リッケルトの祭祀場行きイベントかぁ…

小ロンド・・・初見で亡霊にズタズタされた思い出が(ガタガタ

麦野達は遭遇しなくてよかった

泳ごうとしたらやっぱり沈んでたんだろうか

とても面白いぜ乙
グウィンドリンは戦闘方的にとても戦い映えする人がいるな
さて多くの人がボロボロにされただろうオンスモの相手は誰がするか

>>214
ちなみにそれ誰さ?俺は何と無く麦野がドリンといい勝負しそうに思えたわ

こんばんわ、1です。
今日もゆっくりと投下していきたいと思います。

>>212
原作と違い、ロンドの亡霊は現時点ではまだ出ません。あるタイミングで出現させる予定です。
というより、あるタイミングでこの世界の難易度が跳ね上がる予定です。

07:30



第7学区 学生寮→ロードラン 黒い森の庭へと移動中




第7学区 モノレール高架下 駐車場







ドクンッ……ドクンッ……



インデックス「と、とうま……」

上条「静かにしろインデックス……『アレ』にバレるぞ……」ドクンッ……ドクンッ……


上条とインデックスは、モノレールの高架下沿いにロードランのアノール・ロンドへと目指す。


しかし、遠くから見た限り、あの岩山を登るルートが見当たらない。
そこで、南東部に広がる森から入って行こうと2人は考えたのだ。

寮からここまでの道中、様々なところで亡者に襲われる人々の悲鳴が聞こえてきたが、上条はそれを無視してここまで来た。



無視せざる負えなかったのだ。あの狂ったように人々を虐殺していく亡者達から、インデックスを守る為に。



その為に上条は、歯を食いしばりながらここまで来た。自分の命を張れば救えたかもしれない命を見捨ててまで来たのだ。





が。

『イザリスの魔女』




はじまりの火からは、様々なモノが生まれました。



光と闇。この光より見出したソウルを、太陽王グウィンが。


生と死。この死より見出したソウルを、最初の死者ニトが。


熱と冷たさ。この熱より見出したソウルを、イザリスの魔女と混沌の娘達がそれぞれ手にしました。




それにより、イザリスの魔女と混沌の娘達は、凄まじい炎の魔術を操り、それは地形を容易く変える事が出来るほどの力でした。



ある時。


そのイザリスの魔女は思いました。



自分達で、はじまりの火を創る事が出来ないかと。


炎を司る自分達ならば出来るハズだと。




それが、悲劇の始まりでした。




自分達の作り上げた都を、自らの手で壊滅させ、多数の異形の怪物を生みだした悲劇の始まりなのでした。

ォォォォォオオオオオッ…………


山羊頭のデーモン「…………」ザッ……ザッ……


ォォォォォオオオオオッ…………




駐車場の中で。車の影で息を潜める上条達の目の前では、頭が大きな山羊の頭の骨のようになっている、人型の化物がゆっくりと獲物を探して彷徨っていた。



その両手には、鎖で互いを繋いだ無骨で巨大な二本の大鉈が握り締められ、より一層威圧感が増している様に見える。



ハッキリ言って、上条はこの化物に、1対1では敵わないと悟った。


レベル5のような能力も無く、魔術師のような力も無い、右手以外は普通の人間の上条には。



だから上条は隠れている。
決してこの化物に見つからないように。

犬のデーモンか…

山羊頭のデーモン「…………」キョロキョロッ……



化物は、何かを感じて居るのか駐車場の中を何かを探すように歩いている。



上条「ゆっくり……ゆっくり行くぞ……」

インデックス「う、うん……」スッ……



2人が、ゆっくりと駐車場の出口へと向かう途中





ファンファンファンファンファンファンファンッ!!!!!






山羊頭のデーモン「ッ!?」ピクッ



インデックス「えっ!?」

上条「ッ!?警報か!?」



駐車場に止めてあった車の横を通っていく途中。

車両につけられた盗難防止の為の警報が鳴り響いた。

上条「ッ!?インデックスッ!!走れッ!!!」ゾクッ!!


上条が何らかの気配を敏感に感じ取った瞬間、インデックスの手を掴み、全力でそこから離脱する。



ガッシャァァァァァアアアアッ!!!!!


上条「やっぱバレてやがる!!急げッ!!」


次の瞬間、山羊頭のデーモンが持っていた、鎖で繋がれた大鉈の一本が、警報の鳴り響く車両を叩き潰した。




山羊頭のデーモン「グルルッ……」ブォンッ!!!


上条「伏せろッ!!!」


上条とインデックスが伏せた瞬間


鎖で繋がれた大鉈が、上条達の頭上を横に薙ぎ払われる。


ガッシャァァァァァアアアアッ!!!!!!
ファンファンファンファンファンファンッ!!!!!


別の車が、大鉈に薙ぎ払われ、警報を鳴らしながら横に吹っ飛ぶ。

一瞬遅れれば、2人の身体は叩き斬られていただろう。

上条「今だッ!!」ダッ!!



その直後、上条達は全力でその場から走って逃げる。
攻撃の合間を縫って逃げるしか、この化物から生き延びる術は無い。


そして駐車場の出口ゲートを、そのまま突っ切った。




上条「何処だ……何処に隠れる……」キョロキョロッ!!


駐車場から道路へと出た上条は、周囲を見渡し隠れる場所を探すも、あまりいい場所が見つからない。


山羊頭のデーモン「」ザッ!ザッ!!ザッ!!!


山羊頭は、背後から迫っている。再び大鉈を投げつけられたら避けられる保証はない。

上条「クッ、インデックス逃げろッ!!」


上条が、そこらに転がっていた鉄パイプを拾い、山羊頭へと構える。



山羊頭のデーモン「」ザッ!ザッ!!ザッ!!!



勝ち目は無い。
しかし、インデックスだけでもこの場から逃がさなければ。

恐怖を抑え、上条は山羊頭へと立ち向かう。







ブォォォォォオオオオオッ!!!!!



上条「へ?」

山羊頭のデーモン「ッ!?」


ドォンッ!!!!!



次の瞬間、猛スピードで走って来た車が、山羊頭の化物へと思いっきり追突し、山羊頭は大きく吹き飛んだ。

浜面「大将ッ!!生きてるか!?」ガチャッ!!


上条「お前は……浜面!?何でこんなところに!!」


車の運転席が開くと、そこにはかつて敵対した事もあるスキルアウトの男、浜面仕上が現れた。


浜面「側を通ったときに、車の警報音が聞こえて覗いてみたらお前があの化物に追われてたからな。借りにしてやるよ」


滝壷「かみじょう。かみじょうは誰かと一緒なの?」


助手席には滝壷を確認する。

上条「いや、インデックスと一緒だったけど、アイツは先に……ってインデックス!?」

インデックス「とうま!!」タッ、タッ、タッ!!


上条「馬鹿ッ!!逃げろって言っただろうが!!」


上条が辺りを見渡すと、先に逃がしたハズのインデックスがこちらに戻ってきた。

どうやら、上条をおいて逃げる気は無かったようだ。



浜面「とりあえず、お前等も乗れよ。俺等はこれからあの岩山に……ん?」






ォォォォォオオオオオッ……

山羊頭のデーモン「」ユラァッ……

ォォォォォオオオオオッ……

浜面「結構スピード上げてから当たったんだけどな……化物め」

上条「浜面……インデックスを連れて逃げてくれ……コイツの狙いは俺だ……」


上条は、今までの流れから自分が狙われてると判断し、浜面にインデックスを預けようとする。


浜面「いいや……多分今コイツがキレてんのは……」スッ……

浜面はシフトレバーに手を伸ばす。



山羊頭のデーモン「ォォォォォオオオオオッ!!!!」ダッ!!!


次の瞬間、山羊頭が浜面の車の方へと走って来た。


浜面「やっぱ俺かッ!!」ガチャッ!!


キキキキキキィィィイイイッ!!!!!


浜面は、車をバックさせ、進行方向を変える。

浜面「上条ッ!!コイツは俺達が引き受けるッ!!お前等はさっさとこっから離れろ!!」ガチャッ!!


ブォォォォォオオオオオッ!!!!!!!


山羊頭「ルォォォォオオオオッ!!!!」ダンッ!!!

ガシィッ!!!



浜面が猛スピードで走っていく寸前に、山羊頭は車の後部にギリギリで飛び付いた。

そのまま浜面の車は、岩山の方向へと走り去っていった。



インデックス「とうま……」

上条「浜面……死ぬんじゃねぇぞ……」


上条とインデックスは、浜面を見送りつつ、森の方面へと歩みを進めた。

07:35



第7学区 駐車場→ロードラン西部エリア近郊


無人自動運転電車 線路沿い




山羊頭「ルォォォオオッ!!!!」


ブォォォォォオオオッ!!!!!


滝壷「はまづらッ!!」

浜面「クソッ!!あの野郎、しっかり後ろに貼り付いてやがる!!」チャキッ!!


パンッ!!パンッ!!パンッ!!!

パリィンッ!!!


駐車場の上条達から引き離すように、山羊頭のデーモンから逃げる浜面達の車両の後部には、山羊頭が喰らいついていた。

浜面が拳銃による銃撃を喰らわせるも、大したダメージは与えられているように見えない。

ズンッ!!!


浜面「なッ!?クソッ!!」パンッ!!パンッ!!!


突如、天井を突き破り、山羊頭の腕が車内へと侵入してきた。
浜面が腕に対して銃撃を加えると、流石に痛かったのか腕は一旦引き下がる。


ズンッ!!


しかし、再び天井から腕が襲いかかる。先ほどより少し先頭に近づくように。

ミシミシミシミシッ!!!!
バキバキィィィィイイイッ!!!!


山羊頭「」ォォォオオッ……


そして、そのまま天井部分を引き剥がし始める。
剥がされた隙間からは、山羊頭のデーモンの異形な姿が見えた。

浜面「なんちゅう馬鹿力だッ!!あんなモンに掴まれたらジエンドだぜッ!!」パンッ!!パンッ!!!

滝壷「……」ゴソゴソッ……


浜面が銃撃を加えるも、山羊頭のデーモンは決して怯まない。引き下がらない。


メキメキメキィィィイイッ!!!!!


天井部分が更にめくり上げられていく。もう半分ほどめくられている。


山羊頭の手が、浜面の身体を引き千切るには十分なスペースだ。


浜面「クソッ!!どうすりゃ」

ドォォォオオオンッ!!!!!

次の瞬間、浜面の隣から凄まじい銃声が聞こえてきた。


同時に、山羊頭のデーモンの身体が大きく仰け反り、天井から離れた。
しかし、車両から落ちはせず、ギリギリ後部で踏みとどまっていた。



浜面「た、滝壷……」

滝壷「はまづらは……私が守るから……」プルプルッ……


浜面の隣には、警備員の車両から拝借したショットガンを持った滝壷の姿があった。

しかし、非力な彼女にはショットガンの反動は凄まじかったらしく、震えている。今2発目を撃つことは無理だろう。

浜面「……ありがとよ滝壷……」ググッ……


浜面は滝壷の奮闘に、何かを決心したようだ。


そして、チラリとサイドミラーを覗く。


ガタンゴトンッ!!
ガタンゴトンッ!!!!


浜面達の車両の後ろからは、学園都市の無人運転電車が走ってきているのが見えた。


浜面「よし……行くぜッ!!!」グンッ!!

そして、そのまま車両を線路内へと侵入させる。後ろからは、車両を追いかけるように電車が走ってくる。


そしてその差はグングン縮まっていた。

山羊頭「」ォォォオオッ……


天井には、再び山羊頭のデーモンが迫っていた。


グンッ!!
キキィィィィイイイイッ!!!!


滝壷「キャッ!?」ガクンッ!!

山羊頭「ッ!?」グラァッ!!!




突如、車両に急ブレーキがかかり、滝壷や山羊頭のデーモンが驚く。
山羊頭のデーモンの体勢は、その衝撃で崩れていた。



背後からは電車がますます近づく。



浜面「ここだぁッ!!!」ジャキッ!!!

ドォォォオオオンッ!!
ジャキッ!!
ドォォォオオオンッ!!!!


山羊頭のデーモンの体勢が崩れたのを確認した瞬間、浜面が滝壷からショットガンを取り、立て続けに二発撃ち込んだ。

山羊頭「ガッ……」グラァッ……

ドサァァァァアアアッ!!!!


流石に、体勢が崩れたところに散弾を撃ち込まれたのが効いたのか、山羊頭のデーモンは大きく仰け反り、車両から線路上に落ちた。



浜面「ウォォォォォオオオッ!!!!!」グンッ!!

キキキキキキィィィィィイイイイッ!!!!!


その瞬間、浜面はアクセルペダルを踏み抜き、ハンドルを全力で切った。






ガタンゴトンッ!!ガタンゴトンッ!!!
山羊頭「ッ!?」


グチャァァァァァァアアアアアッ!!!!!



背後からの電車に轢かれ、山羊頭のデーモンは一瞬で絶命する。



そして

浜面「ウォォォォォオオオッ!!!!危ねェェェエエエッ!!!!」ブォォォォォオオオッ!!!!!



電車に轢かれる寸前で線路上から脱出できた浜面達は、山羊頭のデーモンによってオープンカーにされた車両でそのまま走り続けていた。




滝壷「危なかったね、はまづら」

浜面「危ないどころかギリギリ過ぎるっての。朝起きてから今までの時間で何回危ない橋渡ってんだよ俺らは……ん?」ハァッ……



大きくため息をつく浜面へと、いきなり何処からか大きな青白い光が現れ、浜面の中へと入り込む。

浜面「オワッ!?な、何!?何なのコレ!?」アタフタ

滝壷「ん……ん?はまづら……何かはまづらから変な力を感じる……」


感知タイプの能力者である滝壷には、何かしら感じとられたのだろう。


山羊頭のデーモンが学園都市の住人から集めた大量のソウルと、凝縮された特別なソウルが浜面の中に入った事を。



浜面「え?何?何なの今の青いの」

滝壷「わからない……けど、はまづらから強い力を感じる……なんとなく……ん?」


慌てる浜面をよそに、滝壷が後部座席に何かを見つける。


滝壷「これ……鍵?とても古い形けど……何かこれからも力が……」


浜面「何でそんなモンが……あのバケモンの落し物か?」


そこには、決して学園都市。いや、現代では使われないようなシンプルな形状の鍵が落ちていた。




『最下層の鍵』を手に入れた。
『山羊頭のデーモンのソウル』を手に入れた。

07:55


ロードラン西エリア

大城壁麓



浜面「とにかくこれで麦野達と合流出来るな。さっきの青いのはまた後で考えよう。うん」


滝壷「でもはまづら。どうやってここから上に行くの?」


浜面「う……」


ロードラン西部の麓付近に着いた浜面達は、果てしなく高くそびえるロードランへの入り口が見つからず困っていた。



浜面「うーん……とりあえず来てみたはいいが……ここからどうするか……」


滝壷「はまづらって、デートの時、その場で行くところ考えようとして失敗するタイプだもんね。
大丈夫。私はそんな計画性の無いはまづらを応援してる」


浜面「ご、ごめんよ……ん?あそこ階段になってねぇか?」


浜面はふと、ロードランの大城壁のようなモノに、階段を見つける。

階段は、かなり高いところまで続いている。おおよそ200mほどだろうか?
とりあえずそれくらい続いている。登るのはかなり苦労するだろう。



浜面「ちょ、ちょっと高いかもだけど……頑張ろうぜ滝壷!!」

滝壷「うん。大丈夫。私は彼女に無理矢理重労働を強いるはまづらを応援している」


浜面「ご、ごめんなさい……」


滝壷「ふふ……冗談だよ。いこ、はまづら」


浜面と滝壷は、ショットガンとライフル、拳銃を持って大城壁の階段を登っていく。

浜面は知らない。

ただの無能力者が山羊頭のデーモンを倒した偉業を。


浜面は知らない。


それによって得たソウルによって、自身の身体能力が人間を大きく上回る事が出来る事を。



最も。


これより先は、巡礼する歴戦の戦士達をことごとく亡者へと変えた呪われし聖地、ロードラン。


今の彼の力では、巡礼の資格を得る事すら出来ないだろう。

投下終了です。

とりあえず上条→浜面サイドでした。
1は山羊頭のデーモン大好きです。



ちなみに現在登場している各キャラの現在地は



上条・インデックス→黒い森の庭へと移動中

一方通行御一行→火継ぎの祭祀場へと移動中

浜面・滝壷→大城壁(牛頭のデーモンのいた場所)

麦野・絹旗→火継ぎの祭祀場

御坂→ロードランへと移動中

白井→不明


と、こんな感じです。
次回は上条サイドを主に進めたいと思います。それではおやすみなさい。


大鉈2丁が得物ってなかなか珍しいキャラよね>山羊頭


基本的に肉体と頭脳で勝負する浜面には適したソウルだな、山羊頭のデーモン

デモ鉈ぶん回す浜面が見れるのかな
乙です


上条さん黒い森の庭かぁ
アイツがいるとなると相性悪すぎるぞ

黒い森の庭とか、紋章扉の方行ったら侵入されまくりじゃないですか、ヤダー

黒森ってシフがいるとこだっけ?
上条さん大丈夫かよwwww

おはようございます、1です。
今日は完全オフなので、何回かに分けてゆっくりと物語を進めて行きたいと思います。
最初は土御門。その後に上条サイドと進めます。

07:30

第7学区 学舎の園


土御門「何でだ……舞夏……」ドクドクッ……


上条の部屋から、義妹を救う為に学舎の園まで辿り着いた土御門の脇腹からは、血が滴り落ちている。


舞夏「…………」フラッ……フラッ……


目の前には、土御門の血の着いた包丁を握りしめ、力無くフラフラと立っている義妹の姿が。


倒れていた舞夏を土御門が見つけ、抱きかかえた瞬間。


刺されたのだ。


容赦無く。


土御門ほどの実力者で無ければ、そのまま心臓へと包丁が突き刺さっていたのかもしれない。

舞夏「ア、ア"ア"ア"ッ……」フラフラッ……



学舎の園を襲った、炎に潜む者の襲撃の時点で。


既に土御門舞夏はほぼ全てのソウルを吸い上げられていた。



もはや、舞夏は幾ら殺しても何度でも蘇り、周囲の人々を襲い続ける不死の亡者である。


土御門「クソ……どうしてこんな事になっちまったんだ……」グググッ……


土御門は自身の知識を総動員し、科学・魔術の両面から舞夏を救う方法を模索する。


しかし、方法がわからない。何せ前例となるモノが存在しないのだ。

舞夏「ァァァアアアアアアッ!!!!!」ダッ!!!


そうこう考えている内に、舞夏の包丁が土御門へと襲いかかる。


土御門「舞夏……俺はもう……疲れたよ……」


土御門はそれに対し、全く身構えない。
心が折れたのだ。最愛の義妹のこんな姿を目にして。


ヒュンッ!!
ヒュンッ!!!
グサァッ!!!


舞夏「ッ!?ア"ッ……」ドサァッ!!


土御門「ッ!?舞夏ッ!!」



しかし、突如舞夏がその場に倒れ込んだ。
よく見ると、舞夏の膝や肘関節辺りに鉄片が刺さっている。これでは身動きがとれないだろう。

結標「何をボサッとしてんのよ土御門ッ!!死にたいわけ!?」



舞夏の背後には、レベル4でもトップクラスの能力者である、土御門や一方通行と同じ組織の人間、結標淡希が、軍用ライトを手に持ち立っていた。


舞夏に突き刺さった鉄片は、この結標の仕業だろう。


土御門「結標……お前……」



結標「何?助けたお礼ならいらないわよ。今はそんな状況じゃ」

パァンッ!!!




結標「キャッ!?ちょ、ちょっと!!何すんのよアンタ!!命の恩人を速攻で撃とうとするなんて!!」


土御門の手には拳銃が握られ、銃口は結標に向いていた。

土御門「結標ェェェエエエッ!!!よくも……よくも舞夏をッ!!」グググッ!!!

土御門からは、結標への殺気が伝わってくる。


結標「待って!!ちょっと待ってってば!!アンタその子の知り合い!?だとしたら今はもう、どうしよも無いのよその子は!!」


土御門「黙れッ!!よくも、よくも舞夏を」カッ!!

グシャアッ!!!

今にも引き金を引きそうな土御門の拳銃が、突如バラバラに分解される。

エツァリ「アナタらしくないですね……せめて話くらい聞いてくれませんか?」


土御門「グッ……海原……」

別方向から、結標などと同じく組織の一員である、海原光貴……の姿を借りた、アステカの魔術師エツァリが現れる。


土御門「邪魔をするな海原ァッ!!」チャキッ!!

半分錯乱している土御門は、エツァリにも銃を向ける。


エツァリ「なるほど。余裕が無いみたいなので、結論から言いましょう。
その少女……現時点では殺す事が出来ません。そして、正気に戻す事も出来ません。方法ならありますけどね」

07:40



土御門「そうか……舞夏はその亡者ってのに……」

エツァリ「えぇ。一方通行からの情報では、今の私達は例え死んでも生き返る。代わりにソウルというモノが失われ、それが尽きた時理性を失う。との事です」


結標「いくら殺しても仕方ないのよ。だから私は、その女の子の動きを関節ごと固定したの。これ以上人に襲いかからないようにね」


結標の能力は『座標移動』

あらゆる物体を、手を触れる事も無くテレポートさせる能力。

その能力を用い、亡者を殺すのでは無く無力化したのだ。

土御門「一方通行からメールがきてたのか……気がつかなかったにゃー……」



深淵歩きのアルトリウスから、現状を聞いた一方通行は、情報を知人へと送っていたのだ。



結標「アンタ今さっき、あの子に殺されようとしたでしょ?」

エツァリ「全く……僕達が偶々この辺りにいたからよかったですよ。亡者から元に戻る方法ならあるんです。簡単に絶望しないでもらいたい」


土御門「あぁ……悪かったですたい……それで、その特別なソウルとやらを使えば……舞夏は元に戻るんだな?」

エツァリ「えぇ。一方通行によれば、明らかに他とは違う化物がいるので、それを倒せば手に入ると。大雑把な情報ですが、無いよりはマシですね」


結標「取りに行くでしょ?アンタも。私達もそれぞれ元に戻したい人間がいるのよ」


エツァリと結標が立ち上がり、土御門に問いかける。
それぞれ、守りたいモノがあるのだ。
その為に結成した組織……『グループ』だったハズ。


土御門「よし……じゃあいっちょ、まずはウチのエースと合流するかにゃー」


土御門達は、グループ最後の1人である、一方通行との合流を目指す。

行き先は徐々に強者が集まりつつある聖地、ロードラン。


土御門「舞夏……少しだけ待っててくれ……」


身動きがとれない亡者と化した義妹へと、一時の別れをつげ、3人は動き出した。

お、きてた

8:00



ロードラン 黒い森の庭 紋章扉前



インデックス「この先には何があるのかな?」

上条「さぁな……こんな大層な扉を作るくらいだからよっぽどのモノがあるんじゃねぇか?」


上条とインデックスは、山羊頭のデーモンが浜面達を追いかけていった後、浜面の身を案じつつそのまま目的地の森の中へと入っていった。


森の上空は濃い霧がかかり、日光が殆ど届かず夜のように暗く、辺りには自ら発光する見たことの無い花が微かに光り、それが辺りを照らしていた。



そして、森に入って数分後。



上条達の前には、森の中だというのに仰々しい大きな扉が現れていた。

上条「……この真ん中の窪みは……これがこの扉の鍵なのか?」

上条は扉を調べるも、どうやら開くことは出来ないようだ。真ん中に丸い窪みがあり、これが鍵穴なのだろうか。


上条「仕方ないな、ここは諦めて別の道に行こう。ちょうど脇道みたいなのがあるみたいだしな」


インデックス「んー、ちょっと気になるかも」


扉の右側に、森の奥へと続く脇道のようなモノを見つけ、上条とインデックスはそのまま奥へと進む。

黒い森の庭

旧ウーラシール王家の森庭 城壁前



インデックス「わー、キレイなんだよー」

上条「凄ぇ……物語の中に迷い込んだみてぇだ……」


脇道を抜けると、上条達は拓けた場所へと出た。




生い茂り、空を埋め尽くす森林。

そこら中に生えた発光する花。

横たわり、草木生い茂る巨大な騎士の石像。

崩れ落ちた石造りの廃墟。



外国の絵本にでも出てきそうな幻想的な光景に、2人は息を呑んだ。

インデックス「フゥッ……フゥッ……」



上条「大丈夫か?インデックス。少し休むか?」



インデックス「う、ううん。大丈夫なんだよ。心配いらないかも」


上条「いや、少し休もう。朝から動きっぱなしで俺も疲れたしな」



上条達は、崩れた石造りの壁へと腰掛け、一休みをとる。
壁の側には、打ちひしがれた石像が横たわっていた。数百年単位の年月が経っていそうな石像だ。




上条「どうにかここまで辿り着いたけど……これからどうしようか。何とかあの岩山の頂上まで行きたいけど」


インデックス「まずはこの森を抜けないとね。あの城壁みたいなところに登れば辺りが見渡せるかも」



インデックスは、目の前に建つ古い城壁を指差す。

上条が上を見上げると、城壁の上は相当高い事がわかった。

上条「そうだな。まずはこの辺りがどうなってるか見てみるか」

インデックス「うん。私が見れば、今までの道を照らし合わせて辺りの地図が作れるんだよ」

完全記憶能力を持つインデックスならば、高い所から周囲を見渡す事で、頭の中で地図を作る事も可能だろう。


上条「よし。じゃあ早速……」ゾクッ!!


そう言って腰を上げた上条の目の前に、先ほどまで無かった光景が飛び込む。



先ほどまで確実に横たわっていた騎士の石像が、いつのまにか立っていたのだ。

その手に持つ、大きな石の大剣を振り上げて。

上条「インデックスッ!!」ダッ!!

インデックス「えっ?ひゃあっ!!」バッ!!


ドォォォォオオオオンッ!!!!


ギリギリのところで気付いた上条によって、インデックスは石の大剣から逃れることが出来た。


その重量と石像自身の力で、石の大剣が振り下ろされた地面は大きく抉られている。
まともに喰らえば容易く叩き殺されるだろう。



上条「せ、石像が動いてる……」

インデックス「『ゴーレム』の魔術みたいなモノなんだよ!!しぇりーの『エリス』に近いかも」

上条「魔術か……だったら俺の右手で触れればッ!!」バッ!!

上条は石像へと走り出す。
魔術で造られたモノならば、上条の持つ右手の力『幻想殺し』によって、石像は無力化出来るハズなのだ。


ブォォンッ!!!!

石像の大剣が、上条の頭上を掠める。

上条「危ッ!!だけどこれでッ!!!」


振られた大剣の隙をついて、上条の右手が石像へと触れる。


上条「どうだッ!?」

ググググッ……

インデックス「ッ!?とーま!!離れてッ!!」

上条「クッ、ダメか!?どうすりゃいい!!」



上条に触れられても、石像の動きは止まらない。
シェリーの造り出した『エリー』は周囲の無機物を術で固めてゴーレムを造る魔術。
対してこの石像は、元々造られた石像を動かす魔術。打ち消すべき魔術の核は、中にあるのだ。外からでは上条の右手は通用しない。

ググググッ!!!

カッ!!


そして石像が大剣を掲げた瞬間、周囲数メートルに光輝く魔法陣が現れる。


インデックス「これは……『緩やかな平和の歩み』ッ!?何でゴーレムがこんな強力な魔術を……」グググッ……


魔法陣の中に入っていたインデックスの動きが、急激に鈍くなる。




『緩やかな平和の歩み』


古くから十字教とは別の信仰に伝わる魔術の一つで、現れた魔法陣の中にいる術者以外のモノ全ての足の動きを、強制的に鈍くする魔術。

元々は、力を持たない者達が、悪漢から逃げきる為の魔術。


この古代の信仰では、この魔術を『奇跡』と呼んだ。



しかし

インデックス「使い方によっては、相手の動きを封じ、その間に強力な攻撃を当てる事が出来るかも」グググッ……



魔法陣の中にいる為、インデックスの動きは鈍くなる。
そして、石像はそんなインデックスへと石の大剣を大きく振りかぶる。




上条「させるかァァアアッ!!!!」ダンッ!!


その直後、この魔術の影響を受けない上条が、石像目掛けて全力で走り込み、そのままドロップキックを喰らわせる。


大剣を振りかぶっていた事もあり、横から衝撃を受けた石像は、そのまま転倒した。



パキィィィィイイイッ!!!

上条「よしッ!!壊せた!!逃げるぞインデックスッ!!」

インデックス「うんッ!!」ダッ!!


その隙を突いて、上条は石像の魔法陣を破壊し、インデックスを助け出す。

そしてそのまま石像から逃げる為に、城壁の中へと走り出した。

が。



上条「ッ!?ウソだろ……」


城壁への入り口の前には、更に一体の石像が立ち塞がっていた。
そして、後ろからは立ち上がった石像がこちらへと歩いてくる。


インデックス「と、とーま……」ギュッ!!

上条「チクショウ……万事休すか……」


2体の石像に挟まれ、絶対絶命となったその時



ズシュッ!!!

??「お前達は……人間の子供か?何故こんなところにいるのだ?」



突如、後ろから迫る石像の胸の中心辺りから、黄金に輝く刃が貫かれた。


石の身体であるにも関わらず、その刃は容易く貫いている。


そして、その背後からは気品に満ち溢れた女性の声が聞こえてきた。



グラッ……

ズゥゥゥゥウウンッ!!!


上条「なっ……一撃……かよ……」

インデックス「す、凄いかも……」


刃が引き抜かれると、石像は倒れ落ち、その背後から人影が現れる。

??「その目……お前達不死人なのか。まだ子供だというのに……ということは、はじまりの火が消えかけているのか?王は一体……」


上条「その声……女かアンタ」



現れたのは、白磁の仮面を被った金髪の長い三つ編みの女性。
その身はくすんだ藍色と黒の入り混じった長衣に包まれ、今にも闇に溶け込みそうである。



??「立場上、不死人を見逃す訳にはいかないが……まずは後ろのヤツを片付けてから考えようか」チャキッ……


女性は、上条達の背後にいるもう一体の石像を見ると、その手に黄金の刃を携える。

キアランさんか

スッ……



上条「ッ!?消えた!!」

直後、上条達の目の前から、突然女性は周囲の闇に溶けるように消える。


そして



ズシュッ!!!!


??「核を潰せばそれで終わりだ。可愛いモノだよ、こんな人形」


ドサァァァアアッ!!!




いつの間にか石像の背後に回っていた女性がいとも容易く石像に刃を突き刺し、魔術の核を潰された石像は、動くことのないタダの石像と化した。



上条「あ、アンタは一体……」





??「私は太陽王グウィンの刃……キアランだ。とりあえずお前達の名から聞いておこうか」




黄金の刃をこちらに向けつつ、キアランと名乗る仮面の女性は、上条達へと近づいてくる。

ここでキアランの助太刀とは…話は分かってくれそうだが

08:10



キアラン「ガクエントシ……?お前達はそのガクエントシという国から来たのか?」


森の壊れた城壁に腰掛けながら、上条達はキアランに事情を説明していた。




自分達に敵対の意思は無いこと。
不死人には、つい数時間前になってしまったこと。
学園都市全体が恐らく不死人だらけになってしまったこと。




上条「来たというか……何て言えばいいのかな……」

インデックス「学園都市に、このロードランが重なったんだよ!!厳密に言えば、ここは学園都市の中ってことになるかも」


キアラン「重なった?どういう事だ?」

インデックスがキアランへと現状を説明する。

キアラン「まさか時空を越えて次元が重なるとは……ということはここは遠い未来なのか。これもはじまりの火が消えかけている影響なのか?」



インデックス「きあらんはグウィン王の知り合いなの?」


キアラン「私はグウィン王に仕える4騎士の1人だ。主な任務は王に仇なす者の暗殺」



上条「あ、暗殺って……ッ!?」ゾクッ……


上条がキアランの言葉に驚いた瞬間、首筋に冷たい感触が走る。



キアラン「これが私の任務だ。わかりやすいだろう?」チャキッ……


上条の背後には、上条を優しく包み込むようにキアランが立っている。
ただし、首筋には黄金の刃が突きつけられているが。


キアラン「不死人ならばまた生き返るだろう。どうだ?貴重な経験だ。一度死んでみるか?」クスッ……

上条「き、き、キアランさん!?」

インデックス「きあらんッ!?やめてッ!!」

キアラン「フフッ……スマナイな、冗談だ。だがわかりやすかっただろう?」

そういうと、キアランは上条から刃を離す。冗談だったようだ。


上条「いえ……寿命がマジで縮みましたよ……」

インデックス「し、心臓飛び出るかと思ったかも……」

最も、やられる側にとってはたまったモノではないが。




上条「えっと……キアランさんは何でこの森に?」

キアラン「……それが私もわからないんだ?」

インデックス「どういうことかな?」


インデックスがキアランに問う。

キアラン「私は……私は王の命を受け、同じ4騎士のゴーとアルトリウスと共に、ウーラシールにいたハズなんだ。

ゴーが闘技場の高台から援護し、私が斥候と市民の救出。
アルトリウスが深淵の魔物を倒し、ウーラシールの姫君を救出するハズだったのだが……気がついたらこの森に居た」



上条「ウーラシール?インデックス何か知ってるか?」


インデックス「う、うん……古代に繁栄した魔術都市の名前なんだよ……だけど……」

キアラン「何か知っているのか?教えてくれないか?」


キアランがインデックスへと問い詰める。






インデックス「ウーラシールにいた人達は……1人残らず異形の姿になって滅んだって……ウーラシール自体も深淵に完全に飲み込まれたって……」

キアラン「ッ!?そんな……アルトリウスは!?アルトリウスはどうなった!?」


インデックス「アルトリウスは深淵の魔物を倒して、姫君を助け出したって伝説が残ってるんだよ。

だけど、そこからの物語は記されてなかった……さっき思い出したんだけど、グウィン王の4騎士の内、アルトリウス、ゴー、キアランの3人はウーラシールから全く話が描かれてなかったんだよ……」




上条「つ、つまりそれって……」


キアラン「私とゴーと……そして恐らくはアルトリウスも……過去にウーラシールで命を落とした可能性が高いということだ。一体何が……」

08:15



インデックス「きあらん……私の話はあくまで物語なんだよ。あまり深く考える事はないかも」

キアラン「…………」



上条「キアランさん。……俺達そろそろ行くよ。俺達はあの岩山の頂上にいかなきゃならねぇんだ」


上条達は、何か考え込んでいるキアランへと別れを告げ、城壁の高台へと向かおうとする


キアラン「岩山の頂上……お前達、アノール・ロンドへと行く気なのか?」

上条「ん?あぁ。俺達が不死人になった時、彼処から放たれた光を浴びたんだ。それに一体、学園都市に何が起きたのか知る為にも」

キアラン「私も着いていこう」



キアランが立ち上がる。

上条「へ?本当か!?」


インデックス「きあらんがいればひゃくにんりきなんだよ!!」


キアラン「……私は確かめなければならないんだ。一体ウーラシールで何が起きたのか……恐らく4騎士の最後の1人であるオーンスタインが城に残っている。ヤツから話を聞こう」


上条「よーし……アノール・ロンドの関係者がいるなら話は速ぇ!!キアランさん!!道案内頼むぜ!!」


キアラン「わからない」


上条「……へ?」


上条は、思わずキアランへと振り向く。

キアラン「私の時代とは全く辺りの様子が違うんだ。
さっきの石像から、どうやらここは元はウーラシールの森庭のようだが……現在地がさっぱりわからない」


上条「そっか……じゃあやっぱりあの上に登っていくしかないよな……」

上条は城壁の上を見据える。



上条「……ん?何だあれ……蝶?」


ふと、上条は城壁の上に光り輝く何かを見た。








それは、暗闇を照らすように月の光のように、優しく輝く大きな蝶。







城壁の上までかなりの高さがあるというのに、はっきりと視認出来るそれは、かなりの大きさなのだろう。

インデックス「綺麗なんだよ……あんな生き物がいるなんて……」


キアラン「アレは……ッ!?マズイ!!隠れろッ!!」バッ!!
インデックス「ひゃっ!?」



キアランは、その蝶を見た途端、側にいたインデックスを掴み、物陰へと隠れる。


キィィィィイイイイッ!!!!


その瞬間、上空の蝶の周囲に、青白い光が集まっていくのが見えた。




上条「え?な、何で」

キアラン「いいから隠れろッ!!アレは危険な『モノ』だッ!!」



そして





ドドドドドドドドドッ!!!!!!

キアラン「撃ってきた!!あれは『ソウルの矢』だッ!!穴だらけにされるぞ!!」



ザァァァァァアアアアッ!!!!!!


蝶の周囲から、無数の青白い矢が、雨のように発射され、下にいる上条達へと降り注ぐ。


上条「なッ!?マジかよッ!!」バッ!!

上条はようやく状況を理解し、右手を頭上に掲げた。



アレは

あの幻想的な蝶は『敵』なのだと。





パキィィィイイインッ!!!!

…………


インデックス「これが『ソウルの業』……私達の魔術とはまた違った形態の力かも……」

キアラン「……少年……お前は一体何者なんだ?」


物陰に潜んでいたキアラン達は、ソウルの矢が降り注いだ地点をジッと見ていた。



『ソウルの矢』

あらゆるモノに宿るソウルを固め、矢のように放出する古代の魔術。

その威力は、一つ一つが普通の弓矢などよりも高く、先ほどのような雨のような数を浴びれば容易く致命傷になる。
『王の刃』と言われたキアランでさえ、あの数の矢を全て躱すのは至難の業だろう。


キアランには、先ほど知り合った少年はもうダメだと判断せざる得ない状況だった。


しかし


上条「あ、焦った……まさかあんな綺麗な蝶が攻撃してくるなんて……」


少年の身体には、傷一つ無かった。

上条「あ、見えなくなった。参ったな……まさかこの城壁の上にあんな厄介者がいるなんて」


上条の視界から、蝶が消える。どうやらあの蝶は、これから向かう城壁の上で待ち構えているようだ。


キアラン「答えろ少年。何故お前は無事なのだ?」チャキッ

キアランは、自身の得物を上条へと向けながら問いただす。

上条「いぃッ!?な、何故って言われても……上条さんの右手はちょっと変わっていましてですね……」

…………


キアラン「あらゆる魔術や奇跡を消す右手……そんなモノが存在するとは……」


上条「上条さんもイマイチわからないんですが……まぁコレのおかげで色んな経験させてもらってるんだ。だからアレくらいの攻撃なら何とか防げる」



上条当麻は、この右手によって様々な不幸を経験し


インデックスを救い

御坂美琴を救い

様々な人間を救い

一つの国を救い

ついには世界を救う一端をも担う事が出来た。

上条「よし。あの蝶の攻撃が右手で防げるなら、ちょっと俺1人で上まで行ってくる」

インデックス「大丈夫なのとーま?」

上条「こういう時は1人の方が動きやすいしな。大丈夫だって。あの蝶ぶん殴って追い払うだけさ」


上条は、城壁の中にある上への階段へと向かう。


キアラン「待て、少年」ヒュンッ

キアランは、上条を呼び止め何かを投げた。

上条「わっと。んんッ!?き、キアランさんコレって……」

キアラン「貸してやる。武器の一つくらい持っていけ。アレは殴って何とかなるモノではない」

上条「で、でも上条さん刃物なんて包丁しか……」

上条の手には、キアランの予備の武器であろう短剣、ダガー( 15)が渡されていた。


キアラン「簡単だ。隙を見て思い切り何度も刺す。それだけだ。別に人間を刺すわけでも無いだろう?」


上条「うっ……わかった。借りるよ。ありがとうなッ!!」ダッ!!

そういうと、上条は城壁の上へと駆け上がっていった。



インデックス「……とーまは武器を使わないと思うんだよ」

キアラン「かもしれないな。だがその時は恐らく彼は死ぬ。アレは見た目のように生易しいモノじゃない」

インデックス「一体アレは何なのかな?生き物?」


キアラン「アレは……確かグウィン王の友人……シース公の造りあげた作品だ。魔法生物というヤツだ。
最も私が知る限り、その友人は狂気に満ちている。そんな方が造られたモノだ。危険だと判断するのが妥当さ」

投下終了です。
一方さんにアルトリウスを絡ませるなら、上条さんにはキアランだろって事でキアラン出しました。
この流れだと浜面にはゴーですかね多分。
次回は、上条さんVS月光蝶になります。


ヒーロー3人が四騎士と関わり持つとなるとやっぱりオーンスタインはあぶれちゃうな
アルトリウスの没音声を含めて一人だけセリフがないし


オンスタは使命を護る事に執着し過ぎて殺戮マシーンになってるような感じすら受ける
その鬼神っぷりが伝説として蔓延った結果あのデーモンが生まれたことを考えると、総合的な知名度はアルトリウスにも並んでいたのかもしれない

乙です
続きが超楽しみですね

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月21日 (月) 21:05:00   ID: Watq703h

ガンツの方はまだ更新しないんですか?

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