少女「世界平和について」(14)
少女「なぜ、争うのですか？」
「国が違うから」
少女「国が違うから？」
「そう」
「他国の利益は我が国の不利益となる」
「他国から侵略を受けるかもしれない」
少女「では、国を削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「民族が違うから」
少女「民族が違うから？」
「そう」
「話す言葉が違う」
「相容れない文化を持っている」
少女「では、民族を削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「所得が違うから」
少女「所得が違うから？」
「金持ちが羨ましい」
「悪いことをして稼いでいるに違いない」
少女「では、所得の差を削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「容姿が違うから」
少女「容姿が違うから？」
「そう」
「あいつがモテるのが憎い」
「私がモテないのはあいつらのせいだ」
少女「では、容姿の差を削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「性格が違うから」
少女「性格が違うから？」
「そう」
「あいつが理解できない」
「なぜ私を理解しないのか」
少女「では、性格の違いを削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「言葉があるから」
少女「言葉があるから？」
「そう」
「あいつはいつも余計なことを言う」
「思ってもいないことを言ってしまう」
少女「では、言葉を削除」
少女「なぜ、争うのですか？」
「」
少女「」
「」
「」
少女「削除」
少女「世界は平和になりました」
少女「でも、この世界はあまりにも」
少女「…………」
少女「削除」
終わり
乙
この雰囲気好きよ
宗教がなかった
ちょっとしたショートショートだな
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