魔法使い「目指すは王都、国家転覆」
兄「冒険の旅路!」
弟「…だいじょうぶかなぁ」
今のところ考えてないけど
気が乗ったら ※注エロかも
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王政歴 xxxx年。
剣と魔法を用いて、全てをニンゲンが支配する世界で
ある日、よく晴れた王都の空で
一つの影が舞い踊っていた。
"魔女狩り"という言葉も化石同然の時代であったが
そいつは、こともあろうに山高帽をかぶり
箒に跨って空を飛んでいた。
日の光の中、隠れることもなく人々を嘲笑するように飛び回るその人物を
人々は、畏怖の念をこめて<晴天の魔女>と呼んだ。
だがしかし、それもまた昔の話であった。
そんな噂話も風化した頃
とある田舎の貧しい村の長男坊が、幼馴染の魔法使いとともに
王都を目指して旅立とうとしていた。
弟「ふたりとも、いってらっしゃい、気をつけて…」
兄「ああ、いってくるよ」
弟「魔法使いさん、兄をよろしくお願いします」
魔法使い「んー?そんな心配しなさんな、私に任せておけば大丈夫だいじょーぶ!」
兄「ほんとかよ…」
しかるにこの旅は、圧政に喘ぐ貧しい村人たちを救うための
勧善懲悪の旅であった。
かの邪智暴虐の王をうんたらかんたらである。
兄「……おい」
魔法使い「…ん?」
兄「行く先は、この道であってるんだよな?」
魔法使い「合ってるよー、残念なことにね」
二人の行く野道の先には、数匹のゴブリンがたむろっていた。
これも、税金ばかり巻き上げて、ろくに軍整備すらしない愚王のせいである。
インフラは整わないばかりか、民自身の力も無くなって、こうして地方ではいまだ野蛮な生き物がのさばっている。
兄「くそぅ、なぜ俺たちがこうしてコソコソとしなければならんのだ…!」
魔法使い「ま、気長に待つー?日がくれちゃうかもよ?」
村を出て、未だ100mほど
早くもこの旅は頓挫しそうであった。
兄「なあお前、魔法使いなんだよな、だったら何かでもってちょちょいーっと…」
魔法使い「いやーそんな簡単にいうけどねー、実のところ私のって、結構使えるのに偏りがあってさ…」
兄「…偏り?」
魔法使い「そーそー、私って他人を強化する魔法しか使えなくってさ、単独じゃ役立たずなわけよ、うん」
兄「なっ?!そういうことは先に言っておけよ!!なんでそんな」
魔法使い「ややっ!ほんな大きい声だしたら、相手が…」
ゴブリン「…ぐるぅ?」
兄「ぁ、やば…」
敵の内の一匹が、なにやら気配に気づいて辺りを見渡し始めた。
こうなればもう、見つかるのに時間はかからない!
魔法使い「どうする?」
兄「なあ、そ、その魔法はどの程度有効なんだ?魔法使い!」
ゴブリンは知恵はないがそれなりに屈強であり、
兵士とて一対一なら勝負は五分五分といったところ。
しかしこの青年は、年の頃15,6才といった具合で
剣を携えてはいるが、そう鍛錬を積んでいるようには見えなかった。
魔法使い「…んー、割とマジでガチなのを使えば、この場を切り抜けるくらいには、君を強くできると思うよ?」
兄「本当か?!」
そうこうしているうちに、匂いを辿ってゴブリンが近づいてくる、
彼らに選択の余地はなかった。
兄「…分かった、お前が手伝ってくれるなら、俺が戦う…頼めるか?」
魔法使い「水臭いな、私とお前の仲だろう?サポートするに決まってるだろ!」
兄「…そうかい」
出来れば火の玉とか出してくれるとありがたいのになぁ、
とか、彼としては思っているのだった。
魔法使い「剣を抜け、構えろ!これから君を屈強で頑丈な戦士に仕立て上げてやる、この私が!」
彼女は、術の触媒として使うのか、懐から黒く錆びたアンクを取り出して、呪文を唱え始めた。
兄「ああ、頼む…やってくれ!」
魔法使い♀「ーー、私の全身全霊をもって、貴方に力を与えましょう!」
光が炸裂して、アンクが兄の体に埋め込まれていく。
それと同時に、彼は体に力が湧き上がるのを感じていた。
兄「すごい、力が湧いてくる、これなら!」
魔法使い「ただし体は…!」
兄「…へ?」
そこで唱えていた彼女は、一息置いてから、最後の文言を叫んだ。
魔法使い「っ!……女になれーっ!」
兄「はぁぁあっ?!」
爆裂音とともに光が収束して、ただそこには土煙が舞うばかり。
たむろしていた他のゴブリンたちも、その騒動には流石に気づいたのか、
手に手に棍棒やら石を握りしめていた。
土煙が晴れたころ、そこに佇んでいたのは
ゴブリン「…げぶぶ?」
姉「………」
なんとも端正で見目麗しい美少女。
手足は白く長く、細っそりしてるクセに、出るところは出て主張しまくってる
ワガママボディの美少女。
魔法使い「うへー、なんか私よりも胸あるとか、ふくざつ…」
特にその胸部ときたら、
男性モノの服を、これでもか!と押し上げて、
窮屈そうにしている
たわわに実った媚肉の房が二つほど。
姉「…………なんだ、これ」
しかしとて、彼としては、
いや彼女としては、かなりの不意打ち、不服ものだった。
確かに力は湧いてくるが、これではまるで、まるで間抜けだった。
魔法使い「ごめんねー、ちゃんと説明したらきっと断ると思ってさー、でしょ?」
姉「……うん、そだな」
魔法使い「我が家に伝わる唯一の魔法がコレなんだー、とか言ったら旅にも連れてってもらえないと思ってたし…」
姉「……へえ」
魔法使い「どうしても、君と一緒に旅がしたかったんだ…ごめんちゃい」
姉「……ほお」
どうやら謝る気はないらしいな、
彼女は素直にそう思ったとさ。
とはいえ、事情がどうにせよ
敵は待ってはくれないものである。
ゴブリン「ぐぼぁああっ!!」
棍棒を振り上げて、まとめて襲いかかってくる。
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