輿水幸子「勇者サチコと悪霊の鍵」 (275)
はじめから
>つづきから
―???―
勇者と魔王の死闘から3ヶ月が過ぎた。世界は平穏を取り戻し、人々には笑顔が戻っていたが、ここには澱んだ空気が漂っている。
??「み、見つけた……!」
そんな暗く冷たい地の底に、鎖で封印された扉が立っている。
そう、立っている。壁に埋め込まれているわけでもなく、床の穴を塞いでいるわけでもなく、ただ1枚の石扉がぽつんと立てられている。
その前には、満身創痍の人影がひとつ。体格からして女のようだ。
??「魔王様!今度こそ野望を果たしましょう!」
女の手には、古びた鍵が握られていた。
―王国―
魔王を倒し、勇者の任を解かれたサチコは、アイドルとしての活動を始めていた。
ザワザワ オッ キタゾ
幸子「みなさん!カワイイボクが来てあげましたよ!!」
ワーワー サチコチャーン
幸子「それではボクの1stライブ…その記念すべき1曲目!」
幸子「聞き惚れてください!『To my darling…』」
幸子「~♪ 月曜b
兵士A「サチコ殿はおられるかああああああああああ!!」
幸子「!?」
兵士B「国王がお呼びです!火急のことにて、御免!」
ガシッ
幸子「え?え?え!?」
兵士AB「いざ、城へーー!」
幸子「ちょ、やめて!引っ張らないで!うわぁぁぁん……」
これが冒険、これがアイドル
【勇者サチコと悪霊の鍵】
―――――――
モバマス二次創作SSです
「事務所主体で、某勇者ヨシヒコのような低予算ドラマを作っている」という設定で進めます
「」で括られたセリフは電波に乗っている(向こうの世界でTV放映されている)もので、基本的に台本
()で括っているセリフは幸子の思考なり、放送に乗らない小声の会話です
中の人ネタあり、台本という体でのキャラ崩壊あり
小梅ちゃん誕生日おめでとう
では、よろしくお願いします
前作
幸子「勇者サチコと魔王の城」
幸子「勇者サチコと魔王の城」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1385390048/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396015314
期待
おお、なつかしい
~第一話~
【王城】
兵士AB「勇者殿をお連れしました!」
国王(社長)「おお、勇者よ!よく来てくれた!」
星輝子「あ、サチコ来た…フヒ」
白坂小梅「げ、元気…?」
幸子「連れてこられたんですよ!強制的に!無理矢理に!おふたりもなんで馴染んでるんですか!」
国王「お主を呼んだのは他でもない!」
幸子「やっぱり無視して進めるんですね……」
国王「魔物が大量発生したのじゃ!」
小梅「……?」
輝子「……え?」
幸子「はぁ!?」
幸子「いやいや、おかしいでしょう!なんのためにボク達が痛い思いして魔王を倒してきたと思ってるんですか!」
国王「分からぬ。この3ヶ月間、減る一方だった魔物が突然盛り返してきたのだ」
国王「大陸中央にある我が国はまだ平和だが、周辺諸国では少なからぬ被害が出ているそうだ」
輝子「た、大変なことになってたんだね……」
幸子「それで、もう予想はついていますがボクが呼び出された理由は?」
国王「勇者サチコよ。再び世界に平和を取り戻すため、立ち上がるのだ!」
幸子「ですよね。もちろんイヤです!」
幸子「ボクは今や国民的アイドルなんです!そうやすやすと戦いに身を投じるなんてできませんね!」
国王「そ、そうか、今はアイドルなのだったか。ではこうしよう」
国王「この異変を解決した暁には、国の全力支援のもとに全国ライブツアーを開催させてやろうぞ!」
幸子「!!」
幸子「ふ、ふふーん、まあボクを使うには安すぎる気もしますが?心の広いボクはそのくらいで手を打ってあげます!感謝してください!」
国王「お主、前回の旅で態度が大きくなったのう……」
幸子「前回の功績とアイドル活動のおかげで、王様よりもボクの方が支持率は上ですから」
幸子「いずれ民主主義の時代がくれば、初代首相はボクですね!」
国王「ぐぬぬ……不敬罪と国家転覆罪で処刑したいけどできない。こんな君主に誰がした」
幸子「それでは、行ってまいります王様!ツアー最終日は5万人収容の専用劇場で行いますから用意しておいてくださいね!」
輝子「行ってきまーす…」
小梅「い、行ってきます」
国王「帰ってこなくてもいいぞー」
輝子「なんか、もう、すごい投げやりに送り出されたね……」
幸子「前回も似たようなもんでしたけどね」
小梅「ど、どこに、行く……?」
幸子「そうですね……、まずはセイジン村に行こうと思います」
輝子「えっと、カエデさんの住んでる、村だね。……だよね?」
幸子「ええ、前回の旅でカエデさんから教わった『輝く世界の魔法』は、結局未完成のままですからね」
幸子「巨大な火の玉を9発撃ちこむ強力な魔法、と言えば聞こえはいいですが、命中精度が低すぎて扱いづらいし、もっと使い勝手のいい魔法が欲しいです」
幸子「『輝く世界の魔法』使いの先輩であるカエデさんなら、ボクの力を目覚めさせる方法を知っているかもしれません」
小梅「じ、じゃあ、行こうか……」
「お待ちください勇者様!」
幸子「おや、貴方は……」
上条春菜「この国の第一王女、ハルナと申します」
輝子「第一王女って、つ、つまり、お姫様……?」
幸子「前回の旅立ちの時にはお会いしませんでしたね」
春菜「ええ、その折は山にこもり、清めの儀式を執り行っていたもので」
幸子「清めの……魔王の力を弱める効果があったりするんですか?あの王様もちゃんと考えてたんですね」
春菜「いえ、メガネです」
幸子「は?」
小梅「め、メガネって…あの、目の悪い人がかける、メガネ……?」
春菜「ええ、不覚にもレンズに指紋をつけてしまいまして」
春菜「霊山の力を借り、12人の精霊術師を配置しての儀式魔術によって完全に浄化したのです」
輝子「お、おう……」
幸子「そんな人員がいるならボクに貸しましょうよ、というのは置いておいて、王女様がボクに何の御用です?」
春菜「ええ、これをお渡ししなくてはならないのです」
【せいれいのメガネ】
かつて精霊が作ったと云われる不思議なメガネ。M字のフレームが特徴的。勇者がかけると……?
幸子「なんです?このハンバーガーが食べたくなるM字なメガネは」
小梅「へ、変なデザインだけど……すごい力を、感じる……?」
春菜「世に魔界からの危機が迫ったとき、それに立ち向かう勇者に渡すようにと受け継がれてきたものです。私も母上から託されました」
幸子「……まさかとは思いますが、前回はメガネを清める儀式をしていたから渡せなかったとか?」
春菜「ええ、その通りです。ひどく悩んだのですが、指の脂に苦しむメガネを放っておくことができなくて……」
幸子「あーはい、なんかもうツッコミ入れるのも無駄な気がしてきたので出発します!では姫、また会う日まで!」
春菜「勇者様に似合うメガネをご用意して、お待ちしております!」
―山道―
前川みく「にゃーはっはっは!山猫ミクにゃん再登場!前回の借りを返させてもらうのにゃ!」
幸子「あ、その節はお世話になりました」
小梅「ミ、ミクさんの、連れてきたトカゲに…助けてもらったん、だよね」
輝子「ああ、ワイバーンさんだね…」
※前作で魔王城まで運んでもらいました。
みく「な、なんかすごい感謝されてるにゃ!山賊としてのアイデンティティがクライシスにゃ!」
幸子「偶然とは言え、ミクさんがいなければ魔王にも勝てませんでしたからね。食料やお金でよければ差し上げますよ」
みく「あ、ありがとうございます」
幸子「いえいえ。さて、お礼も済みましたし先を急ぎましょう」
小梅「う、うん」
輝子「さよならー…」
みく「お気をつけてにゃー」
みく「……って、これ全部お魚!?しかも生!」
幸子(おなじみの賊のコーナーも済んだところで、皆さんお久しぶりです。世界一カワイイアイドルこと、ボクです)
幸子(まさかの続編です。いつ打ち切られてもおかしくないようなドラマでしたが、DVDが予想以上に売れたのだとか。主演がボクだったのが幸いしましたね)
幸子(が、売上は事務所の運営資金になってしまったので予算は前回と変わりません。というか、また資金難になったから二匹目のどじょうを狙っている、というのが実情のようです)
幸子(とは言っても衣装や小道具、あと晶葉さん作の魔物ロボは前回のものを使い回せるので、その分の余裕ができました)
幸子(その予算の使い道はというと……)
輝子「サチコ、そのMメガネ、そろそろ使ってみようよ」
小梅「か、かけて、天を仰げばいい、みたい……」
幸子「そうですね。では」スチャ
ヌマヌマヌマヌマ……
輝子「な、なんだこのSE……」
ヌマーーーン!
我那覇響「はいさーい!自分、精霊のヒビキだぞ!」
幸子「なんだかテンション高いのが出てきましたね」
輝子「そ、空に人が映ってる……」
幸子(そう、765プロに所属する人気アイドル、我那覇響さんが出演して下さることになったんです!)
幸子(多忙な方なので撮影は別録りですが、ボクと響さんでラジオをやっていた縁もあって快諾していただけました)
響「いやー、やっとコンタクトとれたぞ!」
輝子「メガネで、コンタクトとれたのか……フヒ」
小梅「?」
幸子「貴方が精霊様ですね!ボクは勇者のサチコです!」
響「知ってるぞ!前回の魔王コズエとの戦い、天から見てたからな!」
幸子「……は?」
輝子「……え?」
小梅「み、見てたの……?」
響「ど、どうしたんだ?急に怖い顔しないでほしいぞ……」
幸子「見てたのなら助けてくださいよ!ボクらがどれだけ苦労したと思ってるんですか!」
響「だ、だってそのMメガネがないと誰にも見えないし!」
幸子「仮にも精霊さまなら他に方法くらいあるでしょう」
響「いろいろ試してはみたんだぞ!でも、邪の力の強い死霊使いが勇者の近くにいたからそれにジャマされちゃって……」
小梅「ご、ごめんなさい……。私のせいで、み、みんなに、迷惑が……」
幸子「ちょっと!コウメさんが傷ついてるじゃないですか!仲間思いでカワイイボクが許しませんよ!」
響「ご、ごめん、そんなつもりじゃ……」
幸子「まったく。だいたい、声が届かなくてもサポートくらいできるでしょうに」
響「自分、勇者以外のものには手を出せないから……。勇者とコンタクトがとれないと、本当に見てるだけしかできなくて」
輝子「この精霊さま、役にたつのかな……?」
幸子「なんだか頼りないですねぇ」
響「うぅ…自分、世界を統べる精霊なのに。完璧でえらいのに……」
幸子「それで、精霊さまは何をしてくれるんですか?」
響「う、うん。みんなに旅の目的を教えておこうと思って」
輝子「目的?」
小梅「ま、魔物の、出どころを、探すこと……だよね?」
響「それなんだけど、最近人間界に魔物が増えたのは、魔界に通じる扉が開いてしまったせいなんだ!」
輝子「そ、そんなものがあったのか」
幸子「そんな危険な扉がなぜ?」
響「それは分からないんだけど……」
幸子「ほんとに信用していいんですかこの精霊様」
響「で、でももう一度封印する方法ならあるぞ!」
響「『悪霊の鍵』を使うんだ!」
幸子「『悪霊の鍵』?」
響「そう!自分が大昔に作った、魔界に通じる扉を封印できる鍵だぞ!」
響「千年前、魔王よりも強い『魔帝』が地上の支配を目論んだ時にも、その鍵を使って魔界に閉じ込めたんだ!」
幸子「千年前にも似たようなことがあったんですね。それで、その鍵は今どこに?」
響「どこかの国の姫が持ってるんさ!」
小梅「ど、どこかの……?」
幸子「もったいぶらないで教えてくださいよ。どこの国の姫ですか?」
響「い、いやー、それがなー?大事な鍵だから、魔物に盗まれにくいように偽物をいっぱい作って世界中の国に配ったんだ」
輝子「フヒ、まさか……」
響「どれが本物だったか分かんなくなっちゃって!」
幸子「すみません、沈めてもいいですか」
響「し、仕方ないだろ!千年も前のことなんだから!」
幸子「まあ、精霊様に当たっても仕方ないですね。各国を順番に回って本物を探しましょう」
響「そういうことでよろしく!Mメガネを持ってればこっちからも声をかけられるから、何か分かったら連絡するぞ!」
幸子「頼みますよ本当に」
響「あ、そうだ」
響「セイジン村ぬあがりんかいでんせつぬかぶとがあんから、とりんかいいくとしむんど!」
輝子「え?」
ヌマヌマヌマヌマ……
小梅「き、消え、ちゃった……」
輝子「最後、なにか言ってたよね…?」
幸子「どうせ大したことではないでしょう。さあ、セイジン村に向かいましょう!」
To be continued……
幸子(ちょうど一昨日から、元ネタである『勇者ヨシヒコ』シリーズの一挙放送をやっていますね。タイミングの良さに筆者も驚いています)
幸子(話変わって、ボクと響さんでやっているラジオのDJCDが発売中です。皆さんは当然買ってくれますよね!)
幸子(と、まとめて宣伝を挟んだところで今回の賊は……)
シュカッ
小梅「!?」
輝子「足元に……ダーツ?」
シュカッ シュカッ
幸子「うわっ、どんどん飛んできますよ!」
塩見周子「やっほー聞こえる?アタシ、シューコってんだ」
周子「隠れながらで悪いんだけど、お金くれない?」
幸子「山賊ですね!お断りします!」
周子「えー、ダメなん?じゃ、このままキミら倒して奪っちゃうねー」
シュカッ シュカッ シュカッ
輝子「ヒィッ」
幸子「動きながら投げているようですね……。ぜんぜん居場所が掴めません」
周子「ほらほらー、降参しちゃえってー」
シュカッ
小梅「いたっ」
幸子「コウメさん!?」
輝子「ま、まずいぞサチコ、このままじゃ…」
幸子「くっ、こうなったら当てずっぽうにでも魔法を撃って……」
周子「あ」
一行「?」
周子「ごめーん、ダーツなくなっちった♪」
周子「しゃーなしだから帰るねー。さいならー」
一行「…………」
一行「…………」
幸子「……え?」
輝子「あ、傷薬、傷薬」
小梅「いたい……」
~第二話~
―セイジン村―
モブ「おや、久しぶりだね。セイジン村にようこそ」
輝子「な、なんだか雰囲気が変わった……?」
幸子「とりあえずカエデさんに会いに行きましょう。おおかた、また酒場『ウサミン』に入り浸って……あれ?」
【バー『こいかぜ』】
小梅「お、お店、変わって、る?」
高垣楓「あら、いらっしゃい。髪のハネてる勇者さん」
三船美優「お久しぶりです、勇者様。その節は本当にありがとうございました」
幸子「ここって酒場『ウサミン』のあった場所ですよね?どうしてカエデさん達がお店を?」
楓「前店長のナナさんが、家業のマンドレイク栽培を継ぐためにウサミン星に帰ってしまったのよ」
美優「それで空いた建物を改装して、私たちのバーにしたんです」
小梅「ま、マンドレイク…!死の野菜…!み、見たい」
幸子「悲鳴を聞いたら死んじゃう大根じゃないですか。危なくて見に行けませんよ」
美優「それで、今日はどうしてこんな寒村まで?物見遊山でしたら、喜んで案内しますよ」
幸子「いえ、実はかくかくしかじか」
楓「まるまるうまうま、というわけね」
小梅「つ、通じたの…?」
輝子「い、一緒に旅した私にも、わからなかったのに…。こんなんだからボッチになるんだ…」
美優「カエデ、正直に言いなさい」
楓「ぜんぜん分かりませんでした」
一行「」ズルッ
幸子「察してくださいよ!そういう場面でしょう!」
美優「もう……。すみません勇者様。とりあえず何かお飲みになりますか?特製のハチミツレモンがありますから、蔵からとってきますね」スタスタ
幸子「……行かれましたね」
楓「ミユに余計な心配させたくなくて『輝く世界の魔法』のことを秘密にしてるの、覚えていてくれたのね。気を遣わせてごめんなさい」
輝子「う、うん、だいじょうぶ…」
幸子「で、実際は伝わってるってことでいいんですよね?」
楓「…………」メソラシー
輝子「ちょ」
小梅「えぇ…」
楓「なーんて、うっそー。だーまさーれた♪」
幸子「…………」
楓「こほん、魔界への扉に悪霊の鍵だなんて、またすごいことに巻き込まれてるわね。厳しい戦いになるかもしれないわ」
幸子「なんなんですかもう……。ええ、そのためにも『輝く世界の魔法』の完成が必要なんです」
楓「そうね、じゃあ今すぐに……とはいかないの」
幸子「え?」
楓「『輝く世界の魔法』がどういう魔法かは説明したわね?」
幸子「こことは別の、全く異なる法則が支配する世界から力を呼び出す魔法……ですよね」
幸子「使い手は世界に7人だけで、魔法の効果も各々違うとか」
楓「正解。あなたは今のところ、ある世界の戦艦の力を呼び出して火球を撃っているようね」
幸子「ええ、それひとつだけです。でも、カエデさんはいろいろな力を呼び出してますよね。天使とか死神とかレヴィアタンとか」
楓「最近、模型の操縦や振動系魔法の使い方も覚えたわ」
幸子「またよく分からないものを……。同じ魔法なら、カエデさんにできてボクにできないということはないと思うんですが」
続編なのではっきり書いてしまいますが、『輝く世界の魔法』とは「中の人ネタを発動する技」です。
ここまでのネタは
・楓さん
天使
→「そらのおとしもの」のイカロス
死神
→「神のみぞ知るセカイ」のハクア
レヴィアタン
→「絶対防衛!レヴィアタン」のレヴィアタン
模型の操縦
→「ガンダムビルドファイターズ」のアイラ・ユルキアイネン
振動系魔法
→「魔法科高校の劣等生」の司波深雪
前作で登場
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の新垣あやせ
・幸子
直径46cmの~
→「艦隊これくしょん」の戦艦大和(大和の主砲は46cm三連装砲×3)
楓「これは魔法の仕様なのだけれど、異世界から力を呼び出す時に、どうやらその使い手の人格にも触れているようなの」
楓「異なる人格とのコンタクトは、あなたの自我にもダメージを与えるわ。だから複数の力を使うには、ゆっくり時間をかけて慣らさないといけないのよ」
小梅「つ、つまり…使いすぎると、さ、サチコちゃんが、別人に、なっちゃう……?」
楓「ありていに言えばそうなるわね」
輝子「そ、そういえば、精霊さまに」
>幸子「すみません、沈めてもいいですか」
輝子「って言ってたけど、言われてみれば戦艦っぽいかも……」
幸子「ふ、ふふーん、何を言っているんです?あまねく世界を探しても、ボクよりカワイイ人がいるわけないじゃないですか!」
幸子「つまり、ボクの人格こそ最強!爆撃されたってびくともしませんよ!」
小梅「な、なんだかサチコちゃんの言葉が……」
楓「露骨に戦艦ぽくなってきてるわね」
輝子「やっぱり、今より異世界の力を増やすのはやめたほうがいいかも……」
楓「とは言っても、それで戦いに負けたら元も子もない、と」
楓「じゃあこうしましょう。小さな死霊使いさん?」
小梅「わ、私…?」
楓「この本をあげるわ。珍しい魔法がいろいろ載っているから、習得すれば旅の助けになるかもしれないわよ」
小梅「あ、ありがとう。がんばり、ます」
幸子「むぅ……仕方ありません、その方向でいきましょうか。カワイイボクは物分りもいいんです」
楓「それで、どこの国から周るの?大陸中の国となると結構な数になるわよ」
幸子「ええ、まずは」
美優「きゃああああああ!!」
一行「!?」
楓「ミユ!?」
ヌッ
魔物「マモノダヨー!」
美優「」グッタリ
楓「魔物……!?」
輝子「しゃ、喋ってる」
小梅「魔界にす、棲んでるような、魔物には…知能が高いのも、多い、そうだけど……」
幸子「こんな人里に魔物なんて……。いえ、それよりミユさんは無事なんですか!?」
魔物「気絶してるだけヨー?でも、勇者が歯向かったら命はないネ!」
幸子「狙いはボクというわけですか……!」
魔物「コノ女の命が惜しければ、黙ってワガハイにやられるネー!」
幸子「くっ、またしてもミユさんを巻き込んでしまうなんて……!」
楓「……勇者さん、『輝く世界の魔法』を使いすぎるとね」
幸子「こんな時に何…を…!?」ゾクッ
楓「こんな風になっちゃうのよ?」
ザッ
魔物「オマエ何者ネ?邪魔する許さないヨ!」
楓「ねえ、ミユは小さい頃から体が弱くていじめられっ子で、いつも私の後ろにいたわ」
楓「初恋の相手に振られた時もそう、慰めたのは私だった」
楓「旦那さんが死んで希望を失った時も、私がそばにいてあげたのよ?」
魔物「な、何ネこいつ?気味が悪いネ!」
楓「ミユには私がいないとダメなの」
楓「ミユに触っていいのは私だけなのッ!!!」
小梅「」ビクッ
楓「ミユには私が必要なの。ミユは私が支えてあげないといけないの。ミユは私がいないと生きていけないの。ええ私もそうよ、私もミユがいない人生になんて意味を感じないわ」
幸子「い、以前より悪化してませんか……?」
楓「ああそんなに傷ついて苦しいでしょ痛いでしょすぐに助けてあげるからね今夜は一緒に寝てあげるからねさあ早く離しなさいよなんでミユに触ってるのミユは私と帰るのよ明日も明後日も一緒にいるのなんでそれを邪魔するのミユを奪うの私たちは一心同体なの心でつながっているのねえそうでしょミユほら頷いたわ意識がなくても心がそう言ってるの分かったでしょ早くミユを返しなさいよ何をしているのすぐにその手を離せと言っているのよ」
輝子「ヒ、ヒィ」
楓「なんでまだ離さないのあくまで私たちを引き裂く気なのそんな悲劇的な運命なんて求めていないわ私たちはただ一緒に穏やかに暮らしたいだけなのにいいわもう許さない絶対に許さない魔界でも地獄でも追いかけてアンタの家族も財産も家も畑も全てを奪ってやる破壊してやる抹消してやるアンタはそれだけのことをしたの来世の来世の来世の来世でも一生苦しまないといけないほどの罪を犯しているの分からないの安心なさい簡単には殺さないわ生まれてから今日までの全てを呪うようになるまで苦しめてやる心と体を引き裂いてその存在全てに罰を刻んでやるミユの受けた痛みを万倍にして返してやる億倍にして味あわせてやる兆倍にして刻みつけてやるいいえそんなんじゃまだ足りない足りない足りない足りない全然足りやしないッ!!」
魔物「こ、こっち来ないデ!それ以上近づいたら人質の首をへし折ってやるネ!」
楓「やってみろ」
楓「貴様のその腐れた手がミユの首に触れる前に」
楓「手足を消し飛ばして這いずるだけのイモムシにしてやる」
魔物「ひ、ひいいいい!!」
楓「『輝く世界の魔法』」
幸子「芸能事務所シンデレラプロダクションは、みんなの笑顔を作ることを社是としております」
幸子「若干ながら、その方針にそぐわない描写が生じておりますので」
幸子「しばらくお待ちください」
幸子「カワイイボクからのお願いでした」
楓「ミユをベッドに寝かせてきたわ。待たせてしまってごめんなさいね」
幸子「いいいいえいえめめめっそうもない!」
小梅「」コクコクコクコク
輝子「シメジマイタケキクラゲベニテングダケイカタケシャグミアミガサダケ……」
楓「これが異世界の人格に触れ続けた結果よ。どこまでが元の自分なのかも今となっては分からない。しっかり訓練しないとどうなるか、分かってもらえたかしら?」
幸子「はい!ボクのカワイさに誓って!!」
楓「さて、話が逸れてしまったけれど、もし次の行き先が決まっていないのなら『北の国』に向かって欲しいの」
【きたのくに】
大陸北部に広がる国。国土は広いが荒れた土地が多く、製鉄や鉱山開発によって国民を養っている。豊かな武器と多数の兵士がいるため、軍事力は非常に強い。
幸子「それは構いませんが……。どうしてですか?」
楓「ひとつめの理由は、さっきのクs…魔物が寒い土地に棲む種族だということ」
楓「ふたつめに、北の国の姫は私の友人で、強力な『輝く世界の魔法』の使い手だということよ」
楓「あの姫が治める国であんな魔物が好き勝手しているなら、何か大きな問題が起こっているに違いないもの」
輝子「な、なるほど」
幸子「分かりました!では、まずは北の国へ向かうことにします」
楓「姫に謁見しやすいように手紙を書いてあげるわ」
幸子「紹介状ですね」
楓「ええ、じゃあ一筆書きましょうかい……ふふっ」
小梅「?」
To be continued……
幸子(前回の放送中、カットが入りましたがあれは演出です)
幸子(ちひろさんにそう言えなんて言われてません。演出です)
幸子(……ボクは誰に向かって喋っているんでしょうか)
幸子(さて、今週の賊は……?)
イヴ・サンタクロース「あの、ごめんくださ~い……」
幸子「どうされました?」
輝子「うお、ワカメビキニ…?」
小梅「さ、寒、そう……」
イヴ「実はさっき盗賊に遭って、身ぐるみ剥がされてしまったんですぅ~」
イヴ「お願いします。食べ物と服をお恵みいただけないでしょうかぁ?」
幸子「さすがに放っておくのはかわいそうですね」
輝子「う、うん。予備の、服と食料、あげようか」
小梅「……待って」
幸子「どうかしましたかコウメさん?」
小梅「この、ワカメ……し、死んで?から結構、たってる」
イヴ「ぎくっ」
小梅「さ、さっき盗賊に、遭ったって、言ってたけど…このワカメ、何度も、使ってる、はず……」
幸子「まさか……」
イヴ「ぎくぎくっ」
小梅「も、もしかして、同じ手口で、色んなひ、人から、ものをもらってるんじゃ、ないの……?」
イヴ「ブリッツェ~ン!プランBよぉ~!」
ブリッツェン「ブヒィィィ!」
パカラッ パカラッ
ドンッ
幸子「うわっ」
輝子「つ、角で、荷物を…!」
イヴ「よく見破りましたね~!そう、私はもらう方専門のサンタクロース、イヴ!」
イヴ「荷物はいただいたわ~!あとはソリに乗り込んでスタコラサッサ~♪」
小梅「お、お願い……!」
ぎちっ
イヴ「え?」
ぎちぎちぎちっ
イヴ「ぐええ!わ、ワカメが締まるぅ~」
小梅「ネクロマンサーは…げ、原型の残ってる、死体なら、操れる……!」
小梅「ぜ、絶対に、逃がさない…!」
ぎちぎちぎちぎちぎちっ
イヴ「か、返します!盗ったものは返しますから許してぇ~!」
幸子「海藻の力を舐めたのが運の尽きですね!!」
イヴ「貝殻ビキニにすれば、よかった……がくっ」
まさかの続編wwwwww
前回の引きから考えたらこれがモバマス映画版か(すっとぼけ)
~第3話~
―北の国・首都―
輝子「ここが、北の国の城……」
幸子「厳しい道のりでしたが、無事にたどり着けましたね」
小梅「だ、大胆に…カット、したね……」
門番「おや、なんだい君たちは」
幸子「大陸中央の国から参りました。王女殿下への謁見を希望します!」
門番「実に残念だけど、身元のよく分からない外国人は通せない規則でね」
門番「愚かなことだ。君という個人を一切見ることなく、未知の存在を恐れて十把一絡げに拒絶するなんて。といっても、ボクとてそんなシステムの歯車とならねば生きていけない、小さく無力な存在なのだけれど」
幸子「な、何をおっしゃっているかよく分かりませんが、紹介状があります。王女殿下のご友人であるカエデさんからです」
門番「紹介状か。いいね、時に無力、時に人を傷つける友情というものが、こうして実利を伴った瞬間は実に爽快だ」
門番「少し待っていてくれ。取り次いであげるよ」
幸子「なんでしょう、あのめんどくさい門番は」
輝子「と、トライアドプリムスみたいに、さくさくやってほしいよね」
門番「待たせたね。勇者、キミにだけ会ってくださるそうだよ」
幸子「ボクだけですか、分かりました。そちらにもいろいろ事情があるのでしょう」
小梅「お、王様に…よろしく……」
門番「じゃあ、こっちから入ってくれ」
―謁見の間―
財前時子「この国の女王、トキコよ。手紙は読ませてもらったわ」
アナスタシア(以下、アーニャ)「同じくпринцесса……王女のアナスタシアです。アー、カエデさんはお元気ですか?」
幸子「勇者でアイドルの、アイドルの!サチコです。精霊様の導きで、この国にあるという悪霊の鍵を譲っていただけないかと参りました」
時子「あら、恥ずかしがらなくていいのよ?」
幸子「え?」
時子「手紙を読んだと言ったじゃない。貴方、お腹を踏みつけて欲しくて来たのでしょう?呆れた変態だけど、私を選ぶ賢明な豚にはご褒美をあげてもいいわ」
時子「ええ、勇者としての功績も聞いているし、特別にやってあげる。負け犬のように腹を見せてそこに転がりなさい」
幸子「な、なんの話ですか!?」
アーニャ「アー、お母様、カエデは手紙にшутка…冗談を書くのが好きです。だからたぶん、それも嘘です」
時子「アァン?そんなことは聞いてないわ。私はもうお腹を踏む気分なの。ほら、さっさと服従のポーズをとりなさい」
幸子「そ、そんな理不尽な!」
モブ兵士「ならば私めが代わりに!!」ゴロン
時子「誰が口をきいていいと言ったかしら!?」ガスッ
モブ兵士「ごふぅっ!!」
幸子「ひぃっ!」
時子「ふん、まあいいわ。で、悪霊の鍵だったかしら。それはたしかにあるし、既に私からアナスタシアに継承しているわ」
兵士「」チーン
幸子「そ、そうですか……。では、それを貸していただけませんか?」
時子「いいわよ。ただし、豚のように鳴きながら城下町を一周してきたらね」
幸子「」
時子「あら、なかなかいい顔をするじゃない」
アーニャ「お母様、お話が進みません」
アーニャ「герой…勇者様。私から鍵をあげることは、簡単です。でもひとつ、お願いがあります」
幸子「ぶ、豚と痛いこと以外なら……」
アーニャ「нет、違います。この国の北の方に、крепость…砦ですね。それがあります」
アーニャ「そこに、魔物がすみついて、みな困っています」
幸子「なるほど、それを追い出せばいいんですね?」
時子「タチの悪い魔物よ。魔物のくせに人の言葉をしゃべるし、妙な術で人間の姿に化けているの。兵士に紛れ込まれそうで、下手に軍隊も送れないわ」
アーニャ「да、私たちでは、打つ手がないのです」
幸子「分かりました!勇猛果敢でカワイイボクが、その問題を解決してあげましょう!それができたら悪霊の鍵をいただきますね!」
アーニャ「спасибо…ありがとうです」
―北の砦付近―
幸子「見えてきましたね。あれが問題の砦ですか」
輝子「お、大きいね…」
小梅「見張りも、い、いっぱい……」
幸子(ちなみに、この砦の撮影は廃校で行っています)
幸子「ふむ、正面突破は厳しそうですね。夜を待って侵入し、ボスの首を狙う作戦でいきましょう」
小梅「だ、大丈夫、かな……?」
幸子「でも、やるしかありません。いざとなったら、ボクの魔法で壁を破って逃げればいいんですよ」
輝子「さ、幸子がだんだん熟練傭兵みたいになってる…フヒ」
幸子「さ、少し離れて夜を待ちましょう」
―数時間後―
小梅「ひ、昼より、見張り、増えてる……」
幸子「読みが外れました……魔物だから夜行性なんでしょうか?」
輝子「ど、どうする?」
幸子「せめて、あの門を守ってる兵士だけでもどかせれば潜入できるんですが」
小梅「や、やってみて、いい?」
幸子「何か策が?」
小梅「うん…こ、ここで戦争があったなら、きっと、できるはず」
小梅「みんな、お願い…!」
カシャカシャカシャ
骸骨s「シャー!!」
幸子「ひっ、よ、夜だと一層不気味ですね……」
輝子「あ、頭にキノコ、生えてる」
小梅「い、行って…」
骸骨s「シャー」テケテケ
幸子「なるほど、あれで驚かせて隙を作るんですね」
衛兵A「ひぃっ!なんだあれは!?」
衛兵B「こ、怖い……!だが恐怖になど負けるか!この門、死んでも通さん!!」
スケルトンs「シャ?」
輝子「……あれ?」
カキンカキン シャー ワーワー
骸骨s「ヒー」ボロッ
幸子「……強くて勇敢で、立派な兵士さんたちですね」
小梅「あ、あ、逃げちゃった……」
輝子「ど、どうする?」
衛兵A「ふぅ、どうにか追い払っ…」
??「ぎゃあああ!お化けええええ!!」
衛兵B「あっちの草むらから声が!?」
衛兵A「今度は人間か!スパイかもしれん、捕らえるぞ!」
ダダダダダッ
輝子「……門、通れるね」
幸子「なんだか分かりませんがツイてます!衛兵が戻ってくる前に忍び込みましょう!」
―砦内部・廊下―
兵士「むっ?」
プレゼント箱「」どーん
兵士「なんだこの怪しげな箱は……。開けて中身を確かめるか」
兵士「ん?」
張り紙『ボスへのプレゼント!ラッピングが崩れるから開けちゃダメ!』
兵士「そうか、一度開くとキレイに包み直すのは難しいからな。姫にシワだらけのプレゼントを渡すわけにもいかんし、放っておこう」
スタスタ……
幸子「……行きましたね」ヒソヒソ
小梅「ど、ドキドキ、した……」ヒソヒソ
輝子「大丈夫なのかな、ここの警備……」ヒソヒソ
幸子「作戦通りです。さて、移動しますよ」ヒソヒソ
ズリズリズリ
ピタッ
ズリズリズリ
ピタッ
ズリズリズリ……
―1時間後―
幸子「このドアですね」ヒソヒソ
輝子「あ、明らかに、それっぽいね」ヒソヒソ
小梅「ゴクリ」
幸子「では、ボクがこのまま魔法で……」ヒソヒソ
パカッ
幸子「!」
輝子「!」
小梅「!」
幸子「う、後ろから!?……って、あなたは!」
To be continued……
~第4話~
「Кто…どなたですか?」
幸子「あ、あなたは!」
アーニャ?「こんな時間に、アー、何かご用、ですか?」
幸子「アーニャ姫!?」
輝子「み、見つかった…」
小梅「え、お、お姫様、なの…?」
幸子「そうか、貴方が人間に化けているという魔物のボスですね!これは千載一遇のチャンス!」
幸子「『輝く世界の魔法』!」
アーニャ?「『輝く世界の魔法』」
ガガガガガガガッ
幸子「なっ、相殺された!?」
アーニャ?「вот это да…驚きです。あなたも、『輝く世界の魔法』の使い手ですね」
小梅「ほ、本物、なの……?」
幸子「いや、さっきの『輝く世界の魔法』が本物かどうか、ボクでは判断できません。カエデさんがいればよかったんですが」
アーニャ?「カエデのお友達?なら、アー…」
アーニャ?「砦に、行っとりで?」
一行「!」
輝子「ほ、本物だ……」
幸子「じゃあ、お城にいたのは……?」
アーニャ?「信じてもらえますか?では、ご説明します。どうぞ入って」
幸子「魔物はあっちですって!?」
アーニャ「да。お城の大臣たち、みんないつの間にか、魔物になってました。私も、兵士も、だまされました」
アーニャ「それに気づいて、私とお母様はここまで逃げた…です」
輝子「わ、私たちに、始末させようとしたんだね……」
幸子「トキコ様は?」
アーニャ「все в порядке…元気です。でもすごく、怒ってました」
幸子「それは良かった。でも、これからどうするんですか?下手に王城に戻ることもできませんよね」
アーニャ「солдат…兵士たちは、魔物じゃないです。だまされてます。魔物の正体を教えられれば、いいですね。でも、難しいです」
幸子「正体を暴く、ですか。人間に化ける魔族と戦ったことはありますが、あの時は向こうから変身を解いていましたし……」
小梅「そ、そういうアイテムとか、ないのかな?」
アーニャ「трудный…難しいですね。伝説のアイテムになら、ありそうです。でもそのようなもの、神様や精霊様しか持ってないです」
幸子「神様や精霊様しか持ってないアイテム、ですか。そんなものどうやって手に入れれば……」
幸子「……うん?」
小梅「あ」
輝子「せ、精霊様って……」
幸子「……」スチャッ E:Mメガネ
―3日後―
―北の国・首都―
幸子「ただいま戻りました!」
ニセ時子「あら、来たわね」
ニセアーニャ「Добро пожаловать…ご無事で、よかったです」
ニセ時子「報告は受けているわ。魔物の軍勢は、砦から一人残らず消え失せたそうね」
幸子「ええ、ボクら3人で八面六臂の大活躍!魔物たちはたまらず逃げ出しましたよ!」
ニセ時子「くく、実によくやってくれたわ。今日はお祭りでも開こうかしら」
幸子「ところで、砦でこんなものを見つけたのですが、もしかして王城から盗まれたものではありませんか?」
ニセアーニャ「зеркало…鏡、ですか?」
ニセ時子「見覚えがないわね」
幸子「本当ですか?よく見てください」
幸子「ほら、よーーく……」
ピカァー!!
【ヌーのかがみ】
真実をうつす伝説の鏡。覗いたものの変身を解くことができる。精霊ヒビキがくれたもの。
ニセ時子「うおっ!?」
ニセアーニャ「ぎゃあっ!」
幸子「さあ!正体を現しなさい!」
シュウウウウウ……
魔物A「姿が……!」
魔物B「な、なぜ!?」
ザワザワザワ
幸子「皆さん、見ての通りです!この城の女王に姫、そして大臣たちは魔物が化けた偽物です!」
魔物A「ち、違う!これは陰謀よ!この勇者こそ魔物で、私たちを陥れようと……」
モブ兵士「でえええええい!!」ズバッ
魔物A「ぐうっ!や、やめなさい!私が女王よ!」
モブ兵士「おかしいと思ってたさ……。トキコ様は、豚をひと蹴りで気絶させるようなことはしない!年代ものワインを嗜むように、じっくりねっとりと苦しむ様を愉しまれるのだ!」
モブ兵士「あの悪魔の如き邪悪さが、お前にはまるで足りていない!」
魔物A「な、なんだと…!?」
魔物B「いや、普通逆だろ!?」
時子「言いたいことはそれだけかしら?」
アーニャ「Шах и мат…私たちの勝ち、です」
魔物A「ひっ、本物!?」
魔物B「追い払ったはずじゃ……」
輝子「ハッハッハー!!嘘に決まってんだろマヌケでウスラなウスタケがぁ!!」
時子「口はきけても、脳みその出来は家畜以下のようね。私の名を騙った罰にその口を縫い付けて、地下牢でゆっくり飼い殺してあげようかしら」
アーニャ「心の準備、いいですか?」
アーニャ「……『輝く世界の魔法』!」
ゴゴゴゴ……
KV-2重戦車「」キュラキュラキュラ
魔物A「\(^o^)/」
魔物B「ま、待っ……」
アーニャ「Урааа!」
ドォン!!
パラパラパラ……
<参考画像>
ウスタケ
http://boletus.sakura.ne.jp/specimen/specimen/specimen006.jpg
アーニャ「спасибо…本当にありがとうでした」
時子「褒めてあげるわ。感謝しなさい」
幸子「そちらこそ、正義感あふれるカワイイボクと出会えた運命に感謝してください!」
時子「アァン?」ギロッ
幸子「そうですね!感謝するのはボクの方でした!ありがとうございます!!」
アーニャ「約束の鍵、これですね。どうぞ持って行ってください」
輝子「おお、あふれる高級感……」
幸子「ありがとうございます!ボクがこれで魔界への扉を封印してあげますからね!」
時子「成功したらもう一度来なさい。ご褒美にお腹を踏んであげるわ。あなた、好きそうな顔をしているもの」
小梅「す、好き、なの……?」
幸子「違いますよ!カエデさんといいトキコ様といい、ボクのお腹に何か恨みでもあるんですか!?」
モブ兵士「何をおっしゃるのです!この上ないご褒美ではありませんか!」
モブ兵士「そうですぞ!代わっていただきたいくらいです!」
幸子「もうやだこの国!お邪魔しました!」
衛兵A「お、お待ちください勇者様!」
幸子「おや、あなたはあの砦の門を守っていた」
衛兵B「実は、勇者様の仲間を名乗る捕虜がいるのです」
衛兵A「信用するわけではありませんが、話に聞いた勇者様の仲間と特徴が一致しているもので。会って確かめていただけないかと」
輝子「も、もしかしてあのとき骸骨に驚いて叫んだのって…」
脇山珠美「サチコどのおおおおお!!」
小梅「た、タマミさん…」
幸子「お、お元気そうで」
珠美「元気じゃありません!牢屋は暗くて、寒くて、うわあああん!」
衛兵A「えっと、お仲間でよろしかったですか?」
幸子「あ、はい」
タマミがなかまになった!
―郊外―
幸子「さてと」スチャッ E:Mメガネ
ヌマヌマヌマヌマ……
響「はいさ~い……」グデー
珠美「おお、この肩が精霊様ですか!しかし何やらお疲れのご様子?」
小梅「ど、どうしたの……?」
響「どうしたもこうしたも無いさー!ヌーの鏡を用意してそっちに送るのが、どれだけ大変だったと思ってるんだ!?」
響「お前らも勇者パーティーなら、少し自分で探す工夫とかしろー!」
幸子「精霊様、前回の過酷な旅を経て、カワイイボクが学んだことを教えてあげましょうか」
幸子「『使えるものは使え』ですよ。お約束とかに縛られて苦労したって、いいことなんて無いんです」
響「勇者……。お前も苦労してるんだな」
幸子「ええ、ご存知のとおりです。飛ばされたり吊るされたり……」
響「なんだか、すごく親近感がわいてきたぞ」
幸子「それより見てください!鍵を手に入れましたよ!これで本物じゃなかったら怒りますからね!」
響「お、怒られても困るけど……。じゃあ、確かめるぞ」
響「くぃどぅるる…くぃどぅるる…」
輝子「あ、あの呪文はなんだろう…」
小梅「くいどるる……言えない」
響「ハッ!」
カッ
鍵「」ポンッ
幸子「ご、ゴーヤになった!」
響「あー、それ偽物だな」
輝子「えぇ……」
響「じゃ、次の鍵を探しに行ってね。次はそうだな……東の国は割と近いし、千年前から続いてる王家だからオススメだぞ!」
幸子「ちょっと!なげやりすぎますよ!!」
響「そう言われても……。あ、そうだ」
響「クヌちかくぬどうくつんかい、伝説ぬさいろいがあんからとりんかいいくさー!」
ヌマヌマヌマヌマ……
珠美「行ってしまわれました…」
輝子「ま、また、最後になにか言ってたね」
幸子「あーもう、さっさと東の国へ向かいましょう!」
To be continued……
すみません、眠気が限界です
明日もあるので一旦中断します。付き合って下さった皆さん、ありがとうございます
乙
モブ兵士はよく訓練されてるなぁ(棒)
輿水幸子(14)
http://i.imgur.com/KR4TXLu.jpg
http://i.imgur.com/KGTX3AH.jpg
星輝子(15)
http://i.imgur.com/u52ykSk.jpg
http://i.imgur.com/mrGmI6D.jpg
白坂小梅(13)
http://i.imgur.com/gFibZBN.jpg
http://i.imgur.com/TyLJTmD.jpg
上条春菜(18)
http://i.imgur.com/t42b9vl.jpg
http://i.imgur.com/Nsrm1eG.jpg
前川みく(15)
http://i.imgur.com/yUbpS6m.jpg
http://i.imgur.com/eOtY37v.jpg
我那覇響(16)
http://i.imgur.com/QxJQ51x.jpg
http://i.imgur.com/1VauZCL.jpg
塩見周子(18)
http://i.imgur.com/0RcbraR.jpg
http://i.imgur.com/0LwoAiy.jpg
高垣楓(25)
http://i.imgur.com/nrmd3Bw.jpg
http://i.imgur.com/WWMOUkE.jpg
三船美優(26)
http://i.imgur.com/LqydeHp.jpg
http://i.imgur.com/4nw3u5M.jpg
楊菲菲(15)
http://i.imgur.com/gahtZte.jpg
http://i.imgur.com/cc9NzD1.jpg
イヴ・サンタクロース(19)
http://i.imgur.com/C4Xyidg.jpg
http://i.imgur.com/RLOc30V.jpg
財前時子(21)
http://i.imgur.com/haQgdIR.jpg
http://i.imgur.com/5b6xyB6.jpg
アナスタシア(15)
http://i.imgur.com/B6jjwZf.jpg
http://i.imgur.com/jLG6buR.jpg
脇山珠美(16)
http://i.imgur.com/Nxx4DtH.jpg
http://i.imgur.com/JLbtjkB.jpg
伝説の………鎧かなぁ
おつおつ
三人で箱に隠れてるとか考えただけで興奮する
腹パン厨ざまぁwwwwwwwwwwwwww
おつおつ
アーニャの戦車はガルパンかな?
今回は新しく入った子もいてよりいいな
ご覧頂きありがとうございます。
時間が遅くなってしまいましたが、今日の分を投下します。
>>49>>50
画像先輩だと…!ありがとうございます!
名前を出していないフェイフェイまでいるとはさすがです
>>54
ガルパンのノンナでもあり、むしろ中の人本人でもあり……
幸子(前回、前々回とエキストラがたくさん参加されていましたが、あれは財前さんのファンの方々なんだそうです)
幸子(『あの小娘の豚にできて、私の豚にできないなんて許されないのよ!』と言っていましたが、誰かを意識しているのでしょうか)
幸子(さて、今週は新しいコーナーですよ)
小梅「ね、ねえ、カエデさんにもらった本、試して、みない…?」
輝子「あ、忘れてた…」
幸子「どんなのが載ってるんです?」
小梅「いろいろ、あるね…あ、これとか、どうかな……」
小梅「対象を重くする呪文、だって」
珠美「ほう、面白いですな」
幸子「ボクの魔法は当てるのが難しいですし、動きを止めるような呪文だとありがたいですね」
輝子「や、やってみて」
小梅「じ、じゃあ、いくよ」
小梅「『ペタン』」
幸子「」ペタン
珠美「ああっ!サチコ殿のハネていた髪の毛が!」
幸子「どんなにとかしても直らないボクのクセ毛が、見事なストレートに!」
輝子「……終わり?」
小梅「これだけ、かな…?」
幸子「髪の毛が垂れる程度は重くなる、と」
珠美「戦闘には使えなさそうですな……」
小梅「ご、ごめんなさい」
幸子「頼りになるんでしょうか、この本……」
【ペタン】
対象を重くする呪文。朝のヘアセットに便利。上位呪文に『ペタンコ』『ツルペタン』があり、複数のものを重くできるようになる
~第五話~
―フシギの国―
幸子「珍しいですね、コウメさんが寄り道したいだなんて」
小梅「う、うん。ここは…干物で、有名なの」
小梅「新しい死体、欲しいから…」
珠美「そういえば、前のイカはどうされたので?」
幸子「前回の旅では、イカの干物を使役していたんでしたね。たしか名前は、グラバーズ」
小梅「の、軒先に、干してたら…野良猫に、持って行かれちゃった」
輝子「Oh……」
珠美「お、お気の毒に」
小梅「だから、あ、新しい干物、欲しい…」
幸子「では、行きましょう。今度は何の干物にしましょうか」
―東の国との国境近く―
幸子「さて、乾物屋を探しましょう」
モブ「きゃー!勇者様よー!」
モブ「本当か!?」
モブ「俺、ファンなんだ!サインもらいに行こうっと!」
小梅「ば、バレてる…?」
幸子「ふふーん!まあボクはアイドルであり勇者ですからね!有名になって当然です!」
ワーワーキャーキャー
輝子「あ、あわわわ、こっちに来……」
ダダダダダ……
輝子「ない?」
モブ「勇者様ー!こっち向いてー!」
モブ「コウメちゃーん!お誕生日おめでとおおおおお!」
モブ「タマちゃーん!ナデナデさせてー!」
モブ「ショウコー!俺のキノコも育ててくれー!」
幸子「あ、あの、ボクらはこっちに……」
珠美「いや、あのような人たちに来られても困りませんか」
小梅「あ、あれは…」
南條光「ほらほらみんな押さないで!ヒーローは逃げないよ!」
佐城雪美「…………」コソコソ
結城晴「なんだよ!なでるなよ!」
柳清良「あらあら、今良くないことを言ったのは誰ですかー?」
幸子「あれが勇者ですって?」
輝子「べ、別の、勇者とか?」
珠美「我々の名前で呼ばれていますし、おそらく偽物というやつではないでしょうか」
小梅「ひどい…」
幸子「文句を言ってやりましょう!ちょっと貴方たち!」
光「!」
光「なんだい君たちは!」
幸子「ボクらになりすまそうだなんて、ずいぶん大胆じゃないですか!カワイイボクの真似をしたいのは分かりますけどね!」
光「その口ぶりだと、まるで君たちが本物の勇者とでも言いたいみたいだね」
幸子「白々しいですね。ボクらが本物の勇者パーティー!そしてボクが勇者サチコです!」
モブ「なによこいつー!」
モブ「勇者様に失礼だぞー!」
輝子「ヒ、ヒィ」
小梅「さ、サチコちゃん、危ないよ…」
光「みんな!落ち着いてくれ!」
清良「うーん、どうしましょう。そう言われても本物は私たちだし……」
晴「どうでもいいけど、バトルして決めるとかやめてくれよ」
珠美「そんな物騒なことはしませんが、このままでは収まりが……」
??「何の騒ぎですか?」
光「あ、姫!いいところに!」
橘ありす「どうしたんですか、勇者サチコ」
幸子「貴方がこの国の姫様ですか?実は、この人たちがボクらになりすましていたもので」
ありす「つまり……あなたが本物の勇者サチコだと?」
幸子「そう!ボクが世界一カワイイ勇者、サチコです!」
ありす「はぁ……。何を言っているのやら」
輝子「え?」
ありす「いいですか?私が手に入れた正確な情報によるとですね」
ありす「まず勇者サチコは、いつも髪が横にハネていて直らないのだそうです」
幸子「何を言っているんですか?今日もボクの髪の毛はチャーミングにハネて……あっ!」ペターン
珠美「さっきの呪文の効果が……」
※光もハネてます
http://125.6.169.35/idolmaster/image_sp/card/l/8e9bb5d91c1612e5a4962aed94f45a78.jpg
ありす「次に、動物なら死んでいても操れるテイマー、コウメ」
小梅「ま、混ざってる……」
※前回の旅では、この4人に加えてビーストテイマーのミレイが同行していました。
ありす「そして、天使と悪魔、2つの顔を持つファーマシスト、ショウコ」
清良「うふふ」
輝子「フヒ……」
ありす「旅の終盤で合流した、小柄ながら高い能力を持つ戦士、タマミ」
晴「~♪」
珠美「私です!」
ありす「勇者パーティーは以上の4人です。あなた方と一致する部分もありますが、全体で見ればお粗末なものですね」
幸子「違いますよ!サチコ、コウメ、ショウコ、ミレイ、タマミの5人で魔王を倒したんです!」
ありす「ああ、そんな情報もありましたね。ですが、きちんとソースを確認しましたか?それは根も葉もない噂ですよ」
珠美「なんですと……」
ありす「だいたい、あなた方も4人じゃないですか」
幸子「ミレイさんとは、別行動中なんです」
ありす「言い訳が苦しいですね。国を治める人間として、このような輩は見逃せません」
ありす「おとなしくお縄につくなら、軽い刑で許してあげます。諦めてください」
幸子「そんなむちゃくちゃな!」
珠美「ここは逃げましょうサチコどの!話が通じない以上、長引かせても立場が悪くなるだけです!」
輝子「は、はやく…!」
幸子「くっ、仕方ありませんね!」
ダダダダダッ
ありす「論戦では勝ち目がないとみて逃げ出しましたか」
光「追いかけようか?」
ありす「いえ、勇者の手を煩わせるまでもありません。国境で検問を行いつつ、兵士を巡回させて捕まえましょう」
―裏路地―
輝子「ヒィ、ヒィ…に、逃げ切った……」
珠美「魔王城の時もそうでしたが、ショウコどのは抜け道を見つけるのがお上手ですな」
幸子「助かりました。流石に大通りを走っては逃げられませんから」
輝子「フヒ…いつになく褒められてる……」
小梅「で、でも、これから、どうしよう……」
珠美「おそらく、国境は通れないでしょうな」
幸子「ボクらが本物の勇者だと証明できるのが一番いいんですが、それは難しそうですね……」
輝子「『輝く世界の魔法』を見せるのは、どう?」
幸子「『輝く世界の魔法』のことが正しく伝わっているかも怪しいですね…」
珠美「なにしろ強力な攻撃魔法ですから、下手に使って怖がらせたりしたら余計にこじれてしまいます」
輝子「そ、そうか…」
小梅「ね、ねえ、これ……」
幸子「それはカエデさんにもらった本!何か役に立ちそうな魔法が?」
小梅「『瞬間移動の魔法』って……」
珠美「なんと、そんな便利な魔法が!」
幸子「なんだか不安ですが、他に方法もありませんね」
輝子「やってみる…?」
小梅「じ、じゃあ…」
小梅「『セーラ』」
ヒュンッ
光「あれ?」
一行「!」
光「あっ、さっきの!」
輝子「アワワワワ」
幸子「ボクらが移動するのではなく、他人を移動させる呪文だったんですか!?」
【セーラ】
移動呪文。一度会ったことのある人を、ランダムに呼び寄せることができる。
珠美「か、かくなる上は……」
光「ごめんなさいっ!!」
幸子「……え?」
光「君たちが本物の勇者なんだろう?本当にすまない!」
珠美「これは一体……」
小梅「ど、どういうこと……?」
光「そもそもの起こりは1か月前…」
―回想―
光『私らは、困った人を助ける正義の遊撃隊!』
晴『他人に迷惑をかける奴はムカつくからな!』
清良『次の目的地は、魔物に困っているというあの村ですね』
光『来たぞ!見たぞ!勝ったぞ!!』
村人『ん?あれもしかして魔王を倒した勇者サチコじゃね?』
村人『おお、見捨てられたと思っていたこんな田舎に、伝説の勇者様が……!』
―回想終わり―
光「やっと生きる希望が湧いてきたという村人たちに、人違いですとは言えず……」
幸子「なるほど、そんな事情が」
輝子「アリス姫は、気づいてるのかな……?」
光「うーん、たぶん感づいてるような、本気で勘違いしてるような……」
幸子「はっきりしませんね」
光「あの姫、たまによくわからない情報を持ってくるからな。私らのこともどこまで知っているやら」
光「でも少なくとも、私から頼めば国境の検問はなくせると思う!だから、どうか村人たちには本当のことは黙っていてくれ!頼む!」
珠美「まあ、私利私欲のためにやっているわけではないようですし、我々はこっそりと国を出ましょうか」
光「ほ、本当か!ありがとう、君たちこそ本物のヒーローだ!」
輝子「ま、まあ、実際、本物だよね一応……」
光「じゃあ、明日までには国境を通れるようにしておくから!」
小梅「わ、分かりました…」
幸子「でも、ボクの名前に傷がつくようなことをしたら許しませんよ!」
光「世界を見守っているという精霊様に誓って、そんなことはしない!」
幸子「あの精霊様に誓われてもですね……」
―物陰―
コソコソ
珠美「盗み見るようなことはしたくないのですが…」
幸子「でも、気になるじゃないですか。彼らがボクらの名前を使って、どんなことをしているのか」
輝子「わ、私なんて、大人のお姉さんになってるし…フヒ」
幸子「……ショウコさん、まんざらでもなさそうですね」
小梅「あ、い、いた…」
光「やあ子供たち!今日も元気だな!」
子供「勇者さまー!あそんでー!」
子供「魔王をやっつけたときのおはなしきかせてー!」
光「ああいいぞ!でも順番だ!勇者はみんなのものだからな!」
幸子「…………」
村人「コウメさん、村のはずれにある大岩がどうしても動かせないんです」
村人「このままじゃ工事ができません!」
雪美「……ペロ2号、ペロ3号、行ってあげて」
ギガンテス「ウオオオオオオ!!」ズズーン
ドラゴンゾンビ「ギギギギギギ!!」ズズーン
村人「おお、誰にもどかせなかった岩をいとも簡単に!」
小梅「…………」
病人「申し訳ございません、勇者様のお仲間にこんなことをしていただいて」
清良「もう、気弱になっちゃダメですよ。さあお薬です。これを飲めばすぐによくなりますからね」ニコッ
病人「ああ、天使のようだ……」
輝子「…………」
晴「この崖の上か?」
村人「ええ、ここにハシゴをかけて登れるようにすれば、隣村への移動がずっと楽になるんです」
晴「縄バシゴでいいんだな。じゃ」
ヒョイヒョイヒョイ
晴「適当な木に結んどくからなー!」
村人「す、すごい!あんな高い崖をやすやす登ってしまうなんて!!」
珠美「…………」
一行「…………」
幸子「ボクらって、本物の勇者一行でいいんですよね?」
珠美「サチコ殿!気をしっかり持ってください!」
輝子「あ、あれくらい私だって、私だって……天使スマイルとか無理……」
小梅「あ、あんなのどこから、連れてきたんだろう……」
幸子「下手に張り合わず、素直に国を出ましょう。大丈夫、カワイさでは、カワイさでは勝ってます」
キャアアアアアアアア!!
一行「!?」
光「悲鳴!?どうした!」
自警団「ゆ、勇者様!大変です!以前に追い払っていただいた魔物が、仲間を引き連れて戻ってきました!」
光「なんだって……!」
自警団「すでに村の四方を囲まれ、けが人も出ています!」
自警団「我々ではとても歯が立ちません!」
光「くっ、キヨ…ショウコはけが人の治療で手一杯。となると戦えるのは3人だけで、一方面は手薄になってしまう」
自警団「ど、どうしましょう」
光「仕方ない!北、南、西はアタシらでなんとかする!すぐに片付けて加勢に行くから、東は自警団だけでどうにか食い止めてくれ!」
自警団「分かりました!自分の村の危機、指を咥えて眺めているつもりもありませんしね!」
光「いいガッツだ!君たちも紛れもないヒーローだぞ!」
なんか書いてて違和感あると思ったら、光の一人称を間違えてました……
私× アタシ○
ここからは訂正します。失礼しました
―北―
光「うおおおお!ギガス○ッシュ!」
―南―
雪美「みんな、やっつけて……!」
―西―
晴「ふん、遅い遅い!!」
―中央―
清良「重傷者は診療所へ!あぁ!?その程度の出血で泣き言かましてんじゃないわよ!」
清良「こちとら命預かってんのよ!助けるためなら悪魔にだってなってやるわ!」
ワーワー ギャーギャー
光「すまない遅くなった!東のみんな、大丈夫か!?」
自警団「え、ええ、あれを……」
光「ん?」
幸子「うわああああ!!」ダダダダッ
珠美「ぬおおおおおお!!」ダダダダッ
魔物たち「グオオオオ!」ズドドドドドッ
光「ぜ、全力で逃げている……」
幸子「見えましたよ、乾物屋です!」
珠美「一網打尽ですショウコ殿!!」
輝子「ヒャッハーー!待ってたぜえええ!!」
輝子「毒粉のシャワーを食らいな!!」
ボフッ
魔物たち「ギャアアア!?」
輝子「毒キノコ・レジェンドの始まりを味わえワンコどもーーーー!!」
幸子「コウメさん、とどめを!」
小梅「み、みんな、お願い……!」
いりこ「ヘーイ!!」
めざし「ヨッシャー!!」
干しアワビ「セイセイセーイ!!」
棒タラ「ヨイショー!!」
しらす「キャーキャー!!」
イカ1「ワッショイ!!」
イカ2「ワッショイ!!」
イカ3「ワッショイ!!」
イカ4「ワッショイ!!」
イカ5「ワッショイ!!」
・
・
・
イカ65「ワッショイ!!」
小梅「スプラッターショーの…始まり…」
小梅「突撃……!」
ドドドドドドド
自警団「勝ちましたね」
光「勝ったな」
自警団「あ、ニセ勇者が逃げた」
幸子「面倒なことを訊かれる前に国境を抜けますよ!」
珠美「今なら警備もいないでしょう!」
輝子「き、今日、走りすぎ……」
小梅「ひ、干からびちゃう…」
干物s「ワーワー」
自警団「追ったほうがいいですかね?」
光「いや、名声も悪名もいらないというのなら、せめて黙って見送ってあげようじゃないか」
光「彼女らもまた、ヒーローだったのさ」
晴「あいつら、伝説の勇者なんだろ?ホントに強いのか?」
光「わざと地味な戦い方をして、アタシらに華を持たせてくれたのさ」
光「まさに本物の中の本物、真のヒーローだ……!」
光「みんな!この村の復興を手伝ったら、すぐに次の村へ行くぞ!」
清良「ええ、もう他人になりすますのも疲れましたし」
雪美「私は……どこでも」
光「見ていてくれ勇者サチコ!アタシも必ず、君のような立派な勇者になってみせるぞ!」
To be continued……
>>56
中の人アニサマで銃担いで登場するくらいだからなーww
ナンジョルノの髪型がネタになる日がくるとは
小梅「ま、また、カエデさんの本、試していい…?」
幸子「今のところ、あまり役に立ちそうな呪文は無いですね……」
珠美「しかし、これだけの数あるのです。ひとつやふたつは有用なものがあるでしょう」
輝子「前向きは、大事…うん」
幸子「とりあえず、大事故にはならなさそうなのはありませんか」
小梅「な、なら、これとか、どう…?」
小梅「攻撃力があがる呪文、だって」
珠美「なるほど、非力な我々には心強いですな」
幸子「ええ、ちょっとボクにかけてみてくださいよ」
小梅「じ、じゃあ、いくよ」
小梅「『ミユキルト』」
輝子「ど、どうだ…?」
幸子「あんまり変わった感じはしませんが……」
小梅「あ、あれ…?」
幸子「まあ、カエデさんのくれたものですからねぇ。ジョークの呪文が混じってても驚きませんが」
小梅「ご、ごめん……」
幸子「コウメさんの謝ることではありませんよ。さ、そろそろ出発しましょうか」
スタスタスタ……
柳瀬美由紀「すみませーん!遅くなりましたー!」
美由紀「ミユキ、助太刀に参りました!攻撃ならお任せです!」
美由紀「ってあれ?誰もいない……。地図が間違ってるのかなぁ?」
【ミユキルト】
補助呪文。唱えるとミユキが加勢してくれてパーティーの攻撃力が上がる。ただし、よく迷うのでいつ到着するか分からない。
~第六話~
―東の国―
幸子「ここが東の国ですか。今までとは雰囲気が違いますね」
幸子(梅の花に和服の人々、日本の風景です)
幸子(比奈さんたちのひな祭りイベントに便乗しての撮影ですよ!)
幸子「さて、ここのお姫様に会いに行きましょう」
小早川紗枝「遠い国からおいでやす。うちがこの国の姫、サエいいます」
輝子「姫だ…」
小梅「お姫様…」
珠美「まさに姫ですな」
幸子「姫ですねぇ」
紗枝「あらあら、どうしはったん?」
幸子「ああいえ、あまりに姫だったので」
紗枝「もう、本物の姫なんやから当たり前どす」
紗枝「ほして、今日は何のご用向きどすか」
幸子「この国に伝わっているという、悪霊の鍵を譲っていただきたいのです」
紗枝「悪霊の……ああ、あのえらい豪華な鍵どすか。しかしかて、困りましたなぁ」
輝子「な、何かあるんですか…?」
紗枝「明日から、国一番のお侍はんを決めよういう武闘大会があるんどす」
紗枝「あの鍵は、その賞品そやし渡せへんのよ」
幸子「国一番の…」
小梅「お侍さん…」
珠美「出ます!このタマミ、武士としてその大会に参加し、見事鍵を勝ち取ってみせます!」
紗枝「そうどすか。そうしてもらえると助かります。そっちの勇者はんも出ます?」
幸子「いいんですか?ボクは別に侍じゃありませんが」
紗枝「かまへんかまへん。強い人が強い人と戦って遊ぶための大会やもん」
幸子「なかなか緩いですね…。分かりました。ボクも参加します」
紗枝「ほな、明日を楽しみにしときますえ。気張ってな~」
珠美「燃えてきました!これは武士として名を上げるまたとない機会ですよ!」
―翌日―
<1回戦>
剣士タマミ 対 勇者サチコ
幸子「って、なんでいきなりつぶし合わないといけないんですか!」
珠美「まさか、くじ引きでサチコ殿と当たるとは……」
紗枝「残念やったねえ。でもしっかり正々堂々やってな」
珠美「まあ、サチコ殿とは一度手合わせ願いたいと思っていましたからね。いい機会です!お互い全力で参りましょう!」
幸子「タマミさんがいつになく熱い目をされていますね……」
審判「試合開始!」
珠美「やああああ!!」ダッ
幸子「うわっ」ヒョイッ
珠美「まだまだあ!」
ビュンッ キンッ スカッ
キンッ キンッ ヒュヒュン
ガッ ギギギ…
珠美「さすがは勇者!やりますな!」
幸子「くっ、やっぱり魔法抜きでは分が悪いですね……」
紗枝「あら?魔法禁止なんて決まりはおまへんよ?」
珠美「え」
幸子「ほう」
「「……」」
珠美「えっと、サチコ殿?」
幸子「『お互い全力で参りましょう』」
珠美「いえ、あの」
幸子「『お互い全力で参りましょう』」
珠美「……ええい、武士に二言はありません!いざ尋常に勝b」
幸子「輝く世界の!」
珠美「ひいい!!」
珠美「あ、いや、こほん」
珠美「この太刀筋を見y」
幸子「輝く世界の!」
珠美「お助けえええ!」
珠美「あの、その、これは……」
幸子「えーと、タマミさん」
珠美「……はい」
幸子「ボクとしては、手抜きをするのも仲間に魔法を撃つのも心苦しいので、降参してもらえると助かるんですが……」
珠美「……参りました」
審判「勝者、勇者サチコ!」
珠美「こんなのあんまりです……」グスン
<2回戦>
幸子「『輝く世界の魔法』!」
きょだいなひのたまが いっせいにおそいかかる!
「ぎゃああああ!」
審判「勝者、勇者サチコ!」
<3回戦>
幸子「『輝く世界の魔法』!」
きょだいなひのたまが(ry
「ぎええええ!!」
審判「勝者、勇者サチコ!!」
<準決勝>
幸子「『輝く世界の魔法』!」
(ry
「やめてくれええええ!」
審判「勝者、勇者サチコ!!!」
<決勝>
幸子「結局、2回戦以降は一度を剣を振らずにここまで来てしまいました……。流石に申し訳ない気分です」
珠美「いえ、勝たなくては意味がありませんから。勝利こそ全てです。この試合もさっさと決めて鍵を手に入れましょう」
輝子「た、タマミ、やけにならないで」
小梅「私たちは、タマミさんが強いの、知ってるから…」
幸子「……本当に申し訳なくなってきました」
審判「武闘大会、決勝戦!」
審判「勇者サチコ 対 武闘家ユカ!」
中野有香「押忍!お願いします!」
幸子「お願いします!」
幸子「って、最強の侍を決める大会の決勝戦なのに、侍がいないじゃないですか!」
紗枝「あはは、おもしろいどすなあ」
輝子「ほ、ほんとに緩い…」
珠美「次こそは、次こそはあそこに武士タマミが……!」
審判「試合開始!」
幸子「ええい、さっさと終わらせます!『輝く世界の魔法』!」
有香「スゥゥゥーー……」
有香「喝ッ!!」
ガガガガガガガッ
幸子「こ、拳で打ち消した!?」
有香「気合が!足りません!」
ダッ
有香「セイッ!!」ゴッ
幸子「うわっ!」
有香「まだまだ!」ブンッ
幸子「うぐっ!」
有香「うりゃあ!」ドンッ
幸子「ぎゃああ!」
幸子(なにこれ!撮影だから防弾チョッキ着てるのに普通に痛い!)
有香「とどめです!はああああ!!」
有香「突貫!」だんっ
幸子「速い!避けれな……」
カッ
幸子「……え?」
幸子「こ、これは……周りの時間が止まっている!?」
??「危なかったですね、勇者さんっ!」
幸子「貴方は……」
道明寺歌鈴「初めまして、賢者のカリンといいます」
幸子「賢者様ですって?時間が止まっているのは、貴方が?」
歌鈴「はい。このままでは鍵が手に入らず世界が救えないと思い、お手伝いにきました」
歌鈴「正直にいてて……言って、ユカさんは強いです。今の勇者さんではどうやっても勝てません」
幸子「噛んだ…」
歌鈴「なので、私の元で修行をし、力をつけていただきます」
幸子「なるほど。いいでしょう、受けて立ちます!」
歌鈴「では、修行の場へ!」
シュンッ
シュタッ
幸子「あの塔ですか?」
歌鈴「そう、あれが私の蜃気楼の塔……」
歌鈴「『カリンの塔』れすっ!」
幸子「また噛んだ…」
歌鈴「うぅ、大事なところで…」グスッ
幸子「そ、それで、この塔でどんな修行を?」
歌鈴「この塔の頂上まで登る、それだけです」
幸子「それだけですか?」
歌鈴「はい。しかし塔の中は螺旋階段になっていて、様々な誘惑や妨害が待ち受けています」
歌鈴「それらを乗り越えて頂上にたどり着いたとき、あなたは格段に強くなっていることでしょう」
歌鈴「言えたっ!こんなに長いセリフを噛まずに!」
幸子「分かりました!賢明でカワイイボクなら、すぐに攻略してしまいますけどね!」
歌鈴「では、頂上でお待ちしています」
シュンッ
幸子「さあ、行きましょうか!」
テクテクテク…
・ドーナツ
幸子「……」
・パン
幸子「……」
・ケーキ
幸子「……」
・ワイン
幸子「飲めないんですけど」
・カブトムシ
幸子「え、この流れで?」
・吊り下げたコンニャク
ビタッ
幸子「うわっ、気持ち悪いですね…」
・黒猫が横切る
幸子「コウメさんの偽物が連れていた猫が、どうしてここに……」
・資源が3桁、バケツが1桁
幸子「意味がわかりません」
・ぜんぜんメンテがなってない自動車
幸子「……?」
・グリモワール
幸子「いいかげん許してあげましょうよ」
・いい笑顔のおじさん
おじさん「ソーセージ、タベル?」
幸子「いえ、結構です」
おじさん「セッカク、マルメターノニ……」
扉「ガラッ」
歌鈴「なんと、もう頂上まで登ってきたのですか」
歌鈴「思わず足を止めてしまうような誘惑と妨害ばかりだったのに……」
幸子「舐められているとしか思えない試練だったんですが、本当に強くなったんですか?」
歌鈴「はい。では、私と一戦交えてみましょうか」
幸子「賢者様とですか?賢者といえば、あらゆる魔法を使いこなす強力な戦士でもあります。手ごわいのでしょうね」
歌鈴「では、参りましょう」
歌鈴「水を司る青龍よ、汝が高貴たりゅっ」ガリッ
幸子「あ、噛みましたよね?それもかなりガッツリと」
歌鈴「ひほほれふゆうひゃひゃん(見事です勇者さん)」
歌鈴「わらひはえたやふふふらふあなはなら、ユカひゃんにもはへるれひょう(私さえ容易く下すあなたなら、ユカさんにも勝てるでしょう)」
ピカーッ
幸子「え、ちょっと?」
―武闘会場―
シュタッ
幸子「あ、戻ってきましたね」
そして時は動き出す……
有香「はあああ!ってなんで勇者の位置が微妙にズレてきゃあああ!!」
どんがらがっしゃーん!!
幸子「あれ?」
有香「」チーン
審判「勝者、勇者サチコ!」
幸子「あれ?あれ?」
小梅「す、すごい、サチコちゃん…」
輝子「少しだけ動いて、相手の勢いを利用したんだな」
珠美「最後の足運び、タマミにはまったく見えませんでした……。少し自惚れていたようです!もっと精進して、サチコ殿のような玄人好みの戦い方ができるようになります!」
幸子「は、はぁ……」
紗枝「おめでとさん。これが賞品の鍵どす」
幸子「あ、ありがとうございます…」
響「この鍵も偽物だったぞ」
幸子「」
To be continued……
今日はここまでです
お付き合い頂きありがとうございました
資源三桁はサチコ(の中の人)的にはやばいじゃねーか
あ、そしたら処分雷撃したりするほうよべばいいか
南条光(14)
http://i.imgur.com/9IL9lUC.jpg
http://i.imgur.com/ghtHUEb.jpg
佐城雪美(10)
http://i.imgur.com/xqAVKqr.jpg
http://i.imgur.com/9fIsjds.jpg
結城晴(12)
http://i.imgur.com/gxLCfYe.jpg
http://i.imgur.com/LodUyOW.jpg
柳清良(23)
http://i.imgur.com/R63mS36.jpg
http://i.imgur.com/DqNMMAg.jpg
橘ありす(12)
http://i.imgur.com/Et6Qkb9.jpg
http://i.imgur.com/Iq5UnZh.jpg
柳瀬美由紀(14)
http://i.imgur.com/r2fmN5H.jpg
http://i.imgur.com/xJN44sO.jpg
小早川紗枝(15)
http://i.imgur.com/SVMuOYy.jpg
http://i.imgur.com/tWKRj4T.jpg
中野有香(18)
http://i.imgur.com/RiN3f1Z.jpg
http://i.imgur.com/C9P87On.jpg
道明寺歌鈴(17)
http://i.imgur.com/rk96dYj.jpg
http://i.imgur.com/DK6RqdP.jpg
精霊は響さん以外でないのかな?
前作の最大の不満点は仏ポジがいなかった事だった。
乙
生存報告を兼ねて、かなり短めですが投下します。
いやー、デレマスがRPGになったと思ったら幸子は勇者どころか魔王っていうね。小梅、珠美、美玲は割とイメージ通りになってたけど
そして輝子はどこいった……?
新社会人となり、更新が難しくなっています。こうなる前に終わらせるつもりだったんですけどねぇ
生存報告を兼ねて、かなり短めですが投下します。
いやー、デレマスがRPGになったと思ったら幸子は勇者どころか魔王っていうね。小梅、珠美、美玲は割とイメージ通りになってたけど
そして輝子はどこいった……?
新社会人となり、更新が難しくなっています。こうなる前に終わらせるつもりだったんですけどねぇ
幸子(撮影後に聞いた話ですが、前回は予算のほとんどをゲストを呼ぶのに使ってしまったんだそうです)
幸子(ええ、あのドイツ人のおじさんです)
幸子(まだ資金が潤沢でドイツLIVEツアーなんかやってた時に、真鍋さんの背景に写りこんでいた人です。なんでまたそんな人を……)
幸子(そのせいで予算が足りなくなり、誘惑アイテムはアイドルからのカンパに頼ったんだとか。何やってんですか)
幸子(それだけならまだいいんです)
幸子(予算を削るために防弾チョッキもライフル用ではなく拳銃用にされてしまい、おかげであんなに痛い思いをするハメになったんです)
幸子(まあ、普通は拳銃用でも余裕なはずなんですけどね?有香さんの体はどうなってるんでしょうか……)
池袋晶葉「ふーははは!待ちたまえ君たち!」
幸子「おっと、久しぶりの賊ですね!」
晶葉「私は狂気の天才科学者、アキハ!偉大なる発明品の実験台を探している!」
珠美「我々を実験台にするつもりですな?笑止千万!返り討ちです!」
晶葉「拒否は受け付けない!君たちで試させてもらうのは、こいつだ!」
ズイッ
輝子「な、なんだあれ」
小梅「鉄の…杭?」
晶葉「ふふふ……私はこれを『ミサイル』と呼んでいる!」
晶葉「後方に火を噴き出すことで鳥よりも速く飛び、中に詰めた爆薬でドラゴンよりも熱い火炎を浴びせる!」
晶葉「大型化すれば宇宙までだって飛んでいくこの兵器、このサイズでも人間ならひとたまりもないぞ!」
幸子「また世界観を全力で無視したシロモノを持ち出しましたね!」
晶葉「モルモットの言うことなど聞かーん!さあ、歴史的発明の生贄になれることを感謝するがいい!」
晶葉「ポチッとな!」ポチッ
一行「…………」
晶葉「あれ?」
ミサイル「」プスプスプス
ドカーン!
幸子「爆発した!?」
輝子「だ、大丈夫かな……」
モクモクモク……
晶葉(アフロヘアー)「げほっげほっ、失敗か!」
幸子「それがやりたかっただけでしょう!」ズバッ
晶葉「ふははは!科学者のロマンだからな!……がくっ」
~第七話~
幸子「とりあえず2つの鍵を手に入れましたが、ずいぶんと手間がかかってしまいますね」
輝子「でも、他に方法もないね……」
珠美「各国の王家を回ればよいと分かっているだけ、まだいい方なのかもしれません」
幸子「たしかに情報収集まで自力でやってた前回よりは楽ですが……。とりあえず、次の目的地を相談しましょう」スチャッ E:Mメガネ
幸子「精霊様ー?いらっしゃいますかー?」
ヌマヌマヌマヌマ……
響「あ、ちょっと美希ー!自分の分のおにぎりまで食べちゃダメさー!」
??「自分の分のおにぎりなら、食べちゃいけない道理はないの。いただきますなのー」
響「え?いやその『自分』は自分のことで美希のことじゃ……。あれ?こんがらがってきたぞ?」
響「あー!昆布は、昆布だけはダメだぞ!止めろハム蔵ー!」
小梅「お、お取り込み中…?」
幸子「精霊様ー!せーいーれーいーさーまー!!」
響「」ハッ
響「……え、今の聞こえてたのか?」
珠美「昆布のおにぎり、おいしいですよね」
響「」汗ダラダラダラ
輝子「フヒ、すごい焦ってる……」
響「…………」
一行「…………」
響「…………えーと」
響「い、今のは『コンブ・ノ・オニギリ』っていう精霊魔法なんだぞ!」
幸子「長々と考えた末の言い訳がそれですか!?」
響「うがー!楽屋で撮影なんて聞いてないぞー!」
??「あ、撮影してるの?ミキも映っていーい?」
響「美希はこっち来ちゃダメ!自分は今、精霊様になってるの!」
??「ミキたちはフェアリーだよ?精霊じゃなくて妖精なの。響はフェアリーやめたの?」
響「いや、そうじゃなくて」
??「響、ちらりと聞こえましたがふぇありーを辞めてしまうのですか?突然なぜ……」
響「貴音も話を面倒にしないでー!」
??「あふぅ、映れないならミキ寝るね。終わったら起こしてなの」
??「響、何か悩みでもあるのですか?私では力になれないのですか?」
響「あーもう!聞け勇者!」
幸子「あ、はい」
響「南の国から海を渡ったところにある、人魚の島の人魚姫も鍵を持ってるんだ!悪霊の鍵かもしれないから確認してきてくれ!」
響「南の国の姫も鍵を持ってるし、うまく交渉すれば船も用意してくれると思うぞ!」
響「分かったな!切るぞ!」
??「もし響、とにかく理由を教えてください」
響「だからそうじゃなくってー!」
ヌマヌマヌマヌマ……
輝子「な、なんかすごかったね」
珠美「あの御三方を、このような形で共演させてしまうとは……」
幸子「もう、あの精霊様について深く考えるのはやめましょう。南の国の人魚の島でしたね。行きましょうか」
小梅「に、人魚、会えるかな……」
今日はこれだけです。エイプリルフールが面白かった&総選挙が始まったから人目に付くところに上げときたかっただけ。
次は、次はもっと一気に更新できるはず……!
お付き合いありがとうございました
おつ
まぁ、実際はミミックみたいなやつだったサチコ
池袋晶葉(14)
http://i.imgur.com/ut6RzOK.jpg
http://i.imgur.com/W4u2xZg.jpg
謎の妖精さん(15)
http://i.imgur.com/7FZgFsH.jpg
http://i.imgur.com/FARqelh.jpg
謎の妖精さん(18)
http://i.imgur.com/mIx6rtK.jpg
http://i.imgur.com/5VEcSnw.jpg
おつおつ
幸子ミミックは許さない(ベリハでボコられた)
おつー
お疲れ様です。デレマス1stライブのLVを見に行った勢いで、明日も副業があるにも関わらずこんな時間まで書いてしまいました。
いやー素晴らしいライブでしたね。幸子役の竹達彩奈さんがいないのが残念でしたが、小日向ちゃん役の津田美波さんは相変わらず真面目かわいい方でした。あともよちー元気かわいい。
やはりアイマスは、アイドルと中の人両方を好きになれるのが一番ですね。
というわけで、続きを投下します。
―南の国―
珠美「南の国といっても、風景はあまり変わりませんな」
輝子「ほ、ほら、南国産のキノコ、生えてるし……」
幸子「せめてヤシの木とかじゃないんですか」
幸子(要するに南国まで行って撮影する予算がないので、いつものセットに輝子さん持参のキノコを並べています)
幸子「と、そんなことを言っている間に町が見えましたよ」
町民男「」グデー
おっさん「うあー……」グダー
青年「やる気出ねー……」ダラー
双葉杏「休みたーい」ノベー
町娘「うぅ、なんでまたこんな……」シクシク
少年「早く夜にならねーかなー」ゴロゴロ
輝子「これは……」
幸子「なんですか?この無気力な人たちは」
珠美「南国の風景とは思えませんな」
小梅「な、なんか、まざってたような……」
「ああ、ここも手遅れでしたか……」
小梅「だ、だれ…?」
??「あら、旅のお方ですか?」
新田美波「私は、この国の姫でミナミと申します」
幸子「貴方がこの国の姫?」
珠美「しかしその鎧は……」
美波「友好国のハルナ姫から贈られた『姫騎士の鎧』です。本来は実用品ではないのですが、今は自分の身を守るために身につけているのです」
【ひめきしのよろい】
姫だけが着ることを許される魔法の鎧。本人が望まない限り、絶対に脱げない。
輝子「一体、何が起こってるんだ……?」
美波「実は最近、この国にオークとサキュバスが出没するのです」
美波「男はサキュバスに骨抜きにされ、女はオークに弄ばれ、国民はごらんの有様です」
美波「旅の方々、せっかく来てくださいましたが、今回ばかりはお帰りください。今のこの国は危険です」
幸子「なるほど事情は分かりました。ええ、結局こうなるんですね」
輝子「もう、いつものパターン、だね……フヒ」
珠美「タマミはいつでも準備万端です」
小梅「が、がんばる……」
幸子「ミナミ姫、ボクたちにお任せ下さい。そのオークとサキュバス、退治してあげましょう!」
美波「そ、そんなの危険です!素人がいたずらに手を出していいような相手ではありません!」
幸子「名乗るのが遅れましたね。世界一カワイイボクの世界一カワイイ名前を教えてあげます」
幸子「ボクは勇者サチコ。魔王コズエを倒し、世界を平和に導いた勇者ですよ!」
美波「勇者サチコ!?ハルナ姫の国から出立し、魔界からの脅威を退けた生ける伝説の……?」
輝子「す、すごい高評価……」
幸子「そしてこれもお決まりです!成功の暁には、王家に伝わる悪霊の鍵をください!」
美波「はい、国民が救われるならお安い御用です。私が差し上げられるものならばなんでもお持ちください」
「じゃあ、そのたわわに実った南国フルーツをいただいちゃいたいねえ~」
「お、おじゃましますっ!」
美波「そんな、こんな昼間から!?」
輝子「これが、オークとサキュバス……?」
棟方愛海「ぐへへへ、小小小小大!あたしの主砲が初弾夾叉してるよー!!」
佐々木千枝「男の人は、いないんですか?」
珠美「……ちょっと、よろしいですか?」
珠美「貴方は?」
愛海「オークだよ~」ワキワキ
珠美「そして貴方が?」
千枝「サキュバスのチエですっ!」
珠美「国中の殿方を骨抜きにしたという?」
千枝「男の人が喜んでくれること、いっぱいしたんです。たとえば……」
輝子「ストーップ!!」
珠美「これ以上は旅が続けられなくなってしまいます!!」
千枝「ご、ごめんなさい!チエ、悪い子です……」ウルッ
幸子「これが男を落とす目線……!」
小梅「///」
愛海「うっひっひ、丘陵地帯ガールズがサキュバスと遊んでる間に、あたしはこっちの山脈にアタックしましょうかね!」
美波「くっ、何度来ても無駄です!私が望まない限り、この鎧は何者にも脱がせないのですから!」
愛海「あたしを見くびってもらっちゃ困るよ!そりゃー!」
美波「来なさい!オークなんかに負けたりしません!」
美波「だ、だめぇ!そんな…あぁっ!」
珠美「し、しまった!」
幸子「サキュバスに気をとられている間に姫が!」
美波「あぅっ……あん、ダメっ……」
美波「はうっ……!」がくっ
愛海「ふい~、よきかなよきかな。さて、お次はお嬢ちゃんたちの番だよぉ~」
幸子「来ますよ皆さん!背後をとられないように注意して!」
愛海「遅ーい!!」ヒュンッ
がしっ
幸子「ひうっ!?」
愛海「ほう、身長の割りにはなかなかの……」モミモミモミ
珠美「さ、サチコ殿おぉー!」
幸子「はぅっ……!で、でも、ボクに密着したのは軽率でしたね!」
幸子「『輝く世界の魔法』!」
MPがたりない!
幸子「!?」
愛海「ふっふっふ、あたしは胸を揉むことで、その子の魔力を奪うことができるのさ!」
輝子「な、なんだってー」
愛海「ほーれラストスパート~♪」
幸子「や、やめてくださ……ふぁっ」がくっ
珠美「サチコ殿!お気を確かに!!」
輝子「アワワワワ」
愛海「さーて今度はこっちの少女剣士だー!」
珠美「こ、こっちに来るな!タマミに触るなー!」
愛海「ひゃっはー!」バッ
珠美「うわあああ!!」
珠美「」チーン
愛海「年齢的に胸の成長はほぼ終わっているだけに、外見は幼く中身は大人という一粒で二度おいしいおっぱいだったよ!」
愛海「続けて銀髪ロングのお嬢さん!」
輝子「ヒイイ!!」
輝子「」チーン
愛海「さっきの少女剣士と年齢的には同じながら、胸筋の量が大きく違うことによる弾力と厚みの違いが別次元の質感を産み出している!例えるならばケーキとマフィン、薔薇と百合!」
愛海「そしてお待ちかね……。将来の可能性に満ちあふれたこちらの金髪少女だー!」
小梅「ま、待って……」
愛海「言われて待つなら勇者はいらーん!」ダーイブ
ぐわしっ
小梅「ひっ……!」
愛海「まだ厚みすら無いに等しい未熟な胸……。しかしこの細さと儚さこそ、ほんのひと時しか存在し得ない滅びの美!それを両の掌に感じる幸福は何にも代え難いね!でもお嬢ちゃん、もっと食べないと大きくなれないよ!」
小梅「……ひぐっ」グスッ
愛海「……え?」
小梅「やめて…やめてぇ……」
愛海「あ、あれ…?」
小梅「わ、私、陰気で、可愛くも、ないけど…」
小梅「いつか…そんなコウメでいいよって…す、好きだよって、言ってくれる人が、現れて…」
小梅「げ、劇場前で、待ち合わせて、デートして、ご飯食べて…いっぱい、いっぱい、思い出、作って…」
小梅「そ、それで、は、初めては全部、その人に……うぅ…ぐすっ」
小梅「うぅぅ……」ポロポロ
愛海「あ、あのー…」
幸子「……はじめてMPが空になって気づいたんですが」
(肩を)がしっ
愛海「ひっ!」
幸子「MPが無くなったら、異世界からまとめて引っ張って来られるみたいなんですよねぇ」ゴゴゴゴ……
珠美「越えてはならぬ一線というものがあると、下賤なオークに教えてやらねばなりませんな」チャキッ
輝子「フヒ…フヒヒ…フヒヒヒヒヒヒヒ……!!!」
愛海「ひい!」
幸子「貴方が負ける理由は非常にシンプルです」
幸子「貴方はボクらを怒らせました」
幸子「芸能事務所シンデレラプロダクションは、みんなの笑顔を作ることを社是としております」
幸子「みんなというのは、もちろんアイドルもです」
幸子「ほんの少しばかりおいたが過ぎた人がいましたので」
幸子「しばらくお待ちください」
幸子「カワイイボクからのお願いでした」
輝子が一番こわい
愛海「」ボロッ
千枝「あ、アツミさん、大丈夫?」
幸子「コウメさん、あんなの犬に舐められたようなものです。気にしなくていいんです」
珠美「そうですとも!それにその程度のことを気にするような小さき男なら、こちらから願い下げというものです!」
輝子「ほ、ほら、笑顔になれるキノコだよ」
幸子「それはいろいろと危ないのでやめてください」
小梅「う、うん…ありがとう……」ゴシゴシ
愛海「ふんっ」むくり
一行「!?」
幸子「立ち上がった!?」
珠美「サキュバスが回復させたようですね……!」
愛海「…………」
愛海「あたしは天狗になっていたようだ」
輝子「フ、フヒ…?」
愛海「胸を揉むことで自分も他人も幸せに出来ると、それだけの技術を持っていると自惚れていた。勝手にその気になってたあたしの姿はお笑いだったぜ」
愛海「修行の旅に出よう。いつ終わるとも知れぬ、長く苦しい修行の旅に……」
千枝「アツミさん……」
愛海「チエ、お前の胸には素質を感じる。いずれ見上げんばかりの大山となろう。その才能、しかと磨けよ」
千枝「ま、待ってますから!またいつか、アツミさんと会える日を!」
愛海「ふっ…女が待ってるとあっちゃあ、帰ってこないわけには行かないねぇ」クルッ
輝子「なんという茶番……」
幸子「まあオークは出て行くみたいですし、放っておきましょう」
珠美「となると、残るはサキュバスですが……」
千枝「チエも、しばらく山に帰っておやすみしようと思います。さすがに毎晩は体が……」
輝子「ヘイストーップ!!」
珠美「な、何をおっしゃるつもりですか!」
千枝「え?え?毎晩国中を歩いて、疲れちゃったって言おうとしたんですけど」
幸子「これ以上会話しているとどこかでアウトになりそうなので、さっさと行ってください」
千枝「は、はい!ごめんなさいっ!」タタタ…
町民男「ち、チエちゃーん!」
少年「待ってくれー!」
おっさん「ハァハァ」
幸子「北の国といい勝負してますよ、ここの国民は!」
To be continued……
トリップ合ってるかな?>>1です。
今日は回線が不安定だったのですが、もう限界みたいです。今はスマホから書いてます。
続きはまた明日にでも。ライブが楽しかったから勢いで上げただけだったしまあ仕方ない。
いやーやはり素晴らしいライブだった!UOを分けてくれた隣のPさん、ありがとう!
そして幸子ォ!総選挙こっから巻き返すぞ気合い入れろ!!
新田美波(19)
http://i.imgur.com/yoLHsvA.jpg
http://i.imgur.com/HjQoA1l.jpg
棟方愛海(14)
http://i.imgur.com/qjOJZZx.jpg
http://i.imgur.com/0efwL0c.jpg
佐々木千枝(11)
http://i.imgur.com/bZc8cd0.jpg
http://i.imgur.com/zkoJ4aT.jpg
しれっとコラ混ぜんなw
さっちゃんなにをひっぱってきたんだろう…ww
お疲れ様です。
画像ありがとうございます。わざわざコラ画像で貼って下さるとは。
前作にて「姫騎士ミナミとエルフの少女オトハに期待」というリクエストをいただきながら、全て完成してからの投稿だったためにオトハしかねじ込めなかったので、改めてここに突っ込みました。
今日も回線は重めですが、たぶん大丈夫なので続きを投下します。
幸子(前回の放送こそ苦情の嵐かと思っていたのですが、予想外のことが起こりました)
幸子(町娘役のエキストラさんがセクシーすぎて、芸能事務所などから問い合わせが殺到。電話が混雑して苦情が入れなかったんだそうです)
幸子(結局765プロの新プロジェクトに拾われそうだという話ですから、いつかフェスで会うこともあるかもしれませんね)
幸子(たしか名前は…豊川さん?)
小梅「ね、ねえ…面白そうな魔法、見つけたよ」
幸子「カエデさんにもらった本ですね。正直期待はしていませんが、今度はどんな魔法が?」
小梅「状態異常を治す魔法、だって」
珠美「ふむ、毒や麻痺を治せるということですかな?」
小梅「そ、そうかな?」
輝子「疑問形なのか…」
幸子「あまりいい予感はしませんが……とりあえず試してみますか」
珠美「前回はサチコ殿でしたから、今回はタマミが参りましょう」
輝子「じゃあこれ、眠り薬」
珠美「なるほど、健康な状態では回復もなにもありませんからな。では」ゴクッ
珠美(状態:眠り)「Zzz……」
幸子「って、早いですね」
輝子「強すぎたかな……?」
小梅「じ、じゃあ、いくね」
小梅「『ボメハ』」
日野茜「ボンバー!!」ドーン
幸子「うわっ、何かきた!?」
茜「おやおやー?元気のない人がいますね!それはいけません!!眠い人にはお茶です!!!」
(バケツで)ドンッ
珠美(状態:眠り)「ゴクゴクゴクゴク」
茜「うーん、まだ起きませんか!!もしかして毒ですか!?それならこちら、デトックス茶です!!!」
(バケツで)ドンッ
珠美(状態:眠り)「グビグビグビグビ」
茜「これでもダメですか!?これはもしや麻痺ですね!ならば血行を促進しましょう!!はい、ウーロン茶!!」
(バケツで)ドンッ
珠美(状態:眠り)「ゴッゴッゴッゴッ」
幸子「ショウコさん!すぐに起こしてあげてください!タマミさんが、タマミさんが危ない!」
小梅「ど、どざえもんみたいに、なっちゃう……」
輝子「え、えっと、眠気覚ましは…」ゴソゴソ
茜「これでも起きないのなら最終手段です!!眠り状態は物理攻撃で解けると聞いたことがあります!!」
※ドラクエの一部作品では、眠り状態を解除するために味方に攻撃ができます。
茜「ボンバー!」ダッ
小梅「れ、レギオン、お願い…!」
イカ×10「「ワッショイ!!」」
グイッ
茜「ちょっとイカさん患者を動かさないでってうわああ!!」
ゴンッ パラパラパラ…
茜「」バタリ
輝子「フヒ…頭から岩に……」
小梅「さ、サチコちゃんが、ユカさんを倒した時のこと、思い出したから……」
幸子「それはいいんですが、頭突きで岩が粉々になってるのはどういうことなんですか」
輝子「気絶で済んでるのが奇跡だよね…」
小梅「タマミさんと、アカネさん、どうしよう…」
幸子「仕方ありませんし、自然に起きるまで待つしか……うん?」
小梅「?」
幸子「タマミさん、さっき相当の量のお茶を飲まされてましたよね?そのまま眠り続けたら……」
小梅「あっ」
輝子「ね、眠気覚まし!眠気覚ましはどこだ!」
幸子「なんとしても見つけてください!今すぐに!!」
幸子「結局、新しく眠気覚ましを調合して事なきを得ました」
幸子「目覚めた時の珠美さん曰く『間に合いました!間に合いましたから!』とのことでした。大事に至らなくてよかったですね」
幸子「ところでレギオンというのは?干物の名前ですよね?」
小梅「い、いっぱいいるから、レギオン……」
【ボメハ】
回復呪文。あらゆる状態異常を気合と元気と力技で回復する。
~第八話~
―南の国・王宮―
美波「この度は、本当にありがとうございました」
幸子「いえいえ!カワイイボクにかかればこの程度、お茶の子さいさいです!」
輝子「べ、別に、何もしてないよね…」ヒソヒソ
珠美「姫は気絶しておられたので、真相を知らぬのでしょう」ヒソヒソ
美波「まず、こちらが南の国に伝わる鍵です。お持ちください」
かぎを てにいれた!
幸子「ふむ、貝を使った装飾ですか」
珠美「東の国に伝わる、螺鈿(らでん)というものに似ておりますな」
小梅「きれい…」
美波「そして、ここから海を渡ったところにある人魚の島に行きたいのでしたね」
幸子「はい、ですので船を手配していただけるとありがたいのですが」
美波「船くらいならいくらでも用意しますが、人魚の島は激しい海流に閉ざされていて普通の船では渡れないのです」
珠美「なんと。では、人魚島へは行けないのですか?」
美波「いえ、我が王家と古くから繋がりのある『海の魔女』がいるおります」
美波「彼女が従える海の魔物に乗ることで、海流を抜けることができるのです」
美波「魔女の家への道をお教えしましょう。その鍵を見せれば、王家からの紹介だと分かるはずです」
幸子「ありがとうございます!では、魔女に会いに行きましょうか」
美波「皆さんはこの国の恩人です。これだけでお礼が済んだとは思っていませんから、困ったことがあればもっと頼っていいんですよ」
―魔女の家―
川島瑞樹「あら、王の使い以外のお客さんなんて久しぶりね」
相原雪乃「ごきげんよう。魔女の家へようこそ」
幸子「貴方がたが海の魔女ですか?」
瑞樹「海の魔女は私で、あの子は弟子よ。ユキノ、紅茶が飲みたいから淹れてちょうだい」
雪乃「もう用意できておりますわ。いつもより上等な茶葉を開けました」
瑞樹「ありがとう。それで、貴方たちの用件は人魚島へ渡りたいってことでいいのかしら?」
幸子「ええ、よく分かりましたね。精霊様の導きで、その島へ渡らなければならないのです」
瑞樹「魔女だもの、もちろんわかっているわ。島へ渡るための魔物も用意してあるわよ」
珠美「なんと…魔女というのはなんでも知っているのですな」
小梅「わ、私も、あんなふうに、なれるかな…」
雪乃「修行を積めばきっとなれますよ。といっても、私も修業中の身ですけれど」
幸子「話が早くて助かります。それで、魔物というのはどこに?」
瑞樹「今呼ぶわ。いでよ、リヴァイアサン!!」
護衛艦『はるな』「」ザババババ
雪乃「あれが海の覇者、リヴァイアサンですっ!」
幸子(また自衛隊!?どうなってるんですかこの国の国防は!!)
瑞樹「妙なアイテムを作る暇つぶしにも飽きていたから、少し気合を入れて召喚してしまったわ」
雪乃「振ると船が沈むサイコロ、なんてものも作りましたね。あれ、今どこにあるのでしょうか?」
瑞樹「さあ?でもあんな危なっかしいもの、拾っても誰も使わないでしょ」
小梅「ムツミさん……」
瑞樹「おまけで案内人も用意しているわ」パチンッ
浅利七海「ナナミれす!海のことならなんれも聞いれくらさいね~!」
七海「この子は相棒のサバオリくんれす!」
サバオリくん「グエー」ビチビチ
小梅「い、いい表情……!」
七海「今日もサバオリくんは元気でかわいいのれす!」
護衛艦『はるな』「ウー-ウーー(サイレン)」
瑞樹「ふふっ、リヴァイアサンも元気一杯ね。さあ勇者たち、海の冒険へ繰り出しなさい!」
幸子「言いたいことはいろいろありますが、話が進まないので割愛します!では、出航!!」
輝子「ば、抜錨ー」
※『はるな』はとっても長いあいだ日本の海を守ってくれた護衛艦です。現実では退役して解体済みですが、この世界では現役です。
幸子(皆さんご存知ですか?どこの国いつの時代でも、陸軍と海軍はライバル心が強いんだそうです。ボクも亜季さんから聞いて知りました)
幸子(というわけで、前作の撮影で陸上自衛隊が協力してくださったのに対抗して、今回は海上自衛隊です)
幸子(退役寸前の古い船だそうですが、それにしたってそんな理由で大事な船を貸してしまっていいのでしょうか)
幸子(ちなみに、今回も経費は自衛隊の広報宣伝費から出ています。まあ、カワイイボクのためになら税金を使うのも当然!……でいいんですよね?さすがにちょっと不安です)
幸子(というわけで、ドラマ再開です)
―海岸―
幸子「そして、誰もいなくなりました」
幸子「うぅ、誰か、誰かいないんですかぁ~!!」
幸子「それもこれも、あのいいかげんな案内人が悪いんです!」
―回想―
護衛艦『はるな』「」ザババババ(巡航中)
七海「うーみーはひろいーな おおきーいなぁー♪」
輝子「ふ、船なのに、速いんだね」
小梅「潮の香り…死骸の匂い…ふふっ……」
珠美「うぅ、船酔いが……」
幸子「あとどのくらいで着くんです?」
七海「どうれすかね~?そのうちつきますれすよ~」
幸子「またそんな適当な…」
護衛艦『はるな』「ウーーウーー(警報)」
一行「!?」
輝子「な、なに…?」
幸子「嫌な予感しかしませんよ!」
七海「ちょっとリヴァイアサンくんに聞いてみるれす!」
七海「……ふむふむ」
七海「……れすれす」
七海「……え、今日のお弁当はシャケ弁!?」
幸子「ちょっと」
七海「みなさん大変れす!謎の海底生物が追ってきているそうなんれす!」
珠美「謎の深海生物ですと!?」
輝子「な、なにそれ?」
小梅「ディープワンズ?……ち、違う?」
七海「ああっ!もう追いつかれたのれす!あれを見てくらさい!」
潜水艦『そうりゅう』「」ザバーン
幸子(潜水艦まで持ち出したんですか!?)
小梅「ど、どうするの…?」
七海「リヴァイアサンくんは覚悟を決めているのれす…!ナナミたちを逃がして、自分は深海生物と戦うつもりれす!」
珠美「そんな……なりません!我々も共に戦います!」
七海「リヴァイアサンくんの決意は固いのれす……。さあみなさん!リヴァイアサンくんの子供たち、リヴァイアサンサンに乗って脱出するのれす!」
幸子(そう言ってゴムボートに乗せられ……)
輝子「さ、サチコが落ちたァーーッ!!」
幸子「ガボゴボガボゴボボ!」
―回想終わり―
幸子「そして目が覚めたらひとりぼっちです」
幸子「青い空、白い雲、輝く砂浜!でもぜんぜん楽しくありません!」
幸子「うぅ……。こんなにカワイイボクをいつまで一人にしておくつもりですかー!許しませんよー!」
「だっ、だれ?だれかいるんですかっ?」
幸子「!! ひ、人がいた!」
小日向美穂「島の外から来た人、ですか……?」
To be continued……
みんな大好き小日向ちゃんが登場したところで、今日はここまでです。
私は142Pですが、あんさんぶるのみほさちは実に素晴らしいと思います。
しかし、副業が忙しくてぜんぜん書けない…。このままじゃ総選挙終了にすら間に合わないんじゃなかろうか。
スマホで書いてでも間に合わせなきゃ。
お付き合いありがとうございました。
あんさんぶる読者で
ホーリープレゼントは川島さんが邪魔だと失礼ながら思ったやつは多そう
乙
日野茜(17)
http://i.imgur.com/NX3is9D.jpg
http://i.imgur.com/AbYhBde.jpg
川島瑞樹(28)
http://i.imgur.com/H8V1se4.jpg
http://i.imgur.com/ZNUBSXm.jpg
リヴァイアサン
http://i.imgur.com/bnRJr0f.jpg
相原雪乃(22)
http://i.imgur.com/6HhyfE1.jpg
http://i.imgur.com/iUinCCB.jpg
浅利七海(14)
http://i.imgur.com/LWfwjUM.jpg
http://i.imgur.com/i7KiVYr.jpg
小日向美穂(17)
http://i.imgur.com/i4kGKO2.jpg
http://i.imgur.com/DlLM0TG.jpg
リヴァイアサンの画像まで用意する画像先輩マジすげえ
おつー
お疲れ様です。未だかつて、護衛艦の画像が貼られたデレマスSSがあっただろうか……
ご支援ありがとうございます!
今週も何かと忙しく、あまり書けてはいないのですが投稿します。
~第九話~
幸子「んぐっ、んぐっ」ゴクゴク
幸子「ぷはぁ!あぁ…お水っておいしいですね!ありがとうございます!」
美穂「はいっごめんなさい!じゃなくてどういたしまして!」
幸子「なんでそんな逃げ腰なんですか…」
美穂「初対面の人と話すのは苦手で……。こ、心の準備さえできていれば大丈夫なんだよ!?」
幸子「はあ。名乗るのが遅れましたね。ボクは強くてカワイイ勇者サチコです!」
美穂「この人魚島の巫女してるみっ、ミホ、です」
幸子「人魚島!ここは人魚島なんですか!?」
美穂「ひうっ!」ビクゥッ
幸子「あ、すみません」
美穂「わっ私こそごめんなさい!そうですここは人魚島ですっ!」
幸子「海に投げ出されて、偶然人魚島に流れ着いたんですね。さすが、普段の行いもよくてカワイイボクは運もいいですね!」
美穂「あっあの、こんな島になんの用が?」
幸子「それはですね……」
美穂「ええっ!魔界への扉が!?」
幸子「おや、ご存知でしたか?」
美穂「はい、巫女はそういったことも知らされるので」
幸子「では、鍵の場所も?」
美穂「姫様が持っています。案内しましょうか?」
―20分後―
キャッキャ ウフフフ
幸子「そこでボクは言ってやったんですよ。『世界なら、ボクのカワイさの前にひれ伏してますよ!』ってね!」
美穂「あははは!さすがサチコちゃんだねっ!」
幸子「ふふーん!伊達に世界を救っていませんからね!」
美穂「サチコちゃんは世界中を旅できていいなぁ。私、巫女のおつとめがあるから島を出たことなくって」
幸子「そういえば、巫女って何をしているんです?」
美穂「うーん…人魚を作るお仕事、かな?」
幸子「つ、作る?人魚をですか?」
美穂「『トックン』っていう魔法でね、2つの生き物をくっつけるの。簡単に元に戻せるけどね」
幸子「そんな魔法があるんですね。それで人と魚をくっつけて人魚にすると」
美穂「この島って、普通の船じゃ来ることも出ることもできないから。島の人が海を渡れるように、シキ様っていう人が考えた魔法なんだって」
【トックン】
特殊魔法。2つのものを合成することができ、解除もできる。ただし生き物どうし限定。
幸子「世界は広いですねぇ。人魚がいたと思ったら、生き物を合体させる魔法だなんて。……あれ?誰か来ましたね」
片桐早苗「あ、こんちはー」
幸子美穂「「こんにちはー」」
早苗「……え?」
幸子「……あっ」
早苗「あああああっ!あの時の勇者!」
幸子「荒波の人生!?」
早苗「なにその間違い!荒波の四天王よ!」
※前回のラスボス・魔王コズエに従っていた四天王のひとりです。サチコが『輝く世界の魔法』を初めて使った相手でもあります。
幸子「そんなことはどうでもいいです!ここで何をしてるんですか?返答次第では丸焼きですよ!」
早苗「こわっ!言っとくけど、私はもう現役引退してるんだからね」
幸子「そうなんですか?」
美穂「えっえっ、何?サナエさんとサチコちゃんって知り合いなの?」
早苗「あんたたちのサメから逃げ続けてこの島まで泳いできて、そのまま住み着いちゃったのよ」
幸子「……あの島からここまで何キロあるんです?」
早苗「いくら海の四天王でもキツかったわ……もう腕がバッキバキになっちゃって。まあともかく、それ以来悠々自適の生活よ。ちなみに今は、晩酌の肴を釣りに行くところ」
幸子「はぁ。まあ、人間に害を与えないなら構いませんが。そういえば他の四天王は?洗脳から目覚めたヘレンさんと、カエデさんに消し飛ばされたシノさんの他に、牙のマナミという四天王がいたと思いますが」
早苗「さあ?マナミはまだ軍にいるっぽいけど、完全に冷や飯食いなんじゃない?大陸の西の方でスパイをやってるって噂を聞いて、それっきりね」
幸子「魔王が敗れたことで、魔物のパワーバランスもいろいろ変わったんですね」
早苗「そういうこと。今更戻っても面倒なだけだし、当分はここで釣りでもして暮らすわ。じゃーね」
スタスタ
幸子「……今回の旅で、今のが一番驚きました」
美穂「そ、そうなんだ」
早苗「あ、そうだ」
幸子「うわっ、まだいた!」
早苗「失礼しちゃうわね。これ、海岸で拾ったんだけど精霊のアイテムでしょ?アンタのじゃない?」
幸子「それは精霊のメガネ!海の底に沈んでしまったかと思ってました……」
早苗「やっぱり?まあ四天王の頃なら破壊してるとこだけど、返してあげるわ」
幸子「あ、ありがとうございます」
早苗「ほいじゃーねー」
幸子「かつての姿を知っていると、違和感がすごいですね……」
美穂「それってメガネ?変なデザインだね」
幸子「これをかけるとですね」スチャッ E:Mメガネ
ヌマヌマヌマヌマ……
美穂「なっなに?何の音?」
ヌマーン!!
響「はいさい!久しぶりのヒビキだぞ!」
美穂「ひゃあああああ!?そ、空に人が映ってるっ!!」
幸子「あ、なんだか新鮮な反応を見ました」
響「いや、サチコたちがドライすぎたんだと思うぞ……」
幸子「空に人が映るくらいじゃ、いちいち驚いていられない旅をしてきましたからねぇ」
美穂「ゆ、勇者ってすごいんだね」
響「なんだか釈然としないぞ……。それで、用事は仲間を探すってことでいいのか?」
幸子「え、できるんですか?」
響「あれ?そのために自分を頼ったんじゃないの?」
幸子「いえ、ミホさんに精霊様を見せてあげようと思いまして」
響「世界を統べる精霊をなんだと思ってるんだ……」
美穂「ゴメンナサイゴメンナサイ」
幸子「で、皆さんの居場所が分かるんですか?」
響「ああ、全員どこにいるか分かってるぞ!自分はカンペキだからな!」
幸子「では、ここに瞬間移動させたりは……」
響「それは無理だな。メガネを持った勇者が一緒じゃないと声も届かないと思うぞ」
響「場所だけ教えるから、勇者から会いにいくしかないな。全員その島にいるしすぐに会えると思うぞ」
幸子「皆さん、無事に島に着いていたんですね」
響「いや、薬剤師も振り落とされて漂着したらしい」
幸子「やっぱり、あの案内人を信じたのがまちがいでした……」
響「ああ、そういえば南の国の鍵も持ってるよね?判定しようか」
幸子「海の魔女に鍵を見せるために、判定を遅らせていましたからね。お願いします」
響「くぃどぅるるる……くぃどぅるるる……」
美穂「くいどるる……難しいね」
幸子「意外と多いんですね、真似したがる人」
響「ハッ!」
ポンッ
美穂「わっ、なにこれ?」
幸子「また偽物なのは分かりましたがこれは……お肉?」
響「豚足だな。煮込むとおいしいんだぞ」
幸子「もっと普通のものにしてくださいよ!手がギットギトじゃないですか」
響「手元にあったもので偽物作ったからなー」
幸子「なんで世界を統べる精霊様の手元に豚足があるんですか」
響「故郷の味が恋しくなって……。じゃ、自分はそろそろ帰るぞ。みんなの居場所は地図を送るから」
響「あ、そうだ」
響「しまぬみなみんかい伝説ぬたてがあんからとってえーてね!」
美穂「えっ、何ですか?」
響「よし。みんなー!収録終わったし沖縄料理食べに行くさー!」
ヌマヌマヌマヌマ……
幸子「みんなって誰ですかみんなって」
美穂「最後に何か言ってたみたいだったけど……」
幸子「毎回、あんな感じのことを言って立ち去るんです。たぶん、精霊の挨拶か鳴き声といった所でしょう」
美穂「鳴き声っ!?」
幸子「さて、地図がどこからともなく降ってきましたし進みましょうか。まず姫に会ってから向かった方が早そうです」
―王宮―
五十嵐響子「お話は分かりました」
美穂「よかったねサチコちゃんっ!」
幸子「最近、説明のくだりが雑になっていませんか?」
響子「しかし、代わりにひとつお願いがあります」
幸子「ですよね。なんです?魔物退治ですか?武闘大会ですか?豚の真似ですか?」
美穂「ぶっ、豚!?サチコちゃんってどんな旅をしてきたの?」
幸子「実際にやってはいませんけどね。世界にはいろんな人がいるんですよ」
美穂「島の外って怖いんだね……」
響子「実は、探してほしいものがあるのです」
幸子「モノ探しですか。そういえばありそうでなかったですね。それで、聡くてカワイイボクに探して欲しいものというのは?」
響子「この島のどこかに、幻のドーナツと呼ばれる至宝があると言われています」
響子「通常のドーナツとはあらゆる面で一線を画すというドーナツ……。それを探すために人魚姫の地位を選挙制にし、その座を得たというのに未だ見つかりません」
美穂「い、いま、島民として聞き流しちゃいけないことを言ってませんでしたっ!?」
幸子「幻のドーナツ、ですか。分かりました!探してみましょう!」
響子「輪の形をしていて、ドーナツとしてはかなり巨大で、花と関わりがあること。情報として分かっているのはこのくらいですが、よろしくお願いします!」
美穂「あっあの!さっき言ってたことって……」
幸子「さ、ミホさん行きましょう。まずはボクの仲間と合流したいですね」
幸子「偉い人が変なことを言った時は、触れずに流すのが正解なんです。下手に反応すると面倒なことになります」
美穂「そ、そうなんだ」
幸子「世渡り上手でカワイイボクが、旅の中で学んだ知恵ですよ。さあ、出発です!」
To be continued……
短いですが、今日はここまでです。
お付き合いありがとうございました。
ツアーのほたる可愛い。ああいう薄幸な感じの子は好みです。
片桐早苗(28)
http://i.imgur.com/9EwxmE5.jpg
http://i.imgur.com/1qDzRvR.jpg
五十嵐響子(15)
http://i.imgur.com/ewJLwnb.jpg
http://i.imgur.com/CTqrQiw.jpg
乙
乙
こひなたんだー!
おつー
お疲れ様です。画像&ご支援ありがとうございます。
総選挙終わりまでに完成させたかったのですが、ちょっと厳しそうです。
とりあえずプロットはできてますから、なるべく早い完結を目指して更新を続けます。
では、よろしくお願いします。
―ジャングル―
幸子「このジャングルを抜ければショウコさんに会えるようです。無事ではあるようですが、戦闘力はない人なので早めに合流しましょう」
美穂「こ、こんなところ通っても大丈夫なの?」
幸子「ボクを誰だと思ってるんです?虎でも狼でも来てみるといいです!」
ガサッ
「動くな!貴様らの背中にナイフを突きつけているであります!」
美穂「ひぃっ!」ビクゥッ
幸子「ぞ、賊!?こんなところに!?」
大和亜季「ふっふっふ、ジャングルでのゲリラ戦ならば得意中の得意!私の待ち伏せにあうとは運がなかったですな!」
美穂「」ガタガタガタガタ
幸子「ナナナナイフなんて危ないじゃないですか!しまってください!」
亜季「危なくなくては武器の意味がないでしょう」
幸子「ごもっともです……」
亜季「ふふふ、数多くの獲物を屠ってきたこの一刀!今宵は貴様らの血で研いでやるであります!」
美穂「命だけは!命だけは~~!!」
幸子「ん?」
亜季「おっと、余計な動きはしないことですな!二人仲良くあの世行きであります!」
幸子「んん?」
亜季「さて、まずはその剣を渡してもらうであります。私にはこのナイフがあるので、売りさばくつもりですがね!」
幸子「……ずいぶんとそのナイフがお気に入りのようですね」
亜季「私が新兵だった頃からの相棒であります!この一本のみで戦場を駆け抜けたことも、一度や二度ではありません!」
幸子「なるほど、よく分かりました」
クルッ
亜季「なんと!?」
幸子「ふんっ!」ズバッ
亜季「な、なぜ私がナイフなど持っていないことが……」
幸子「二人の背中に突きつけてるって言ったり、一本のみって言ったり設定がブレッブレじゃないですか!」
亜季「し、しまった!ナイフを川に落としてしまい、代わりにその剣をもらう作戦が……がくっ」
幸子「まったく、設定ブレだなんてアイドルの風上にもおけませんね!もちろんボクが世界一カワイイのは設定ではありませんが!」
美穂「こ、腰、抜けちゃった」
~第十話~
―砂浜―
美穂「あっ、ジャングルを抜けるよっ!」
幸子「では、この辺にショウコさんたちが……うん?」
キャッキャ バシャバシャ
島村卯月「あははは、待てー!」
本田未央「うふふふ、つかまえてごらんなさ~い!」
美穂「……何してるんだろう」
幸子「これ以上ないほどに普通かつ、現実には見かけない光景ですね」
卯月「あれ?誰ですか?」
未央「お客さんかな?珍しいね!」
幸子「はぐれた仲間と幻のドーナツを探しているのですが……」
未央「うーん、君ら以外の人は見てないし、この辺でドーナツなんて見たことないなぁ」
卯月「私もですね。ごめんなさい」
美穂「もう少し先なのかな?」
幸子「かもしれません。お二人ともありがとうございました」
ゴゴゴゴ……
未央「へ?」
魔物「グオオオオオオオ!!」
幸子「海から魔物が!?」
美穂「こっこんなの、この島にはいないよっ!?」
幸子「ここは魔界の影響が強いのかもしれません!かなりの大物です!」
幸子「でも、ボクの敵じゃありません!『輝く世界の魔法』!!」
シーン
幸子「そんな、漂流で体力が落ちているせいで魔法が出ない!?」
魔物「グオオオオオオ!!」
美穂「どどどどうしようっ!」
卯月「慌てなくてもいいですよ。行くよミオちゃん!」
未央「まっかせなさい!」
卯月・未央「「『輝く世界の魔法』!」」
幸子「え?」
卯月「最近覚えた、世界でも珍しい大魔法です!」
未央「さあ、何が起こる!?」
幸子「知らずに使ったんですか!?」
美穂「」ビクン
美穂「あ、あれっ?体が勝手に動いて魔物の方に!」テケテケテケ
幸子「ミホさん、危ないから下がってください!」
魔物「グオオオオオオオ!!」
美穂「ひゃああああ!!無理無理無理~~!!」
卯月「も、もしかして私の魔法のせいですか!?」
未央「はやく!はやく解いてあげて!」
卯月「やり方がわからないよ!ミオちゃんの魔法でなんとかならないの!?」
未央「私?なんかアイドルとしての能力が上がった気がするだけだよ!」
幸子「ミホさん!こうなったら自力で打開するしかありません!」
美穂「そ、そんなぁ~~!」
魔物「グオオオオオ……オッ!?」
卯月「あれ?何か様子が……?」
モクモクモク……
幸子「な、なんですかこの煙は」
魔物「グウウウウゥゥゥ……」
未央「見て、魔物が弱ってるよ!」
「危ないところだったなッ!」
「帰りたいんですけど……」
「フヒ…もうちょっと頑張って…」
幸子「あ、あなた方は!」
早坂美玲「行けッ!ケロベロス!!」
森久保乃々「皆さんはこちらです。結界の中へ」
輝子「待たせたね、サチコ」
幸子「ショウコさん!それに、どうしてここにミレイさんやノノさんまで!?」
美玲「説明は後だッ!ケロベロス、喉笛を切り裂いてやれッ!」
ケロベロス「ガウガウガウ!!」
乃々「私の結界を、その程度の攻撃で破れると思わないで欲しいんですけど」
輝子「さっきの煙は、魔物だけに効く痺れ薬。今のアイツは、まともに戦えない……フヒヒヒ」
魔物「ギャアアアアア!!」
幸子「あんなに大きな魔物を一方的に……!」
輝子「サチコ、とどめだ…!」
幸子「え?」
美玲「最後はやっぱり勇者が締めないとなッ!」
乃々「なんでもいいから、早く終わらせてほしいんですけど」
幸子「ふふーん、そこまで言われたら仕方ありませんね!」
幸子「『輝く世界の魔法』!!」
魔物「ギャアアアアア!!」
美穂「すごい、やっつけたよっ!」
美玲「個性と野生で誰にも負けないッ!」
乃々「帰りたいけどがんばります……」
輝子「わ、我ら……」
「「「インディビジュアルズッ!!」」」
幸子「このパーティーなら無敵ですね!」
幸子「やったー!」
ヤッター……
ヤッタ……
ヤッ……
……
幸子「はっ」パチリ
輝子「あ、お、起きた」
幸子「ショウコさん!さっきはすごかったですね!」
輝子「フ、フヒ……?」
幸子「まさかミレイさんとノノさんもいるとは思いませんでした!これでどんな敵も怖くありませんね!」
輝子「ご、ごめん…」
幸子「え?」
輝子「それ、夢……」
幸子「え?え?」
美玲「薬の煙で人も魔物も一緒くたに眠らせて、無理やり引きずって逃げただけだからな」
幸子「み、ミレイさんは本当にいるんですね!ケロベロスは見事でしたよ!ついに本物のビーストテイマーになったんですね!」
美玲「ケロベロス?なんだそれ?」
幸子「」
輝子「は、早くコウメたちと合流しよう?ね?」
美玲「ウチのサメがこっちの方に来たって噂を聞いて、探しに来たんだ」
幸子「ニナザメさんが追いかけていたサナエさんには、この島で会いましたよ」
輝子「なら……この近くにいるかもね」
珠美「くっ、二刀流とはこの敵、油断ならぬやつ!」
幸子「なんでカニを相手に戦ってるんでしょう……」
小梅「干物、しけっちゃった……」
七海「おさかなは乾燥してもかわいいのれす!」
干物s「」グター
幸子「あれだけ干物が干してあると壮観ですね」
美玲「イカが増えてる……!?」
幸子「と、仲間と合流しつつ島を一周しましたが、幻のドーナツは見つけられませんでした」
美穂「お花と関係があるっていうから、お花の咲いてるところはだいたい案内したと思うんだけど……」
美玲「ホントにあるのか?それ」
幸子「うーん、とりあえず、一度姫のところに戻ってもっと詳しく訊いてみましょう」
卯月「わあ!私、一度王宮に行ってみたかったんです!」
未央「勇者様のお供なら、ごちそう出たりするんじゃない!?」
幸子「って、なんであなた方まで着いてきてるんですか……」
輝子「7人パーティー…トモダチいっぱい……フヒ」
―王宮―
幸子「ただいま戻りました。姫、残念ながら幻のドーナツは
響子「あああああっ!それは!!」
卯月「えっ、私ですか!?」
響子「その形、サイズ、模様、全て伝承通り!それが幻のドーナツですね!」
響子「譲ってください!国宝を全て差し上げてもかまいません!」
美穂「姫さまっ!?」
卯月「そ、そんなに欲しいならあげますよ?」
響子「やった……ついにやりました!これが幻のドーナツ……!」
美玲「あれ、浮き輪だよな?ウチ間違ってないよな?」ヒソヒソ
珠美「ええ、タマミの目にも浮き輪に見えます」ヒソヒソ
響子「いただきまーす!」ガブッ
※幻のドーナツ+島村卯月
http://i.imgur.com/MhWN8x3.jpg
響子「…………」
一行「…………?」
響子「これはもしや……食べられない!?」
未央「気づくの遅くない!?」
響子「まさか、普通のドーナツとは一線を画すというのは、食べられないということだったんですか?そんな……」
小梅「か、かわいそう」
美玲「……そうか?」
幸子「落ち込んでいるところ申し訳ありませんが、約束は約束なので鍵をいただけますか」
輝子「よ、容赦ないね」
響子「あーはい、もうなんでも持って行ってください。おまけに姫の地位もつけましょうか?」
美穂「そっ、それってそんなに安いものでしたっけ!?」
かぎを てにいれた!
幸子「そんなものがなくても、ボクはおとぎ話の人魚姫のようにカワイくて泳ぎもうまいので結構です。では!」
ヌマヌマヌマヌマ……
響「くぃどぅるるる……くぃどぅるるる……」
響「ハッ!」
ポンッ
珠美「これは……花の髪飾りでしょうか?」
響「デイゴだな。自分の家の庭にも生えてたぞ」
幸子「つまりまた偽物と」
輝子「なんか、だんだん慣れてきたね」
小梅「な、慣れちゃ、ダメ……」
美玲「おー、人が空に映ってるのか」
To be continued……
幸子(前回はニュージェネレーションのグラビア撮影に便乗しての撮影でした。この貧乏ドラマで南の島にいけるとは思いませんでしたよ)
幸子(さて、今回で11話。撮影もいよいよ佳境です)
幸子(そろそろラスボスが気になるところですが、今回は前回と違ってその辺りが明かされていませんよね。ちなみにボクも知りません)
幸子(というか、ちゃんと決まっているのかも定かではありません)
幸子(ともあれ、今週もスタートです)
幸子「いつまでたっても、本物の鍵にたどり着きませんね」
美玲「本物の鍵を持ってるヤツを探す魔法、とかあればいいのになー」
小梅「そ、それなら、この魔法、どうかな……?」
珠美「カエデ殿にいただいた本ですね。どのような魔法ですか?」
小梅「人探しの魔法、だって」
幸子「ずいぶん好都合ですね。事故にもなりにくそうですし、使ってみてくださいよ」
小梅「じ、じゃあ、いくね」
小梅「『オシャレダ』」
ピーン
小梅「あれ?」
珠美「コウメ殿の髪の毛が立ち上がって、アンテナのようになりましたな」
幸子「そのアンテナで人を探すんでしょうか?何か分かります?」
小梅「う、うん……こっち、かな」
美玲「ホントに大丈夫なんだろうな……」
ザッザッザッ
瀬名詩織「今日の波音は、なんだか寂しげね……あら?貴方たちは?」
小梅「こ、この人、だよ……」
幸子「この方が?」
珠美「確かに気品ある女性ですが、姫という感じでは……」
美玲「なー、オマエ悪霊の鍵とか持ってる?」
珠美「ミレイ殿、あなたはいつも初対面の方に失礼ではありませんか」
美玲「な、なんだよ。オマエだっていつも変な喋り方してるだろッ!」
珠美「変な……!?これはタマミの胸にある武士の心の現れです!変えることはできません!」
詩織「ふふっ、それでいいのよ。人も海も同じ…ありのままが一番美しいのだから」
詩織「それで、鍵だったかしら?残念だけれど、家の鍵しか持っていないわ」
幸子「うーん、やはり人違いでしたか」
小梅「ご、ごめんなさい……」
輝子「……あ、あの、これ」
詩織「あら?これは……花の髪飾り?」
幸子「それは、この前手に入れたデイゴの髪飾りですね」
輝子「似合うと思って…。いや、私のセンスなんてあてにならないけど……」
詩織「ありがとう。せっかくだから付けてみようかしら」スッ
詩織「どう?似合う…?」
幸子「おぉ……」
珠美「これはなんと……」
美玲「大人だ……」
小梅「」ポー
詩織「そんなに見られたら…恥ずかしいわ」
【オシャレダ】
特殊魔法。人探しの魔法。そのアクセサリーが一番似合う人を探して教えてくれる。
(どうしてドーナツネタなのに法子じゃなくて響子なんだろういやよそう俺の考えで皆を混乱させたくない)
11話の冒頭パートで切る形になりますが、今日はここまでです。
お付き合いありがとうございました。
しかし、前作と比べてだいぶ長くなってしまいました……。
完結したら5万字くらいになってるんじゃなかろうか。ちなみに前作は3万5千字です。
選挙にも間に合わないし、小梅の誕生日はとっくの昔だし、もうこれ何のために書いてるのか分からなくなってきてる感が否めない。
もちろん、読んでくださる方がいらっしゃる限りは完結させますけどね。
では、次回の更新にてノシ
あれ?え?ちょっとまって
待って、置換機能で名前を変えたときに……あれ?
すみませんちょっと調べてきます
申し訳ありません
どうやら、置換機能を使った時にミスって法子と響子を入れ替えてしまったみたいです……
寝ぼけながらキャラ表の整理をやったのが原因と思われます。
法子P、響子P、読んでくださった皆様、大変失礼致しました。
てか、これどうしたらいいんだろう……立て直し?
置換で済むんだし、一気に投稿しなおしとけばいいんじゃね?
いいん……ですかね?
とりあえずそうしてみます
うぅ、せめて一回「キョウコ」と片仮名で呼ぶシーンがあれば、チェックの時に気づいたかもしれないのに……
>>142を修正
―王宮―
椎名法子「お話は分かりました」
美穂「よかったねサチコちゃんっ!」
幸子「最近、説明のくだりが雑になっていませんか?」
法子「しかし、代わりにひとつお願いがあります」
幸子「ですよね。魔物退治ですか?武闘大会ですか?豚の真似ですか?」
美穂「ぶっ、豚!?サチコちゃんってどんな旅をしてきたの?」
幸子「実際にやってはいませんけどね。世界にはいろんな人がいるんですよ」
美穂「島の外って怖いんだね……」
法子「実は、探してほしいものがあるのです」
幸子「モノ探しですか。そういえばありそうでなかったですね。それで、聡くてカワイイボクに探して欲しいものというのは?」
法子「この島のどこかに、幻のドーナツと呼ばれる至宝があると言われています」
法子「通常のドーナツとはあらゆる面で一線を画すというドーナツ……。それを探すために人魚姫の地位を選挙制にし、その座を得たというのに未だ見つかりません」
美穂「い、いま、島民として聞き流しちゃいけないことを言ってませんでしたっ!?」
幸子「幻のドーナツ、ですか。分かりました!探してみましょう!」
法子「輪の形をしていて、ドーナツとしてはかなり巨大で、花と関わりがあること。情報として分かっているのはこのくらいですが、よろしくお願いします!」
美穂「あっあの!さっき言ってたことって……」
幸子「さ、ミホさん行きましょう。まずはボクの仲間と合流したいですね」
幸子「偉い人が変なことを言った時は、触れずに流すのが正解なんです。下手に反応すると面倒なことになります」
美穂「そ、そうなんだ」
幸子「世渡り上手でカワイイボクが、旅の中で学んだ知恵ですよ。さあ、出発です!」
To be continued……
>>157を修正
―王宮―
幸子「ただいま戻りました。姫、残念ながら幻のドーナツは
法子「あああああっ!それは!!」
卯月「えっ、私ですか!?」
法子「その形、サイズ、模様、全て伝承通り!それが幻のドーナツですね!」
法子「譲ってください!国宝を全て差し上げてもかまいません!」
美穂「姫さまっ!?」
卯月「そ、そんなに欲しいならあげますよ?」
法子「やった……ついにやりました!これが幻のドーナツ……!」
美玲「あれ、浮き輪だよな?ウチ間違ってないよな?」ヒソヒソ
珠美「ええ、タマミの目にも浮き輪に見えます」ヒソヒソ
法子「いただきまーす!」ガブッ
>>159を修正
法子「…………」
一行「…………?」
法子「これはもしや……食べられない!?」
未央「気づくの遅くない!?」
法子「まさか、普通のドーナツとは一線を画すというのは、食べられないということだったんですか?そんな……」
小梅「か、かわいそう」
美玲「……そうか?」
幸子「落ち込んでいるところ申し訳ありませんが、約束は約束なので鍵をいただけますか」
輝子「よ、容赦ないね」
法子「あーはい、もうなんでも持って行ってください。おまけに姫の地位もつけましょうか?」
美穂「そっ、それってそんなに安いものでしたっけ!?」
かぎを てにいれた!
幸子「そんなものがなくても、ボクはおとぎ話の人魚姫のようにカワイくて泳ぎも上手いので結構です。では!」
以上ですかね?
改めて、大変失礼いたしました。以後気をつけます。
おつおつ
誤植ミスで投稿し直しってのはよそのSSでもしょっちゅう見るから
気にしないでええんやで
あと、これも忘れてました
中の人ネタ解説:
・卯月(大橋彩香さん)
美穂「体が勝手に~」
→「ファンタジスタドール」の鵜野うずめ&ささら
(うずめが最初に契約するドール『ささら』のCVは、美穂と同じ津田美波さんです)
・未央(原紗友里さん)
アイドルとしての能力が上がった気がする
→「プリティーリズム・オーロラドリーム」の天宮りずむ
>>175
お心遣いありがとうございます。
普通の誤字脱字とは少し次元が違うので、やはり要反省ですね。
とにかく、もう同じミスを繰り返さないよう意識を高めます。
では、今日はこれにて失礼します。
おはようございます。
>>178
飛んでいるわけではありませんが、ちょっと分かりにくかったですね。
この際なので修正します。読みづらくてすみません。
>>160修正
―王宮の外―
幸子「さてと」スチャッ E:Mメガネ
ヌマヌマヌマヌマ……
響「はいさい!お待ちかねの判定タイムだぞ!」
幸子「もし角煮になったりしたら困るので、今回はお皿の上に載せてあります」
幸子「というわけで、お願いします」
響「くぃどぅるるる……くぃどぅるるる……」
響「ハッ!」
ポンッ
珠美「これは……花の髪飾りでしょうか?」
響「デイゴだな。自分の家の庭にも生えてたぞ」
幸子「つまりまた偽物と」
輝子「なんか、だんだん慣れてきたね」
小梅「な、慣れちゃ、ダメ……」
美玲「おー、人が空に映ってるのか」
未央「はえー」
卯月「精霊様なんて初めて見ました……」
To be continued……
ちなみに、卯月たちとの別れについては詩織さんとのくだりの後に入ります
乙
卯月の元ネタは一発で分かったのに、ちゃんみおは説明されるまで分からんかったわ
みくにゃんの中の人目当てでプリリズ見てた時期があったのにりずむの存在をスッコーンと忘れていたww
大和亜季(21)
http://i.imgur.com/EzNglzs.jpg
http://i.imgur.com/usEpLPk.jpg
島村卯月(17)
http://i.imgur.com/QlDgZDl.jpg
http://i.imgur.com/D5J96kW.jpg
本田未央(15)
http://i.imgur.com/k0uxCbI.jpg
http://i.imgur.com/rfeSiwC.jpg
早坂美玲(14)
http://i.imgur.com/H4zujFF.jpg
http://i.imgur.com/VKyBdxZ.jpg
森久保乃々(15)
http://i.imgur.com/O5dHKie.jpg
http://i.imgur.com/qaRDjUq.jpg
瀬名詩織(19)
http://i.imgur.com/KxIi7yl.jpg
http://i.imgur.com/dH6xxGa.jpg
縺翫▽
おつです
お久しぶりです。
先々週に配属が決定し、新居に引越してネットが開通するまで時間がかかってしまいました。
ちなみに配属先はウサミン星です。
前回いろいろミスをやらかしましたが、めげずに投稿させていただきます。
では、よろしくお願いします。
おめでとう
おかえり
まってた
~十一話~
―リヴァイアサン・甲板―
護衛艦『はるな』「」ザババババ(巡航中)
七海「さかなさかなさかな~ さかな~を~たべ~るとぉ~♪」
幸子「さて、惜しまれながらも見送られて洋上ですね」
小梅「な、なんだか、説明口調……」
幸子(再びリヴァイアサンの甲板です)
幸子(魔物に甲板があるのかって?あるんです。リヴァイアサンは海の覇者ですから)
幸子(このシーン、8話の撮影の時に一緒に撮っただろうって?知りませんね)
幸子(というわけで、ドラマ再開です)
幸子「今まで、北の国、東の国、南の国、人魚島と回ってきましたが、まだ本物の鍵は見つかりませんね」
珠美「となると、残るは西の国ですな」
輝子「そんな国は…ないんだよ……」
美玲「え?」
輝子「北、南、東は大きな国があるけど……西の方は、ちっちゃい国がいっぱいあるんだよね……」
珠美「まさか……」
輝子「そ、その全部に、鍵を持ってる姫がいるとしたら……」
幸子「い、いやいや、そんな訳ないじゃないですか!小国といえばアリス姫も鍵を持っていなかったようですし、精霊様だってそこまで無計画なことは……」スチャッ E:Mメガネ
ヌマヌマヌマヌマ…
ヌマーン!!
【探さないでください】
珠美「逃げた…ですと…?」
美玲「マジか」
ヌマヌマヌマヌマ……
幸子「え、これで終わりなんですか!?」
輝子「ぜんぶ回れってこと…だよね?」
小梅「た、大変……」
幸子「ああもう!いいでしょう!やってやりますよ!!」
幸子(モノローグ)「それ以来、ボクらは大陸の西にある国々をめぐりました」
―アキの国―
村上巴「うちは面倒なことは嫌いじゃき、勝負も単純明快よ」
巴「おどれらの魂が白か黒か、演歌合戦で確かめたる!」
小梅「え、演歌……?」
珠美「平曲は多少聞きましたが、演歌はちょっと……」
美玲「ウチだってパンクなのしか聞かないモン」
輝子「ど、どうする?」
幸子「ふふーん!アイドルを舐めないで欲しいですね!有名どころだけではありますが予習済みです!」
幸子「それでは聞いてください!勇者サチコで、『人魚海峡・冬景色』」
巴「な、なぜじゃ!サチコと名乗られただけで勝てる気がせん!」
―ユリの国―
大西由里子「バラ好きのユリ姫とはアタシのことだじぇ!」
由里子「最近、仕入れるネタがマンネリ気味なんだよねぇ……。アタシを滾らせるネタを提供してくれたら鍵をあげるじぇ!」
珠美「ネタと言われても、何のネタなのか分からないことには助言のしようもありません」
由里子「そりゃもう、男と男が互いを激しく食らい合うようなネタだじぇ!」
小梅「な、なら、これ、おすすめ……」スッ
【ホラーBD】
男と男が互いを喰らい合う映像が収められている魔法のディスク。>>1のオススメは『ゾンビ大陸 アフリカン』。
由里子「ほほう、ちょいと奥の部屋で拝見しましょうかねグヘヘヘ」
ギャアアアアア!!
由里子「か、鍵でもなんでもあげるから!お引取り願うじぇ!!」ガタガタガタガタ
幸子「ありがとうございます!さあ、次です!」
由里子「気をつけて行くんだじぇ~」
由里子「……冷静になってみたら、意外とアリかもと思えてきた。夏の祭典ではゾンビ本を狩りに行くじぇ!」
―夢の国―
喜多日菜子「いつか王子様が現れて、この鍵と一緒にヒナコを連れ出してくれるんですよぉ」
日菜子「そして長い旅をして、ついにこの鍵に合う扉を見つけるんです。それはまっ白なお城の一番上の部屋で、そこがふたりの愛の巣に……むふふ」
珠美「ふむ、その後は謀反が起こるのが鉄板ですな」
日菜子「え?」
珠美「歴史小説では多くの場合、その後の家臣の裏切りや政争によって戦争が起こります」
珠美「お城は火に包まれ、数少ない忠臣も早々に討ち取られ、迫るは荒れ狂った数多の敵兵」
日菜子「え?え?」
珠美「最上階とあっては逃げ場もありませんから、残された手は自害か投降のみとなります」
珠美「互いに刃を突き立てて果てるか、敵に下って慰みものとなろうとも生き延びるか……苦渋の決断です」
日菜子「ええー……」
珠美「ヒナコ姫は修羅の道を往かれるのですな!武士としてお仕えしがいのある方です!」
日菜子「……いえいえ、そんなことが起こるわけないです!その後のふたりは幸せに暮らすんです!子供は女男男で3人なんです!」
珠美「武士としては、血濡れの鍵の方が夢を感じるのですが……」
日菜子「うぅ、もうそういう鍵にしか見えなくなっちゃったじゃないですかぁ~!いいです、あげますよ!」
幸子「ありがとうございます!さあ、次です!」
日菜子「王子様~!ヒナコの白馬の王子様はどこですかぁ~!」
日菜子「……いえ、敵国の王子との禁断の恋というのも……むふふふふふ」
―ド○イの国―
ライラ「ライラ=シエラザード姫ですよー」
ライラ「世界のどこかに、アイスというそれはそれは美味しい食べ物があると聞きましたです。わたくし、それを食べたいです」
美玲「どうする?北の国まで行って氷もらってくるか?」
幸子「いえ、ボクの中にある戦艦の力が告げています。出せる、と」
幸子「『輝く世界の魔法』!!」
ポンッ
小梅「で、出るんだ……」
ライラ「おぉー……これがアイスでございますですか。いただきますです」ハムッ
ライラ「هنا هو السماء أو(アラビア語)」
輝子「フヒッ!?」
ライラ「感動しましたー。お礼に鍵は差し上げますですよー」
幸子「ありがとうございます!さあ、次です!」
ライラ「おとぎばなし~の~王子でも むかし~はとても食べられない~」
ライラ「ふふふ」
―愛の国―
佐久間まゆ「うふ、いらっしゃい」
まゆ「何もない小さな国で、勇者様に十分なおもてなしもできませんけれど……。どうかゆっくり疲れを癒してくださいね」
珠美「おお、なんとも穏やかで理知的な姫君ですね」
幸子「実は、悪霊の鍵がかくかくしかじか」
まゆ「あら、大変なんですね。分かりました。ひとつだけお願いを聞いてくれたら差し上げましょう」
幸子「分かりました。聞いてあげましょう!」
まゆ「ごめんなさいね。世界の危機とは分かっていても、どうしても必要なお薬なんです」
小梅「お、お薬…?」
美玲「誰か病気なのか?」
まゆ「病気……。ええ、病気ですね。愛する人に飲ませたいんです」
珠美「病に臥せった愛する人に、ですか。なかなか素敵なお話ですな!」
幸子「たくさんの姫に会ってきましたが、こんなに愛に溢れた方は初めてです。ショウコさん、お願いできますか?」
輝子「うん…やってみる。ど、どんな薬です…?」
まゆ「マユ以外のことはみじんも考えられなくなるお薬を」
一行「「!?」」
輝子「ちょ、ちょっと、ないかな……」
まゆ「ないんですか?なら、体が痺れて、一生誰かの手を借りないと生きていけなくなるお薬を」
幸子「えっと、愛する人が病気なんですよね?」
まゆ「うふ、違いますよぉ。病気なのはマユのほうです。恋の病にかかってしまったんです」
まゆ「だから、あの人を永遠にマユのものに……うふふ」
輝子「え、えっと……」
まゆ「あるんですか?ないんですか?はっきりしてください」
輝子「あ、あり…ます」
美玲「あるのッ!?」
まゆ「うふふ、ありがとうございます。これで、これで、うふふふふ……」
まゆ「お礼に鍵をあげます。扉の封印、頑張ってくださいね」
幸子「あ、ありがとうございます!さあ、次です!」
輝子「ダイジョウブ、ダイジョウブ……。キットダイジョウブ……フヒ、フヒヒヒ」
美玲「お、オマエは正しいことをしたんだよッ!元気出せ!な!」
幸子「一生ではなく、3日で効き目の切れる痺れ薬を渡したそうですが、それ以来あんな状態ですね……」
珠美「マユ姫は騙されたことに気づかれたのでしょうか?」
小梅「そ、そうなる前に、逃げよう……?」
幸子「絶対安心な距離まで離れれば、ショウコさんも元に戻るでしょう。出発です!」
まゆ「うふふふ」
まゆ「許しませんよぉ……?」
―数週間後―
響「ハッ!」
ポンッ
小梅「ち、ちんすこうに、なった……」
幸子「また偽物ですか……。これでもう何本目ですか」
響「おかしいぞ?いくらなんでもここまで外れ続けるなんて……」
珠美「……あの、ひとつ気になっていることがあるのですが」
美玲「うん?」
珠美「本物の鍵は既に魔物の手に渡っている、ということは無いのですか?」
響「…………あ」
美玲「今『あ』って言ったぞッ!」
幸子「まさか、確認してなかったんですか!?」
輝子「こ、この展開は……」
響「い、いや、そんな簡単に奪われるハズは……」
ゴゴゴゴゴゴ……
一行「!?」
幸子「じ、地震?」
響「あ、まずいかも」
輝子「き、聞きたくない……」
響「魔界への扉から、なんかすごいの出てこようとしてるぞ」
響「こんなこと、ちょっと半開きになったとかいう程度じゃありえないかなー……」
小梅「つ、つまり?」
響「鍵、そっちにあるっぽい」
幸子「もう!行きますよ皆さん!」
輝子「今までの旅は一体……」
珠美「いい修行になったではありませんか!」
美玲「それで喜ぶのはオマエだけなのッ!」
小梅「い、行くって、どっちに……?」
響「大陸中央の国に、地底に通じる大穴があるんだ!扉はその先さー!」
幸子「中央の国って、ボクの地元じゃないですか!なんのために大陸一周したんですか!」
響「ちばりよー!」
To be continued……
幸子(さて、前回もたいがいでしたが、今回も雑な流れでラストダンジョンです)
幸子(ここまでとんでもない茶番劇でしたが、最後はどんな戦いが待っているのでしょうか)
幸子(ちなみに今回の撮影は、凛さんやまゆさんの温泉ロケに便乗しまして……)
幸子(と、その前に賊のコーナーです)
テクテクテク……
幸子「そういえば、気になっていることがあるんですよ」
幸子「『輝く世界の魔法』の使い手は全部で7人ですよね?」
輝子「カエデさんは…そう言ってたね」
幸子「そしてボクらが今までに出会った使い手は、カエデさん、リンさん、アーニャ姫、ウヅキさん、ミオさんの5人です」
※リン=渋谷凛は前作に登場した『輝く世界の魔法』の使い手です。ナオ、カレンと一緒に、魔王に洗脳されて門番をやっていました。
珠美「なるほど、サチコ殿を入れたら6人。残る1人は誰なのかということですね」
輝子「意外と、一番強い人が残ってたりするかも……」
小梅「い、意外と、もう出会ってたり、して……」
幸子「機会があれば探してみたいですね」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
輝子「こ、この音は……」
神崎蘭子「時の狭間よ!(ちょっと待ってください!)」
輝子「やっぱり」
幸子「お久しぶりですね!でも、渡すものはありませんよ!」
蘭子「ククク……過ちは因果(カルマ)の果てよ!(前回の私とは違いますよ!)」
蘭子「我が盟友、白百合の騎士の助力にて我が魔法は完成を見たり!(お友達に手伝ってもらって、カンペキな詠唱を考えてきました!)」
美玲「相変わらず、何言ってるか分かんないな」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……
輝子「フヒ、また……」
小梅「」ワクワク
蘭子「ゆくぞ!」
蘭子「我、魔王ランコ。古の盟約に則り、風の精霊シルフに告げる」
蘭子「其は今より我が手足。汝が権能は我が身と共に、我が栄光は汝と共にあり」
蘭子「我に仇なす者に嵐の呪いを、我に楯突く者に雪風の夜を、我に手向かう者に永遠の逆風を与え給え」
美玲「長いぞー」
蘭子「荒ぶれ波動、轟け疾風。その風音は遥か……遥か……えっと……」チラッ
蘭子「遥かアヴァロンにまで至る!」
幸子「今カンペ見ましたよね!?」
蘭子「白き風の巫女の歌声を力とし、薫るは……薫るは……」チラッチラッ
小梅「……れ、レギオン、お願い」
イカ「ワッショイ!!」ペシッ
蘭子「あっ、メモが!……あ」
珠美「今一瞬、素が出ていたような……」
蘭子「う、うぅ……」
蘭子「予言!我は三度顕現する!(もう一回!もう一回来ますから!)」
蘭子「次なる聖戦に備えよ!!(次こそは負けませんからねー!)」
タタタタ……
小梅「い、行っちゃった……」
美玲「なんだったんだ?」
珠美「さ、さあ?」
輝子「とりあえず…先を急ぐ?」
幸子「そうですね。にしても、都合よく『輝く世界の魔法』の使い手に会えないですかねー」
珠美「さすがに、偶然というのは難しいでしょう」
幸子「まあ、そうでしょうけど。出発しましょうか」
~十二話~
響「見えたぞ!あれが地底への入口さー!!」
美玲「ここが、魔界に続く場所……!」
【魔界温泉】
ワイワイ ガヤガヤ オマンジュウイカガー?
小梅「温泉?」
珠美「見事に温泉街までできていますが」
響「魔界って、マグマだらけですごく熱いんだぞ。封印しても熱が漏れてくるから、それを利用できないかなーと思ったんだ」
響「それで温泉にしてみたら、みんな大喜びで!」
輝子「そ、そんな場所に温泉って……」
幸子「もう封印してしまった方がいいんじゃないですか、この精霊様」
響「い、いいじゃないか!自分は入れないのに人間のために頑張ったんだぞ!褒めてくれてもいいだろ!」
珠美「して、ここからどのように魔界の扉へ?」
響「流すのはやめてほしいぞ……。観光客には近づけないようにしてある穴があるんだ。そこから地底に行けるぞ」
幸子「では、そちらへ!」
オジョウチャン オヒトツイカガー?
美玲「な、なんだよ!え、お饅頭くれるのか?アリガトウゴザイマス……」
輝子「最後の戦いの前とは思えない……」
ザッザッザッ ピョーン(飛び降り)
ヒィィィィィィ……
―地底―
幸子「ここが地底……!」
幸子(ちなみに、貸ビルの地下駐車場です。そりゃ地底は地底ですが……)
珠美「魔界の影響か、ここまでは精霊様の力が届かないようですな……」
美玲「ん?何か聞こえるような」
キンッ キンッ ゴオオオオ
幸子「誰かが戦っているようです!様子を見に行きましょう!」
八神マキノ「鍵を返しなさい!」
白菊ほたる「そう言われて返すと思いますか?」
珠美「あれは……人間と魔界の騎士が戦っている?」
幸子「そのようですね。ただあのメガネの女性、どこかで見たことがあるような」
輝子「そ、そうだ、魔王と戦った時の……」
美玲「魔王にトドメをさそうとした時に、空飛ぶ絨毯で飛んできたアイツか!」
小梅「な、名前は、たしか、マキノさん……」
幸子「ということは、どっちも魔界側じゃないですか。それがなんで争っているんでしょう……」
※マキノは前回、勇者たちをつけ狙う諜報員として登場しました。ヨシヒコで言うところの、妹ヒサのポジションです。
マキノ「人間を滅ぼしても意味はない!わからないんですか!?」
ほたる「意味なんて求めていませんから。人間の諜報員が私を相手によく粘りましたが、これでおしまいです」ザクッ
マキノ「ぐうっ」
ほたる「……急所を狙ったはずが、微妙に外れてしまいましたか。まったく、私にもあなたにも不幸でしかありませんね」
ほたる「不幸は不幸として受け入れて、そこでしばらく苦しんでください。では」
ザッザッザッ……
マキノ「う、うぅ、魔王様……」
輝子「う、動かないで。傷薬どこいった……?」
マキノ「お、お前らはあの時の勇者!私に触らないで!」
幸子「強がらないでください。鍵のことも知っているようですが、説明していただけますか?」
マキノ「……魔王様に会いたかったのよ」
輝子「な、なんの話?」
マキノ「魔王様は、『我は敗れても魔界で眠り、500年後に蘇る』とおっしゃったわ。でも私は人間。500年も待っていられない」
マキノ「だから、私から魔界へお迎えにあがろうと思ったのよ。そしてフシギの国から鍵を盗んで、扉を開けた」
輝子「ま、まさか……」
マキノ「……そうしたら魔物とかいろいろ出てきて、手に負えなくなってしまって……」
小梅「えぇー……」
幸子「要するに、世界の危機はただの凡ミスだったってことですか……」
マキノ「と、とにかく!はやく鍵を取り返して扉を封印しないと!魔帝本人が出てきたら世界はおしまいよ!」
美玲「はぁッ!?」
マキノ「さっきの黒騎士、ホタルは魔帝の部下なの」
珠美「魔帝というと、千年前に封印されたというあの?」
マキノ「そう、奴は、魔帝を完全に復活させて人間界に呼び込むつもりなのよ!」
幸子「いろいろ言いたいことはありますが、時間がありませんね!行きましょう皆さん!」
ほたる「待っていましたよ、勇者サチコ」
幸子「百戦錬磨のカワイイボクが来ると知って逃げないとは、見上げた根性ですね!」
ほたる「自称・世界に光をもたらす勇者でしたか。私の不幸を打ち消すほどのものか、確かめさせてもらいます」
幸子「自称は余計です!行きますよ!」
幸子「『輝く世界の魔法』!」
きょだいなひのたまが おそいかかる!
ガガガガガガガガガッ
ほたる「ぐっ」
珠美「全弾命中ですと!?」
美玲「ツイいてるぞッ!」
ほたる「ええ、分かっています。攻撃は全て私のところに来るんです。だから!」
幸子「え?」
ズォォォォォォォォォ……カッ!!
ほたる「全てを…葬ってあげる!『ミラー○ート』!」
ズゥゥゥゥゥン……
サチコたちは ぜんめつした!
【ミ○ーコート】
カウンター魔法。敵から受けた魔法のダメージを倍にして返す。世界観がちがうって?だって魔界の騎士ですから。
―魔界温泉―
カポーン
幸子「とんでもない強敵でしたね……」
美玲「いい湯だなー」
珠美「マキノ殿との戦いを見る限り、剣術のみでも我々より上手なようです」
輝子「どうしたら…いいんだろうね……」
小梅「せ、精霊様に、訊いて、みる?」
幸子「大したアドバイスがもらえるとは思えませんが……」スチャッ E:Mメガネ
ヌマーン!!
響「はいさい!地底はどうだった?」
幸子「それが……」
響「え、それおかしいぞ」
美玲「おかしいって、何が?」
響「『伝説の盾』と『伝説の鎧』があれば、サチコの魔法を2倍で返されても耐えられるはずだぞ」
幸子「……は?」
輝子「な、なにそれ?」
響「……え?」
響「も、もしかして伝説の装備とってないの!?」
幸子「聞いてませんよそんなの!どこにあったんですか!?」
響「次の鍵の場所を教えた時とか、最後に装備の場所を教えてただろ!」
珠美「もしや、あのよくわからない言葉がそうだったのでは?」
輝子「あれ、鳴き声じゃなかったんだ……」
響「鳴き声!?自分をなんだと思ってるんだー!」
幸子「とにかく、その装備があれば黒騎士ホタルにも勝てるんですね!」
響「う、うん。でも、今から取りに行ったらとても魔帝の復活に間に合わないぞ」
小梅「そ、そんな……」
響「でも、伝説の剣だけでもあれば勝てるかもしれないぞ!伝説の剣は地底に封印されてるから、ここからすぐに行けるさー!」
幸子「では、温泉から上がったらすぐに行きましょう!」
一行「フゥ~~……」
響「この状況でくつろいでる……。こいつら、意外と大物なのかもしれないぞ」
―地底―
―『ラボ44』―
幸子「ラボ……研究所ですね。ここに伝説の剣が保管されていると」
小梅「ち、地下の研究所…アヤしい、科学実験…うふふふ」
珠美「や、やめてくださいよコウメ殿!」
幸子「こんなところに住んでいる人がいるとすれば、おそらく相当な変人です。刺激しないようにそっと……」
美玲「おーい!誰かいないのかー!」
輝子「ちょ」
珠美「またしてもこのパターンですか……」
「にゃっはー!久々のエモノだー!」
幸子「うわっ、本当に人が住んでたんですか!?」
一之瀬志希「ふっふ~!あたしはシキ!人魚島から失踪してここに住んでる古の賢者さまさ!」
珠美「目の前の人物から古(いにしえ)と言われても、なんだかピンときませんな」
幸子「シキ様といえば、人魚を作る呪文『トックン』を編み出した方じゃないですか!かなり昔の人かと思ってましたけど、こんなに若い方だったなんて……」
志希「だ~か~ら~、古の賢者さまなんだってば!歳はほら、薬でチョチョッと」
輝子「ふ、不老不死……?」
小梅「ゾンビじゃ、ないんだ……」シュン
志希「にゃはは!そこでガッカリするとかキミたち面白いね!で、何のご用事かな~?」
幸子「そ、そうです!ここにあるという伝説の剣をとりに来たんです!」
志希「おっと~?それはつまりキミが今の勇者さま?」
幸子「そうです!ボクがアイドルにして光り輝くカワイイ勇者、サチコです!」
志希「そっかそっか~!千年前の勇者さまはおばちゃんだったけど、今度はこんなちっちゃい子なんだ!」
輝子「い、いったい何歳なんだろう……」
志希「じゃあここでクイズです!ででん!」
珠美「クイズ?」
志希「今、あたしの前には勇者さまがいます!ですが、もしかしたら魔帝の手先かもしれません!」
志希「まちがって伝説の剣を渡してしまったらさあ大変!では、どうやって見分ければいいでしょう!」
輝子「え?え?」
幸子「バラエティやクイズもアイドルのお仕事です!はい!」ピンポン
志希「はい自称・勇者さま!」
幸子「ボクは『輝く世界の魔法』を使えます!これが証拠です!」
志希「おしい!それだと人間だってことしか分かんないんだよね~」
幸子「ぐぬぬ」
志希「さあ、制限時間が迫っております!チッチッチッチッチッ」
小梅「ど、どうしよう……」
志希「と思ったけど、飽きたからもういいや!正解は!」
美玲「は!?」
志希「匂いをかげば分かるのだー!にゃっはー!」バッ
幸子「え、ちょ、待って!」
珠美「わ、我々もですか!?」
クンカクンカクンカクンカクンカクンカ
ヒィィィィィ クルナー
ハスハスハスハスハスハスハスハス
フゴーフゴーフゴーフゴーフゴー
ニャハハハハハ マテマテー
イヤァァァァァァ
…………。
一行「」ボロッ
志希「ふぃ~、100年分は満喫したね!」
幸子「そ、それで、結果は?」
志希「へ?なんだっけ?」
珠美「で、ですから伝説の剣は……」
志希「あ」
志希「あーはいはいそうだったね!オーケーオーケーカンペキ!キミたち勇者!剣あげちゃう!」
せいけんハイカキンを てにいれた!
志希「んじゃ、あたしは実験の続きするから!元気でね~♪」ノシ
美玲「ゼッタイ、匂いかぎたかっただけだよな……」
小梅「お嫁に、いけない……」
幸子「……それでも、剣は手に入ったんです。先へ進みましょう」
【せいけんハイカキン】
あらゆるものを超越すると言われる聖剣。使いすぎると、人間として大事なものが失われてしまうとも言われている。
ほたる「おや、また来たんですか」
幸子「今度のボクたちは一味違いますよ!!」
幸子「『輝く世界の魔法』!」
きょだいなひのたまが おそいかかる!
ガガガガガガガガガッ
ほたる「うぐっ」
ほたる「ふん、学ばない人たちですね。『ミラ○コート』!」
カッ
ギュゥゥゥン……
ほたる「なっ」
幸子「この剣は、あらゆる魔法を吸収するんです!」
幸子「もう一度、『輝く世界の魔法』!」
ほたる「ぐうっ」
幸子「『輝く世界の魔法』!!」
ほたる「うっ」ガクッ
美玲「よし、やったぞッ!」
幸子「貴方は受けたダメージを倍にして返しているだけですからね。跳ね返しても無駄となればジリ貧です」
珠美「いくら剣術が優れていても、あの火球の雨の中で戦うのは無理がありますしね」
ほたる「なんで……なんで世界は私の邪魔をするんですか……!」
ほたる「私はただ、人と同じ幸せを手に入れたかっただけなのに!」
幸子「過去に何があったか知りませんが、自分の不幸を嘆いても仕方ありませんよ」
ほたる「あなたには私の気持ちなんて分からない!行く先々で感謝され、希望の勇者なんて呼ばれているあなたには!」
ほたる「私が赴いた地には災厄が降りかかる。そして困るのも……うぅ」
小梅「ち、違うよ…そうじゃない……」
ほたる「何が違うんですかッ!」
小梅「」ビクッ
ほたる「何をしても無駄なら、何もしないようにするしかないじゃないですか!全てが滅んで何もなくなれば、私だって人と同じように……」
幸子「ボクらだって、最初から感謝されていた訳ではありませんよ。ボクらのせいで魔物に襲われた人もいます。ただ、感謝されるまでやめなかっただけです」
小梅「う、運が悪くても…不幸でも…。我慢して、が、頑張って、立ち向かうから…サチコちゃんは、勇者なんです」
幸子「さあ、鍵を渡してください。ボクらは先を急ぎますので」
あくりょうのかぎを てにいれた!
幸子「さあ、扉はすぐそこですよ!ダッシュです!」
輝子「ヒィィ……」
ダダダ……
ほたる「不幸に立ち向かう意思…私、大切なことを……」
To be continued……
と、若干旬を外したヴォヤージュ・ブレイバーを登場させて今日はここまでです。
ついに輝子のCDが発売されましたね!142'sの曲はそれぞれ毛色がまったく違って面白いです。
総選挙でも順位は落としたものの全員ランクインしましたし、jewelries! 002にも全員登場しますし、142'sの時代が来てますよ!
そして凛、遅ればせながらシンデレラおめでとう。
ともあれ、お付き合いありがとうございました。
近いうちにまた更新します。
おつおつおつ
小梅ちゃんの匂いかぎたい
お線香のかおりがしそう
お疲れ様です。
深夜テンションじゃないとキツいSSですが、諸事情からこの時間に投下させていただきます。
では、よろしくお願いします。
~十三話~
幸子(前回にも増して、長い戦いでした……)
幸子(途中、いろいろなミスやトラブルがありましたが、応援をくれる人がいたからここまで続けてくることができました)
幸子(応援されて応えないなんて、カワイイボクの名がすたります!最後の戦い、勇者としてもアイドルとしても一回り成長した姿を見せますよ!)
幸子(ちなみに前回は、ほたるさんたちの舞台の宣伝を兼ねていたため、少しだけシリアスにお送りしました)
幸子(スポンサー料をもらうためにやったことですが、最終回間際になって資金不足に陥るなんて、このドラマはどうなってるんでしょうか……)
タタタタッ
幸子「魔界への扉はすぐそこです!」
美玲「あ、あれだッ!」
扉「」ゴゴゴゴ……
珠美「なんという邪悪なオーラ……」
幸子「周りは魔物だらけかと思っていましたが、幸いなにもいません!今のうちに封印を!」
輝子「あそこに転がってる鎖で、縛ればいいのかな…?」
小梅「み、みんな、お願い…!」
干物's「イヤッハー!!」
グルグルグル
幸子「そして、鍵で封印!」
ガシャン!
美玲「や、やった!やったぞ!」
珠美「間に合ったのですね!」
一行「ばんざーい!」
がぁんっ!
幸子「……え?」
ガンッ!ガンッ!
珠美「な、何かが扉を内側から叩いている?」
美玲「すごい力だぞッ!?」
ドォン!
輝子「と、扉が……」
小梅「開い、ちゃった……」
美玲「! 誰か出てきたぞッ!」
「精霊の封印……脆弱で、希薄で……取るに足らないわ」
幸子「こ、これが千年前に封印された魔帝……!」
高峯のあ「さあ……精霊と人間の時代は終わり。これより魔帝ノアの……破壊の時代よ」
幸子(前回の魔王役は遊佐こずえさんでしたが、今回は高峯のあさんです)
幸子(Pさん曰く、魔王コズエの母親をイメージしたんだそうです。のあさんにもそう言って演技指導してました)
幸子(あんな複雑そうな表情をしたのあさんを見たのは、あれが初めてです)
のあ「……誰?魔族ではないようだけど」
幸子「ボ、ボクはサチコ!世界の平和のために戦う、高貴でカワイイ勇者です!」
のあ「勇者……?ああ…千年前に私を封印した……その一派」
のあ「貧弱な封印で満足し……私に力を蓄えさせた愚かな人間」
珠美「まさか、封印されたふりをして機を待っていたと?」
のあ「地上を覆い尽くすほどの魔物を育て……すでに送り出した。まもなく、人間は滅ぶ……」
幸子「なんですって!?」
珠美「サチコ殿!よく見たら部屋の四方に旅の扉があります!」
美玲「真ん中にもあるぞッ!あそこから魔物が出て行ったのか!?」
幸子「だから扉の周りに何もいなかったんですか……!」
【たびのとびら】
離れた場所にワープできる扉。床にうずまきができているような外見。
のあ「東西南北、そして中央……。圧倒的なまでの魔物の軍勢が今……蹂躙する」
輝子「間に合わなかった……のか……?」
小梅「ま、まだ…!まだ、カエデさんやヒカルさんが……!」
幸子「そうです!地上には強い人たちが残っています!」
のあ「屈強な人間ならいたわ……千年前にも、ね。それで如何にして防ぐのかしら?数人の強者で、数千数万の魔物の侵攻を」
珠美「数万……!」
美玲「カエデに、ヒカルに、ヘレンに、トライアドに……いくらアイツらでも無茶だぞッ!」
のあ「人間とは哀れで惨めな生き物……今も、昔も。だからせめて、散り際は美しく……」
のあ「『ムーンライトアイズ』」
珠美「うっ!?」
幸子「あ、頭が……!」クラッ
のあ「私の目を見たものは、幻の世界に囚われる……」
幸子「」ボー
小梅「」ボー
輝子「」ボー
珠美「」ボー
美玲「」ボー
のあ「世界が滅ぶまで静かに眠りなさい……幸せな夢を見ながら、ね」
幸子「」ポケー
―サチコの夢―
幸子「皆さん!ついにボクがトップアイドルになりましたよ!」
ワーワー キャーキャー
幸子「おや、続報です!国民栄誉賞がもらえるそうですよ!まあ当然ですけどね!」
スゴーイ!!
幸子「おっと!なんと国王になってほしいとオファーが来てしまいました!これは困りましたね!」
クイーンサチコー!!
幸子「でもボクはアイドル一筋ですから!ライブはまだまだ終わりませんよー!!」
小梅「」ポケー
―コウメの夢―
ゾンビ「ウオー」タッタッタッタッ
ゾンビ「アベベベ」シュタタタタッ
ゾンビ「フヒヒ☆」ハァハァ
小梅「ぞ、ゾンビが追ってくる……食べられちゃう……うふふふ」
輝子「」ポケー
―ショウコの夢―
新聞『菌類博士ショウコ、またも大発見!』
「おめでとうございます博士!」
「今のお気持ちを一言!」
「先生!今度いっしょにお食事でも!」
輝子「フヒヒ…人気者…ぼっちじゃない…アーハッハッハ!私の時代だァーッ!」
珠美「」ポケー
―タマミの夢―
娘「ひどい!アタシのお財布が目当てだったのね!」
悪党「えへへー、おこづかいちょうだ~い♪」
珠美「待たれい!」
悪党「なにやつ!」
珠美「ひとぉ~つ ひとたび剣を握れば」
珠美「以下略!でやあっ!」ズバッ
悪党「ぎゃあー!」バタリ
珠美「悪党、討ち取ったり!お天道様が許しても、武士タマミが許しません!」
娘「きゃー素敵ー!」
通行人「なにこの小芝居……」
美玲「」ポケー
―ミレイの夢―
美玲「えへへ、パンクで、キュートで……」
美玲「……」
美玲「……」
美玲「ふんッ!!」
美玲「『ヌーのかがみ』ッ!!」
ピカァーーッ
幸子「はっ」パチッ
小梅「えっ」パチッ
輝子「フヒッ」パチッ
珠美「むっ」パチッ
のあ「ほう?」
美玲「ウチは片目しか見えないから、効き目も半分なんだッ!!」
美玲「サチコッ!」
幸子「か、『輝く世界の魔法』!」
ガガガガガガガッ
珠美「当たった!」
美玲「ふふんッ、ウチらを舐めたバツだッ!」
輝子「真実をうつす鏡…こんなところで役に立つとは、思わなかった……」
幸子「魔王コズエにも致命傷を与えた攻撃です。さすがの魔帝もこれなら!」
モクモクモク……
のあ「魔王コズエ……?あんな小娘……私と比較することさえ憚られる」
輝子「き、効いてない」
のあ「さあ、もう幕引きの時間……人類の最終章よ」
のあ「滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい……『灰となせ、炎よ』」
ゴオオオオオオ!!
幸子「魔法なら聖剣で吸収します!」
ゴオオオオ ドロッ
珠美「せ、聖剣が溶けた!」
幸子「炎の威力が魔王とぜんぜん違う……!」
のあ「精霊の装備……そう、勇者なら持っているのも必然か」
のあ「でも…次で、終わり」
小梅「ま、まだ…!レギオン……!」
干物's「ヒューッ!!」
ガシガシガシガシガシッ
のあ「イカの干物……それを絡みつかせて……私を縛れるとでも……?」
小梅「し、死にゆく者が美しいからって……勝手に死なせていいわけない……!」
小梅「……『ペタン』」
輝子「重くする魔法?」
小梅「『ペタン』」
小梅「『ペタン』」
小梅「『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタン』『ペタンコ』『ツルペタン』……!」
のあ「くっ」ズンッ
のあ「これは……?」
美玲「魔帝の動きが止まったぞッ!」
幸子「そうか……一回の『ペタン』で重くなるのはせいぜい100g。でもそれをイカに重ねがけして、さらに何十匹ぶんも集めれば!」
のあ「ぐぅ……」ズズンッ
珠美「我々も仕事をしますよ、ショウコ殿!」
輝子「ヒャッハー!いいとこ取りだぜェェーー!!」
グルグルグル
のあ「これは……扉を封印していた鎖……!」
珠美「切れ端ですが、人ひとり縛るには十分です!」
輝子「ジェイル!ロック!ホウローーック!!」
美玲「これで魔帝はなにもできないなッ!」
のあ「無駄……。たとえ私を囚えようと、地上は魔物の軍勢に征服される」
幸子「そ、それは……」
響「そうでもないみたいだぞー?」
幸子「精霊様!」
のあ「精霊ヒビキ……!」
響「魔帝が封印の鎖で縛られたおかげで、地底にも自分の力が届くようになったみたいだな。ってことで、ほら、地上の様子」
珠美「あ、頭に映像が……」
―中央の国―
藤本里奈「ちょりーっす!魔帝軍大将、リナ参上!」
里奈「世界征服とか超ウケるケドー?やるからにはマジだから!つーことでトツゲキー☆」
グオオオオオオオオ!!
春菜「中央の国第一王女、ハルナです!メガネの旗の元に集いし兵士たちよ!魔物の侵攻に断固立ち向かうのです!」
春菜「恐れることはありません!私たちには、メガネの加護がついています!」
ウオオオオオオオ!!
堀裕子「メガネの加護とはいったい……はっ、もしや透視ができるようになるとか!?」
ヘレン「壁を透かしても、価値あるものなど見えないわ。人の心を見透かす目を持ちなさい」
裕子「な、なるほど?」
春菜「突撃ー!!」
ワアアアアアア!!
―北の国―
アーニャ「『輝く世界の魔法』!」
赤色の兵士たち「Ураааааа!!」
KV-2重戦車「」キュラキュラキュラ
IS-2重戦車「」キュラキュラキュラ
T-34/85中戦車「」キュラキュラキュラ
T-34/76中戦車「」キュラキュ ガコン
アーニャ「Oops、またクラッチが……」
モブ兵士A「修理が済むまで我々が踏ん張るぞ!」
モブ兵士B「進め進め!逃げ出した者を、トキコ様は罵ってくださらないぞ!!」
モブ兵士C「普通逆だろうって?知るか!!」
モブ兵士A「お前は誰に向かって言ってるんだ?」
モブ兵士C「さあな!」
―東の国―
ワーワー キンッ キンッ
ウオオオ!!ガオオオオ!!
歌鈴「火を司る朱雀よ、汝が力をここに示しぇ」
歌鈴「火を司る朱雀よ、汝がちゅか」
歌鈴「火を司る朱雀y」ガリッ
歌鈴「うぅ、魔法が使えない……」
有香「くっ、敵の数が多すぎます!徒手空拳では潰しきれません!」ザッ
紗枝「このままやと、あむないかもしれまへんな~」
「そのとき空から、不思議な光が降りてきたのです……」
ダ、ダレダ? ダレダー! ダレナンダー!
安部菜々「お待たせしました!ナナで~す♪」
エェー……
菜々「あー!引かないでください!ウサミン星から一発逆転の秘策を持ってきたんですから!」
有香「秘策ですか!?」
菜々「ウサミン星人のみなさーん!」
ハーイ!!
歌鈴「う、植木鉢を持った人がいっぱい!」
菜々「ウサミン星人のみなさん!ウサミンイヤーは付けましたね?他のみなさんは耳をふさいでいてください!」
菜々「いきますよ!せーの!」キュポン
キュポン キュポン キュポン
マンドレイク「「「ミギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」」
魔物「ギャアアアアア!!」バタバタバタ
菜々「ウサミン星名物、魔法のニンジンです!」
歌鈴「ま、マンドレイク!?」
有香「そういえば、都から馬で1時間くらいのところにマンドレイクを作っている村があったような……」
菜々「ちょ、違います!ナナたちはウサミン星から来たんです!」
紗枝「あはは、仲がよろしおすな~」
【ウサミンイヤー】
マンドレイクに耳の位置を勘違いさせる、ウサミン秘伝のアイテム。悲鳴が本物の耳に入らなくなり収穫が捗る。ウサミンイヤーは地獄耳~♪ではない。
―南の国―
グオオオオオオオ!!
美波「くっ、劣勢ですね……。やはりオークとサキュバスの被害が尾を引いていますか」
姫川友紀「いけー!押せ押せムードだー!魔帝軍応援団長のユッキがついてるぞー!」
佐藤心「はぁ~い♪みんなのエンジェル、魔帝軍の斬込隊長しゅがーはぁとだよぉ☆」
心「なんでエンジェルなのに悪役なのかって?なんでだろぉねー?おっかしいねー♪誰か説明しろよゴルァ☆」
美波「このままじゃ国が……」
愛海「おやおや~?胸を痛めているお嬢さんがいるようだねぇ」
千枝「し、失礼しますっ!」
友紀「お?助っ人外人かな?」
愛海「どうもどうも応援団長!今日もタンクトップの張りが素晴らしいですね!斬込隊長も見事なぼんきゅっぼんで!」
心「やん!しゅがーはぁとにセクハラは御法度だぞ♪労基署行くか☆」
愛海「それは怖いね!でも、あたしにも譲れないものってのがあるのさ!てなわけで!」
愛海「魔界のおっぱい、いただきます!」バッ
友紀・心「「……え?」」
流石ソビエト製wwwwwwww
モミモミモミモミモミ
友紀「ちょ、ちがう!敵はあっち!」
愛海「敵?あたしの敵は、おっぱいを傷つける全ての存在さ!人類滅亡なんて冗談じゃない!」
愛海「女の子の胸を苦しめるのは、初恋と成長期だけで十分なんだよ!」
美波「オークさん……」
愛海「姫さま!過去にはいろいろあったけど、とりあえず敵の敵は味方ってことでひとつ!」モミモミモミ
心「こんのぉ、いつまでも揉んでんなぁ!いっけえ魔物ども☆」
千枝「よしよし、いい子ですね~」
魔物「グルルルルル……」
心「は?」
千枝「この子、男の子ですか?おとなしい子なんですねっ!」
心「オスなら魔物でも落とせるのかよっ☆」
>愛海「女の子の胸を苦しめるのは、初恋と成長期だけで十分なんだよ!」
けだし名言
―人魚島―
美穂「ひゃああっ!魔物が上陸してきた~っ!」
卯月「お任せ下さい!」
美穂「う、ウヅキちゃんにミオちゃん!危ないよっ!」
早苗「まあまあ。いいから見といて」
卯月「大した力が使えない、私とミオちゃんの『輝く世界の魔法』。その正しい使い方がやっと分かりました!」
未央「足りなかったピースがやっと埋まったよっ!」
卯月・未央「カモン、リンちゃん!」
渋谷凛「こ、この登場の仕方は恥ずかしいんだけど……」
早苗「足取りを追うのが大変だったわよ。ギリギリ間に合ってよかったわ」
早苗「さあ、尺もないからさっさと魔帝軍をシメちゃいなさい!」
卯月「はい!行きます!」
未央「私たち3人が集まって初めて完成する、究極魔法!」
凛「走り続けた先にある、輝きの向こう側の力!」
ズズズズ……カッ!
「「「新・『輝く世界の魔法』!!」」」
―海上―
法子(人魚モード)「おーっ、陸はすごいね!あたしらも負けてらんないよっ!ドーナッツ☆マーメイドの本気、見せちゃうから!」
法子(人魚モード)「人魚部隊、出撃ーっ!」
ワアアアアアア!!
―大陸の西海岸―
ザザーン……
小関麗奈「……これはどういうことかしら、マナミ?」
木場真奈美「なんのことかな?」
麗奈「スッとぼけてんじゃないわよ!アタシは人間の街に案内しろって命令したのよ!」
麗奈「それがなんでこんな砂浜にいるのよ!魔帝軍に海水浴でもさせる気!?」
真奈美「ふむ、もう勘付かれてしまったか。さすが魔帝軍の元帥殿、凡百の将とは鋭さが違うな」
麗奈「アーハッハ!アタシを誰だと思ってるの?若き元帥にして、天下の名将レイナサマよ!……じゃなくて!まさかアンタ、裏切ったの!?」
真奈美「裏切る?何を言っているか分からないな」
真奈美「私は魔王コズエ様に仕える牙の四天王!我が心は、500年前からコズエ様と共にある!」
麗奈「こんのぉ……!勇者にボロックソに負けたアンタを拾ってあげた、アタシへの恩はどうしたのよ!」
真奈美「恩を仇で返すようで悪いが、私は野心の小さい者には興味がないのでね」
麗奈「なによそれ!?人類滅亡!地上制圧!これの何が不満なのよ!」
真奈美「大陸ひとつ滅ぼして満足?冗談じゃない!君は『輝く世界の魔法』を知っているか?」
麗奈「バカにしないでよ!人間だけが使える、よく分かんないフシギ魔法でしょ!そういえば、コズエはその使い手を集めてたんだっけ?」
真奈美「『輝く世界の魔法』!それは異世界の力を呼び出す奇跡の魔法だ!」
真奈美「コズエ様は、いずれ異世界さえも手中に収めるべく、その手がかりとなる『輝く世界の魔法』の使い手を集めておられたのだ!」
真奈美「なんという壮大な野望!いくら力が強くとも、破壊しか頭にない魔帝陛下には従えないな!」
麗奈「こいつ……!もういいわ!全軍転進!旅の扉まで戻って立て直すわよ!」
真奈美「おっとそれは困る。旅の扉の周りに魔物がいてもらっては、魔帝陛下を宇宙へ放り出す作戦に支障が出る」
真奈美「ただでさえマキノが少し先走ったせいで予定が押しているんだ。これ以上計画を狂わせようというのなら……」
真奈美「私を倒してから行くがいい」チャキッ
麗奈「アンタ……マジでアタマ沸いてんじゃないの?」
麗奈「この魔物の大軍勢を、たったひとりで足止め?サチコとかいうチビ勇者にも勝てなかったクセにチョーシ乗ってんじゃないわよ!」
真奈美「ふふ、たしかに彼女に負けたときはショックだったよ。鼻っ柱を折られるとはああいうことを言うのだろうな」
真奈美「だが、鼻っ柱は折れても牙は折れていない!死にたい者からかかってくるがいい!」
流石木場△
麗奈「強がっちゃって……いいわ!魔物ども!袋叩きにしてやりなさい!」
真奈美「……さて、私が立っているうちに魔帝陛下を打ち上げてくれよ、マキノ」
麗奈「かかれーっ!!」
「ひとりに大勢でかかるとは!悪役はすることが汚いな!!」
麗奈「!? その声は!」
光「正義の遊撃隊長、ヒカル参上!」
晴「すげー、何匹いるんだアレ」
雪美「……」コソコソ
清良「あらあら。お薬、足りるかしら?」
麗奈「ふん、アンタたちのことは知ってるわよ。ド田舎でニセ勇者やってたセコい連中でしょ」
光「そうだ、確かにアタシらはニセモノだった!だから今日!」
光「本物になりにきた!!」ジャキンッ
のあ「ありえない……こんなことはありえない。人間は互いに争うばかりの、弱く、愚かな存在のはず」
幸子「人間は成長するんです。千年前のままだと思っていた貴方の負けです!」
珠美「諦めて魔界に帰ってください。今すぐ軍を引き上げるなら、命まではとりません」
のあ「……そうね」
美玲「お、素直だな」
のあ「やはり……部下に任せては駄目、ね。私自ら手を下してこそ……真なる破壊が遂行できる」
のあ「はあああ……」
ゴゴゴゴゴゴ……
響「お、おい!やめるんだ!」
幸子「今度は何ですか!?」
響「魔帝のやつ、自爆するつもりだ!」
美玲「はぁッ!?」
のあ「私の中にある魔界の力……全て開放させて地上を焼き払う……」
のあ「大陸ごと消し飛ばしてくれるわ……!」
響「やばいぞ……30分、いや20分後には臨界だ!」
珠美「そんな……!」
のあ「そして喜びなさい……」
のあ「私の野望を妨げた勇者たち……貴様らには、一瞬で消し飛ぶような最期は許さないわ」
のあ「『愚民よ、こうべを垂れよ』」
幸子「なっ」ズンッ
美玲「し、シノの技とそっくりだ!重くて動けない……ッ!」
※シノ=柊志乃は前作の敵。幻術を得意とする幻惑の四天王です。カエデさんに消し飛ばされました。
のあ「動けずとも魔法は使える。爆発までの時間、我が魔法にて最大限の苦しみを与えてあげるわ」
珠美「ば、万事休すですか……」
のあ「嗚呼、やっと破壊できる……『灰となせ、炎よ』」
ほたる「させません!」バッ
ゴオオオオオオ!!
のあ「何!?」
ほたる「なんて熱……!でも、今までの不幸に比べたらこれぐらい!」
ほたる「『ミラー○ート』!!」ゴッ
のあ「くっ、裏切ったのかホタル……!」
幸子「! 魔法が解けた!体が動きますよ!」
小梅「ホタル、さん……!」
ほたる「思い出したんです!誰かの幸せのためにならいくら傷ついても構わない、聖騎士の心を!」
マキノ「勇者!これを使いなさい!」
幸子「マキノさんも!これは……空飛ぶ絨毯!まだ持ってたんですね!」
マキノ「それで魔帝を遠くへ飛ばすのよ!」
珠美「し、しかし、大陸を吹き飛ばすほどの爆発をどこへ持っていけば……」
美玲「そうだ!また魔界に放り込んじゃえばいいんじゃないか!?」
響「とてもじゃないけど、扉が耐えられないぞ……」
マキノ「空よ!空へ上がれば、少しは被害を軽減できるはず!」
マキノ「その絨毯のスピードでは、大した高さへは上がれないかもしれないけれど……」
輝子「宇宙まで…持っていければ、いいのに……」
幸子「宇宙……」ハッ
―回想―
晶葉「ふふふ……私はこれを『ミサイル』と呼んでいる!」
晶葉「後方に火を噴き出すことで鳥よりも速く飛び、中に詰めた爆薬でドラゴンよりも熱い火炎を浴びせる!」
晶葉「大型化すれば宇宙までだって飛んでいくこの兵器、このサイズでも人間ならひとたまりもないぞ!」
―回想終わり―
幸子「後ろに炎を噴き出して、宇宙へ……」
小梅「さ、サチコちゃん……?」
幸子「……コウメさん、悪霊の鍵を渡します。扉を必ず封印してください」
小梅「え?え?」
幸子「空飛ぶ絨毯!」フワッ
珠美「サチコ殿!何をされるおつもりですか!?」
幸子「説明している時間はありません!コウメさん!魔帝の重しになっているイカを外してください!」
小梅「……わ、分かった。みんな、お願い……!」
イカ「ワッショイ!!」パッ
幸子「ありがとうございます!さあ魔帝ノア!いっしょに来てもらいますよ!!」ガシッ
のあ「まだ破壊を拒むのね……無意味なことよ」
幸子「空飛ぶ絨毯よ、旅の扉へ!」
マキノ「西の扉から出なさい!まだマナミが粘っているはずよ!」
幸子「分かりました!」
輝子「さ、サチコ……!」
珠美「サチコ殿!」
美玲「サチコッ!」
幸子「皆さんお元気で!王様には、ライブツアーの代わりにボクの銅像を建ててもらうように伝えてください!」
幸子「いっけー!」
旅の扉「ミョミョミョミョミョ……」
―地上・大陸の西―
旅の扉「ミョミョミョミョミョ……」
幸子「地上に出ましたね!確かに周りに何もいません!空飛ぶ絨毯、上へ!!」ビュンッ
のあ「まもなく力が臨界に達し、地上は壊滅する……多少空高く上がろうと、運命は変わらないわ」
幸子「そうさせないためにボクが来たんです!『輝く世界の魔法』!」
グンッ
のあ「……なに?」
幸子「『輝く世界の魔法』!」
幸子「『輝く世界の魔法』!!」
幸子「『輝く世界の魔法』!!!」
グググンッ!!
のあ「加速している……魔法の反動を利用して……!」
響「ゆ、勇者!そんなことをしたらお前も……!」
幸子「ボクだってイヤですよ!でも、ボクはアイドルで勇者なんです!」
幸子「このまま宇宙へ!!」
ギュンッ!!!
―人魚島―
早苗「お、ここからでも見えるじゃーん」
早苗「打ち上げ成功かな?やったねマキノ、それに勇者」
―大陸の西海岸―
真奈美「……どうやら、ミッションは成功のようだ」
光「なんて輝きだ……」
麗奈「あ、あれは魔帝陛下!?キーッ!アンタたちとその装備さえ来なかったら間に合ってたのにー!」
光「ああ、この伝説の兜、鎧、盾がなければ危なかったよ。だが、勝利は勝利だ!」
晴「こんなスゴイもの、なんで本物の勇者たちはとらなかったんだろうな」
光「きっと、地上に残された戦士たちのために残しておいてくれたのさ」
光「どこまでも魅せつけてくれるじゃないか、勇者サチコ!!」
真奈美「ふふ、そういうことにしておこうか。しかし、脱出は考えているのか……?」
―地底―
珠美「そんな計画があったとは……」
マキノ「理屈で考えれば当然の結論よ。魔帝は強すぎて、力で倒すのは無理。だから地上の強者を集めて、魔帝の動きを止めてから宇宙に放り出すことにしたのよ」
マキノ「……結局いろいろ予定外のことが起こって、勇者だけで戦わせることになってしまったけれどね」
輝子「そ、それより、サチコは……?」
マキノ「魔帝といっしょに行ってしまったということは、宇宙まで行くにしても爆発に巻き込まれるにしても、あと数分で……」
春菜「そんな……勇者様が!?」
美穂「サチコちゃん……!」
歌鈴「ハァ、ハァ、間に合わなかったんですか……?」
美玲「うわッ!どっから出た!?」
春菜「魔物をひと通り蹴散らしたので、魔物が出てきた旅の扉を調査しに来たのです。貴方がたがいるとは思いませんでしたけど」
美穂「そ、それより、サチコちゃんを助ける方法はないのっ!?」
マキノ「人を呼び寄せるような魔法があればいいのだけれど……」
歌鈴「賢者の私でも、誰かを狙って連れてこられる魔法なんて知りませんね」
春菜「うぅ、勇者様に似合う最高のメガネを用意していたのに……」
小梅「……な、泣いてちゃダメ……。扉を…封印、しよう……?」
輝子「コウメ……?」
小梅「サチコちゃんに、任されたから…。必ず封印してって、頼まれたから……」
小梅「だから、だからぁ……うぅぅ……」
楓「諦めるのは早いんじゃない?」
珠美「カエデ殿!?いつの間に……」
美玲「な、何か方法があるのかッ!?」
楓「死霊使いさん。貴方に渡した資料に書いてあった魔法を、よく思い出して」
輝子「あの本…?へ、変な魔法ばっかりだったけど……」
小梅「え……?えっと……」
【セーラ】
移動魔法。一度会ったことのある人を、ランダムに呼び寄せることができる。
【オシャレダ】
特殊魔法。人探しの魔法。そのアクセサリーが一番似合う人を探して教えてくれる。
幸子「『トックン』というのは、2つの生き物を合成して、1つの生き物にする魔法です」
春菜「勇者様に似合うメガネをご用意して、お待ちしております!」
小梅「あ……!」
楓「ふふ、気づいた?」
小梅「せ、『セーラ』と、『オシャレダ』を、『トックン』で合成して……メガネに似合う人を、連れてくれば……」
美玲「サチコが飛んでくるのかッ!」
美穂「そ、そんなの無理です!『トックン』は生き物同士でしか使えないんですっ!」
歌鈴「まったく系統のちがう魔法を合成するなんて、聞いたことがありません……」
珠美「しかし他に方法もありません!駄目で元々、試してみましょう!」
美穂「で、でも……」
志希「いいじゃんいいじゃん♪やってみなよ!」
美穂「あなたは……?」
志希「え?あたしシキ。『トックン』を考えた人」
美穂「え、えええ!?あのシキ様!?」
志希「ほらほら時間ないよ~?開発者のあたしが言うんだからイケるって!」
美穂「は、はいっ!行きましょうコウメちゃん!」
春菜「はい、これが勇者様に一番似合うメガネです。どうか頼みますよ」
小梅「う、うん……!」
マキノ「こんなの、成功したら奇跡ね……」
ほたる「私は一生不幸でもかまいません……!だから神よ、今だけは幸運を……!」
小梅「い、行くよ……!」
小梅「……『オシャレダ』」
小梅「……『セーラ』」
美穂「……行きます!」
美穂「『トックン』!」
カッ
ドォォォォォォォォォォォン!!
美玲「ゲホッゲホッ!な、なんだッ!?」
珠美「上からの衝撃で砂埃が舞い上がったようです!魔帝が爆発したんですよ!」
輝子「間に合わなかった……?」
小梅「サチコちゃん……」
モクモクモク……
幸子「ひぃぃぃぃ!寒い高い寒い高い寒いいいいいいいい!!」ガタガタガタガタ
幸子「うぅぅ、やっぱりやめておけばよかったーー!」
幸子「誰かー!精霊様ー!カワイイボクが寒がってるんですよ!なんとかしてください!!」
幸子「爆発まであと何秒ですか!?うわぁぁぁぁん!まだライブもやってないのにーー!!」
幸子「…………」
幸子「……あれ?」
小梅「や……」
「「「やったーーー!!」」」
歌鈴「こんなことが可能だなんて……」
志希「え、できちゃったん?ゼッタイ無理だと思ったのに」
美穂「ええっ!?」
志希「まあいいじゃん♪結果オーライ結果オーライ!にゃーっはっはっは!!」
春菜「やはりメガネは世界を救うのです!このエピソードは、メガネの偉大さを示す逸話として、後世まで語り継ぎましょう!」
幸子「え?え?ボク、助かったんですか?」
輝子「お、おかえり、サチコ……」
小梅「よか、良かった……」グスッ
幸子「ふ、ふふーん!皆さん何を心配していたんですか?アイドルは不滅なんですよ!」
幸子「世界の意思がボクを助けてくれるって分かってましたから!ボクはぜんぜん怖くなかったですね!」ドヤァ
美玲「この状況であんなこと言えるってすごいよな……」
珠美「まあまあ、ちょっとくらい事実を曲げても許されますよ」
珠美「今日は、起こるはずのない奇跡が起こったのですから」
幸子「さあ、扉の封印です!鎖はありませんが、とりあえず閉じることはできるでしょう」
小梅「う、うん……!」
カチャ ガシャン!
まかいへのとびらが とざされた!
響「奇跡、か。そりゃ奇跡だよね。あんな魔法の法則とかムシしたこと、できるはずないもん」
響「ま、勇者は頑張ってたし、今回だけはサービスしといてやるさー」
響「さーて、扉を封印するための鎖を作り直さないと。10年くらいでできるかな?」
と、思ったよりも多く更新してしまいました。
本当はもう少し早く切って、エピローグまで完成させてから投稿するつもりだったんですが。
とりあえずここで切ります。今日中か、遅くともGW中には、エピローグを投稿したいと思います。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
次回の最終更新も読んで頂ければ幸いです。
乙。
ノーヒントで伝説の武具をほぼコンプする光ちゃんマジヒーロー
小梅ちゃんマジヒロイン
乙
お疲れ様です。
エピローグまで完成しましたので、投稿させていただきます。
まあ元ネタの仕様上、ごく短いものですが。
では、よろしくお願いします。
―中央の国―
―王城―
国王「よくぞ魔帝を倒した!心から礼を言うぞ!」
幸子「当然ですね!もっとボクに感謝してください!」
幸子「それで?ボクのライブツアーの準備はできているんですよね?」
国王「うん?何を言っとるんじゃ」
幸子「へ?」
国王「お主の願いは、自分の銅像を建てることに変えたんじゃろ?」
小梅「あ……」
幸子「そ、それは生きて帰れない覚悟を決めたからで……」
国王「残念じゃが、もう建ててしまったから変更はきかん。ほれ」ポン
輝子「フヒ、これは……」
ミニッチュ幸子・フルメタルエディション「フフーン」
幸子「さすがボク!デフォルメされてますますカワイイ!……カワイイですけど小さくないですか!?」
国王「うむ、被害を受けた地域への支援で、国の予算はカツカツなのだ」
国王「飢えている子どもたちに食糧を贈るための資金ならここにあるが、これでツアーやるか?」
幸子「できるわけないじゃないですか!早く贈ってあげてくださいよ!」
国王「ではそうしよう。まあ、精霊の鎖は10年ほどで完成するというし、その頃には復興も落ち着いてツアーができるじゃろ」
幸子「10年も待てませんよ!もういいです!ボクが本気でアイドル活動すれば、ワールドツアーぐらいあっという間ですから!」
幸子「そうと決まればレッスンですね。行きますよ!コウメさん、ショウコさん!」
輝子「え、私たちも?」
小梅「あ、アイドル、するの……?」
幸子「これからはユニットの時代です!タマミさんとミレイさんはまた旅に出てしまいましたから、ボクら3人で世界をとりにいきます!カワイイボクは流行にも敏感ですね!」
幸子「さあ!『カワイイボクと142's』、活動開始です!」
幸子(モノローグ)「こうしてボクらの2度目の旅は終わり、世界はまた少しだけ平和になりました」
幸子(モノローグ)「しかしこの数ヶ月後、予言書に記された大災害『晴マゲドン』が起こり、ボクらはみたび戦いに身を投じることになります」
幸子(モノローグ)「と、言っておけば今度こそ劇場版が作られたり、またSSまとめサイトに掲載していただけるかもしれないので」
幸子(モノローグ)「一応言っておく次第です」
幸子(モノローグ)「では、いつかまたどこかでお会いしましょう」
輿水幸子「勇者サチコと悪霊の鍵」
完
以上で完結です。
拙作ながらお付き合いくださった皆様、本当にありがとうございました。
小梅の誕生日記念SSだったはずなのに、気がつけば一ヶ月以上経過してこんなことに……。
なので、
『小梅ちゃんホラー映画主演おめでとう!記念SS』
ということにしようと思います。でも上位報酬とかむーりぃー。
ともあれ、こうして完結させることができてほっとしてます。改めてご支援ご叱咤ありがとうございました。
また、途中でアイドルの名前を間違えて投稿するというミスがありましたことを重ねてお詫び申し上げます。
次のSSは未定ですが、投稿することがあれば読んでいただければ幸いです。
乙!
そういえば、以前友達と議論になったのですが……
小梅の前髪に隠れた右目は、見えているのでしょうか?
私は劇場などの描写から見えている派なんですが、友達は見えていない派でした。
本SSは見えていることを前提に>>227のあたりを書いていますので、混乱された方がいましたらお詫び申し上げます。
その他、質問などありましたら受け付けますのでどうぞ。
乙
昔、前髪を伸ばして鬼太郎っぽい状態になってたことはあったけど、一応見えてたな
スダレ越しに見るような物で、外からは見えてないようでも、前髪は自分の目から近いからわずかな隙間さえあれば視界は少しはあると思う
それでもやっぱり見づらいからか、隠れてる方の目を瞑る癖が付いたけど
お疲れさまでした!楽しかった
小梅ちゃん、見えてるとは思うが
公式の演出ではあいまいなままかな
なんにしろ、穿った見方するなら、所謂障害と扱われる要素は盛り込まないはず
オシャレでやってるだけだしスダレ状になる髪の量が少なくなるように調整すれば見えるんじゃね
美玲ちゃんの眼帯もあるし見えなかった見えなかったで別に困る話でもない気もするが
こずえちゃんでちょっと騒がれたのに更にくるみを放り込んでくる運営のアグレッシブさには敬意を表したい
いいssだった、かけ値なしに
お疲れさまでした
小梅はきっと隠れてる目でだけあの子が見えるとかなんとかだよきっと
おお、予想外にたくさんの書き込みが……
少なくともこの場では、見えている派が多数のようですね。
見えている(意味深)派もいらっしゃるようですが。
貴重なご意見ありがとうございました。今後に生かして……生かせるかなぁ?
このSSまとめへのコメント
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