ほむら「まどかが……まどかじゃ無い!?」(75)


>>1はこの手の掲示板に投稿するのは初めてです。

なので、思わぬ事故を起こすやも知れません。



これは、まどか★マギカ及びおりこ★マギカの二次創作です。

テーマは、第三者視点で観る…………おっと、この先は後程。



最後に、更新速度は期待しないで下さい。


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うわキモッ


もう、何度目になるだろうか? 早乙女先生の「目玉焼きに見る男女の交際講座」の後、『馴染み』の教室に『初めて』入る。
転入の挨拶と自己紹介もそこそこに済ませ、「何時もの席」に座る親友の姿を捜す。

「…………」

「!」

眼が逢った瞬間、彼女は柔らかに微笑む。

ああ! なんて愛らしいの、私のまどか!! 

前回の、驚き怯えた様な仕草と表情に少なからず心を傷めただけに、その破壊力は通常の三倍は固いわ!! 



……等と、私が恍惚に浸っていると、彼女の隣に座る二人の女子生徒……美樹さやかと志筑仁美……が、驚きの表情と共に小声で話し合う。

「うわ、まどかの言った通りになったよ」

「今朝まどかさんの仰ってた『新たな出逢い』とは、この事でしたの?」

!!

生来なら聞き取れない距離。でも私には、魔力で強化した聴力がある。

今、志筑仁美はなんと言った? 

まどかが言ってた新たな出逢い?

それはまるで、まどかが私の転校を知ってたみたいじゃない。

今も、先日まで私も入院していた病院に入院している、美樹さやかの幼馴染みで想い人、上条恭介経由で転校前に知り合った時間軸もあったが、今回は違う。

念の為にと視力を強化、まどかの手元を注視するも、ソウルジェムは見付けられなかった。

「どういう事よ」

私の呟きは、教室の喧騒に呑み込まれた。



休み時間になり、私を質問攻めにしてくる女子生徒を適当にあしらっていると、こちらに近付く気配があった。まどかだ。

「暁美君、そろそろ薬の時間では無いかね? 良ければ保健室まで案内しよう」

??? まどかって、こんな娘(キャラ)だったかしら?

「え……ええ、お願いするわ、鹿目さん」



そして保健室までの道中、私はまどかに、大切なモノがあるなら今までの自分とは違う自分になろうとしない様、忠告する。

そんな私に、彼女は「それは違うな」と断じる。

「大切だからこそ、変わって逝くんだ。変わらない為に。俺の大切なモノを、他の誰でも無い、俺が護る為に」

「お……俺!?」

今回のまどかは、話し方と良い、一人称と良い、随分と男っぽいわ。

思わずすっとんきょうな声をあげてしまった私に、まどかは「そうだ」と声を掛ける。

「良かったら、お昼を一緒にどうかな? 屋上に良い場所あるんだ」

「ええ、良いわよ」

まどかからお昼(デート)のお誘い! これを断るなんて、そんなの私が赦さないわ。



まどかに誘われやって来た屋上での昼食は、やはりと言うか案の定と言うか、彼女と仲の良い二人、美樹さやかと志筑仁美も一緒だった。

この四人でお昼を食べるのは、随分と久し振りな気がする。

「いやー、しっかし、驚いたよね。今朝のまどかの変わり様ときたら」

「はい。それに……」

美樹さんの言葉に相槌を打った志筑さんが、遠慮がちにこちらを見る。

「まさか本当に、まどかさんが仰ってた様に『新たな出逢い』があるとは思いませんでしたわ」

「あれって、あんたの事だったんだね、転校生」

「? 話が見えないわ。説明を要求して良いかしら?」

美樹さんの言葉から察するに、まどかの振る舞いは今朝まではこんなでは無かったらしい。

「うーん、何て言ったら良いかな? 転校生は知らないだろうけどさ、まどかが昨日までとは別人みたいになったとおもったら、登校中にこう言うのよ」

……今日、新たな出逢いがあるだろう……

「何を申してるのか解らないとは思いますが、わたくし達も解りませんわ」

確かに、友人の性格が変わり、更にはそんな意味深な事を言われたその日に転校生……私……がやって来たら、何らかの因果関係を疑うだろう。

でも、昨日までとは別人みたいに……。何か悪いモノにでも取り憑かれて無ければ良いのだけど。



と、ここで、今まで黙々と箸を進めていたまどかが、唐突に切り出す。

「処でさ、皆は、『どんな願いも叶う魔法(力)、欲しくない?』って訊かれたら、どうする?」

何時だったか、巴マミが潜んでいた尖塔に視線を向けながら。



どんな願いも叶うチカラ

それはまるで、あの憎き地球外知的生命体の甘言を思わせた。




どんな願いも叶うチカラ、欲しくない?



そんな言葉と共に始まったまどかの語らいに、あたしと仁美は不思議と魅せられていた。

転校生は……何故か不機嫌そうに眉間に皺をよせる。

? 嫌な思い出でもあんの? 



「その代り、魔法(力)を手にした者には戦士になって貰う。人を喰らう怪物と戦い狩る戦士に」

「うわぁ、なんかそれって、正義の味方っぽくってカッコいい」

「だけどね、戦士は怪物を食べないと自分を保てないの。それも成長しきった、オトナの怪物を……。ああ、『食べる』とは抽象的表現だが、だからと言って閲覧規制なコトでもない」

「自分を保てないとは、どういう事ですの、まどかさん」

「異形へと変わり、チカラが暴走、誰彼構わず襲う様になる。その姿を見た者は『それ』をこう呼ぶ。怪物」

「その言い様だと、オトナの怪物さえ食べていれば、異形に変わったり暴走したりしないのよね?」

「ああ、だから、自分が人を襲いたく無かったら、子供の怪物はある程度見逃し、成長するのを待たなければならない。勿論、犠牲者は出る」

「!! そんなのって、ないよ」

「あんまりですわ……護りたいなら見殺しにするしかないだなんて」

「……………………」



「…………と、この様な基本骨子を元に話を創ろうと思うのだが、君達、絵心はあるかね?」

まどかの悪戯っ子な笑みに、あたしと仁美は揃って脱力。

「お……お話を創るって、まどかさん、漫画でも描くつもりですの?」

「行く行くは、銀幕で世界のハートをガシッとキャッチ鷲掴みだ。勿論、音響はカミジョーで」

まどかの眼は、猛禽の如く光っていた。

そんでもって、何でそこで恭介の名前が!?


まどかに誘われての昼食は、まどかの変化にこそ戸惑ったものの、私にとって実に有意義だった。

まるで、魔法少女と魔女の事を連想させる、まどかが語った戦士と怪物、そしてチカラの暴走。

今にして思えば、そのまま話すのでは無く、こうやって、単語(キーワード)を他のものに置き換えて話せば良かったんだわ。

私って、本当に馬鹿ね。

「転校生、何でこっち見んのよ」

「他意は無いわ」

不意に、前を歩いている人魚騎士……もとい、美樹さんが振り向く。

どういう訳か彼女、勘が鋭いのよね。しかも、余計な事に限って。

まどかの事さえ無ければ、そういった呪いを撒き散らす魔女がいないか、調査討伐したいところだわ。



閑話休題

今私達は、まどかと美樹さんの案内で、見滝原の商店街を歩いていた。

志筑さんは、お稽古事があるとかで、先程お別れした。

「ここが五郷(いつさと)駅。遠出をするなら、先ずここだな」

「よーし、次は、さやかちゃんお奨めのコンビニに、ご案内しちゃいますからね」

「ええ」

まどかが施設や場所の紹介、美樹さんが次の目的地を決める。大体がそんな感じだ。

いつもの時間軸なら、まどか達はショッピングモールにいて、私はインキュベーターを駆除しているのだけど、この行動が今後にどう影響を与えてくれるかしら?

出来れば、巴マミは兎も角、インキュベーターには遭わずに済んで欲しい。



そんな私の願いは、悪い方に打ち砕かれた。斜め上に。

私達と同じ制服に身を包んだ、黒髪の少女が落とし撒き散らしたお金の回収を、まどかと美樹さんはさも当然の様に手伝う。
そこへもう一人、まどか達と同じ様に助け船を出そうとした白銀の髪の少女が、私と同じ様に硬直する。

何で……何で彼奴がここにいるのよ!! 美国織莉子が!?

いつかの時間軸の様に、まどかの命を狙って? ……とも考えたが、どうも様子が変だ。

まさか、これは偶然の出会いだとでも言うのだろうか?

「こっちは終わったよ、まどか」

「俺も」

「こ……これで全部かしら?」

美樹さんとまどかの声に漸く我に返った美国織莉子も、自身が回収したお金を黒髪の少女に渡す。

「う……うん」

「また逢おう」

躊躇いがちに礼を言う黒髪の少女に、まどかは微笑みを向ける。


と、その時、不意に美国織莉子が何かを探る様に視線を走らせ、それに一拍遅れてまどかの視線が険しくなる。

「あ……あの……」

何か、まどかの怒りを買う様な事をしただろうか。

そんな表情を浮かべながら、黒髪の少女は躊躇いがちにまどかに訊ねる。

「君は悪く無いさ」

そう、彼女は悪く無い。悪いのは……私の耳にも届いた声の主。

「唯、空気を読めない災難な悪魔が救援要請を出してきたんだ」

インキュベーターだ。

「まどか、あんたが何言ってんのか、全然訳解んない」

美樹さんの批判は、ある意味正しい。

『……助けて、まどか。…………マミ、織莉子、近くにいないのかい? えーい、この際誰でも良いから、救援要請!!』

先程と違い、美国織莉子とまどか、そして私だけで無く、今度は黒髪の少女と美樹さんにも聞こえたらしい声さえ無ければ。

「!? 何、この声!?」

「!? 呼んでるよ、まどか。助けに行かないと」

「他にも呼ばれたぞ。……まみとおりこ、だったか?」

「織莉子は私です、まどかさん」

「では参るか、織莉子」

「私としては、お奨めしかねます」

さも当然の様に、織莉子と共にインキュベーターの元へと向かうつもりのまどかを、織莉子は行かせまいとする。

良いわ、その調子よ美国織莉子。今だけは、私は貴女の味方よ。

「そうよ。何があるか判らないのに」

私は大雑把に大体知ってるけど。

「嫌な予感でもする? 俺も」

不敵な笑みを浮かべるまどかを先頭に、私達はコンビニを後にした。

「まみにも逢えるかな?」

「逢えますわ、必ず」

「わ……私も行くわ! まどかを危険な目に遇わせる訳には行かない!」

結局、五人で行く事になった。


私とまどかさんを先頭に、ほむらさんを殿(しんがり)に、人気の疎らな路地に私達は駆け込む。

そこに、『それ』はいた。

白を主体としたイタチの様な長い体に、キツネを思わせる太く大きな尻尾。ネコのそれに似た耳からは、垂れたウサ耳と言われれば納得してしまいそうな触手が伸びる。

「キュゥべえ!? アナタ、大丈夫なの?」

『ああ、織莉子か。助かったよ』

弱々しい声が、脳裏に響く。

彼の姿は、傷だらけで酷い有り様だった。

「な……何なのよ、ソイツ!? 縫いぐるみ……じゃ無いよね。生き物? ……てか、今喋った!?」

驚きを隠そうともせず、一気に捲し立てるさやかさん。

その傍でほむらさんは、キュゥべえに苦々しい表情と共に殺気の籠った視線を注ぐ。

「!」

『私』の眼に映る情景が、DVDの早送りの様に変化する。

「チッ!!」

思わず身構える私へと、ほむらさんの剣呑な、そしてさやかさんとキリカさんの怪訝な視線が集まり、まどかさんは舌打ちと共に手近な金属棒を蹴りあげ手中に納める。



世界が揺らぐ。否、浸食される。



「な……何なのよ、コレ」

さやかさんとキュゥべえを抱いているキリカさんは、互いに抱き合う様に身を寄せ合い、まどかさんは先程入手した金属棒を構える。

そんな私達の周囲を囲む様に、髭を生やした綿毛が鋏を手に行進。何処かで見た絵画や彫刻が並び、そして最奥に凱旋門が見える。

「何だ、この組み合わせ」

「魔女が……二体同時に!?」

「だから、お奨めしかねますと言いましたのに……」

あの時、私が後ろ向きな意見を言ったのには、勿論、世界を滅ぼす最悪の魔女になる可能性を秘めた鹿目まどかと、キュゥべえを接触させない為でもある。

でもそれ以上に、ほむらさんが驚愕の表情で口にした様に、魔女二体と同時に戦う未来を『視た』からだ。

私とほむらさんで一人一殺という展開も、或いはあったかも知れない。

「大丈夫よ、まどか。貴女は私が護るわ」

「なら、さやかさんとキリカさんは私の受け持ちかしら?」

未だ魔法(チカラ)を持たぬ一般人さえ居なければ。

三人には悪いが、護りながら戦って倒せる相手ではない。

「今度はほむらと織莉子さんが変身した!? 今朝のまどかの人格変化に始まって、人の言葉喋る謎生物に不思議空間と気味悪いお化け。そして極めつけがコレ。今日は一体、何なのよ!!」

「おおっ!!」

私とほむらさんの変身を目の当たりにして、さやかさんは混乱の極みとばかりに吼え、キリカさんは羨望の眼差しを私達に向ける。


私の『眼』にはもう一人、魔法少女がやって来る未来(姿)も『視える』のだが、確率が低いのか、朧気だ。

「まみって奴の登場を待ちながら護りに徹して時間稼ぎ……てのが妥当か」

しかし私の眼に映る(視える)その像(姿)は、刻が進む毎に着実に確固たるものへと変化してゆく。

ならば、まどかさんの作戦が最良だろう。

「逃げれる隙が出来たら、その時は逃げるべきよ!」

腰だめに構えた機関銃を掃射しながら、ほむらさんは銃声に負けじと声をあげる。

あれ、昨日映画で観たのとそのままなんだけど……まさか、ねえ。

「それで行きましょう。……とは言え、後数分の辛抱です」

私も、呼び出した宝珠をぶつけ応戦。

それすら掻い潜り、懐に飛び込んできた綿毛に、まどかさんのカウンターを狙った薙ぎ払い。

「シィッ!!」

まどかさんは、流石は最強にして最悪の可能性を秘めているだけあるのか、それとも元からの技巧(スキル)なのか、契約前だというのなかなかやる。



「! 来ました」

私の言葉に併せ、ほむらさんのそれとはまた違う、銃声が結界内部に響いたかと思えば、一帯の使い魔が一掃される。

「あら、その制服、見滝原中学よね。二年生? 呉さんも、もう大丈夫よ」

「君は……」

現れたのは、特殊を体現する螺旋な髪型をした金髪の、ウエスタン風の衣装を身に纏った魔法少女。

「酷いわね、クラスメイトの顔を忘れるなんて。ちゃんと学校に来ないからそんな事になるのよ」

彼女の言い分から察するに、どうやら、彼女とキリカさんは同じクラスの様だ。

「貴女以外の他の皆の為にも、先ずは自己紹介……と言いたいとこだけど、その前に……」

最奥に聳(そび)える凱旋門を一瞥、指を弾く。

その音が響くと同時、虚空に魔法陣が揺らぎ、そこから二十を超えるのマスッケトライフルが宙に姿を現す。

「一仕事、終わらせちゃって良いかしら?」

答えを待つより早く、マスッケトライフルが一斉に火を噴く。

本日はここまで

おりこサイドは兎も角、まどかサイドは記憶だけが頼りなので、違和感全開です。

これはキモい

ノリがキモイ
コピペ狙いっぽくてキモイ
-114514点

期待

また糞スレマンセー末尾0が沸いたか

注意書き()しか読んでないけど臭そう
本文読まずに後書きだけ期待しときますね^p^

面白いと思う
ただ誰の視点なのか分かりにくいな

>>17氏の指摘を受け、ちょこっと修正

それじゃ、始まるヨ!


Side:マミ

あの日魔法少女となって以来、毎日の日課となったパトロールの最中、魔女の気配を追っていると、キュゥべえからの救援要請(テレパシー)を受けた。

聞こえた限りでは、私の他にも、『まどか』と『おりこ』と呼ばれる魔法少女(娘)にも助けを求めたみたい。

確かに少しばかり距離があるとはいえ、魔法で強化した脚力に、十五年間培った土地勘が加われば、二分と掛からない。

何を焦っているのかという疑問は、魔女の結界に突入して解けた。

使い魔と戦う、白と紫、二人の魔法少女と、見滝原中学の制服そのままな女の子。

更に、満身創痍なキュゥべえを抱いた青毛の女の子と、不登校気味のクラスメイト呉さん。

そして、凱旋門と、複眼に薔薇が咲く蝶の翅を生やした芋虫……二体の魔女がいた。



二度目のマスッケト銃の掃射で、呉さん達を取り囲む使い魔の粗方を一掃した時、棒を振り回している桜色の髪の小柄な女の子が、声を掛けてきた。

「なあ君達、俺はそこいらの調度品に見覚えがあるのだが、気のせいかね?」

確かに言われてみれば、結界を飾る絵画やオブジェ、モニュメントの姿をした使い魔は、誰もが知る美術品ばかりだ。

「確かに。あれは…………かしら?」

「消えた!!」

白い魔法少女がオブジェの正体を言い当てると、呉さんが言う様に、霞みとなって霧散した。

「そこにあるのは…………ね」

続いて、紫の魔法少女が言い当てると、やはりモニュメントは溶ける様に消えた。

「ならあれは、…………の背景に…………ね」

私も絵画を指して正解を言い当てる。そのままでは無い複合作品だから多少の不安はあったけど、これも消えた。



正体を言い当てると消える作品使い魔、そして魔法少女三人分の火力で、使い魔は完全に一掃された。

残るは二体の魔女だが、何となく、作品使い魔は凱旋門が生み出したのではないかと、そんな気がした。

「贋作で戦おうというなら、穂群原のブラウニーを見習いなさい」

「模倣そのものは間違いなんかじゃ無いさ。それが、自分の力で辿り着いた研鑽の賜物なら」

凱旋門に言い切る白い魔法少女に続き、桜色の女の子も言葉を紡ぐ。

本来形を変えない筈の凱旋門が動揺した様に見えたのは、果たして気のせいか、それとも魔女故か。

「それじゃ、そろそろ決めるわよ」

私は胸元のリボンを紡ぎ、大砲ほどもあるマスッケト砲を生成。それに呼応するかの様に、宝珠の動きが激しくなり、薔薇蝶を凱旋門の近くへと追い詰める。

「そこで良いわ。ティロ・フィナーレ!」

言霊と共に引き金を絞る。

結界全体を揺るがす程の砲声が響き、二体の魔女を纏めて貫いた。


Side:ほむら


二体同時に現れた芸術家の魔女と薔薇園の魔女は、巴マミのティロ・フィナーレと美国織莉子の水晶爆撃によって仲良く倒された。

特に、芸術家の魔女を倒せたのは、その使い魔が贋作だと見抜いたまどかの功績が大きい。

やっぱい私のまどか、最高だわ。



そして魔女が倒れた後、巴さんは魔法で取り出した紅茶を優雅に一服。

いつも疑問に思うのだけど、あれ、何処に携行しているのかしら? 巴さんは私の盾みたいな、マギカ収納グッズは持ってない筈だけど。

程無く結界も解け、最初より少し離れた路地裏に戻る。



……と、ここでまどかが巴さんの元へおもむろに近付き、拳骨一発。

「!! 痛ったぁい!!」

「ま……まどか!?」

いきなりの事でノーガードだったのだろう、まどかの拳は巴さんの脳天にクリティカルヒット。美樹さんも驚きの声を上げる。

「な……何するのよ、いきなり」

「何するのよ、では無い。世界の浸食から抜け出せた訳では無いのに、何呑気に茶など飲んでる」

涙目と化した巴さんの抗議をまどかは一蹴。

「え……? で……でも魔女は二体共倒したし……」

「それが、油断を誘う為の欺瞞だとしたら? 快復力が異様に高い魔女かも知れないし、別の魔女が強襲して来る可能性だって捨てきれないわ」

そこに美国織莉子も加わる。

「良いかね、武の世界には『残心』と言うものがあってだな……」

「そこに直りなさい。たっぷりと、御説教してあげます」

「……………………」

斯くして巴さんは、まどかと美国織莉子のありがたーーーいオハナシを聴かされる事となった。

「ごめんなさいゴメンナサイ、ゆるしてくださいユルシテクダサイ、もうしませんモウシマセン」

最後の方になると、巴さんは譫言の様にぶつぶつと呟くだけとなった。

流石に、あれは可哀想ね……。


Side:織莉子



「……で、キューべーだったか? 君、何で襲われてた?」

今気付いたかの様なまどかさんの問い掛け。その呼び間違いを、キュゥべえは即座に訂正。

『違うよ、僕の名前はキュゥべえ。鹿目まどか、美樹さやか、呉キリカ、僕は君達に御願いがあって来たんだ』

まどかさんの疑問を華麗にスルーし、キュゥべえは本題に入る。

おそらくだけど、キュゥべえが魔女に襲われていた理由は、自身を窮地に立たせまどかさん達の同情を誘い、契約を容易にする為だろう。

「な……何であたしらの名前を!?」

「……何?」

「? 助けて、では無いのか?」

『うん。僕と契約して、魔法少女になってよ』

つい一週間程前に私も聞いた、キュゥべえ曰く、魔法少女の契約をするにあたり、交渉を始める時の決まり文句。

「駄目よ、魔法少女だなんて!! そいつと契約したら最後、総てを喪い、身を滅ぼす事になるわ!!」

途端、大きな声をだして契約を思い止まらせようとするほむらさん。

私としても、倒せない魔女の誕生を阻止する為にも、まどかさんが魔法少女にならない事は望むべく処なので、助言する。

「そうね。ポスターのキャッチコピーじゃないけど、その契約、本当に必用なの? 私としても、安易に契約するのはお奨めしないわ」

とは言ったものの、即断を阻止出来た以上の意味は無い。

「その辺の事を説目する為にも、皆、これから私の家に来ない?」

何故ならここに、私とほむらさんとは違って、キュゥべえとの契約を肯定する魔法少女がいるのだから。


Side:ほむら



魔法少女について説明したいという事で、私達は巴さんのマンションに呼ばれる事となった。

ここに呼ばれるのは、随分と久しぶりな気がする。

そして、美国織莉子と呉キリカが一緒なのは、間違い無く初めてだ。



そして、キュゥべえと契約して魔法少女になれば、どんな願いも叶うとい処で、早速美樹さんが食い付く。

「それじゃ、金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか……!?」

「マンカン……?」

よく解ってない呉キリカは置いといて、契約と同時に産み出される魔法少女の力の源にして本体、ソウルジェムの紹介と説明、そして今回は、グリーフシードの使い方も併せて行う。

「それじゃ、ほむら……は転校生だからこれからだけど、織莉子さん達はここ見滝原を護る、正義の魔法少女って訳ですね?」

目を輝かせ興奮気味の美樹さんに、美国織莉子は苦笑を浮かべ訂正。

「私は見滝原に住んでる訳でも、見滝原だけを護るつもりも無いのだけど」

「え? それじゃ、美国さんは何処に……と言うか、何で見滝原に?」

「夢は大きく、私が世界を救世を成し遂げます」

巴さんの疑問を巧みにはぐらかし、尊大な事をいってのける美国織莉子。

『以前』も彼女は、未来を視る力を手に入れ、世界を滅ぼす魔女となる可能性を秘めたまどかの抹殺を謀っていた。

言動から察するに『今回』も能力は変わっていない。なら、近付いて来たのは何の為……? 



と、私が疑念を抱いていると、まどかがキュゥべえに訊ねた。

「処でよ、祈りから産まれ、希望をもたらすのが魔法少女で、絶望から産まれ、呪いを撒き散らすのが魔女だと言ったな?」

『そうだよ。訂正する程間違ってはいないね』

「それじゃ訊くが、『世界を破壊したい』なんて俺が願って、その願いが叶ったら、その時俺は、呪いから産まれ絶望をもたらす存在……つまり魔女って事で良いのかな?」

「「「「「!!!!」」」」」


本日はここまで

へこたれずに頑張って活きます

頑張れ
俺は楽しみにしてる

う~ん…なんか…
読んでると、まどかが某紅茶さんに見えてきた。

>>1の前書きがなけりゃ良かったんだがな

くさい(確信)

今回は、魔法少女講座後半

そんな訳で、はじまるヨ♪


Side:織莉子


世界の破壊をキュゥべえとの契約として持ち掛けるまどかさんの言葉に、本人とキュゥべえ以外の皆が息を呑む。

さやかさんとほむらさん、そしてマミさんの三人が、どういう事かとまどかさんに詰め寄り思い止まらせようとするなか、キュゥべえもまた、まどかさんにその真意を確かめるべく声を掛ける。

『中々面白い発想だね。確かに、出来るか出来ないかで言えば、素質にも因るけどそれは可能だよ。鹿目まどか、君は世界の破壊を望むのかい?』



私が魔法少女と成り、得た、未来視の魔法で初めて『視た』、世界を滅ぼす誰にも倒せない魔女。

その正体が鹿目まどかである事を、私は『識って』いる。

当初は、魔法少女としての素質が魔女の力に関係しているのかとも考えたが、契約時の願いも影響を与えるのだろうか?



「否。ただ、君がどんな願いでも……などと言うものだから、確かめたかっただけだ」

「よかったー。まどかったら脅かさないでよ、全く。ほむらと織莉子さんじゃ無いけど、その契約だけはさやかちゃんも反対だわ」

「私は、どんな契約も反対よ。魔法少女になれば、破滅しか無いわ」

安堵の溜め息を漏らすさやかさんと、頑なに魔法少女にさせまいとするほむらさん。



「確かめたい事は他にもある」

『なんだい? 何でも訊いてくれ。僕に答えれる事なら、可能な限り答えようじゃないか』

「魔法少女の力の源であり契約の証でもあるソウルジェムは、魔法を使うごとに穢れ、浄化するには魔女の卵であるグリーフシードを使うしかない。そしてグリーフシードの数は限られている。故に、魔法少女同士のいさかいも珍しく無い。……だったな」

「ええ。悲しい事だけど、事実よ」

まどかさんの事実確認に、ここ見滝原で長らく魔法少女として魔女と戦ってきたベテラン魔法少女、マミさんが頷く。

「キュゥべえ、君の願いはなんだ?」

『僕の願い、かい? 何故そんな事を訊くんだい?』

キュゥべえの疑問は尤もだ。但しそれは、魔法少女の末路を知らぬ者の発想でしょうけど。

「契約とは、双方が互いに求めるモノを提供しあいそれを交換する事で行われる。キュゥべえ、君は奇跡を起こし、戦う為の魔法(チカラ)を与え、その代価として何を得る」

「まどか?」

何を言い出すのかとばかりに、さやかさんはまどかさんを見る。他の皆も。

「俺も、当初は魔女の殲滅を目的とした戦力増強が目的かとも考えた。だが、その結末の先に起こるのは、ソウルジェムを浄化するすべを、グリーフシードの供給源を喪うという、魔法少女にとっての死活問題だ」

「確かに……」

皆の胸中を代弁するかの様に、キリカさんが頷く。



「これは俺の素人考えだが、ソウルジェムの穢れが臨界を超え魔力が尽きた時、魔法少女に何かが起こるんじゃないか? そしてその果てに、或いはその過程で生じるナニカ、それがキュゥべえ、君の求めるモノでは無いかね?」

『な……ななな…………何故それを!? おいおい……否!! いやいや、君の洞察は素晴らしいね。よ……よくそ…………それだけの僅かな情報でそこまで辿り着いたものだ。だ……だだだ…………だけど、憶測でひとを貶めるのは良くないよ』

「あなたはひとじゃ無いでしょ、この淫獣」

誰にも語っていない真実をまどかさんに言い当てられ、動揺丸出しで憤慨するキュゥべえに、ほむらさんの冷徹なツッコミが炸裂。

それを見てキュゥべえは、耳の触手でテーブルを叩き、我が意を得たとばかりに捲し立てる。

『ほらごらん。君の不用意な発言のせいで、暁美ほむらの僕に向ける視線が、台所の黒い悪魔を目撃した時の目と一緒だよ。隙あらば僕を殺そうと狙ってる。一秒でも早く抹殺しようとしている。在る事が我慢ならない目をしている』

「それは最初からな気が…………」

キリカさんのツッコミも的確すぎて、私とさやかさんは揃って頷くしか出来ない。マミさんは、なにやら複雑そうな表情だ。

「ほむら、織莉子」

「「何かしら、まどか(さん)」」

まどかさんの呼び掛けに、ほむらさんと私は揃って意識を向ける。

「!!」

「……………………」

途端、ほむらさんの私に対する敵愾心が増した。

出逢った時から警戒されている事は解っていた。何せ私は、彼女の友人の命を狙っているのだから。

でも、今のはそれとはまた違う気がする。

まるで……そう、嫉妬ね。


Side:ほむら



私と同時に、美国織莉子までもがまどかの問い掛けに反応したのは気に入らないけど、その事は放っておいて、今はまどかの質問に答えましょう。



それにしても、『今回のまどか』は鋭すぎるわ。

インキュベーターは相変わらず言葉巧みにはぐらかし、私を含めて誰も、ソウルジェムの秘密とグリーフシードの真実にも触れていない。

にも関わらず、まどかの語る推論は核心に迫っている。



「君達はソレが何か知っている。そして、それはとてつもない付随被害をもたらす。事態を阻止するには契約を結ばせないのが確実かつ安全であり、故に妨害活動を行っている。違うかね?」

「ええ、そうよ。だからこれ以上、魔法少女には殖えてほしく無いの」

「でも、私も長い事魔法少女をやってるけど、そんな話聞かないわ。キュゥべえは勿論、他の魔法少女からも」

まどかの言葉に頷く私に、巴さんが反論する。が、そこは私のまどか、すかさずキュゥべえを一瞥すると共に口撃を放つ。

「それは、そこに至るまで生き残った魔法少女がいないか、極めて稀だからだろ? ま、だからこその『魔法少女』なのだろうが」

「? どゆこと?」

一人納得のまどかについて行けず、疑問符を浮かべる美樹さん。呉キリカも同じ様に首を捻っていたが、ややあって結論に至る。

「魔法少女は、大人になるまで長生き出来ない?」

『魔法少女だってちゃんと大人になれるよ。それに、魔法少女の姿で契りを交わせば相手の魔力を分けて貰う事が出来るんだ』

「キュ……キュゥべえ……! ////」

「お……女の子の前で何て事言うの! ////」

「これだから淫獣は……」

「////////」

「? えっと……何? なんでマミさん達は顔紅くなってんの?」

「さやかちゃんは、美樹さやかのままでいれば良いんだよ」



『? 訳が解らないよ。それと、確かにまどかがいう様に、長生きする魔法少女は稀だね。参考までに、魔法少女の初陣での戦死率は世界平均で88.98%だ。因みにこれは、事前の知識無しに単独で魔女と戦った場合の数値だよ』

この数値は、『長い間戦ってきた』私も初めて知った。

魔法少女の多くは、ソウルジェムが濁りきって魔女へと変わる前に魔女との戦いで死ぬとは聞いていたが、初陣の戦死率がこんなに多いなんて。



「あんた! そんな恐ろしいものにあたし達を勧誘しようとしてたの!?」

『先週契約したばかりの織莉子は兎も角、経験豊富なベテランのマミもいるし、彼女の指導を受ければ問題無いと僕は思ったんだけどな』

衝撃の事実に眼を見開く美樹さんと、だから問題は既に解決済みだろ? とでも言いたげなインキュベーター。


「ああ、経験と言えば、キュゥべえ。君は何故、現役のほむらや織莉子達では無く、先ず始めに俺に助けを求めた? 資格有る者の存在は感知出来ても、魔法少女の所在までは判らない、とでも言うのかね?」

『そんな訳無いじゃないか。僕達は契約した魔法少女、それから、出逢った魔法少女候補の女の子の動向と居場所、全て把握しているよ』

「まるでストーカーね」

「? それって、巴よりも鹿目の方が頼れるって事?」

まどかの当て推量に対し憤慨するインキュベーターに、私のツッコミと呉キリカの疑問が向けられる。

「成る程。つまりそれだけ、俺が破格という事か」

『そうだね。マミも織莉子も決して弱いとは言わない。けど、それでも鹿目まどか、君には及ばないんだ』

「キュゥべえの裏切り者……」

誤解を誘う事はあっても嘘は付かないインキュベーターの発言に、頬を膨らませてむくれる巴さん。

確かに、長年魔法少女として魔女と戦ってきた自分よりも、見知らぬ候補者の方が頼りになると言われれば、嫉妬もするだろう



「だから、俺を契約させる訳にはいかない……か」

「ええ、私の魔法は未来視。そして私は『視た』わ。見滝原に現れる魔女の郡体を魔法少女になったまどかさんが一掃して、そしてその結界、魔力の尽きたまどかさんが世界を滅ぼすのを」

「まどかはそんな事しない!!」

美国織莉子の言葉に、怒りも露に憤慨する美樹さん。やはり彼女は、『どの時間軸』でも友達想いの良い人だ。

「美樹さやか、これは本人の意志でどうこう出来る問題じゃ無いの。だから巴マミ、美国織莉子、貴女達も、ソウルジェムの状態とグリーフシードのストックには気を付けなさい」



「さしずめ、穢れた魔力の暴走、か……。ま、御約束だな」

「鹿目、これはアニメやマンガじゃ無いんだから」



>>25

穂群原のブラウニーは紅茶の昔の渾名


>>25

穂群原のブラウニーは紅茶の昔の渾名



そんな訳で、今回はこれにて


連投事故……orz

挫けるな、私

うわーU1だー
わかりやすく言うと10年くらい前のエロゲSSにありがちだった厨2捏造設定主人公だー


うわぁ……


口撃的な観想が多く心が病みー

そんな訳で? ハジマルよ♪


Side:キリカ



今日は不思議と、早くに目が覚めた。私にしては、まともで健康的な起床時刻だ。

(……昨日は、色んなことがあったな……)

珍しく他人に優しくしてもらって、未確認生命体から救援要請を受けて、魔法少女と魔女の戦いをしって、それから……

コンコン……♪

「?」

気付けば、窓を叩く音が聴こえる。何だと思いカーテンを少しばかり開けると……

「よ♪ お早う、キリカ」

『やあ、キリカ』

窓の向こうに、昨日、私と一緒に不思議体験をした後輩の一人がいた。

頭の上に、タレパンダな格好の未確認生命体を乗せて。……というより被って。

「……鹿目」

私の部屋、二階なんだけど……。

「いやー、コイツが何か俺に訴えて来るのよ。『頼むで、登ってちょ』……ってな」

私が窓を開けて、鹿目の第一声がそれだった。コイツ……と言うのは、私の家だろうか。

『訳が解らないよ』

未確認生命体も、私の心を代弁しないで欲しい。

「…………何しにきた?」

「迎えにに決まってるだろ? 友達なんだし……」

「!!」

鹿目は今、何と言った? 

「マミから聞いたが、余り学校には顔を出していないらしいな。宜しく無いぞ、それは」

私が……友達……? 

「下で待ってる」

そう言い残し鹿目が消えたのにも、私は暫く気付けなかった。



私はその惰性のまま、着替えと朝食を済ませ、玄関まで来ていた。

伸ばした手が、震えている。

この戸の向こうに、鹿目はいるだろうか?

…………でも、友達なんて消えちゃう。



その体勢のまま、三分。

家に引き戻すのも気まずく、戸を開ける。

と……

「遅いぞ、呉キリカ」

鹿目がいた。相変わらず、未確認生命体を被って。

鹿目は私を叱り付けながらも、その小さな手を私に伸ばす。

「始まりの一歩は、自ら歩み出すものだ」

「わ……私は……」

「俺と友達になって、共に人生を愉しく変革させよう」

「……私で……良いの……?」

「阿呆が、君は唯一無二の存在だ。『君で良い』のでは無い。『君が良い』のだ」

「…………」

私は……鹿目の手を取った。

自らの足で、始まりの一歩を歩み出して。



Side:仁美



不断と変わらない朝の登校風景。
いつもの集合場所に、いつもの友達……と言いたい処ですけど、今朝は少しばかり違いますわ。

「仁美、ほむら、オッハよー! ……って、あれ? まどかは?」

誰とも無しに訊ねたのは、わたくしの友人の一人、美樹さやかさん。

さやかさんが仰る様に、いつもわたくしやさやかさんといるもう一人の友人、鹿目まどかさんがいらっしゃいません。

その代わり……というのは失礼ですが、昨日わたくし達のクラスに転校して来た、暁美ほむらさんがいらっしゃいます。

「お早う、志筑さん、美樹さん。まどかなら、呉キリカを連れて来るらしいわ」

「お早う御座います、さやかさん、ほむらさん。……処で、呉キリカさんと仰るのは、何方ですの?」

「ああ、仁美は知らないんだ。仁美があたし達と別れた後、ほむらに見滝原の街を案内してる時に出逢った先輩だよ」

「まあ、そうでしたの」

「あ、他にもね、巴マミさんって先輩と、美国織莉子さんって人にも逢ったよ。また今度紹介するよ」

嬉々として仰るさやかさん。でもわたくしは、聞き返さずにはいられませんでした。

「あの……美国さんと仰るのは、もしかして『あの美国議員』の娘さんですの?」



美国……という名を聞いてわたくしが先ず思い至ったのが、先週首を吊って自殺した、ここ見滝原を含む一帯を代表する議員でした。

確か、何やら不正を働き、追及を逃れる為だとか……。

「そうよ。でもね、志筑仁美、これだけは覚えておきなさい」

わたくしの思考を遮る様に、ほむらさんが力強く仰います。

「彼女は美国織莉子であって、美国議員の娘では無いわ。確かに、彼女の父親が生前議員だったのは事実だけど、それは美国織莉子を測る材料にはならないわ」

「そうですわね。ふふ……御二人の事を紹介して下さるのを、楽しみにしていますわ」



「なら、行きましょう。呉キリカの自宅の場所から考えて、まどかとは学校で合流する事になるわ」

「おー!」

「はい、参りましょう」


Side:マミ



『それ』は、お昼のチャイムが鳴って、暫くしてからの事だった。

私は、珍しく一時間目から顔をだした呉さんに、勉強について教えている処だった。

バン♪ と心地良い音と共に、教室の扉が勢い良く開かれる。

「たのもーーー!!」

何処の教室破り? といわんばかりの、威勢の良い挨拶を伴って。



「お、いたな。マミもキリカも、お昼これからだろ? 一緒に食べよう」

「鹿目さん、貴女、私達を誘いに態々三年生の教室まで?」

『テレパシーを使えば良かったのに』

「酷いな、マミ。友達だと思ってたのは、俺の一方的な思い違いか」

『自分で殴り込む事に意味がある』

「!!」

鹿目さん、今……何て……? 

友達? 私が……鹿目さんの……? 



『君もかい? 巴』

思考の空白に、呉さんがテレパシーで声を掛けてくる。

『貴女もなの、呉さん』

『朝起きたら、窓の向こうにいたよ。キュゥべえを被って』

その姿を想像して、思わず笑ってしまう。

『そして言うんだ。私を友達……って』



「行くぞ、キリカ、マミ。場所は屋上だ」

「ええ」

「…………うん」



短いけど、今回はここまで。



只今、安価ものを計画中。

平行投稿するか、終わらせてからにするか、それが問題だ。

クール?まどか

これはないわ

先日、マミータと言う名の洋服屋と遭遇。大丈夫か?

それはさておき、はじまるよ♪


Side:ほむら


美樹さんと共に屋上を訪れた私を待っていたのは、巴さんと呉さん、そして不服顔のまどかだった。

『一寸待ってよ、僕の事忘れてる』

話し掛けるな、淫獣。まどかの哀しそうな表情だけでも、私の魂は蝕まれていくのに、お前の存在を認識したら壊れる。



「ほむら、さやか、何故仁美がいない」

「だ…だってしょうがないじゃ無い。今日はほむらとマミさんに、魔法少女の事話してもらうんだから。一般人の仁美を巻き込む訳には……」

「その点に関しては、私も同意見よ。本音を言えば、貴女達にも一般人(普通の生活)に戻って欲しいのだけど」

まどかに睨まれ、しどろもどろと返す美樹さんに、私は釘を刺す意味も込めて援護射撃を加える。

「まあまあ、喧嘩はその辺にして、お昼にしましょ。時間が無くなっちゃうわ」

巴さんの仲裁で昼食を開始する私達。まどか達が拡げるのは、三者三様のお弁当。あ……呉さんは菓子パンなのね。



『処で、君達はもう願い事は決めたかい?』

愉しいまどかとの昼食時間をぶち壊し、訊ねてくる淫獣。

「う~ん、色々考えたんだけど、命懸けってところで引っ掛かっちゃって。そこまでする程のモンじゃねえよなーって」

「わ……私は……その……。もう叶ったって言うか、叶いそうって言うか……」

『? そうなのかい? 普通の娘は、大抵二つ返事なんだけどな』

心底不思議そうな淫獣に、まどかが呆れた風な声を掛ける。

「誰でも良い、何でも良い。……そんな、極限まで追い詰められた奴としか交渉して無いだろ?」

『な……ななな……何故ソレを!? 失礼な!! 僕達は絶望した娘に魔法という名の希望を与えているんだ。そこに悪意や敵意や打算は無い』

打算はあるでしょ、この淫獣。必死になって否定しちゃって。



「鹿目さん、余り私の友達の悪口は言わないでね。確かに、私の時には考える余裕すら無い位に追い詰められていたけど……」

「む……それは済まない事をした」



「あ……あの、マミさん。その願い事って、自分の為じゃ無きゃいけないんでしょうか?」

「う~ん、いけないって事は無いけど……感心はしないわね」

『過去にも、他者の為の祈りで契約した魔法少女はいた。前例が無い訳じゃ無い』

恐らく上条君の事だろう。訊ねてくる美樹さんに、巴さんは困った風に、淫獣と共に答える。

それを切り捨てたのは、やっぱり私のまどかだった。

「出来もしない事を……」

「まどか?」

私は、訝り続きを促す。

「契約で叶うのは、『他者を想う契約者自身の祈り』であって、『他者本人の願いそのもの』じゃ無い。例え、同じ契約内容(結果)に至ろうと、そこには確かな違いがある」

「言われてしまったわね、私の言いたかった事。美樹さん、貴女はその子を助けたいの? それとも、その子を助けた恩人に成りたいの?」

「まどか……マミさん……。そう言う言い方、一寸酷いと思います」

親しい友人と憧れの先輩からタッグ口撃を受け、若干悄気る美樹さん。無駄に元気な癖に、妙に傷付き易いのよね、この娘。

「ごめんなさいね、美樹さん。でも、大事な事だから……」


Side:さやか



まどかの発案で、転校生のほむらを入院中の恭介に紹介する為に、病院を訪れたあたし達。

因みに面子は、あたしとまどかと仁美の何時もの三人に、主役のほむら、それからマミさんとキリカさん。

マミさんとキリカさんまでいるのは、まどか曰く、新しい友達を友達に紹介したいから、らしい。

受付へと向かったあたし達は、そこで白銀サイドテールの少女を捉えた。

「あれ、織莉子さん? 織莉子さんも、だれかのお見舞いですか?」

「あら、皆さん。ごきげんよう」

『正確な日時は不明だけど、この病院の駐輪場で魔女が産まれるの』

「「「「「!!!!」」」」」

テレパシーで語られた内容に、それを聞けない仁美以外の全員が一様に戦慄する。



「織莉子、これから時間あるか? よかったら、俺達の友達を紹介しよう。先ずは……」

「志筑仁美ですわ、織莉子さん」

「…………美国織莉子です」

僅かな間の後、名乗った織莉子さんの両の手を、仁美はしっかりと握る。

「織莉子さん、事情を知らぬわたくしが言うのはおこがましい事ですが、強く活きて下さい。わたくしは……わたくしも、貴女の友人ですわ。わたくし、友人の為ならどんな苦難もいといません」

「仁美さん……」

織莉子さんの眼が潤んでるのは、何故だろう? 



『最も可能性が高いのは、次の金曜よ』

『暁美さん? 何故そう言い切れるの?』

『統計よ。……とは言え、昨日の魔女のうち一体は今日の筈だったから、当てにしないで』

『視たい時に視たい情景(モノ)が視えれば良いのだけど……ごめんなさいね』

『充分役立ってるわ、みく……織莉子さん』



「もう一人は入院中なんだ、一寸付き合ってもらう」

「で……でも、私が行ったら迷惑じゃ無いかしら?」


そして、やって来ました恭介の病室。

因みに、ほむらも先週までこの病院に入院していて、なんと向かいの病室だったらしい。

「? どうぞ」

「カミジョー、入るぞ」

ノックの返事を待って、まどかが引き戸を開ける。

「あれ? 鹿目さん? 今のはさやかだと思ったけど……」

「確かに、ノックしたのはさやかちゃんだ」

「そうなんだ。……えーと……」

戸惑い気味に、あたし達の背後へと視線を向ける恭介。そりゃあ、見知らぬ女の子がわんさとやって来たら、奥手な恭介だとこうなるかな。

「俺達の新しい友達だ、カミジョーにも紹介しようと思ってな。一人はうちのクラスの転校生さんだよ」

「そうなんだ、ありがとう。それと、さやかからメールが届いた時には半信半疑だったけど、鹿目さん、なんか雰囲気変わったね」

「誰だって変われる、その一歩さえ踏み出せれば。人間は、可能性という名の魔獣を飼っているのだから」



「ところでよ、カミジョー。土産話って程でも無いが、最高に悪くて最悪に良い話がある。聞くか?」

ほむら達が一通り自己紹介を終えた処で、まどかが恭介に話をふってきた。

「鹿目さん、それを言うなら、最高に良い話と最悪に悪い話……じゃ無いのかしら?」

マミさんの質問は尤もだ。でも何だろう、まどかの土産話って。

「それで、鹿目さんは僕にどんな話を聞かせてくれるのかな?」

「さやかちゃんが人間止めたら怪我する前の身体を取り戻せる……って言ったら、どうする?」

「? 訳が解らないよ。そんな、魔法や奇跡みたいな話、ある訳無いじゃ無いか。そもそも、人間なんて止めれるものじゃ無いだろ」

ベッドの上で苦笑を浮かべる恭介と、話についていけず頭上に疑問符を浮かべる仁美の一般人二人。



は置いといて、あたし達は全力でまどかを叱る。テレパシーで。

『何恭介を……じゃなくって、一般人を巻き込んでるのよ、まどか!』

『知ってる奴が多いと、その分だけ魔法の力が半減する。……なんて事は無いんだろ?』

『確かに、そんな神秘主義的な設定は聞かないけど……』

『…………今、一瞬だけど、何とも珍妙な未来が視えたわ』


「カミジョーの目の前にいるぞ、人間止めた奴。ほむらと織莉子とマミ。魔法少女だそうだ」

とか言いながら、ほむら達魔法少女トリオを前面に押し出すまどか。

「「はい?」」

それに対して、何言ってんのコイツ。とでも言いたげな視線をまどかに向ける恭介と仁美。

気持ちは……まあ、解らなくも無い……かな。

「まどか! 貴女……」

ほむらの視線の鋭さが三割増しになるが、まどかには応えてない様子だ。

「まあ待て」

そう前置きして、まどかは簡潔に魔法少女という存在について、契約と魔女との戦い、そして魔法少女の末路について、恭介と仁美に語る。



「そんなのって、酷すぎますわ。誰かの為に頑張ってらっしゃる方達の結末が、そんな救いのない未来だなんて……」

哀しんでるのか、憤ってるのか、それとも、非難しているのか。その全てが雑ざった様な表情の仁美。

「そうは言ってもな、現実は奇跡を否定する。そして、絶望が存在するからこそ、希望は産まれたんだ」



「小難しい話はここまでにして、だ。カミジョー」

「?」

「なんなら、俺達を傅(かしず)かせる事も出来る」

「ひゃっ!」

「んぁっ!」

悪戯っ娘の笑みで織莉子さんとマミさんを抱き寄せ、二人の、そこだけを取れば年齢を疑われる事請け合いの、豊満などというボキャブラリーでは言い表せない乳房を揉んで魅せるまどか。

「大きくって柔らかいぞ」

「////////」

恭介は、耳まで真っ赤になり、顔から湯気を出しながら、まどかに揉みしだかれるマミさんと織莉子さんの爆乳を凝視していた。

「恭介!! 何ガン視してんのよ!?」

「さやかさん! キリカ先輩! わたくし達も負けてられませんわ!」

「ちょっ……」

「し……志筑……」

何に対して負けてられないのか、あたしとキリカさんを巻き込み、対抗意識を萌やす仁美。

仁美の魔の手……もとい、お嬢様らしからぬ豪腕があたしとキリカさんを抱き寄せる。

こらまどか、そして仁美、同性セクハラはさやかちゃんの担当だぞ。

結果、あたしの秘かなる自慢である普通を凌駕したお胸が、仁美とキリカさんの胸に当たって崩れる。

そして判ったのが、キリカさんも、流石に特権階級のマミさんや織莉子さんには及ばずとも、あたしや仁美に勝るとも劣らない巨乳だという事。



「ぶほぁっ!!」



そして、恭介の病室に紅が散る。

「確りして、上条君。傷は深……じゃ無くて、浅いわ」

「ああ……暁美さんが天使に見える……」

「買い被り過ぎよ」

書きたい展開はあるのに、そこまでが全然進まない。

そんな言い訳と共に、今日はこれまで。

うわあきめえ

>>56>>50>>48>>96>>61>>1>>14>>92>>24>>70>>15>>9>>93>>91>>2>>84>>34>>9>>60>>69>>48>>89>>59>>21>>49
>>86>>46>>61>>64>>7>>17>>14>>54>>12>>74>>55>>25>>66>>78>>95>>81>>86>>87>>72>>87>>70>>5>>96>>29>>73
>>18>>32>>64>>66>>57>>49>>11>>18>>13>>18>>34>>26>>71>>45>>100>>26>>70>>65>>4>>64>>46>>90>>51>>17
>>21>>22>>72>>49>>95>>14>>67>>26>>77>>32>>83>>26>>43>>100>>38>>60>>33>>63>>31>>77>>63>>57>>47>>28
>>10>>73>>49>>60>>89>>25>>80>>10>>96>>29>>4>>10>>95>>30>>87>>27>>12>>12>>70>>11>>49>>29>>43>>12>>60
>>74>>16>>66>>1>>75>>76>>74>>24>>36>>62>>48>>16>>72>>44>>45>>76>>53>>40>>6>>39>>66>>17>>50>>35>>28
>>64>>71>>10>>23>>91>>84>>39>>57>>85>>13>>32>>58>>37>>68>>19>>84>>83>>91>>27>>27>>66>>80>>67>>71
>>32>>88>>68>>67>>16>>67>>31>>86>>76>>54>>77>>59>>92>>33>>43>>5>>64>>1>>41>>32>>20>>24>>14>>10>>51
>>76>>30>>7>>46>>48>>39>>34>>16>>6>>49>>82>>36>>35>>58>>89>>11>>17>>80>>43>>60>>85>>7>>60>>25>>38
>>49>>52>>89>>99>>93>>64>>29>>100>>10>>77>>39>>43>>92>>44>>92>>74>>80>>26>>31>>68>>37>>47>>48>>79
>>32>>86>>66>>56>>23>>44>>5>>75>>32>>3>>68>>95>>32>>67>>5>>8>>5>>48>>100>>49>>39>>74>>28>>65>>4>>96
>>51>>44>>79>>57>>75>>65>>22>>31>>88>>66>>35>>62>>97>>38>>29>>92>>69>>96>>97>>77>>1>>44>>76>>49>>82
>>77>>46>>53>>72>>47>>4>>16>>25>>60>>91>>89>>82>>21>>76>>47>>56>>38>>44>>94>>67>>35>>63>>63>>32>>39
>>75>>15>>12>>56>>64>>88>>2>>17>>60>>48>>20>>76>>73>>79>>66>>62>>61>>87>>38>>7>>42>>76>>50>>36>>43
>>98>>5>>16>>37>>67>>90>>51>>79>>46>>15>>67>>48>>31>>27>>96>>51>>2>>69>>30>>67>>30>>90>>53>>68>>96
>>44>>45>>30>>86>>29>>27>>90>>45>>63>>57>>34>>14>>35>>80>>28>>1>>27>>59>>27>>23>>9>>28>>91>>38>>94
>>27>>46>>88>>22>>40>>31>>67>>70>>17>>96>>96>>6>>40>>59>>62>>74>>73>>96>>53>>100>>97>>80>>59>>23>>2
>>51>>92>>4>>44>>12>>31>>90>>100>>52>>30>>31>>19>>99>>47>>14>>95>>52>>53>>54>>14>>26>>26>>9>>79>>26
>>58>>84>>28>>59>>51>>79>>51>>55>>23>>63>>85>>12>>62>>37>>42>>92>>55>>41>>39>>68>>35>>90>>21>>89>>4
>>14>>12>>24>>39>>18>>82>>23>>45>>41>>73>>24>>91>>27>>46>>53>>12>>58>>15>>48>>99>>6>>2>>40>>45>>70
>>34>>90>>63>>38>>36>>76>>50>>60>>15>>67>>41>>38>>12>>82>>11>>35>>72>>37>>80>>25>>49>>37>>39>>96

>>8>>67>>33>>68>>22>>14>>21>>11>>14>>47>>34>>98>>35>>49>>83>>98>>15>>62>>64>>7>>98>>76>>34>>99>>79
>>24>>54>>54>>20>>48>>61>>87>>80>>28>>8>>94>>49>>19>>8>>95>>53>>5>>30>>1>>88>>27>>15>>49>>91>>22
>>67>>55>>45>>46>>84>>68>>99>>37>>88>>47>>98>>75>>27>>25>>83>>21>>74>>1>>29>>68>>53>>34>>98>>53>>21
>>68>>69>>15>>89>>16>>81>>44>>60>>26>>27>>28>>25>>64>>16>>71>>61>>90>>98>>85>>73>>18>>59>>73>>47
>>25>>80>>24>>78>>100>>48>>46>>69>>62>>35>>84>>42>>78>>44>>67>>5>>72>>91>>68>>87>>62>>28>>77>>59
>>49>>77>>71>>21>>23>>97>>46>>2>>21>>24>>1>>68>>70>>69>>29>>4>>53>>71>>82>>96>>37>>86>>67>>28>>53
>>89>>81>>30>>48>>94>>78>>24>>65>>99>>47>>62>>45>>49>>82>>69>>49>>49>>38>>18>>78>>42>>71>>48>>23
>>85>>8>>33>>12>>61>>87>>1>>42>>16>>48>>35>>94>>72>>99>>93>>19>>60>>37>>67>>42>>5>>15>>91>>43>>33
>>84>>3>>16>>6>>69>>100>>14>>2>>12>>75>>88>>12>>16>>4>>59>>50>>97>>31>>49>>90>>49>>9>>26>>15>>51
>>30>>41>>74>>63>>9>>57>>66>>25>>63>>35>>24>>77>>36>>35>>51>>24>>47>>66>>28>>6>>16>>25>>36>>65>>14
>>74>>40>>99>>24>>71>>29>>65>>44>>91>>73>>1>>56>>97>>63>>91>>21>>39>>26>>56>>89>>50>>2>>55>>77>>7
>>1>>43>>35>>15>>27>>8>>54>>26>>32>>24>>54>>96>>67>>45>>68>>68>>1>>65>>30>>91>>85>>69>>16>>41>>58
>>42>>13>>43>>49>>83>>43>>92>>18>>57>>18>>25>>11>>43>>57>>34>>97>>52>>1>>41>>20>>68>>41>>84>>98>>31
>>66>>47>>10>>24>>12>>52>>36>>54>>100>>18>>97>>91>>35>>54>>9>>60>>64>>51>>16>>98>>48>>68>>98>>88
>>66>>29>>71>>63>>59>>40>>29>>6>>49>>53>>18>>100>>88>>72>>100>>5>>68>>91>>40>>21>>99>>100>>85>>50
>>82>>97>>82>>80>>85>>69>>45>>13>>40>>8>>72>>79>>37>>78>>28>>89>>95>>28>>76>>66>>27>>81>>34>>18>>21
>>16>>20>>39>>66>>35>>21>>62>>17>>100>>47>>85>>44>>60>>24>>52>>32>>3>>88>>9>>31>>77>>3>>58>>52>>69
>>33>>2>>2>>53>>57>>18>>72>>95>>83>>6>>15>>45>>23>>15>>91>>7>>59>>51>>31>>10>>82>>34>>98>>90>>64
>>93>>22>>26>>62>>6>>58>>64>>8>>11>>20>>26>>83>>15>>8>>89>>30>>52>>11>>44>>43>>17>>2>>93>>48>>11
>>81>>9>>64>>45>>82>>57>>66>>8>>18>>71>>66>>81>>79>>76>>100>>4>>58>>14>>11>>47>>43>>63>>57>>87>>6
>>88>>99>>21>>99>>73>>2>>7>>36>>46>>89>>93>>11>>97>>10>>82>>62>>91>>60>>38>>91>>64>>95>>4>>75>>42

>>83>>57>>91>>28>>24>>27>>55>>96>>81>>51>>13>>34>>89>>5>>8>>27>>60>>56>>44>>93>>16>>40>>43>>13>>69
>>54>>92>>82>>13>>48>>65>>69>>38>>92>>92>>65>>47>>88>>45>>97>>1>>79>>86>>5>>86>>13>>64>>41>>57>>57
>>96>>99>>69>>65>>17>>22>>57>>99>>35>>4>>63>>3>>42>>55>>95>>6>>1>>83>>51>>98>>83>>30>>83>>87>>15
>>51>>56>>51>>7>>12>>47>>5>>81>>11>>21>>2>>67>>19>>37>>71>>82>>39>>12>>36>>34>>18>>37>>17>>69>>34
>>98>>17>>86>>13>>11>>36>>69>>62>>42>>81>>9>>47>>61>>20>>68>>62>>86>>87>>99>>57>>68>>37>>69>>4>>71
>>40>>87>>55>>73>>86>>53>>89>>71>>65>>100>>6>>34>>62>>48>>14>>70>>94>>74>>89>>61>>36>>75>>48>>34
>>15>>71>>100>>18>>41>>86>>58>>28>>40>>30>>13>>93>>19>>84>>58>>19>>89>>91>>80>>37>>4>>50>>30>>78
>>91>>13>>13>>39>>46>>45>>53>>17>>44>>71>>58>>29>>29>>85>>69>>59>>98>>61>>77>>81>>19>>96>>70>>9>>76
>>13>>25>>36>>90>>63>>27>>3>>76>>65>>49>>20>>18>>65>>64>>89>>22>>92>>17>>7>>61>>75>>4>>22>>52>>85
>>47>>55>>49>>22>>60>>61>>46>>96>>51>>9>>23>>53>>85>>87>>1>>5>>5>>65>>69>>93>>87>>61>>10>>93>>21
>>97>>43>>35>>82>>83>>82>>36>>31>>3>>96>>92>>49>>91>>42>>58>>13>>95>>43>>100>>96>>48>>4>>61>>16>>97
>>76>>6>>40>>97>>90>>37>>39>>25>>18>>21>>6>>54>>51>>8>>49>>43>>56>>40>>85>>14>>53>>79>>56>>52>>75
>>56>>35>>18>>53>>82>>93>>58>>21>>89>>48>>58>>28>>72>>76>>48>>77>>29>>99>>84>>78>>41>>40>>18>>25
>>70>>4>>9>>22>>78>>11>>78>>13>>29>>30>>94>>22>>88>>15>>11>>35>>72>>38>>6>>48>>85>>82>>77>>84>>66
>>24>>6>>71>>49>>59>>41>>53>>67>>63>>30>>78>>40>>43>>7>>70>>36>>28>>57>>51>>38>>92>>23>>76>>97>>70
>>79>>46>>44>>45>>100>>67>>50>>71>>16>>8>>11>>68>>75>>73>>98>>53>>12>>40>>59>>81>>76>>86>>38>>26
>>29>>49>>99>>26>>19>>59>>4>>64>>3>>48>>64>>69>>98>>34>>85>>5>>44>>52>>80>>17>>50>>32>>29>>89>>90
>>65>>76>>47>>90>>100>>76>>39>>99>>1>>57>>58>>5>>21>>60>>52>>84>>29>>49>>17>>13>>54>>61>>65>>34>>77
>>65>>6>>2>>55>>15>>66>>31>>62>>56>>31>>38>>95>>29>>38>>51>>86>>42>>71>>45>>94>>54>>73>>43>>71>>86
>>32>>50>>30>>9>>63>>95>>14>>65>>50>>29>>31>>80>>91>>87>>11>>28>>81>>39>>65>>31>>25>>7>>2>>69>>1
>>42>>43>>26>>28>>40>>58>>77>>69>>66>>40>>64>>79>>5>>13>>7>>35>>93>>97>>21>>3>>25>>2>>42>>90>>33

>>93>>48>>67>>97>>66>>57>>71>>5>>15>>55>>36>>23>>3>>29>>38>>81>>96>>91>>59>>82>>40>>21>>81>>54>>22
>>59>>13>>6>>18>>28>>99>>65>>95>>95>>31>>52>>66>>35>>66>>20>>71>>89>>22>>99>>26>>3>>95>>16>>61>>77
>>82>>57>>10>>3>>77>>68>>16>>82>>86>>43>>81>>50>>38>>75>>81>>90>>40>>15>>56>>60>>85>>44>>82>>84>>70
>>79>>86>>45>>56>>41>>27>>13>>51>>29>>89>>19>>44>>71>>4>>87>>51>>54>>25>>25>>34>>14>>65>>49>>69>>24
>>12>>6>>17>>81>>90>>96>>66>>34>>51>>7>>60>>63>>58>>89>>51>>77>>33>>21>>80>>20>>71>>34>>44>>96>>67
>>60>>16>>26>>84>>49>>38>>90>>66>>19>>79>>61>>85>>13>>12>>92>>73>>74>>49>>61>>25>>25>>94>>46>>5>>13
>>38>>56>>13>>5>>13>>73>>20>>39>>56>>69>>77>>46>>34>>95>>24>>95>>79>>36>>7>>71>>8>>81>>19>>69>>5
>>62>>51>>49>>74>>68>>86>>30>>80>>91>>43>>52>>11>>81>>8>>79>>57>>53>>13>>52>>77>>8>>31>>12>>14>>1
>>94>>20>>88>>99>>64>>50>>49>>12>>23>>17>>97>>53>>97>>88>>95>>49>>98>>75>>57>>76>>32>>10>>89>>83
>>96>>13>>98>>10>>14>>17>>3>>33>>5>>1>>96>>54>>50>>8>>77>>67>>5>>29>>63>>92>>23>>11>>89>>98>>68>>65
>>77>>54>>12>>62>>49>>25>>59>>58>>38>>76>>61>>71>>80>>62>>67>>34>>11>>74>>10>>77>>78>>39>>40>>69
>>51>>58>>59>>18>>22>>88>>94>>75>>100>>55>>24>>24>>14>>82>>62>>89>>42>>32>>69>>4>>98>>3>>14>>72>>13
>>49>>51>>31>>17>>12>>81>>75>>71>>98>>96>>58>>91>>71>>57>>46>>94>>81>>60>>76>>42>>48>>18>>73>>17
>>71>>19>>35>>42>>31>>25>>91>>82>>55>>8>>93>>36>>82>>63>>33>>77>>21>>24>>48>>77>>69>>41>>57>>28>>17
>>76>>34>>71>>93>>55>>42>>12>>89>>84>>43>>14>>74>>24>>69>>81>>17>>4>>62>>79>>36>>39>>100>>59>>86
>>28>>27>>34>>56>>43>>32>>31>>77>>3>>24>>31>>44>>35>>19>>28>>77>>33>>1>>100>>1>>82>>16>>4>>44>>95
>>82>>94>>98>>68>>71>>26>>94>>4>>81>>37>>35>>11>>14>>37>>35>>45>>81>>69>>64>>8>>45>>96>>9>>45>>96
>>61>>99>>33>>55>>38>>15>>49>>36>>82>>19>>61>>76>>22>>41>>13>>57>>52>>26>>93>>86>>70>>74>>54>>33
>>99>>29>>90>>43>>24>>79>>3>>23>>12>>58>>60>>27>>7>>95>>8>>26>>56>>84>>48>>96>>96>>4>>48>>22>>97
>>92>>70>>87>>25>>51>>85>>53>>40>>28>>76>>19>>31>>98>>31>>88>>58>>57>>95>>53>>65>>20>>8>>48>>67>>4
>>70>>51>>66>>66>>83>>57>>36>>70>>81>>86>>54>>33>>26>>82>>9>>45>>12>>7>>75>>100>>64>>31>>94>>17>>96

まどか「魔法少女?…なんだか面倒臭いことになりそうだね」こんな感じの作品並のヤバさを感じる
まどか崩壊もの同時期に一気に出過ぎ

>>56

そいつは宣伝かい?
俺は釣られて読む方だけど、他スレの話題を不快に思う人もいるから気をつけな。

ところで中二病を極めたまどかが中二病的発言を繰り返しているだけなのに、何故か上手くいってしまうSSって無かったっけ?

俺は>>56じゃないけど
>>57
ほむら「さあ、すべてを救いましょうか」
じゃないかな?

宣伝を咎めながら自ら宣伝を促すとはこれいかに

>>57
中二病を極めたマミさんがってのなら記憶があるが、まどかのは覚えてないと横レス
マミ「ティロ・フィナーレ!」ってやつ(古い...

まあ、この作中では最後には全員が中二病になってたけど

>>57
すまん、>>58だがほむらが中2になってるスレだったわ…

邪気眼ほむらならどっかで見たことある気がするけど

つづきはよ

ロンギ大歓迎

そんなこんなで、はじまるよ


Side:ほむら



突如と始まったまどかと志筑さんの痴態に興奮の極みに達し、命の雫を噴き出す上条君を応急措置し終えると刻を同じくして、背後に捨て置いた騒動が俄に静かになった。

なにかしら? と振り向くと、そこには、巴さんのリボンに縛り上げられたまどかと、お腹を押さえ椅子にへたりこむ志筑さんがいた。

その傍らを浮遊する白亜の宝珠は、織莉子が武器として使っていたものだ。おそらく志筑さんは、腹部にこれの攻撃を受けたのだろう。

「鹿目さん……。いい加減にしないと、私怒るわよ」

「仁美さん……。やんちゃが過ぎます」

「済まない」

「申し訳ありませんですわ」

項垂れ、猛省するまどかと志筑さん。



「…………とに本当だったんだ…………」

「? 恭介? どした?」

気が付けば、ベッドの上で上体を起こした上条君が、茫然と巴さんと美国織莉子を視ていた。

「あ……ごめん、さやか。実は、暁美さん達が魔法少女だって言われても、どうしても半信半疑だったんだ。僕を励ます為に、皆して話を合わせてるんじゃないかってね」

「まあ確かに、にわかには信じられないよね。てか、あたしも、魔女の結界に巻き込まれたり、目の前でほむら達が魔法少女になって戦うとこ観てなかったら、きっと疑ってたよ」

「うん、きっとさやかはそうだろうね。それで……実は僕、魔法少女もののファンなんだ」

「えーーーーーー!?」

「まあ!?」

「病院では、静かにね」

「はい……」

上条君の思い掛けない告白に、驚愕の咆哮を挙げる美樹さんと、僅かに嬉しそうな表情で美樹さんをたしなめる巴さん。

? 巴さん、ファンが出来るのが嬉しいのかしら。アイドルでも目指してみる?



「バン……ザド……?」

「織莉子、そんなに驚く事か? まあ、上条が魔法少女ファンだと問題の度合いが変化するのは俺にも予測出来るが……」

そして、驚きのあまり言語崩壊する美国織莉子と、そんな彼女に賛同の意を示しながら美樹さんを見詰めるまどか。

二人の心配事は私にも理解出来る。

だいぶ簿かして明言は避けているとはいえ、魔法少女の真実の一端に触れ契約を結ばない方向へと導く事が出来た。

それが、上条君の魔法少女ファン発言で瓦解するかもしれないのだ。

『かつて』まどかは、魔女と化し討たれた美樹さんを蘇らせる為に契約した事もあった。

それだけは避けなくては!!


「巴さん。巴さんの魔法で上条君の身体、治せませんか?」

(消耗した魔力分のグリーフシードは用意するわ)

「それは構わないけど……何故私に? 先週契約したばかりだっていう織莉子さんは兎も角、暁美さん、貴女も相当のベテランよね?」

「私は能力の偏りが極端なの。私の魔法では、進行を『静止』させる事は出来ても、『快復』させる事は出来ないのよ」

「私も……その能力故に治癒の結果を『視る』事には長けていますが、魔法による治癒そのものはまた別の魔法(問題)です」

巴さんの尤もな疑問に答える私に続き、美国織莉子も先を打って釘を刺す。

その時、上条君にいたたまれない者を見る眼を向けたのは、美樹さんの契約の契機となる、数日後の診察の結果を『視た』からか。

「織莉子さん……?」



「参考までに織莉子さん。恭介の腕……だけじゃなくて身体、治りますか?」

そんな空気読まず、上条君の今後について、言外に未来視で何か視えないか美国織莉子に訊ねる美樹さん。

本人は素朴な疑問をぶつけているつもりで、実際、悪意なんて微塵も感じないのだけど、だからこそ、『普段』から余計な事を……とウザったく思う。



「…………恭介君。貴方は、絶望を呑み込めるかしら?」

「えっと……それって、かなり悪い未来が視えたって事ですか?」

いつに無く真剣な声色の美国織莉子を前に、魔法少女の事を、魔法で何でも解決して皆を護る正義の味方と盲信している美樹さんは、一転、戸惑いの表情へと転ずる。

「………………はい」

「恭介ぇ!?」

「さやかは……黙っててくれ。これは、僕の問題だ」



「先ず、現在の人類の技術だけでは快復は見込めません。次回の検診で担当医の方から『ヴァイオリンは諦めろ』と告げられるでしょう。痛みすら感じなくなります」

「「!!」」

「…………」

美国織莉子の口から淡々と語られる内容に、美樹さんと志筑さんはそろって哀しみと驚きに眼を見開く。

一方で上条君は、続きを促すかの様に、真剣な表情で頷く。

「マミさんの魔法による治癒も、正直にいって効果的とは言い難いです。マミさんに解剖学……人体の構造についての知識があればまた違った未来が『視えた』のでしょうが……」

「今から図書館で勉強して……という訳にはいかないの? これでも私、中学に上がってからは三年連続で一桁台よ」

巴さん、頭が良いのは知ってたけど、そんなに凄かったんだ。

「医者や学者として通用するレベルの知識が必須ですよ。年単位で作戦を練ることになりますが……」

「……ごめんなさい、別の方法を検討しましょう」

諦めるの早すぎない……とは誰も非難しない。年単位だなんて、非効率的でも少しずつ快復させるなり、治癒に長けた魔法少女を捜して依頼するなりした方が良い。



「さやかちゃんが契約する……ってのも、選択肢の一つにあるよね?」

不意にまどかが、とんでもない解決策を提案してきた。

「あたしが……あたしも……魔法少女に……」

「さやかさん、お忘れですか!? 一度(ひとたび)魔法少女と生れば、常にグリーフシードを確保してソウルジェムの穢れを除去し続けなければいずれは魔力が暴走してしまい、そして、グリーフシードは魔女しか持っていないんですよ」

「美樹さん、貴女には出来ないわ。グリーフシードを獲る為に、他の魔法少女から取り分を奪うのも、使い魔が魔女へと成長するのを……使い魔に人が襲われ殺されるのを看過するのも」

悪魔の誘惑に魅せられた美樹さんを思い止まらせるべく、美国織莉子と共に私は、公開済みの魔法少女に関する知識を総動員して訴える。

「私も……魔法少女の契約にそんなデメリットがあると判った以上、安易に……では決して無いのでしょうけど、契約して欲しく無いわ」

それにしても……まどか、なんて提案してくれたのよ。『この時間軸のまどか』は、魔法少女の契約の問題点と危険性について、一番良く理解してくれてると思ったのに。

「喩え、何れ程の血が流れようと構わない……。それでも叶えたい願いがあると言うなら、是非も無い。その欲望を解放して魂を差し出し、人外になるが良い」



「あの……」

ここで不意に、今まで借りてきた猫の様に大人しくしていた呉キリカが、声を掛けてきた。何事かと誰もが思ったが……

「そろそろ面会時間、終わり」

言われてみれば、もうそんな時間だ。

「じゃあ、そろそろお開きにしましょう。ごめんなさいね、上条君。大勢で押し掛けちゃって」

そして、皆に解散を促すのは、やはり巴さんだった。

「いえ、気にしないで下さい。僕も色々話せて楽しかったです。それと……織莉子さん?」

「はい。何でしょう?」

「ありがとうございます、僕の未来を視てくれて」

「くぅぅ~~~こんなに認められたのは、初めてです」

「お……織莉子さん!?」

いきなり美国織莉子が泣き出した。

てか、認められたのが初めてって、どんな人生よ。

今回っはぁっ……ここっ……まぁでぇ!

仕事の合間を利用してチマチマ書いてます

遅れたけど乙
続き待ってるよ

>>57
厨二ではないが
ほむら「まどかが天才になった」
のことかもしれない

結構たくさんありそうだな・・・

魔法少女体験ツアー、逝ってミヨー!!

ハッジマルよ


Side:織莉子



「ティロ・フィナーレ!!」

マミさんの言霊と併せマスケットキャノンが火を噴き、使い魔が貫かれる。

それが最後だったのか、私達を取り込んでいた結界は溶ける様に消え、夜の公園へと戻る。

「やっりー! やりましたね、マミさん」

「もう……見世物じゃ無いのよ」

興奮気味に称賛するさやかさんと、そう言いながらも満更では無さそうなマミさん。

さやかさんは何かを探す様に周囲を見渡し、残念そうに漏らす。

「あ……グリーフシード落としませんでしたね」

「今回のは使い魔だったから」

マミさんも肩を落とし、そこへまどかが、「その事なんだが……」と声を掛ける。



「ここんとこ雛ばかりだが、備蓄は大丈夫なのか?」

まどかは、時々使い魔を雛と言い換える時がある。ある意味間違っていないが。

「ええ。暁美さんや織莉子さんと組む様になってから、魔力の消費量が格段に減ったから、もうしばらくは大丈夫よ」

「私も。確かに私の未来視(能力)は消耗が激しいけど、ほむらさん達のおかげで無駄を極力避ける事が出来るから、トータルでは問題にならないレベルよ」



「処でよ、契約について俺なりに色々と考えてみたんだ」

「へ? まどか、願い事決まったの?」

『本当かい、まどか。じゃあ僕と契約して、魔法少女になってよ』

「ラザザ」

まどかの不意の発言に驚くさやかさんは兎も角、キュゥべえは何処から現れたのやら。

「織莉子とほむらは、魔法少女はソウルジェムが濁りきった時魔力が暴走して、特に俺は、世界を滅ぼす可能性がある事を突き止めた。そうだな?」

「ええ、そうよ。だから貴女を……」

「契約させる訳にはいかない」と続けようとした私の言葉を、まどかが「なら」と遮る。

「ソウルジェムが濁りきったら、或いは織莉子とほむらが懸念している事態が発生する条件が揃ったら、契約前の人間に戻る……って契約で魔法少女になるのはどうだ? ちょっと視てみろ」

まどかにいわれ、未来視の能力を開放してみる。

「……………………!! 確かに、その契約なら、私とほむらさんが危惧している事態は避けられます」

これは盲点だった。魔女化の条件が揃ったら人間に戻るという契約なら、魔女化の心配は無くなる。

「それは重畳」




「? ? ?」

「非常に満足してるって意味よ、美樹さん」



「キュゥべえ。君が言うには、俺は規格外の素質を有しているらしいな?」

『そうだよ、まどか。君が何故これ程の素質を持っているのか、僕には全くもって謎だけど、これだけは言える。君のその素質なら、宇宙の法則そのものすらねじ曲げる事だって不可能じゃ無い』

「ほう……。なら、さっき俺が言った契約内容……グリーフシードの穢れが許容範囲を超えたら契約前の人間に戻る……を、俺個人のみでは無く魔法少女全員に適用されるよう、魔法少女のルールそのものを変える事は可能か?」

「!! まどか!!」

『鹿目まどか、そんな願いを思い付くなんて、どうかしてるよ』

あまりにスケールの大きな願いに、私は驚愕し、キュゥべえは訳が解らないよとでも言いたげ。

「そこまで考えて思ったんだがよ。テメエに都合の良いルールに支配された世界に皆を無理矢理放り込んで……そりゃ、魔女と何処が違うんだ? ってな」

「『!!』」

もしや……とは思うが、まどかは魔法少女と魔女の関係に気付いたのかしら。



「な……何言ってんのさ、まどか。魔女は皆を襲う悪い奴で、それをやっつけるマミさん達魔法少女は正義の味方なんだよ。違うに決まってんじゃん」

憧れの先輩マミさんを、魔女と同列に扱われるのが嫌なのだろう。まどかの考察を、さやかさんは慌てて否定する。

まどかは溜め息一つ、頭を振る。

「さやかちゃん……『正義の味方』なんて、そんな都合の良いいい加減な存在がいる訳無いよ。いたとしても、友達をそんなモノにしちゃいけない」

「鹿目さん……」

マミさんは、まどかに正義の味方と認識されないのが悲しいやら、まどかの友達であろうとする態度が嬉しいやら、複雑な表情を浮かべる。



「織莉子。ひょっとしたらよ、暴走した魔法少女の俺が世界を滅ぼすってのは、世界……というか宇宙のルールを書き換えるって願いが影響しているかもしれない」

「? どういう事かしら?」

「ルールを書き換えるって事は、裏を返せば、以前のルールに支配された世界を破壊するって事だからな」

別に未来視を使った訳では無いが、まどかの読みは正しい様に思えた。

あのまどかがなる誰にも倒せない魔女は、彼女の素質と願いが化学反応を起こした結果とでも言うのだろうか?

ほむらに相談してみましょう。

今回の三つの出来事

一つ! まどか、魔女化問題の打開策を思い付く? 

二つ! まどか、魔法少女と魔女の関係に気付く?

そして三つ! まどか、正義の味方を否定する



短いケド、今日はココまで

うわきめえ

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