芳佳「ダイジンミン?」
エイラ「お、宮藤も来たのカ」
芳佳「いえ、私はたまたま通りかかっただけで……」
ペリーヌ「ちょうどもう一人プレイヤーが欲しいと思ってたとこですの。参加なさらない?」
芳佳「でも私、その『ダイジンミン』ってゲーム知らないですよ」
サーニャ「心配ないわ。『大富豪』は知ってるよね?」
芳佳「うん」
サーニャ「なら大丈夫。それにいくつかローカルルールが加わった、オラーシャ風味の大富豪だから」
芳佳「へえ、ちょっと面白そう……じゃあ、私も入れて下さい!」
エイラ「細かいとこは実際にプレイしながら教えるからナ」
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エイラ「まずは普通にカードを配るんダ」
芳佳(……Aと2が二枚ずつ! おまけにジョーカーまで! ツイてるなぁ)
エイラ「ちゃんと行き渡ったナ。それじゃ順番ハ……私からでいいカ?」
ペリーヌ「どうぞ。ふふ……」
エイラ「……」
エイラ「よシ、これダ」パサッ
芳佳「え……」
『ハートのJ』
芳佳「いきなり大きな数字ですね……そんなにいい手札なんですか?」
エイラ「フフン、さあナ」
サーニャ「そうだ。イレブンバックはアリだからね、芳佳ちゃん」
芳佳「分かったよ。次はペリーヌさんですね」
ペリーヌ「そうですわね……これを」
『クラブの4』
芳佳(イレブンバック有りなら弱いカードも迂闊には使えないはず……それなのにこの切り……)
芳佳(エイラさんに強いカードが、ペリーヌさんに弱いカードが偏っている可能性が微粒子レベルで存在する……?)
エイラ「サーニャの番だゾ」
サーニャ「そうね……パスするわ。芳佳ちゃんは?」
芳佳「んーと、私もパスします」
芳佳(私の手札に3は無い……もしペリーヌさんが革命狙いだったら、ジョーカーは切れないよね)
エイラ「私だナ……どうするべきカ……」
ペリーヌ「あくしてくださらない?」
エイラ「……ペリーヌに先手を渡したくは無イ、けド……ええイ、パス!」
ペリーヌ「あら、宜しいんですの? ではこの場は流して……ふふふ……」
サーニャ「始まるわ」
芳佳「え?」
サーニャ「様子見は終わった……ここからが本当の『大人民』なの」
芳佳「どういうこと――」
ペリーヌ「これがお待ちかねの『革命』ですわ!」
芳佳「っ!」
芳佳(やっぱり仕掛けてきた! どうしよう……一応ジョーカーを使えば5と9は革命出来るけど……って、あれ?)
サーニャ「それじゃあ私は??」
芳佳「ま、待って下さい! ペリーヌさん、この『6』、3枚しかないですよ」
ペリーヌ「? ええ、そうですわ」
芳佳「……3枚じゃ革命は出来ませんよね?」
ペリーヌ「何を言って……ああ、まだルールを聞いていなかったのかしら」
芳佳「え……」
サーニャ「『大人民』では、最低3枚あれば革命出来るの。階段革命も3枚からよ」
芳佳「ええっ!?」
エイラ「ダメじゃないカ、サーニャ。そこがこのゲームのキモなんだからナ」
サーニャ「ごめんね、芳佳ちゃん」
芳佳「あ、う、うん」
ペリーヌ「さあ。気を取り直して、サーニャさんの番ですわ」
サーニャ「はい。J3枚で革命返しします」
ペリーヌ「むぅ……」
エイラ「ナイスサーニャ! 宮藤はどうするんダ?」
芳佳「え、っと……ぱ、パス……」
エイラ「何ィー? 全然手札が減ってないじゃないカー。そんなんじゃ甘いゾ」
芳佳「あはは……」
エイラ「私はパスするゾ。ペリーヌは勿論??」
ペリーヌ「勿論、革命返し返しですわ!!」
エイラ「ファッ!?」
サーニャ「ペリーヌさん……やっぱり『大人民』で私と渡り合えるのはあなただけです」
ペリーヌ「当然ですわ。私の身分が貴族といえど、ガリアの民に流れるプロレタリアートの熱き血潮を無視することは出来ませんから!」
芳佳「……」
エイラ「気持ちはわかるゾ、宮藤」
芳佳「エイラさん……このゲームは一体……」
エイラ「私も初めてサーニャに大人民を教わったときには面食らったもんダ。サーニャとペリーヌがグルになって叩きのめされたナ」
芳佳「そんなことが……」
エイラ「でモ」
芳佳「?」
エイラ「私はこのゲームの真髄に気付いタ。そしたら不思議なことニ、勝っても負けても楽しく遊べるようになったんダ」
芳佳「その真髄って言うのは」
ペリーヌ「さあ、ゲーム再開ですわ! サーニャさんが革命返し返し返しをしなければ、また私が親ですわよ」
サーニャ「……パス」
エイラ「ぐぬぬ」
ペリーヌ「どうやら今回も私の勝利は当確のようですわね!」パシッ
『ハートのQ』
サーニャ「それはどうかしら」
『ダイヤの10』
芳佳「じゃあこれを……」
エイラ「宮藤っ……!」
芳佳「な、なんですか?」
エイラ「宮藤……お前……」
エイラ「パスしロっ……!」
芳佳「な……」
ざわ・・・
ざわ・・・
エイラ「お前が何を切ろうとしていたのか知らないガ……パスだっ……ここハ……!」
芳佳「何言ってるんですか……!」
芳佳「こっちはゲームが始まってから一枚もカードを切ってない……二連続パス……!」
芳佳「その上パスを重ねるとなれば……これはもう……敗北不可避……!」
芳佳「止めないで下さいっ……!」
エイラ「待テっ……!」
エイラ「宮藤……お前がパスさえすれバ……」
エイラ「勝たせてやル……! この勝負……」
芳佳「ああ……?」
とりあえずこれだけ
ペリーヌ「あくしてくださらない?」
ペリーヌはホモ(確信)
魔女はホモ
ホモかと思ったら唐突なザワザワで草不可避
はよ
>芳佳「ああ……?」
尖ってますね…間違いない(鼻が)
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