俺「受験休みで学校は無しwwwwww」
俺「母は買い物でうちに居ねぇwwwwww」
俺「こんな日はネットサーフィンwwwwwwwwwwんんwwwwwwww」
俺「働く社畜どもを想像しつつ見るssは最高ですなwwwwww」
俺「……」
俺「何か自分でも書きたくなってきた」
俺「ひゃっはーwwwwwwwwwwアイデア横瀬wwwwwwww安価を取りますぞwwwwww」
安価でなんかss書く。
>>3でタイトル
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1393910409
>>1の一生
めんどいから>>2でいいや
十七年前……埼玉のどこかしらでオギャーと産まれた一人の赤ん坊が居た……
彼はすくすくと育ち、少年のセオリー通り電車の運転士に憧れるなどして最初の三年を過ごした……
四年目……彼はついに、最初の「壁」にぶつかった……
保育所のおばさんである……それはいともたやすく、彼の些細な快楽を奪い去ったのである……
皆さんは御存知だろうか……小学校入学前ほどの幼い男の子は、本能的に自慰に近い行為を行う事があるのだ……
嘘ではない、マジだ。大マジだ。ちゃんと調べた。
……そう、彼もまた、その一人だったのである……ただ彼は、悲しいことにちょっと豪胆すぎた……
保育所の昼寝の時間に、「ソレ」をしていたのである……
「何してるの?」保育所のおばさんはそう言った……それだけだった。それはとても親切な行為だったが、今となっては気の効いたジョークにも思える……
「ナニしてるの?」
そんなこんなで彼は小学校に上がった……
こっからの方針。
続けるか否か。続けるのであれば、どんな内容、文体で行くか
>>5
間違えた>>7
今の文体のままで1の小学校時代の友達との思い出
小学校……それは彼にとってまぎれも無く「地獄」であった……
保育所のころから言われていた「うんこ」という綽名が、学年いやさ、学校全体に広まったからである……
上級生。下級生。同級生。皆が敵であった。性の悪いことに彼らは皆、親が甘く、自宅にはゲームキューブやWiiがあった……
そう、スマブラ……当時のガキんちょのコミュニケ―ションツール。彼らにはそれがあった。私には無かった。これもまた、私が傷つく要因の一つだった……
終点で三対一になった。一人だけ残機を1にされた。キャラはうんこ色したサムスしか使わせてくれなかった。相手は改造でギガクッパを使っていた……
彼は泣いた。言い返せば怒りのあまり舌を噛んで笑われ、殴れば「喧嘩両成敗」これである。
だが本当に悲しかったのは、己が弱さであった……
いじめられてるとこんなんになっちまうんだなぁ
意外とおもしろいからこのまま中学生編、高校生編、大学生編、社会人編、番外編までやってくれ
小学生の時点でWii・・・あっ(察し
産まれたのが17年前って書いてあんだからまだ大学生にもなってねーだろ
大学以降は未来予想図でいいよ
嫌いならば!縁を絶てばいい!それほどに憎いのならば、学校は仕方なくともせめて放課後くらいは!
孤独に楽しく過ごせればいいのだ……だが彼にはそれが出来なかった。スマブラの楽しさ故に……
ああ、なんと浅ましき、うぬが乞食心か……だが誰が彼を責められようか⁉彼にはGBAも、GBCも、あるいはゲームアンドウォッチも与えられなかったのだ!任天堂とはげに恐ろしき企業よ……WiiU売上巻き返し来い!ルビサファリメイク期待してます!
こうして彼は、傷つく心をサムスのスクリューボールで癒しながら(自らを殴った男の家のGCで、だ)6年間を過ごした……中学校は違う。中学校は誰も同じ学校の奴がいない。そう自分に言い聞かせながら……
続くか、やめるならどんなのを書くか
>>10
通り過ぎてらwwwwwwwwwwww続いて中学生編行きます
入学式。彼は気絶した。小春日和だというのにクソ暑い学ランをフル装備していたからである。まぎれも無くこれは教師の仕業であった……
この日保険室は救護者で埋まった。1年2年3年、皆が力尽きていた。養護教諭は女神だったが、定員オーバーになっていたので半ギレであった……
「また⁉ベッド空いてないから椅子に座ってて!」
椅子も一つとして空いてはいなかった。彼は会釈をし、坊主頭の上級生と相席した……半ケツで一つの椅子に座る厨房……さぞや滑稽だったであろう……
萎縮した彼を待つのは、あんがい割とキツめな3年間であった……
部活。入りたかった部活は丁度この年で廃部になっていた。これが悲劇の始まりである……
代わりに入った吹奏楽部は、ちょいキチぎみなBBAが顧問をやっていた。夏休みの練習でまたも彼は倒れる(これは自業自得であった)のだが、これについてはまたの機会に話そう……
彼はくそまじめであった。小学校時の体験から、妙な正義感に凝り固まりつつも卑屈でプライド高い、というなんとも面倒くさい人間になっていたのだ……
故に授業に真剣に取り組んだ。音楽の授業では、恥ずかしがって歌わない同級生を尻目に大音声で歌唱。褒められた。調子こいた。当然教諭からの評価は良かった。
それを気に入らない一部の同級生からは目の上のたんこぶとばかりに恨まれ、しょっちゅう殴り合いをしていた。自分から手を出した事が一度も無いことを誇った。余談だが首の傷跡は今でも、彼の些細な自尊心を満たすのに役立っている……
しかしやがて、真実に気付く。
「あれ?こんなに真面目にやっててもいいことなくね?」
中身はどうあれ彼の行為自体は、真っ当な普通の少年そのものであった……だが彼はここから、外面すら気にしないようになってゆく……
彼は不登校になった。
ああああああ
途中まではやるじゃんと思ってたのに……
「そうしてそうして神様は、小さな小さな蜂の中に」
神は己の中にある。そう信じて疑わなくなった彼は、登校する事を止めた。嫌気がさしたのだ。何もかもに。この時、齢14、世界を語るには些か狭すぎる見識だった。
部活では打楽器のパートリーダーになっていた。新入生への指導方針で、唯一の同級生同パートの「S君」と喧嘩をした。S君は強権的で独善的だった。返事が小さい下級生に、こう言い渡した。「小さい返事したらその場で腕立て10回」やりすぎと言うものだろう、それは。だがS君は譲らなかった。
「リーダーは俺だ」
何故その一言が言えなかったのか?今でも彼はそれを後悔している。例え汚くてもS君を止められれば……下級生の退部は避けられたのではないだろうか。
クラスでは孤立していた。彼の内に秘めたる傲慢が、周囲の人間にも分かってきたのかもしれない。あるいは最初から一人で、彼自身が気づいていなかっただけかもしれない。給食のビーフシチューは一人だけ少なく盛られていた、一口分しかなかった。
いじめられている奴を止めた。
下手人?「俺は遊んでただけでーすwwwwwwww」
被害者?「いや、その……本気じゃなかったっていうか」
ふざけるな。遊びってなんだ。遊びで筆箱かくして窓の外に投げ捨てるのか。だが教師は非情だった。あるいは部外者たる彼が此処まで執着する事に、何かを感じたのか。
「つぎからは先生に言おうね?」
小学校で頼りにならなかったのはその「先生」という生き物である。彼は泣いた。
そんな彼にも味方は居た。親だ。だがしかし、それすらを彼は裏切った。
登校するふりをして彼は、橋の下で主にホームレスとお話ししていたのだ。不登校と言ったが、家を出てはいた訳である。
昼食は食べなかった。時折コンビニおにぎりを摂取してはいたが……彼が好んで摂取したのは寧ろライトノベルであった。古本屋に入りびたり贄殿之遮那のフレイムヘイズの活躍を目から喰らった。空腹は忘れた。
その行為が白日の下に晒されるまでには二か月かかった。明らかになってからも彼は学校をさぼり、一度など自転車で秋葉原まで遠征した。「チャリで来た」という訳だ。帰れなくなって補導された深夜二時……彼はもう泣かなかった。母は泣いていた。
得た物は、在った訳だ。「ごはんおいしい」
その後は家にいるただの不登校になった。家に親がいない間にPCで遊び、2chやSSVIPを知ったりするがそれはまた別の話。
三年生になり高校に行かなければならなくなったので、彼はまた学校に行きはじめた。でもどの面下げて?だから彼は、ソリッド・スネークばりにコソコソしながら重役出勤していた。
結局殴り合ったりしながらも、卒業した訳である。
中学編終わり。
高校編?変える?
>>22
いいですぞその調子で続けてくだされ
その調子で
では高校編へ。
面白いぞ
高校に上がった彼は欠席していない……二年生に上がってからの半年までを、ただの一度も欠席しなかった……
それはほとんど変身と言っても過言ではなかった……だがその理由は、「女々しくて」三曲分にも匹敵する女々しさからであった……
彼が選んだ高校は、偏差値だいたい50くらいの高校だ……彼なら偏差値56くらいの高校には受かったかもしれない……だがそこを選んだ、何故ならば?
「KO☆I(笑)」……を、していたからだ……志望校は気になるあの子と同じだった……だが!
彼が「やったー同じ高校に入れた―わーい」などと思っていた訳ではない……
気になるあの子は、直前で志望校を変えていた……その事に彼は、入試後に気が付いた……
では何故、彼は皆勤賞を取っていたのか……簡単すぎる……彼は、強くなったのだ……わりと。
だからそのくらいの事では……気になるあの子と一緒の高校に行けなかったくらいではへこたれなかった……楽しみにしていたパソコン部が廃部になっていてもへこたれなかった……諦めて入った合唱部から男子部員が消え去ってもへこたれなかった……此処に来て彼の図太さが発揮された……
彼はそこそこ有名になった……そりゃあ目立つだろう……文化祭、音楽祭、三送会……女子の中にただ一人、毅然と歌う一人の痩せぎす……友人も出来たし家族との関係も良好だった……
二年生に上がったある日。気になるあの子に告白し、フラれた……「今彼氏いるし……」それでさえ彼の心を折るには不足だった……背中を襲う寒気と震え、それでも彼はこう言った……
「理由に俺自身の事が入ってない!やったね!」
それが彼女のやさしさだったかもしれない事は分かっていた……それでも彼は嘯いたのだ……今や彼のハァトは、今まで無かった「ポジティブ心筋ッ!」それすら獲得していたのだ……
彼がたちむかう、新たな「壁」……
大 学 受 験
脛と心に傷を負った彼は……果たしてどこへ向かうのか?いやさ……向かえるのか?
完(?)
1ですが、ここってどのくらいで落ちるんですかね?また来れるとしたら明日の午前中ぐらいになりそうなんですが
そもそも需要あるのかっていう(安価で書くSSを決める、って企画のです)
深夜は人大杉で入れねぇしwwwwwwwwwwwwビューア?何でかDL出来ん
■ SS速報VIPに初めて来た方へ
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382282036/)
とりあえずここ読んで来い
んぁ、>>28様ありがとうございます
そうか落ちないのか……じゃあ明日……もし来れたら今夜にも続きやろうかな
大学編はパスで。私の未来予想図Ⅱ(Ⅰは廃棄)晒しとか、さすがに「ポジティブ心筋ッ」でも防げないMPダメージや
因みに普通の文章も書けますからね?
次タイトル>>31
内容>>33
伸びてなかったら黒歴史ノートが火を噴くwwwwww
意外に面白い
黒歴史ノートも見てみたい
st
黒歴史ノートで
自分がなりきってたキャラや物語の中で一番痛いと思うもの
ノートとかもあればそれもup
タイトルが「黒歴史ノート」
内容が「自分がなりきってたキャラや物語の中で一番痛いと思うもの。ノートとかもあればそれもup」
うーん……なりきってた、ねぇ……邪気眼はそんなに発動して無かったんだよなぁ……
SSになりそうなのは一つあったね
俺「IS学園?」
これだけ。妄想はもう頭の中にしかない。これ書いたのはどっか行っちゃって。中学んときのやね。
俺が関わらないのだと
ジャムおじさん「バタコッ!中に出すぞッ!」アンパンマン
白米戦隊スイハンジャー
少年「とうさん……これメタルビートルじゃなくて>>2だよ……」
ロンリィ・ベイビィ・ブルース
男「今日もクソみたいな仕事の時間だ」
くらいかな?
俺「IS学園?」
でいい?>>36
かそくした
ロンリィ・ベイビィ・ブルース
おk、今夜はもう来れないが、書きためておくわ。
また明日会おう!
乙
平日の昼はゴロゴロゴロゴロ
あぁ、俺の息子がジャスティン•ビーバーだったらな
昼ですね!こんにちは>>1です。
では投下を開始します。書きためはあんまりないんでご容赦ください
次から、どうぞ。
2030年代の終わり。大規模な地殻変動によって、極東の島国は十三に引き裂かれた。既存の国家体制は崩壊し、人々は終末を想起した。
他国家は非情だった。十三の島は四の国によって分割統治される事となり、日本人は各国家への帰属を余儀なくされる。
時がたち、2043年。未だ傷癒えぬ、かつて関東と呼ばれた地域に、とある噂が広まった。
曰く、「電脳の世界に、古き日本が蘇った。現実の肉体を捨てればそこで永遠の生活が保障される」と。
国家の末期に蔓延る新興宗教の一つ。誰もがそう思っていた。
だが。
――――ロンリィ・ベイビィ・ブルース
2062年、エリア7《TOKYO地区》の夏は暑かった。アメリカが四月に導入した環境維持システムが故障し、気温管理がおろそかになっていたからである。住民からの批判は無論あったが、その多くは旧日本人からではなく、本土より越してきた米人からであった。
灰色の礫を蹴り飛ばしむんとする熱気に悪態を吐いたジャックは、19歳だが学生ではない。普段の住居は環境管理ドーム外に建てられた違法アパートメントで、電脳省でのデバッグの臨時雇用によって生計を立てていた。ドーム外は未だに整備が進んでいない。当然猛暑も日光も直撃である。エアコンなど無いので、涼しくしようと思ったら扇風機か団扇しかない。
故に彼は、仕事の連絡が来た時は喜んだ。電脳省はドーム内にあり、つまり環境維持システムのある快適な空間へ行けるからである。電子ポストから吐き出された最後の一文を読むまでは。
『ちなみに維持機構がぶっ壊れて中はクソ暑いからそのつもりで来い』
「……あのハゲ達磨。わざと今日呼びつけたんじゃねえだろうな……」
ハゲ達磨とは彼の上司の事である。上司と言ってもジャックと同じく非正規雇用なので、お互い大して気を使っていないのだが。
温暖湿潤気候の夏は彼には暑すぎるようで、額には玉のような汗が幾粒も光っていた。少し汚れた袖で拭っても後から後から噴き出るので、とっくに放置を決めている。せめて風の一つでも吹けば、と思う。だが悲しいかな、ドーム周辺には集積された建築物の残骸が山脈じみて並んでおり、感じるほどの風は無い。
団扇を持ってくればよかった。いやいっそ、投げ捨てられている雑誌でも代わりに……そう思った時だった。
「へーい大将!乗ってくー?」
呑気な声が聞こえた。
かーちゃんにお使いを言い渡されたのでちょっと行ってきます
また来ます
期待して待ってる
いいぞもっとやれ
ただいま@>>1
ジャックを追い越した電気補助自転車に、声の主が乗っていた。色落ちした長い黒髪を靡かせている。後ろの荷台に積んだ荷物から察するに、ドーム内と外を往復する運び屋のようである。
「……そいつは一人乗りだろ」
「二人で乗れば二人乗りだしー。どうするよ?」
「荷台なら」
「おおっとハンドルがー」
急カーブを切った前輪がジャックを急襲した。積荷が振り子のように揺れるが落ちる事はない。荷台は吊り下げ型なのである。アーチ型のフレームに、フックでぶら下げた荷物。人が乗る場所などない。要するにジャックは拒否した訳だが、自転車の主はそれに納得いかないようで抗議の突撃を敢行したらしい。
しかしジャックはさして驚きはしなかった。軽く身を躱す。
「そんなに運動大好きなら走っていけばいいのにさぁ」
「暑いのに走る馬鹿が何処にいる」
「ここに」
「テメェ電気自転車だろうが」
「そうでしたー」
数回ベルを鳴らしたのち、自転車の主はさっさと行ってしまった。
見送ったジャックがそれを後悔することになるのは十分後、崩れたらしい瓦礫の山で歩行者用の道が塞がっている事を知った時であった。
電気自転車、特に運び屋が使うものは、優先的に使える専用の道がある。
ジャックの口から洩れる悪態が増えた。
環境管理ドームはアメリカが独自に導入した、旧日本復興用の巨大ドームである。微細な炭素繊維を骨組みとし、ゲルの薄膜を面とした多角形で、ゲルの張力と内外の気圧差によってその形を保っている。ゲルは常に流動し、外気と内気を遮断すると共にドーム周辺の大気の浄化をしている。
内気の状態を保つのもゲルの役目だが、これはゲルの状態によって効率が変化する。特に温度の調整はゲルの気化熱によって行われるのだが、外気から取り込んだ塵の量で蒸発量、すなわち冷却効率が変化するため……これを如何にして制御するか。即ちゲルが含んだ塵をどう除去、制御するかに研究者は心を砕いている。
しばしばこの除去システムは試験的に新規の物が使用される場合がある。昨夜も同じように、試験段階のシステムがインストールされ……結果、現在ドーム内は外に勝るとも劣らない超猛暑となった訳である。
「……んで?それを俺に言ってどうしようってんだ」
「今回の仕事の関連事項だ」
「塵云々は初耳だが、ソレがデバッグとどう関係あるってんだ。俺の仕事は元のシステムのデバッグだろ?」
「いんや、今回の仕事はデバッグじゃない」
環境管理ドームはアメリカが独自に導入した、旧日本復興用の巨大ドームである。微細な炭素繊維を骨組みとし、ゲルの薄膜を面とした多角形で、ゲルの張力と内外の気圧差によってその形を保っている。ゲルは常に流動し、外気と内気を遮断すると共にドーム周辺の大気の浄化をしている。
内気の状態を保つのもゲルの役目だが、これはゲルの状態によって効率が変化する。特に温度の調整はゲルの気化熱によって行われるのだが、外気から取り込んだ塵の量で蒸発量、すなわち冷却効率が変化するため……これを如何にして制御するか。即ちゲルが含んだ塵をどう除去、制御するかに研究者は心を砕いている。
しばしばこの除去システムは試験的に新規の物が使用される場合がある。昨夜も同じように、試験段階のシステムがインストールされ……結果、現在ドーム内は外に勝るとも劣らない超猛暑となった訳である。
「……んで?それを俺に言ってどうしようってんだ」
「今回の仕事の関連事項だ」
「塵云々は初耳だが、ソレがデバッグとどう関係あるってんだ。俺の仕事は元のシステムのデバッグだろ?」
「いんや、今回の仕事はデバッグじゃない」
連投しちった(ちっ
ジャックは胡乱げな目でバーカウンターの向こうに立つ男を見た。
黒い肌でスキンヘッド。岩から削り出したような厳つい顔の男が、ガラスのコップを丁寧に磨いている。ジャックはこの男の太い腕を見る度に、どうしてコップを握り割らないで磨けるのか不思議に思っている。聞くと彼はいつもこう答えていた。「強化ガラスなんだよ」
「デバッグじゃない?じゃあ何だ」
「『赤ん坊殺し』」
「はぁ?」
「ジャック、とぼけなくていいんだぜ。お前が外サーバーで何やってるかは、もう『上』の奴らには筒抜けだ」
「……けっ、そうかよ」
ジャックは琥珀色の液体が入ったマグを傾けた。中身は古き良き日本の夏の風物詩・・・・・・要するに麦茶、しかも本当の麦ではなく合成品なのだが。
「今回の温度管理機構の不具合、『赤ん坊』が原因だって話だ」
「……んで?」
「まだシステムの中にいる。排除しなきゃどんな機構をインストールしようがうまく動かん」
「言い方をシステムやら機構やらとコロコロ変えんのは、なんか意味あるのか」
「いいや、無い」
「紛らわしいからやめてくれ」
コトリ、と、温くなった麦茶をカウンターに置く。
「三倍。でなきゃやんねぇ」
「立場分かってるか?」
「こっちのセリフだ。俺だって好き好んであんなことやってる訳じゃねぇ」
「無償でやってたんだろ?」
「善意は高くつくもんだ」
「口だけ達者になりやがって、雇われのガキが」
「どうすんだよ、雇われマスター」
岩のような顔が数秒間、鼻の頭に山脈を刻んだ。どうにも気に食わないらしいが、何が気に食わないのかジャックにはさっぱりだった。『赤ん坊』殺しなら、いつもの三倍の給料でも十分安すぎる程の値段の筈だ。
『赤ん坊』殺しが出来る人材自体、居るだけでこの『十三列島』を左右しかねない存在なのだから。
「……深追いすんな、無茶はするな、無鉄砲はやめろ」
「そんだけか?」
「そんだけってお前……もういい、さっさと行け」
「言われなくても」
右の掌から、B-LANケーブルの端子を引き出す。この店の照明はかなり暗めに設定されているので、他の客には見えない筈だ。先端をバーカウンターに開いた小さな穴に挿し込む。
思考が加速する中、ふと思う。
このカウンターに立つ男、名前は何だったろうか、と。
>>1です。明日は学校あるんで来れないかもです。書きためはするんで、土、日のどっちかには来れるはず……
続けない、他の何かに変えたいなど、今後の方針は……今んとこ聞かなくてもいいんかね。なんか好評だし
ちょっと複雑な気分だけどなwwwwwwwwwwww
トリップ付けたら?いちいち>>1ですって報告すんのめんどいでしょ?
>>1です。トリップってこれであってますか?
――――B-LAN。脳とコードで電子機械と直結する事で使用可能になる、超高速通信網である。旧日本で研究が進んでいたVRネットワーク技術の一つで、その権利は《TOKYO地区》がアメリカの支配下に入った後、あるベンチャー企業に移っていた。
とはいえ、それも今は昔の話。現在、B-LANは《TOKYO地区》に限らず『十三列島』全域を結ぶ巨大ネットワークとなっている。接続に必要なのは少々高価なインプラント手術と慣れ。環境維持ドーム内の各所に設置されたコネクタに、神経変換ケーブルを繋ぐことで接続可能となる。広大な電子ネットワークを現実の肉体でするように歩き、見聞きし、巡る事に、多くの人間が魅了された。
さて、そんなB-LANにも、欠点があった。
俗称『赤ん坊』。視界内に胎児が映って消えない、というB-LANの異常挙動である。
旧来のインターネットにもあったウイルスの類であると、多くのユーザーが思っている。実際『赤ん坊』は特定のページを開いた――B-LAN風に言えば「行った」か――場合にのみ出現するのだ。それも、単純なオブジェクトとは違って視界に張り付いたように定位置を維持する。しばしば胎動のように動きはするが、それさえ稀なことだった。
その実態は、ウイルスやバグなどという生易しいものではないのだが――――
軽妙なSEと共に、ジャックはB-LANのホームページへ降り立った。ホームページは簡素なログハウスのような作りで、本棚にはブックマークが収納され、玄関には靴に見立てたブラウザが三つ並んでいる。机の上のランタンはセキュリティソフトだ。
ジャックは本棚から『環境省』と書かれたファイルを取り出すと、そのうちの一枚を取り出して玄関の郵便受けに差し入れた。黒いスニーカーを履いて、ランタンを持ち、壁に掛けてある小さな銃をポケットに入れる。
……玄関の郵便受けはURLの入力場所だ。視界を遮るポップアップに表示されるのは、ブラウザ固有の定型文。意味するところは同じなのだが。
『ロード中です_しばらくお待ちください』
Now_Loading。碧の円環フラッシュが回る。三秒、五秒、十秒……繋がらない。
普通のユーザーならば、通信が遅いだけだろうと考える。だがジャックの第六感は、危機を察知していた。接続しようとしたのはゲスト用の、環境省のトップページである。現在異常が発生している環境維持システムとの直接のリンクは無い筈だが……?
URL紙を引き抜く。接続が中止される。ジャックは違うファイルから抜き出した紙を、改めて差し込んだ。今度の接続先は、『処理中枢』。何の?B-LANの、である。今度はすぐに繋がった。ドアを開ける。
その先にあったのは、清潔感のあるロビーだった。天井からぶら下がる案内表示は、訪れた者に部署の位置を教える。さっきまで居たバーとは違い、小綺麗で工業的なデザインのカウンターが並んでいた。その向こうで笑うのは、応対用の自動会話機《チャターボット》。顔という個性を与えられながらも、どこか画一的なものを感じるのは、彼らが皆応答パターンに沿って会話するプログラムだからに過ぎない。
ここが『処理中枢』、ではない。厳密には。
「手遅れもいい所だ畜生!何でここまで気づかなかったんだ!」
B-LAN内での会話は音声ではなく文章として処理される。故にジャックの罵倒は頭上のポップアップとして表示された。ボット達が一様に警戒の表情になる。まるでコメディ映画のような光景だ。……環境省のゲストページに搭載されたボット達と全く同じ反応である。
ジャックはページを走りまわって、辺りを探る。この現象の元凶たる『赤ん坊』を早く除去しなければ、環境省にアクセスしていた多くのユーザーが全員植物状態になってしまうからだ。
――――B-LANとは、脳を直接インターネットに接続して使う、VR技術とネットワーク技術の融合……と、表向きにはされている。だが正確には違う。旧日本で研究されていたのは、『電子機械を経由して脳同士を接続して使うネットワーク』である。B-LANのサーバーとは、B-LANに接続している人間の脳髄に他ならない。
即ち、ジャックが接続した『処理中枢』も……
ジャックはロビーのページに『赤ん坊』が居ないのを確かめると、違うページに移る。簡単だ、現実と同じようにドアを開ければいい。ノブを掴むとユーザー確認がなされた。
ジャックが開けたのは他の省へ移動するためのドアだった。緑色の光輪がジャックを包む。それが消えた時には、彼は環境省の管理ページに居た。机とパソコンと椅子が並ぶ、いたって普通のオフィスである。
本来なら今通ったドア、即ちリンクの先には、電脳省のゲストロビーがある筈だった。だが先にあったのは違うページ。これはどういう事か。簡単だ、ページの位置が異常になったために、リンクが故障しているのである。
そもそも。ジャックが接続したのは、『処理中枢』の筈である。しかしその先にあったのは環境省のロビーだった。これが、一般には知られていない『赤ん坊』の実態……の片鱗。ページの複製。かつてのインターネットにおけるダミーサイトと現象は似ている。こちらは本来のページを破壊する為、尚更たちが悪いのだが。
ジャックは目で辺りを浚う。『赤ん坊』を探して。机と机の間を走り、作業が途中で中断されたデータファイルをかき分け、異常の源を探す。仮想の窓から仮想の陽光が、差し込まない。ノイズしかない。どうやらこのページの景観情報は、外部から取得していたようだ。リンク切れを示す砂嵐が、見ている者の距離間を奪う。
ログインしていた職員は皆、作業中の姿勢で固まっていた。意識もないだろうとジャックは推測する。彼らは脳の処理リソースを強引に奪われているのだ。この件が終わった後、果たしてまともに生活出来るだろうか?治療のためのプログラムは用意されているが、そうしてまで働き続けたい者など……
余計な思考は作業の遅れに直結する。ジャックは集中力を切らさないように心がけようとした。
『赤ん坊』は出現しなかった。そしてジャックはまた、違うページへ。
合計で四度、ページを変えた。繋がった先は、環境省の『環境維持システム管理区画』。現実の異常にもっとも近いであろう場所。最初からこのページに行きたかったジャックだが、リンクはどう繋がっているか不明なのでそうもいかなかったのである。
果たして。
「……けっ。ビンゴってか。ふざけんな……何でお前がいるんだよ」
ジャックの視界に飛び込んできたのは、宙に浮く胎児。臍の緒の切れた先端がノイズで見えない以外は、そうとしか見えない。ソレは母の羊水の中でするようにもぞもぞと蠢きながら、何かを食んでいる。
そしてもう一つ。ついさっきドーム外で出会った……運び屋だ。
「おい」
「……んん?なんで君がいるのさー……」
「こっちのセリフだ。ここは関係者以外立ち入り禁止だ」
B-LAN内でのドアノブは、セキュリティシステムを兼ねている。掴んだ者が接続権を持っていなければリンクは開かない。B-LANのみでは内部からの招待も出来ない為、彼女がここに居るという事はつまり、正規の接続権を持っているか……。
「だtte[joolknpaがしたKhdw->2,4」
「そうか、黙っていろ」
このページがかなり深いところまで、『赤ん坊』に浸食されているか、だ。
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