天海春香「ついに、私もポケモンの旅に!」(948)
「家がー!家がひっくり返ってるぞー!」
「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ!」
「あ、あれは何だー!?」
「でっかい宝石かー!?」
「大丈夫かー!」
春香「な、な、な、なにごとー!!」
雪歩「ひーん!」
真「みんな!あの大きな石みたいなのを見て!」
春香「うわ!これのせいなの!?」
雪歩「みんな!早く逃げないと~!」
………
……
…
春香「…!!」ガバッ
春香「…ま、またあの日の夢か…」
あの日から4年が経ちました。
春香「ってー!今何時!?」
フレア団による一連の事件、今では騒動はおさまり、今日も平穏で何もない朝…
春香「いやー!!完全に遅刻!!」
ではなく、今日は…
真「もう~、遅いよ春香」
雪歩「おはよう~」
春香「ごめん、ごめん、えへへ…」
真「さ、お披露目だよ…」
春香「うわあ~!これ!これ!」
私の冒険の、始まりの朝。
真「そう、モンスターボールだよ!春香!」
春香「く~!これを何度この手に持ちたいと思ったことか…!!」
春香「…あれ、プラターヌ博士は?」
真「…なんか昨日の晩に突然僕にこのボールを預けてさ、明日は急用ができた~って」
春香「なーんだ、てっきりお母さんの時みたいに博士から直接もらうのかと思っちゃった」
雪歩「そうなの?」
春香「お母さんは、最初は皆そうやって旅を始めるんだって言ってたよ、ジョウトからこっちに嫁いで来たからジョウトだけの風習だったのかもね」
雪歩「そうなんだ、私のお父さんもお母さんもカロスの人だから…」
真「博士ずぼらなところ多いからなあ、さ、始めるよ…」
雪歩「ま、真ちゃん?」
真「全部ボールから出して、それで選ぼうよ!」
春香「真はボールの扱いを知ってるもんね~」
真「へへっ、なんてったって、僕の隣の家の律子は…」
シュパァァン!シュパァァン!シュパァァン!
真「あの事件で大活躍したチャンピオンだからね!」
ケロマツ「ケロケロ~!」
フォッコ「フォコッ!」
ハリマロン「ハリハリ~!」
雪歩「ひ、ひやああああ!!!」ダッ
真・春香「」
ケロマツ「ケ、ケロ…」
フォッコ「…フォコ?」
ハリマロン「ハ、ハリ~…?」
真「ゆ、雪歩!急に…」
雪歩「い、いぬがぁ~!!」
春香「犬…?」
真「もしかして…フォッコの事?」
雪歩「」コクコク
春香「雪歩、これ犬じゃなくてキツネ…」
雪歩「どっちも一緒ですぅ~!!」
フォッコ「」ガーン
真「…どうする?雪歩」
春香「どうするって…これ、好きなやつを選ぶんだよね?」
真「春香はもう決まった?」
春香「…一応」
真「実はボクももう決まってるんだよねー…」
春香「…せーので指さす?」
真「雪歩、決めるよー」
雪歩「え、ちょ…」
真・春香「…せーの!」
真「ハリマロン!」
春香「ケロマツ!」
雪歩「ケ、ケロ…」
真「良し!決まりだ!ハリマロン!」
ハリマロン「ハリ~!」
真「あはは、可愛いな~!」
春香「…」
雪歩「あ、あの…」
春香「ケロマツはどっちがいいの?」
ケロマツ「ケロ…」
春香「よしケロマツ、君に決めた!」
雪歩「ああ!!」
フォッコ「…」
春香「ケロマツよろしくね~」
ケロマツ「…ケロケロ!」
春香「うんうん、まずは握手だね」
ケロマツ「ケロケロ~」
雪歩「」ガーン
真「フォッコも可愛いじゃないか、雪歩」
春香「そうそう、ほらフカフカしてそうだし」
フォッコ「フォ、フォコ~…」フリフリ
雪歩「うう!ひゃあ~!!」
フォッコ「」ガーン
真「重症だなこりゃ…」
春香「でもこれじゃあ旅に出られないよ~」
真「雪歩を置いていくわけにもいかないしなあ…」
真「取り敢えずボールに戻してよ、雪歩」
雪歩「ど、ど、どうするの~…?」
真「戻れってフォッコに指示するんだよ」
雪歩「し、指示…」
フォッコ「フォコ!」
雪歩「ひぃっ!」
雪歩「も、も、戻ってくださ~い!」
シュパーン!
雪歩「ひゃっ!」ポイッ
春香「あ!ボール!」
真「うわっ!雪歩!」パシッ
雪歩「ご、ごめんなさい!」
真「はあ…雪歩…」
真「雪歩、このボールにはフォッコが入っているんだ、落としたりしたらダメだろ?」
雪歩「すみません…びっくりして…」
真「取り敢えず、今日は僕たちは出発しないよ、雪歩がまずフォッコと仲良くならなくちゃ」
雪歩「えっ!?」
春香「ま、そうしないと仕方ないよね…」
真「一度家に戻ろう、雪歩は要相談だ」
真「そんなわけでかくかくしかじか」
春香「どうしよう…」
雪歩「…」ショボン
真一「なんだ、そんな事か」
真一「簡単だよ、バトルをすればいいんだ」
真「…言うと思ったよ」
春香「バ、バトル…?」
雪歩「ええ~!?」
真一「そう、バトルは互いの絆を深めあうのだ!君たちもポケモンを連れてこれから旅をするんだろ?だったらまずはバトルを覚えなさい、みんなそうしてきた。サイホーンレースだって時にはバトルに持ち込む時だってある」
真「禁止行為じゃないか…」
真一「峠のバトル、ストリートレースにルールは無い!というわけで外に来なさい」
「やー、ついにこんな時期か~」
「これはめでたいめでたい」
「みんな頑張って~」
雪歩「ギャ、ギャラリーがいっぱいですぅ…」
春香「うひゃあ~、近所の人総出かあ…」
真一「1対1でバトルを行う、形式は…って一匹ずつしかないか、一戦が終わったら私が回復を行う」
真一「まずは…まあ誰でも良いか」
真「ボクが行くよ、どっちでもいい、来て!」
春香「…じゃあ私で!」
真「春香だね、よし、いけ!ハリマロン!」
シュパァン!
ハリマロン「ハリ~!」
春香「よ~し、頑張ろう!ケロマツ!」
シュパァン!
ケロマツ「ケロケロ!」
春香「…えっと…どうしよう…」
真「春香、指示をするんだよ」
春香「え、えっと…よし!ケロマツ!あわ!」
ケロマツ「ケロ~!」
真「…効かない!」
ハリマロン「ハリー!」
春香「ええ!?なんで!?」
真「春香、ポケモンには相性があるんだ、草は水に強い!」
真「ハリマロン!つるのムチ!」
春香「相性…!?ああっ!ケロマツ!」
ケロマツ「ケロッ!」
ケロマツ「ケ、ケロ~…」
真「…勝負あり、かな」
真一「この勝負!真・ハリマロンの勝ち!」
「いや~、さすが菊地さんとこの娘さんだ」
「そうだね~」
春香「だ、大丈夫!?ケロマツ!」
真一「これで元気いっぱいだ」
ケロマツ「ケロケロ~!」
春香「うう…ごめんね…私が知らなかったから…」
ケロマツ「ケロケロ!」
春香「何言ってるかわからないけど…」
ケロマツ「ケロ、ケロケロ!」
春香「これから頑張れば良い…とか?」
ケロマツ「ケロ~」コクコク
春香「あはは、そうだよね、ケロマツ」
真一「おっ、春香ちゃんはもう心を通わせているな!」
春香「そ、そうですかね」
ケロマツ「ケロケロ」
真一「ケロマツもそうだと言っているぞ」
春香「本当ですか?」
真一「たぶん」
春香「あはは…」
春香(…さて、次は…)
春香「あの…草タイプって…」
真一「もちろん、草は火に弱い」
真一「だが勝負はやってみないと分からない。いくら草は火に弱いといえど、油断は禁物だ」
春香「…」
真「雪歩、来て」
雪歩「う、うう…」
雪歩「フォ、フォッコさん!」
シュパァン!
フォッコ「フォコー!」
雪歩「きゃああ!」
フォッコ「フォコ…」
真「ハリマロン!頑張ろう!」
ハリマロン「ハリ!」
雪歩「う、うぅ!」
真「雪歩!雪歩が指示しないとフォッコは戦えない!」
春香「頑張れ!雪歩!」
雪歩「む、無理ですぅ~!!」
真「…そっちが行かないなら…ハリマロン!体当たりだ!」
ハリマロン「ハリー!」
フォッコ「フォコー!」
雪歩「ああっ…!!」
真「雪歩!このままじゃ一方的にやられるだけだよ!」
雪歩「で、でも…!」
雪歩(私には…無理…!)
真「…ハリマロン!もう一度体当たり!」
ハリマロン「ハリ!」
フォッコ「フォコ…!」
真一「!」
春香「ああ!フォッコが…!」
雪歩「うう…そんな…」
真「…次でボクの勝ちだ」キッ
真一「…雪歩ちゃん!フォッコを見るんだ!」
雪歩「フォ、フォッコさん…」
雪歩「…!」
フォッコ「フォ、フォコー!」
真一「フォッコは指示を待っているんだ!トレーナーの君の指示をだ!」
真一「君は、フォッコを裏切るのか…!」
雪歩(…わ、私のせいで…)
雪歩(私がうじうじしているから…フォッコさんは…!)
雪歩「…フォッコさん、私の指示、聞いてくれます…か…!」
フォッコ「…フォコ!!」
雪歩「…」キッ
真一(目つきが変わった!)
雪歩「…フォッコさん!ひのこ!」
真「たいあたりだ!」
フォッコ「フォコー!」
ハリマロン「ハリー!」
真一「フォッコの方が早いか、だが一発は耐える…この勝負…」
雪歩「お願い!」
真「頑張れ!」
ハリマロン「ハ、ハリー!」
バシッ…
フォッコ「フォコ…!」
フォッコ「…」フラッ
雪歩(…負けた…)
真(…)
フォッコ「…フォコ!」ガッ
真「な、なに!?」
雪歩「た、耐えた!?」
真一「…ハリマロン…やけど状態!?」
真一「…そうか!やけどでハリマロンの攻撃が弱まったのか!」
真一「そしてハリマロンは…!」
真「ハリマロン!」
ハリマロン「ハ、ハリ…」バタッ
春香「ハ、ハリマロンが倒れた…!?」
真「きゅうしょ…いや、火傷のダメージ…両方…か…」
真一「…ハリマロン戦闘不能!勝者は雪歩ちゃんとフォッコだ!」
雪歩「か、勝った…!?」
春香「…雪歩が指示を下したからだよ!」
雪歩「私が…」
フォッコ「…」
雪歩「ううん…違う…」
雪歩「私が勝てたのは…」
雪歩「フォッコさんが最後まで私を信じてくれたから…」
雪歩「うう…フォッコさん…」
フォッコ「…フォコ」
雪歩「ごめんね…ごめんね…!」
フォッコ「…フォコ!」
真一「…な、私の言うとおりだろ?」
真「…ほんとだね」
真「…お疲れ、ハリマロン」
ハリマロン「ハリ~」
春香「これが、ポケモンバトル…」
春香「ねえ、ケロマツ…」
春香「私たち、これからああやって戦って、強くなっていくのかな」
ケロマツ「…ケロ」
春香「…よろしくね、改めて」
ケロマツ「…ケロ」
こうして初めてのバトルは終わりました、雪歩もフォッコとの信頼関係を結ぶことが出来て一安心。
私たちはご近所さんに見送られ、次の町、ハクダンシティを目指すのでした。
今回はここまで。
兄「ごめんな?勝手に家に入れて。とりあえず幼、帰って良いぞ」
幼「何で!?私まだ何もー」
兄「じゃあ俺を助けろよおおおぉぉぉ!にらんでないでさぁ!」
幼「ご、ごめんなさい···」
兄「うぐっ···もういいよ···どうせ俺なんて生ゴミの塊なんだ···」グスッ
妹「拗ねさせちゃった···」
幼「そんな某藤原家の人みたいな事言わないで···」
おつ
トリップ付けることにしました。 テストです。
目指すはハクダンシティ、ハクダンの森を抜けることにした私たちはまず、野生のポケモンとの戦闘を経験するのでした。
真「ハリマロン、たいあたりだ!」
ハリマロン「ハリ!」
ヤヤコマ「ピーッ!」
真「いけっ!」
パシュン!
テンテンテン…テン…テン…
カチッ
真「やーりぃ!ヤヤコマゲット!」
雪歩「うわー、すごいですぅ!」
春香「やったね、真!」
真「雪歩もホルビーを手に入れてるし、春香だって…」
春香「え、私はまだだよ」
真「あれ、さっきなんか捕まえてなかった?」
春香「逃げられちゃった、えへへ」
真「それは残念だったね…」
春香「でもね、次のハクダンの森、実はですね…」
雪歩「実は?」
春香「…ピカチュウが出るという噂なんですよ!」
雪歩・真「ええ~!?」
雪歩・真「ええ~!?」
真「それ、本当!?」
雪歩「ピカチュウ!是非ともゲットしたいですぅ!」
春香「しかし極まれにしか姿を現さないという…」
真「捕まえられたらいいなあ…」
春香「というわけでモンスターボールを温存しようかなあと、それまではケロマツのレベル上げかな」
春香「…あれ、あそこ男の子が…」
たんぱんこぞう「…おっと、男の子とは聞き捨てならないね…」
春香「君、何してるの?」
たんぱんこぞう「シッ…あまり大きな声を出すな…」
たんぱんこぞう「フレア機関の奴らに…」
真「…」
雪歩「…」
春香「…」
真「ゆけっ!ハリマロン!たいあたりだ」
たんぱんこぞう「えっ、ちょっと…」
たんぱんこぞう「我がジグザグマ!あーっ!」
たんぱんこぞう「不意打ちは卑怯だぞ!」
真「やった突破だ!行くぞ二人とも!」ダッ
春香「ほいさー!」ダッ
雪歩「わ、分かりました~!」ダッ
真「これがせめてもの優しさだ…」
春香「うん…そうだね…」
雪歩「律子さんやあずささんが通った時にはまだ小学生だったんだよね…」
真「いつの日か彼もこのことを思い出す日が来るだろう…」
真「っと…」
春香「…ハクダンの、森…」
雪歩「…ここ、が…」
春香「な、なんか薄気味悪いね…」
雪歩「う、うん…ほんとにこんなところにピカチュウが居るんでしょうか…」
真「しっ…今何か動いた…」
雪歩「ひぃい!!」
春香「お、驚きすぎだよ雪歩…」
雪歩「す、すみませぇん…ひゃあああ~!!」
春香「うああああ!なに!?」
真「って、ト、トランセルだろ!び、びっくりさせるなって!」
真「うわぁ…がっつり木にくっついてる…」
春香「真…実況しないで…」
真「…ああ、うん…」
雪歩「…二人とも、あれ…」
ミニスカート「…あんたたちも修行中?って…スクールで見かけない顔ね…あ、分かった。ズバリ、初心者トレーナーってわけだ」
真「そうとも、ボクは菊地真、アサメタウンから来た!」
春香「同じく天海春香!趣味はお菓子作りです!」
雪歩「あ、あの…あの…私は…」
ミニスカート「ふっふっふ、そうときたら早速バトルね!」
雪歩「えっ」
真「ああ!トリプルバトルだ!」
春香「OK!いけ!ケロマツ!」
シュパァァン!
真「ボクは…ハリマロン!」
シュパアァン!
雪歩「フォッコさん!」
シュパァァン!
ミニスカート「えっ…ちょ、ちょっと待ってよ!私一匹しか持ってないんだって!」
真「えっ…そ、そうなの?」
ミニスカート「そうよ、ほら、この子だけ」
シュパアァン
ピカチュウ「ピッカッチュウ」
真・春香・雪歩「ああー!!!」
ピカチュウ「ピ…」
真「か、可愛い!!可愛い~!!」
春香「ああ~ほんとのピカチュウだ~!!」
雪歩「絵で見るよりずっとかわいいですぅ!!」
ミニスカート「あ、あの…」
真「これ、ここで捕まえたんですか?」
ミニスカート「そ、そうだけど…」
春香「ほら!」
ミニスカート「なかなか見つからないと思うわよ」
春香「ほら…」
真「くそー…どうする?」
雪歩「どうするって言われても…」
春香「うーん…」
ミニスカート「ここも昔はピカチュウ多かったみたいなんだけどね」
ミニスカート「ピカチュウって人気あるでしょ?だからみんな捕えちゃうの」
真「って…そんなこと言っても自分だってちゃっかり捕まえてるじゃないか」
ミニスカート「え…私は…って、そんなことより、勝負するの、しないの?」
真「ああ、別に良いです、ピカチュウ見たらなんかそんな気分じゃなくなりましたから」
春香「そうだね、元気でね、ピカチュウ!」
雪歩「また、ね」
ピカチュウ「ピカピ!」
ミニスカート「お達者で、じゃあね~」
ピカチュウ「ピカピカ、ピカピ」
ミニスカート「え?どうしたの?」
ミニスカート「…あの3人?」
ピカチュウ「ピッカー!」ダッ
ミニスカート「あっ、ちょ、ちょっと…」ダッ
真「春香はピカチュウ、どう思う?」
春香「え?あー、なんだか減ってるみたいだしね…」
雪歩「私、ふと思ったんですけど…」
雪歩「フォッコちゃん達は最初っからボールに入ってたじゃないですか、でも野生のポケモンって、ボールの外で暮らしてるんですよね…」
真「…どうなんだろうね、ボクのヤヤコマも」
雪歩「ホルビーだって…」
春香(…)
ミニスカート「おーい!」
ピカチュウ「ピッカー」
春香「…あれ、さっきのピカチュウ」
ミニスカート「ってそっちかい!…まあ、何でもいいわ…あのさ、スクールって知ってる?」
真「…あれですか?」
ミニスカート「違う、あそこはハクダンジム。やっぱり知らないことだらけ、か」
ミニスカート「ついてきてよ、色々紹介するから」
ピカチュウ「ピッカチュウ」
春香「ありがとうございます!」
雪歩「このお礼は萩原の名にかけて必ずや!」
真「あはは…すみません…」
ミニスカート「変わった人たちね…まずはポケモンセンターね…」
ピカチュウ「チャー!」
………
……
…
真「って、ポケモンセンターとトレーナーズスクールとジムしか無いじゃないですか!」
ミニスカート「だまらっしゃい!ど田舎なんだから仕方ないでしょ!ああ~、私もミアレみたいな大都会で住みたいな~…」
ミニスカート「ま、森を抜けなきゃ行けないどこかの街と違って、一応まだ近いんだからね?」
春香「大して変わらないし…」
ミニスカート「いや、ハクダンのギャル的に結構重要だからね!?まあそんなことは良いとして、このスクールなんだけど…」
ミニスカート「裏から講義は自由に出はいり出来るのよ、取っていない科目でもこうして見学出来るの」
真「ふーん…」
春香「うわ…すごい…」
先生「…それで、一見不利なこのボーマンダの、ユキノオーとの対面、実はそうとは言えない」
先生「それは何故かわかるかな?」
千早「はい」
先生「如月君」
千早「それはどちらも条件が同じだった場合、ボーマンダはユキノオーよりも早く、まただいもんじを覚えるからです。またボーマンダのいかくにより、いくらタイプ一致の4倍弱点とはいえ、こおりのつぶてで先制で落とされることも防げます」
先生「ふむ、そして君がボーマンダのトレーナーだった場合は?」
千早「勿論だいもんじを選択します」
真「はい!!」
千早「…?」
ガヤガヤ…
先生「はて、立ち聞きの方。何か意見が?」
春香「えっ!?」
雪歩「ま、真ちゃん!?」
ミニスカート「あんた何を…」
真「良いから良いから」
真「ボーマンダがユキノオーにだいもんじで攻撃するのは分かりきっていることだからユキノオーは引きます、ですから僕ならボーマンダでりゅうのまいを選択します」
千早「…リスキー過ぎるわ、だいもんじで攻撃指示の方が安定しているわ」
真「そうかな?かえんほうしゃならまだしも、だいもんじなら外れるときはあるよ」
千早「…話にならないわ、相手の手持ちが分かっているかどうかさえ前提にないのに、交換読みだなんて…」
先生「はい、はい!ストーップ!」
千早「授業に関係ないことは無視して続けましょう」
先生「授業に関係ないことはないぞ?如月君。君たちもよかったら最後までどうぞ!」
千早「…」
先生「さっきも言った通り読みというのは常にリスクが伴う、しかしある程度セオリーはある、が、相手はきあいのタスキをもっていたりこだわりスカーフを…」
真「へへっ」
雪歩「あ、あの人怒ってますぅ…」
春香「なな、なんであんなこと言ったの!?」
真「ちょっとからかっただけだって、へへ」
ミニスカート「呆れた…」
ピカチュウ「ピカピー…」
真「ピカチュウはもう良いって?」
春香「うん、ね、雪歩」
雪歩「…はい、このピカチュウさんを見れただけで充分ですぅ」
ピカチュウ「ピカピ」
真「そっか、じゃあ後はこの街でするところは…」
ミニスカート「…ジムリーダー、ビオラさんに挑戦ね」
ピカチュウ「…ピカ」
真「既に挑戦は?」
ミニスカート「一度だけね、コテンパンにされたわ。今、この街じゃあの人に勝てるのは…」
春香「あっ…」
雪歩「…」
ミニスカート「あの子と先生ぐらいね」
千早「…あなたの名前は?」
春香「わわ、私は天海春香です!」
千早「…あなたじゃなくて、そこの黒い髪の男の子…」
真「お、お…?」ワナワナ
春香「やばっ」
雪歩「ひい~ん!」
真「男の子ぉ~!?」
千早「えっ…」
真「どこをどう見たら、ボクが、お、男になるんだよッ!?」
千早「え、それじゃああなた…女の子…!?」
真「ああ!正真正銘のプリティ…な女の子を目指している女の子!菊地、真だあああ!」
ミニスカート(ややこしい…)
千早「…まあ、いいわ。私が話しかけている理由は分かるわね、真」
真「…全然?と言いたいところだけど…」
千早「突然で申し訳ないけど、私と勝負しましょう」
真「望むところだ!」
千早「あなた、ポケモントレーナーを始めて何年?」
真「2日だ!」
千早「えっ…」
千早「…あなたたちは?」
春香「同じく!」
雪歩「2日ですぅ…」
千早「…」
千早「いいわ、私が悪かったわ」
真「…おい」
千早「…バトルしても無駄と思うけど」
真「名前は?」
千早「如月千早よ」
真「そうか、千早、だったら…」
真「無理矢理でも勝負に持ち込むのみっ!」
真「いけっ!ハリマロン!」
シュパアァン!
ハリマロン「ハリ!」
千早「…行きなさい、スバメ」
シュパアァン!
スバメ「ピッ!」
真「…」
千早「スバメ、つばさでうつ!」
真「ハリマロン、交替だ!」
真「ヤヤコマ、頼む!」
千早「ヤヤコマ…」
千早「つばさでうつよ、スバメ」
真「でんこうせっか!」
千早(これはちょっと武が悪いわ…)
真「このダメージ量なら押し切れる!行くぞヤヤコマ!」
春香「へえ~…ヤヤコマってスバメより速いんだ…」
ミニスカート「違うわよ、でんこうせっかは普通の技より早く出せるの」
春香「は、初耳…」
ミニスカート「先制技は重要よ、覚えておくことね」
雪歩「千早さんが交替します!」
千早「…イシツブテ!」
イシツブテ「…」
ミニスカート「…これは難しいわね…」
真「よりによってこの二択か…!」
春香「…どういうこと?」
雪歩「真ちゃんのヤヤコマは飛行とノーマルタイプで、イシツブテはいわタイプとじめんタイプなの」
春香「タイプ相性…か…でもそれならハリマロンに交替すれば!」
雪歩「そうですぅ!その手が!」
雪歩「あっ…」
春香「どうしたの?何か問題が…」
ミニスカート「…もし相手もスバメに交換してきたら?」
春香「そ、そうか…そうなると真はまたヤヤコマに交換しなくちゃいけないけど、ヤヤコマはスバメにやられちゃう…」
真「…」
千早「…」
真(…さて…どうする…?)
真(ボクがヤヤコマを引っ込めてイシツブテの攻撃をハリマロンで受ければ…)
真(…だけど千早がスバメに交換してきたら…?)
千早(イシツブテの岩技はころがるだけ、もし相手がハリマロンに交替してきたならころがるだけでは倒す前にこちらが草技でやられる…!)
千早(ならここは…)
真(ここは…)
千早「行くわよ…」
真「…」キッ
千早「イシツブテ!体当たり!」
真「ヤヤコマ、ハリマロンと交替だ!」
千早(よし、予想通り!相手はイシツブテがまだころがるしか覚えていないことを知らない!)
千早(次は私はスバメに交換で安定…!)
千早「イシツブテ、スバメに交替!」
真「ハリマロン体当たりだ!」
千早「その程度で!スバメ!つばさでうつ!」
千早(真はヤヤコマに交換、これででんこうせっかで打ち合ってもヤヤコマのほうが先に倒れる!)
千早(勝った!)
真「頼む、ハリマロン!耐えてから体当たりだ!」
千早「えっ!?」
ハリマロン「ハリッ!」
スバメ「ピーッ!」バシッ!
ハリマロン「ハリ…ッ!」
ハリマロン「…!」キッ!
ミニスカート「ギリギリ耐えた!?」
千早「交換…しなかった…?」
千早「スバメ!」ハッ
ハリマロン「ハリ~!!」
バシッ!
スバメ「ピ~ッ…」
雪歩「スバメが!」
千早「くっ…戻れ!スバメ!」
真「…」
千早「ハリマロンの草技で…私のイシツブテはやられる…」
千早「もちろん、私のイシツブテはあなたのハリマロンよりも遅い」
千早「…私の負けだわ、真」
春香「ま、真が勝ったー!!」
ミニスカート「あの子が…」
雪歩「真ちゃん!」
真「…」
千早「…笑いたければ笑いなさい、私はあなたに負けたのよ」
真「ふーっ…つ、疲れたあ…」ヘロヘロ…
千早「えっ…」
真「…何を不思議そうな顔をしてるんだよ、ボクは初心者なんだ、千早みたいな凄いトレーナーと戦うのなんて初めてなんだよ」
千早「それでも、あなたは…」
真「…まあ、勝ったけど、ね…でもそれはハリマロンが耐えてくれたからだよ」
千早「…」
真「ハリマロンがボクに応えてくれたんだ、ね、ハリマロン」
ハリマロン「ハリリ~」
千早「…ポケモンが、応える…」
真「千早、いい勝負だった、ありがとう」
千早「…ええ、あなたこそ」
真「真って呼んでよ」
千早「真…」
千早「真達はビオラさんに挑戦するの?」
真「そうだよ、ね、春香、雪歩」
春香「う、うん!」
雪歩「で、出来るだけ頑張りますぅ!」
千早「それからは、次の街へ…?」
真「そうさ」
千早「…」
先生「…一緒に行ってみたら、どうかね」ヌッ
千早「はいっ!?」
ミニスカート「い、いつの間に!?」
先生「はっはっは、バトルあるところに私は現れるのだ」
ビオラ「同じく良い被写体のあるところに」
千早「ビオラさんまで!?」
ビオラ「良い写真撮れたわよ、これジムに飾っていい?」
真「は、恥ずかしいから勘弁してくださいよ~…」
千早「そ、そうですよ…」
先生「…それで、如月君はどうしたいのかね?」
千早「…」
千早「私は…」
千早(私は…)
千早「…自分がどこまで行けるか、挑戦、してみたいです」
千早(…それに…)
千早(…)
春香「うん、一緒に行こうよ!」
千早「…ええ、春香…それと…」
雪歩「は、萩原雪歩ですぅ!」
千早「よろしく、萩原さん」
真「じゃ、早速準備だね!」
春香「明日の朝に出発する?」
千早「…できれば早い方がいいわ」
春香「別にそんなに急ぐことはないけど…そりゃ夜のうちに出ても良いけど、さ…」
真「ちょっとちょっと、ボクたちまだビオラさんに挑戦してないんだよ。準備は早いにこしたこと無いけど出発までは…」
春香「あ、そうか…」
雪歩「も、もし私がいつまでたっても勝てなかったら置いて行ってくださ~い!」
真「置いていかないからさ…」
ビオラ「じゃあ、早速私と勝負する?」
春香「えっ」
ビオラ「ジムで待ってるから、じゃあね」
春香「…真は勝てそうだけどさ…」
雪歩「わ、私は…」
真「…ま、やってみたらわかるさ…」
春香「…ジムリーダー、ビオラ…」
真「ダメだったら、強くなるまで!」
春香「りょ、りょーかい!」
雪歩「ひ、ひーん!待って~!」
千早ちゃんとの戦いは真の勝ちでした、で、初めのジムリーダーのビオラさんと次は戦うんですが…
はたして私と雪歩は勝てるの?日が沈むまでは、もう少しありそうです。
今日はここまでです。
おつ
普段なら直接ジムリーダーと戦うことは出来ません。
が…今回は特別にジムリーダー直々の推薦という事で、直接対決することに!
初めてのジム戦、私たちの運命や…!
ビオラ「あなたが…天海春香ね」
春香「は、はい!」
ビオラ「そしてあなたが萩原雪歩ちゃん」
雪歩「よ、よろしくお願いします!」
ビオラ「あなたが菊地真ちゃん、ね」
真「はい!」
ビオラ「じゃあ…どうする?順番は」
真「…ボクが先発で行きます」
ビオラ「良いわ!二人も真ちゃんを手本にしてね!」
春香・雪歩「はい!」
ビオラ「真ちゃん、行くわよ!」
真「はい!」
真「いけっ!ヤヤコマ!」
シュパァァン!
ヤヤコマ「ピッ!」
ビオラ「私は…アメタマ!」
シュパァァン!
真「ヤヤコマ、つつくだ!」
ビオラ「あわよ、アメタマ!」
ビオラ「つづいてもう一度あわ!」
真「これしきのダメージ!ヤヤコマ、つつくで押し込める!」
ビオラ「あわ!」
真「つつくだ!」
真「ギリギリ残ったか、つつく!」
ビオラ「アメタマ、でんこうせっか!」
真「何!?」
真「落ちはしないけど、ギリギリかっ…!」
ビオラ「戻れアメタマ!」
春香「これも、先制技の使いかた…!」
雪歩「い、威力はそんなに高くないですけど、厄介ですぅ!」
ビオラ「私の切り札は!ビビヨン!」
シュパァァン!
真「…」
ビオラ「ビビヨン体当たり!」
真「ヤヤコマでんこうせっか!」
ヤヤコマ「ッピ~…」
真「戻れヤヤコマ!」
春香「これで真に残っているのは…」
雪歩「ハリマロンだけ…!」
真「…」
真「…いけ!ハリマロン!」
シュパァァン!
ハリマロン「…」ジリッ…
ビオラ「ビビヨン、からみつく!」
雪歩「む、虫タイプの技ですぅ!」
春香「じゃ、じゃあハリマロンにとっては…」
雪歩「弱点…!」
ビオラ「…さあ、どうでる…?」
真「ハリマロン!ころがるだ!」
雪歩「ころがるは…岩タイプのわざ、そして虫タイプも飛行タイプも岩タイプが弱点…!」
雪歩「弱点をつけば、威力は二倍ですぅ!」
春香「そしたらビビヨンには…!」
雪歩・春香「四倍…弱点…!!」
ビオラ「ビビヨンかたくなる!」
春香「ああっ…ビビヨンの防御力が!」
真「だが次のターンハリマロンのころがるの威力は2倍に上がる!」
ビオラ「私は外れる10%にかけるしかない…!!」
真「ハリマロン、よくねらえ…!」
ハリマロン「ハリー!」
ビオラ「…!」
………
……
…
真「や…やーりぃ!!」
ビオラ「…おめでとう、真ちゃん!あなたの勝ちだわ!」
ビオラ「お疲れ様、ビビヨン…」
ビオラ「…さ、次はどうする?」
雪歩「わ、私行きます!」
春香「おお!?ど、どうしたの雪歩!?」
雪歩「え、へ、変かなぁ…?す、すみませ~ん…私なんかが出しゃばって…」
春香「い、いや別にそういうわけじゃ…じゃ、次は雪歩だよ!」
雪歩「よ、よろしくお願いします!!」
ビオラ「よろしく、雪歩ちゃん!行くわよ!」
ビオラ「ビビヨン!」
雪歩「ホルビーさん!」
雪歩「ビ、ビビヨンから出てくるなんて~!」
春香「そ、そっか…雪歩のフォッコは炎タイプだからビビヨンに強くてもアメタマには弱いから…」
雪歩「ホルビーさん、にらみつけるですぅ!」
ビオラ「かたくなる、ビビヨン!」
雪歩「うっ…」
真「相殺か…!」
雪歩「ホルビーさん、高速移動ですぅ!」
ビオラ「もういちどかたくなる!ビビヨン!」
春香「素早くはなったけど…」
真「相手は防御が一段階上がっている、このままじゃ押し負ける…!」
ビオラ「からみつく!」
雪歩「フォッコさん!交替ですぅ!」
ビオラ「!」
真「交替した!?」
春香「素早さを上げたのに!」
ビオラ「思い切ったわね、雪歩ちゃん!そしてフォッコなら…!」
ビオラ「ビビヨン、体当たり!」
雪歩「フォッコさん、火の粉ですぅ!」
雪歩「で、でもフォッコさんがいくら弱点をついても、ビビヨンは防御が…!」
ビオラ「いえ、雪歩ちゃん。かたくなるは防御力が上がる技、そしてひのこは特殊攻撃、つまり特殊防御で防ぐ技!」
雪歩「そ、そうなんですか!?な、なら!」
春香・雪歩「えっ…!?」
真「…予想以上に硬い!」
ビオラ「ビビヨンの耐久でもレベル帯の低いうちなら高いほうだわ!一致弱点とはいえ威力40程度ではそうやすやすと!」
ビオラ「たいあたり!」
雪歩「フォッコさん、ひのこ!」
ビオラ「もう一度たいあたり!」
雪歩「フォッコさん!」
フォッコ「フォコ…!」
ビオラ「…」
雪歩「フォッコさん、ゆっくり休んでください!」
雪歩「ホルビーさん、お願い!」
ビオラ「たいあたり!」
雪歩「ホルビーさん、でんこうせっか!」
真「良いぞ、雪歩!」
春香「さっきのやつだ!」
ビオラ「…耐えられなかったか!戻って、ビビヨン!」
ビオラ「アメタマ!」
………
……
…
その後、アメタマとホルビーは互いにあわとでんこうせっかをうちあい、結果、ホルビーの勝ちとなりました。
雪歩も真に続いてジムバッジをゲット、で、とうとう私の番が来たのですが…
真「ええ!?一匹しかない!?」
春香「あはは…ピカチュウ捕まえるつもりだったんだけど、諦めたしさ…」
雪歩「そ、それってまずいんじゃ…」
春香「…と、思うでしょ」
真「…そっか!」
雪歩「ま、真ちゃん、何か分かったの…?」
春香「…ふふふ、真はお分かりのようですね~」
春香「…お願いします!ビオラさん!」
ビオラ「大体予想はついてるけど…よろしく!春香ちゃん!」
春香「はい!…ケロマツ!頑張ろう!」
シュパアァアン!
ケロマツ「ケロッ!」
ビオラ「アメタマ!」
シュパァァン!
ビオラ「…そのケロマツ、いいね!よく育ってる!」
雪歩「…!そっか!春香ちゃんはポケモンが一匹しかいないから!」
真「けど僕たちと同じようにレベル上げはしていた!つまりあのケロマツのレベルは相当上がっているはずだ!」
春香「ケロマツ、はたく!」
ビオラ「アメタマ、でんこうせっか!」
バシィッ!
雪歩「ダメージ量が!」
真「全然違う!」
ビオラ「アメタマだけでどこまで削れるか…!」
ビオラ「アメタマ!でんこうせっか!」
春香「はたく!」
ビオラ「またでんこうせっか!」
ケロマツ「ケロッ…!」
真「急所にあたった!?」
春香「ケロマツ!?」
ケロマツ「…ケロ!」キッ
ビオラ「アメタマ、お疲れ!」
ビオラ「ビビヨン!」
シュパァァン!
真「まずいぞ、急所にあたるなんて…予想以上に体力を消耗しすぎた!」
雪歩「春香ちゃん…」
春香「うう…アメタマは倒したけど…」
ビオラ「…春香ちゃん!ケロマツを見て!」
春香「ケ、ケロマツ…!?」
春香「な、何、何なの!?」
真「…進化…!」
ビオラ「ええ!」
春香・雪歩「進化…!?」
春香「…ケロマツが…!」
ゲコガシラ「…ゲコ!」
春香・雪歩・真「ゲコガシラに!!」
春香「…いける!ゲコガシラ、みずのはどう!」
ビオラ「からみつく!」
ビオラ「…!」
春香「す、凄い威力…!」
真「こ、これが…」
雪歩「進化の力…!」
ビオラ「ビビヨン!」
春香「あ、あれ、ビビヨンが自分を攻撃した!?」
真「混乱だよ!みずのはどうの追加効果だ!」
雪歩「す、すごいですぅ!」
ビオラ「ビビヨン、落ち着くのよ!」
ビビヨン「…!」フルフル
ビオラ「よし!」
ビオラ「あっ…」
ゲコガシラ「ゲコッ!」
春香「いっけー!!」
………
……
…
ビオラ「ふーっ、結局みんなに負けちゃったか…ま、おめでとう!」
春香「えへへっ!」
真「ありがとうございます!」
雪歩「ありがとうございますぅ!」
ビオラ「千早ちゃんも…一緒に行くんだって?」
春香「はい、そうです!」
ビオラ「あの子、生真面目なところとかあるけど…根は良い子だから、って、私何言ってるだろ…」
ビオラ「じゃ、いつでもジムに遊びに来てね!私もそれまでもっと強くなっておくから!」
春香「はい、ありがとうございました!」
真「さようなら!」
雪歩「また、機会があればよろしくおねがいしますぅ!」
ミニスカート「ええ!?みんな勝ったの!?」
春香「えへへ、はい!」
真「初めてのジム戦、幸先がいいね」
雪歩「うん」
ミニスカート「おめでとう、じゃあもうみんな行っちゃうのか…」
ピカチュウ「ピカピ…」
春香「ピカチュウともお別れだね…」
ピカチュウ「ピカ、ピカピ!」ダッ
ミニスカート「ちょっと、ピカチュウってば!?」ダッ
春香「ああ~、大丈夫かな!?」
真「ボクたちもおいかけよう!」
雪歩「は、はい!」
ピカチュウ「ピッカー」
春香「うひゃあ…抜けるだけなら道なりに行けば大したこと無い距離でも、やっぱり森自体はだいぶ広いな…」
雪歩「ピカチュウ、どこに行くんだろう…」
ミニスカート「あっ…ここ…」
真「…!」
雪歩「あ…!」
春香「ピカチュウが…」
春香「いっぱい…」
ミニスカート「…あのね、ピカチュウが少なくなったって言ったでしょ、数が減ったのもあるんだけど、こうして人がいない森の奥に逃げてきているの」
ミニスカート「それでね…私がこの子とであったのは…」
ピカチュウ「チャー!」
ミニスカート「怪我で弱っていたところを、私が偶然見つけたの」
ピカチュウ「…ピカピ」
真「…だから…か…」
春香「…」
雪歩「…ずっと、この森にピカチュウが居れたら良いのにね…」
春香「…そうだね」
真「そういえば、何でピカチュウはここを案内したんだろう」
ピカチュウ「ピカチュウ、ピカピカ」
ミニスカート「…ピカチュウは、みんな優しい人たちばかりで、それに明日には居なくなっちゃうから連れてきたのかもね」
ピカチュウ「ピッカー!」
ミニスカート「よーし、じゃあ家まで競争!」ダッ
真「よし!」ダッ
春香「え!?待って…うわあぁ~!」
雪歩「春香ちゃん!」
ドンガラガッシャーン
そんなこんなで、ケロマツもといゲコガシラの大活躍もあって私は無事にバッジを入手することができました。
ピカチュウもたくさん見れたし、この街に思い残すことは無い…かな。
で、千早ちゃんなんですけど…ビオラさんが言っていた事がちょっと気になります。でも、大丈夫だよね。
………
……
…
千早「分かったわ、明日の朝ね」
春香(ホログラムメール)「うん!千早ちゃんも、お休み!」
ヒュン
千早「お休み、春香」
千早「…」
母「…」
千早「私…明日の朝、旅に出るから」
母「…そう」
千早「…そういうことだから」
母「…」
千早「…」
千早(…ばかみたい…)
千早(私…)
今日はこれで終わりです。
おつ
おつおつ
読んでくださっている方、ありがとうございます。全体の構想は出来ているのですがまだ全てテキストに起こしていないのでどれぐらい長くなるかはちょっと分かりません。
あまりダラダラと間延びしないようにしていきたいです、よろしくお願いします。
千早「ごめんなさい!遅くなって!」
春香「いやあ別にいいよ、私たちの旅は別に期限なんてないしさ」
真「そうそう、まあレベル上げとかポケモンでも集めながら行こうよ」
千早「…そう」
雪歩「あ、あの…そういえば私たちと千早ちゃんってちゃんと自己紹介してないですよね!」
真「あ、ああ!そうだね!じゃあまず春香から自己紹介してよ!」
春香「私?別に良いけど…」
春香「私の名前は天海春香!好きなものはお菓子作り、歌を歌うこと、それと…やっぱり、ポケモン!」
春香「この旅の目標は特にないけど…とりあえず今はジムバッチを集めることかな~、あ、それと色んなポケモンと仲良くなれたら良いな~、って、これは願望か、えへへ」
春香「とにかく、よろしくね!千早ちゃん!」
千早「春香…でいい?」
春香「うん!」
千早「分かったわ、よろしくね、春香。次は…」
雪歩「わ、私は萩原雪歩ですぅ…好きなことは…お、お茶とか…こんなダメダメな私ですが、よろしくお願いします~!!」
千早「萩原さん、ね、よろしく」
雪歩「は、はい!」
真「ボクは菊地真、まあ…目標はでっかくチャンピオンってことで!好きなことは身体を動かすことかな、よろしく!」
千早「ええ、真、よろしく」
千早「…あの、私は旅は初めてだから…」
春香「大丈夫だよ、私たちも似たようなものだし」
雪歩「そ、それって余計ダメダメなんじゃ…」
真「まあ…何とかなるよ、はは…」
千早「…それもそうね」
千早「そういえば次はどこに行くの?次のジムならショウヨウジムだけど…」
春香「えーと、地図地図っと…」
雪歩「あれ、途中にミアレシティがある…」
真「じゃあミアレシティのジムに挑もう!」
千早「…それは無理よ、真」
真「え、どうして…?」
千早「ミアレシティジムはバッチが4つ無いとダメなの、今私たちが持ってるバッチは1個、この条件で受けられるのはショウヨウジムだけよ」
真「そんな~、えらく遠回りになるけど…まあしょうがないか」
春香「ま、そうと決まったらみんなで頑張ろう!」
千早「ちょっと待って、ここ、22番道路には色々面白いポケモンが多いわ、寄って行くと良いと思うの」
真「おお!?行く行く!」
春香「うんうん!」
雪歩「どんなポケモンがいるんでしょう…」
そんなこんなで途中、22番道路こと、デトルネ通りを進んでいた時の事でした。
真ははもんポケモンのリオル、千早ちゃんはみずたまポケモンのルリリ、私はわかじしポケモンのシシコをそれぞれゲットしました。そして雪歩は…
雪歩「…お、大きい…」
春香「う、うわあ…」
真「…もうちょっと小さいと思ってた…」
千早「ノコッチ…」
雪歩「ど、どうしよう…」
真「…と、とにかく弱らせて捕まえてみようよ!」
千早「私、てっきり30センチぐらいかなと…」
春香「ホント、それぐらい小さかったらもうちょっと可愛げがあったんだけどね…」
雪歩「あっ、ちょっと飛んだ…」
真「おお!?背中の翼で!?」
千早「へえ…」
春香「雪歩、真の言う通り捕まえよう!」
雪歩「は、はい!」
雪歩「フォッコさん!ひのこですぅ!」
フォッコ「フォコ!」
ノコッチ「;;」アチチ
ノコッチのまるくなる!
雪歩「ふふふ…無駄ですぅ!」
雪歩「ちょっと手加減…ひっかくです!」
フォッコ「フォコ!」
雪歩「良い感じです!次できっと捕まえられます!」
ノコッチ「…」キラーン
ノコッチのころがる!
一同「」
雪歩「ええ!?フォッコさん!」
真「ヤバ…」
千早「あっ…」
春香「雪歩!ボールで捕まえよう!」
雪歩「は、はい!」
パシュン!
テンテンテン…
バシュッ!
雪歩「」
ノコッチのころがる!フォッコは倒れた。
雪歩「どどどどうしましょう~!?」
春香「何!?効果は抜群ったって、まだ2回じゃん!ノコッチってそんなに攻撃力高いの!?」
千早「春香、ころがるはね、直前にまるくなるを使うと威力が倍になるのよ…」
春香「えっ…まるくなるで倍…?」
真「ころがるの初めの威力は30、それが丸くなるで一回目は威力が60の技だった…」
千早「そしてさっきは倍の120」
春香「ひゃ、ひゃくにじゅう…って、だから次は…」
千早「…威力240よ」
春香「に、にひゃくよんじゅう~!?」
真「雪歩…」
雪歩「ひ、ひ~ん!誰か助けてよ~!」
春香「いや、雪歩…これはポケモンとの真剣勝負…横やりなんて、ね…?」
雪歩「そ、そんなあ…!」
雪歩「真ちゃん…!?」
真「…」
雪歩「千早ちゃん…!?」
千早「…」
雪歩「そ、そんなあ…!」
雪歩「ホ、ホルビーさん…」
シュパアァアン!
ホルビー「ビ…」
春香「だ、大丈夫だよ…捕まえれば、ね!」
雪歩「つ、捕まえられるかなぁ…」
春香「雪歩、捕まえなきゃ負けるんだよ!?捕まえられるかとかダメかとかじゃなくて、捕まえなきゃダメなんだよ!」
雪歩「は、はい!」
春香「大丈夫!さっきはダメだったけど、今度こそ!」
雪歩「はい!いっけえ~!モンスターボール、です!」
ざんねん ポケモンがボールからでてしまった。
ノコッチのころがる!ホルビーは倒れた
真「雪歩泣いちゃったよ…」ヒソヒソ
春香「ま、真が捕まえようって言ったから…」ヒソヒソ
真「春香だって乗り気だっただろ…?」ヒソヒソ
春香「ギク…」ヒソヒソ
千早「と、とりあえず早くハクダンシティに戻りましょう…」ヒソヒソ
雪歩「み、みんな…!」
雪歩「みんな、ひどいですぅ~…!!」
春香「…あ、あれ」
ノコッチのころがる!
グシャァッ
ホープトレーナー「あばあっ!」
春香「…ほ、ほら!きっとみんなこうして強くなるんだよ!」
雪歩「納得できませ~ん!!」
ちょっと雪歩には可愛そうなことをしちゃったかな…で、でもトレーナーだったら他人のポケモンと戦ってる野生のポケモンに手を出すなんて、横取りみたいだし絶対ダメだよね!
…ダメだよね!?
とまあ、そんなこともありましたが、程よくポケモンも育ち、今度こそ次のジムを目指して、まずはミアレシティに行こうとしていた時の事でした。
真「…ホログラムメール?」
プラターヌ博士「やあ、真ちゃん、元気かな?」
真「あ、博士!」
雪歩「は、初めまして…」
春香「天海春香です!」
千早「お久しぶりです、博士」
プラターヌ博士「おや、千早ちゃんも一緒に旅をすることになったのかい?」
春香「あれ、知り合いなの?」
千早「はい、そうすることに決めました。そうよ、春香」
プラターヌ博士「そうなのか、まあ旅は良い経験になるだろう。ああ、そうだ真ちゃん、君たちにミアレシティの私の研究所まで来て欲しいんだ」
真「構いませんよ、今は街道デトルネ通りでトレーナーバトル中ですが。」
博士「そうか、ならちょうど良かった、じゃあ頼むよ。あ、パルテール街道にもポケモンがたくさんいるから興味があれば色々ゲットしてみなよ。別に遅くなっても構わないから」
一同「はい!」
真「さてさて…」
千早「お次の相手は…」
ミニスカート「私よ!」
大好きクラブ「そうとも!」
庭師「かかってこい!」
短パン小僧「おうよ!」
雪歩「さっきの腹いせですぅ!容赦しませ~ん!」
春香(後でちゃんと謝っとこう…)
真「へへっ、楽しかったよ!」
ミニスカート「い、いえ!私も…!」ドキドキ
春香「対戦、ありがとう!」
短パン小僧「…う、うん…じゃあな」ドキドキ
春香「そういえば博士って一体なんの用事なんだろう?」
雪歩「なんだろう…?」
真「ま、行けば分かるさ」
春香「研究所の場所はどこか知ってるの?」
真「…そういや詳しくは…」
千早「知ってるわ、私が時々行くから」
真「そりゃあ心強いや、よーし、急ごう!」
春香「おっけ~、競争~!」ダッ
真「へへっ!負けないぞ!」ダッ
千早「あっ、ちょっと、もう…」
雪歩「ま、待って~!」
春香「わはは!この春香さんが一位…」
真「春香!ちゃんと前向いて!」
春香「…え?う、うわあ!」
ドンガラガッシャーン!
真「急に走るから…」
雪歩「春香ちゃん…」
千早「…」
春香「ゆ、ゆっくり行こうか…」
と、こんな感じでちょっとドジっちゃったけど…私たちは千早ちゃんの案内のおかげで無事にプラターヌ博士の研究所につくことができました。
真「博士ー!」
千早「着きました、博士!」
プラターヌ博士「…あ、来た来た!」
真「もう、博士ってば…ボクにポケモンを押し付けて…」
プラターヌ博士「あはは…すまない、みんな、旅の調子はどうだい?」
春香「旅の調子って言われても…」
雪歩「ね…」
真「だってつい数日前に家を出たばっかりだし…」
千早「私は今日旅を始めたばかりですので…」
プラターヌ博士「…まあ、元気そうで何よりだよ」
プラターヌ博士「そう…で、例の見せたいといった物は…」
プラターヌ博士「これだ!」
真「これは…!」
春香「なんとも…」
雪歩「綺麗な…石…ですか?」
千早「これ…もしかしてメガストーンですか!?」
春香・雪歩「…メガストーン?」
プラターヌ博士「ああ、その通りだ!」
真・千早「何のメガストーンなんですか!?」
真「ん…」
千早「…」
春香「…いやいや、置いてけぼりにしないでよ」
雪歩「そ、そうだよ~…」
真「ああ…ゴメン…」
千早「ごめんなさい、つい興奮しちゃって…」
プラターヌ「さて、この石だけど…ずばりジュペッタのメガストーンだ!」
真「ジュペッタの…」
千早「メガストーン…」
春香「ジュペッタ?」
雪歩「ぬいぐるみポケモンだよ」
春香「へえ…なんだか可愛い感じだね!」
真・千早・雪歩「…」
プラターヌ博士「ジュペッタ!」
シュパアァアン!
ジュペッタ「!」ジャーン
春香「やっぱ今のなし」
プラターヌ博士「え?」
春香「どうぞ続けてください」
プラターヌ博士「はあ…よし、行くぞ!」
ジュペッタ「~♪」
シュイイイン…!
春香「な、なんの光!?」
雪歩「ま、まぶしいですぅ…!」
真「ジュペッタが…!」
千早「メガシンカする…!」
メガジュペッタ「~!!」ジャーン
春香「う…」
雪歩「うわあ…」
真「なんか…」
千早「さらに怖くなったわね…」
メガジュペッタ「!?」ガーン
プラターヌ博士「な、なに!?そんなことないぞ!?ジュペッタ!
メガジュペッタ「;;」シクシク
プラターヌ博士「ほら、ポフレだジュペッタ」
メガジュペッタ「!」
メガジュペッタ「♪」モグモグ
プラターヌ博士「とまあ、このようにメガシンカすると姿かたちが変わる、中にはタイプも変わるポケモンだってある」
千早「そして特性も…」
プラターヌ博士「その通り、ジュペッタの場合はふみん、あるいはおみとおしからいたずらごころになる」
メガジュペッタ「…」クイクイッ
プラターヌ博士「…ちょっとメガストーン返して。戻れジュペッタ」イラッ
プラターヌ博士「ちょうはつに乗ってる場合じゃなくって…とまあメガシンカっていうのは知らない二人に説明すると…」
プラターヌ博士「あるポケモンAのメガストーンをAに持たせ、このメガリングにはめ込まれているキーストーンと反応させると…」
プラターヌ博士「ポケモンAはメガシンカする、そしてメガシンカするポケモンは現時点で分かっているのは種類、それも今までこれ以上進化することは無いだろうと考えられていたポケモンのみだ」
プラターヌ博士「現時点ではここまで分かっている、そしてもう一つ必要なのは…」
プラターヌ博士「ポケモンとの強い絆、だ」
真「絆…」
春香「おお…」
雪歩「な、なんだかかっこいいですぅ…」
千早「…」
プラターヌ博士「例えば…私以外の者、そう、真ちゃんがジュペッタに指示しても…」
シュパァァン!
ジュペッタ「♪」
真「ようし、どれどれ…?ジュペッタ、メガシンカ!」
ジュペッタ「?」
真「…ジュペッタ、メガシンカ!」
ジュペッタ「!」
ジュペッタ「♪」
キュイイイイン!!
春香・雪歩・千早「おお!?」
プシュウウウ…
ジュペッタ「…」
真「なるほど…」
春香「そのキーストーンってどこで手に入れれば良いんですか?」
博士「その件なんだがね…」
博士「現時点で正式なメガシンカを継承する人間はシャラシティジムリーダーのコルニさん、ポケモンリーグチャンピオンのカルネさん、三浦さん、秋月さんの4人だ」
真「律子とあずささんが!」
春香「ええ!?今二人はどうしてるんですか!?」
雪歩「そ、そうですぅ!」
博士「ちょ、ちょっとボクの話も聞いてくれ!」
千早「それより、正式なメガシンカって…どういうことですか?」
博士「うむ、ボクもさっきジュペッタを進化させただろう?それはどういうことかというと、このキーストーン、すなわちメガリングは…」
博士「人工である!」
一同「人工~!?」
春香「ボール会社ですよね」
博士「ボールだけじゃない様々な商品を取り扱っているよ、そして君たちのホロキャスターも…」
真「…元は、フレア団のボス、フラダリが起業して作った会社の製品ですよね」
博士「ああ、だが、ホロキャスターの開発部門はシルフカンパニーが買収している、勿論今は以前のようにホロキャスターを利用した個人情報の収集は無いから安心だね」
雪歩「そのシルフカンパニーが人工キーストーンを作っているんですか…?」
博士「そういうことだ、ただこれは商業用というわけではなく、あくまでもメガシンカの研究用だ」
博士「先ほども言った通り、メガシンカには対応するメガストーンが必要だ。これはあくまでも仮説だけど、ボクは、メガストーンは3000年前のゼルネアスのパワーを受けてできたものと考えている」
博士「だがそれを確かめる術はもうない、なぜならゼルネアスは…」
真「…律子の手で倒されたから」
春香「で、でもだからこそ、あの日の最終兵器の威力は下がって兵器だけ壊れてなくなっちゃったんだから…」
雪歩「そ、そうですぅ!お家は無くなっちゃったいましたけど…でもみんな無事だったし、それに今はアサメタウンに家がありますから」
千早(えっ…)
博士「ま、そうだね…みんなが無事で居て良かったよ…」
博士「メガストーンは量産することは出来ない、これから新しく見つかることもあるだろうけど…望みは薄いかな」
春香「なーんだ…私もメガシンカー!とかしたかったな~」
博士「ははは、まあ…これだけ分かっただけでも、三浦さん秋月さんには感謝しないとね」
真「っていうか…もしかして用事って、まさかジュペッタのメガシンカだけなんじゃ…」
博士「…ふっふっふ、勿論それだけじゃないさ!」
???「あらあら、みんな大きくなって…」
???「元気そうで何よりね」
春香・真・雪歩「ああ~!!」
千早「あの二人って…」
博士「そう、彼女らは…」
あずさ「うふふ、覚えてるかしら?私たちの事」
律子「忘れたなんて言わせないわよー?」
雪歩「勿論ですよ!お久しぶりです!」
春香「もう英雄、っていうか、みんなのアイドルですよ!あずささんと律子さんは!」
真「へへっ!そうそう!」
あずさ「あらあら、英雄だなんて…」
律子「照れるわね、もう」
千早「秋月律子さん…三浦あずささん…」
律子「あら?こちらのお嬢さんは?」
春香「旅の仲間です!ハクダンシティで仲間になって…」
千早「初めまして、如月千早です。あの事件の時はまだ小さかったのでよく覚えていませんが…ですが、話は博士からも聞いています」
真「ははは、すっかり有名人じゃないか」
律子「やーねー、よしてよ」
雪歩「それにしても、なんで4年間ずっと家に戻らなかったんですか?」
あずさ「ごめんなさ~い、ほかの地方に旅をしてたから…」
律子「ほんとはちょくちょく戻る予定だったんだけど、あずささんがしょっちゅうカイリューに乗ったままどこかへ行くもんだから色々予定が遅れてね…」
あずさ「うふふ、ついついスピード出すと気持ちよくって…ダメだとは思っていてもね、つい」
律子「はあ…ねえ、私しわ増えた?」
真「あはは…」
雪歩「え、えーと…1本…」
春香「ほんとに数えなくていいよ…」
律子「ええっ!?ていうかどこ!?」
雪歩「え、ええ!?すみませ~ん!穴掘って埋まってます~!」
あずさ「あらあら~」
律子「全然変わってないわねえ、あんたたちは…」
千早(…)
律子「ま、こんな人たちだけどみんな良い子だから、子守を頼んだわよ…」
律子「千早」
千早「は、はい!」
真「ちょっと律子ってば、別にボクたちは子守なんて必要じゃないよ」
律子「またそんなこと言って、喧嘩なんてしてないでしょうね?」
真・千早「」ギクリ
真「べ、別にね?」
千早「え、ええ…」
律子「ホントかしら、ま、信用するわ」
その後は、色々な土産話を二人から聞きました。律子さんと元フレア団ボスのフラダリっていう人との一騎打ち、あずささんやプラターヌ博士達による10番道路に繋がれていたポケモンの救出などなど…
楽しかった時間も終わり、いつの間にか夕方に。それからは夜のミアレシティのレストランで夕食を食べて、私たちは二日連続でベッドにありつけることになりました。
でも、今日は本当に楽しかったな…というわけで、お休みなさい…
………
……
…
雪歩「zzz...」
真「zzz...」
春香「むにゃむにゃ…」
千早(…)
千早(…みんな寝ちゃった…)
千早(眠れないわ、初めての旅の夜って、皆こうなのかしら…?)
千早(…水を飲もう)
千早(…あれ、博士達、まだ起きてる…)
千早(べ、別に立ち聞きってわけじゃないけど…)
千早(…)
プラターヌ博士「…それで、ネオフレア団というのが…」
千早(…!?)
律子「…ええ、フラダリは行方不明、その後の目撃情報は無し、ネオフレア団のリーダーですがフラダリかどうかも分かりません」
あずさ「あの一件以来、最終兵器とゼルネアスは消滅しました、ですが…」
プラターヌ博士「…イベルタル、すなわちゼルネアスと対になる繭は未だ見つかっていないと」
律子「はい、あの一件以来4年間カロスを隈なく探しては見ましたが…」
プラターヌ博士「メガストーンが見つかった場所だがどれも数万年前等といった古い地層からではなく地表近くや中には建設資材の中から見つかったものもある。イベルタルの伝承が800年前、最終兵器の発動が3000年前だったとすると…」
プラターヌ博士「仮にゼルネアスだけでなく、イベルタルの力…両社は生と死と相反するように思えるが、イベルタルも同様にパワーを持っていたとしたら…メガストーン生成の大きなカギとなるかもしれない」
あずさ「そして、ネオフレア団がイベルタル入手のために動いている可能性も否定できません」
プラターヌ博士「…ハンサムといったかな、あの国際警察の名は…あの人の力は借りれないものか…」
律子「はい、今はイッシュ地方にてかつて存在していた団体、プラズマ団残党についての調査を行っているそうです」
プラターヌ博士「…どこにでも似たようなのはいるんだね、よし、分かった。二人には引き続きイベルタルに関する調査を行ってもらう!」
千早(イベルタル…伝説の、生命を吸い取る翼…)
プラターヌ博士「そういえば、もうみんなは寝たのかな?」
あずさ「どうでしょう、たぶん寝てると思います」
律子「私たちが旅を始めた頃は興奮して中々寝れなかったですよね」
あずさ「懐かしいわね…」
プラターヌ博士「…さて、私も寝るとするかな。お休み!」
あずさ「は~い、お休みなさい」
律子「お疲れ様でした」
千早(って、こっちに来る!?)アワアワ
千早「ぐはぁっ!」ドカッ
あずさ「あらっ!ごめんなさい!」
千早「いえ、すみません、私の不注意で…」
千早(うう…お尻が痛い…)
律子「大丈夫?ほら…」
千早(…はっ!?)
ババーン
千早「…くっ!」
あずさ・律子「…?」
真と春香、雪歩にあんな過去があったなんて…
…それとあの三浦あずさと、秋月律子という人は4年前のフレア団による大事件を見事解決した凄い人達。
でも、ネオフレア団って…このことは博士も3人には喋っていないみたいだし、まだ誰にも話さない方が良いのかも知れない。けど、もしまた復活したフレア団が事件を起こしても、それでもまたあの二人なら…
いえ、もし何かあれば私も何か役に立てるぐらいに頑張らないと。
…本当は何も、起きないのが良いのだけれど…
今日はこれで終わりです。
おつ
乙
誤字脱字が多いですね…注意します。
>>160の ~匹は28種類です。それ以外は申し訳ありませんが脳内補完していただければありがたいです…
次の日の朝、私たちは博士の研究所で朝食をとったのち、博士やあずささん、律子さんに別れを告げてミアレシティを後にしました。
途中の道路は植木が刈り込まれていたりとなんだか私の想像していた旅とは少し違うけど…景色も良いし、それに何より歩きやすいから贅沢なことは言ってられないよね。
そしてついた町はコクボタウン、でも、ここにはジムがありません。あるのはポケモンセンターと、ショボンヌ城という中は何にもない城。だけどこっちは正直どうでも良くて、近くにはなんと…
真「ここが…」
雪歩「パルファム城…」
春香「うひゃ~…」
千早「見上げてると首が痛くなりそうね…」
門番「もしもし」
春香「すみません、これってここから入るんですか?」
門番「はい、入場料は1000円となっております」
春香「どっひゃー…」
雪歩「うう…今晩はひもじくなりそうですぅ…」
真「ここで1000円は痛いなあ…どうする?」
千早「払えないことはないけど…」
春香「そうだ!可愛くお願いしたら安くなるかも!?」
真「その手だ!任せろ!」
春香「え"っ」
真「あのぉ~、私たち旅を始めたばっかりの初心者トレーナーであんまりお金がないんです…」
真「ですから…もう少し安くしてくれたら、嬉しいまっこり~ん!」
門番「1000円になります」
真「ふざけるな!」
雪歩「真ちゃんに行かせたのが問題だったんじゃ…」
真「え?え!?雪歩そんなこと言わないでよ!」
雪歩「…」
真「雪歩おおおお」
初心者トレーナーA「あ、あの…これってお金がいるんですか…?」
初心者トレーナーB「どうしよう、見たいけど私たち、1000円すら持ってないし…」
門番「…」
門番「仕方ないな…みんなには黙っておくんだぞ」
初心者トレーナーA・B「あ、ありがとうございます…!」
春香「ちょっとまったあああ!!」
門番「何か」
春香「え!?何!?ちょっと!私たちも通してよ!」
門番「無い袖は振れません、が、あなたたちは1000円以上持っています」
真「じゃあ999円ならどうなんだよ!」
門番「1円足りていません」
春香「むちゃくちゃだー!」
???「騒がしいわね…」
春香「…?」
門番「…!」ハッ
???「何よ、いつからアンタは漫才師になったのよ。どうしたの?」
門番「はっ…これは…お見苦しいところをお見せして申し訳ありません…」
春香「…ねえ、誰だろう?」ヒソヒソ
千早「さあ、でも只者じゃないのは確かね…」ヒソヒソ
???「差し詰め旅の途中で見に来たは良いけど、お金に困ってるってところね」
???「それはさておき、あんたたち、ポケモントレーナー?」
真「そうとも!」
雪歩「いかにも!」
春香「たこにも!」
千早「た、たこって…フフッ…」
???「そう、ところで…」
???「この中で一番強いのは誰?」
千早「…真よ」
真「…千早だ」
千早「えっ…?」
真「千早こそ…」
春香「何々?この雰囲気…」ヒソヒソ
雪歩「バ、バトルの気配ですぅ!」ヒソヒソ
春香「ほう、バトル…」ヒソヒソ
???「どっちでも良いわよ、じゃあ…」
???「青い髪のあん…」
千早「…」
春香「はい!ちょっと待った!」
???「…何よ急に」
春香「この勝負、私、天海春香さんが受けて立つッ!」
???「アンタがぁ…?」
千早「…分かった、頼んだわよ、春香」
???「あっそ、ま、良いわ」
???「かかってきなさい、天海…春香…」
伊織「…この水瀬伊織、誰が来ようがさくっと倒しちゃうから!ニヒヒッ♪」
伊織「行くわよ、ロゼリア!」
春香「シシコちゃん!」
シュパァァン!シュパァァン!
千早「良いわ、春香!」
真「いけー!」
雪歩「タイプ相性はいいですぅ!」
伊織「…ミミロル、交替よ!」
春香「シシコちゃん、おたけび!」
伊織「ええ!?」
伊織「ああ…ミミロルの攻撃と特攻が…!」
雪歩「す、すごいですぅ!」
春香「見た見た!?今の!」
千早「今のは確かに…けど、やっぱり相手の手持ちが分かってなかったら…」
真「良いじゃないか、結果オーライ!」
春香「ふふふ!シシコちゃん!ふるいたてる!」
伊織「甘いわよ!ミミロル、フラフラダンス!」
春香「ええ!?」
真「くそっ、混乱か!」
春香「シ、シシコちゃん!頑張って!」
シシコ「~☆」クラクラ
シシコ「!」ハッ
シシコ「ワンッ!」シャキーン!
春香「やったー!」
真「今ワンって言ったよね!?ライオンなのにワンって言ったよね!?」
雪歩「ど、どっちでも良いですぅ!」ガタガタ
千早「…マズいわ」ボソッ
真「えっ?」
伊織(…へえ?アイツ…)
伊織「ミミロル…」
伊織「アンコールよ!」
春香「なっ!?」
真「何っ!?」
雪歩「ア、アンコールぅ!?」
春香「シシコちゃん!」
シシコ「ワ、ワンッ!」シャキーン!
春香「そんなあ…!」
千早「やっぱり…フラフラダンスも遺伝技だったから、もしかしてと思ったけど…」
伊織「そこの青い髪のアンタは分かってるようね?私のポケモンの凄さを!」
真「…マズいぞ、これは…」
千早(それにしても…どうして遺伝技のポケモンを?技遺伝をする知識があるのにロゼリアをロズレイドにしていなかったり、不可解な部分が多いわ…)
春香「…ゲコガシラ!」
伊織「ロゼリア!」
伊織「行くわよ、ロゼ…」
春香「ゲコガシラ、れいとうビーム!」
伊織「ええ!?」
真・雪歩・千早「…」
伊織(まさか、へんげんじざい!?それだとロゼリアは…)
伊織「ちょちょ!交替!ミミロル!」
春香「なーんちゃって、でんこうせっか!」
伊織「はああ!?」
伊織「しかもげきりゅうじゃない!アンタせこいわよ!」
春香「せこくないもん!自分だって私の指示聞いてからロゼリア引っ込めたじゃない!」
伊織「わ、私は良いのよ!」
春香「何それ!?全然良くないよ!」
春香・伊織「うぬぬぬぬ!!」
ゲコガシラ「…」ヤレヤレ…
ミミロル「…」マッタク…
雪歩「あ、あの…二人ともやめ…」
春香「雪歩は…」
伊織「アンタは…」
春香・伊織「黙ってて!」
雪歩「ひ、ひどいですぅ~!!」
伊織「…フンっ!もういいわ、どうでも良くなっちゃった」
春香「こっちのセリフだもん!」
伊織「なんで私が、こんな田舎娘とぎゃーぎゃーみっともなく騒がなきゃいけないのよ」
春香「い、田舎娘ですって~!?アサメタウンは全然田舎じゃないもん!」
春香「お洋服は隣町で買えるし、自転車で10分漕げばスーパーだって…」
伊織「えっ…」
春香「えっ…って…どうかしたの?ね?真、雪歩」
真「うん」
雪歩「別に何か変なことでも…」
千早「…」
春香「あれ?千早ちゃん…?」
千早「い、いえ、何でも…」
伊織「…ちょっと、この子たちの分、私も払うから」
門番「はっ…」
千早「あ、あの…」
伊織「良いから」
春香「…急にどうしたんだろ?」
真「さあ…?」
………
……
…
伊織「…どう、パルファム城。綺麗だったでしょ」
春香「う、うん…」
真「初めて見たよ…こんなすごい建物…」
雪歩「は、はい!アーチといった幾何学的な外見の美しさを持ち、力学的にも理に適っている構造を取り入れた中世時代独特の華々しい建築様式が凄く…それに庭の精度も…こ、これは庭師さんももちろんですが、昔の測量の機械が無かった頃なのに…凄い腕前の測量屋さんですぅ!」
千早(な、なんか萩原さんだけ着眼点が違うような…)
千早「そうね、綺麗という感想の前に、圧巻されるわ…」
伊織「そ、そう、私の出した分が無駄にならなくて良かったわ」
春香「…でも、何で私たちの分までお金を出してくれたの?」
伊織「え?き、気まぐれよ、まあアンタたちが本当にド田舎から来てたし、ちょっとぐらい街の観光でもしてっても罰が当たらないと思ったからよ」
真「…はい、お金」
伊織「…えっ?」
伊織「…1000円…?」
真「返すよ、伊織」
伊織「い、伊織って…」
真「伊織は伊織だろ?」
伊織「そういう意味じゃ…って、そんなはした金…」
雪歩「私の分も、返します」
春香「…そうだね、はい」
千早「大丈夫、何とかなるから」
伊織「アンタたち…」
伊織「…良いわ、しまって頂戴」
真「で、でも…」
伊織「良いから」
春香「…」
伊織「ちょっと長くなるけど、付き合ってくれるかしら」
伊織「あのね、私には…」
私にはね、優秀なお兄様が二人いるの。上のお兄様はコンサルタント会社の社長、真ん中のお兄様はイッシュ地方に留学しているわ。
私はお兄様が大好きだし、お兄様も私を可愛がってくれる、でもね、私の一族の人たちがお兄様をもてはやしているのを見ているとね…私って、何だろう?って思ってしまうの。
私はお兄様みたいに凄くない…でも、私だってきっと何かできる、そんな事を考えていた私はある日…庭に迷い込んだロゼリアを見つけたの。
伊織「私はロゼリアとすぐに仲良くなったわ、そんなある日、上のお兄様があるものを持ってきてくれたの、何だと思う?」
春香「…お土産とか?」
真「うーん…」
雪歩「何でしょう…」
千早「…何だったの?」
伊織「ひかりのいしだったわ、お兄様がこれでロゼリアをロズレイドに進化させるといいよって…」
春香「でも、伊織ちゃんはさせなかったんだ」
伊織「…ええ、だって…そのいしは、自分の力で手に入れたものじゃないでしょ?」
伊織「ポケモントレーナーになるってパパに言った時、滅茶苦茶怒られたの。女の子がそんな野蛮なことを!ってね」
伊織「でもね、私はやるんだっていって、執事の新堂に無茶を言ってロゼリアと一緒に外出して、その辺にいたトレーナーにバトルを挑んだわ」
伊織「…結果は惨敗よ、初めてのバトルで手も足も出なかったんだもの、格の違いを思い知ったわ、でもね、そのトレーナーは私に色々と教えてくれたわ、弱点や技のこと、戦略とかね」
伊織「それとこのミミロルの卵を、ね」
伊織「私は最初断ったの、でも、このミミロルは君が孵して、君と一緒に強くなるんだよって、それに君はまだ初心者、甘えてもいいんだよって…」
伊織「だからね、私決めたの。いつか自分のような初心者に会ったときは、同じように優しくできたらなーって…」
春香「その割にはガチで倒しに来てたじゃない?」
伊織「そ、それは…ま、そんなちょっと大人げない事しちゃったからね、入場料で勘弁してよ」
春香「じゃ、じゃあありがたく取っておこうかな…」
真「…そうだね」
雪歩「このお礼は、また私たちが強くなったとき、初心者の人たちにしてあげれば…」
千早「そうね、萩原さん」
伊織「それでいいのよ、それと…」
新堂「…お久しぶりです、お嬢様」ヒュン
フーディン「…」ヒュン
春香「いいっ!?」
真「テ、テレポート…!?」
千早「びっくりした…」
伊織「新堂、もう少し時間をくれる?」
新堂「はい」
伊織「…春香」
春香「は、はい!」
伊織「さっきの勝負の続き、行くわよ!」
春香「い、良いけど…急にどうしたの?」
伊織「…あのね。私…」
伊織「今日行うバトルで負けたら、ポケモントレーナーをやめる約束なの」
真「トレーナーを…」
千早「やめるって…?」
雪歩「きゅ、急にどうしたんですか…!?」
春香「ええ!?それって、どういう…」
伊織「パパはね、私がポケモントレーナーになることに反対なの。これはパパとの約束よ」
春香「そ、そんな…私が相手で良いの…?」
伊織「ええ、ポケモンのレベルはそっちが上、相手にとって不足は無いわ」
春香「でも…だったら尚更…」
伊織「…お願い、全力でかかってきて!」
春香「…!」
伊織「…だって、そうじゃないと…」
春香「分かってるよ…」
春香「だって…」
伊織・春香「面白く、ないから!」
伊織「…行くわよ!」
春香「…うん!」
春香「シシコちゃん!」
シュパァァン!
伊織「ミミロル!」
シュパァァン!
雪歩「始まった…!」
千早「シシコとミミロルの対面…!」
真「積み技は迂闊に使えない、どう出る!?」
春香「シシコ、ずつき!」
伊織「ミミロル、フラフラダンス!」
真「ミミロルの方が早い!」
春香「シシコちゃん!」
シシコ「~!?」バシッ!
千早(混乱、2分の1の確率で相手の行動制限+自滅ダメージ…)
千早(フラフラダンスは覚えるポケモンは少ないけど、あやしいひかりとも合わせると結構な数のポケモンが覚える、厄介な技ね…)
伊織「ミミロル、はたく!」
春香「シシコちゃん、戻って!」
春香「ゲコガシラ!」
ゲコガシラ「ゲコ!」
伊織「ミミロル戻って!ロゼリア!」
春香「ゲコガシラ、みずのはどう!」
伊織「余裕!」
春香「大丈夫、良いよ、ゲコガシラ!交替!シシコちゃん!」
伊織「ロゼリア、しびれごな!」
春香「うっ…!」
伊織「よし!」
千早「高威力技が覚えられないため相対的に火力が不足しがちな低レベル時は…交替読みで使う状態異常技が特に有効…」
真「…相手の方が一枚上手か…!」
雪歩「ど、どっちも頑張ってくださーい!」
伊織「ロゼリア交替!ミミロル!」
春香「シシコ、おたけび!」
伊織「…」
伊織(アンコールで縛ってもいいけど、火力が下がってしまうと3ターンで倒せない!だからここは…いちかばちか…)
伊織「ミミロル、ロゼリアに交替!」
春香「シシコちゃん!ひのこ!」
伊織(…お願い!)
シシコ「…」ビリビリ
伊織(やった!)
春香「そ、そんなあ…」
真「ついてないな…さっきから…」
千早「ええ…」
雪歩「春香ちゃん…」
伊織(いける!今回はついてる!春香には悪いけど…この勝負、もらったわ!)
伊織「ロゼリア、どくばり!」
春香「頑張って!ひのこ!」
シシコ「…!」
ロゼリア「!」
春香「よし、動けた!」
伊織「ロゼリアの特防をなめ…」
伊織「そんな…急所!?」
真「ここにきて急所か…!」
雪歩「…おおきいですぅ!」
千早「これは…!」
春香(よ、よし!運が向いてきた!)
春香「シシコちゃん、もう一度ひのこ!」
伊織「交替!ミミロル!」
伊織「はたく!」
春香「…シシコちゃん!」
伊織「た、倒せた…けど…」
伊織(さっき、素直にロゼリアを引っ込めれば良かった…!)
伊織(これだけ体力を消耗していたら…ゲコガシラの攻撃でやられちゃう…)
伊織(ミミロルではゲコガシラを一撃で倒せないしみずのはどうは耐えられない…)
伊織(勝てない…!!)
伊織「…ミミ…ロル…」
ミミロル「…」
ミミロル「!」
伊織「…!こ、これは!」
春香「し、進化!?」
真「シシコを倒したからか!」
伊織「ミミロルが…!」
真・千早・雪歩「ミミロップに!」
伊織「あ、アンタ…」
ミミロップ「…」コクリ
伊織「そっ、そうよね!まだ、諦めるには早いもの…ね!」
伊織「えっ…おんがえしを覚えたい…?」
ミミロップ「…」コクリ
伊織(ミミロップはミミロルが最高になついた状態でレベルアップしたときに進化する…)
伊織(おんがえし…)
伊織(…)ゴシゴシ
伊織「泣かせて…ぐすっ、く、くれるじゃない!」
伊織(…体力的にミミロップに進化して耐久が上がっていても、みずのはどうは耐えられない)
伊織(でも、素早さは格段に上がっている!)
伊織(おんがえしの威力は今、102!タイプ一致で153!)
春香(でんこうせっかでは確実に先制できても倒せないかもしれない…だったら…!)
伊織「一か八か…!」
伊織「…ミミロップ、おんがえし!」
春香「ゲコガシラ、みずのはどう!」
伊織「お願い!ミミロップー!!」
春香「ゲコガシラ!頑張ってー!」
ミミロップ「!」
ゲコガシラ「…!」
バシィッ!
真「…ああっ!」
伊織(…きた!!)
伊織「…やったわ!!やった!!ミミロップが速かった!!」
春香「…そん…な…」ガクッ
千早「…春香!!」
春香「…!!」ハッ
伊織「えっ…」
真「ゲコガシラはまだ…!」
雪歩「諦めてない…!?」
ゲコガシラ「ゲコ…!」
ミミロップ「…!」
………
……
…
伊織「…ミミ…ロップ…」ガクッ
ミミロップ「…」
伊織「…降参、するわ…」
春香「…」
伊織「…ごめんね…ごめんね…」ポロポロ
ミミロップ「…」
伊織「痛かった…わよ…ね…!」ポロポロ
ミミロップ「…」
伊織「ううっ、うううう!」
伊織「うわあああっ!あああぁぁ…!」
伊織「ひっく…えぐっ…うぅぅう!ああぁぁ…!!」
伊織「悔しい…悔しいっ…!!春香…!!」
春香「伊織ちゃん…」
伊織「全力で戦えば…えぐっ…き、きっと…負けても、悔いがの、のこ…えぐっ…らないってぇ…思ってた…のに…!」
伊織「何で…こんなに…」
伊織「悔しいのよッ…!!」
伊織「嫌よ…!!ポケモン…トレーナー、やめたくない…!!」
伊織「やめたくない…わよぉ…!!」
???『…伊織』
伊織「…!?」
春香「えっ…」
雪歩「あ、あれ…」
真「この声は…?」
千早「誰の声…それにどこから…」
伊織「パ、パパ!?」
春香・真・千早・雪歩「パパぁ!?」
伊織「どこなの!?」
新堂「フーディンのサイコパワーで、声のみをお届けしています」
伊織パパ『バトルはフーディンのパワーを通して一部始終見せてもらった』
伊織パパ『…約束は覚えているか』
伊織「…ひっく、お、覚えて…るわよ…!」
伊織「…ミミロップ…ロゼリア…」
ミミロップ「…」
伊織パパ『…正直、私はポケモンバトルの事はよくわからない』
伊織パパ『だが、このバトルを見て何か私の心を突き動かすものがあった』
伊織パパ『伊織、トレーナーを続けてもいい』
伊織「えっ…!?」
ミミロップ「…!」
伊織パパ『娘がここまで熱くなれるものがあるのなら…見守るというのが親の務めだろう』
伊織「ほ、本当…!?」
伊織パパ「…本当だ」ヒュン
伊織「きゃっ!?」
真「うわあぁ!」
雪歩「ひいい!」
春香「声だけじゃなかったんですか!?」
千早「身体まで来てますが!?」
新堂「フーディンのサイコパワーです」
春香「いやそれは知ってますけど!」
伊織「パパ…」
伊織パパ「負ける時だって誰だってある、伊織が劣等感を抱いているというあいつら2人だって今まで何度も失敗してきた、だが、失敗の原因を考え次に生かす能力と、諦めない心が大切なんだ」
伊織「…」
伊織「ありがとう…パパ…!!」
春香「…良かったね伊織!」
伊織「うん…!うん…!!」
伊織「良かった…!良かった……!」
シュパァァン!
ロゼリア「♪」
ミミロップ「!」
伊織「ロゼリア…ミミロップ…」
伊織「ずーっと、一緒だからね!」ギュッ
伊織ちゃんとの激闘の末に勝利した私、でも、勝った気がしません…私はゲコガシラが抜かれた瞬間負けたと思ったから…
伊織ちゃんは最後で気を抜いたわけじゃないと思います、本当に負ける気がしていなかったんだと思います。凄い自信ですよね、私もあんなに自信が持てるようになりたいなあ。
そんな伊織ちゃんですが…どうやら私たちと一緒に旅するつもりは無いようです。
春香「そうなんだ…」
伊織「悪いけどまだ私、ここでやり残したことがいっぱいあるから…ホントにゴメン!」
春香「ううん、気にしないで!」
真「そうだよ、もしボクたちとバトルしたくなったらホロメールでいつでも呼んでよ!」
伊織「ええ、春香、真に雪歩、千早もね!」
千早「また会いましょう、伊織!」
雪歩「私たちも頑張りますから、頑張ってください!」
伊織「アンタたち…」
伊織「…うん!じゃ、またね!」
春香・千早・真・雪歩「またね…!」
別スレに書き込んでたら途中でトリップ外れたまま書いてました。
今日はこれで終わりです、ありがとうございました。
おつ!
おつーん
伊織と別れ、私たちは7番道路を抜けました。
辺りは既に夕焼けで赤く染まっていて日が沈むのは時間の問題ですが、それでも芸術家の人達は一生懸命筆を動かしているのが印象的です。
晩御飯の材料はコボクタウンのお肉屋さんと八百屋さんで買いました。ひと月に使える分は制限されていますが、ポケモン協会から補助金が降りたり、後はトレーナーとバトルして稼いだり…大した額にはならないですけどね。
とまあこんな感じで、金銭面では普通に生活する分には困ることはなさそうです。
ですが、これからは街から街へたどり着く時間も長くなりそうです。食材を持って歩くのも重たいので自給自足も考えないと…ポケモンの力を借りて魚を捕ったりしないといけないかもしれません。真はこういうの得意そうだけど、どうなんだろう?
そして今晩は初めての野宿になりそうです。ただ…
…ポツ
春香「…あ」
雪歩「雨…」
真「…」
ポツ…ポツ…
ザアアアアッ!!
千早「って、急に強くなりだしたわよ!?」
春香「ぐはーっ、ついてない!」
真「…洞窟だ、この近くに地つなぎの洞窟っていうのがあるぞ!」
千早「ど、どこに!?」
真「こっちだ!」
ゴロゴロゴロ…
雪歩「ひーん、雷まで鳴り出しました~!」
春香「い、急げ~!」
………
……
…
春香「うひゃあ…ぐっしょぐしょ…」
千早「…近くに洞窟があって助かったわね…」
雪歩「で、でも…なんだか暗くて怖いですぅ…!」
真「うん…それに服が濡れてて気持ち悪いし…あ、そうだ。雪歩、春香」
雪歩「どうかしたの?」
春香「あ、分かった。たき火をするんでしょ」
真「そう!2人とも炎タイプのポケモンを持ってるしね。これだけ入口に近かったら空気も問題ないからさ」
春香「なにか燃えるものとか無いかな?」
真「…それが問題か…」
千早「ヒトカゲとかヒトモシが居れば薪もいらないのに…」
千早「…私、ちょっと外を探してくる」
真「えっ、今から?」
雪歩「だ、ダメですよ…風邪ひいちゃいますぅ!」
春香「そうだよ千早ちゃん」
千早「大丈夫よ、着替えと雨具はあるから…」
春香「…っていうか私たちも着替えればいいんだ」
真「それもそっか、えーとと…着替えは…」ゴソゴソ
雪歩「…」
真「…ちょ、ちょっと雪歩…何見てるんだよ…」
雪歩「え、え!?別に見てなんか…」
真「…そ、そう?」
真「…」
雪歩「…」チラチラ
真「…」
雪歩「…」チラチラ
真「…やっぱり見てるじゃないか!恥ずかしくて着替えらんないだろ!雪歩ー!!」
春香「ふふふ…秘儀、上着を着たまま着替える戦法」モゾモゾ
真「出た、中学生ぐらいの頃水泳の授業の着替えでしてたやつ。これをすれば良かったんだなあ」モゾモゾ
千早「…」チラッ
春香「…」
千早「くっ!」
春香「えっ?」
千早「い、いや、何でも…」
………
……
…
真「じゃ、ボクは雪歩と待ってるよ」
千早「ええ、行くわよ、春香」
春香「あいあいさー!」
千早「…ふう、この時期でも雨の夜はちょっと冷えるわね…」
春香「…うーん、暗くてよく見えないなあ…」
千早「雨脚はもう小雨になったけど…」
千早「ルリリ、どう?」
ルリリ「…」キョロキョロ
ルリリ「…♪」
千早「あ、木の棒」
ルリリ「…;;」ウンショウンショ
春香「えらい重たそうだけどよく持てるね…」
千早「力持ちだからね…ありがとう、ルリリ」
春香「だいぶ濡れてるけど、どうだろ?」
春香「シシコちゃん」
シュパアァアン
シシコ「~♪」
春香「シシコちゃん、ひのこ」
シシコ「!」シャキーン
春香「つくかなあ?」
千早「乾いたらつくんじゃない?」
春香・千早「…あっ、ついた」
シシコ「♪」
春香「ありがとう、シシコちゃん」
シシコ「!」シャキーン!
千早「意外と早かったわね」
春香「シシコちゃんが頑張ってくれたからかな」
春香「さて、これで辺りがよく分かるようになったことだし、早めに集めちゃおう!」
千早「ええ」
………
……
…
春香「他には…」
千早「重たくない?春香…」
春香「ううん、平気平気…」
ピカッ
春香・千早「…!」
ズバアアアン!!
春香「ひいっ!!」ポイッ
ベチャ、ジュウウ…
千早「松明が…!」
春香「うわあ、ごめん!」
千早「仕方ないわ、それより今の雷相当近かった…もう薪は充分よ、早く洞窟に入りましょう!」
ピカッ!
バシャアアアアン!!
…ザアアアアッ…!
千早「くっ、雨脚まで!?」
千早「…春香?」
春香「…」
千早「…春香!?」
千早「ちょっと春香!?何をしているの!?」
千早「春…」
ピカッ
千早「…!!」
千早(何…あれ…)
???「…」
千早(…ポケモン…?背中に乗ってるのは…)
千早(…人…間…)
春香「…な、なんだろう…あれ…」
???「…」
???「ゴオオオオッ!!」
ピカッ
バシャアアアアン!!
千早「…!」ハッ
千早「春香!雷に打たれたいの!?」
春香「えっ!?ああっ!」
千早「行くわよ!」ダッ
春香「ま、待って!」ダッ
春香「…」チラッ
春香(…あれって…)
???「…」
???「…」ダッ
………
……
…
春香「…うん」
真「…な、何か見たの?」
雪歩「お、お化け…とか…」
春香「あれは、ポケモンだったと思う…」
真「なーんだ、ポケモンかあ…」
春香「…でも、背中に人が乗ってた…ように見えた」
千早「春香もそう思ったの…?」
春香「う、うん…」
真「…人が?」
千早「…あの雷はポケモンの技なのか、自然現象なのか…あるいはどっちでもないか…」
雪歩「な、何のポケモンだったんですか…?」
春香「そこまでは…暗くて、雷が光った一瞬だけ…」
千早「四足で、雷タイプだとしたら…結構大きかった…レントラー、ライボルトあたりか…サンダースにしては大きすぎるわ」
春香「この中だったら…レントラー、かなあ…?」
千早「レントラーかもね…ライボルトではなかったように思うわ」
真「ま、何にしろ気味悪いよね…」
ボッ
雪歩「ついた!」
雪歩「フォッコさんありがとう」
春香「シシコちゃんもお疲れ、休んでてね」
春香「ふわぁ~、私疲れちゃった…」
雪歩「私も今日はいっぱい歩いたから…」
千早「まだ早い気もするけど、明日に持ち越さないようにもう寝ましょう」
真「…順番に寝よう、何が起こるかわからないから」
真「1時間ごとに交替だよ、先ずはボクが起きておくから次は…」
千早「…私がやるわ」
春香「じゃあ次は私でいい?」
雪歩「はい、大丈夫ですぅ」
真「…じゃ、あとはボクに任せて」
春香「…うん、お休み…」
千早「ええ…」
雪歩「お休みですぅ…」
………
……
…
それからは4人で交替だから、1回起きた後はみんな3時間眠ることが出来ました。初めての野宿、寝ている間に真が作ってくれていたスープは野菜もお肉もごろごろとしたスープ。
私はこれぐらい具が大きい方が好きかな?外で食べたからかとっても美味しかったです。でも、やっぱり皆で一緒に食べたかったなあ。
そして勿論外で眠るのも初めて。ぐっすり眠れるか不安だったけど、結局私が起きたのはすっかり日が高く昇った8時過ぎ、皆はとっくに支度をしていました。
春香「え、洞窟は行き止まり?」
真「うん、なんだか大きい岩があって邪魔で進めないんだよなあ」
春香「…そっか、って、それじゃどうやって進むの?」
雪歩「地図だとこの洞窟の外をぐるっと迂回するともう一つ洞窟の入口があって、そこから進めるみたいですぅ」
春香「そっか、また塞がってなかったら良いけど…」
雪歩「はい、春香ちゃんの分の朝ごはんだよ」
春香「あ、パン…どうしたの?これ」
真「朝練がてらにコクボタウンまでポケモン達と一緒にひとっぱしり、ね」
春香「ええ~?わざわざ遠いのに…ありがとう」
真「良いってことさ、齧りながら行こう!」
春香「は~い」
………
……
…
千早「…雷の跡…」
春香「…やっぱり、あれはホントだったんだ…」
真「足跡は分からないか…」
雪歩「だね…」
真「…さて、また洞窟に入るんだけ、ど…」
春香「洞窟だらけだね」
雪歩「地図では繋がってるんですが…落盤か何かでふさがってたんです」
春香「ああ、大きい岩ってそういうことだったのか」
春香「…何か出てきそう」
雪歩「か、勘弁してよ~」
真「ダ、ダッシュで抜けよっか…」
千早「別にそこまでしなくても…」
真「こんな薄気味悪いところ、とっととおさらばだ!」ダッ
千早「あっ…まったく…」
春香「わ、私も…!」ダッ
雪歩「ひい~!そんな!」
テクテク
ピチョーン…
千早「…」
雪歩「うう、薄暗い…じめじめしてるし気持ち悪いですぅ…」
千早「大丈夫よ、ほら、出口は見えてるでしょ?」
雪歩「…ひっ!あそこに何かいました…」
千早「ポケモンでしょ…」
雪歩「ひゃああ!」ベショッ
千早「萩原さん!?大丈夫!?」
雪歩「いてて…うう~、すみません、水が上から垂れてきて、びっくりして…」
雪歩「ああっ、荷物!下敷きにしちゃってますぅ…」
千早「…大丈夫?何か壊れてない?」
雪歩「…ああ~、せっかく買った蜂蜜が…」
千早「…ビンが割れちゃってる…残念ね…」
雪歩「パンに塗ろうと思ったのに、はあ…ついてないですぅ…」ションボリ
ガサガサ
雪歩「囲まれてますぅ!?」
キバゴの群れ「~!」
千早「…しまった!キバゴ!?」
千早(蜂蜜の匂いにつられて出てきた…!?)
千早「萩原さん!」
雪歩「…は、はい!」
千早「一人じゃ厳しいわ、大丈夫ね!?」
雪歩「だ、大丈夫じゃないですぅ!?」
千早「何言ってるの、何でも良いからポケモンを出して!」
雪歩「は、はい!ホルビーさん!」
シュパアァアン!
千早「良いわよ、萩原さん!…スバメ!」
シュパアァアン!
千早(最悪イシツブテのマグニチュードで何とかなるけど…)
千早(でもそれじゃ萩原さんのために…)
千早(…)ハッ
千早(…私、何考えてるんだろう)
千早(とにかく、相手はまだレベルは低い、はず。りゅうのいかりなんて覚えてないわよね…!?)
千早「スバメ、つばさでうつ!」
雪歩「ホルビーさん、とっしん!」
千早「…数が多い!萩原さん!とっしんだと反動のせいで体力がいくらあっても足りないわ!考えるのよ!」
雪歩「わ、分かりました!ホルビーさん、フォッコさんに交替ですぅ!」
千早「出来るじゃない!キバゴはドラゴンタイプだから炎タイプの技は今一つよ、気を付けて!」
雪歩「はい!」
………
……
…
キバゴ「…」タジ…
雪歩「…」ゴクリ…
雪歩「モ、モンスターボール!」ポイッ
キバゴ「!」
シュパン!
テンテンテン…
カチッ
千早「やったわね!萩原さん!」
雪歩「は、はい!!」
雪歩「キ、キバゴさん、ゲットですぅ!」
千早「キバゴは進化するとオノノクスになるわ、オノノクスの攻撃力はドラゴンタイプの中では随一よ。勿論進化前だって侮れないわ」
雪歩「ええ、そうなんですか!?で、でも…そんな凄いポケモンなのに、千早ちゃんも欲しかったんじゃ…」
千早「うーん、さっきはオノノクスの凄いところである攻撃力について触れたからこういうのも変だけど…攻撃力が高いだけじゃポケモンは強くないのよ、勿論オノノクスが弱いわけじゃないけどね、決して他の能力だって低いわけじゃないし、さっき言ったように攻撃力は高水準。ただ私はオノノクスを手持ちに加える予定は今は無いわ」
雪歩「そうなんですか…でも、せっかく千早ちゃんに譲ってくれたキバゴさん、一人前のオノノクスさんにしてみせますぅ!」
千早「根気が必要でしょうけど、頑張ってね」
雪歩「はい!あ、千早ちゃん!春香ちゃんと真ちゃんですぅ!」
千早「ふふふ、キバゴを見せてあげたらびっくりするかもね」
真「雪歩、千早ー!早く早く!」
春香「すーっごい景色が綺麗だよ~!!」
雪歩「あ!そっか!もうすぐ海なんだ…!」
千早「…今行くわー!」
千早(…)
………
……
…
雪歩「うわ~!!」
千早「…これがミュライユ…海岸…」
千早(…生まれて初めて見る…海…)
千早(…海って、青い…空との境目がこんなに曖昧だなんて…)
千早(…それと、風…何だか少し、生臭い感じ…)
真「全然嬉しくないんですけど…」
春香「べ、別に変な意味じゃないって」
真「充分変だろ~?」
春香「えへへ、そうとも言う…」
千早(…)
千早「…あの」
春香「うん?」
千早「…気を悪くしたらごめんなさい、その、こんなこと聞かれるの嫌かもしれないけど…」
春香「…何?」
千早「…アサメタウンから、戻りたい?」
春香「はあ…」
真「…戻りたい、ねえ…」
雪歩「うーん…」
春香「…どうだろう、私は特に…」
真「…そうだね、セキタイに居た人は殆どアサメタウンに引っ越してきたから」
雪歩「うん、皆一緒に来れたから…たまに懐かしくなったりはするけど、ね」
春香「私は今のアサメタウンの暮らし、気に入ってるな。それに、アサメタウンから旅を始めたから千早ちゃんにだって会えたしね!」
雪歩「…はい、そうですぅ!」
千早「…ちょ、ちょっと、変な事言わないでよ…」
真「あはは、照れてる」
千早「そ、そういうのじゃ…からかわないで…」モジモジ
春香「もっと素直になってもいいんですよ~」
千早「は、春香ってば…もう、何でもいいわ」
春香「えへへ、ごめんごめん」
春香「…さて、お次はコウジンタウン…!」
真「海と化石の町、か…」
千早「…ジムはその次の街ね」
春香「せっかくだし観光していこうよ」
千早「水族館があるそうよ、それと洞窟も」
真「輝きの洞窟だっけ、面白そうなポケモンがいるかもね」
雪歩「ま、また洞窟ですかあ~!?」
春香「良いじゃない!冒険ぽくって、さ!」
春香「じゃ、はりきっていこ~!!」
真「おー!」
雪歩「おー!」
千早「…ええ、行きましょう」
ついにやってきました!懐かしきミュライユの海岸線、そして潮の香り!セキタイまではまだ結構あるけど、久しぶりの海にテンションが上がっちゃいます。
そういえば、結局昨日の晩のあれは何だったんでしょう…私は他の皆よりもポケモンはまだあまり詳しくないから…よくわかりません…
ですが、あの千早ちゃんが走り出してから最後に私が振り返った時…雷の光で一瞬だけ、上に乗っている人の顔が照らされたんです。
一瞬、ほんの一瞬だったし、走りながらなのと、遠くからなのとで良く見えなかったんですが…
…乗っていた人は、金髪の可愛い女の子に見えたんです。
雷タイプのポケモンの上にまたがる金髪の可愛い女の子…うーん…なんだか出来すぎているような…
謎は深まるばかりです。
今日の分はこれで終わりです。ありがとうございました。
おつ
ホルビーが進化したら土方のおっちゃんになる訳か
やってきました、コウジンタウン。化石の事はよく分かりませんが、何だか復活させることが出来るみたい?
そんな事より洞窟です!水族館で見た大きな金のコイキングが頭から離れませんが…雪歩がいつの間にかキバゴを捕まえていたので私も何か良い子がいたら捕まえようかなあ。
水はゲコガシラ、火はシシコちゃん、次は…何だろう?私もあの子みたいに電気タイプのポケモンが欲しくなったなあ。勿論、化石ポケモンも気になります。
真「ええっ、サイホーンに乗らないとダメなんですか?」
研究員「足場が悪くって…」
春香「良いじゃん、真が手綱を握ってよ、後ろに乗るからさ」
真「…別に良いけどさ…」
雪歩「真ちゃんのお父さん、サイホーン乗りだもんね」
真「と、父さんは関係ないだろ?」
真「ボク、乗り方知ってますから案内してください」
研究員「はあ、ではこちらから」
真「取り敢えず、春香を先に連れていくから、ピストン輸送だよ」
研究員「サイホ―ンは何匹か居ますが」
真「乗り方知ってるの?」
雪歩「真ちゃんのお父さん、サイホーン乗りだもんね」
真「と、父さんは関係ないだろ?」
真「ボク、乗り方知ってますから案内してください」
研究員「はあ、ではこちらから」
真「取り敢えず、春香を先に連れていくから、ピストン輸送だよ」
研究員「サイホ―ンは何匹か居ますが」
真「乗り方知ってるの?」
雪歩「わ、私は乗ったことが…千早ちゃんは?」
千早「私もサイホーンだなんて…」
研究員「良くしつけられてますから大丈夫ですよ、メグロコやヒポポタスが出ますがそのあたりはバトルで…洞窟手前に回復をしてくださる方が居ますので安心してください」
真「はあ、じゃあボクはまず決定として…」
春香「わ、私は無理!絶対!」
雪歩「わ、私も…」
真「…じゃあ、千早は?」
千早「…しょうがないわね、分かったわ」
春香「よーし決まり!私は千早ちゃんの後ろに座るね」
………
……
…
研究員「では、お気を付けて~」
真「うん、確かに良いサイホーンだね」
千早「結構賢いのね…」
真「訓練すれば、ね、野生は勿論アレだよ」
真「ほ~ら、良い子だね、よしよし!」
サイホーン「ガ~♪」
千早「よしよし…」
サイホーン「ゴア~♪」
千早(…)ハッ
千早(つい撫でちゃった…)
千早(何だか不思議、この人たちと居ると…)
春香「サイホーンって可愛いね、千早ちゃん」
千早「え?え、ええ…こうして間近に見るとイメージと違って可愛い目をしているのね」
千早(…ポケモン、か…)
真「あーあ、なんかこうしてサイホーンの背中にまたがってると小さいころに父さんにしごかれたのを思い出すなあ…」
雪歩「真ちゃんのお父さんは真ちゃんをサイホーンレーサーにしようとしてたの?」
真「さあ?でもしょっちゅう乗せられてたよ、ボクが怖くてわんわん泣いても、気合いだー!って、ホント…」
真「ま、おかげでサイホーンの扱いには慣れたけどさ」
真「ったく、これで勝ってくれたら文句ないんだけどなあ~、いっつも肝心なとこでラインミスするんだから…」
真「それに突っ込みがちだし、そのくせ周回重ねてくると立ち上がりが遅れ気味になるんだよな、今はレギュレーション変更でサイホーンの体重が上がってるから勿論レイトブレーキは重要だけどそれよりもコーナーの立ち上がりを重視した方が良いのに…」
真「あとは…」
春香「と、取り敢えず真がお父さんの事が大好きなのはわかったよ…」
真「えっ!?な、何言ってるんだよ~!春香~!」
千早「何の事か全然分からなかったわ…」
雪歩「それが普通ですぅ…」
千早「…あっ、岩があるわよ、真」
真「大丈夫、それっ」
サイホーン「ゴア~」バゴッ
真「普段はおとなしくてもこれを見ると、やっぱりサイホーンは力持ちなんだなーって分かるよね」
千早「凄い…岩が粉々…」
雪歩「迫力です~!」
春香「凄いなあ、真は」
真「いやあ、凄いのはサイホーンだよ」
春香「それでも真はこうやって指示出来てるんだしさ」
真「ありがとう、まあ良いサイホーンだからね」
春香「千早ちゃんもサイホーンでさっきみたいに岩をばこーん!って壊してよ!」
千早「で、出来るかしら?」
春香「大丈夫大丈夫!」
千早「この岩で良いかしら、ちょっと小さいような気がするけど…」
千早「サイホーン!」
サイホーン「ゴアッ」バゴーン
春香「おお~!すごいすごい!」
真「…あれ、その石…」
千早「…あれっ、これ、化石じゃない?」
春香「…ほんとだ!」
真「千早ー!それ、何の化石かわかるー?」
千早「ちょっと待って!」
千早「よいしょっと…これは…」
千早「…羽根?」
春香「鳥の…羽根?」
真「羽根かあ、良いじゃん」
千早「羽根って確か…アーケオスだったかしら?」
真「そうだね」
千早「アーケオスか…私はスバメがいるし…」
千早「そうだ、春香、アーケオスはどう?もしよければあなたにあげるわ」
春香「アーケオス?何それ」
千早「岩と飛行タイプよ」
春香「おお!?良いの!?」
千早「ただとくs…」
春香「是非とも頂戴!せっかくコウジンタウンに来たんだし、化石ポケモンもゲットしたいよね!」
千早「え、ええ…そうね…」
春香「わ~い!化石ポケモンか~!鳥でしょ!?可愛いかなあ、あ、それかタカみたいにかっこいいかも!?」
千早・真「…」
雪歩「ね、ねえ…」
真「…」スッ
ポケモン図鑑「アーケオス、さいこどりポケモン」
雪歩「…」
真「…ボクは嫌いじゃないよ?」
雪歩「あ、もういいよ、図鑑…」
真「あ、ああ…」
雪歩(どちらかというとトカゲみたいですぅ…)
真「ふーん、その辺の石からも出るのかあ」
真「…よし、ちょっと寄り道だ!」
サイホーン「ガ~」テクテク
千早「ちょっと、真?」
真「へへ、大丈夫だって」
サイホーン「ゴオ~」バッコーン
真「ちぇ、はずれかあ」
千早「もう…先に行くわよ」
真「…あ、待ってよ~」
………
……
…
千早「…さて、着いたわね」
春香「おーい、早く早く~!」
真「へー、これが輝きの洞窟かー」
雪歩「何で輝きなのかな?」
真「宝石があるとか!?」
雪歩「宝石かぁ…ホントにあったらいいね」
真「どうなんだろう、化石もあるんだし、宝石もあるよ、たぶん」
真「お待たせ~」
千早「そういえばあなぬけのヒモは買ってきた?」
真「んー、別に要らないかなーって」
千早「まあ…大丈夫よね」
雪歩「い、いざとなれば私が穴を掘りますう!」
真「ホントにできそうだね…」
春香「あなぬけのヒモって?」
千早「一瞬で洞窟の外に出られるアイテムよ」
春香「ふーん、便利な物もあるんだね」
真「…お?ホログラムメール?」
あずさ「皆元気~?」
真「あずささん!どうしたんですか?」
あずさ「律子さんとちょっと気になる事があってね、近くまで来たのよ」
千早(…気になる事って、まさか…)
春香「あ、もしかして昨日の雷の…!」
あずさ「あら、知っているの?春香ちゃん…」
真「ええ!春香と千早が昨日ポケモンに跨った女の子を見たとか!」
あずさ「…ポケモンに跨った女の子…」
あずさ「ちょっと今大丈夫?その事も聞きたいし、せっかく近くまで寄ったから会ってきたらどうって律子さんに言われたから」
真「良いですけど…もしかしてあずささん、今…」
あずさ「今はカイリューの上だけど…」
春香「ええ!?手放しですか!?」
雪歩「あ、危ないですよ~!」
あずさ「大丈夫よ~、この子飛ぶの上手いから~」
真「そういう問題じゃー!」
バサッ…
春香「み、皆!う、上…!!」
あずさ「おまたせ、あら…」
ヒューン
真「ひいい!つぶされるー!」
雪歩「きゃああ!」
バッサバッサ!
ドタプーン
あずさ「ごめんなさいね、ちょっと手こずったみたい…」
カイリュー「グアー」
春香「ま、まあみんな大丈夫だし…はは…」
春香(し、死ぬかと思った…)
あずさ「それっ」
スタッ
バインッ
千早「…くっ!」
あずさ「…? あら、ここは…」
春香「輝きの洞窟です!今からここに入ろうかなと」
あずさ「あら~、懐かしいわね…私も一緒に行っていいかしら?」
真「…あ、はあ…」
雪歩「えーと…」
春香「…で、でも、化石ぐらいしか無いんですよね?ここ…」
あずさ「そんなことないわ、中はとっても綺麗で…」
千早「…ちょ、ちょっと、みんな急にどうしたの…」
春香「あのね、千早ちゃん…」ヒソヒソ
千早「えっ?」
春香「あずささんって方向音痴だから、洞窟なんかで迷ったら一生出てこれないよ…」ヒソヒソ
千早「…でも、懐かしいって事は一度入って出てこられたって事でしょ?」ヒソヒソ
春香「…それもそっか」ナットク
春香「よ、よし!早速行きましょう!」
真「えっ…」
雪歩「は、春香ちゃん…」
あずさ「ええ、冒険出発ね~」ウキウキ
千早(もう、みんな大げさなんだから…)
あずさ「…あらあら、みんなどうしたの?」
真「い、いえ、何でも…」
あずさ「みんな私が道に迷うと思ってるんでしょう?」
雪歩「ぎ、ぎくり…」
あずさ「大丈夫よ、じゃん」
春香「…お?何ですか?それ…」
あずさ「…これはね、確か…えーと…ポックルっていうのよ、ええ、確か」
千早「ポックル…?」
春香「ふーん、何だか可愛いね」
雪歩「いろんな色があるんですね」
真「これって何に使うんですか?」
あずさ「さあ~…何年か前のホウエン地方の調査の時に、律子さんに要らないからあげますっていっぱい貰ったから…」
春香「あ!分かった!これを並べて道しるべを作るんですね」
あずさ「そう、色がついて分かりやすいでしょう?これで道順を覚える手間が省けてもっと奥まで進めるわ~」
あずさ「さ、れっつご~」
春香「おー!」
真「ああ!」
雪歩「ごーです!」
千早「ええ…」
千早(ポックル…どこかで聞いたような…)
………
……
…
あずさ「ね?綺麗でしょ?」
雪歩「うわ~…!」
真「ホントに宝石があった…!」
あずさ「ね?私も初めて見たとき感動したわ~、律子さんと一緒にはしゃいだもの」
真「あの律子が、意外だなあ」
あずさ「律子さんも乙女なところ、あるのよ」
雪歩「きゃっ!」
春香「何!?」
千早「これは…」
ヤミラミ「…」
あずさ「あらあら、ヤミラミさんね」
あずさ「サーナイト、お願い」
シュパアァアン!
サーナイト「…」チラッ
ヤミラミ「;;」サッ
あずさ「脅かしてごめんなさいね、ヤミラミさん…」
春香「わあ…サーナイトだ…」
千早「…綺麗…色違いだから…あずささんの髪の色みたい…」
真「うん…凄く、綺麗な大人の女性って感じ…」
雪歩「はい…こんなに綺麗なポケモンっているんですね…」
あずさ「ありがとう、サーナイトは私の切り札なの」
あずさ「でもね、みんなのポケモンだって、それと私の他のポケモンも…負けず劣らず、綺麗で、可愛いくて、かっこいいと思うわ」
あずさ「大切なことはね、自分のポケモンを信じてあげることなの…」
あずさ「だからね、自分たちのポケモンを…今はたっぷり可愛がってあげてね」
千早(…)
真「絆、か…良いよね、凄く」
春香「…うん、私もあずささんみたいになりたい!」
雪歩「…フォッコさんやホルビーさん、キバゴさんともっと仲良くなりたいな…」
春香「雪歩、最初はあんなにフォッコの事怖がってたのにね」
雪歩「そ、それは言わないで~…」
真「ははは…あれ?どうかしたの?千早…」
千早「い、いや…ガルーラが…」
あずさ「あらあら?」
真「ヤミラミの次はガルーラか」
千早「…見てください、食べられてます、これ」
春香「…はい?」
ガルーラ「…」ヒョイ
ガルーラ「!」パクッ
ガルーラ「~♪」モグモグ
雪歩「あ、あ、あ~!」
真「ポ、ポックルが~!!」
春香「何で!?これって食べられるの!?」
あずさ「あ…今思い出したんだけどね、それはポックルじゃなくて、ポロック…だった気がするわ~」
千早「ポ、ポロック…!?じゃ、じゃあ…」
雪歩「ポ、ポロックって何ですか…?」
千早「…ポケモンの、エサ…」
春香・真・雪歩「え、エサ~~!!??」
あずさ「あらあら~…」
千早「…」ゴクリ
ガルーラ「…」ジッ
千早「…スーパーボール!」ポイッ
真「ええ!?」
春香「ダメージも与えてないのに!?」
雪歩「し、失敗しますぅ!?」
あずさ「…たぶん大丈夫じゃないかしら」
春香「えっ?」
テンテンテン…
カチッ
千早「…やったわ!」
真「ええ~!?何で!?」
雪歩「そうですぅ、いくらスーパーボールでもいきなり投げて捕まえられるなんて…」
あずさ「千早ちゃんはサファリパークを知ってるの?」
千早「…はい、本で読んだことがあるんです。ポロックもその時に…」
真「もしかして、サファリパークってところではポロックを使ってポケモンを捕まえやすくするんですか?」
あずさ「そういうことね~、もっと早く思い出していれば…」
春香「な~んだ、そういうことか。千早ちゃん、ガルーラ良かったね!」
千早「ええ、ありがとう」
千早(ガルーラ…か…)
真「…あのー、お喜びのところ申し訳ないのですが…」
雪歩「…ポロックの目印、全部食べられちゃってますぅ…」
春香・千早「あっ…」
真「道が、分からなくなっちゃった…」
雪歩「どうしよう…」
あずさ「…ごめんなさい、私のせいね…」
春香「だ、大丈夫ですよ!きっと!」
千早「ええ、よく考えるのよ、みんな…方法は何か…」
サーナイト「…」クイクイ
あずさ「えっ?サーナイト、もしかして、出口の方向が分かる分かるんですか…?」
サーナイト「…」コクリ
あずさ「…やっぱり、私はあなたが居ないとダメみたいです」ギュッ
サーナイト「…」 ズリズリ
春香「さ、さすがエスパータイプ…っていうかあずささんを引きずってるし…」
真「ふう…助かった~…」
雪歩「穴掘りしなくて良かったですぅ~」
千早「本気で掘るつもりだったの…?」
………
……
…
サーナイトが道を教えてくれたおかげで迷うことなく出口にたどり着くことが出来そうです。
それで、あずささんは雷の女の子の事について話をしてくれました。
春香「そう、金髪の可愛い女の子だったんですよ!」
あずさ「やっぱり、トレーナーが一緒にいるのね…」
千早(ネオフレア団と何か関係があるのかしら…)
千早「やっぱり、というのは…?」
あずさ「カロスに昔から居たポケモンだとしたら、同じような事例は昔からあったはず、けど、例のカミナリさん…とでも名付けましょうか、それはつい最近目撃例が出始めているの」
あずさ「それに、強い徘徊性から伝説ポケモンの一種と考えられるわ」
あずさ「徘徊性の強い伝説ポケモンは自分のテリトリーを離れることはまずない、だとすれば…」
真「そのポケモンはトレーナーに連れられてここまで来たってこと、か…」
千早「…ちょっと、待ってください…電気タイプで4つ足の伝説ポケモンって…」
あずさ「私の仮説に過ぎないけど、恐らくライコウ、ね」
春香「ライコウ…?」
雪歩「聞いたことあります、ジョウト地方の伝説ポケモンですよね」
春香「ジョウトの?ふーん、暇なときにお母さんに聞いてみようっと」
真「でもなんでライコウのトレーナーは…それに春香の言ってることホントだったら女の子、だろ?ただの旅のトレーナーとも思えないし」
あずさ「さすがにそこまでは、ね…それも含めての調査だから」
千早(…単純に分かっていないだけか、それともネオフレア団の事はまだ秘密にしておきたいのか…)
千早(でも仮にネオフレア団だったとしても、目的は分からなさすぎるわ…依然と違って活動は非常に限定的、そして目立たず行われているはず…)
千早(けど、目撃例はある、フェイク、あるいは本当に関係ないか…)
千早(…もし今回の接触がトレーナーの意図したものだとすれば…)
千早(私たちはもう少し、用心深くなるべきなのかもしれないわ)
あずさ「まあ、しばらくは私たち、カロスに居るから何かあったらホログラムメールで呼んで頂戴ね~、カイリューかエアームドで私か律子さんが行くから」
春香「ありがとうございます!いやあ、心強いね!」
真「ああ、この二人が居れば怖いもの無しだよ」
雪歩「鬼に金棒ですぅ!」
千早「誰が鬼なのよ…」
雪歩「わ、私何言ってるんだろ…穴掘って…」
真「あー、分かったから雪歩…」
あずさ「うふふ、皆、外に出られたわよ」
春香「あ、ほんとだ!やったー!」
真「一時はどうなるかと思ったよ」
千早「あれ…」
春香「え?あ…」
雪歩「…」
真「こ、これは…」
あずさ「あらあら~…」
春香「…ここ、入口じゃないよ!?どこに出たの私たち!?」
一同「サーナイトおお~!!」
サーナイト「…」アラアラ…
結局私たちはあずささんのカイリューの背中に乗って空を飛び、元の入り口に戻ることが出来ました。
それにしてもサーナイトまで方向音痴だったなんて…これがポケモンはトレーナーに似るってやつなのかな…
とりあえず今日はコウジンタウンのホテルで一泊、ホテルにはキッチンがあってそこで料理をすることが出来ました。
早く食べないと痛んでしまうから、これからは町と町の間をちゃんと見て食材を買わないと…保存食ばっかりだとせっかくの旅も台無しだからね。
それとあずささんに料理も教えてもらいました!やっぱり料理が上手い女の人って素敵だなあ。明日はこの街を出発して…あ、その前にアーケオスを復活させないとね。
今日はこれで終わりです、一部重複レスがあり申し訳ないです…
ありがとうございました。
おつ
おっつおっつ
親子ポケモン、ガルーラ、たまたま捕まえたこのポケモンの名前。
…皮肉な事もあるんですね。私は、ポケモンはポケモンだと今まで思ってきました。あくまでもトレーナーとは主従関係にしかないのだと。
でも、あずささんは違うような気がします、いえ…恐らくそう思ってるのは私だけなのかもしれません。
ですが、そんな私も…
真「まあ、本人が気に入ってるんだったら結果オーライか」
雪歩「そうだね」
春香「見て見て!ほら!」
アーケン「♪」パタパタ
千早「浮いた?」
春香「おお!?頑張れ頑張れ!」
アーケン「;;」ポテッ
春香「まあ、気にしないで良いよ、進化すればきっと上手に飛べるようになるから」
アーケン「♪」パタパタ
春香「おほほ!」
真「相当気に入ってるね、春香」
春香「うん、まあ想像してたのとちょっと違うけど、これはこれでありかな」
あずさ「進化するとカイリューより攻撃力が高いわよ~」
春香「ええ!?この子、そんなにすごかったの…?」
あずさ「ええ、でもね、特性がよわきだから体力に注意してね」
春香「そうなんですよねえ、とても弱気なように見えないんですけど…」
あずさ「オボンの実とか持たせるといいんじゃないかしら、あるいはこだわりスカーフで先手必勝!なんてね、先制技には注意してね」
春香「は~い」
………
……
…
あずさ「じゃあ、私はこれでね、さようなら~」
カイリュー「!」バッサバッサ
春香・千早・真・雪歩「さようなら!」
春香「じゃあ、私たちもいこっか」
千早「ええ、行きましょう」
真「ああ~、悔やまれるなあ!どうして今は夏じゃないんだ!」
春香「でも泳いでる人はいるよ」
海パン野郎「…」バシャバシャ
千早「だいぶ特殊な人なのよ…」
雪歩「寒くないんでしょうか…」
水着のお姉さん「あら、キミ、カッコいいわね!」
真「えっ…」
春香「真が逆ナンされてる」
千早「逆と言うか…まあ…逆ね」
雪歩「海にも入らないでこの季節に水着なんておかしいですぅ」ジロッ
真「ちょ、ちょっと…みんな助けてよ…」
水着のお姉さん「あら、その子達はガールフレンド?」
真「と、友達ですよ…いや、まあ女の子の友達だからガールフレンドなのか…?」
雪歩「何言ってるの真ちゃん…」
真「ええ?ああっ、ていうか!お姉さん!ボク、男じゃないですよ!」
水着のお姉さん「あら、そうなの?まあどっちでもいいわ、お姉さんが色々教えてあ・げ・る」
真(ああ…うらやましいスタイル…)
真(じゃなくて…!)
真「じゃ、じゃあ早速バトルしま…」
千早「くっ…!真、私が行くわ!」イライラ
真「え?別に良いけど…じゃあ頼んだよ」
春香「千早ちゃん、なんであんなにピリピリしてるの?」ヒソヒソ
真「さ、さあ…」ヒソヒソ
………
……
…
千早「勝った!行くわよ、皆!」プンプン
水着のお姉さん「ピリピリしてたらモテないわよ、お嬢さん!じゃあね~、真ちゃん」
真「は、はあ…さようなら~」
千早「全く、大きなおせ…」ブツブツ
千早(大きな…?)ハッ
オシエテア・ゲ・ル
千早(…大きなおむ…くっ…!)
千早「…あら、砂浜は終わり…?」
春香「…ということは、ショウヨウシティについたんだ!」
真「よーし!早速ジムに挑む…って言いたいところだけど…」
真「…レベル上げ、する?」
春香「そうだね、そういえばジムリーダーってどれぐらいのレベルを使ってくるんだろう?」
千早「ジムリーダーが使ってくるポケモンは全て分かるわよ」
雪歩「それって、知られたらまずいんじゃ…」
千早「そんなことないわ、ジムはポケモンバトルの基本中の基本である対策を学ぶ場でもあるんだから。事前にジムリーダーの使用するポケモンを把握して対策を練るのは基本よ」
真「そうなんだ、それならビオラさんの時もちゃんと事前に調べときゃよかったのかもね」
千早「まあね、ちなみにショウヨウジムのジムリーダーは…ザクロ、使用ポケモンはアマルスとチゴラス、共にLv25だわ」
春香「アマルスとチゴラス?」
真「どちらも岩タイプか、アマルスは氷、チゴラスはドラゴンがついているね」
春香「真は格闘タイプのポケモンが居るから楽勝だね」
真「リオルが居るからね、ハリマロンはどうだろう、アマルスとは戦えそうだけどこっちも氷技でやられるか?ボクはリオルでいけそうかな。ヤヤコマとハリマロンは今回はお休みだね」
雪歩「私はどうしよう…フォッコさんもホルビーさんも…キバゴさんが主軸かな…?」
千早「ホルビーは進化させるとホルードになって地面タイプがつくわよ。岩タイプのジムであるここでは役に立つんじゃないかしら。キバゴはアマルスが氷タイプの技を使ってくるから気を付けるのよ、勿論ホルードもね」
雪歩「分かりました、育てますぅ!」
千早「私はイシツブテを進化させようかしら、スバメもガルーラもお休みね」
春香「一匹だけで大丈夫なの?」
真「千早の事だから何か策があるんだろうなあ」
春香「そっか、千早ちゃんは強いもんね」
千早「策だなんて…ただ育てて進化させるだけよ」
春香「ふーん。私はゲコガシラが居るし、アーケンだって戦えるよね。シシコちゃんはお休みかなあ、アマルスの時に戦えるか、まあ臨機応変に適当でいこっと」
千早(それ、臨機応変って言わないんじゃ…)
真「ざっとこんなもんかな、よーし、各自自由行動!メンヒルロードはレベルが高めだから最初は地つなぎの洞窟にしよう!」
一同「は~い!」
春香「でも地つなぎの洞窟って遠くない?」
真「大丈夫、ほら、入口の一つはあそこだよ!」
雪歩「…結構のぼらないとダメですぅ…」
真「…まあ、もう一度コウジンタウンに戻るよりかは、ね?」
千早「結構急な斜面ね…」
春香「はあ、旅って大変だなあ…」
???「君たちが新しい旅の新人トレーナーですね?」
春香「はい?」
春香(うわ…へ、変な頭…)
真「ザ、ザクロさん!?」
雪歩「あっ!」
千早「ど、どうしてこんなところに!?」
ザクロ「突然声をかけてすみません。既に皆さんは知っているようですが、わたしはショウヨウジムリーダー、ザクロです。」
春香(こ、声に出さなくて良かったー!!)
ザクロ「わたしはあなた達にこれを渡す使命があります」
真「…かいりき、ですか?」
ザクロ「秘伝マシンですね、かいりきを覚えているポケモンと、わたしに勝つと貰えるウォールバッジがあると巨大な岩でも押すことが出来ます」
真「…もしかして地つなぎの洞窟のあの岩って…」
ザクロ「私が置いたものです」
春香(めんどくさい事して…やっぱり頭おかしい…)
ザクロ「…それではジムで会いましょう」
春香「…もう、不意打ちだよ~…」
千早「…どうかしたの?春香」
春香「別に…」
雪歩「と、とりあえず頑張ってポケモンを育てましょう!」
真「そうだね、なんにせよレベルは高いに越したことは無いからね。それに別に今日挑まなくたっていいし」
春香「この近くに居るポケモンは何だろう」
千早「えっと…」パラパラ…
春香「千早ちゃん、何でポケモン図鑑使わないの?」
千早「…私機械があまり得意じゃないから…」
真「便利なのに、っていうか、それ全部写したの!?」
千早「ええ、そうだけど…」
雪歩「根気強いですぅ…」
千早「まあ、書いてたら勉強にもなるから、ね」
春香「ふーん、私もちゃんとポケモン図鑑読んでみようかな、知らないポケモン多いし」
真「このポケモン図鑑だって、律子とあずささんが結構貢献してるんだろ?凄いなあ」
春香「うひゃあ…っていうことは、これは先人の知恵の塊かあ…」
真「そういうことだね」
春香「それじゃあ早速地つなぎの洞窟を目指そう!」
雪歩「そういえばさっきかいりきの秘伝マシンをもらったよね」
真「え?ああ…かいりきは…命中100のノーマルタイプの威力80でPPは15か。4つあるから、はい」
春香「ノーマルタイプって岩タイプには効果は今一つなんでしょ?全く、どうせなら格闘タイプの技マシンでもくれたらいいのに…」
千早「さすがにそれは、ね。私はガルーラに覚えさせよう…」
春香(えーと、この辺りに居るポケモンはっと…)
春香(お?こ、これは…!?)
それからは私たちはレベル上げに勤しみました。目標はレベル25以上、みんなは日が暮れる前には目標達成で、ホテルに戻っていきました。
ですが私はもう一つある目標を立てていたのです、まだ部屋に戻るわけにはいきません。
それは…
………
……
…
春香「うーん、なかなか見つからないなあ…」
ゲコガシラ「ゲコ…」
春香「みんなは今頃ホテルでぐっすり、はあ…」
ゲコガシラ「ゲコ~」
春香「…あーあ、何で出てこないの?もうやだ~!」バタンキュー
春香「さっさとゲットして、それから仲良くなって…って、ああ~もう、私の計画が~」
ゲコガシラ「ゲコ~」
春香「…ごめんね、ゲコガシラ、疲れたよね…」
ゲコガシラ「…ゲコゲコ」
春香「…平気って?」
ゲコガシラ「ゲコ」コク
春香「…だってシシコちゃんもアーケンもギブアップしてるじゃん…」
ゲコガシラ「ゲコ」
春香「健気なやつだなあ…よしよし…」
ゲコガシラ「…ゲコ!?」
ゲコガシラ「ゲコゲコ!」ピョンピョン
春香「ま、待って~、どこ行く…」
春香「…お!?」
???「…」
春香「や…や…やっと…」
春香「やっと見つけたあああ!!」
ゲコガシラ「ゲコゲコ!」
???「…」
春香「よし!行けっ!ゲコガ…」
春香(…!)ハッ
ゲコガシラ「…ゲコゲコ」ユサユサ
???「…」グッタリ
春香「あれ…?ねえ、大丈夫…?」
春香「…!」ハッ
春香(この子、怪我をしてる…)
春香(…野生のポケモン同士の喧嘩、それとも…)
春香(私たちと同じように野生のポケモンと戦ってポケモンを鍛えた人が居るのかも…)
春香(…どっちかは、分からないけど…)
ミニスカート『怪我で弱っていたところを、私が偶然見つけたの』
春香「…なんで、今頃になって気づくんだろうね…」
春香「私がしようとしてたことって、間違ってたんだ…」
春香「…でも!」
春香「…こんなの、私の身勝手かもしれないけど…!」
???「…」
春香「この子を、助けないとダメな気がするんだ、ゲコガシラ…!」ダッ
ゲコガシラ「…ゲコ」
………
……
…
真「…で、結局春香はいつ戻ってきたの?」
千早「さあ…」
雪歩「…ボールも増えてないし…」
真「一体何をしてたんだか…」
千早「そういえば、みんなはどれだけレベル上がった?」
雪歩「一応全員レベル25には…」
シュパアァアン! シュパアァアン! シュパァァン!
ホルード「♪」
テールナー「♪」
キバゴ「ガー」
真「最初にホルビーを進化させた人はびっくりしただろうなあ」
雪歩「萩原組でも何匹か働いてるから、こっちの方が見慣れてるかも…」
真「ああ、雪歩はそうか。ボクは…ハリボーグ、ヒノヤコマ、リオル!」
シュパアァアン! シュパアァアン! シュパァァン!
ハリボーグ「ハリ!」
ヒノヤコマ「ピーッ!」
リオル「ル!」
千早「2人とも良く育ってるわね」
千早「ゴローン、オオスバメ、マリルリ、ガルーラ!」
シュパアァアン! シュパアァアン! シュパァァン!シュパァァン!
ゴローン「!」
オオスバメ「ピッ」
ガルーラ「グアー」
マリルリ「♪」
千早「後で私のゴローンを進化させてくれる?」
真「うへえ、ゴローニャにするのかあ、どうりで自信があると思ったよ…」
千早「まあ、そういうことね」
雪歩「春香ちゃん、どうしよう…」
春香「zzz…」
真「寝かせておいてあげたら?」
千早「そうね、先に私たちだけでジムに行きましょう。春香のために情報を集めておくのもいいかもしれないわね」
雪歩「置手紙だけでもしておこうっと」
真「さて、出発しますか。あ、そうだ、ちょっと色々お店とか町並みを見ていかない?」
雪歩「いいね、私たち、セキタイに居た頃はこっちに来るのを楽しみにしてたし」
千早「そうね、せっかくの旅だもの」
………
……
…
春香「ゲコガシラ!急いで!」
ゲコガシラ「ゲコ」ピョンピョン
春香「完全に置いてかれたー!」ドタバタ
春香「もう~、何で皆起こしてくれなかったの~!?」
ウィーン
春香「…っと!ジョーイさん!ジョーイさん!」
ジョーイ「あら…あなた、元気になったみたいね!」
春香「はい!?私が元気かどうかはどうでも良いんです…よ!?」
ジョーイ「ああ!?危ない!」
???「♪」ピョンッ
春香「ぐはーっ!!」ドンガラガッシャーン
ジョーイ「…まあごらんのとおり元気になったわよ。だってあなた、あれから徹夜明けで帰った時、3回殴ったノクタスみたいな顔してたから…」
???「♪」ペロペロ
春香「あはは、くすぐったいって…って、ジョーイさん、それ例え酷くないですか!?」
ジョーイ「それより、ホントに昨日の夜に捕まえてきたポケモンなの?ってぐらい懐いてるわね」
春香「…そうですね、元気になって良かったです」ナデナデ
ジョーイ「あなたが命の恩人だからね、この子もラッキーだったのかしら」
???「♪」スリスリ
ゲコガシラ「…ゲコ」ツンツン
春香「あれ、どうしたの?ゲコガシラ、この子に用事でもあるの?」
???「…?」
ゲコガシラ「ゲコゲコ」クイクイ
???「…グルル」ギロッ
春香「…ちょ、ちょっと!?」
ゲコガシラ「ゲコ!」ザッ
???「…!」ザッ
ジョーイ「治ったと思ったら喧嘩とは…はあ…せっかちなのか、いじっぱりなのか、まあひかえめではないわね…」
ザワザワ…
春香「うわあ!ここは建物の中だよ~!2人ともやめて~!」
ゲコガシラ「…ゲコ!」
スパーン!
???「…!」
ゴスッ
ゲコガシラ「ッ…!?」
ヒューン
ドンガラガッシャーン
春香「ゲコガシラが吹っ飛ばされたぁ!?」
ジョーイ「…あ~あ~!誰かこのゲコガシラを早く回復してあげて!」
???「…フン」
ピカアアア!!
???「!?」
ジョーイ「なっ…!?」
春香「ええ!?今のでまさか進化!?」
………
……
…
真「…はっけいだ!リオル!」
リオル「!」
ダンッ…!
リオル「…」
真「…」
チゴラス「ッ…」ガクッ
バタッ…
ザクロ「…チゴラス!戻れ!」
ザクロ「…おめでとうございます、菊地さん」
真「やーりぃ!ありがとうございました!」
千早「さすがね、真は」
雪歩「真ちゃん、おめでとう!」
真「リオルのおかげだよ」
ザクロ「…次は…萩原さんですね?」
雪歩「はい!」
ザクロ「よろしくお願いします」
雪歩「こ、こちらこそ!」
雪歩「テールナーさん!」
ザクロ「アマルガ!」
雪歩「テールナーさん、ほのおのうずですぅ!」
ザクロ「でんじは!」
テールナー「…ッ」ビリビリ
真「…雪歩は一度アマルガのでんじはを見ているけど…」
千早「…氷タイプのわざを警戒しているのかしら、確かにホルードではアマルガのとっしんだとフリーズスキンで威力も上がっている上に、タイプ一致で弱点を突かれてしまうわね」
ザクロ「がんせきふうじ!」
雪歩「テールナーさん、サイケこうせんですぅ!」
千早「テールナーで削れるだけ削る作戦のようね」
真「うん、それがベストだと思う」
ザクロ「もう一度がんせきふうじ!」
雪歩「…お疲れ様、テールナーさん…」
雪歩「ホルードさん、ばっちり頼みますぅ!」
ホルード「フンッ」
雪歩「ホルードさん!にどげり!」
ゲシッ!ゲシッ!
アマルガ「~;;」バタンキュー
ザクロ「…さすがに耐えられないみたいですね…チゴラス!」
チゴラス「…」
ホルード「…フンッ」
雪歩「マッドショットですぅ!」
ザクロ「がんせきふうじ!」
真「素早さが逆転する…か…!?」
雪歩「もう一息ですぅ!マッドショット!」
ザクロ「すごいきずぐすりだ!受け取れ、チゴラス!」
雪歩「ああっ…!」
ザクロ「がんせきふうじ!」
雪歩「また振り出しに…マッドショット!」
ザッ…!
真「まだホルードが速かったか!」
千早「だけど、これで抜かれたわ!」
雪歩「けど、これで終わりですぅ!マッドショット!」
ザクロ「かみつく!」
ガブッ!
ホルード「…ッ!」
雪歩「ひ、ひるんで動けてない!?」
真「素早さが上回っていれば3割で相手を行動不能にする…」
千早「そして麻痺とも合わされば、更に行動できる可能性は下がる、いわゆる"まひるみ"ね…」
ザクロ「もういちどかみつく!」
雪歩「ホルードさん…!お疲れですぅ!お願いです、キバゴさん!」
シュパァァン!
キバゴ「…」
ザクロ「…がんせきふうじ!」
雪歩「キバゴさん、ダブルチョップ!」
ザクロ「!」
真「うへえ…これは耐えられないや…」
千早「ええ…タイプ一致の抜群技、しかも2回の合計は威力80…進化後も2回攻撃という特性上襷もちのドラゴン対策にもなるわ」
雪歩「やったですぅ!」
真「おめでとう、雪歩!」
千早「やったわね!」
ザクロ「…さすが、良く育っています。チゴラス、戻ってください」
ザクロ「おめでとうございます、皆さん。それではこれを…」
春香「…ちょーっと待ったー!!って、ええ!?」ゼエゼエ
ザクロ「…あなたが…」
真「…あれ、早いじゃん、どうしたの?」
春香「いや、どうしたもこうしたも…だって起きたら置手紙があって誰もいないし…」
雪歩「あはは…昨日寝るのが遅かったみたいだったから起こすとかわいそうかなーって…」
春香「…ま、まあそうだけど…って!」
春香「もう、みんな終わったの…?」
千早「ええ、まあ…」
真「千早はマリルリとゴローニャで、ボクはリオルで。雪歩はテールナーとホルードとキバゴでね」
春香「…は、はやいなあ…」
ザクロ「…天海、さん、ですね?」
春香「は、はい!よろしくお願いします!」
真「春香、作戦会議は良いの?」
春香「のんぷろぶれむ!大丈夫!」
雪歩「ホントに大丈夫なのかなあ…」
千早「アマルスのでんじはは初見では読めないと思うけど…」
春香「ゲコガシラ!君に決めた!」
ザクロ「アマルス!」
春香「ゲコガシラ、みずのはどう!」
ザクロ「アマルス、耐えてでんじはだ!」
ゲコガシラ「!?」
春香「ええ!?」
ゲコガシラ「…ッ!」ビリビリ
春香「でで、でんじはなんて聞いてないよ!」
真「ま、こうなるよね…」
ザクロ「がんせきふうじ!」
春香「頑張って!みずのはどう!」
ゲコガシラ「ゲコ…!」
バシュッ
春香「よし!」
雪歩「そ、それでもアマルガを倒しましたぁ!」
ザクロ「…よくやったアマルガ、交替!チゴラス!」
シュパァァン!
ザクロ「チゴラス、かみつく!」
ガブッ
ゲコガシラ「ッ…」
春香「ゆっくり休んでゲコガシラ!シシコちゃん!」
シュパァァン!
シシコ「!」
春香「おたけび!」
ザクロ「っ…」
真「有効打がないからシシコは後続のサポートか!」
雪歩「ザクロさんは交替できないからステータスを元に戻すことは出来ません!」
千早「…春香、やるじゃない!」
ザクロ「がんせきふうじ!」
春香「もう一度おたけび!」
ザクロ「いくら攻撃力が下がったとはいえ、これは受けれまい!」
春香「お疲れ!二回下げれたら上等!」
春香「…アーケン!」
シュパアァアン!
ザクロ「ほう…」
春香「アーケン、げんしのちから!」
ザクロ「!」
千早「チゴラスはとくしゅこうげきに弱いのを狙ってる!?」
真「ああ、普通なら高い物理攻撃に目が行くはずだ!」
雪歩「こ、これが夜遅くまで特訓をしていた成果!?」
春香(…やばい、威力がいわおとしより高かったからなんて言えない…)
春香(…ま、結果オーライ!…アーケン、耐えて!)
ザクロ「がんせきふうじ!」
こうかはばつぐんだ!
アーケン「ピャッ…!」
春香「…ギリギリセーフ!」
真「2段階下がっていてもギリギリ半分残る程度か…」
千早「でも、シシコのサポートは良い判断だったわ、2段階ダウンが無かったら即死していたかもしれないから」
真「さて、これは回復合戦になりそうだね…」
春香「アーケン、もう一度げんしのちから!」
雪歩「えっ!?」
真「何!?」
千早「だめ、いくらよわきが発動していなくてもダメージ量が足りていない!」
真「春香…!きずぐすりじゃなかったのか!?」
雪歩「春香ちゃん!」
ザクロ「がんせきふうじ!」
アーケン「~;;」
春香「…戻って、アーケン」
雪歩「アーケオスが…落ちた…」
真「春香が…負けた…?」
千早「…」
雪歩「つ、次を頑張れば…」
ザクロ「…まだですよ」
雪歩「えっ!?」
春香「…」スチャッ
真「何!?」
雪歩「4個目のボール!?」
千早「昨日の夜は何もゲットしていなかったんじゃ!?」
春香「行くよ…」
ザクロ「…」キッ
チゴラス「…」ギロッ
春香「…ニンフィア!!」
シュパアアン!
真「ニ…!?」
雪歩「ニンフィア…!?」
ニンフィア「…フンッ」ニヤリ
千早「ニンフィアなんて…いつの間に!?」
春香「昨晩はいろいろありまして…えへへ…」
真「ニンフィアはフェアリータイプ…」
雪歩「じゃ、じゃあドラゴンタイプのチゴラスには…!」
ザクロ「…」
ザクロ(相手はまだそれほどレベルは高くない…がんせきふうじで押し切れたかもしれないが…残念ながらチゴラスの攻撃力は2段階ダウンしている…)
ザクロ(すごいきずぐすりを使ってもチゴラスに勝機はゼロ…ここは降参…)チラッ
チゴラス「グルル…」チラッ
ザクロ「…まだ、やりますか、チゴラス…」
チゴラス「フンッ」プシュー
ザクロ「…幼君とはいえ…王の辞書に降参の文字なし、ですか…」
ザクロ「分かりました、気の済むようにやりなさい!チゴラス!」
チゴラス「…ガアッ!」ダッ
春香「…ニンフィア、ドレインキッス!」
………
……
…
ザクロ「皆さん、おめでとうございます」
一同「はい!」
ザクロ「あなたたちにはこれを渡しましょう、ウォールバッチとがんせきふうじの技マシンです。がんせきふうじは既にお分かりかもしれませんが、相手の素早さを1段階下げる効果があります。威力は高くないですが、こちらが先手を取れるようになることで勝てる試合があるかもしれません」
ザクロ「あなたたちにとって高かったのか低かったのか、それは私には分かりませんが、あなたたちは確かに一つの壁を超えました」
ザクロ「これからも頑張ってください」
一同「ありがとうございました!」
真と千早はポケモン一匹で突破したみたいだったけど、私はギリギリだったなあ…
それと、ニンフィアの事を3人に話したらびっくりしていました。ポケモンセンターのお姉さんも、ニンフィアはイーブイがフェアリータイプのわざを覚えいて、なおかつ仲良くなかった状態でレベルが上がると進化するって言ってたので…
でも、それは仲良くなれた証拠ってことで良いんですよね?ジョーイさんと徹夜で看病して、お昼過ぎに迎えに行って元気になってたと思ったらゲコガシラと勝手に取っ組み合いを始めて…まあ2匹とも本気じゃなかったみたいだったから、性格だったんでしょうか?
次の街はとうとうセキタイタウンです。アサメタウンに引っ越してからは一度も行ってないなあ…もう何にも残ってないとは思いますが…
今日の分はこれで終わりです、ありがとうございました。
そして千早はマリルリとゴローニャでと>>393にあるので1匹で2タテはしてないですね…訂正させていただきます。すみません。
おつ
春香「あらー…」
雪歩「…あ、穴が…」
真「うわー…これ凄いなあ…」
千早「…これが…」
私たちは例のポケモンが繋がれていたというメンヒルロードを通り、ついに私たちの生まれ故郷であるセキタイタウンへとたどり着きました。
記憶とは多少異なっている部分は多かったですが…その中でも特に…
千早「今のセキタイタウン…」
春香「見て見て!」
真「落ちないでねー」
雪歩「これだけの穴、建設ポケモンが居ても何か月かかるか…」
千早(建設ポケモンって何…?)
真「うわ…あんまり端っこに寄ったらダメだよ…春香…」
春香「い、言われなくても寄らないよ…暗くて底が見えない…」
春香「…あるのはホテルとポケモンセンターぐらいか…」
真「この先なんだけど…現身の洞窟っていうすごく長い洞窟があるから回復薬とか準備していきたいなあ」
千早「私たちの食糧以外はポケモンセンターで事足りるわね」
雪歩「こ、今度こそはあなぬけのヒモをもっていかないと…」
真「そうだね、レベルに関しては大丈夫かな」
春香「じゃあホテルにチェックインしよっか」
真「そうだね、今日はジムバッチも手に入れたし、満足満足!」
千早「私はちょっと、この辺りを散歩してくるわ」
雪歩「晩御飯の準備、どうしてよう」
千早「すぐに戻るから、作り始めていてもらえる?」
真「OK、ボクも手伝うよ、雪歩」
春香「私は千早ちゃんと散歩しようっと」
千早「じゃ、また後でね」
雪歩「は~い、今晩はパスタだよ~」
………
……
…
おつー
春香「この辺に私たちの家があったんだよね…」
千早「…穴のとこに?」
春香「うん、真ん中らへんかなあ、けど、みんな家の外に出ていて良かったよ…ちょうどフレア団の例のスピーチがあって、ね…それで皆ジムリーダーの居るショウヨウシティに行こうと…」
春香「そう、行こうと皆でメンヒルロードに出ようとしていた、まさにその時!こう…地下からドカアアアン!!って…」
千早「えっ…間一髪だったじゃない!」
春香「うん、ホントに運が良かったと思うよ…だって誰かがショウヨウに逃げようなんて言い出さなかったら私たちは家で待機してたわけだからね…」
千早「…何が起きるかわからないわね、人生って」
春香「…うん、そうだね」
春香(あれ?どうしたんだろう…千早ちゃん…)
???「…???」
春香「うわええ!?」
千早「…ひっ!?」
???「…??は??、?????しょうか?…」
千早「あ、あの…私たちの言ってる事、分かります?」
???「?????、???…」
春香「外国の人なのかなあ…」
春香「…あれ、こんな言葉どこかで聞いたことがあるような…」
春香「あっ!分かったかも!」
千早「え?」
春香「あの!」
???「…??」
春香「…ジョウト!カントー!」
???「!!…???、????!?」
春香「お、あ、あたり?」
千早「…カントー語?」
春香「ちょ、ちょっと待ってくださいね…」
春香「えーっとホロメール…」
春香「もしもし、お母さん!?」
ヒョン
春香ママ「あら、春香~?元気にしてる~?」
春香「あのね、今ちょっと困ってて…」
春香ママ「何?」
春香「お母さんってジョウト出身でしょ!?この人多分カントー語話してるんだけど、何を話してるか教えてほしいんだけど…」
春香ママ「はい!?」
???「…???、?????」
春香ママ「????、??????」
千早「おお!?」
春香「…やっぱりカントー語圏の人だったんだ…」
春香ママ「春香ー?この人はここはどこか訊ねてるわよ」
春香「どこって…セキタイタウンだけど…」
春香ママ「ええ!?セキタイ!?」
春香ママ「…???セキタイ?????」
千早「セキタイだけは聞き取れたわ」
春香「カントー語なんて知らないよね…」
千早「カントー、ジョウト、ホウエン、シンオウと比較的色んな地方で喋られてる言語なんだけどね…やっぱりカロスから出なかったらね…」
春香「さっきから何話してるんだろう…」
千早「さあ?」
春香ママ「????」
???「???、????」
春香ママ「春香、この人たちが言っている、イカヅチの者って何か知ってる?」
春香・千早「」
春香「知ってるも何も…ねえ?」
千早「ええ…」
春香ママ「…何か知ってるの?」
春香「私たち、たぶんそれっぽいポケモンと女の子に会ったの、会ったって言っても話したわけじゃないんだけどね、見ただけ…」
春香ママ「??????」
???「?????!?」ガシッ
春香「え!?何!?」
春香ママ「??????」
???「????…」
春香ママ「いつ、どこで会ったの?って…」
春香「えーと…一昨日の夜?リビエールラインの地つなぎの洞窟の入り口の近くで…」
春香ママ「????、?????…」
???「????、??????」
春香ママ「…そう、分かりましたって言ってるけど…結局イカヅチの者って何?聞いても教えてくれないんだけど…」
春香「ライコウかもしれないってあずささんが…」
???「ライコウ!????!?」
千早「ひゃっ!きゅ、急に喋らないで…!」
春香「ポケモンの名前は分かるんだけどなあ」
???「????????、???!?」
春香ママ「ライコウの事、なぜ知ってるの?と…」
春香「そのライコウ…もとい、イカヅチの者って今じゃちょっとしたお尋ね者っていうか、有名人ていうか、そんな感じになってるんだってあずささんが…」
春香ママ「???、??????、??????」
???「????、?????…」
春香ママ「いそがねばなりません…私は彼女を止める必要があります…だって、なんのことなの…?」
春香「私に聞かれても…」
???「????、????」
春香ママ「他に知っていることは?」
春香「これで全部だよ」
春香ママ「????…」
???「?????…」
???「???ありが?????まし?…」
春香「あ、ありがとうございました…?」
春香ママ「だいぶジョウト訛りがきついわねー、一応最初はこっちの言葉で話しかけてたみたいだったけど…」
春香「そうなんだ…ど、どういたしまして…」
千早「どういたしまして…」
春香「じゃあ、私たちはホテルに戻るね」
千早「えっ、春香、この事をあずささんに伝えなくていいの?」
春香「そっか…絶対重要だよね…」
???「…?」
春香「あ、あの!ご飯!晩御飯!一緒にどうですか?」
???「…!!ぜひ????!!」
千早「ええ!?良いの!?」
春香「大丈夫だよ、きっと…あはは…」
………
……
…
雪歩「どうしよう…パスタ茹ですぎちゃいました…」
真「思った以上にソースがボリュームたっぷりになったからなあ…こ、これは完食はなかなかきついだろうな…」
雪歩「半分でも良かったぐらいだよね…」
春香「ただいま~」
真「あ、戻ってきたきた…って、ええ!?」
千早「こ、これには色々と…」
???「…は???して…しつれ????ます…」
雪歩「どうしたの?真ちゃん」
真「は、春香と千早が女の人部屋に連れ込んできた!」
春香「へ、変な言い方しないでよ~」
???「…???やら????かおりが…」
真「しかも何喋ってるかわかんない!」
雪歩「…はい~!?」
???「とつぜ??????????…」
雪歩「は、はあ…とにかく上がってください…」
真「え?何言ってるのかわかるの?」
雪歩「うん、カントー訛りはお茶会のおばあちゃんがそうだから慣れてるの…」
春香「っていうか、カントー訛りってわかるんだね…」
千早「すごいわね…」
???「わた…のなま??は…????す…」
真「う~ん、確かに発音が悪いだけってわかれば分からないことも…」
雪歩「しじょうたかね、さんですか…?よろしくお願いします」
真「ボクは菊地真、よろしくね、たかね」
たかね「はい…よろし??がい??す…」
春香「天海春香です、よろしくお願いします、たかねさん」
千早「如月千早です…よろしくお願いします」
真「っていうか…この人…誰?」
春香「うーん、実は、例のライコウのことをこの人も追いかけてるみたいで…」
真「ええ!?」
雪歩「!じゃ、じゃあ、律子さんとあずささんも呼びましょう!」
春香「やっぱり…そうした方が良いよね?」
千早「ええ…」
真「あ、そうだ…ついでにパスタも食べてもらおうよ。よーし、あ、もしもし…」
たかね「…ぱすた…」
雪歩「こ、これですぅ」
春香「…多くない?」
千早「これなら2人が来ても大丈夫ね」
たかね「…その???つようは??ません…」
雪歩「えっ…」
たかね「…」ぐ~
たかね「…という??す…」カーッ
雪歩「で、でも結構ありますよ…」
真「あれ…もう呼んだけど…」
雪歩「しじょうさんがもう少し茹でてって…」
真「むちゃくちゃ言うなあ、あの二人が来てちょうど良いっていうのに。来てからでも充分だって、まあ絶対余るだろうけど」
雪歩「とりあえず、たべよっか」
春香「わ~い!ナポリタンだ!美味しそう!」
千早「そうね」
一同「いただきま~す!」
モグモグ…
春香「う~ん、美味しい!」
千早「ありがとう、二人とも」
真「いっぱいあるからみんな食べてね」
雪歩「喜んでもらえてうれしいですぅ」
………
……
…
春香「うう~、お腹いっぱいだよ~…美味しかったからつい欲張っちゃった…」
千早「ええ、そうね、すごく美味しかったわ…ふう…」
真「…おかしい、何かがおかしい…」チラッ
春香「…」チラッ
千早「…」チラッ
雪歩「お、美味しいですか…?」
たかね「はい、た???おい?????います…」
雪歩「あの…おかわりは…」
真「絶対要らないって…」ヒソヒソ
たかね「…もうひ????…」
雪歩「わ、分かりました~」
真「ま、まだ食べるの!?」
春香「…あれだけあったソースとパスタが…」
千早「そ、そこなし…セキタイの穴のようね…」
たかね「…なん????みな????…」
ガチャッ
律子「今晩はナポリタンと聞いて!」ゼェゼェ
あずさ「こんばんは~」
春香「あっ、律子さんにあずささん!」
雪歩「こんばんはですぅ~」
千早「それなんですが…」
真「…ナポリタンはたかねが全部食べちゃったよ…」
たかね「たいへんおい????した…」
律子「…はああああ!?」
あずさ「あらあら~…」
………
……
…
あずさ「それで、ライコウを追って来たんですか?」
たかね「…ライコウ???、しょ???…」
雪歩「ライコウではなく少女のほうに用事があるようです…」
律子「少女って…」
たかね「それ??ませ?…」
雪歩「秘密…なんですか?」
たかね「…はい、???しわけ???ません…」
律子「ふーん…」
律子「…まあいいわ、私たちは帰りましょう」
あずさ「…分かりました」
真「えっ?」
春香「で、でもまだ何も…」
律子「いくら話しても、この人は喋らないわよ」
たかね「…」
千早(…さっきのパスタを食べていた時と、目つきが違う…!)
あずさ「それでは、晩御飯のしたくもありますから~」
律子「じゃあね!まあ気軽に連絡してよ!私たちはカロスにいるから!」
ガチャッ
シュパァァン!
カイリュー「グオ~」
バッサバッサ
真「…あっちこっちに呼ばれたり、はあ…なんだか申し訳ないことしたなあ…」
真「…」
たかね「…もうし???せん??、しかし?????…」
雪歩「ひ、引き止めたのも私たちですから…」
春香「そ、そうですよ…私たちこそごめんなさい…」
たかね「…これ???、あまみはるか…」ゴソゴソ
春香「えっ…?」
春香「えらく薄いけど…宝石?」
真「虹色できれいだなあ」
雪歩「向こう側が透けて見えますぅ」
たかね「もし???たのみ????れば?????つけ????しょう」
雪歩「もしもあなたの身に何かあればすぐに駆けつけましょうって…」
春香「え!?ちょっと!」
たかね「…しつ???す…」
たかね「??すた??????、このお??はかならず???ます…」
ガチャッ
シュパアァアン!
バヒュゥ!!
真「うわっ!何!?」
雪歩「ひい~ん!風!?」
春香「きゃあ!?」
ガシャン!バリン!
ヒュゥ…
千早「…ホテルのキッチンが…」
春香「…うわあ…」ゲッソリ
雪歩「ど、どうしましょう…」
真「…何しに来たんだよ、たかねって人は~!!」
バタバタ
ホテルのオーナー「大丈夫ですか!?今、凄い風でした…」
ホテルのオーナー「よね…」ガクッ
その後は床の掃除、割れたガラスの後始末を手伝いました。オーナーさんは風は自然現象だからね、なんて笑ってくれましたが…
どう考えてもたかねさんのポケモン?のせいなんですよね…でもあの風、一体何だったんだろう…凄い風だったから思わず目をつむっちゃって、誰も何を繰り出したか見てないんです。
あと、このたかねさんがくれた宝石…これも何だろう?何かあったらすぐに駆けつけるって…
なんだか今日は色んな事があって疲れました、で、後始末も終わってやっと寝られる~って時におかあさんからホロメール…もう、私はいつ寝ればいいの~?
春香ママ「…今、周りに誰もいない?」
春香「…もうみんな疲れて寝てるよ…で、どうしたの?」
春香ママ「あのね、たかねさんから何かもらった?」
春香「うん、小さな薄い宝石みたいだけど…」
春香ママ「…無くさないようにね、それだけだから」
春香(そ、それだけ!?私なんのために…)
春香(…)ハッ
春香(…お母さん、真剣な顔をしてる…)
春香「…うん、分かった」
春香「あのね、お母さん…この宝石、リボンにつけられるようにしてもいい?」
春香ママ「…ええ、外れないようにね」
春香「う、うん…分かった」
春香ママ「じゃあね、おやすみなさい。旅、頑張ってね!現身の洞窟を次に行くと思うけど、相当ハードよ?準備はちゃんとすることね!」
春香「ああ、ちょ、ちょっと待って!」
春香「ライコウについて教えてよ!」
春香ママ「ライコウねえ、エンジュの伝説として残っているのはね、昔ジョウトにカネの塔っていう塔があって、それが突然の落雷で起きた火事で焼け落ちてしまったそうなの、今の焼けた塔の事なんだけどね」
春香ママ「その火事に巻き込まれて名もなき3匹のポケモンが命を落としてしまった、それを哀れに思ったホウオウ…っていうこれも伝説のポケモンなんだけど、そのホウオウが3匹のポケモンをよみがえらせたんだって」
春香ママ「1匹はライコウ、雷を操るポケモン。もう1匹はスイクン、水を清めるポケモン。3匹目はエンテイ、炎を司るポケモンよ。雷は塔に落ちた雷、炎は塔を焼いた火、水は火事を鎮火させた突然の大雨のことらしいわ」
春香「でも、それってジョウトの伝説でしょ?なんでカロスに…」
春香ママ「それは…たかねさんに聞かないと分からないわね、まあ聞いたけど教えてくれなかったわ」
春香「ふーん…ありがとう、お母さん。おやすみなさい!」
春香ママ「おやすみなさい」
春香(…)
春香(たかねさんとお母さん、何か関係あるのかな…?)
春香(いや、無い無い…アホなこと考えてないでとっとと寝よう…)
………
……
…
律子「え?早々に帰ったわけですか?」
あずさ「…はい、律子さんがあれほど重要な証拠を逃すはずがないと思うんですが…」
あずさ「それに…」
律子「彼女、スイクンのトレーナーですしね」
あずさ「…ネオフレア団との関係は」
律子「正直分かりません…ただ…」
律子「この二匹が今カロスにいる、ということは必然的にエンテイも居る可能性が高いと私は思うんです」
律子「どのみちあの人は喋らないですからね、見ただけで分かります。さすがに無理矢理連れてかえるわけにもいかないですし」
あずさ「あの三匹が切っ掛けで、イベルタルの発見につながるかしら…」
律子「…私も同じことを考えていました。あの三匹は大地とのつながりが非常に強いポケモンですから…」
律子「…とにかく、ライコウとスイクンは今は泳がせておくのが良いと思います」
あずさ「…賛成です」
あずさ(たかねさんが部屋を出てスイクンをボールから出し、跨ってどこかへ走り去るとき…)
あずさ(確かに私たちを見ていた…)
あずさ(…何者なの?たかねさんと、ライコウのトレーナーって…)
今日はこれで終わりです、ありがとうございました。
おつおつ
おつ
春香「…ここが…」
千早「映し身の洞窟…」
雪歩「…な、なんだか鏡の迷宮みたいですぅ…」
真「…すごいな…自然にこうなるものなのか…?」
ついに私たちは映し身の洞窟を進むことになりました。でも、そこは私たちの想像以上の場所で…
真「忘れるな あなぬけのヒモ 戻る勇気…だって…」
春香「…気味、悪いね…」
雪歩「…うん…」
千早「…」
リオル「…」
ホルード「…」
ゴローニャ「…」
マリルリ「…」
真「…誰か居る?」
春香「うぇええ!?って、壁に反射した私たちじゃん!」
真「あはは、ごめんごめん、驚かす気は無かったんだよ」
千早「…何か落ちてくる!」
ヒュンッ!
コロモリ「!」パタパタ
春香「コロモリ…!?」
真「なるべく戦闘は避けよう、ポケモンの体力やPPは消費したくないからね…」
雪歩「に、逃げるが勝ちですぅ!」
春香「あいあいさ~!」
リオル「ル~」ヨイショヨイショ
マリルリ「ルリ」ウンショウンショ
ゴローニャ「…」ヨイショヨイショ
ホルード「フンッ」ウンショウンショ
雪歩「きゃっ!」ドン
雪歩「は、春香ちゃん…?」
春香「…こ、これは逃げられそうにもないね…」
エリートトレーナー「出られなくなったからには貴様たちにもここで骨になって貰おう!」ゲッソリ
シュパアァアン!
真「勝手に死んでろ!」
シュパァァン!
千早「亡者に付き合うのはごめんだわ!」
シュパァァン!
雪歩「素直にあなぬけのヒモくださいって言えばいいのに…」
シュパァァン!
春香「っていうか何でみんな1人に3人で挑んでるの!?」
………
……
…
春香「出られてよかったね…あの人…」
真「しかし食糧が尽きてから2日彷徨ったとは…」
雪歩「も、もしかして、骸骨とか転がってたりして…!?」
真「き、気味の悪いこと言うなよ~…」
千早「それは無いわね」
春香「どうして?」
千早「…ここは遭難するほど広い洞窟よ?」
真「だから、誰かがここで死んだりしてもおかしくないって事じゃないか、あんな標識もあったし…」
千早「けど、ここにあるものは?」
雪歩「石…」
春香「石」
真「石ばっかりだけど…」
千早「ここにいるポケモン達、いっぱいいるけど一体何を食べてるんでしょうね」
春香・雪歩・真「」
春香「やや、やめてよ~!!」
雪歩「い、いやですう!!」
真「ぼぼ、ぼくたちはちゃんと準備してるだろ!?」
千早「じょ、冗談よ…外に食べ物を探しに出て、普段はここで休息をとったりしてるだけよ…きっと」
春香「そ、そこは嘘でも言い切って欲しかったかな…」
千早「私たちはとにかく準備はしている。洞窟自体の距離は最短で進めば1日もかからない距離だわ」
春香「3日分の食料と水…重たいなあ…」
真「水だけでも、1人10リットルはある、からね…」ヨイショ
雪歩「ポケモンに運んでもらってなかったら疲れて動けなくなってますぅ…」
春香「ごめんね、千早ちゃんのポケモンにまで助けてもらって…」
千早「良いのよ。ただ、いざという時自由に動けるのは春香、あなたのポケモンよ」
春香「…うん、分かってる」
千早「…さて、左伝いで何日かかるかしら…」
雪歩「そういえば、何で迷路って左伝い何ですか?」
真「右でも同じことは出来るけど、良く聞くのは左なんだよね」
春香「一番最初に考えた人が左利きだったんじゃないの?」
千早「案外そうだったりしてね、あれ…?」
春香「お、あ、あの光は!」
真「で、出口だって~!?」
春香「でも、岩が…」
千早「ええ、かいりきで向こう側から押さないとダメだわ…」
春香「そうだ!飛行タイプのポケモンにかいりきを覚えたポケモンを運んでもらおうよ!」
真「せ、正攻法じゃないけど、仕方ないよね!」
千早「ちょっと待って、マリルリにかいりきを覚えさせるわ」
千早「…よしっと」
マリルリ「♪」
真「ようし、ヒノヤコマ!千早のマリルリを運ぶんだ!」
シュパァァン!
ヒノヤコマ「ピーッ!」
マリルリ「♪」ガシッ
ヒノヤコマ「ピッ!」バサバサ
春香「…」
真「…」
ヒノヤコマ「ピーッ!ピーッ!!」バサバサ!
マリルリ「…」
雪歩「…」
千早「ダメ、マリルリが重すぎるわ…」
千早「オオスバメ!」
オオスバメ「ピッ!」
千早「オオスバメならどうかしら…」
オオスバメ「ピッ!!」バッサバッサ
マリルリ「…」
真「うーん、ダメか…あ、雪歩!雪歩のキバゴは!?」
雪歩「そうですぅ!キバゴさんならマリルリさんよりも軽いはず!」
キバゴ「グアー」
真「オオスバメの方が力は強そうじゃない?」
千早「そうね」
真「よし!頑張れ!」
オオスバメ「;;」バサバサ
キバゴ「…」
春香「だ、だめか…アーケンはそもそも飛べないし…」
雪歩「かいりきを覚えて一番軽いのはキバゴさん…」
真「くそ~、そらを飛ぶを覚えてなかったら重いものは運べないのか…」
雪歩「もう諦めて進もうよ…」
春香「そうだね…はあ…」
………
……
…
千早「下に降りていく階段があるわ…」
真「『↓B1』だって…先人が残していったのかな…」
春香「だったら地図ぐらい書いてよ~…」
雪歩「洞窟の地図って作るのはすごく難しいの、地下だからGPSは使えないし…空洞はあっても入口が狭くて人が入れないところもあるし、落盤だってあるから…調査が進むにつれて新しく見つかる空間とかあるぐらいだし、これぐらい広い洞窟だと全体なんてとてもじゃないけど把握できてないんじゃないかな…」
千早「へえ…詳しいのね…」
春香「ひえ~、なんだかすごいところに来ちゃったなあ…」
真「う~ん、流石、家が土木屋な事だけはある…」
雪歩「これはただの聞きかじりですぅ」
春香「またまた~、けど、ポケモンと一緒なら大丈夫、だよね!」
真「うん、自分たちのポケモンを信じよう!」
雪歩「はい!」
千早(…)
千早「…そうね」
それから、私たちはしばらく歩いてからお昼ご飯を食べました。洞窟の中で火を使うのは危険っていう千早ちゃんの意見から、ランチは用意してきたサンドイッチと果物、暫くはこんな食事が続きそうです。
あとこの洞窟、不思議なことに入口や出口から遠い場所でも真っ暗じゃなくてほんのりと薄暗いんです。
雪歩いわく、どこかから入ってきた光が、この鏡みたいな壁に反射してるからだそうです。
その予感は当たっていて、今は夕方、洞窟の外は薄暗くなってきているはずです。洞窟の中もすっかり暗くなってしまいました。
初めて体験する、完璧な闇…目の前はすぐ壁で、今は寝袋に入っているはずなのに、何にもない場所に宙ぶらりんになっている錯覚を覚えます。
私たちは洞窟の中がだんだん暗くなってきている事に気がついた時点で、真っ暗になる前に寝る準備をすることにしていました。
またも、地つなぎの洞窟の時のように数時間おきに交替する方法を取ることに。
ライトの電池はなるべく節約する方針です、疲労を持ち越さないように、まだ時間的には夕方ですが寝床につきました。
ポケモンは基本的に出しっぱなし、こんな時、ゴローニャやガルーラのような洞窟での生活に慣れているポケモンが居ると本当に心強いです。
私たちが起きている間色々な音が聞こえてきましたが、ゴローニャ達は慣れているのかじっとしているだけでした。
………
……
…
千早「B2…」
春香「い、一体何層あるの…?」
真「これで最後って祈るしかない、ね…」
雪歩「と、とにかく進みましょう…」
真「…それにしても、一体この光はどこから入ってくるんだ…?」
春香「地下2階でも明るさは変わらないなんて…」
千早「…むしろ、明るくなってないかしら…?」
春香「…あれ、人の声?」
雪歩「…え?」
真「…しっ…」
千早「…」
「…!……!」
春香「…こっちだ!」ダッ
千早「春香!?」
真「全く!」
雪歩「お、置いていかないで~!」
千早「人の声が聞こえたからって、どうしてそんなに走るの!?」
春香「…何か、嫌な予感がする…!」
真「嫌な予感って!?」
春香「分かんないよ!けど!」
春香(何だろう…うまく言えないけど…!)
春香(マズい事が、起きてる予感が…!)
千早「だんだん明るくなっていく…!?」
雪歩「で、出口が近いんでしょうか~!?」
春香(天井に穴…?あそこから光が…)
春香「!」
千早「あ、あなたは…!」
真「シャラジムリーダーのコルニさん…!?」
コルニ「…なっ!」
???「…」
春香(コルニ…さん?)
春香(…ポケモンバトル中…!?相手は…)
春香(…な、何…あの姿…!?全身赤いスーツで…)
真「何…これ…」
千早「どういう事…!?」
コルニ「何でこんなところにトレーナーが!?」
???「…ガブリアス、ゲキリン」
コルニ「…ッ!」
真「あの赤い奴…中身は…人間なのか…?」
ガブリアス「…!」ギロッ
エルレイド「…!」ゼェゼェ
千早(…これは!)
千早「春香!ニンフィアで受けて!フェアリーはドラゴン無効よ!」
春香「ええ!?」
春香「ニ、ニンフィア!」
シュパアァアン!
ガブリアス「…ッ!」
ニンフィア「…」キッ
エルレイド「…!」
コルニ「助かったわ!」
コルニ「あなた、ニンフィアを引っ込めて!」
春香「は、はい!」
???「…ガブリアス、ジシン」
コルニ「エルレイド、ルチャブルに交替!」
ガブリアス「…」ギロッ
ルチャブル「…」キッ
千早(地震を躱した!)
千早(けど、このままじゃあのガブリアスは倒せないわ…何か策はあるの!?)
???「ガブリアス、ゲキリン」
コルニ「ルチャブル、さきどり!」
ガブリアス「…!?」
???「…!」
ダンダンダン!
ガブリアス「…」ヨロッ…
ドーン!
真「やった!」
雪歩「ガ、ガブリアスを倒しましたぁ!」
千早(さきどり…その手があったか…!襷じゃなくて良かった…ラム持ちだったのかしら…)
???「…モドレ」
???「…」シュンッ
春香「なっ…あの赤装束…!」
千早「天井の穴から…」
真「に、人間じゃない!?」
雪歩「10m近く…ジャンプしましたあ…」
真「…!」ハッ
真「だ、大丈夫ですか!?」
コルニ「迂闊だったわ…」ガクッ
コルニ「あなた達は…?」
春香「…旅の、トレーナーです…」
コルニ「…そう…え?…あ、あれ…?」
コルニ「赤いリボンちゃん…黒髪のボーイッシュな子…茶色のボブヘアー…青いロングヘアー…」
コルニ「もしかして…アサメタウンから…!?」
春香「…あれ、もしかして私たち、有名人…?」
真「そんなわけ…」
コルニ「ううん、あなたたち、律子さんとあずささんの知り合いでしょ?」
春香「ほら!」
真「うへえ、たまげたなあ…」
雪歩「あ、そうか…あずささんも律子さんもメガシンカの継承者だから…」
コルニ「そう、色々話は聞いてるよ」
コルニ「えーと…確かリボンちゃんが…」
春香「天海春香です!」
コルニ「そうそう!」
真「菊地真です!」
雪歩「は、萩原雪歩ですぅ!」
千早「如月千早です、よろしくお願いします」
コルニ「みんなよろしくね、ッ…」ヨロッ
春香「だ、大丈夫ですか!?」
コルニ「大丈夫、ちょっと…さっきのバトルで疲れただけだから」
千早「そもそも、こんなところで何をしていたんですか?」
コルニ「…実はね、さっきの赤いスーツ、あたしとここに来るまではプラターヌ博士の格好をしていたの…」
春香「…ええ!?」
真「は、博士が…!?」
コルニ「ああ、違うの、あのスーツはね、たぶん変声機能とホログラムか何かで外観を任意の姿に変更できると思うの…それと運動機能の強化ね…」
真「…恐ろしいなあ…」
春香「そ、そんなヘンテコなものがあるなんて…」
千早「博士に化けていたんですか…」
雪歩「そんな…」
コルニ「ええ、メガストーンについて面白い事が分かった、って…」
コルニ「なんでホイホイついて行っちゃったんだろう、あたし…」
雪歩「博士が言う事だったら誰でもホントと思っちゃいますよ」
コルニ「ありがとう、はあ…ルカリオのボールを置いてきたのが一番の失態ね…あの子が居れば波動の違いで分かったのに…」
真(ルカリオ…)
リオル「…」
真(…リオル、一体いつになったら進化するんだ?)
真「とにかく、早くこの洞窟を抜けましょう、本物の博士にも報告が必要です」
コルニ「そうね、ッ…!」ズキッ
コルニ「…いたた…」ガクッ
千早「いけない、足首が腫れています!」
コルニ「はあ…あたしも焼きが回ったわね…」
真「ハリボーグ!」
シュパアァアン!
ハリボーグ「ハリ!」
真「それとリオル、悪いけどボクの荷物を二人で分けて持ってくれ、ボクはコルニさんをおぶっていく」
コルニ「なっ!いいよいいよ!」
真「何言ってるんですか、困ったときはお互い様ですよ。どうぞ」
コルニ「あ、ありがとう…」
春香「よっ、イケメンめ~」
真「なっ、変な事言うなよ!」
コルニ「あはは、冷やかさないでってば」
雪歩「そ、そうですぅ!」アワアワ
千早「どうして萩原さんが慌ててるの…?」
雪歩「ええ!?べ、別に何でもないってば~!」
春香「ふーん?」
雪歩「ほ、ほんとですぅ!」
コルニ「ところで、道は知ってる?」
春香「えーと…私たち進めるところは全部進んで来たんです…」
コルニ「だからこんな最深部まで…OK、道案内は任せて!」
千早「ありがとうございます!」
雪歩「こ、これで出られるね」
春香「あはは、まさか道案内してくれる人がいるなんてね」
千早「ついてるなんて言い方はおかしいですけど…でも、ありがとうございます」
コルニ「良いよ、命を助けて貰ったんだから」
コルニ「…」グ~
コルニ「うう…これは恥ずかしい…ごめんね」
真「お腹が減ったら誰でもなりますよ、へへっ」
春香「お昼ご飯にしよっか」
雪歩「は~い」
千早「そうね」
それからは休憩や食事を何度か挟み、途中、シャラジムのジムトレーナーさん達が捜索に来てくださったりと、夜には無事に外に出ることが出来ました。
何でも、メガシンカおやじことコルニさんのおじいさんが言うには、朝方一緒に出掛けたはずのプラターヌ博士が、お昼過ぎにマスタータワーにやってきたんだそうです。
それで何かマズい事が起きているという事で洞窟内を探索してくれたのだそうです。
プラターヌ博士は、メガシンカおやじさんにたまたま用事があったらしかったので…私たち、運が良かったんだと思います。
歩いた距離的には昨日と同じぐらいでしょうか。まっすぐ進んでこれだったから、 最初のプランで進んでいたら途中であなぬけのヒモを使わざるを得なかったかもしれません。
夜のシャラシティですが、遠くの方に見える月明かりにぼんやりと照らされたマスタータワーがとても印象的でした…
そしてなんと、疲れた私たちのために博士はとっても良いホテルの部屋を予約して下さっていました。久しぶりのお風呂、温かい食事…生き返った~!
やっぱり夜中に何度も起きるのは睡眠が浅くなりがちです、その晩私たちは、ふっかふかの布団で泥のように眠りました…
春香「ふあ~、って、今何時!?」
春香「10時前…ね、寝ちぎった…」
春香「皆は…」
春香「あはは、まだ寝てるや…」
春香(…あれ、千早ちゃんはベッドに居ない)
春香(…歯でも磨こう…)ヨイショ
春香(うう…足がパンパン…もう歩きたくないな…これからも長い洞窟とかあるのかなあ…)
春香(…うわ、凄い顔してるや私…もう一回シャワー浴びよう…)
春香「生き返った~」ガラッ
春香「…って、うわあ、千早ちゃん!?」
千早「は、春香!?」
春香「ひい~、見苦しい姿を、申し訳ない!」
千早「え、ええ…気にしないで…」
千早(み見苦しいって…くっ…!!)
春香「ちゃんと確認して出てくればよかった…そういえばまだ皆は寝てるの?」
千早「ええ…真は特に疲れてるみたいね…」
春香「コルニさんをおぶってたからかもね、コルニさん凄く軽そうだけど、やっぱり人1人を背負って歩くのは大変だっただろうな…」
春香「…そういえば今私、体重何キロ何だろう…」
春香「おお!?1週間足らずで1キロ痩せ!?旅ってサイコー!」
千早「1キロぐらい誤差だと思うんだけれど…」
春香「そ、そんなあ…」ガーン
千早「そういえば、博士には会った?」
春香「え?ううん、私さっき起きたばっかりだったし」
千早「そう、個人的にいろいろ聞きたいことがあるから…」
春香「私も一緒に探すよ、ちょっと何か口に入れたいし、外に出よう」
………
……
…
プラターヌ博士「やあ、こんにちは。早速本題に入ろうか」
千早「…コルニさんと昨日居た、博士に化けていたという赤い男の事です…」
プラターヌ博士「うん…これに関しては私が変装の対象という形であれ関わった以上は説明する義務があると考えられる」
プラターヌ博士「…お願いします、ハンサム殿…」
ハンサム「…ここからは私が説明しよう、私は国際警察、ハンサム。つい最近まではイッシュでのヤマの処理を担当していたが…こちらの事態は非常に深刻であると考え再びこのカロスに再び戻ってきた」
ハンサム「端的に言おう、我々国際警察は、例の赤い男をレッドフードと呼ぶことにした」
春香「赤い食べ物…」
千早「…赤ずきんじゃないの?」
春香「そうとも言う…」
ハンサム「赤ずきんちゃん…正しくはred riding hoodであるが…」
プラターヌ博士「その辺の下りは割愛で…」
ハンサム「ん、んん"…レッドフードであるが、身体能力の強化、そして外観が任意の人物に変わる、これらからイクスパンションスーツ、あるいは同等の性能を有する装備を身に着けている可能性が非常に高い」
千早「イクスパンションスーツ…?」
ハンサム「無いだろうな、クセロシキ逮捕時、イクスパンションスーツに関する資料は全て押収した、4年前にな…」
春香「4年も前に…?」
千早「…それでも、イクスパンションスーツがフレア団で開発されていたならやっぱり…」
ハンサム「いや、イクスパンションスーツは、フレア団崩壊後に開発が終了したものだ。そして供述や本人の性格からもクセロシキがフレア団在籍時に技術を他者に譲渡したとは考えにくい」
春香「出所が分からない、イクスパンションスーツ…ですか…」
ハンサム「うむ、我々はイクスパンションスーツとは似た機能を有する別物であると推測している。技術構想自体は誰にでも考えうるものであるからな」
ハンサム「そして犯人の目的はメガシンカの情報を手に入れる事であると考えられる」
千早「メガシンカ…」
春香「コルニさんが継承者だから…ですか?」
ハンサム「恐らくそうだろう…」
春香「!だったら、他の継承者の人達は!?」
ハンサム「大丈夫だ、既に我々の保護下にある」
千早「良かった…」
春香「うん…」
ハンサム「そして、君たちに伝えなければならないことがある」
春香・千早「…?」
ハンサム「これは言うまいかどうか迷ったのだが…」
ハンサム「レッドフードに君たちが目を付けていないとは限らないからな」
ハンサム「レッドフードは…」
千早(…まさか、ネオフレア団のことかしら…)
ハンサム「復活したフレア団、ネオフレア団と関係があると言ってほぼ間違いはないだろう」
春香「ネ、ネオフレア団~!?」
千早(やはり…ね…)
ハンサム「如月君、かな、君はどうやら非常に肝の据わった人間らしいね」
千早「えっ…あ…い、いえ…」
春香(…千早ちゃんは…やっぱり…)
春香(…まあ、そうだよね。セキタイぐらいしか被害らしい被害もなかったし…)
ハンサム「不必要に怯える事もよくない、だが、敵を過小評価するのはもっと良くない、君は分かっているとは思うがね」
千早「…いえ、覚えておきます」
ネオフレア団…4年前の事件の日を思い出してしまいました。どうやら、とんでもないことが起きようとしているようです。
でも、メガシンカの事を聞き出して、ネオフレア団は何をするつもりだったんだろう…
メガシンカを利用した…たとえば…武器…とか…?
でも、メガシンカは絆の力、悪い事には使えないよね…?
今日の分はこれで終わります、ありがとうございました。
おつ
おつー
真と雪歩にホログラムメールを入れると、2人とも起きていたようです。
マスタータワーまで来るように伝え、ハンサムさんは私たちに話してくれたことを2人にもう一度話していただきました。
やっぱり、2人とも衝撃だったようで…ちょっと黙り込んでしまっていました…
無理もありません、やっぱりあの時みんな怖かったと思いますから…
真「…ネオ、フレア団…ですか…」
雪歩「…またフラダリさんがボスなんですか…?」
真「けれど、最終兵器は失われた!今更…何をしようって…」
ハンサム「…とにかく、今判明していることは以上だ」
雪歩「あの、この事って…」
真「…誰にも言わない方が良いに決まってる、どこに敵が居るかわからないんだ…もうあんな派手なスーツは着ていない、そうでしょ?」
ハンサム「…そういう事だ」
ハンサム「私も久しぶりにミアレの事務所に戻るとしよう」
ハンサム「さらばだ!」ダッ
ダダダダダ…
春香「はあ…あの人までジャンプしてどこかへ行ったらどうしようかと思ってたよ…」
真「あはは…しかし…はあ…」
雪歩「…なんだか、気分が重たいですぅ…」
千早(…)
春香「…そういえば、このマスタータワーって何なんですか?」
プラターヌ博士「…この塔はね、メガシンカにまつわる塔なんだ。この通り、こんなものまである」
春香「…ルカリオの像…ですよね…」
雪歩「ルカリオもメガシンカするんですか…?」
プラターヌ博士「そうとも、そしてメガストーンの所有者はコルニさんだ」
真「…ルカリオが…メガシンカ…」
真(…)
春香「真のリオルもメガシンカ出来るかも?」
真「えっ…」
真「あはは、まずはルカリオに進化させなきゃね」
真(…そう、ルカリオに…)
プラターヌ博士「君たちはまだコルニさんには挑戦していないのかな?」
千早「そうですね…その前にまたポケモンを育てる必要があると思うんです…」
真「何レベルぐらい?」
千早「ルチャブルがレベル32だからこれぐらいには…」
春香「結構また上げないとね…」
雪歩「洞窟のポケモンってそんなに強くないよね…」
千早「そうね、レベル上げは…この先の12番道路が向いているかも」
春香「…」
春香(レベル上げか…)
真「じゃ、出発!」
春香「ちょっと先に行っててくれる?私、博士にちょっと聞きたいことが…」
千早「分かったわ」
真「うん、後でね」
雪歩「は~い」
春香「じゃあね」
プラターヌ博士「…それで、聞きたいことって何かな?」
春香「あの…野生のポケモンはバトルで負けたらどうなってるんですか…?」
プラターヌ博士「…気になるのかい?」
春香「はい…いつもはみるみる小さくなってどこかに消えちゃうじゃないですか…あれって、やっぱり死んじゃったんですか…?」
プラターヌ博士「いや?死んでいないよ」
春香「…そうなんですか?」
プラターヌ博士「うん、ポケモンは体力を消耗するととても小さくなる性質を持っているんだ、そして小さくなったまま敵をやり過ごしつつ体力を回復しているんだよ。モンスターボールはその性質を利用したものだ」
春香「でも、この子は…」
シュパァァン!
ニンフィア「♪」スリスリ
プラターヌ博士「良くなついてるね、ニンフィア」
春香「えへへ…この子はイーブイの時に、ぐったりしていたところを見つけたんです、それは…」
プラターヌ博士「そうだね…健康な状態からポケモンの技でダメージを受ければ小さくなることは出来るんだけれど…」
プラターヌ博士「…怪我から病気になったり、その他ポケモンの技のダメージ以外だとこの小さくなる特性をうまく扱えないようなんだ…」
プラターヌ博士「まだよく分かっていない部分も多くてね、実際にポケモンで実験をするのは倫理違反だという事で研究できていないんだ」
春香「じゃ、じゃあ逆に消えてしまった方が生きてるって事なんですか?」
プラターヌ博士「まあ…そういうことだね」
春香「…」
プラターヌ博士「…さては、そのイーブイを拾った時にふと思ったわけだ…」
春香「…はい、でも結局こうやって、前のジム戦ではこの子を戦わせて…」
プラターヌ博士「…うーん、難しい問題だね。どう思う?」
春香「…私は…できれば野生のポケモンを傷つけたくないです…」
プラターヌ博士「うん」
春香「ですけど…レベルを上げないと強くはなれないし…」
プラターヌ博士「じゃあ相手がトレーナーのポケモンだったら?」
春香「えっ…それは勿論…」
春香(あっ…)
プラターヌ博士「…やっていることは、同じなんじゃないかな」
春香「で、でも…相手は私たちを倒そうと…」
プラターヌ博士「それは野生のポケモンも同じだよ」
春香「…そうなんですか?」
プラターヌ博士「そうとも、自分たちを襲ってくるポケモン以外のポケモンは、全て遭遇する前に自分から逃げて行っているんだよ」
春香「知ってたようで知らなかったな…」
プラターヌ博士「また、出会ってからも逃亡を図るポケモンだっている、逆に言えばポケモンと遭遇している時、自分のポケモンを繰り出さないとトレーナーが襲われてしまうかもしれない」
春香「…ええ!?」
プラターヌ博士「…残念ながら、聞いたこともあるだろうけど、野生のポケモンによる人間の死亡事故も無いわけではない…」
プラターヌ博士「学会の打ち上げでの話になるんだけどね、とある先生はフィールドワーク中にポチエナに追い掛け回されたことがあると言っていたよ。レベルはとても低かったが、それはそれは大変な恐怖だったようだ」
プラターヌ博士「ポケモンは私たち人類の良きパートナーではあるが、それは信頼関係で結ばれている前提ということを忘れないでほしい」
春香「はい…」
プラターヌ博士「勿論、中には人間を助けてくれる野生のポケモンだっているけど、それは非常に珍しいケースだね」
春香「はあ…色んなポケモンと仲良くなりたいけど、野生のポケモンは難しいかあ…」
プラターヌ博士「それと、あまり野生のポケモンと人間が近くなりすぎるのも良くないと私は思っている」
春香「…どういうことですか?」
プラターヌ博士「例えば野生のポケモンが人に慣れ過ぎた場合、ポケモンバイヤーといったポケモンの売り買いをする違法業者に捕獲される確率は格段に高まってしまう」
プラターヌ博士「また、自力で生きるという事が出来なくなってしまうかもしれない」
春香「…野生のポケモンは強くあるべき…ですか…」
プラターヌ博士「そうだね、だからこそ人間との一定の距離は必要だと思うんだ」
プラターヌ博士「不必要な干渉は避ける、しかし遠ざけてしまうのも良くない、身近でありながら馴れ合うわけでもない、難しい距離感だが、これが自然を守る上では重要なんじゃないかな」
春香「…分かりました、これでモヤモヤがすっきりしました」
プラターヌ博士「もっとも、トレーナーのポケモンにだってバトルが嫌いなポケモンだっていること、そしてバトルにこだわることもないことを忘れないでほしい」
春香「はい!」
プラターヌ博士「きちんとポケモンと向き合って、考えるのがベストなんだろうね」
春香「…私はちゃんと向き合えてるかなあ…」
ニンフィア「♪」スリスリ
春香「しかしお前はべったりだなあ…」
ニンフィア「♪」
………
……
…
真「…あ、春香」
春香「…あれ?みんな向こう側に行かないの?」
雪歩「それが、橋が…」
千早「…工事中だって…」
春香「ええ~!?」
エリートトレーナー「ジュゴン!」
シュパアァアン!
エリートトレーナー「なみのりだ」
ジュゴン「♪」
ザブザブ
春香「ああ、こうやってわたるのか…」
千早「でも、私たちはなみのりは持っていないわ…」
雪歩「どうしましょう…」
千早「う~ん、あ、ちょっと待って…確か…」
千早「あった、ファイトバッジの効果にはなみのりの使用解禁が含まれているわ、やはり先にコルニさんに勝つのが必要みたいね…」
春香「はあ、そっか…」
真「わざわざショウヨウをぐるっと回って、ミアレから先回りするのもね…」
春香「まあそうとなればちゃっちゃとレベルを…」ガサガサ
真「何か居そう?」
雪歩「洞窟の方がまだマシかも…」
春香「うわ、入ってみると意外と草の背丈が…」
モコ
春香「モコ?」
バリバリバリ!!
春香「~~!!!」
春香「いったああ~!?」
真「ええ!?春香、どうしたの!?」
雪歩「大丈夫ですか!?」
千早「い、一瞬光ったけど…」
春香「何!?何!?」
春香「…お!?こ、これは…!」
メリープ「…」ビリビリ
春香「メリープ!メリープだよ!」
真「え?メリープ?」
雪歩「ホントだ…」
春香「…手が当たっちゃったみたい…ごめんね」
メリープ「メ~…」トコトコ
千早「あれ、どこに…行くのかしら…」
春香「…工事中の橋?」
真「…あ、向こう岸」
メリープ「メェ~!」
千早「あれは…」
メリープの群れ「メ~」
雪歩「あ…この子が居た群れなのかな…」
春香「もしかして、この子だけ渡り損ねたのかな…」
春香「難儀な奴め…」
春香(どうにかして向こう側に…)
春香(あ、で、でも…これって不必要な干渉に入るのかな…?)
春香「…」
春香「放っておこう、みんな」
真「…あれ、意外だな、春香がそんなこと言うなんて…」
雪歩「春香ちゃんはこの子を向こう側へ連れて行ってあげたいと思わないの…?」
春香「う…そりゃ…でも、それはこのメリープがどんくさかったからでしょ?」
春香「野生のポケモンは強くあるべき!」
千早「…」
真「そりゃそうかもしれないけど…」
春香「…まあ、とにかく私はそう思ってるってこと。よーし、レベル上げだ!」
千早「…さくっと上げちゃいましょう」
真「…うん」
雪歩「はい…」
春香(これで…良いのか…な…)
春香(…)チラッ
メリープ「メ~…」ションボリ
春香(…うう…)
春香(…もう~!!)
春香「…ゲコガシラ、シシコちゃん、アーケン」
シュパアァアン!シュパアァアン!シュパアァアン!
春香「…あのメリープの相手、してあげて…」
ゲコガシラ「…ゲコ」
シシコ「!」
アーケン「!」
ゲコガシラ「ゲコゲコ」
メリープ「!?」
シシコ「♪」
メリープ「♪」
アーケン「♪」パタパタ
真「ふふ、やっぱり春香は春香だね」
真(…そうか、やっぱり、春香はこんなに優しいから…イーブイだってすぐにニンフィアに進化できたのかな…)
雪歩「そうだね」
千早「ふふ、春香ったら」
春香「もう~、だって気になって集中できないんだもーん!ニンフィア、お前は特訓だー!」
………
……
…
その晩、ボクはリオルと一緒に散歩をしていました。
博士は滞在する間はずっとホテルの部屋を取ってあげるとは言うけど…あんまりずっとだらだら居続けるのも悪いということで、明日にはコルニさんに挑戦するつもり。
だから今日はポケモンを育てることに専念したんです。
今ボクの手持ちにはヒノヤコマがいる、それにハリボーグだっているし、ジム突破には支障はないはず、むしろ、ルカリオに進化して鋼がつくと弱点を突かれてしまうぐらい、けど…
春香『え?ポケモンと仲良くなる方法…?』
春香『う~ん、ポケモンとか人間とか、そういうのじゃなくて、一緒なんじゃないかな…?』
春香『例えば、私なんかよく話しかけてるし、えへへ…お互い言ってることは分かんないんだけどね』
春香『でも、きっと何かは通じてると思う…!』
………
……
…
真「うわあ、見て、リオル。マスタータワーに月が…」
リオル「ル!」
真「綺麗だね」
リオル「…ル!」
真「旅って、良いなあ…そう思わない?」
リオル「ル…」
真「…ああ…お前はそっか…自分の意思で来たんじゃないもんな…」
リオル「…?」
真「…なあ、リオル、お前っていつになったら進化するんだ?」
リオル「…!」
リオル「ル…」
真「…千早はルリリを進化させてるし、やっぱり…」
リオル「…」
真「…ボクの波動を…感じてるの?」
リオル「ル」コク
真「…そうか、だったら…ボクの気持ちは分かるはずだろ…?」
リオル「…」
真「…なあ、リオル…どうしてそんな不安そうな顔をしてるの?」
リオル「…?」
真「…ボク、何だかお前の事が分からなくっちゃったよ…」
リオル「…!」
真「春香のイーブイとは違うよな…だって、ボクはお前を捕まえて無理矢理ここまで連れて来たんだから…」
真「…しょうがないよな、でも、だったら…」
リオル「…」ダッ
真「え?リオル!?」
真「ッ!戻れ!リオル!」
パヒュゥン!
リオル「…」ダッ
真「何で避けるんだよ!?リオル!!」
パヒュゥン!
真「リオル!!戻ってきてくれ!!」
真「リオルー!!」ガクッ
真「どうして…」ポタッ…
真「どうし…て…!?」ポロポロ
シュパアァアン!シュパアァアン!
真「…!?」
ハリボーグ「ハリ…」
ヒノヤコマ「ピッ…」
真「ハリボーグ…ヒノヤコマ…」
ハリボーグ「ハリ…?」
ヒノヤコマ「…ピッ」
真「…」
真「お前達は、ボクの波動が分からないから、そうやってボクの事を慰めたりしてくれてるのか…?」
ハリボーグ「…」
ヒノヤコマ「…」
真「…」
真「戻れ、ハリボーグ、ヒノヤコマ…」
パヒュゥン…パヒュゥン…
真「うっううっ…!えぐっ…!うああ…ああああ!!」
………
……
…
春香「…そんなことって、あるんだ…」
真「…あるも何も、こんなこと…普通じゃ起きないよ…」
真(そう、普通なら、とっくの昔になついて、進化していた…)
真(昨日の昼間だってレベルは上がった、進化するタイミングならいつだって…)
雪歩「あ、あの…」
真「…」
千早「私たちはまだここを出なくたって…」
真「いいよ」
千早「…」
春香「…でも」
真「いいんだ」
春香「…」
真「シャラジムに行こう」
雪歩「真ちゃん…」
春香「真…」
千早「…」
………
……
…
コルニ「…コルニ参上!」
コルニ「って、あれ…?」
真「…」
雪歩「…」
千早「…よろしくお願いします」
コルニ「…リボンちゃんは?」
千早「春香はまだちょっとポケモンと調整が残ってると…」
コルニ「はあ…」
千早「…後から来るみたいです」
コルニ「分かった、じゃあ…」
真「…ボクから、行きます」
………
……
…
春香「はぁ…はぁ…」
春香「どこにも…いない…」
ゲコガシラ「…」
春香「そっちも…ダメ?」
ニンフィア「フィ…」
アーケン「~!!」バタバタ
春香「アーケン!?」
シシコ「!!」ダッ
春香「…!」
春香「リオル!」
リオル「!」
春香「どこに行ってたの!?真は…!」
リオル「…ル」
春香「…あれ?メリープも…」
メリープ「メ~」
リオル「ル…」
ゲコガシラ「ゲコゲコ…」
春香「…リオル、一緒に帰ろう…まだ間に合うよ…」
リオル「…」
春香「…嫌だったの?真に捕まえられたのが…」
リオル「!?」
リオル「~!!」ブンブン
春香「…じゃあ…なんで…」
リオル「…!」
『…デキナイ』
春香「え…な、何…?」
『シンカ…』
『ダカラ…キラワレタ…』
春香「…リオルが…喋ってるの…?」
リオル「…」
春香「…なんだ…2人とも…同じことで悩んでるんじゃない…」
リオル「…!」
春香「…そんなの…違うよ…」
春香「…」キッ
春香「信じて」
リオル「…?」
春香「信じて、今は…私を…ううん…」
春香「真を…!」
リオル「…」
春香「リオル、行かなきゃ!」
春香「こんなところで、終わるなんて…!嫌なんじゃないの!?」
メリープ「メ~…」
リオル「…?」
メリープ「…メ~」
リオル「…」
ゲコガシラ「…ゲコゲコ」
ニンフィア「…フィ」
春香「ほら!」ダッ
リオル「ル!?」
ニンフィア「フィ」
リオル「…」コク
リオル「…」ダッ
メリープ「メ~」トコトコ
………
……
…
ヒノヤコマ「…!」ドサッ
真「…がんせき…ふう…じ…!?」
コルニ「…飛行対策はかくとうタイプ使いの永遠の課題よ」
ゴーリキー「…」フンッ
ヒノヤコマ「…」グッタリ
千早(…迂闊だったわ…真…)
千早(…3匹目はルチャブル…ハリボーグに勝ち目は…)
コルニ「さあ、次はどう出る?」
真「…」
真「…降参…します…」
コルニ「…ええ!?」
雪歩「真…ちゃん…」
コルニ「降参って…他にポケモンは…」
コルニ「あ、ほら!あのハリボーグとリオル!」
真「…リオルは…いません…」
コルニ「えっ…?」
真「ボクは、リオルに逃げられました…」
真「本当は…コルニさんに挑む資格なんて…無かったんです…」
コルニ「逃げられたって…あなた…」
真「…」
コルニ「そんな事無い」
真「えっ…」
コルニ「リオルは、悪い人の前に姿を現したりしないわ」
ジムトレーナー「ちょちょ!ちょっと~!このリオル~!」
ピョンピョン
リオル「…!」
春香「ま、待って~!リオル~!」ドタバタ
ジムトレーナー「あ!ちょっとこら!アンタはダメ!」
春香「ええ~!?」
雪歩「春香ちゃ~ん!?」
千早「春香~!?」
真「…リオル!?」
コルニ「…来たわよ、リオル」
真「何…で…」
リオル「…」
コルニ「聞いてあげて、リオルの声を…」
真「聞くって…」
コルニ「あなたとリオルなら、出来るはずだから」
真「…リオル…」
リオル「…」
リオル『ボク…』
真「うん…」
リオル『サミシカッタ…』
リオル『ワカラナイ…イワレタトキ…』
真「えっ…」
リオル『マコトトイッショニココマデキタ…』
リオル『ソンナニナガクナイケド…』
リオル『…マコトのコト…シンライシテタ…』
真(そうか…)
真「そうだったんだ…」
真「信頼して無かったのは…ボクの方だったんだね…」
真「…ゴメンよ…!」ポロポロ
真「リオル…!ゴメン…!ゴメンね…!!」
リオル「…!」
真「ボクはお前に分かってくれなんて言ったけど…!」
真「ボクは…お前の事を分かろうとしなかった…ね…!」
リオル「…!」
キュィィィィン!!
真「…!!」
コルニ「足りなかったのは…2人の絆だけだった…か…」
千早「…進化…!?」
雪歩「リオル…!真ちゃん…!」
真「お前…!」
ルカリオ「…」
ルカリオ『デキタネ…』
真「うん…!」
コルニ「…真ちゃん」
真「…コルニさん」
コルニ「あなたのルカリオにこれを」
真「これは…ええ!?」
千早「それって…!」
雪歩「…まさか!」
真「…メガストーン!?そんなの…」
コルニ「あなたのルカリオを信じて」
真「…」
真(今なら…)
ルカリオ「…」コク
真(それが、出来る…!)
コルニ「アタシのメガリングを!」
真「…はい!」
ガシィン!
真「…行くぞ!ルカリオ!」
ルカリオ『マコト!』
真「メガシンカアアーッ!!!」
ブンブンブンブンブン!!
キュイイイイイン!!!
雪歩「メガシンカする…!」
千早「…!」
バシュゥッ…
ダアアアァン!!
メガルカリオ「グオオオオッ!!」
真「ルカ…リオ…!!」
メガルカリオ『マコトノハドウ…ゼンシンニカンジル…』
コルニ「…あは…成功した…」
真「コルニさん、行きますよ!」
コルニ「…ええ!」
コルニ「ゴーリキー、がんせきふうじ!」
真「はっけいだ!」
バシュン
ダンッ!
真(速い!?動きがダンチだ!)
ゴーリキー「…!?」
ドサッ
メガルカリオ「…」
コルニ「ッ…」
コルニ「戻れ、ゴーリキー!ルチャブル!」
シュパアァアン!
コルニ「ルチャブル!フライングプレス!」
真「がんせきふうじだ!」
雪歩(お互いのダメージ量…これ…もしかして…真ちゃんが劣勢…!?)
千早(ルチャブルは3割弱程のダメージ、一方真のルカリオは半分以上持ってかれたわ…)
千早(真のメガルカリオの技が分からない…この勝負、勝てるの…!?)
コルニ「…もう一度フライングプレス!」
千早(真…どうするの!?)
真「ルカリオ!こらえる!」
メガルカリオ「…!」ハッ
ガキイィィン!
ルチャブル「…」ギロッ
メガルカリオ「ッ…」キッ
千早(一時しのぎにしかならないわ!真!)
千早(…いや…まさか!)ハッ
コルニ「ルチャブル、グロウパンチ!」
ルチャブル「…」キッ
真「…」
コルニ(半減なんてものじゃ防げない…)
コルニ(ローブシンより高い攻撃力でタイプ一致、適応力の威力200の技…)
ルチャブル「…!」
メガルカリオ「グオオオオ!!」
真「いっけえええ!!」
千早(叩き込むッ!!)
ルチャブル「…」ドサッ
メガルカリオ「…」ゼェゼェ
ブシュウウウウゥゥ…
ルカリオ「…ッ」ガクッ
真「ルカリオ!!」ダッ
真「大丈夫か!?しっかりしろ!」
ルカリオ『…ダイジョウブ、スコシツカレタダケ』
真「そうか…良かった…」
コルニ「…お見事、としか言いようがないよ、真ちゃん、ルカリオ…」
真「…はい…!」
コルニ「シャラジムバッチ…そして継承者、菊地真!おめでとう!」
真「やったね…!ルカリオ!」グッ
ルカリオ「…」グッ
ガツン☆
真とリオル…いえ、ルカリオが仲直りできてよかったです。メガシンカの時、かっこよかったな~、すれ違いが起きた時は人間でも修正するのが難しいのに…やっぱり、2人の絆は本物だったんですね。
え?私ですか?私がジムトレーナーを全て倒した時には、真の試合が終わっていました、けど、メガルカリオに進化した時は思わずジムトレーナーさん達とポケモンバトルを中断してしまって、2人ともすっかり見とれていたんですよ。
それと例のメリープも一緒についてきちゃって…う~ん、可愛いからゲットしちゃおうかなあ?皆とも仲が良いし、後はこの子が一緒に来てほしいかどうかです…
今日はこれで終わりです、ありがとうございました。
前回更新で書き溜め分は撃ち尽くしていました…今後は毎日更新とはいかなくなると思います。
スレが落ちないようにちょくちょく保守には参ります、それでは、失礼します…
メガルカリオ『サスガ…ダナ…』
真「へへ…!」
真「ルカリオ!きしかいせいだ!」
コルニ「!!」
千早(うまい!がんせきふうじで素早さを逆転させ、こらえるで体力を1に!)
千早(そして最大火力のタイプ一致技、きしかいせいを、上から…!!)
おつ
おつ
おつおつ
春香「ニンフィア!とどめのドレインキッス!」
コルニ「ルチャブル!」
ルチャブル「…」ドサッ
コルニ「…お疲れ、ルチャブル。おめでとう!春香ちゃん!」
千早「危なげなく勝利したわね、春香」
雪歩「おめでとう!春香ちゃん!」
春香「えへへ、ブイブイ!」
その後、私たちもコルニさんとの勝負に勝ち、皆シャラジムバッチを手にすることが出来ました。
ですが途中から一体誰が、真がルカリオをメガシンカさせたことに成功したのかを伝えたのか…メガシンカおやじさんやプラターヌ博士がやってきて真をどこかへ連れていってしまいました…
きっと、ネオフレア団の事なんだろうとは思います。レッドフードはメガシンカ継承者をターゲットにしています、もし真が狙われるようになったら真は大丈夫なの…?
ガチャ
真「ただいま~…」
春香「あ!真!」
真「疲れた~!」ドサッ
千早「…だいぶ疲れているわね」
真「あ…分かる…?」
雪歩「目が半分しか開いてないですぅ…」
真「うわ…何それ最悪…もう~色々あってさ。取り敢えずの総意はボクがメガシンカの継承者って事は継承者の人達や身近な人達以外には内緒にしておくってことで話はまとまったよ…」
春香「…で、そのブレスレットが…」
チャリ
真「…そう、キーブレスレットだってさ…」
真「ルカリオもメガストーンを持たせている、けど、メガシンカは使うなってさ」
千早「誰かに見られたりしたら困るからでしょうね…」
真「そういう意味もあるんだろうけど、ボクは、メガシンカは強力すぎるから普段からメガシンカに頼ってばかりいてはいけないっていう意味だとも思ってるよ…」
真「ボクは継承者とはいえ、他の人達には到底足元にも及ばない、だからもっとルカリオやハリボーグ、ヒノヤコマ達と一緒に強くならないと…」
雪歩「な、なんだかかっこいいですぅ…」
春香「う~ん、何だか真が雲の上の人になっちゃったような…」
真「ええ!?別にそ、そんなこと…」
グゥ~…
真「…何か、食べたいな…へへ…」
春香「…えへへ、気のせいだったね」
雪歩「うん、真ちゃん、シャワー浴びてきたらどう?適当に作っておきますぅ」
真「…あはは、ありがとう。結局もう一日ここに残ることになったね…」
春香「まあ、博士も夜に出るのは危険だから泊まってけって言ってるし」
雪歩「後で何かお返ししないと…」
千早「何かお土産とかあれば買って帰っていくのもいいかもね」
春香「お土産ねえ、何かこの先あるかな?」
………
……
…
コルニ「すみません、つい…」
メガシンカオヤジ「全く、お前というやつは…」
プラターヌ博士「ははは、しかし、これでまた一人正式な継承者が増えたではありませんか」
メガシンカオヤジ「お前さんも昔はワシが見込んでおったんだがな」
プラターヌ博士「いえいえ…私には才能が足りませんでしたから…そういう意味では菊地真は天性の才能を持っていたという事でしょうか」
メガシンカオヤジ「どうだか…しかしメガシンカというのは、お前さんとジュペッタのように天然のキーストーンではなく、人工キーストーンでも行えることが分かった以上、今までの概念を捨て去る必要があるかもしれんな…」
プラターヌ博士「言ってしまえば、デメリット無しの上に耐久力が上昇する、いのちのたまのようなものですからね…」
メガシンカオヤジ「うむ、もっとも肝心のメガストーンは限られた数しか見つかっておらん、メガストーンを人工的に制作する術が無ければ特に懸念することもないだろう」
プラターヌ博士「…ネオフレア団の目的は…恐らく誰にでも扱えるメガシンカの装置の開発でしょう」
メガシンカオヤジ「うむ、フラダリが秋月君との決戦で用いたらしい装置は、その原型とも言えるものだったからな」
プラターヌ博士「とはいえ、フラダリとギャラドスとは他の継承者と同様に強い絆で結ばれていたという説には揺るぎはないでしょうね」
メガシンカオヤジ「それは勿論、人工キーストーンはその装置の解析をもとに開発されたのだからな。人工キーストーンも天然キーストーンもあくまで絆というメガシンカのパワーの仲介役に過ぎん」
プラターヌ博士「天然キーストーンはとてもシビアです…菊地真がコルニさんのメガリングと、ルカリオナイトを用いて一発でメガシンカさせたというのは…」
メガシンカオヤジ「元々ルカリオナイトで使用していたこともあるのだろうが、彼女とルカリオの絆の力が強かったというのもあるのだろう」
メガシンカオヤジ「キーストーンのチョイスは難しいのだがね、彼女の場合すんなりいったのもそういうことなのだろうな」
プラターヌ博士「…まるで秋月さんの時のようですね」
メガシンカオヤジ「うむ…彼女もすぐに見つかったね…」
コルニ「…」
メガシンカオヤジ「ん、どうした、コルニ。何か意見でもあるのか?」
コルニ「…え!?」
プラターヌ博士「何でも良いんだよ、ちょっと考え事をしているように見えたから、ね」
コルニ「いや…やっぱりメガルカリオってかっこいいなって…」
メガシンカオヤジ「真剣な顔していう事がそれとは…」ガックリ
プラターヌ博士「はは…」
コルニ「…そういえば、律子さんの時のような感触を覚えた子、真ちゃん以外にも1人いましたよ」
プラターヌ博士「…もしかして、あの子ですか?」
コルニ「あ、分かりますか?」
メガシンカオヤジ「あの子…?
………
……
…
メリープ「♪」
アーケン「♪」
春香「…」
春香(仲良さそうだなあ、2人とも…)
春香「…ねえ、メリープ…」
メリープ「?」
アーケン「?」
春香「メリープは私たちと一緒に旅、したい?」
メリープ「…」
アーケン「ピッ…」
春香「メリープが決める事だよ、それは」
メリープ「…」
春香「…明日、朝に出るから、考えててね」
それからはアーケンをボールに戻し、私は部屋に戻って寝ました。
翌朝、目が覚めて窓から外を覗くと…メリープの姿はありませんでした。
ほっとしたような、少し寂しかったような…何とも言えない気持ちになりました、心のどこかでは期待していたのかもしれません。
ですが、私たちはこのメリープにもう一度出会います。
その時、メリープは誰もいない対岸に向かって一生懸命に鳴き続けていたのですが…メリープの鳴き声は虚しく響くだけでした。
春香「…乗る?」
メリープ「…」トコトコ
春香「ゲコガシラ、なみのり!」
ゲコガシラ「ゲコ!」スーイスーイ
春香「うわあ…沈みそうで怖いなあ、流石に私とメリープじゃ重たいのかな…」
メリープ「メェ~!」
シーン…
春香(対岸には相変わらず誰もいない…)
工事のおじさん「おーい!」
春香「…え?」
工事のおじさん「そこのリボンのお嬢ちゃん!」
春香「わ、私ですか~!?」
工事のおじさん「対岸で何か起きたらしい!詳しくはよくわかっとらんのだが、朝現場に来たやつが、あちこちに雷が落ちたような跡があるって…」
工事のおじさん「でんきタイプのポケモンかもしれん!メリープではないと思うんだがなあ、とにかく気を付けろ~、工事は今日は中止になりそうなぐらいだ!全く、最近はポケモンが大暴れだな…橋は壊すは、対岸を焦げだらけにするわ…」
雪歩「あのおじさん、雷がどうとかって…」
真「ええ…まさか、雷って…」
千早「…ライコウ…」
雪歩「ま、まさか…」
春香(対岸が焦げだらけって、それでメリープの群れが…)
メリープ「…」
ゲコガシラ「…ゲコ」
春香「ふう、ついた…ゲコガシラ、ありがとう」
真「…春香~!!何か分かる~!?」
春香「…」キョロキョロ
千早「何かいる!?」
春香「…いない!!」
メリープ「メエ~!!」
シーン…
春香「いないよ!!な~んにも!!」
真「なんにも~!?」
春香「ポケモン!!たぶん、全員いないよ~!?」
雪歩「どういう事なんだろう…ホルードさん!なみのりですぅ!」
ホルード「…!」ジャブジャブ
春香「みんなどこにいったんだろう…!?」
メリープ「メエ~!!」
ゲコガシラ「ゲコ…」
対岸にはあちこち雷が落ちたような跡が…そして草むらに入ってごそごそしてみましたが、ポケモン一匹飛び出してきません。
メリープの呼びかけにも何もこたえず、ゲコガシラも困ったように辺りを見回すばかり…
後から来た雪歩や、真、千早ちゃんもそんな様子に絶句です…
ヒュン
プラターヌ博士「もしもし、さては12番道路の件だろう?」
真「…もしもし、博士?そうです、それを言おうとホロメールを…」
プラターヌ博士「とにかく心配はいらない、そのまま進んでくれ。恐らく例の秋月さんと三浦さんが追っているライコウのせいだと考えられる」
真「…では、今は取り敢えずヒヨクシティに向かえばいいってことですね?」
プラターヌ博士「…まあ来てくれたら私が言わんとする事はすぐにわかるよ…」
真「はあ…それでは、失礼します…」
春香「…なんのこっちゃ」
真「さあ、取り敢えず行こう、日がくれる前には着くよ」
雪歩「そ、そういえば途中にメェール牧場があるって…」
千早「牧場のメェール達は大丈夫かしら…?」
………
……
…
春香「柵が…」
千早「ここから抜け出したのかしら…」
雪歩「だ、誰もいないですぅ…」
真「…行こう、早く何が起こってるかを確かめなくちゃ」
メリープ「…」ヨタ…
春香「メリープ…疲れちゃった?」
千早「結構歩いたから…メリープは普段案外移動しないものなのかしら?」
雪歩「春香ちゃん、ボールに入れてあげたら?」
春香「う~ん…でも…」
真「もうここまで一緒に来てたら春香のポケモンだよ」
春香「う~ん…」
春香「ねえ、メリープ…ボールに入りたい?」
メリープ「…」
春香「…」
メリープ「…メ~」
春香「…」スチャ
メリープ「…」
春香「いくよ」
コツン
ポヒュウウゥン! テンテンテン…
カチッ
春香「…これでよし、と…」
千早「…やっぱり、元の群れに返してあげたいの?」
春香「うん…やっぱりメリープって群れで暮らすポケモンだからさ…」
真「変わってるなあ、春香は」
春香「まあ、自己満足みたいなものだよ…野生のポケモンをバトルでゲットするのは別に悪い事とは思わないよ、だって、人とポケモンは今までそうやってしてきたんだからさ」
千早「…かわいそうとか、そういった単純な感情だけでは計れない理みたいなのがあるのかも、ね…」
春香「そういうことなんだろう、ね」
雪歩「…そろそろお昼ご飯にする?」
真「最近ホテルで出てきたものばっかりだったからね~、舌が肥えちゃったから気合い入れて作ろう!」
春香「よう~し、頑張るぞ~!」
千早「ええ」
………
……
…
春香「な…」
雪歩「あ、あれは…」
真「なんじゃこりゃ~!?」
千早「…これ、全部12番道路のポケモン…!?」
もうすぐヒヨクシティにつく、ゆるやかな坂の頂に着いたそんな時、私たちの目に飛び込んできたのは、坂の下で集まっている大勢の野生のポケモン達でした…
春香「…!この中にメリープの友達が居るかも!」
シュパアァアン!
メリープ「…!」
メリープ「メェ~!」ダッ
野生のメリープ「!?」
春香「…あれ…」
真「…メリープの群れが…」
ボールから飛び出したメリープは、仲間の元に一直線に走っていきました、が、それを見た野生のメリープの群れは、メリープを避けるかのように散り散りになって小高い丘の向こうに逃げてしまったのです…
私たちは何が起きたのか分かりませんでした、ですが、ショックを受けたのはメリープ自身だったと思います。
千早ちゃんは、私たちと一緒にいたから人間の匂いが移ってしまったのかもしれないと言っていましたが、真偽のほどは定かではありません。
メリープは悲しそうな顔をして、戻ってきました。
私はもう一度メリープにモンスターボールを見せます。
戻って来たって事は…私と一緒に行きたいって事だよね…?
そう言うとメリープは、私の目をじっと見てきました。
言葉が通じているかは分かりません、ですが、メリープは抵抗するそぶりを見せることなく再びボールに戻ったのでした。
…行こうか、真がポツリとつぶやくまで、私はメリープの群れが消えていった丘から目を離すことが出来ませんでした。
………
……
…
プラターヌ博士「…やあ、また会ったね」
メェールの群れ「メェ~」
???「全く、迷惑な奴もおったものだ」
雪歩「フ、フクジさん!?」
フクジ「雪歩ちゃん、話は博士から聞いておったよ」
春香「…あれ、知り合い?」
フクジ「お茶会で、な」
真「…まさか、ヒヨクシティジムジムリーダーのフクジさんですか!?」
真「…うわ、本当だ…」
フクジ「ほう、最近はこうやってわしらの攻略情報を共有しとるわけだね」ヒョイ
真「え、あ、ああ…何だかすみません…」
フクジ「いやあ、わしらの頃は雑誌だったからね、雑誌片手にジムに行った奴もおったが流石にそれは追い出されとったわ、ははは」
雪歩「す、すっかり忘れてました~、そうですぅ、次のジムはフクジさんなんですぅ…」
千早「草タイプのジム…ですよね」
フクジ「うむ、そうだね。そういえばプラターヌ博士さん」
プラターヌ博士「何でしょうか」
フクジ「このメェークル達を牧場まで誘導しておいてくれんかね、私のゴーゴートを貸そう」
プラターヌ博士「え…」
フクジ「どうした、このまま街にメェークルをうろうろさせておくわけにもいくまい」
春香「私、ついていきましょうか?」
真「ボクたちも手伝おうよ」
雪歩「そうだね」
プラターヌ博士「先に宿で部屋でも借りてきたらどうかな?それからでも構わないですよね?フクジさん」
フクジ「勿論、では、よろしく頼むよ。今日は小さいのが2人来ておるらしいからね、私はジムに戻るよ」
プラターヌ博士「このゴーゴート、借りっぱなしで良いんですか?」
フクジ「ジム戦でシャトー戦用のLv50のゴーゴートを使うのはかわいそうだろう、それでは後はよろしく」
プラターヌ博士「Lv50…?そういえば貫禄があるなあ…分かりました」
ゴーゴート「メェ」フフン
………
……
…
プラターヌ博士「このゴーゴート、借りっぱなしで良いんですか?」
フクジ「ジム戦でシャトー戦用のLv50のゴーゴートを使うのはかわいそうだろう、それでは後はよろしく」
プラターヌ博士「Lv50…?そういえば貫禄があるなあ…分かりました」
ゴーゴート「メェ」フフン
………
……
…
春香「やっぱり、これは何か起こってるんですよ!」
プラターヌ博士「うむ…例のライコウだとしても確かにこれだけ野生のポケモンが逃げ出すほどは初めてだ…」
プラターヌ博士「しかし、ライコウとそのトレーナーが道なりに進んでいるとは限るまい、今まで同じようなことを人が入らないところでしていたことも否定できない」
千早「…なるほど、博士自身の意見としては?」
プラターヌ博士「そうだね、私は特に重要視はしていない、牧場のポケモンが逃げ出したのがライコウが原因だとしても、恐らく、野生のポケモンがここまで逃げ出してきていたのは、牧場から逃げ出したメェークルが先導役になったからなのではないかな」
プラターヌ博士「とはいえ野生のポケモン、町までは行かず、手前でうろうろしていたと」
真「なるほど…」
春香「博士が言うと説得力がすごいなぁ」
雪歩「そうですぅ、安心しちゃいます」
プラターヌ博士「これはあくまでも私の持論だからね…確かに私みたいな職業の人間が安心していいといえば賛同したくもなるだろう、だが、こういう時こそ心地のいい安心感に浸るのではなく、アンテナを張っておくのが重要かもしれない」
真「ルカリオは何か分かるかなあ?」
プラターヌ博士「ポケモンの力を借りるのもいいかもね」
雪歩「ポケモンの事はポケモンに聞け、か…」
春香「それ、言えてるよ」
千早「…人間が考えてもしかたがない事ってあるからね…」
結局確かなことは分からず仕舞いでしたが、ライコウはとんでもない力を持っているという事だけは確かなようです…
そしてメリープは私たちと一緒に行くことになりました。群れの皆に逃げられたときはとても悲しそうにしていましたけど、アーケンをはじめ、ゲコガシラ、シシコちゃん、ニンフィア達が慰めているのか一緒になって遊んでいました。
これでメリープの気もまぎれると良いなあ…
さて、お次はフクジさん、草タイプのジムです。今回はシシコちゃんが大活躍の予感?そういえばもうすぐシシコちゃんも進化するレベルだなあ…これは期待が出来そう?
………
……
…
フクジ「いやあ、お二人とも、まだ小さいのに素晴らしい」
???「んっふっふ~!まぁね~!」
???「でも、フクジじーちゃんも、ちょ→強かったよ!」
フクジ「ははは、超強かったか!それはありがたいな!そういえば二人で旅しているのかい?」
???「うーん…旅っていうか…」
???「ジムバッチは集めてるけど、どちかというと遠征みたいな?」
???「そうそう!遠征!それぴったりだよ!」
フクジ「じゃあこれから家に戻るのかい」
???「そうだよー、ミアレに家があってね」
???「生まれも育ちもチャキチャキのミアレっ子でい!」
フクジ「そうか、じゃあこれでやっとホームのジムに挑めるってわけだね」
???「そうそう、じゃあねー!バイバイ!おじーちゃん!」
???「バイバーイ!」
フクジ「はっはっは、さらばじゃ!」
ジムトレーナー「…いやあ、見ていて楽しいバトルでした」
フクジ「そうだね、とはいえ、あの子達の本領はシングルではなくダブルなのではないかな?」
ジムトレーナー「確かに、戦術の豊富なダブルバトルでは、あの双子のトリッキーな戦いもさらに生きるでしょう」
フクジ「カロスにもダブルバトルのジムリーダーが居ればいいんだがね」
ジムトレーナー「他の地方には居るんですか?」
フクジ「ホウエンに確かいたはずだよ」
ジムトレーナー「はあ、珍しいジムもあるんですね」
………
……
…
???「あーあ、疲れた~」
???「早く空を飛ぶ、使いたいよ~」
???「で、次はどうする?」
???「やっぱ、つぎは電気のジムだから地面は必須っしょ!」
???「ま、適当にガバイトでもぶつけてたら勝てるだろうけど…」
???「まあ、しばらくは13番道路でポケモン鍛えようよ~」
???「…ねえ、真美」
真美「どうしたの?亜美」
亜美「面白そうな事、思いついちゃった~」
真美「うそうそ!教えてよ~!」
亜美「あのね…」
これで今日の分は終わりです、ありがとうございました。
おつ!
おつ
おっつ
???「ハニィ…」
ライコウ「グルル…」
???「大丈夫…?」
ライコウ「…ガウッ」
???「無理しないで、ちょっと休もうよ…」
ライコウ「…」
???「あの"赤い人"、まさか…ここまで追いかけてきたなんて…」
ライコウ「…」
???「あの真ん中の辺りの、大きい街にまた逃げよう、ハニィ…」
???「あそこでボールに入ってたら…誰も分からないよ…」
ライコウ「グルル…」
???「ダメなの!ハニィは休まないと!」
ライコウ「…」
???「ハニィがボールを嫌いなことは知ってるよ、だけど…それがハニィのためだから…」
………
……
…
春香「さてとと…」
春香「ゲコガシラ!」
シュパアァアン!
ゲコガシラ「ゲコ!」
春香「シシコちゃん!」
シュパアァアン!
シシコ「!」シャキーン
春香「アーケン!」
シュパアァアン!
アーケン「ッピ!」
春香「ニンフィア!」
シュパアァアン!
ニンフィア「♪」
春香「そして…」
春香「…モココ!」
シュパアァアン!
モココ「メ~」
真「モココはピンクなんだね」
春香「青からピンクかあ、デンリュウは黄色なんだよね」
雪歩「ポケモン、だんだん増えてきたね」
千早「今は春香が一番多いんじゃないかしら?」
真「そうだね、ボクがハリボーグ、ファイアロー、ルカリオだろ?」
春香「…え?ファイアローに進化させたの?」
真「ふふ、ただ進化させたわけじゃないよ」
千早「…ニトロチャージを先に覚えさせたのね?」
真「ま、そういうところさ」
雪歩「ええ~!?何でわかったんですか~!?」
千早「まあ…一応有名なポケモンの技ぐらいは把握しているから…」
真「ファイアローは基本技で威力が高い技を覚えられるけど、普通に進化させたら今ぐらいのレベル、つまりレベル38じゃあタイプ一致の技はつつくとひのこだからね…」
真「ま、ニトロチャージも威力は50だし、おせじにも威力が高いとは言えないけど…」
春香「じゃあダメじゃん」
真「…レベル差で押す」
春香「そ、そう来たか…」
真「あんまりやりたくは無かったけどね…まあ背に腹は代えられないとも言うし」
真「それで、皆は?」
雪歩「私がテールナー、ホルード、キバゴで…」
千早「私がオオスバメ、ゴローニャ、マリルリ、ガルーラよ」
春香「ありゃ、ほんとだ。私が一番大世帯か」
真「そういうことだね…みんな、準備はいい?」
雪歩「はい!」
千早「ええ、行きましょう」
春香「しかしこのジム、まるでターザンだなあ、フクジさんは毎日どうやって頂上まで行っているのかな」
雪歩「登って行ってるんだって…自分で…」
真「えっ…」
千早「…凄いわね、あの人…」
春香「ま、まあポケモンバトルには運動神経は関係ないよ!…たぶん…うん」
真「よ~し、ボクが一番乗りだ!」
雪歩「ああ、待って~!」
春香「真ってば~!よ~し、私も…」
千早「…あわてて落ちたらどうするの、ダメよ」ガシッ
春香「ち、千早ちゃんってば、大丈夫だよ~…」
………
……
…
真「…よっと」スタッ
フクジ「…」
真「…菊地真と言います」
フクジ「良い動きをしておる」
真「…運動は得意なんですよ」
フクジ「…なるほどな、それでは、バトルの腕前を見せてもらおうか」
真「ええ、そのために来たんですから!では、始めましょう!」
真「…ファイアロー!」
フクジ「ワタッコ!」
シュパアァアン!
シュパアァアン!
真「ファイアロー、ニトロチャージ!」
フクジ「ワタッコ、やどりぎのたね!」
真(やどりぎ…どれぐらい回復が入るかだけど…)
キュルルリン
ワタッコ「…」キラキラキラ
真(…いける、次のニトロチャージで倒せる…!)
真「ファイアロー、もういちどニトロチャージ!」
………
……
…
春香「ふぅ…よいしょっと…!」
春香「真ー!頑張って!」
真「ん?あ、春香!ありがとう!」
真「…ハリボーグ、ミサイルばり!」
フクジ「ゴーゴート、交替!ウツドン!」
シュパアァアン!
シュバババ!
ウツドン「…」フンッ
ハリボーグ「…」キッ
真(受けに来たか…相手がウツドンなら…!)
フクジ「ウツドン、ようかいえき!」
真「戻れハリボーグ!ルカリオ!」
シュパアァアン!
フクジ「ほう!」
ルカリオ「…」
ウツドン「…」
フクジ「…戻れ!ウツドン!ゴーゴート!」
シュパアァアン!
真「ルカリオ!はっけい!」
フクジ「かーっ!格闘技か!」
真「へへっ、ボーンラッシュなんて覚えていませんよ!」
フクジ「ゴーゴート!じならし!」
真「…ルカリオ交替!ハリボーグ!」
シュパアァアン!
フクジ「…完璧に読まれておるわい」
真「…地面か岩かとは思ったんですけどね」
春香(いつみても真のバトルはすごいなあ…)
春香(相手の技をかわしたり、効果抜群を取られないようにポケモンを交替していくスタイルか…)
千早「所謂交替戦ね、春香」
春香「うわ!?千早ちゃん!?」
春香「…って、雪歩は?」
千早「まだ下で戦ってるわ、もうすぐ来ると思うけど」
春香「そっか…」
千早「春香は色んなタイプのポケモンが多いから、こういうスタイルでも充分やっていけると思うわ、けど、そのためには要注意な技を覚えておかないとね」
春香「要注意っていうのは…たとえば今のゴーゴートのじならしみたいな…」
千早「そうね、炎タイプなら効果抜群を取られるわ」
春香「だったら、ファイアローでかわせばよかったんじゃない?」
千早「そうね…ファイアローなら飛行タイプだったからじならしは無効、けど、ゴーゴートが覚えている技が岩タイプの技だったら…?」
春香「うっ…炎と飛行だから4倍になるのか…」
千早「草タイプは弱点が多いわ、炎もそうだけど、飛行、虫、どく、氷、これらのポケモンに対して岩タイプの技は炎、飛行、虫、氷に抜群を取れる」
春香「だからさっき、地面か岩かって…じゃあ、真はまだ持っているか分からない、ゴーゴートの地面か岩タイプの技を警戒してハリボーグを繰り出したってこと!?」
千早「そういうことね、ニドキングのような色々なタイプの技を覚えるポケモンも居る事には居るけど、大体のポケモンは自身のタイプによって覚えられる技のタイプは偏ってくるわ」
千早「草タイプのポケモンに効果抜群を与えられるタイプは5つあるけど、それらのポケモンを対策する上で4つという限られた技の中で出来るだけ広い範囲をカバーすること、そして草タイプのゴーゴートが使えそうなこれらのポケモンへの対策技は、地面か岩タイプの技というわけ」
春香「…す、すごい…真も凄いけど、千早ちゃんも凄いよ…」
千早「わ、私はスクールの授業の受け売りだから…真はスクールにも行ってなかったんでしょ?真の方がトレーナーとしてはずっと上よ」
千早(いざという時の度胸もある…以前真とバトルした時だって…)
千早(真はヤヤコマに交換、これででんこうせっかで打ち合ってもヤヤコマのほうが先に倒れる!)
千早(勝った!)
真『頼む、ハリマロン!耐えてから体当たりだ!』
千早『えっ!?』
千早(そう、真は自分のポケモンと…)
春香「またまたご謙遜を~よし、私も頑張るぞ~!」
雪歩「よいしょ…ふぅ…」
春香「あ、雪歩…って、だいぶ疲れてるね…」
雪歩「はぁ…はぁ…フクジさんの方がよっぽど体力ありますぅ…」ヘロヘロ
千早「お疲れ様、雪歩…あら、どうやら終わったみたいね」
真「ファイアロー!ニトロチャージ!」
フクジ「…戻れ!ゴーゴート!」
フクジ「完敗じゃな、菊地君とポケモンとの絆は見事なものじゃ」
真「ありがとうございます、へへ…」
フクジ「…さて、お次はどなたからかな?」
春香「はい!私が行きます!」
フクジ「良かろう!それではよろしく!」
春香「私、天海春香です!よろしくお願いします!」
春香「シシコちゃん!」
シュパアァアン!
フクジ「ゴーゴート!」
シュパアァアン!
春香(ゴーゴート!って事は、じならし…!)
春香「シシコちゃん、交替!アーケン!」
ポヒュウウゥン…シュパアァアン!
アーケン「ピッ!」
フクジ「ゴーゴート!交替!ワタッコ!」
シュパアァアン!
春香「いい!?」
フクジ「むぅ…アーケンと来たか…」
春香(そ、そうか…私がゴーゴートのじならしを見た後だったから、シシコが引っ込むのは読まれてたって事か…)
春香「…アクロバット!アーケン!」
フクジ「ワタッコ!やどりぎのたねじゃ!」
ピョコピョコピョコ!
アーケン「!?」
ワタッコ「…」キッ
フクジ「…耐えられんか…」
アーケン「ピーッ!」
バシュッ!バシバシバシバシッ!
ワタッコ「~;;」
春香「よし!一撃!」
春香(うっ…やどりぎかあ…結構持ってかれるなあ…攻撃を受けたらよわきが発動しそう…アーケンは攻撃力は高いけど防御は低いからなあ…)
春香(あれ…?だったら、私の場合、抜群を取られないようにポケモンを交替しても、相手の攻撃力が高かったらそのまま押し切られるんじゃ…)
春香(…だったら、さっきのフクジさん、それと真みたいに相手の裏をかく必要もあるってことか…)
春香(…でも、今回のバトルだったらアーケン一匹で押し切れそうかな…)
フクジ「ゴーゴート!」
シュパアァアン!
春香「アーケン、アクロバット」
フクジ「ゴーゴート、くさむすび!」
フクジ「…良し!」
春香「ギ、ギリギリ耐えたぁ!?」
春香「アーケン!?」
シュッ…バチン!
アーケン「ピッ!?」ベショッ
アーケン「ピ~!」フルフル
キュピィィン!キラキラキラ…
アーケン「ピッ…」
春香「ああ…やどりぎで弱気が…」
フクジ「ゴーゴートの体力をなめてはいかんぞ!」
雪歩「くさむすびって…?」
真「相手の体重によって威力が変わるんだ、アーケンは…えーっと…図鑑には9.5kg、つまり草結びの威力はわずか20、けど、ゴーゴートは草タイプだから一応35か」
千早「最高威力は200kg以降の120よ、今回はアーケンの小ささに助けられたわね、けど、やどりぎのたねの効果もあり体力は半分以下、弱気が発動してしまった…」
春香「…アーケン!アクロバット!」
フクジ「すごいきずぐすりじゃ!受け取れ!」
ゴーゴート「…!」
春香「…」
フクジ「ゴーゴート!くさむすび!」
春香「アーケン!シシコに交替!」
シュパアァアン!
フクジ「…ほう?」
春香(…じならしがくる…)
春香(…けど、さっきは交代を読まれた…)
春香(私のポケモンでじならしで致命傷になりそうなのは…?)
春香(炎タイプのシシコちゃん、電気タイプのモココ…)
春香(すごいきずぐすりはある、前に映し身の洞窟を突破しようとした時に結構買ったから…)
春香(でも、アーケンに今交替しても、アーケンの体力だともしじならしじゃなくて他の草タイプの技だったらやられちゃう…)
春香(さあ…どうする…?)
フクジ「…」
ゴーゴート「…フンッ」
春香(…そう、ここからはポケモンの知識じゃない、トレーナーとの駆け引き…)
春香(…なら、勝機はある!)
春香「…」キッ
フクジ「…良いかな?」
春香「…行きます」
ザッ…
春香「シシコちゃん!」
春香(そして、その勝ち筋は…)
フクジ「ゴーゴートォ!」
春香「おたけび!」
春香(シシコちゃんから始まる!)
フクジ「じならしじゃっ!」
春香「…っ!」
フクジ「…むぅっ!」
春香(ダメージは…!?)
シシコ「キュゥッ…!」グラグラッ!
シシコ「…!」キッ
春香(おお!?半分も減ってない!?)
春香(なら…!)
ミュルミュルミュル…
春香「…すばやさがっ!?」
フクジ「…君たちならがんせきふうじは知っているのではないかね?」
春香(地面版がんせきふうじってところか…素早さが下がった…交換しなくちゃ…)
春香(…いや、待った!素早さが下がったところでここは交換する必要はない…!)
春香「シシコちゃん…!」
春香(…相手は恐らく交換をしてくる、けど、こっちは居座って…!)
春香「ほのおのキバ!」
フクジ「ウツドン!ゴーゴートと交替じゃっ!」
シュパアァアン!
フクジ「ッ…」
春香「よしッ!」
フクジ「ウツドン!ようかいえき!」
春香(そう、勝ち筋はある…!)
春香「シシコちゃん、ゲコガシラに交替!」
シュパアァアン!
フクジ「…くさむすびじゃ!ウツドン!」
春香「遅い!ゲコガシラ!りんしょう!」
春香(ウツドンを捨てた…!)
フクジ「戻れ!ウツドン!ゆけっ!ゴーゴート!」
シュパアァアン!
フクジ「ゴーゴート!くさむすび!」
春香「ゲコガシラ!えんまく!」
春香「…ゲコガシラ!」
ゲコガシラ「…ッ!」ガクッ
フクジ「…よく狙うんじゃ、ゴーゴート!」
モクモク…
ゴーゴート「…」キッ
春香(ゲコガシラを捨ててシシコちゃんかアーケンを出しても良い…)
春香(…でも、でも…!)
春香(私は、そんなのしたくない…!)
春香(千早ちゃんや真に怒られるかもしれない、けど…!)
春香「ゲコガシラ!」
フクジ「ゴーゴート!」
春香(ゲコガシラの体力、私の出してきそうなポケモン、ゴーゴートが次に出してくる技は…!)
春香「ゲコガシラ、戻れっ!」
フクジ「…ッ」キッ
千早(…交替!?悪手だわ!)
真(…ここはゲコガシラを捨てて死に出しするのがセオリー!)
春香(一番通りが良い…とっしん!)
春香「行け!アーケンッ!大丈夫、耐えられるから!」
シュパアァアン!
フクジ「…!」
春香「…受け取って、アーケン!すごいきずぐすり!」
フクジ「すごいきずぐすりじゃ!ゴーゴート!」
春香「…アーケン!アクロバット!」
フクジ(…負けた、か…)
フクジ「…くさむすび!」
ゴーゴート「…」フンッ
ダッ!!
フクジ「なっ…!?」
春香「とっ…しん…!?」
アーケン「…」ダッ
春香(えんまくに隠れた…!上手い!アーケン!)
アーケン「…!?」
ゴーゴート「…」ギロッ
春香「あっ…」
春香(えんまくの…中から…)
ゴーゴートはくさむすびの命令を無視してとっしん、アーケンは煙の中に逃げ込むようにしてかわそうとしましたが…
煙幕の中から突き破るようにして現れたゴーゴートはアーケンを吹っ飛ばしました。
どうやら急所に当たったようです、アーケンはさっきとっしんをもらった時より大きく吹っ飛びましたが…そこは岩タイプ、所詮効果は今一つ。
また、アーケン自体の軽い身のこなしもあり、空中でまだ小さい羽根を器用に羽ばたかせ姿勢を建て直したのです。
吹っ飛ばされながらも爪を立てしがみつくようにして態勢を立て直したため床には長いひっかき傷が、そしてなおアーケンはまだ戦意を失ってはいません、よわきは発動していないのです、が…
ゴーゴートはとっしんの反動でダメージを受け、気絶していました。
フクジ「…全く、お前というやつは強情な奴じゃの…ゴーゴート…」
春香「ゴ、ゴーゴート…」
ゴーゴート「…」
フクジ「…ふふ、結局ワシは君のポケモンを1匹も倒せず仕舞いじゃな」
春香「…」
フクジ「良かろう、そういうスタイルも悪くは無いぞ」
フクジ「だが、全てを守ろうとすれば、それなりの対価を払うことになるということも忘れてはいけない」
春香「…はい!」
フクジ(…なるほど、良い目をしている)
フクジ「おめでとう!天海春香君!」
春香「…ありがとうございました…!」
春香(全てを守ろうとすれば…それなりの対価を払うことになる…か…)
春香(…)
春香(…で、出来るかなぁ…)ハァ…
フクジ「お次はどなたかな?」
千早「…私が行きます」
フクジ「うむ、分かった」
千早「…如月千早です、よろしくお願いします」
フクジ「…よろしく、如月君」
千早「…ゴローニャ!」
フクジ「ワタッコ!」
シュパアァアン!シュパアァアン!
春香「いい!?」
雪歩「い、いきなり苦手なタイプを…!?」
フクジ「…」
フクジ「…ワタッコ、くさむすび!」
春香「こんなの絶対耐えられ…」
春香「…!?」
雪歩「こ、これは…!」
フクジ「…やはり、な」
千早「…私が上手く立ち回れば、がんじょうであるゴローニャは自分の役割を確実に遂行してくれるわ」
ゴローニャ「…フンッ」ギロッ
千早「ロックブラスト!ゴローニャ!」
ゴローニャ「…グオオオッ!」
ボコン!ボコン!ボコン!
ワタッコ「~;;」
フクジ「ワタッコ、戻れ!」
フクジ「ゴーゴート!」
シュパアァアン!
フクジ「ゴーゴート!くさむすび!」
千早「…お疲れ様、ゴローニャ!」
千早「オオスバメ!」
シュパアァアン!
フクジ「とっしん!」
千早「…オオスバメ!つばさでうつ!」
………
……
…
千早「…ありがとうございました」
フクジ「これは素晴らしい…実に無駄のない勝ち方じゃ」
千早「…いえ…私には、もう少し上手くやりようがあったように思えます」
フクジ「ほう?それはどうして」
千早「…分かりません、自分でもうまく言えないんです…」
フクジ「ふむ…」
フクジ「…そう焦るでない、如月君」
フクジ「園芸と一緒じゃ、わしらは数年後、数十年後を見越しながら庭を造っていく、ポケモンも同じじゃよ」
千早「そうですか…」
フクジ「そういうことだね、君なら答えはきっとわかるはずだよ」
千早「はい…」
千早(答え…か…)
フクジ「…さてさて」
雪歩「…あ、あの…」
フクジ「雪歩ちゃん、いや…萩原君」
雪歩「フ、フクジさん!よろしくお願いしますぅ!」
フクジ「…うむ、さあ、始めようかね!」
雪歩「…はい!」
フクジ「ワタッコ!」
雪歩「テールナーさん!」
シュパアァアン!シュパアァアン!
フクジ「ワタッコ、やどりぎのたね!」
雪歩「テールナーさん、ほのおのうず!」
フクジ「…ワタッコ!アクロバット!」
雪歩「もう一度ほのおのうず!」
雪歩(は、早い…!分かっているつもりだったけど、いざ相手にしてみると…!)
雪歩(それに、アクロバットの威力、1/3ぐらい体力を削られる…)
雪歩(…まだギリギリ耐えられる!)
雪歩「テールナーさん!ひかりのかべ!」
フクジ「もう一度アクロバット!」
雪歩(…やどりぎを含めてギリギリ耐えられた!)
フクジ「とどめのアクロバット!」
雪歩「テールナーさん!ホルードさんに交替ですぅ!」
シュパアァアン!
ホルード「…フンッ」
フクジ「ワタッコ!くさむすび!」
雪歩「そして、キバゴさん!ホルードさんと交替です!」
シュパアァアン!
キバゴ「…ガー!」
シュルッ…バチン!
キバゴ「…」フンッ
フクジ「ほう!?」
真「ひかりのかべ、ドラゴンタイプ、そして軽いキバゴ!」
千早「なるほど、ホルードを仲介させることで相手のくさむすびを誘い、キバゴをほぼ無償で降臨させた!」
春香「う、上手い…!」
フクジ「ワタッコ!アクロバット!」
雪歩「キバゴさん!りゅうのまいです!」
ブンブンブンブン!バシュゥッ!
フクジ「全抜きを狙うつもりかっ!」
雪歩「キバゴさん!すごいきずぐすりです!」
フクジ「ワタッコ!やどりぎのたね!」
雪歩「もういちどりゅうのまい!」
春香「2回目!?」
千早「これでキバゴの攻撃力は2倍…」
真「…」
フクジ「アクロバット!」
雪歩「今ならキバゴさんの方が速い…!キバゴさん、ダブルチョップ!」
フクジ「…これだけ追い込めば上等!行けっ!ゴーゴート!」
シュパアァアン!
雪歩「もう一度ダブルチョップですぅ!」
キバゴ「…!?」
ゴーゴート「…」ギロッ
雪歩「…た、耐えた…!?」
春香「2、2回りゅうのまいをしたのに!?」
真「…ドラゴンタイプは大器晩成型が多い…さすがに2回積んでも元が低ければ…」
千早「それに、ゴーゴートの体力は恐ろしく高いわ、けど…」
フクジ「止められんかっ!じならし!」
雪歩「素早さが…!ダブルチョップ!」
雪歩「ええっ!?」
真「ここで外すか…!」
千早「…2回攻撃のメリットはおおきい、けど、命中率90はいつか外れる…!」
フクジ「すごいきずぐすりじゃ!」
雪歩(うっ…ゴーゴートが体力を…!)
雪歩(ここは回復を…!)
雪歩「キバゴさん!すごいきずぐすり!」
フクジ「じならしじゃ!ゴーゴート!」
雪歩「っ…!」
春香「これで素早さが元に…!」
フクジ「もう一度じならし!」
雪歩「あ…う…」
フクジ(…?どうした…?)
春香「…ゆ、雪歩…?」
雪歩「ど、どうしよう…」
春香「え…?」
真「りゅうのまいは強力な技、1回舞うのを許せば下手すれば全抜きされるかもしれないほど…だからこそ雪歩は今、どうしていいのかわからなくなっているんだ…」
千早「萩原さん…考えて…!状況はあなたが思っているよりも悪くないわ…!」
雪歩(うう…全然集中できない…)
雪歩(それにまたダブルチョップが外れたら…)
雪歩(や、やっぱり、私なんてダメダメで…)
フクジ「…全く、しっかりせんかね萩原君」
雪歩「…で、でも…」
フクジ「キバゴをよく見るんじゃ、キバゴは君の指示を待っとるではないか」
雪歩「…!」
真一『…雪歩ちゃん!フォッコを見るんだ!』
雪歩『フォ、フォッコさん…』
雪歩『…!』
フォッコ『フォ、フォコー!』
真一『フォッコは指示を待っているんだ!トレーナーの君の指示をだ!』
真一『君は、フォッコを裏切るのか…!』
雪歩「ま、また…」
雪歩「また同じこと…してしまうとこだった…」
雪歩「…」スゥ…
雪歩「キバゴさん!ダブルチョップ!」キッ
春香「…ふう、平常心、取り戻したみたいだね」ホッ
真「そうだね…」
千早「…頑張って、萩原さん…!」
雪歩(素早さは下がっていても、攻撃力は下がっていない…!)
雪歩(次でゴーゴートは落とせる!なら…!)
フクジ「じならし!」
雪歩「…耐えてください!キバゴさん!」
キバゴ「ガー!」
雪歩「キバゴさん!ダブルチョップ!」
雪歩(…今なら、キバゴさんは絶対当ててくれるって、分かる…!)
フクジ「良くやったゴーゴート!」
フクジ「…行け!ウツドン!」
シュパアァアン!
フクジ「ウツドン!ようかいえき!」
雪歩「…キバゴさん、戻って!テールナーさん!交替ですぅ!」
シュパアァアン!
雪歩「テールナーさん!サイコショック!」
真「…おお!?」
千早「…使いどころは選ぶものの強力な技ね…」
春香「サイコキネシスなら知ってるけど…」
千早「春香は特殊防御と物理防御は知ってるわね?」
春香「うん…」
千早「サイコショックは特殊攻撃、だけど、与えるダメージは相手の物理防御に依存するの」
春香「いい!?」
千早「例えば…ハピナスは非常に高いHPと特殊防御で有名よ、反面、物理防御はとてつもなく低いわ…キャタピーよりも低い程よ」
千早「その特殊耐久は、非常に高い特殊攻撃力が特徴のフーディンでさえ、サイコキネシスならば倒すには何発必要か…」
春香「けど、サイコショックだったら…」
千早「容易に落とせるでしょうね。とはいえ、威力はサイコキネシスよりも低い80、更には相手が物理防御が高く特殊防御が低いポケモン、例えばパルシェンのようなポケモンだったらサイコキネシスでは一撃で落とせていたのに…なんてこともありうるわ」
春香「ふーん…」
春香(あれ?じゃあ、特殊攻撃が得意なポケモンだからって、特殊防御が高いポケモンを繰り出しても、相手がサイコショックを覚えていたらやられちゃうってことか…要注意だなあ…)
フクジ「ほう…」
フクジ「ウツドン、ようかいえき!」
雪歩「とどめのサイコショックですぅ!」
フクジ「お疲れ様、ウツドン…」
フクジ「これで心配ないようじゃな、萩原君」
雪歩「は…はい…!ありがとうございました…!!」
フクジ「ポケモンとの絆が最後には物を言うと私は思う。もっとも、ポケモンとの絆は慌てず、騒がず、じっくりとな。楽しかったよ、みんな、おめでとう!」
春香(慌てず、騒がず、じっくりと、か…)
一同「はい!!」
ポケモンとの友情…か…良い事言いますね、フクジさんは…
今晩はポケモンと一緒にご飯を食べようかな?
いつもポケモンフードばかりじゃ嫌ですよね、あれ?それじゃあ一体何人分ご飯を作ればいいんでしょうか、ま、皆にも協力してもらえばいいですよね。
そんなこんなで次のジムはミアレシティジム、帰ってまいりました!大都会!その前に砂漠を横断しないといけませんが、広いし、砂埃と風でちょっと大変そう…
ところで秘伝マシンそらを飛ぶですがこの後フクジさんからくさむすびとセットでもらったので、いつでも家に戻ることが出来ます。が、家に戻って感傷に浸るのは旅の後って考えてるのでまだ戻るつもりはありません。
さてと、皆を買い物に誘おうっと!
今日の分はこれで終わりです。ありがとうございました。
ペースはこのような感じで1週間~2週間に1度程度を目安にお考えください。
保守ですが、スレの下降速度とも相談かなとは思っていたものの、無くても問題なさそうですね。
流石に落ちそうでしたら上げますが…
おつ
おつー
春香「…もう疲れた…」ゲッソリ
千早「…もう少しよ、頑張って…」
雪歩「…」トボトボ
真「…くそっ…風に吹かれるってのが、こんなにきつかったなんて…」
私たちは今、ミアレの荒野を歩いています…
風が強くしっかり踏んばらないとまともに歩けません、砂埃から身を守るため茶色のローブを羽織っているのと疲労もあり、私たちははたから見ればミイラの行進ってところでしょうか。
そして当然ですが、こんなところにも野生のポケモンは居るのです…
雪歩「あ、ありじごく~!?」
千早「萩原さん!飛行タイプか特性ふゆうじゃないと逃げられないわ!」
雪歩「こ、こうなったら、捕まえます~!!」
雪歩「ホルードさん!にどげり!」
春香「アーケンを先頭にしとこっと…」
真「その方が良いかも…ボクはファイアローっと…」
千早「ダグトリオは体力が低いからそんなに気負わなくても良いわよ」
雪歩「はぁ…はぁ…久しぶりに野生のポケモンとの戦闘だから…」
ダグトリオ「…;;」
雪歩「ハイパーボール!」
パヒュゥゥン!
テン…テン…テン…
カチッ
雪歩「…ふぅ、ダグトリオさん、ゲットですぅ」
真「結構愛嬌あるよね、ダグトリオ」
春香「ピョコピョコ可愛いよね。ボールから出して見せてよ」
雪歩「はい、ダグトリオさん!」
シュパアアン!
ダグトリオ「…」
雪歩「…よしよし、さっきはちょっとゴメンね…」
千早「確かに。結構可愛いわね…」
春香(でも…)
春香(…)ジーッ
真「う~ん…」
春香「…あれ、真も同じこと考えてる?」
真「…え?」
春香「いやさ…」ヒソヒソ
真「…あ、春香も?だって、ねえ…」
千早(…?)
春香「…ねえ雪歩」
雪歩「はい?」
春香「ポケモンフード、ダグトリオにあげてもいい?」
雪歩「うん」
春香「よしきた、はい!」
ダグトリオ「!」
シュッ
…ピョコ
ダグトリオ「…」ジーッ
春香「ポケモンフード!ご飯ですよ、ご飯!」
ダグトリオ「…」
ダグトリオ「!」モグモグ
春香「よしよし」
春香「はい」
ニョキ
ダグトリオ「♪」モグモグ
春香「ほれ、さらにもう一つ」
雪歩「…ちょっと高くない?」
春香「良いの良いの」
真「そうそう」
千早「…」
ダグトリオ「…;;」
ニョキッ
ダグトリオ「!」パクッ
ダグトリオ「♪」
春香「美味しい?もう一個欲しい?」チラッ
ダグトリオ「!」コクコク
春香「じゃあ、あげるね!」
ダグトリオ「♪」
春香「…あーげた!」ヒョイ
ダグトリオ「…!?」ガーン
雪歩「ええ~!?」
千早「…」
雪歩「か、可哀想だよ~」アセアセ
真「…さて…どうくる…?」
春香「頑張れ!出来る出来る!絶対出来るって!」
ダグトリオ「…;;」
ダグトリオ「…」ショボン
春香「諦めるなよ!何で諦めるんだよそこで!」
千早「くだらないことしてないで行くわよ」
春香「ええ!?良いところだったのに!?」
真「千早はダグトリオの下は気にならないのか!?」
千早「気にならないわ」
春香「むむむ…ならばこのありじごくに手を突っ込むしか無いのか…!」
真「素手なんか突っ込んでみろ、ただじゃすまないぞ…」
ダグトリオ「!?」
雪歩「可哀想な事しないで~!」
亜美「…おや?あれは?」
真美「…旅のトレーナーかな…」
千早「この岩陰で休憩しましょう」
真「…うわ…髪の中までザリザリ…」
春香「…なんか変な土だね…」
雪歩「…赤土だね、だから植物が育ちにくいの、それにここ、乾燥してるみたいだし…」
春香「土の事は何でも知ってるね…」
雪歩「気のせいか手持ちに地面タイプが二匹…」
真「…あれ?」
千早「…人?」
春香「…ホントだ」
雪歩「…何だろう?」
亜美「うぅ…」
真美「しっかりしてよ、亜美~!」
亜美「うう…私はもうだめよ…ノクタスのエサになる前に真美は逃げて…」
真美「そんなのやだよ~っていうか、ノクタスここいなじゃん」
亜美「ありゃ?まあいいや」
春香「…あの子達、もしかして、怪我してるかも!」
真「…おーい!取り敢えずこっちだ!」
雪歩「大丈夫ですか~!?」
千早「…双子の女の子…!?」
………
……
…
亜美「ふう、一休みしたら元気になりました」
真美「良かったね、亜美」
真「それは良かったよ、ところで何してたの?」
亜美「家がミアレにあって、私たちちょっとお散歩に行こうとしたら迷っちゃって…」
真美「荒野には行くなって言われてたんだけど…」
春香「…ちゃんと準備しないとダメだよ、楽しい旅もちゃんと準備してるから楽しいんだよ」
亜美・真美「ごめんなさ~い…」
雪歩「春香ちゃんもたまには良い事言うね」
春香「えへへ…って、たまにはって何!?」
雪歩「さっきのダグトリオさんの仕返しだもん」
春香「あはは…ごめんごめん…あ、そうだ!どうせならお昼ごはんも一緒に食べる?」
真「良いね!千早が作ってくれたサンドイッチがあるよ」
亜美「いいんですか!?ありがとうございます!」
真美「色々すみません…」
雪歩「良いって、困ったときはお互い様ですぅ」
雪歩(双子かぁ…どっちがどっちか分からなくなるなぁ…)
雪歩(…小さい双子…?うーん…なんだろう…この胸のもやもやは…)
雪歩(…まあいっか…)
………
……
…
亜美「…ごちそうさまでした!」
真美「…美味しかったです!」
千早「喜んでくれてありがとう…っていっても、切って挟むだけだけど」
春香「そんなことないよ、美味しかったよ、千早ちゃん」
千早「もう、春香ってば…」
真「ははは、えーと…ミアレはあっち方面か…どう?歩けそう?」
亜美「おかげさまで…」
真美「はい、大丈夫です」
千早「もう少し休んでから行かないかしら?」
春香「さんせーい」
亜美「…」チラッ
真美「…皆さん、旅をしているって事は、ポケモントレーナーなんですか?」
春香「そうだよ!私は天海春香!」
亜美「あ、でしたら、私たちとポケモン勝負しませんか!?」
真美「亜美、いきなり失礼だよ…」
亜美「え~、でも…亜美、久しぶりに勝負したいよ~」
春香「いいよ、別にさ」
真美「ええ!?すみません…」
亜美「せっかくだし真美も一緒にやろうよ~」
春香「うん、ダブルバトルっていうのかな…?私初めてだけど…」
春香「誰か一緒にしない?」
真「パスでー、あー結構食べたな…」
雪歩「私も今回は見ていよっかな」
千早「私も見てるわ、ふわぁ…」
春香「えー…だったら出来ないじゃん…」
真「春香が一度にポケモン二匹繰り出せば大丈夫だよ」
春香「あ、そうか、その手があった」
亜美「よろしくお願いします!」
真美「よろしくお願いします!」
春香「亜美ちゃんと…真美ちゃんでいいのかな?」
亜美「はい!」
春香「えへへ、よろしくね」
亜美「…あっ、春香さん」
春香「どうしたの?」
亜美「…もし私たちが勝ったら、一つだけお願い聞いてもらっても良いですか?」
春香「うん、良いよ」
亜美「では、行きま~す!」
真美「行きます!」
春香「…よし!いっけー!モココ!シシコちゃん!」
シュパアアン!シュパアアン!
春香(ま、かる~く…)
亜美「いけー!カバルドン!」
シュパアアン!
真美「いけー!ガバイト!」
シュパアアン!
千早「…!?」
真「なっ…!?」
雪歩「こ、これって…!」
春香「えええっ!?」
春香「…っ、ポケモン図鑑!」
春香「カバルドン…ガバイト…!?」
亜美「んっふっふ~!」
真美「亜美、行くよ!」
春香「っ…砂嵐…!?」
真「カバルドンの砂起こしだ!」
千早「砂パ…この子達…!?」
雪歩「…!!」
雪歩「思い出しました!この双子さん、フクジさんが…!」
千早「っ…相当手ごわいって事ね…」
春香「そ、そんな~!」
春香(…で、でも!相手のガバイトはニンフィアで倒せる!
春香(恐らくカバルドンは地面技でモココを攻撃してくる!)
春香(…ここは!)
春香「ニンフィア!ガバイトにドレインキッス!モココ、交替!いけっ!アーケン!」
亜美「カバルドン、モココの次に出てくるポケモンにストーンエッジ!」
真美「ガバイト!ニンフィアにアイアンヘッド!」
春香「…!?」
真「ア、アイアンヘッド!?しかもアーケンに交替読みでエッジを!」
千早「遺伝技を覚えさせている…!?」
ニンフィア「…!?」
ガバイト「…」ニヤッ
バゴン!
春香「ニンフィア!?戻って!」
亜美「へー、レベル差あったらガバイトでも確一取れるんだ」
真美「打倒フェアリー!ガブのアイヘとどくづきは基本っしょー?まだガブじゃないけど」
シュパアアン!
アーケン「…!?」
ザシュッ!
春香「ああ…アーケン…」
真美「…ガバイト!次はつめとぎ!」
千早「つめとぎ…?」
真「…つるぎのまいじゃないのか?」
真美「…2人とも名前、なんて言うの?」
千早「私?千早だけど…」
真「ボクは真だよ」
真美「千早お姉ちゃんとまこちんはポケモン詳しそうだね」
千早「はあ…」
真「まこちんってなんだよ…つーか口調変わってるし、さては猫被ってたな…」
真美「ガバイトって実はガブリアスにならないとつるぎのまい覚えないんだよね…」
千早「あら、そうなの」
真「へえ」
春香「そうなのじゃなくて!?私何にもしてないのに2匹倒されたよ!?」
亜美「ま、つめとぎも良いじゃん、ドラゴンダイブ当たるようになるし」
真美「ちょっと技言わないでよ~」
真「っていうか、暫定的につめとぎならドラゴンダイブじゃなくてげきりんじゃないのか…?」
亜美「ちっちっち!この双海真美、ガブを語らせたなら右に出るものはいませんぞ!」
真美「ダブルは経験無いのかな~?ダブルじゃげきりんだとどっちに当たるか分からなくなるんだよ~、だから普通はドラゴンクロー!威力は低いけどタイプ一致技な上に通りは良いからね~」
真美「ただし今回はドラゴンダイブをチョイス、せっかく命中上がるんだし、威力は上で追加効果も優秀だしね」
真美「ポテンシャルは高いから、げきりんの使い勝手の悪さや、じしんの威力減衰もなんのその!ダブルでも活躍しちゃうよ~!」
千早「なるほど…」
真「シングルとじゃ全然違うな…」
雪歩「感心してる場合じゃないんじゃ…」
春香「っ…ゲコガシラ!シシコちゃん!」
シュパアアン!シュパアアン!
春香「ゲコガシラ!なみのり!シシコちゃん!とっしん!」
亜美「カバルドン!交替!ナットレイ!」
春香「いい!?」
バッシャーン!
シシコ「!?」
春香「えええ~!?シシコちゃん!?」
真「なみのりは味方も巻き込むんだよ!」
千早「くっ…これはいくらなんでもポケモンとトレーナー両方の実力が違いすぎる…!」
春香「こ、降参だよ~…戻って…シシコちゃん、ゲコガシラ…」
亜美「対戦ありがとうございました~!なんちて!」
真美「さ~て、はるるん!」
春香「は、はるるんって私~!?」
亜美「もちのろん!約束は覚えてるよね!?」
真美「ね!?」
春香「は、はい…なんなりと…」
亜美「何にしよっかな…」
真美「1個しかないし~…うーん…」
春香(はは…1個だけってあたり、可愛いじゃない…)
亜美「じゃあねー、亜美と真美の言うことを全部聞いて!っていうお願い!」
春香「…はい?」
真「ははは!そりゃいい!ケッサクだよ!」
雪歩「そ、そんな手があったなんて…ふふふ…」
千早「ちょ、ちょっと、可哀想でしょ…くく…」
春香「ちょっと!?何それ!?聞いてないよ!?」
亜美「えー!?」
真美「そんなの無しだよー!」
春香「だって!そんなのねえ!詐欺まがいじゃない!」
亜美「詐欺じゃないもん、ちゃんと言ったもーん」
真美「しっかり覚えてるし!」
春香「口約束なんかあてにならないわよ!全部紙で出すの!大人は!」
真美「げげー…」
亜美「マジで…」
春香「責任者を出せ!」
真「責任者って何だよ」
千早「争いは同じレベルでしか発生しない…」
雪歩「どっちが高いのか低いのか…」
春香「…ちょ、ちょっと、誰よ私のレベルが低いって言った人は」
真「言ってない言ってない」
雪歩「そうそう」
千早「自覚の顕れよ、春香」
春香「うぐっ…千早ちゃんの言葉が刺さる…」
春香「…まあ、流石にそれは聞けないけど、一回だけなら言う事聞いてもいいよ」
亜美「う~ん、しょうがないなあ…」
真美「副長官、外交とはお互いの妥協点を見出す仕事さ…」
亜美「そうだな大尉…」
春香「全部突っ込んでたらキリがない…」
………
……
…
真「…と、いうわけで」
雪歩「春香ちゃん…」
千早「…可哀想な博士」
春香「…あ、あんまり失礼な事しないでよ…あと壊さないでね…」
真美「じゃあ~、次!『ガブリアス検定公式問題集2級相当』より!ガブリアスのげきりんの遺伝で最も楽な経路は!?」
プラターヌ博士「え、ええ!?」
亜美「ねえねえもっとポケモン連れてきてよ~!」
プラターヌ博士「そ、それは…そりゃあ研究所には巨大な施設があってそこには…あ、しまった…!」
亜美「いいじゃん!連れてきてよ!」
真美「何それ!全部じゃあお願い!」
春香「こ、こら~!むちゃくちゃ言わないの~!」
亜美「わ~!はるるんがおかんむりだ!」
真美「いけにえじゃー!いけにえが必要じゃー!」
真「しかしさっきまでは死にかけてたのに…」
亜美「あれは演技だよ~、まこちん」
真「何!?」
真美「オスカル賞?ラスカル賞?まあいいや、迫真の演技だったね~」
千早「オスカー賞でしょ…」
雪歩「き、規格外の双子ですぅ…」
プラターヌ博士「まあ大丈夫だよ、ちょっと暇だったしね」
春香「すみません…」
プラターヌ博士「そういや2人は旅はしていないんだってね」
亜美「そうそう、だからミアレから街に行って、バッジをゲットして帰ってるの」
真美「真美たちも早く旅に出たいな~」
春香「バッジをゲットしたんなら旅に行かなくても…」
プラターヌ博士「いいや、旅はバッジをゲットするだけじゃないって事は、春香ちゃんがよーく知ってるんじゃないかな?」
春香「…!」
春香「そうですね…」
プラターヌ博士「そう、旅は良いぞ!私も何年か前はカロスの外にも行ったものだ!その経験が今の私を作っていると言っても過言ではないかな」
プラターヌ博士「亜美ちゃんと真美ちゃん、だね、2人とも旅の先輩である春香ちゃん達に色んな事を聞くと良いぞ、日帰りだっていいじゃないか、これも旅さ」
亜美「おお~!」
真美「ありがとう!兄ちゃん!」
春香「こ、これが大人ってやつか…!」
千早「ええ…」
真「…だね」
雪歩「亜美ちゃんと真美ちゃんをあっさり手懐けましたぁ…」
亜美「ねえねえはるるん!色々お話聞かせてよ!」
真美「うんうん!」
春香「よ~し!じゃあね…まずは私たちが最初にポケモンを選んだ時の話!」
………
……
…
亜美「…ここ!亜美たちの家!」
春香「良いな~、大都会ミアレにお家があるなんて…」
亜美真美ママ「…あら、この方々は…」
亜美「旅の道連れ」
真美「そう」
亜美真美ママ「道連れって…ごめんなさいね、意味も分からずに言っているのよ…」
春香「いえいえ…では、私たちはこの辺で…」
亜美「ええ!?はるるん達泊まっていかないの!?」
真美「そうだよ~!一緒に泊まると思ってたから紹介したのに~」
春香「ええ!?」
真「そ、それは迷惑なんじゃ…」
雪歩「私たち、博士の研所に泊まれますし…」
千早「私たちの事は大丈夫です」
亜美真美ママ「…もしよろしければどうですか?私たちは迷惑ではないですよ」
亜美「さっすがー!ねえ、いいじゃん~」
真美「ここは大船に乗ったつもりで!どーんと!」
春香「…どうする?」
真「…甘えちゃおっか」
亜美「はい!決定!」
真美「わ~い!お泊り会だ~!」
千早「…すみません、お世話になります」
雪歩「ご、ご迷惑はおかけしません!」
亜美真美ママ「良いのよ、あの子たちがうるさいでしょうけど…子守は疲れたでしょう?」
春香「いえいえ、色々楽しかったですよ!それにしても、ポケモン強いんですね…」
亜美真美ママ「好奇心が強いみたいで、特にポケモンの事になると食事もほったらかして熱中するんですよ」
春香「はは…どおりで…」
研究所でもどちらでも良かったのですが…せっかくですし亜美と真美のお家にお邪魔することにしました。
2人とも元気な双子で、ちょっとおませさんなところや、いたずら好き、そんなところも魅力な双子なんです、私たちの事を慕ってくれるのでちょっぴりお姉さんになった気分。
ポケモンバトルの実力は非常に高く、私どころか雪歩、そして真や千早ちゃんまでもが熱心に2人のポケモン講義(?)に耳を傾けていました。
明日はミアレシティを散策です、そういえば前に来た時はサウスサイドしかまわってなかったので、今回はこっち、ノースサイドを探索です。
亜美「ここが美術館だよ」
真美「あんまり興味ないから行かないけどね」
春香「うわあ…凄い大きいな…」
真「うん…さすが大都会…」
雪歩「はい…」
千早「確かに凄そうね…」
亜美「ふ~ん、いつも見慣れてるし別に何とも思わないけど」
真美「そうそう、他にも面白いところはいっぱいあるよ~」
春香「面白いところって?」
亜美「例えば…」
真美「…あそこ、良いんじゃない?ちと遠いけど」
亜美「…ああ、ナイスアイディ~ア!」
………
……
…
春香「…」
千早「…」
真「…」
雪歩「…」
亜美「着いたよー」
真美「う~ん、いつみても…」
春香「…何ここ?」
亜美「カフェ」
春香「カフェって…なんでよりによってこんなとこなの?」
真美「普通のカフェより楽しいよ~」
春香「はぁ…」
春香(…まあ中に入ってみるか…)ガチャ
春香「…」
芸人「へいらっしゃい!」
???「zzz…」
マスター「ラーメン屋じゃないんだから」
芸人「まあまあ」
芸人「あ、どうです?世にも珍しい、いくらゆすっても起きない女の子!」ユサユサ
???「zzz…」
春香「はあ…」
春香(…金髪の女の子か…)
芸人「あ、珍しいと思いました?でしたらおひねりください!」
春香「いや、投げやりすぎでしょ」
芸人「やっぱりだめか…」
真「ここは…」
マスター「…カフェ・ツイスターさ」
マスター「ほう、久しぶりだね、亜美ちゃん、真美ちゃん」
亜美「どうも~」
真美「ご無沙汰~」
亜美「あれ?この寝てる人新人さん?」
マスター「いや、今朝ふらっと来たっきり何も頼まずこれさ」
亜美「ふ~ん、って、朝から?もうお昼すぎてるのに」
マスター「うん、夜になっても起きなかったらどうしよう」
真美「…マスターがえっちい事考えてる~」
亜美「うわ~!マスターのすけべ~!」
マスター「一言もそんなこと言ってないからね?」
マスター「…あ」
???「…ん…あふぅ…」
???「…?」
春香「…起きた」
亜美「おそよう!」
真美「寝すぎだよ~」
???「…???」
真美「…はい?」
亜美「カロス語でおk」
マスター「???????」
???「????、??????」
マスター「…この人カントー語圏の人だね、ミキって言うんだって」
春香(カントー語…!?)
亜美「ええ~!?マスターカントー語喋れたの~!?」
真美「グローバル~!」
マスター「ミアレは観光客が多いからね、特にここは喋れてなんぼだから」
ミキ「?????なの…あふぅ」
マスター「よろしくだってさ」
春香「よ、よろしく…」
千早「…ええ、こちらこそ」
真「…よろしく」
雪歩「はい…」
春香「…ねえ…」
千早「…やっぱり、そうなの?春香…」
春香「いや…はっきりとしたことは分からないけど…」
マスター「…?」
亜美「どちたの?」
真美「何の話ー?」
春香(…ミ…キ…)
ミキ「…」
カントー語を話す、金髪の女の子、ミキ。
たかねさんもカントー語圏の出身、そしてライコウと女の子を追いかけている…これはただの偶然か、それとも…
私たちの言葉が分からなくても、雰囲気を察してか体をまっすぐにこちらに向けるミキ。
緑色の吸い込まれそうな大きな瞳を、私は見つめ返す事しかできませんでした…
今日の分は以上です、ありがとうございました。
ペースダウンが激しいですが、時間を作って書いていきたいです。
おつ
ダグトリオいじりワロタ
乙
生存報告&保守です。連休があるので進めたいですね…現在は半分程でしょうか。
楽しみにしてる
舞ってる
春香「…」ゴクリ
ミキ「…???」
マスター「何?だとさ。どうしたんだ?君たち…」
春香「えっと…」
千早「…いざ、外国の人と対面してみると、どう反応していいか分かりませんね」
春香(…千早ちゃん!ナイス!)
真「あ、ああ…特にボクたちはアサメタウンから来ましたから…ミアレの人は慣れてるんでしょうけど…」
マスター「????」
ミキ「?????、????」
マスター「まあ、確かに言われてみりゃそうかもなあ」
マスター「…????、?????」
ミキ「????、??」
マスター「どうだい、この子とミアレの街を散策してみないか?」
春香「え?」
真美「良いじゃん!案内するよ~」
亜美「うんうん!」
ミキ「!」
春香「は、はい!良いですよ!私たちもミアレを遊んでみたいので!」
雪歩「そ、そうですぅ!」
亜美「あ…でも、言葉が通じないよ…」
真美「ここはボデーランゲージっしょ!」
マスター「????」
ミキ「???????」
マスター「言葉は分からないけど、別に良いよだとさ」
春香「…よろしくね、ミキ!」
ミキ「…ヨォシクネ!」
春香「よ、ろ」
ミキ「ヨ、ロ…」
ミキ「よろ…し、くね…なの」
春香「…なの?」
ミキ「なの」
マスター「訛りかなあ?カントー語は地域で全然違うから…」
春香「はあ、そうなんですか」
ミキ「????」タッタッタッ
亜美「あ、待って~ミキミキ~」
真美「だって、この街の事知らないんでしょ~?」
ミキ「…みきみき?」
亜美「ミキだから、ミキミキ!」
真美「良いじゃん、ミキミキ」
ミキ「みきみき…」
ミキ「フフ!?????!」クスクス
ミキ「アー…?????、??」
亜美「…?」
ミキ「あ、み…?」
亜美「うん!亜美!」
真美「真美!」
真「真!」
雪歩「ゆ、雪歩…ですぅ…」
千早「…千早、よ」
春香「春香!」
ミキ「…???、よろしく、なの」
千早「…上手く一緒に行動することが出来たわね」
春香「うん…」
春香(さて…どうするかなあ…)
亜美「…ミキミキ、服が欲しいの?」
ミキ「…」
真美「まあ…確かにその恰好はちょっと…」
千早(…そういえば、だいぶ服が傷んでるわね…やっぱり、各地を点々としているからかしら…)
春香「私たちの服、貸そうか?」
ミキ「?」
春香「こっち来て!」
亜美「一旦家に戻る?」
真美「だってそうしないとはるるんの荷物が無いじゃん」
………
……
…
ミキ「…♪」
春香「…」ジーッ
真「14歳でこれか…」ボソッ
雪歩「…真ちゃん?」キッ
真「え?」
雪歩「…何でもないですぅ」ツン
真(ゆ、雪歩は何をピリピリしてるんだ…?むしろボクより余裕あるだろ…)
千早「…くっ!」
春香「…千早ちゃん?」
千早「い、いや…」ゲフンゲフン
亜美「そういや旅って言っても、ミキミキ全然荷物も持ってないし、変なの~」
真美「身ぐるみはがされちゃったとか?」
亜美「ええ…ミキミキだったら、それやばい奴だよ…」
真美「ナイスバディですからなあ…ん…?」
真美「…あ、ミキミキ!ボール、ポケットに忘れて…」
ミキ「…!」パッ
真美「うわっち!もう~急にどしたの~?」
ミキ「…????」
春香(…目つきが変わった…?)
春香(…!やっぱり、ボールに入ってるのって…ライコウ…!?)
真美「ゴメンゴメン、別に取ったりしないよ」
ミキ「…」
亜美「早く行こうよ~、日がくれちゃうよ~」
春香「ああ…そうだね」
………
……
…
亜美「じゃあ、皆様の今後の発展を祝いまして…」
真美「いっただきまーす!」
皆「いただきます!」
亜美真美パパ「一体どこで覚えてくるんだ…」ゲッソリ
春香「あはは…た、楽しいですよ!」
ミキ「…いたたてぃます?」
春香「い、た、だ、き、ま、す、だよ」
ミキ「い、た、だ、き、ます、なの」
春香「うん、そうそう。なの」
ミキ「あは、???????!」
春香「うん、全然何言ってるかわかんない」
春香「…美味しい?」
ミキ「????」モグモグゴックン
ミキ「????!」ニコニコ
真「多分喜んでるんだろうね」
亜美「ねー、ジョウト語話せないのー?」
真美「ねーねー」
亜美真美パパ「うーん、高校の時の友達は外語大に行ったから知ってるだろうけど…お父さんは、ほら、お医者さんの大学行ったから」
亜美「そっかー」
真美「真美はポケモンの学校行きたいなー」
亜美「亜美もー」
春香「千早ちゃんはポケモンスクール通ってたんだよね」
千早「ええ、でも二人ぐらいならスクールで教えてもらう事は殆ど無いと思うわ」
亜美「そうかな?」
真美「でもまだ四天王倒してないし、正直自分らはまだまだですわ」
亜美「そうですわなあ、もうちっと実力付けてから挑みたいねえ」
亜美真美パパ「何ナマ言ってんの」
春香「私たちよりも先に倒しそうだね…」
千早「感心していないで頑張るのよ、春香」
春香「そ、そうだよね!」
亜美真美ママ「…あら、春香ちゃんの髪飾りのそれ、ミロカロスの鱗かしら?綺麗ね」
春香「え?」
真「ああ、たかねさんに貰ったとか…」
亜美真美パパ「…うん、確かにミロカロスの鱗みたいだね」
ミキ「…」
春香「鱗ですか?」
亜美真美ママ「そうよ~、結構値段するのよ、その人はミロカロスのトレーナーなのね、たぶん」
春香「はあ…これを渡されたとき、何かあればすぐに駆けつけるって…」
亜美「ミロカロスは不思議な力とか持ってるんだよ、きっと」
真美「カゴの実とか持ってるんだよ、きっと」
亜美「とつげきチョッキかも」
真美「あー面倒、電気や草の物理とかあんまり居ないし」
亜美「そこでのろいナットレイですよ」
亜美真美パパ「本当にポケモンが好きだなあ」
真美「まあね~、それと対戦も好きだけど、遊ぶのも好きだよ」
亜美「ねえ~、ミキミキのポケモンはなんのポケモンなのー?」
ミキ「?」
亜美「明日マスターのところに行って聞いてもらおうよ~」
真美「あ、それさんせー」
春香(…マズい事になりそうな気がする)
………
……
…
律子「…え、ライコウのトレーナーらしき人を見つけた?」
律子「しかも今は皆と川の字で寝てる~!?」
春香「ど、どうしましょう…」
律子「どうしましょうもこうしましょうも、今すぐそっちに行くわ」
春香「あ、そ、それは待ってください!」
律子「…どうしてよ」
春香「その…なんていうか…だって、ライコウのトレーナーは各地を転々としてるだけじゃないんですか?」
春香「だったら、レッドフードとの関わりも考えにくいし…そんな事情聴取みたいなこと…」
律子「あのね、無かったら無かったで別にいいのよ、それを確かめるために聞くんじゃない」
春香「う~ん…」
春香「あ、そうです、私たちは今、その子と仲良くなってるんですけど、だったらこのままの関係の方が色々と都合がいいんじゃないんですか?」
律子「…つまり、あなたたちに警戒心が無くなった頃を見計らって聞くっていう事?」
春香「え、ま、まあそういう感じで…」
律子「…まあ、だったら上手くやってちょうだい。もう聞いていると思うけど、正直今はレッドフードの件の方が優先順位は上だから」
春香「は、はい、頑張ってください!」
春香(ふぅ…なんとかミキが律子さんに連れていかれる事は防げたけど…)
春香(…単に情が移ったとか、そんな理由じゃ律子さん絶対納得しないよね…もしかしたらもう感づかれてるかも…)
春香(悪い子じゃなさそうだし、むしろ追われている身なのかな…)
春香(たかねさんも理由を教えてくれればいいのに、はあ…)
春香(明日はジム戦と、それに備えて特訓か…頑張ろう)
………
……
…
亜美「野生のポケモン倒すのも良いけど…」
真美「やっぱトレーナーとバトルっしょ!」
春香「…よ、よーし!」
千早「行くわよ、春香!」
カフェの芸人A「行くぞ~!」
カフェの芸人B「えい!」
亜美「40手前ぐらいまでレベル上げれば大丈夫かな?」
真美「…お、幸先いいね~」
真「やーりぃ!」
カフェの芸人C「ふー、強いなあ…」
ミキ「…」
マスター「…」
マスター「???、?????」
ミキ「…?????」
真美「…なんて言ってるの?」
マスター「…え?」
マスター「…いや…」
亜美「んー?怪しい…」
マスター「いや、あんまりこの子、バトルは好きじゃないみたいなんだ」
亜美「なんで?」
マスター「…????」
ミキ「…???」
マスター「…ポケモンが可哀想、だってさ」
真美「ふーん、でも、ポケモン、楽しそうだよ?」
春香「うわあ!大丈夫!?アーケン!」
アーケン「…!」プルプル
アーケン「ピッ!」
春香「まだいける!?」
アーケン「ピーッ!」
春香「よしっ!アーケン、アクロバット!」
ミキ「…」
マスター「????、?????」
ミキ「…???」
マスター「?????」
ミキ「…」
マスター「…」
マスター「変なの、だとさ。何かは教えてくれない」
真美「…」
亜美「…そんなに、変なのかな」
真美「普通の事なのに、ね」
マスター「…何の事かい?」
亜美「ポケモンが楽しくバトルしてるってことに決まってるじゃん」
真美「マスター鈍いなあ」
マスター「ああ…」
真美「ああって…」
亜美「…ていうかミキミキも、ポケモン持ってるじゃん」
真美「そうそう、見せてくれないんだよ~」
マスター「????、??????」
ミキ「…??!」
マスター「ダメだってさ」
亜美「ええ~、気になるなあ…」
真美「…でも、ミキミキはそのポケモン、大事にしてるんだね」
亜美「過保護すぎな気もするけど」
マスター「???????、??????」
ミキ「…????、??????」
マスター「そのポケモンは強いよ、だってさ、もしかしたら珍しいポケモンなのかもしれないね、だからあまり見せびらかしたくないのかもしれない」
春香(もうほぼライコウの事じゃん…)
真美「何だろう?伝説のポケモンだったりして」
亜美「アルセウスだったりして」
真美「まっさかー」
春香(ライコウなんですよー、そのボールの中身…)
春香「って、わわっ!?」
バコッ!
モココ「メー!」ゴロゴロ
春香「モココ!大丈夫!?」
モココ「メ~」
春香「よしよし…」
ミキ「…」
………
……
…
春香「ええ!?ミキ、私たちについていくの!?」
ミキ「????、???????」
マスター「君に興味があるんだとか…」
春香「…私?」
真「春香に?」
千早「またどうして…」
雪歩「そっちの人ですかぁ…」ボソッ
真「何か言った?」
雪歩「ええ!?な、何でもないですぅ…」モゴモゴ
春香「ま、まあ別に良いよね?みんな…」
真「そりゃあ別にかまわないよ」
千早「一人ぐらいどうにでもなるんじゃない?」
雪歩「大丈夫ですぅ」
春香「…じゃ、よろしくね、ミキ」
ミキ「…よろしく、なの」
ミキ「…??????、???????」
マスター「これからの予定は?」
春香「そうですね、今からミアレジムに行って、明日出発…ですかね…」
マスター「??????、????」
ミキ「????????、?????」
マスター「先に家に戻ってるってさ」
亜美「家の場所覚えてるの?」
マスター「?????、???????」
ミキ「????」
マスター「大丈夫だってさ」
春香「じゃあ直接ジムにいこっか」
真美「そだねー」
………
……
…
真美「ガバイト、とどめのじならし!」
ガバイト「!」
エレザード「…!」ガクッ
シトロン「お疲れ、エレザード…」
ポヒュウウゥン…
亜美「真美、お疲れ~」
真美「楽勝っしょ!」
千早「危なげなく、って感じね…」
雪歩「むしろ手の上で転がされていたぐらいですぅ…」
シトロン「うう、やっぱり双海の双子姉妹は強いなあ…」
真「亜美と真美を知ってるんですか?」
シトロン「このミアレのトレーナーなら誰だって知っていると思いますよ」
春香「やっぱり有名人か…」
シトロン「そして、皆さんの事もです」
千早「博士から…ですか?」
シトロン「そんなところです」
シトロン「それにしてもここまでコテンパンにされたのは律子さんの時以来じゃないでしょうか…」
春香「シトロンさんは今、何歳なんですか?」
シトロン「僕は今二十歳ですよ、律子さんとバトルしたのが4年ほど前になるんでしょうか、ちょうど皆さんと同じぐらいの時ですね」
春香「私と同じぐらいの年でジムリーダーか…凄いな…」
シトロン「ありがとうございます…そろそろ始めますか?」
春香「…はい!切り込み隊長天海春香行きます!」
真「おっ、良いぞ、春香!」
千早「いつから切り込み隊長に…気を付けてね、春香」
雪歩「頑張ってください~!」
ミキ「???~、あふぅ」
亜美「がんば~!」
真美「いっけ~!」
シトロン「…行きますよ!」
春香「…はい!」
春香(相手は電気タイプ、地面タイプが有効…!)
春香(けど!)
春香「デンリュウ!」
シュパアアン!
デンリュウ「…」
シトロン「エモンガ!」
シュパアアン!
春香「エモンガは飛行タイプもついている…!」
シトロン「デンリュウ、ですか、良く育っていますね!」
シトロン「エモンガ、ボルトチェンジ!」
春香「デンリュウ、パワージェム!」
春香「逃げられた…!」
シトロン「そうやすやすと!いけっ!レアコイル!」
シュパアアン!
カカカカン!
レアコイル「…」ギロッ
春香「デンリュウ、あやしいひかり!」
シトロン「レアコイル、エレキフィールド!」
千早「エレキフィールド…これででんきタイプの技の威力が1.5倍となった…」
真「どうする…?」
シトロン「…レアコイル、エモンガと交替だ!」
春香「デンリュウ、シシコちゃん…じゃなくてカエンジシと交替!」
シュパアアン!
カエンジシ「…!」
シトロン「…ッ!」
千早「これは…春香、上手くカエンジシを無償で繰り出せたわね」
真「シトロンさんは厳しいかなあ…」
雪歩「で、でも、エモンガがボルトチェンジで逃げて、エレザードが出てきたら?レアコイルは効果は抜群だけど、エレザードなら等倍で耐えられるんじゃ…」
千早「そうね。エレザードの特性はかんそうはだ、炎わざのダメージは1.25倍になり、HPは低め。とはいえとくぼうはそこそこある、さすがに落ちる事はないでしょうね…」
春香「カエンジシ、かえんほうしゃ!」
シトロン「エモンガ、ボルトチェンジ!」
シトロン(っ…結構なダメージだ…!)
春香(…エレキフィールドがあればエモンガのボルトチェンジでも半分ぐらい減るか…次に出てくるのは確実にエレザード、そしてエレザードがもしカエンジシを抜いたら…)
春香(レアコイルが突破できなくなる…)
春香(…けど、大丈夫)
春香(勝ちに行く)ギュッ
シトロン「いけっ!エレザード!」
シュパアアン!
シトロン「エレザード、10まんボルト!」
シトロン(抜けるか…!?)
春香「カエンジシ、ニンフィアに交替!」
シトロン「…!?」
千早(…ニンフィアに交替…)
真(一時しのぎか…?)
シトロン「…エレザード、レアコイルに交替!」
春香「ニンフィア、ひかりのかべ!」
亜美(ここでひかりのかべ、ということはミラーショットを読んでカエンジシを出すのかな…?)
真(このターンでエレキフィールドが切れる、そうなるとひかりのかべのせいでシトロンさんは春香のポケモンを突破できなくなる…)
千早(シトロンさんにとってこれがカエンジシを倒す最後のチャンス、エレキフィールドを読まれてカエンジシを繰り出されたら誰も止められない!)
真美(…シトロンさんは10まんボルトしかない)
シトロン(倒せるのか…!?)
シトロン「レアコイル!10まんボルト!」
春香「ニンフィア!戻って!」
シトロン(こい!)
真美(けど…)
春香「デンリュウ!」
シュパアアン!
バリィッ!
デンリュウ「…」フンッ
雪歩(デンリュウ!?決定打が…これじゃもう一度エレキフィールドを展開する隙を…)
雪歩(…そうか!)
亜美(それでいいんだよ、はるるん)
シトロン(もらった!)
シトロン「レアコイル、エレキフィール…!」
シトロン「あっ…」
春香「デンリュウ、カエンジシに交替!」
シュパアアン!
シトロン(…しまった…)
シトロン(…僕もまだまだ甘いな…目の前のエサに飛びついてしまうなんて…)
それからはカエンジシとデンリュウのおかげでシトロンさんを撃破することができました。
私もちょっとは腕も上がってきたのかな…?前みたいに長時間考え込むことが無くなってきたように思います。
千早ちゃん、真、雪歩も危なげなく勝利、昨日の特訓のおかげでしょう。
私たちはボルテージバッジと10まんボルトの技マシンを手に入れる事が出来ました。
シトロン「皆さん、おめでとうございます!」
一同「ありがとうございました!」
シトロン「いやあ、こうして皆さんとバトルが出来て、自分の未熟さというものを知ることが出来ました」
亜美「しょうがないっしょー、電気タイプっていう縛りが入ってるんだしねー」
シトロン「いやいや、タイプという縛りの中で一体自分がどれだけ…」
???「ちょっと!大変!」
シトロン「えっ…ユリーカ…?どうしたの…?」
春香「ユリーカさん?」
真「彼女かな」
ユリーカ「ええ!?違う違う!じゃなくて、あいつがたぶん出た!」
シトロン「…何!?」
千早「…レッドフードですか!?」
シトロン「…ええ!」
春香(レッドフード…!?)
ユリーカ「何でも、金髪の髪の子が襲われてたらしくって!」
シトロン「それって、直接連絡が来たって事!?」
ユリーカ「そう!」
春香「…金髪!?」
春香「…!」ダッ!
千早「春香!?」
春香「ミキが!」
シトロン「知り合いなんですか!?」
シトロン「…!?ちょっと!?天海さん!?エレベーターはこっち…」
春香「ごめんなさい!」
春香「アーケオス!」
シュパアアン!
春香「がんせきふうじでガラスを割って!」
シトロン「いいっ!?」
真「みんな、行くぞ!」
千早「ええ!」
雪歩「私はシトロンさんと!」
真「ああ!」
シトロン「タワーが…って、そんなこと言っている場合じゃない!」
ユリーカ「急いで!」
亜美「うええっ、真美、飛行タイプ連れてきてる!?」
真美「そんなのいるわけないじゃん!ああ!エレベーター!置いてかれちゃったよ~!」
パリーン!
春香「アーケオス!そらをとぶ!」
春香「…外は真っ暗…」
春香(どっちに行けばいいの…!?)
真「…こっちだ!春香!」ビュン!
春香「真!?」
真「ルカリオが教えてくれた!先に行ってる!」ビュンッ
千早「…」ビュンッ!
春香「…うひゃっ!オオスバメにファイアロー、どっちも速いな…一瞬であんなに遠くへ…」
春香「ア、アーケオスだって充分速いもん、あの二匹が別格なだけで…」
~♪
春香「…ホロメール!?雪歩から…」
春香「はい!」
雪歩「春香ちゃん!そっちにはまだ行っちゃダメ!」
春香「でも!多分ミキが!」
雪歩「大丈夫!"もう一つのスーツ"の人が向かっているの!だから!」
春香「も、もう一つ!?」
雪歩「とにかく、危険だから!ミキはその人に任せればいいって…」
春香「じゃ、じゃあ早く2人に…」
春香「…!?」
春香(何で2人ともオフラインになってるの…!?)
雪歩「何でか分からないけど、圏外になってるんの!」
春香「…分かった、とにかくそっちに行く!」ビュンッ!
真「…こ、これは…!!」
千早「スーツが…2人…!?」
レッドフード「…」
???「あなたたち、なぜこんなところに!?」
真「ええ!?」
???「その子を連れて逃げなさい!」
千早「味方…!?分かりました!」
???「行くわよ、クロバット!」
シュパアアン!
レッドフード「…ハッサム」
シュパアアン!
春香「そ、それでその人が…」
シトロン「ええ、ハンサムハウス二代目所長…!」
シトロン「エスプリこと、マチエールさんです!」
エスプリ「…」
レッドフード「…」
ポヒュウウゥン…
クロバット「…」ギロッ
レッドフード「…」ジリッ
レッドフード「…」ヒュンッ
エスプリ「!」
エスプリ「待ちなさい!」ヒュンッ!
真「ミキ、目を覚まして!」
千早「大きな怪我はないみたいだけど…」
春香「真!」
千早「春香!」
春香「…!ミキ!」
春香「しっかりして!ミキ!」
真「目を覚まさないんだよ!」
春香「お願い…!ミキ…!」
ミキ「ッ…」
ミキ(あれ…)
ミキ(…)
春香「…!!?????!!!」
ミキ「…!!」
春香「やった!ミキ!目を…」
ドカッ!
春香「きゃっ…!?」
真「おい!?」
千早「安心して!ミキ!」
雪歩「そ、そうですぅ!何も突き飛ばさなくなって…」
ミキ「???!!!」ガバッ
ミキ「…ッ!!」
シュパアアン!
春香(い、いった~い…)
春香「ミ…キ…?」
春香「…!」
ポツ…ポツ…
真「…やっぱり…!」
ライコウ「グルル…」
ライコウ「グオオオオッ!」
千早「どういうことなの!?ミキ!」
雪歩「そうです!もうレッドフードは…!」
ライコウ「グルル…」
ライコウ「グオオオオッ!」
ミキ「…??????」
ダッ!
春香「ああ!ミキ!」
春香「待ってよ!?」
春香「ミキ!」
春香「ミキー!!」
何故ミキは私を突き飛ばして逃げてしまったのか。どうしてレッドフードがミキを追いかけているのか。ミキはレッドフードから逃げるためにジョウトからカロスまでやってきたのか。
聞きたいことはたくさんあるのに、もう答えを知っている人は私の目の前から姿を消してしまいました。
今はとにかく…頭がいっぱいで何にも考えられません。
本当に短かったけど、私は友達と思っていたのにな…
今日の分は以上です、ありがとうございました。
楽しみにしていた方、お待たせしました。結局GW中に完成できず申し訳ない…
はるみき要素!
乙ですー次も楽しみに待ってる
乙!
楽しみにしてる
乙
マチちゃんキター
ミアレで服のお買いものは高くついただろうな
レッドさんのコスプレしたポケモン廃人なプロデューサーはいつでますか?
博士「申し訳ない…またもや君たちを巻き込んでしまって…」
真「…ボクはもう、覚悟はできていますから」
千早「…私たちだって、もう無関係とは言えないと思います」
マチエール「取り逃がしてしまってごめんなさい…」
ハンサム「運動性能の差はスーツの性能の差…なのか…」
ハンサム「ジャミング機能についても気になるな…」
春香「…」
………
……
…
春香「あーあ…」
春香(はあ…何かの誤解なんだろうけど、やっぱりショックだな…)
春香「…出ておいで、みんな」
シュパアアン!シュパアアン!シュパアアン!シュパアアン!シュパアアン!
春香(…)
春香「…別に用事なんてないんだよ、わがままなトレーナーでごめんね」
マチエール「…散々だったね」
春香「え…?」
春香(あ、もう一つのスーツの…)
マチエール「横、良いかな」
春香「は、はい…」
………
……
…
マチエール「…そうなんだ、友達だったんだ…」
春香「…言葉は通じなかったし、ほんの1日とちょっとぐらいだったんですけど…」
春香「…そりゃあ、最初はライコウのトレーナーだって思って…でも、一緒にミアレの街を探索してるうちにだんだんそういうのが関係なくなってきたんですよね…」
春香「あーあ…律子さんにも怒られるだろうな…」
マチエール「…どうして?」
春香「…律子さんが、ミキの事を調べるって言ったのを私がしますって言って断ったんです」
春香「ミキが律子さんに連れていかれるのが嫌だっただけなんですけど、それらしいことを言ってその場をしのいで…」
春香「まあそんなに酷い事はしないでしょうけど…ミキが嫌がるかなって…」
マチエール「優しいね、春香ちゃんは」
春香「…ありがとうございます」
マチエール「良く育ってるじゃない、みんな」
春香「自慢の子達ですよ、後は私の腕がこの子達の実力を引き出せるかってとこですけど…」
マチエール「そうだね、でも大丈夫、春香ちゃんは一番大事なところがしっかりしてるから」
春香「…?」
マチエール「もこお」
シュパアアン!
もこお「ふんにゃ」
春香「…ニャスパーだ」
マチエール「もこおとは長い付き合いでさ。私、春香ちゃん達ぐらいの頃までは路地裏で生活してたんだ」
春香「路地裏…ですか?」
マチエール「ストリートチルドレンってやつ。今でもそうだけど…ミアレには昔の私みたいな子達がたくさんいてさ…まあ仕事はそれなりにあるから、食いっぱぐれることは無いんだけどね」
マチエール「もこおは私の家族みたいなものだったんだ、今じゃハンサムハウスの皆がいるけど、それこそ、もこおしか友達が居ないようなものだったかな…」
マチエール「"普通の子供たち"とも遊んだ事はあったけど、ね…」
春香「けど…」
マチエール「うん、たいていはそのうち路地裏に来なくなっちゃう、みんな私たちストリートチルドレンの事を嫌うんだ。」
マチエール「実際、スリとかをして稼いでる子達も居たからね、そういう子達は集団で固まって暮らしててギャングみたいになってるんだ…私はそういうのは好きじゃなかったから関わらないようにしていたけど、傍から見れば私もギャングも同じストリートチルドレンだから…」
春香「そんな…」
マチエール「仕方ないよ、ここでは用心深くなきゃね」
マチエール「だからこそ、ミキちゃんにとって春香ちゃんみたいな子は凄く、心の支えになっていたはずなんだ」
マチエール「ミキちゃんはライコウと一緒にカロスをぐるぐる回ってるんでしょ?きっと、昔の私みたいに孤独だと思うよ」
春香「…そうだったら、良かったんですけど…」
マチエール「…私は、たぶんレッドフードが春香ちゃんの姿を使ってミキちゃんを路地裏に誘い出したんだと思う」
春香「レ、レッドフードが私の姿を~!?」
マチエール「スキャン機能が私のスーツと同じならスキャンに時間はかかるけど…何せ相手のスーツの性能が未知数だから…」
春香「う、う~ん…私の姿は一度レッドスーツに見られているから、その時にスキャンされたのかな…」
春香(…思いかえせば、ミキが目を覚まして私の顔を見た瞬間、ミキの表情がガラッと変わって…)
マチエール「可能性は否定できないわね」
春香「だったら…誤解を解けば…」
マチエール「ええ、ただ、そのためにはミキちゃんともう一度会わなければならないけど…」
春香「…大丈夫です、きっと」
マチエール「…そうね」
………
……
…
律子「久しぶりじゃない!マチエール!」
マチエール「律子、元気にしてた?あずさも」
あずさ「ええ~、でも、大変だったみたいね…」
マチエール「…大変なのはあの子達よ」
春香「律子さん!あずささん!」ダッ
真「律子!あずささん!もうてんやわんやでさ!」
雪歩「そうです~!」
千早「お久しぶりです、律子さん、あずささん」
律子「…まあ、みんな無事でよかったわ」
あずさ「ええ…ごめんなさいね、終の洞窟に行ってて…」
博士「…どうだった?」
律子「…ダメでした」
あずさ「2人で手分けして探したんですけど、凄く広くて…」
律子「元々広い洞窟なのか、ポケモンが新しく広げているのか、とにかく中がべらぼうに広くて…ですが、もう1度トライしてみます」
博士「…そうか、分かった」
ハンサム「…よし、全員集まったな、今回分かったことについてまとめてみようか」
マチエール「はい、レッドフードはミキという少女を襲っていました」
ハンサム「例のライコウを連れた少女だな、正体は不明でカントー語を話す、そしてたかねというスイクンを連れた少女も彼女を追っているがその理由は不明と」
ハンサム「ライコウ、スイクン、とくればエンテイもどこかにいるはずだが…それはまあいい」
ハンサム「以前レッドフードはメガシンカの継承者を襲っているのではという仮説をたてたが…ミキという少女がメガシンカと関係するかは不明と」
千早「ミキは恐らくボールを1個しか持っていませんでした、ミキの手持ちはライコウのみと思われます」
博士「ライコウもメガシンカするのか…はたまた別の理由か…」
ハンサム「…それと、シトロン君からレッドフードがミアレシティに出現したのと同時刻に、局所的な電波障害が確認されたと報告があったが…私はレッドフードのスーツにジャミング機能か副次的に電波障害が発生する機能が装備されていると考えた」
雪歩「あ…そういえば真ちゃんと千早ちゃんがレッドフードとミキちゃんの所に行ったとき、何故か2人がオフラインになっていてホロメールが使えなかったんですぅ…」
春香「そうそう!」
真「ああ…そういえば後でホロキャスターを見たとき、通知だけ来てたな…」
ハンサム「以前の時はホロキャスターは…」
千早「洞窟の中でしたし、それどころではなかったので…」
春香「でも、私たちはホロメールを送ろうとした時は圏外じゃなかったですよ」
ハンサム「…なるほど、エクスパンションスーツにも色々機能はあるが、ジャミング機能はついていない、これはレッドフードのスーツ独自の機能と考えられる。そして非常に狭い範囲で発生する、と…」
つまんね、やめろ
マチエール「それと運動性能も恐らくレッドフードの方が上だと思われます」
ハンサム「うむ、スーツの形状からして中身は男性と考えられる…装着者のサポートというエクスパンションスーツの性質上、スーツの性能向上でもしなければ勝ち目は無いだろう」
ハンサム「…すまないが、私はもうイッシュに飛ばねばならない。だが、何かあればすぐさま駆けつける」
春香(…レッドフードは私たちの事を既に認識している…)
春香(…この先何が起きるか分からない、頑張って実力を身に着けないと…)
博士「…どうだろうか、ここで改めて君たちに聞きたいことがある」
博士「…旅を続けるか、そうでないかだ」
春香「…!」
真「…」
雪歩「えっ…」
千早「…」
博士「多くの人は子供のころ、ポケモンと旅をする、その中には四天王までたどり着くことなく旅を終え、新しい生き方を見つける人も大勢いる」
博士「いや…むしろポケモンリーグを制覇する人間というのは非常に稀な人間だろう」
博士「この先レッドフードとの接触の機会は以前より増すと考えられる、とてもじゃないが…命の保証は出来ない」
真「…かといって、旅をやめたからレッドフードとの接触が今後一切なくなるわけでも無いんですよね?」
博士「…そうだ」
真「…ボクは旅を続けます、強くなって、皆さんの役に立ちたいです」
千早「…私の目標は強いトレーナーになる事、それに…いざという時に頼れるのは自分ですから、私に旅をやめるという選択肢はありません」
春香「私は…」
春香「…まだ、やらなきゃいけないことがいっぱいあるから…続けます、ポケモントレーナーの旅を」
雪歩「引っ込み思案な自分にはもう戻りたくないですぅ!」
博士「…分かった、君たちの家族には実は同じことを既に聞いてある」
真「…え?」
雪歩「そ、そうなんですかぁ…?」
博士「…色々と思うところはあったのだろうが、皆、君たちの意見を尊重すると最後には言っていた」
博士「くれぐれも無茶なまねはしないでほしい、そのために彼女たちが居るのだから…」
律子「…妙な真似はしないでよ?ま、いざという時は私たちに任せなさいって!」
あずさ「ええ、今回の件でシトロンさんにホロキャスターの改造を行ってもらう事にしました」
春香「…ホロキャスターの改造?」
律子「レッドフードのジャミング機能を逆手に取った方法よ、一定間隔の通信をして、シトロンさんのシステムで探知、もしジャミングで通信が途絶えたなら私たちに通信が途絶えた時点の位置情報が転送されるというわけ」
律子「ただ…ジャミング機能が意図して行われているものなら…機能もオフにできるという事よ」
律子「過信はしないでちょうだいね…」
春香「さ、さっきは任せてって言ったのに…」
律子「何事も想定外はあるってことよ」
あずさ「…でも、心配いらないと思います、ジャミング機能は副次的なものじゃないかとシトロンさんは言っていましたから」
律子「確かに、通信を妨害する理由も分からないのよねえ…」
春香「まあ、ここは大船に乗ったつもりで…」
真「そうだね、少なくとも今までと違って助けが来る可能性はあるんだから」
春香「…」
千早「…どうしたの?春香」
春香「何かあれば駆けつけるって…」
雪歩「あ、ああ…その髪飾り…」
真「そんな事言ってたね…」
春香「もう~!今度会ったらたかねさんにいーっぱい聞くんだから!」
………
……
…
亜美「…って言われても…」
真美「…ねえ…教えてよ~?」
春香「…ごめんね、亜美、真美…」
千早「教えられないの…でも、これは二人のためでもあるのよ」
亜美「うん…」
真美「パパとママにもきつーく言われてるから…ごめんね、困らせちゃって」
春香「ううん、良いの、私だって気になるし…」
雪歩「一緒にクノエシティに行けたらいいのにね」
亜美「まあ、みんなだったら大丈夫っしょ!」
真美「そうそう、タイプは変わっても、やることは一緒だよ~」
真「ああ!また暇なときはホロメールでもしてよ!」
亜美「まこちん達こそ、たまにはミアレに遊びに来てよね~」
真美「その時はバトルしよう!」
春香「うん!私、鍛えておくから!」
雪歩「はい!色々ありがとうございました!」
それから私たちはミアレシティを後にしました。
今日は空は晴れ、気持ちのいい天気。レッドフードの事も今は一旦忘れ、旅に専念することに。
…の、はずなんですが…
春香「なんか気味悪いね…」
雪歩「し、湿地帯かなあ…」
真「ま、まあ前に進もう…」
千早「ええ…」
春香「…全く、荒野があると思えば湿地はあるし…どうなってるのよ…」ジャブジャブ
真「うわっ!?」
千早「マスキッパが居るのね…」
真「くそっ、早くこんなとこ抜けよう…」
春香「…あ、そうだ」
春香「ゲッコウガ!」
シュパアアン!
ゲッコウガ「ゲコ」
春香「ゲッコウガ、なみのり!」
ゲッコウガ「…」
春香「な、なみのりだって、ゲッコウガ!」
ゲッコウガ「ゲ、ゲコ…」;;
千早「私たち、足ついてるじゃない」
春香「でもグジュグジュで気持ち悪いよ~、あーあ、戻って、ゲッコウガ…」
千早「まあ気持ちは分かるけど、ね…」
雪歩「空をとぶを使えたら…」
真「知ってるところにしか行けないからなぁ」
春香「私、ミアレの近くに家があったらって思ってたけど、ここはタダで住んでも良いよって言われてやだな」
雪歩「湿気が凄いから、木造住宅だとあっという間に傷みそうですぅ…」
真「いや、そもそもこんなとこに家なんか建てる人なんて居ない…」
千早「…」
春香「…」
雪歩「…あ、あそこ…」
真「知らない知らない」ジャブジャブ
千早「…」ジャブジャブ
春香「ちょーっと待ったー!!」
雪歩「わ、私も…」
春香「って雪歩!雪歩は完全に気付いてるでしょ!?」
真「だって見るからにやばそうじゃん!?」
千早「あんなところ何も無いわよ…」
春香「…ある、私のシックスセンスがそう伝えてる…」
千早「よし、みんな行くわよ」
春香「なんで!?気にならないの!?」
千早「気になるっていうか、気味悪いから行きたくないのよ…」
春香「じゃ、じゃあ、じゃんけんで負けた人が行こうよ」
真「…それいいね。ボク賛成」
千早「えっ…」
雪歩「そ、そんな~!?」
真「はは、実はボクも気になっててさ…まあ負けたら運が悪いと思って!」
雪歩「ええ~!?」
千早「まったく…」
春香「出さなきゃ負けよ!」
雪歩「ひいい!」
春香「さ~いしょはグー!」
春香「ジャーンケンぽん!」
………
……
…
春香「いやだああああ」
千早「そんなに嫌ならジャンケンなんて言わなきゃ良かったのに…」
雪歩「が、頑張ってください…」
春香「ねええ一緒に行こうよ~!!」
真「ボ、ボクだっていやだよ…」
千早「…しょうがないわね、この際だからみんなで行くわよ!」
春香「おお!?千早ちゃん最高!天才!頭良い!」
真「ま、まあ4人だったら…」
雪歩「うう…そ、そうだね…」
春香「よ、よし…!じゃあみんな行くよ~!」
真「ああ!」
千早「ええ」
雪歩「はい!」
春香「…」
千早「…」
真「…」
雪歩「…」
春香「いやなんで皆突っ立ってるの!?」
真「だ、誰かが先に行かなきゃ、ねえ?」
春香「もう~、だったらいっせいのーでで行こう!」
真「ああ!」
千早「ええ」
雪歩「はい!」
春香「いっせいのー…」
春香「…」
千早「…」
真「…」
雪歩「…」
春香「いや、足を上げる素振りぐらいしてよ!」
真「それ自分もだからね!?」
春香「うぐっ…!」
春香「こ、このままでは春香さんがヘタレと思われてしまう…!そんなことは絶対に避けねば…!」
千早「もうみんなヘタレで良いわよ…」
春香「よ、よし…!扉の近くまでは私行くよ!?皆後からでいいから追いかけてきて!」
真「お、おお!?」
雪歩「か、かっこいいですぅ!」
千早「結構度胸あるじゃない…!」
春香「えへへ!勿論!」ダッ
春香「だって…私は…!」ジャブジャブ
春香「ポケモントレーナーの…!」ジャブジャブ
春香「天海はる…」ジャブジャブ
ガチャッ
胡散臭いオジサン「ええい!来るなら来る!来ないなら来ない!はっきりする!」
………
……
…
胡散臭いオジサン「わ、悪かったよ…」
千早「いえ、元はと言えば私たちが悪いんです…」
雪歩「家の周りで騒いで、ご迷惑をおかけしてすみません…」
真「…落ち着いた?春香…」
春香「ヒック…グスン…えぐっ…う、うぅ…」コクリ
胡散臭いオジサン「まあそんなところだ」
雪歩「そうなんですか…」
胡散臭いオジサン「こんなところに、なんて言いたげな顔だな」
雪歩「ええ!?べ、別に…いや…まあそうですけど…」
胡散臭いオジサン「住めば都と言うだろう?確かに近くが湿地があるし、何だか気持ち悪いポケモンも多いしでアレだけどね」
千早「案外住んでみれば大丈夫なのかもね」
胡散臭いオジサン「雨の日は大変だけどね」
雪歩「床下を上げて建て直した方が良いですぅ…」
胡散臭いオジサン「…もう大丈夫かな?」
春香「は、はい…」
胡散臭いオジサン「急に飛び出して悪かったよ、驚かせちゃったな…」
春香「い、いいんです…私が勝手に驚いただけですから…」
胡散臭いオジサン「…ところで君たち、この家に纏わる噂を知っているかな?」
千早「いえ…」
真「げっ…まさか訳あり…?」
胡散臭いオジサン「やはりな、最近またちらほら来だしたからそんなことだろうと思った」
春香「…どういうことなんですか?」
胡散臭いオジサン「…昔のことだ…」
………
……
…
胡散臭いオジサン「顔のない男ばかりだぞ!」
胡散臭いオジサン「…という話をしてはおひねりを頂戴してたらそのうち、ケチなオヤジがつまらん話をして金をせびる等と言われて誰も来なくなってしまった」
真「でしょうね…」
雪歩「…と、ところでホントなんですか…?その話…」
千早「嘘に決まってるでしょ、それよりミアレの空きテナントの幽霊とかのがまだありそうだわ」
胡散臭いオジサン「ひどいなあ、ま、今回はまけといてあげるから。500円でいいよ」
真「結局お金取るの!?」
………
……
…
春香「あはは、でも普通の家でよかったね」
雪歩「そうですね、ちょっと変わった方が居るだけで…」
千早「…私、ちょっと捕まえたいポケモンが居るの」
真「何?」
千早「ゴーストよ、さっきから探してるんだけど…だから先にクノエシティに行ってて」
春香「う、うん…あんまり遅くならないでね」
千早「大丈夫よ、じゃあまた後で。取り敢えず今晩は何もしないのよね?」
真「そうだね、まあ町でもうろうろするかな」
雪歩「気を付けてね」
千早「ありがとう」
春香「しっかし、一人でよくあの気味悪いところを歩けるなあ…」
真「ゴーストか…ゲンガーにすれば強いから魅力的だよね、ゲンガーのためならなんのそのってさ」
雪歩「ところでクノエシティのジムリーダーは…?」
真「…えーと…あ、この人か」
春香「…凄い恰好…」
雪歩「うん…」
真「か、可愛い…!?」
春香「え゛っ」
雪歩「真ちゃん…」
真「だって!?可愛くない!?ヒラヒラのきらきら…ああ…良いな…」
春香「お、おう…あ、タイプは…フェアリータイプか…」
真「…ボクはルカリオ頼みかな…あとファイアローか…」
真「って、ちょっと待てよ…!?」
春香「どうしたの?」
真「ルカリオ…鋼タイプの技が…」
雪歩「お、覚えられないの?」
真「バレットパンチは遺伝技だし、ラスターカノンの技マシンも持ってないし…どくづきならあるけど…」
雪歩「あ、だったら私、さっきスコルピ見たよ」
真「スコルピ…?そうか、良いね!よーし…こうなったらボクも…!」
春香「あれ、荷物は置いていかないの?」
真「善は急げって言うだろ?じゃ!」ダッ
雪歩「…行っちゃった」
春香「フットワーク軽いなあ、取り敢えず宿でも入ろっか」
雪歩「うん、あ…ここのジム…凄い、木の中にあるんだ」
春香「ひえ~、って、大きすぎじゃない!?あの木!」
ちょっぴり不思議の街、それがクノエシティです。ジムリーダーはフェアリータイプ使いのマーシュさん。
フェアリータイプのポケモンは私はニンフィアを持っていますから一応弱点は分かってはいるつもりですが、強力な事も知っていますのでちょっと不安…
雪歩はどうやって倒すつもりなんでしょうか?千早ちゃんと真が帰ってくるまで2人で作戦でもたてようかなあ。
たかね「…」
たかね「…もし」
たかね「…」
たかね「全く、人が呼んでいるというのに…」
たかね「…響、出てきなさい」
響「…へへ、ごめんごめん」
響「…最近さ、妙な奴らがうろついてるってオッサンが言っててさ」
たかね「私は男性ではないではありませんか」
響「…いや、それがさ…そいつは姿が変わるんだよ!メタモンみたいにさ!」
たかね「…なんと…面妖な…」
響「じゃあこの子は?」
メリープ「メ~」
たかね「綿羊な…」
たかね「くだらない事を言わせている場合ですか?」
響「悪かったよ…でも、自分は今はここを動けない…それは分かってるだろ?今は2人だけが頼りなんだ…」
たかね「…ええ…何としてもあれを守っていただかなければ…私も全力を尽くします」
響「任せといてって、でもまさかこんな事になるなんてさ…ただライコウ達を追いかけてきたのに…」
たかね「これも、運命なのでしょう…」
響「…なあ、自分たち、どうなるんだろう…」
たかね「それは分かりません…」
響「…そっか。でも…本当にそのメタモン男には気を付けるんだぞ」
たかね「姿が変わるとは言いますが…具体的には、どのような男なのですか?」
響「いや、それが赤い服を着ているっていうのが本当の姿らしいんだけど、それ以外は…」
たかね「とにかく、他人に化けていては区別がつかない…と」
響「ああ…それでいて、何を狙っているかが良くわからないらしいんだ…」
たかね「肝に銘じておきましょう」
響「あ、それとさ。前に言ってた人たちだけどさ」
響「ここに来れるかな?」
たかね「…可能かと」
響「へ~、面白いこと言うな!」
たかね「…冗談ではありませんよ、響」
響「…え?」
たかね「会えばわかります」
響「どういう…」
たかね「…ふふ、言葉通り、ですよ」
響「はあ…?」
たかね「…」ニコニコ
響「貴音ってば、もう…」
貴音「ふふふ…」
今日の分は以上です、ありがとうございました。
修正ですが、>>889の響のセリフ「妙な奴ら」を「妙な男」に脳内変換よろしくお願いします…
おつー
真「あ、千早…ゴースト捕まえた?」
千早「ええ、真も何か捕まえるの?」
真「スコルピをね、ボクもゲットしたけど。ゲンガーにする?」
千早「ええ、お願い」
テッテッテー テレレテッテテー!
真「…よし、ゲンガーになったよ。ゴーストってゲンガーになってから急に重くなるんだなあ。」
千早「ありがとう。スコルピってこうして見ると結構愛嬌あるのね」
真「あはは、そうだね。ゲンガーもピクシーみたいで結構可愛いよね」
千早「そういえばマジカルシャインも覚えるわね、ゲンガーって」
真「…」
千早「どうしたの?真…」
真「…いや、ピクシーって重さは何キロなんだろうなって…」
千早「…!」ハッ
真「…帰ろっか」
千早「え、ええ…」
真「ただいまー」
千早「ただいま、2人とも」
春香「…あ、おかえり」
雪歩「おかえり…」
真「…どうしたの?何か一生懸命考えてるみたいだけど」
春香「いや、さ…マーシュさんどうしようかなーって…」
雪歩「はい…」
真「…2人のポケモンは…」
春香「ゲッコウガ、カエンジシ、アーケオス、ニンフィア、デンリュウ…」
雪歩「マフォクシーさん、ホルードさん、オノンドさん、ダグトリオさんですぅ…」
千早「両方とも炎タイプは居るけど…」
真「特殊攻撃が得意なポケモンか…クチートには有利に立ち回れそうだけどバリヤードとニンフィアでは撃ちあいになりそうだなあ」
春香「取り敢えず私はカエンジシで、雪歩はマフォクシーでクチートを倒すってとこまでは決まったけど…」
雪歩「どっちも物理攻撃が得意なポケモンは防御面に不安が…」
千早「確かにオノンドでは弱点を突かれてしまうし、ダグトリオもHPが低すぎるわ。アーケオスは言わずもがな、バリヤードは物理耐久は低いから上から叩いて落とせるだろうけど…」
真「方法は2つだね、一致技が等倍でもいいから物理攻撃が高めか、特殊防御に自信があるポケモンを捕まえてくるか欲を言えば毒か鋼タイプが良いけど…あるいは今のメンツで回復薬を駆使して戦うか」
春香「でも、あんまり薬に頼るのもなあ」
千早「ジムリーダーだって使うのよ、そんな悠長な事を言ってられるの?」
春香「うぐぐ…」
真「この辺りだとよさそうなのは…」
真「…あ、シュバルゴがいるじゃん、ついでに鋼タイプだし」
千早「…シュバルゴ、良いじゃない?」
春香「シュバルゴ?」
雪歩「ああ~」
春香「どれどれ…おお!?結構かっこいいかも…」
雪歩「春香ちゃん、シュバルゴにする?」
春香「え?良いの?」
雪歩「うん、春香ちゃん、シュバルゴ気に入ったんでしょ?」
春香「虫、鋼か…鋼タイプが居れば何かと心強いしなあ、よ~し、シュバルゴをゲットしよっと!」
千早「雪歩は…ウツボットとかどう?」
雪歩「ウツボット、私も考えたんですけど…強力な物理技を覚えるのがLv47のリーフブレードなんですぅ…」
千早「あら?どくづきがあるじゃない、シャラシティで技マシンが売ってたわよ」
雪歩「覚えないの…」
千早「…あらほんと…」
真「…特殊防御が高い物理アタッカー…」
真「…ハッ」
千早「何か良いのが居る?」
真「積みアタッカー物理ドククラゲ…つるぎのまいでさ…」
千早「うわ…」
真「却下だ却下、しかもドククラゲって結構戻らなきゃ…あ、ボクたちはもう空を飛ぶがあるか」
雪歩「…あ!」
千早「何か思いついた?」
雪歩「私、ナットレイにする!」
真「ああ!ナットレイか!」
千早「そういえば映し身の洞窟にテッシードが居たわね」
雪歩「あ、でも私、飛行タイプのポケモン…」
真「ボクのファイアロー、貸そうか?」
千早「秘伝技を覚えているポケモンは、それ以外のポケモンが同じ秘伝技を持っていないと交換できないわよ」
真「そうなのか…そんな硬い事言わなくても…カイリューぐらい大きかったら2人ぐらいどうって事ないんだろうけどなあ」
雪歩「ついでに空を飛ぶポケモンでも探してきますぅ」
春香「じゃあしばらくは皆でポケモン捕まえたり育てよっか」
千早「ええ、そうね」
真「うん。春香、ボクがチョボマキを捕まえるよ」
春香「え?進化前はカブルモじゃないの?」
真「シュバルゴの進化条件だよ、後で説明するから」
春香「や、ややこしそう…」
………
……
…
律子「…」
あずさ「…」
あずさ「…また…行き止まり…」
律子「…全く…本当にこんなところに"化け物"なんて…」
あずさ「…化け物がイベルタルなのかそれとも…」
律子「どちらにしろ、あの時みたいに倒してしまえばいいんですから…」
あずさ「それはたやすいでしょうけど…」
律子「奪われるぐらいなら、ですよ」
ザッ…
あずさ(…!)
律子「…ねえ、あずささん。今までレッドフードがコンタクトを取ったのは…」
律子「コルニさん、そしてミキ…」
ザザッ…ザッ…
あずさ「けれど…コルニさんの場合は博士に化けていた」
ザッ…
律子「一方ミキの場合は詳しくは分からない、仮にマチエールさんの言う通り春香に化けていたとしたら…」
あずさ「…」
あずさ「レッドフードは、私たちの事を良く知っている」
ザザザザーッザーッ…
律子「ならば…」
あずさ「ッ…!」
ザーーーーーッ…
律子「…終の洞窟深部で、孤立した私たちを襲撃してくるかもしれないということは容易に想像出来るわ」
レッドフード「…」
あずさ(鉱物による磁気のノイズ以外に、近づいてくるものがあった…!)
ザー…
バツンッ
あずさ(流石ね、律子さん…探知機を作って頂いたシトロンさんにも感謝しないと…)
あずさ(…いざという時にあなぬけのヒモはすぐ使えるようにしてあるけど…)
律子「…」
あずさ「…」
レッドフード「…」
律子「…ボーマンダ!」
シュパアアン!
あずさ「ロトム!」
シュパアアン!
レッドフード「…バンギラス、ガブリアス」
シュパアアン!シュパアアン!
あずさ(バンギラス、ガブリアス…)
あずさ(律子さんのボーマンダは典型的な特殊スカーフ…)
あずさ(様子見の守るでは竜の舞を許す、相手のガブリアスは引く…交替先は恐らく…流星群を読んで鋼か…ただだいもんじが怖いから鋼はまず出てこない…)
あずさ(バンギラスはどう出る…?でんじは…?ボーマンダはいかくを入れるだけでも充分…)
あずさ(なら…!)
あずさ「ロトム、バンギラスにおにび!」
律子「ボーマンダ、ハイドロポンプ!」
レッドフード「トリトドン、ガブリアストコウタイ、バンギラス、マモル」
あずさ(っ…)
あずさ(トリトドンとは…)
あずさ(トリトドンに私のロトムは大きく行動が制限される…トリトドンのれいとうビームが怖いから律子さんは…)
律子「…」クイッ
あずさ(交替、ね…当たり前でしょうけど…)
あずさ(なら私は…)
レッドフード「トリトドン、ボーマンダニダイチノチカラ、バンギラス、ロトムニストーンエッジ」
律子「ボーマンダ、メタグロスと交替!」
あずさ「ロトム!トリトドンにめざめるパワー!」
あずさ「律子さんのメタグロスは…!」
律子「どうも、風船よ」
トリトドン「…!」
メタグロス「…」フワフワ
トリトドン「!?」
トリトドン「…;;」ムシャムシャ
パシャシャーン!
あずさ「…わたしのロトムのめざめるパワーは、草でした」
あずさ(リンドのみはあらかじめ分かっていたようなもの、ただこれで私のロトムの持ち物はオボンということがばれてしまったようなものね…)
あずさ(ただ、相手のトリトドンはこれで腐った!律子さんのメタグロスでバンギラスは狩れる!)
レッドフード「…」スッ…
あずさ「もう一度トリトドンにめざめるパワー!」
律子「メタグロス!バンギラスにアームハンマー!」
レッドフード「バンギラス、ゴチルゼルトコウタイ、トリトドン、ゲンガートコウタイ」
あずさ「しまった…!!」
律子「くっ…!まさか…!」
あずさ「滅びの歌だなんて…!」
レッドフード「ゲンガー…ホロビノウタ、ゴチルゼル、リフレクター」
あずさ「ロトム、ゲンガーにハイドロポンプ!」
律子「ゲンガーにバレットパンチ!」
あずさ(ロトムとメタグロスは諦めるしかないわ…だったら…この状況で以下に残りに負担をかけるか…!)
あずさ(…ギリギリ残ったか!ここは確実に…)
あずさ「ロトム、ゲンガーにめざめるパワー!」
レッドフード「ゴチルゼル、ヒカリノカベ。ゲンガー、ウルガモストコウタイ」
あずさ(ウル…ガモス…!?)
あずさ(物理アタッカーは…律子さんのメタグロス…けど、それじゃ…!)
律子「…なーんちゃって、メタグロス!」
律子「だいばくはつ!」
あずさ「…律子さん!」
レッドフード「…!」
チュドオオン!
律子「かげふみ如きで私を起点に出来ると思ったら大間違いよ、まあ良い線行ってたけどね。メタグロスの大爆発を警戒しないなんてど素人にも程があるんじゃない?」
あずさ「…助かりました、律子さん」
律子「どういたしまして、こんなむっつり野郎にいい気にさせておくのはこれで充分よ」
あずさ「そうですね、では、遠慮なく…」
律子「行くわよ、シャンデラ!」
あずさ「ファイアローさん、よろしくお願いします」
シュパアアン!シュパアアン!
あずさ(相手は必ず…)
あずさ「ファイアロー!」
律子「シャンデラ!」
あずさ「ゴチルゼルにとんぼがえり!」
律子「シャンデラ、トリックリーム!」
レッドフード「…ゴチルゼル、バンギラストコウタイ、ウルガモス、ガブリアスと交替」
レッドフード「…」
律子「本当、センス無いわね」
あずさ「いってらっしゃい、ハリテヤマさん」
シュパアアン!
レッドフード「…」スッ
あずさ(あなぬけのヒモ…!?)
律子「…逃げる気?」
レッドフード「…」ピタッ
あずさ「っ…」
律子「まどろっこしい事は私は好きじゃないわ、単刀直入に聞くけど…」
律子「…あなたの目的と正体は何?」
レッドフード「…」
あずさ「…だんまり、ですか」
レッドフード「…ヨネンブリ…ダナ…」
律子「えっ…」
あずさ(4年ぶり…!?)
律子「待って…!!」ダッ
あずさ(…!?)
レッドフード「…」スッ
律子「あっ…」
あずさ「逃げられた…!」
あずさ「…私たちも追いましょう!」スッ
あずさ「…律子さん!?」
律子「…」
あずさ「…大丈夫…ですか?」
律子「…間違いない…」
あずさ「え…?」
律子「レッドフードは…フラダリよ…」
あずさ「な…!?」
あずさ「…何を根拠に…?」
律子「…4年ぶり、そう言ったわよね…」
あずさ「…そ…それだけの理由で…?」
あずさ「律子さんもあそこにいたでしょう…?あれだけの爆発…私たちだってもう少しで…」
律子「…」
律子「…そうね、あずささん…」
律子「私…疲れているみたい…」
律子「フラダリが生きているはずなんて…」
あずさ「…」
………
……
…
春香「よし!」
雪歩「遂に!」
真「皆揃って!」
千早「挑戦ね」
マーシュ「…」
春香「よろしくお願いします!」
マーシュ「…よろしゅう頼みます」
春香(う~ん、服装、喋り方、なかなか変わった人だなあ…)
雪歩「あ、あの…マーシュさんはエンジュ地方出身ですか…?」
マーシュ「ええ、そうです」
雪歩「あ、やっぱり…」
千早「エンジュというと…ジョウト…ですね」
真「やっぱり分かるの?」
雪歩「うん、エンジュシティ出身の方のカロス語は独特だから」
春香「ふーん、お茶会にも居るんだ?」
雪歩「そうだよ」
マーシュ「…地の言葉いうのは、どうしても出てしまうんやね」
マーシュ「トレーナーさん達は、ジョウトには?」
春香「いえ、無いです…あ、でも私のお母さんはジョウト出身です!」
マーシュ「ということはカントー語は分かるんやろか?」
春香「あはは…全然です、ジョウトの事はあんまり知らないんですよ…何せエンジュの伝説も最近知ったぐらいですから…」
マーシュ「エンジュの伝説を…?」キッ
春香(…え?何かマズい事でも…)
マーシュ「…ああ、トレーナーさん達…もしかして、プラターヌはんのとこの…」
春香「わ、私たちどれだけ有名なの…」
真「プラターヌ博士は顔が広いからなあ…でしたら話は早いです、何かご存じですか?」
マーシュ「…トレーナーさん達、やめといた方が身のためや、これはほんまに」
春香「え…?」
マーシュ「エンジュは呪われとる、いつまでもエンジュの伝説に縛られとる人間が住むとこや」
真「…何を…」
マーシュ「…お喋りが過ぎたわ、バトル、始めましょ?」
千早「でしたら…」
マーシュ「…」
千早「私がバトルに勝てば、話をしていただけますか?」
マーシュ「…いや…」
マーシュ「それをするんなら、そこの…」
マーシュ「リボンちゃん、あんさんとしたいわ」
春香「り、リボンちゃんって、私ですか!?」
マーシュ「…同じエンジュを捨てた者同士やろ?」
春香「す、捨てたって、私何も!」
千早「春香!」
春香「は、はい!」
千早「…頼んだわよ」
春香「…分かった」
真「エンジュを…捨てた…?」
雪歩「どういう…」
千早「分からない…けど…」
千早(それがどうなるかあなた次第よ、勝てない相手じゃないわ、春香…!)
マーシュ「ほな、はじめましょか…」
春香(って言われても~!)
春香(いや、落ち着いて…落ち着くの…)
春香(…)スゥ…
春香「…行きます!」
春香「カエンジシ!」
マーシュ「クチート!」
シュパアアン!シュパアアン!
春香(エンジュがどうこうとか、初めて聞いたけど、一体何なのか聞くんだから!)
春香(クチートはいかくじゃない、なら…!)
春香「カエンジシ、交替、シュバルゴ!」
マーシュ「クチート、交替、バリヤード」
マーシュ「…」
春香(…ど、どうよ!?)
春香(次は絶対に、リフレクター!)
マーシュ「バリヤード、リフレクター」
春香「シュバルゴ、つるぎのまい!」
真「良いぞ、実質壁は無効だ!」
マーシュ「…バリヤード、サイコキネシス」
春香「効かない!シュバルゴ!アイアンヘッド!」
ドゴォ!
千早(攻撃種族値135からのタイプ一致技、威力80といえど物理防御力に乏しいバリヤードでは…)
ヒューン…バギッ!
マーシュ「バリヤード!」
バリヤード「」グッタリ
千早(即死は免れない!)
マーシュ「お疲れ…行ってきんさい、ニンフィア!」
シュパアアン!
春香「シュバルゴ!もう一度アイアンヘッド!」
雪歩「これは、もうシュバルゴは止まりません!」
真「ああ!」
マーシュ「ニンフィア、あまえる」
春香「…っ!」
春香(それでも…!)
ドゴオッ!
ニンフィア「…ッ」キッ
シュバルゴ「…」ギロッ
真「ギ、ギリギリ耐えた…!?」
シュバルゴ「…!」
春香「し、しまった…!」
千早「あ、あれは…!」
真「ニンフィアの特性…」
春香「メロメロボディ…!」
マーシュ「可愛くて、強いやろ?」
春香(ど、どうする…!?今の状態ではどうせすごいきずぐすりを使われて一撃で倒せない…!)
春香(それにもう一度あまえるを使われたら…?)
春香(だったら特殊攻撃が得意なポケモンで…)
春香(いや、でもそれだと撃ちあいでこちらが競り負ける…!)
春香(ニンフィアの強さは…私も良く知ってる…)ゾクッ
春香(…待って…ニンフィア…?)
千早「長考ね…」
真「ああ…下手すればシュバルゴが腐る…まだマーシュにとってはシュバルゴが重いけど、これさえいなくなれば…」
マーシュ「こんのなら、いかせてもらいます」
春香「…マーシュさん」
マーシュ「…?」
春香「私も、ニンフィア…」
春香「好きですよ!」ニヤッ
マーシュ「…」スッ
マーシュ「…ニンフィア、すごいきずぐすり、どうぞ」
春香「シュバルゴ交替!いっけー!ニンフィア!」
シュパアアン!
マーシュ「…!」
マーシュ「…ニンフィア…」
春香のニンフィア「…」フンッ
マーシュのニンフィア「…」キッ
千早「ニンフィアミラー…!そうか!」
雪歩「春香ちゃんのニンフィアは!」
マーシュ「ニンフィア!スピードスター!」
春香「ニンフィア!ひかりのかべ!」
…ザッ!
春香「…向こうの方が早かった!けど…!」
マーシュ「…なるほど…」
春香(向こうのリフレクターは消えている…!)
春香「ニンフィア!」
マーシュ「…ニンフィア!」
春香「おんがえし!」
マーシュ「クチートと交替!」
春香「…ッ!」
マーシュ「そう簡単には、負けられんのよ」
春香「…ニンフィア!カエンジシと交替!」
マーシュ「クチート、かみくだく」
春香「…まだまだ!カエンジシ、かえんほうしゃ!」
千早(…これは、春香の勝ちね…)
真(マーシュさんのポケモンには春香のカエンジシにもシュバルゴにも決定打はない…)
雪歩(これが、手持ちを知られているかそうでないかの違い…でも、初めての相手だったらどうすれば…?)
………
……
…
春香「…」
マーシュ「お見事、惚れ惚れするほどやね…」
春香「ありがとうございました!」
マーシュ「じゃあ、話しましょか…」
マーシュ「約束やからね」
春香「あ、あの…」
マーシュ「…どしたん?」
春香「え…いや……やっぱりいいです…」
千早「春香…?」
真「まあ…捨てたなんて言われたらね…」
春香「うん…だって、お母さんは別にエンジュの事を悪くなんて言ってなかったもん…」
マーシュ(…?すると…春香はんのお母さんは…いや…まさか…)
マーシュ「…まあ春香はんのお母さんのことは良く知らへんけど…」
マーシュ「エンジュの伝説っちゅうんはスイクン、ライコウ、エンテイとホウオウの話なんはご存じやろ?」
春香「…はい」
マーシュ「実はな、それら3匹の事を神様として崇めて守っとる集落があるねん」
真「…守る…?」
千早(なのに…なぜ…)
春香(ちょっと待って…集落が守ってるならなんでライコウはカロスにいるの…?)
春香(それにミキはその集落と関係があるっていうの…?)
マーシュ「私はそこの出身、でも、この事は他言は無用…」
雪歩「そ、そんな事私たちに話して大丈夫なんですか…?」
マーシュ「もう無関係とは言われへんのとちゃうん?」
春香「…ま、まあ…」
マーシュ「…うちがここに来たのはそういうしがらみから抜け出したかったから、そういう人は多いんよ。そんなあったかどうかも分からん伝説のために、一生をジョウトで終わらせるなんて耐えられへんかった、デザイナーになる夢もあったしね」
マーシュ「…ただ、どうも最近ジョウトの方は上手くいってないみたいやね」
春香「あるかも分からないって、現にライコウ達は居たじゃないですか…だったら、どうにかしようとは思わないんですか?」
マーシュ「うちが言よるんは伝説の話、ライコウ達はただのポケモンいう話よ、まあジョウトからはるばるカロスにまで来るなんて、よっぽどえらい事があったんやろうねえ」
春香「他人事みたいな言い方…」
千早「…ちょっと春香」
春香「あ…す、すみません…」
マーシュ「気にせんといて…春香はんにとってはそうかもしらへん、けどな、うちはな…もう懲り懲りなんよ…」
マーシュ「あんまり話もできんで申し訳あらへん、堪忍してな…」
春香「えっ…ちょっと…」
マーシュ「…春香はん」
春香「何ですか…?」
マーシュ「デンリュウ、大事にしたってな」
春香「…!?何で私がデンリュウを…!!」
マーシュ「…残りの3人方、どうぞ、かかってきんさい」
春香「マーシュさん!」
マーシュ「…」
マーシュさんは私の問いに答えることなく、目を瞑ったまま首を横に振りました。
なぜマーシュさんは私がバトルに使っていないデンリュウを連れていることを知っているのでしょうか?
仮に私の話を博士から聞いているにしても、なぜデンリュウだけなのでしょうか?
エンジュの伝説と、ジョウトの伝説の3体のポケモン…マーシュさんが言う集落というのに、私のお母さんは本当に関係あるのでしょうか?
そして…そんなに重要なはずのライコウが、どうしてカロス地方に居るのでしょうか…?
ミキの正体の片鱗が、見えた気がしました…
本日は以上です、ありがとうございました。
スレの残りの都合上、次回は新しいスレを建ててそこで投下する予定です。
おつおつ
おつー
次スレ&次回分です、どうぞ。
天海春香「ついに、私もポケモンの旅に、2スレ目!」
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