後輩「……けど?」
先輩「いや、俺でいいのかなーって」
後輩「なんでですか?」
先輩「んー……気付いてないなら言っておいた方がいいか」
後輩「?」
先輩「俺……いや、私は女だぞ。こんななりだから気付かなかったかもしれんが」
後輩「……」
先輩「引いたか?まぁ、気にしないでくれたら助かるな」
後輩「……知ってますよ」
後輩「だって先輩は女性ってこと、隠してるわけじゃないですし」
先輩「隠すもんでもないしなぁ。こういう勘違いがあっても困るし」
後輩「だから、勘違いじゃないんです!」
後輩「こ、こんななりだから気付かなかったかもしれませんが……」
後輩「ボ、ボクは男……なんです」
先輩「……へ?」
先輩「……マジ?」
後輩「ま……まじです」
先輩「……その髪、地毛?」
後輩「じ、じげです……」
先輩「……」
後輩「し、信じていただけませんか……?」
先輩(小動物みたいな目、さらさらの長髪、ほっせぇ体……)
先輩(なにこれ可愛い)
後輩(ギラギラした獣みたいな目、無造作でワイルドな髪、スラリと伸びた長身……)
後輩(全部、かっこいい!)
先輩「いや、別に」
後輩「な、ならっ」
せんぱーい
「おい、呼んでるぞ」
先輩「ん……あぁ、今行く」
「誰だあのちっさいやつ」「確か一年の……」
「可愛いなぁ、彼女か?」「キマシタワーってか」
先輩「あいつら、あとでシメる」
後輩「あはは……」
先輩(こいつの電撃告白から、数日経ったが……)
後輩「……?」
先輩(まだ未だに、こいつが男って確証がない)
先輩(……まぁ、本当か嘘かなんてどうでもいいけどな)
後輩「先輩……?」
先輩「あーん?」
後輩「いえ、なんだか難しそうな顔してたので……」
先輩「別になんでもねーよ、きにすんな」
後輩「……はい」
先輩(……この顔みたさについ冷たいフリをしてしまう)
ほう
楽しみ
夜だけ攻めが逆転(ry
支援だ(´д`)ハァ、ハァ
後輩「あ、先輩すいません」
先輩「ん?」
後輩「ボク、これから部活なので……ここで失礼します」
先輩「ん、あぁ。またな」
先輩(俺に断りいれることか?それ)
先輩(……つか、あいつ部活なんてやってたのか)
先輩(部活、ねぇ)
「御茶にはね、心が出るのよ、心が」
後輩「は、はぁ……」
「さ、飲んでみなさい」
後輩「んぐ……んぐ……」
「どう?」
後輩「……」だばぁ
「……」
先輩「……なにやってんだ?お前」
「あっ、素行不良女子!入ってこないで」
先輩「へーへー、別におめーに用事なんてねーよ」
先輩「……おい、行くぞ」
後輩「え?は、はいっ」
「あーっ!ちょっと待ちなさいっ!」
後輩「先輩、なんでボクがあそこにいると?」
先輩「校舎入って行くのが見えたし……おめーが運動部とも思えなかった」
後輩「たはは……」
先輩「んで、気弱そうな一年とっ捕まえてなんとか続いてるような部活はあそこしかねーわけだ」
後輩「……気弱そうな、一年」
先輩「あ?なんか言ったか」
後輩「……いえ、何も言ってないです」
先輩「ふーん……げっ」
後輩「?」
「あー、そこのキミ」
後輩「あ、はい」
「この辺で、こーんな目をしてこんな髪型の……男子生徒を見なかったか」
後輩「……」
後輩「……見てないです」
「……そうか、呼び止めてすまなかったな」
後輩「いえ、大丈夫です。生徒会長さん」
会長「キミも早く帰るように。女生徒が遅くなると親御さんも心配だろう」
後輩「……」
先輩「ふぃー、行ったか。さんきゅーな後輩」
後輩「いえ、ボクは見たままを言っただけです」
後輩「男子生徒なんて、見てません」
先輩「……ヒッヒ、だな」
先輩「……ぷぁー」
後輩「……」
先輩「なんだ?俺の顔になんか付いてっか」
後輩「いえ、特には……」
先輩「そうか?」
先輩「……ふぃー」
後輩「……」
先輩「……気になるか?これ」
後輩「……こくこく」
先輩「吸ってみるか?にしし」
後輩「……」
先輩(え、まじか)
後輩「す、すはー」
先輩「あ、おい。そんなに一気に吸うと……」
後輩「……うっぷ」
先輩「あー……言わんこっちゃない」
先輩「落ち着いたか?」
後輩「は……はい……もう、大丈夫……です」
先輩「まだ真っ青だ、ムリすんな」
後輩「……ひゃい」
先輩「悪かったな、無理に吸わせて」
後輩「いえ……吸ってみたかったんです、ボクが」
先輩「……」
先輩「なぁ、後輩」
後輩「……はい」
先輩「なんでお前、その恰好してんの?」
後輩「……」
後輩「……先に、こちらから聞いてもいいですか?」
先輩「あぁ、俺がこんな格好してる理由?」
後輩「……はい、ダメですか?」
先輩「いや、人に聞くときはまず自分からってな……っても、別に深い事情とかあるわけじゃないぞ」
先輩「ただ……そうだな」
先輩「めんどくなったから、かねぇ」
後輩「めんどく……ですか」
先輩「そ、めんどくですよ」
先輩「……すはーっ」
後輩「……」
先輩「んで、今度はそっちだ」
後輩「……ボクがこの格好してるのは……」
後輩「……逃げ、です」
先輩「……逃げ、ねぇ」
後輩「……この格好なら、誰もボクを責めない……から」
先輩(責めない、か)
後輩「……」
先輩(まぁ、分からんでもない)
先輩「……あ」
後輩「?」
先輩「……煙草切れ」
後輩「……」
先輩「……」
後輩「帰りますか?先輩」
先輩「そうすっかね、ほい。手」
後輩「……はい、手」
先輩(こいつの手、ちっさくてすべすべしてやがる)
後輩(先輩の手……あったかいです)
先輩「……む」
後輩「……あっ」
後輩「す、すいませんっ。すぐ離しますっ」
先輩「ん、あぁ……」
先輩(……ちと残念、なんて思っている自分がいたりする)
後輩(ドキドキしてきた……顔真っ赤になってそう……)
先輩「……後輩」
後輩「はい、なんでしょう?」
先輩「お前は先に帰っておいてくれないか」
後輩「え?どうして……」
「おうおう、今日は彼女連れか?おなべ野郎」
先輩「……チッ」
後輩「え、あの……」
先輩「逃げろ、後輩!」
「逃がすかよ、ばーかっ」
後輩「あうっ」
先輩「……仲間がいやがったか」
「いくらてめーが強くても、今は暴れない方が身のためだぞ?可愛い後輩を傷物にされたかないだろ」
先輩「ひきょうもんが……」
「へっ、なんとでも言えや。オラッ!」
先輩「ぐっ」
後輩「!!」
「今までの借りを……」
後輩「……はあっ!!」
「ぐぁっ!?」
先輩「っ!?」
「な、なんだこいつっ!?」
後輩「先輩に触れてる手を離せ!」
ゴキッ
「あ、あぁぁっ!?い、いでぇっ!!」
後輩「今は関節を外しただけです……今は、まだ」
「ひ、ひいいっ」
後輩「……ふぅ」
先輩「……」
先輩「……お前、強いんだな」
後輩「……」
先輩「助かったわ、ありがと」
後輩「……先輩のために必死、でしたから……」
先輩「……?」
後輩「……っ」
先輩「あっ、おい!」
先輩「……行っちゃったよ」
後輩「はーっ……はーっ……」
後輩「……」
先輩(晩飯なににすっかなー)
先輩(……)
先輩「……さみぃ」
今日はこんなとこで
いきなり支援みっつとかやる気でまくりんぐ
おつ
先輩「うーっす」
後輩「あ、先輩……おはようございます」
先輩(……)
後輩(……)
先輩(……何言っていいかわかんね)
先輩「……付き合え」
後輩「へ?授業、もう……」
先輩「……」
後輩「あっ、待ってくださいっ」
先輩「……ぷはー」
後輩「先輩、よくこんなことしてらっしゃるんですか?」
先輩「ん?まぁ、ちょくちょくな」
後輩「……」
先輩「なんだよ、付き合ったこと後悔してんのか?」
後輩「いえ、そんなことは全く」
後輩「ただ……羨ましくって」
先輩「羨ましい?」
後輩「ボクにない物を一杯持ってますから、先輩は」
先輩「ふーん、そんなもんかね」
後輩「……」
先輩「なんだ?俺の手元がどうかしたか」
後輩「……ていっ」
先輩「あっ、こら」
後輩「す、すぱー……」
先輩「……」
後輩「ごっほ、ごっほ……すぱぁ」
後輩「……えへへ、少し吸えました」
先輩(怒る気失せるわ、こいつの笑顔)
後輩「ごっほごほ」
先輩「ほら、返せ」
後輩「す、すいまひぇん……」
先輩「……すーっ」
先輩(……私もあんたのこと、羨ましいけどねぇ)
後輩「?」
後輩「……あ、チャイムが」
先輩「ヒッヒ、これでお前も素行不良少年だな」
後輩「……そう、ですね」
先輩(なぜ頬を赤らめる)
先輩「……ん」
後輩「……?」
先輩「……げ」
後輩「……あ」
「やはりここにいたか」
後輩「会長……」
先輩「……」
会長「逃げ場を探しても無駄だ。屋上の出入り口はここだけだからな」
先輩「ケッ」
会長「……キミは確か、以前にも会ったな」
後輩「あ、はい」
会長「人の交友関係をどうこう言うつもりはないが……こいつと一緒にいて、あまり有益な事は無いと思うぞ」
後輩「……」
先輩「で、会長様が俺に何かご用事ですかね」
会長「……ふんっ」
先輩「おうっ」
会長「私の目の前でこれを吸うな」
先輩「へーいへい」
会長「そもそも、ここにはお前に会いに来たわけじゃない」
会長「朝にいたはずの生徒が授業に出てないって聞いて、探していたのだ」
後輩「もしかしてそれって……」
会長「授業を抜け出すのは勝手だが……他人を巻き込むのはやめろ」
先輩「……」
会長「……担任への誤魔化しは私がしておく。帰るときに見つかるなよ」
後輩「へ?は、はい」
会長「……ふん」
先輩「……チッ」
後輩「先輩?」
先輩「あれが最後の一本だった」
後輩「……」
先輩「帰んぞ、後輩」
後輩「はいっ」
会長「……」
「会長?大丈夫ですか?」
会長「ん、あぁ……すまない、なんだったかな?」
「来年度の部活動予算についてなんですが……」
会長「……」
「会長?」
会長「……む」
「今日はお早めに帰宅されては?こちらは私達でやっておきますから」
会長「……すまないな」
「いえ、いつも会長にお任せしてばかりなので」
会長(……何を気にしているのだろうな、俺は)
会長(……む)
先輩「また来るな、ばっちゃん」
「あぁ、またそんこも連れておいで。あんたが友達連れてくるなんていつ振りか分からんからね」
会長「……あいつ」
先輩「……お前、生徒会の仕事はどうしたんだよ」
会長「たまには抜け出すのも悪くないだろう」
先輩「ま、別にどうえもいいけど……なっ」
会長「これは没収だ」
先輩「ここは学校じゃねーぞ、横暴だ」
後輩「……」
会長「キミ、学校の外でもこいつと一緒にいるんだな」
会長「学校でも言ったが……悪いことは言わん。いますぐ帰ったほうがいい」
先輩「てめーにゃ関係ないだろ」
会長「お前は口を挟むな」
先輩「へいへいっと」
後輩「……」
後輩「……て」
会長「?」
後輩「……て、てめーにゃか、関係ない……です、よ」
会長「……」
後輩「……」
先輩「……ぶふっ」
先輩「あーっはっはっは!」
先輩「よく言った、後輩」
後輩「せ、先輩」
会長「……」
先輩「本人がこう言ってんだ、邪魔すんな」
会長「……キミは騙されている、こいつは……」
先輩「あー、それなら心配すんな」
会長「なんだと?」
会長「……バ、バカな……」
先輩「眼鏡がずり落ちるほどショック受けんでも」
後輩「……あぅ」
会長「か、確認したのか?」
先輩「んなこと出来るか、バーカ」
会長「……」
先輩「確認するか?お前が」
会長「で、できるかっ!」
先輩「ほらな」
先輩「ま、そういうこった。お邪魔虫は帰んな」
会長「……ふん」
後輩「……会長」
会長「……?」
後輩「……ボク、負けませんから」
会長「……その恰好じゃ、迫力に欠けるぞ」
後輩「あぅ」
先輩「?」
会長「負けませんから……か」
会長「もう負けてるようなものだがな、はは」
先輩「負けませんからって、何のことよ?」
後輩「……」
先輩「な、なんだよ。じーっと見て」
後輩(……勝手にボクから言うのはよくない気がします)
先輩「な、なんか言えよっ」
後輩「……」
先輩「なんなんだよ、ったく……言いたくねーならいいよ」
先輩(ぷるぷるした目が可愛いから許しちまったわ)
先輩「あ、俺んちここだから」
先輩「そんじゃ、また明日」
後輩「はい、また明日です」
先輩「……あ」
先輩「くっそ、あいつに煙草持っていかれたままじゃねぇか……」
先輩「……」
先輩「……たまには我慢してみっか」
先輩「おーい後輩……って、あれ」
先輩(あいつ、いねーし……)
先輩「おい、そこのお前」
「えっ!?あ、は、はいっ」
先輩(めんどくせぇ……)
先輩「そこの席の奴は今日どうした」
「えーと、確か病欠で……」
先輩「おう、ありがとよ」
「なに今の、こっわー……」「三年生だよね?最近よく見るけど……」
先輩(病欠……見舞いにでも……)
先輩(……そういや、あいつの事なんも知らんわ俺)
先輩「おう、いい所で会ったな」
会長「なんだ、お前の方から話しかけてくるとは珍しいな」
先輩「後輩の住所聞きてーんだけど」
会長「……」
会長「生徒の個人情報だぞ?分かってるのか」
先輩「分からんなら分からんでさっさと答えてくれ。急ぎたいんだ」
会長「……名簿で調べてみる。少し待て」
先輩「持つべきものは友だな、ヒッヒ」
会長「心にもないことを……」
会長(……友、ねぇ)
後輩「こっほ……こっほ……」
後輩「……先輩、何してるかな……」
後輩「……頑張って行けばよかったかな、学校……」
後輩「……喉、乾いた……」
「ほい、麦茶」
後輩「あ、どうも……」
後輩「……?」
「冷蔵庫勝手に開けたけど、大丈夫だったか?」
後輩「え……」
先輩「あと、鍵を掛けないのは不用心だぞ」
後輩「せん……ぱい……」
先輩「あ、おい!大丈夫かっ!?」
深夜って定期的に書かないと落ちるんだっけ
基本的に下の方にある奴が過去ログ行きの対象になるから「定期的に上げないと落ちる」だな
詳しくはローカルルール読んでくれ
後輩「……ん」
先輩「お、起きたか。うなされてたみたいだったが大丈夫か?」
後輩「……ゆ、夢じゃ」
先輩「あーあー、そんまま寝てろ」
後輩「……はぃ」
先輩「しかし……一人暮らしだったんだな、お前」
先輩「こんなんばっか食べてたら、そりゃ体壊すわ」
後輩「……ボク、料理出来なくて……」
先輩「ほい、飯」
後輩「……」
先輩「な、なんだよ」
後輩「……いただきます」
先輩「……泣かなくてもいいだろ、ったく」
後輩「おいしかったです、先輩」
先輩「そりゃな、味見してんだからまずかったら出さんわ」
後輩「……どうして、うちが分かったんですか?」
先輩「あいつに聞いた」
後輩「会長……ですか」
先輩「まぁ、聞こうかなーとは思ってたとこだ」
後輩「そう……でしたか」
先輩「……おっと」
後輩「?」
先輩「病人の前で吸うもんじゃね―な」
後輩「……構いませんよ。吸ってるときの先輩の横顔、好きですから」
先輩「……」
後輩「……先輩?」
先輩「ん、あぁ……そいじゃ遠慮なく」
先輩(柄にもなくドキッとした)
先輩「しかし、一人暮らしなぁ……羨ましいわ」
後輩「そうですか?」
先輩「うちは親父も御袋も弟もうるせーしなぁ……
後輩「弟さん、いらっしゃるんですね」
先輩「そういや言ってなかったか……まぁ、別に言うほどのことでもねーし」
先輩「お前んとこは?」
後輩「おじい様がボクの親代わりみたいなものですね」
先輩「んー……そっか」
後輩「はい」
先輩(……あーあ、なにやってんのさ俺)
先輩「一人暮らしの費用も、そのおじい様が?」
後輩「はい、お恥ずかしながら……」
先輩(結構いいとこの生まれなんかね、こいつ……ま、どうでもいいか)
後輩「……少し、熱引いてきたかもです」
先輩「ん、そうか」
先輩(……なんか、はだけたパジャマが)
後輩「……先輩?」
先輩「ん」
先輩(……何考えてんだ、欲求不満か?私)
後輩「……今日はありがとうございました」
先輩「なーに、勝手に押しかけただけだ」
後輩「……あの」
先輩「あん?」
後輩「明日、お暇ですか?」
先輩「明日……ねぇ」
先輩「特に何もねーけど」
後輩「な、なら……その」
先輩「?」
後輩「い、一緒にどこか行きませんか?」
先輩「……風邪は?」
後輩「ぜ、絶対治します!ごっほごほ」
先輩「ふーん……」
先輩「ま、期待しとくわ」
後輩「期待しておいてくださいっ」
先輩(……ガラスに映った、私の顔)
先輩「……にやけて気持ちわりー、なんだこいつ」
「ねえちゃーん、漫画貸してーっ」
先輩「……!」
「……うわ」
先輩「おい、うわってなんだうわって」
「いや、深い意味は……いでででででっ!」
先輩「私がこんな格好してたらおかしいって言いてぇのか?えぇ!?」
「お、男の恰好ばっかしてんのねえちゃんの方だろ!」
先輩「むっ……」
「バーカっ!」
先輩「あ、こらっ」
先輩「……」
先輩「……無理に背伸びする必要もねーか」
先輩(予定より早く来ちまった)
先輩(あいつの私服ってどんな感じなんだろうなー)
「せんぱーい、すいませーんっ」
先輩「ん、あぁ……」
後輩「……先輩?」
先輩「……帰る」
後輩「え、えぇっ!?」
先輩「俺ももうちょっとしっかりしたもの着てくる!」
後輩「先輩の服も似合ってると思いますけど……」
先輩(似合ってるのも問題なんだろうが……)
先輩(結局押し切られた)
後輩「先輩、今日はどこに行きます?」
先輩「あ?お前決めてないのかよ」
後輩「ボク、あまり外を出歩くことなくって……」
先輩「ならなんで俺を誘ったんだよ」
後輩「……その」
後輩「あのタイミングを逃したら……二度と機会が来ない気がしたので」
先輩「……ふーん」
先輩「ゲーセンでも行くか、駅前の」
後輩「はいっ」
先輩(こうして歩いてたら、カップルに見えるんかね)
後輩「~♪」
先輩(……カップルには見られるかもな、ヒッヒ)
ローカルルール見てきたわ
まぁそんな長くならんと思うけど定期的に書くことにする
乙
会長切ない
後輩「よくこういう所、来るんですか?」
先輩「んー……まぁ、学校サボったときとかたまにな」
後輩「そう……ですか」
先輩「ほら」
後輩「?」
先輩「隣、座れよ」
後輩「あ、はいです」
後輩「??」
先輩「お前、こういう所来たことないのか?」
後輩「おじい様がこういう場所はよくないと……」
先輩「……厳しいんだな、おじい様ってのは」
後輩「……厳しい、です」
先輩「……ほら、こうすんだ」
後輩「っ!」
先輩「ん、どうしたよ」
後輩「な、なんでもないですっ」
先輩(手がぷるぷるしとる……しばらくこうしていよう)
先輩「……」
後輩「先輩?」
先輩(プリクラ……か)
先輩「……おい」
後輩「?」
後輩「あぅっ」
先輩「……笑えってさ」
後輩「あ、はい」
後輩「……先輩」
先輩「あ?」
後輩「……にこっ」
先輩「……」
先輩「……に、にこ」
先輩「……」
後輩「せ、先輩……」
先輩「これの何が楽しいんだろうな?」
後輩「……ボ、ボクは」
先輩「あ?」
後輩「ボクは、嬉しかった……です」
先輩「……そっか」
後輩「鞄に貼っていいですか?」
先輩「ダメに決まってんだろ、アホか」
後輩「あぅ」
先輩「……大事にしまってろ」
後輩「……はい」
先輩「腹減ったなー、なんか食うか」
後輩「先輩、何が好きですか?」
先輩「俺?俺はなー……んー」
先輩「……あ」
後輩「?」
先輩「ゲーセンで摩っちまった」
後輩「でしたら、ボクがお出ししましょうか?」
先輩「……おらっ」
後輩「あぅっ」
先輩「お前におごられんのは、俺の気が許さネェ」
後輩「でも、そしたら……」
先輩「むー……そうだ」
後輩「?」
先輩「どうだ、美味いか」
後輩「はい、おいしいです」
先輩「そうか、それじゃ俺も貰うとするかな」
後輩「でも……作って貰っちゃってよかったんですか?」
先輩「材料費はお前が出してくれたじゃねぇか、むしろ俺の台詞だ」
先輩「うん、我ながらうめぇ」
後輩「……先輩」
先輩「もぐもぐ……ふみゅ?ごくん」
先輩「ん?どうした」
後輩「……今度、料理教えていただけますか?」
先輩「人に教えたことないから、上手くできるかわかんねーぞ。それでもいいのか?」
後輩「それでも、です」
先輩「ま、別にいいけどな」
先輩「……ん、もうこんな時間か」
後輩「本当だ、もう暗くなってきてますね」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……なぁ」
後輩「は、はい」
先輩「泊まってっていい?」
後輩「……へ?」
先輩「……」
後輩「……」
後輩「……いい、ですけど」
先輩「よっしゃ」
先輩「……風呂空いたぞー」
後輩「はーい……って、せ、先輩っ!?」
先輩「?」
後輩「その、ふ、ふ、服を……!」
先輩「あー、わりぃわりぃ」
先輩「俺が着てきた服、濡れちまったんだわ。お前の服貸してくれねーか?」
後輩「……」
先輩「……これしかないのか?」
後輩「……残念ながら」
先輩「……」
後輩「……今ならまだ、店開いてるかもしれませんし」
後輩「ボクが行ってきましょうか?」
先輩「……いや、今日は俺が勝手におしかけたんだ」
後輩「あ……」
先輩「一応着れるんだ、これでいい」
後輩「……」
先輩「おい、なにボーッてしてんだ」
後輩「い、いえっ」
先輩(ヘソが隠れねぇな……)
後輩「……ふぁ」
先輩「なんだ、眠いのか?」
後輩「い、いえ……くぁ」
先輩「体は正直だな」
後輩「……あぅ」
先輩「布団、一つしかないのか?」
後輩「はい……」
先輩「……俺はソファーで寝るわ」
後輩「えっ、ダメですよそんな」
後輩「先輩はお客様なんですから、ボクがソファーで寝ます」
先輩「そういう気遣いはむしろ邪魔だ」
後輩「……」
先輩「……」
先輩(……で)
後輩「……すぅ」
先輩(なぜこうなった)
後輩「……んぅ……」
先輩(がっちりつかまれて動けねぇや)
先輩(しっかし、見れば見るほど……)
後輩「……くー……」
先輩(ほんとに男なのかね、こいつ)
先輩「……」
先輩(いやいや、確かめるわけにはいかんだろ)
わっふるは需要あるのかねぇ
わっふるわっふる
先輩(確かめるわけにはいかない……よな?」
後輩「……すや……」
先輩(……ちょっとだけなら、大丈夫だよな)
先輩「……よっ、と」
先輩(……ごくり)
後輩「……」
先輩「……」
先輩「……いつから起きてた?」
後輩「……今、です」
先輩「……そうか」
後輩「……ぱ、ぱじゃま返していただいても……?」
先輩「お、おう」
ワッフル食べたいです!
>>69
つワンタン
先輩「……」
後輩「……」
先輩(……最近私、らしくないなぁ)
後輩「……先輩」
先輩「ん」
後輩「……ボクって、女の子に見えますか?」
先輩「まぁ、その恰好してりゃな」
後輩「……なら、「男の子の恰好してたら、男の子に見えますか……?」
先輩「んー……見たことないからわかんね」
後輩「……ですよね」
先輩「だな」
後輩「……気になります?」
先輩「何が」
後輩「……服の下、です」
先輩「……」
先輩「ここで気にならないって言っても、嘘丸出しだろ」
後輩「……あぅ」
先輩「……まぁ、それでお前が男だろうが女だろうが」
先輩「今さら何か言うつもりがあるわけでもねーけどな」
後輩「……ですか?」
先輩「ですね」
後輩「……」にこ
先輩(こんな可愛い子がなんとやら)
後輩「今日は、どこに行きます?」
先輩「んー……昨日は俺が決めたから、今日はお前が決めろ」
後輩「……頑張ります」
先輩(そこまで気を張らんでも)
後輩「……先輩、その恰好で外に?」
先輩「え?あぁ……やけに涼しいと思ったら、忘れてたわ」
先輩「やっぱ俺には似合わないか?こんな格好」
後輩「いえ……綺麗です」
先輩「んー……なら、このままでいいわ」
後輩「ここのシュークリーム、凄くおいしいんですよ」
先輩「へぇー」
後輩「こっちのケーキ屋さんも、すっごくおいしくてー」
先輩「へ、へぇ」
後輩「こっちのパフェもすっごくー……」
先輩「……へ、へぇ」
先輩(口の中があっめぇ……)
後輩「先輩、次はこっちにー」
先輩(……まぁ、こいつが楽しそうならいいか)
先輩「よく来るのか?こういうとこ」
後輩「いえ、そんなによく来るわけではないんですけれど」
後輩「……甘いもの、大好きなんです」
先輩(……見てりゃ分かる)
後輩「先輩」
先輩「あ?」
後輩「……楽しいです」
先輩「……」
先輩「……俺もだよ」
後輩「はむはむ……」
後輩「?」
先輩「なんでもねーよ、なんでも」
後輩「……あ」
先輩「もうこんなに時間経ってたのか」
先輩「そろそろ帰らんとなー」
後輩「お、送っていきますよ先輩っ」
先輩「ん?あぁ……」
後輩「ここでしたよね、先輩の家」
後輩「それじゃ、また明日学校でっ」
先輩「ん、おう」
先輩「……」
先輩「そういや今日……煙草吸ってねーや」
「ねーちゃん、なんだよその恰好!」
先輩「っるせー!」
後輩「……」
後輩(先輩……服、忘れてる……)
後輩「……っ」
後輩「……!」
後輩「洗濯、しなきゃ……」
後輩(……ボクはなんてことを)
後輩「よいしょ……」
後輩「……」
後輩「……くん、くん」
後輩「はっ」
「この服、どうしたの?」
先輩「……借りた」
「ふーん……随分と可愛らしい服ねぇ、珍しい」
先輩「それしかなかったんだよ」
「なら、うちにもこういうのだけしか置かないようにしようかしら?」
先輩「……」
「そんな怖い顔しないでよ、もう。冗談よ」
先輩「……はぁ」
先輩「……よぅ」
後輩「あ……お、おはようございます」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……おい」
後輩「あ、は……いっ?」
先輩「付き合え」
後輩「じゅ、授業は……」
会長「それじゃ、担任にはよろしく伝えておいてくれ」
「はい……でも、どうして会長がそれを?」
会長「……」
「あ、えと……きょ、教室行ってきます」
会長「……どうしてだろうな?俺にも分からんよ」
先輩「……ふぃー」
後輩「……」
先輩「なんだよ、じろじろ見て。今さら珍しくもないだろ」
後輩「……いえ、そうじゃなくて」
先輩「じゃなくて?」
後輩「……逆向きです、たばこ」
先輩「……どうりでまじぃと思ったわ」
先輩「なぁ、後輩」
後輩「なんでしょうか?」
先輩「……付きあわせて悪いな」
後輩「……嫌なら一緒にいないです」
先輩「……そうか」
後輩「惚れた弱みってやつなのでしょうか、これが」
先輩「……さぁな、知らん」
先輩「もう昼休みか……時間が経つのは早いもんだ」
後輩「……ですね」
ぐー
先輩「……はは」
後輩「……あぅ」
先輩「食堂はめんどくさそうだし……飯はどうするかなぁ」
後輩「……あ」
先輩「あ?」
会長「……よう、不良生徒共」
先輩「感謝するぞ、パシリ眼鏡」
会長「……今からでも没収していいのだが」
後輩「……」
会長「……ぷるぷるするな、本当にするわけじゃない」
会長「お前らは二人とも風邪で休んでることになってる。行動は自由にすればいいが誰にも見つかるなよ」
先輩「おう、せんきゅーな」
会長「一人が二人になっただけだ、慣れている」
後輩「……」
会長「恩を売るつもりはない、気にするな」
会長「むしろ……そのアホを頼む」
後輩「会長……」
先輩「?」
どうでもいいけどタバコ逆向きなんてまずいどころじゃないぞ
>>84
一応そのぐらいボーッとしてたって感じで……喫煙者にはありえんことかもしれんけど
後輩「あの、先輩」
先輩「もふもふ……あ?」
後輩「会長とは、いつからの仲なんですか?」
先輩「……そんなん聞いてどうすんだ?」
後輩「少し、気になって」
先輩「ふーん……まぁ、いいか」
先輩「あいつとはもうかれこれ、小学校ぐらいからの付き合いになるかな」
先輩「昔っからアホみたいに真面目で……事あるごとに突っかかってきやがった」
先輩「この学校に来た時は、せいせいと思ったんだが……」
先輩「なんか受験に失敗したらしくてな、まさか俺と同じとこに来るとは思わなかったぜ」
先輩「ま、悪いこと次ばっかじゃなかったけどな」
後輩「……」
後輩「……会長は、多分……」
後輩「むぐっ」
先輩「……それは、お前から言っちゃいけねぇことだ」
後輩「……」
後輩「……はい」
先輩「あんたが思ってるほど、俺……」
先輩「……いや、私は……強い人間じゃないんだよ」
後輩「先輩……」
先輩「ぷはーっ……ふぅ」
先輩「帰るか」
後輩「……はいですっ」
先輩「あ、そうだ。お前の家、寄っていいか」
後輩「……?」
先輩「服、忘れてたよな?確か」
後輩「……ですね」
先輩(なんて理由付けしちまってる自分が気に入らん)
後輩「……!」
先輩「どうした?」
後輩「あ、いえ……その」
「……」
先輩(……誰だ?この爺)
後輩「……おじい様、なぜこちらに……」
「……ふん」
後輩「……あぅ」
「……なんだ、お前は」
先輩「あ?俺か?」
「……阿呆が阿呆を呼ぶ、か」
先輩「なっ」
「男の恰好をする女を、阿呆と呼ばずになんと呼ぶ?」
先輩「!」
後輩「……おじい様」
「……?」
後輩「ボクの事は阿呆でかまいませんが……」
後輩「先輩を悪く言うのは、聞き捨てなりません」
「……」
先輩(後輩……)
「……ならばまず、我が身を正せ」
後輩「……」
先輩「あ、おいっ」
「……」
先輩(するりとかわされた……)
先輩「……後輩?」
後輩「……」
後輩「……はぅぅ」
先輩「あっ、おい。大丈夫か?」
出かけてくる
わっふるなくてすまん
乙~
先輩「さっきのが、お前の言ってたおじい様か」
後輩「……はい」
先輩「感じの悪いじじいだったな、俺の一番嫌いなタイプだ」
後輩「でも、ボクの生活費を全て出してくださっているので……」
先輩「……そういや、一緒には住んでないんだな」
後輩「……」
後輩「……逃げたんです、ボクが」
先輩「……それ、聞いたらまずい話?」
後輩「……いえ、先輩には聞いていただきたかったかも……です」
先輩「そうか」
後輩「前にも少しお話したと思いますが、おじい様はボクを親代わりとして育ててくださったんです」
後輩「……おじい様は、厳しい方でした」
後輩「実家が道場をやっていて……物心付いた頃からは稽古の記憶しかないほどに」
後輩「期待されてるのは、分かっていました。仕方ないことだとも、思ってました」
後輩「……でも、ダメでした」
後輩「こんな姿になったボクを、おじい様はすぐに見限りました」
後輩「それでも、住む場所と生活できるお金は出してくださっています」
後輩「ボクは結局……逃げてるだけなんです」
先輩「……」
先輩「ていっ」
後輩「い、いひゃいっ」
先輩「そりゃそりゃ」
後輩「い、いひゃいですひぇんぴゃい……」
先輩「おらっ」
後輩「あぅっ」
先輩「……」
後輩「せん……ぱい?」
後輩「んっ……」
先輩「……ん、ぅ」
後輩「……ぷはぁ」
先輩「……甘いな」
後輩「……苦かった、です」
先輩「ん、わりぃな」
後輩「……いえ」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……一人で逃げてると、辛いことばっかだろうからさ」
先輩「今度からは、俺も一緒に逃げてやるよ」
先輩「逃げてばっかの俺じゃ、頼りないかもしれねーけど……んっ」
後輩「……ありがとうございます、先輩」
先輩「……おう」
先輩(……俺も逃げてばっかじゃ、よくねーよな)
後輩「……帰らなくてもいいんですか?先輩」
先輩「構わねーさ、別に」
後輩「……ボクだって」
先輩「あ?」
後輩「ボクだって、その……男、なんですよ?」
先輩「……」
後輩「な、なんですかその目っ」
先輩(いや、そんなぷるぷるしながら言われてもな)
後輩「……むっ」
先輩「……?」
後輩「……」
先輩「お、おい……どうしたんだよ」
先輩「っ……」
後輩「……その気になれば、このぐらい出来るんですよ」
先輩「……ぅ」
後輩「……はっ」
後輩「す、すいませんっ!ボク、なんてことを……」
先輩「……」
先輩「……」
先輩(……不覚にも、ドキッとした)
後輩「せん、ぱい?」
先輩「……お前、カッコイイ顔出来るじゃん」
後輩「……あぅ」
先輩「……帰ったほうがいいか?俺」
後輩「……あ……い、いえ……そんな、わけでは……」
先輩「なら、決まりな」
後輩「え?あっ……ぅ」
先輩(……俺、こんなやつだったっけか……?)
先輩イケメンやな
先輩「……ん、あれ……」
後輩「……すやぁ……」
先輩(……いつの間にか、寝てたのか)
先輩「……ん」
先輩「……」
先輩(なんだこのカッコ……気持ち悪)
後輩「……ん、ぅ」
先輩「おう、起きたか。勝手に台所使ってんぞ」
後輩「……ふぁい」
先輩(朝弱いタイプか、こいつ)
後輩「……~」
先輩「あ、おいっ。火を使ってんだ、危ないだろーが」
後輩「ん~……♪」
先輩「……ったく」
後輩「……」
先輩「なんか言えよ、バカ」
後輩「……いや、その……」
後輩「……」
先輩「真っ赤になるぐらいなら、最初からすんなっつの」
後輩「……先輩は、その」
先輩「あ?」
後輩「……恥ずかしく、なかったですか?」
先輩「……」
後輩「……」
先輩「……聞くな」
後輩「す、すいません」
「で、あるからして……」
後輩「……」
「この計算によって導き出されるのが……」
先輩「……」
「会長?どうされましたか?」
会長「……」
先輩「さっさと行くぞ、後輩」
後輩「あ、はいですっ」
会長「……いや、特に何も」
「そう、ですか?」
先輩「……なぁ、お袋」
「んー?どうしたよ」
先輩「……制服って、まだとってあるか?」
「そりゃ、捨てるわけないでしょ」
先輩「……そうか」
「……男でも出来た?」
先輩「……」
「あら、図星?」
先輩「……ただの気分転換だっつの」
「え?ねーちゃん男出来たのかよ!?女の間違いじゃねーの!?」
先輩「どういう意味だごらぁ!!」
後輩「……せん、ぱい?」
先輩「おっす、後輩」
後輩「お、おはようございます……」
先輩「おう」
後輩「……」
先輩「んだよ、なんか言えよ」
後輩「はっ、あ……えと」
後輩「き、綺麗です先輩!」
先輩「……あんがと」
後輩「……」
先輩「……」
ざわざわ ざわざわ
先輩「……チッ」
先輩「めんどくせぇな……行くぞ、後輩」
後輩「え?あっ、はいっ」
「……会長、いいんですか?」
会長「何がだ」
「その……行っちゃいますけど」
会長「だから、何がだ」
「……なんでもありません」
会長「もう付き合ってられん、バカタレ共が……」
会長(……もう必要ない、が正しいか?)
後輩「……先輩」
先輩「んあ?」
後輩「……どうして、その恰好を?」
先輩「んー、そうだなー」
先輩「色々めんどいから男の恰好してたけど……」
先輩「逆に男の恰好がめんどくなったから、かな」
後輩「……」
先輩「……やっぱ似合ってねぇか?これ」
後輩「い、いえっ」
後輩「す、素敵です……!」
先輩「……そうか」
後輩「……ボクも……」
先輩「ん」
後輩「……ボクも、逃げっぱなしは……嫌、だから……!」
先輩「おう、頑張れ」
後輩「……はいっ」
先輩(なんとなく付いてきちまった……)
「……」
先輩(あいつは奥に引っ込んじまったし……)
先輩「……んだよ、じいさん」
「……ふん」
先輩(なんだってんだ……っ)
「……遅いぞ」
後輩「申し訳ありません、おじい様」
「……ふん」
先輩「……」
後輩「先輩も、お待たせしてすいません」
先輩「ん?あ、あぁ、うん」
後輩「?」
先輩(髪結ぶとこんな感じになんのか……)
「……なるほどな」
先輩「べーっ」
後輩「……」
「……遊んでおったお前に負けるほど耄碌はしておらんぞ」
後輩「……参ります」
(いい動きじゃ……やはり、こやつを変えたのは)
先輩「……?」
(じゃが……)
後輩「隙ありです!」
「甘いっ!」
後輩「うぐっ……」
(やはり、まだまだ……)
先輩「後輩、負けんなっ!」
「むっ……」
後輩「!」
後輩「ふんぬぬぬぬっ……!」
「ぬ、ぬおぉっ!?」
後輩「てーいっ!」
「ぐおっ!?」
先輩「やっりぃ!」
後輩「……ぶいですっ」
「……むぅ」
先輩「おいじじい、床は気持ちいいか?」
後輩「せ、先輩っ」
「……どうやら、認めてやらねばならんようだな」
先輩「だろ?後輩の事を阿呆って言ったことも含めて……」
「……不本意だが、交際を許可しよう」
先輩「……は?」
後輩「……っ」
先輩「あ、おい!逃げんなっ!」
「……?」
先輩「捕まえた」
先輩(首筋、いいなーこれ……じゃなくて)
後輩「……」
先輩「目を見ろ、目を」
後輩「……あぅ」
先輩(……なんだこの小動物)
後輩「……嫌でしたか?」
先輩「嫌とかそういうのじゃなくてだな……その……」
後輩「……」
先輩「……」
「……で、何その子」
後輩「……ど、どうも」
先輩「……」
「舎弟?」
先輩「ちげーよ!」
「そうよねぇ、わざわざ家まで連れてこないもの」
後輩「……あ、あのっ」
「ん?」
後輩「……せ」
後輩「せ、先輩をボクにくださいっ!」
「あらまぁ」
先輩「ぶふおっ!?」
「ねーちゃん、やっぱそっちの趣味が!」
先輩「てめーは引っ込んでろっつったろ!」
「あら、2度驚いた」
「お、男ってマジかよ……」
後輩「……たはは」
「ちょ、ちょっと確認させろ!」
先輩「お前はさっきからうるせぇ!」
「ぎゃぶっ」
「告白はどっちから?」
後輩「ボ、ボクからです」
「あらぁ、大胆なのねぇ」
後輩「……あぅ」
「きゃー、この子かわいーっ!」
先輩「べたべたすんな、困ってるだろババア」
「あらひどい」
後輩「……ふふっ」
先輩「?」
後輩「あはははっ」
後輩「あはは……」
先輩「後輩……」
後輩「……すいません、夕飯までいただいてしまって」
先輩「気にすんな。作ってんのは俺だ」
「もうこの子の料理、食べたことはあるの?」
後輩「えと……はい」
「もー、かわいーっ!」
後輩「……あぅ」
「あんたもこのぐらい可愛ければねぇ」
「いやいや、無理だってそれは」
後輩「……先輩」
先輩「ん?」
後輩「……ありがとうございます」
先輩「……」
先輩「それはこっちの台詞だっての」
後輩「……あぅ」
先輩「……でも、これからもたまには」
後輩「?」
先輩「い、いや……なんでもねーや」
会長「……まだそんな恰好してるのか、お前ら」
先輩「あ?」
会長「まだ、何かあるのか」
後輩「……」
先輩「ばーか、ちげーよ」
先輩「こりゃ私の趣味だ、文句あっか」
会長「……」
会長「……ははっ」
会長「問題大ありだ、バカどもが」
先輩「……ですよね」
後輩「……あぅ」
おわり
おつ
最後まで見てくれた人はありがとう
それじゃまた
乙、あっさりしてて良かったよ
後輩も芯からナヨナヨした感じじゃなかったから、好きなキャラだった
乙
面白かった。おじいさんとの格闘の場面とかの、場面転換の辺りが少し分かりにくかったのです。
後輩(と先輩)がなぜそんな格好をしているですか?
格闘と言うよりは組手ってイメージだったんですが、もう少し文字数を多くするべきでした。反省します
後輩は厳しいおじいちゃんと弱い自分から逃げるための理由としてそんな恰好してました
先輩は女の子をするのがめんどくなっちゃったのでそんな恰好してました
組手にしても何の組手かわからなかったから少し気になったわ
乙
>>125
文字数というか状況の説明だな
デートの場面もお互いどんな服だったのかわからんかったし
書いた後にその文だけでちゃんと伝わるか一度読み直すだけでマシになるよ
俺的はシンプルでよかったな
どんな服着てようとどんな組み手してようと些細な事だと思うし
カッコつけすぎて臭くなるよりこれぐらい淡白な方が好き
組手やら服はまだ良いとして、最後の方の場面転換が分かりづらいな
先輩の母親のセリフ、最初は爺さんかと思ったわ
乙
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