兄「妖怪チンゲチラシ?」 (87)

兄「先日、俺が妹の部屋で大便していたら、旧・日本兵の格好をした見知らぬ男が入ってきた」

兄「最初は泥棒かと驚いたんだけど、無言のまま血走った眼でこちらを睨みつけてくる」

兄「ちょっと薄気味悪くなって、『貴方は誰ですか、何をしているんですか?』って尋ねたら、『バカヤロー!』って叫んでそのまま霞みたいに消えてしまった」

兄「その後、帰宅した妹に事情を話したんだけど、泣き叫ぶばかりで話にならなかった」

兄「両親も怒鳴ったり喚いたりするばかりで、その男の話は何も出来なかった」

兄「もしかすると家族は俺の知らない秘密を抱えているんだろうか…」

兄「とりあえず、ちょっと腹も減ったし、いつもみたいにコンビニでお菓子を買おう」

スカッ

兄「ん?なんか今日は良くドアノブをスカすな…」

妹「…」ダッ ガチャ

兄「お、サンキュー」

妹「…」スタスタスタ

兄「無視か、まぁいつもの事なんですけどね」

兄「ハックションションイイイイ」

兄「う~、さみぃ。まるで冬みてーな寒さだ」トコトコ

兄「ん?なんだあの女」

>>1
こういう怖い話見た

女「カッコッキッコ」ユラユラ

兄「あの~なんか首すごい事になってますけど、大丈夫ですか?」

女「あ、あんタ、私ガみえるの?」

兄「いやいやいや、バリバリ見えてますよ、気持ち悪いくらい見えてます、せめて隠してください」

女「なんダ…あんタも死人なんダね…」

兄「死人!?そんな悪口初めて聞いたわ!」

女「よクいるわ、自分が死んダ事に気ヅカない人」

女「試しにそコの猫触ッテみなよ」

兄「はぁ…?」

猫「Zzz」

スカッ

兄「…」

兄「この猫死んどる…!」

女「いや違うカら、お前ダカら」


兄「つまり、俺は妖怪、お前も妖怪、俺たちゃ妖怪明日も妖怪?」

女「なんでラップ調にしタのカわからないケれド、そういうコト」

女「ただし、貴方ト私では妖怪トしテの年季が違うわ」

兄「妖怪は仕事なのかよ…」

女「貴方ガ何属性の妖怪カはわカらないケれど…」

女「基本的に妖怪は年月を重ねる程好キ勝手できるわ…」

女「何せ私タチは選ばれし存在なのダカら…」

兄「全っ然話がわからないんだけど、要は全裸で歩いても通報されないって事だな?」

女「それ私もやったケド、タまに見える人もいるもいるカら注意しな…」

兄「(見える人気の毒すぎるだろ)」


女「まぁせいぜい成仏しないようにガんばりなさい…、じゃね」フリフリ

兄「いやぁ!オラわっくわくしてきたぞ」シュンシュンシュンシュン

兄「俺は何属性の妖怪なのかな」ルンルン

爺「…」ジーッ

兄「!!」

兄「あれは…」


少女A「アハハだよね~」

少女B「でしょ?でしょ?」

兄「おぉおお!○学生に見せつけても本当に逮捕されない!!」ブランブラン

爺「そこのキミ」ポンポン

兄「おうじーさん!あんたも見るかい?」ビロローン

兄「って、あれ?」

爺「ちょっと署まで来てもらおうか」

兄「」

期待

爺「さて、何故君をここに連れて来たかと言うと」

兄「すいませんでした、両親に電話だけは!!なんでもしますから!!」

爺「…!」

爺「ほう…なんでもするか」

兄「ええまぁ…」

爺「よし、君は今日から我が社で働いて貰おう」

爺「…ようこそ、ゴーストバスターズへ!」

兄「…は?」

爺「ウム、話すと長くなるがゴーストバスターズとは現代社会における、大妖怪、いわば都市伝説レベルまで凶悪化した妖怪を…」

兄「ち、ちょっと待って?」

兄「俺バスターされる側なんですけど…」

爺「…」

爺「…」グッ


爺「そこは大丈夫じゃ、君はワシと同じ匂いがしたからのう、悪い妖怪ではないとすぐわかったわ」

兄「爺さん、あんたは何者なんだ…?」

爺「なぁに、しがない配管工さ…」

兄「はぁ…」

爺「そうじゃ、君の属性を調べてみよう」

兄「!!!」

兄「待ってましたそういうの!」パフパフ

爺「早速じゃがリモコンに念じてテレビを点けてみてくれ」スッ

兄「念じる…?念じるとテレビが点けられるのか!!」

兄「はぁぁぁぁああん」ミョンミョン

テレビ「パッ」

テレビ「今日は青梗菜を使った料理です」テレレッテテテテ テレレッテテテテ

爺「こ、これは…!」

兄「どうした爺さん!」

爺「うむ」

爺「お主の属性はチンゲチラシじゃな」

兄「うおおおおおおひゃっほおおい!!!」

兄「は?」

妹の部屋でばば垂れてる時点であれやけどな
期待

爺「妖怪チンゲチラシの系統か、悪くはないな…」

兄「…」

爺「丁度サポート能力は欠けておったし」

兄「…しにたい」

爺「いやもう死んでるから」

兄「くそがぁぁああ!!」スカッ

爺「チンゲチラシ属性はな、具現化能力と遠隔操作能力そして隠密能力に長けておる」

爺「トリッキーな妖怪をバスターするにはもってこいなはずじゃぞ」

ガラガラ

虫娘「ただいま~」

爺「おかえりんこ!」

爺「後出しじゃ意味ないじゃん!!」

兄「爺さん、あのかわい子ちゃんは?」

爺「あの娘もここの社員、名前は…」

虫娘「私は凛、伽那久羅虫属性よ、ヨロシクね」ズイ

兄「かなくらむし…?」

爺「仏教に伝わる伝説の虫じゃよ」

兄「ナンデ!?ナンデチョットカッコイイノ!?」

兄「…」

兄「…はぁ俺は兄、よろしく頼む」

虫娘「兄は何属性なの?」

兄「チンゲ…」ボソ

虫娘「へ?」

兄「チンゲチラシ属性だよ!!!」

虫娘「…」

虫娘「っぷ」

虫娘「フフ、あははははは」バンバン

兄「…」

兄「(いつか泣くまで口の中にチンゲ詰め込こんでやる)」メラメラ

爺「さてさて」

爺「例の妖怪はやはり活動してるのかのう?」

虫娘「うん、間違いないね」

虫娘「なんたって周辺の村は、封印のための地蔵が倒されてたみたい…」

兄「おいおい何の話 俺は悲し 君らは話し 俺 話無し」

虫娘「なんでラップ調なの?」

爺「君は聞いたこと無いかね?」

爺「"八尺様"の話を」

兄「…」

兄「…あります」

兄「あれはそう…俺が」
爺「で君たちには八尺様属性の妖怪を退治して貰いたい」

兄「回想入らせて!?」

虫娘「八尺様に魅られた人間の目星はついたよ、後はいつ仕掛けるか…」

爺「うむ、なるべく早い方がよかろう、人間にとってはかなり害のある妖怪じゃからの」

虫娘「それじゃあ今夜が勝負だね…!」

爺「うむっ」

兄「うん」

兄「しにたい」

虫娘「いい?絶対に足引っ張らないでね!!」

兄「へいへい、どうせ俺は縮れ役ですよ」

虫娘「…」スッ

兄「(ドア通り抜けられるの楽しすぎるだろ)」スッ


厨「おっぱい…」ムニャムニャ

兄「あの厨坊がターゲットか?」

虫娘「そう…八尺様は未成年しか狙わない…狙えないのよ」

虫娘「その制約のためにかなりの力をもっているの」

…ポ

…ポッ

しえん

兄「…!!」

虫娘「しーっ」

八尺様「ふふっはいれたはいれたはいれたはいれた」ボヨン

兄「…!」

兄「(中々ナイスおっぱいだな…)」

八尺様「部屋に塩なんて盛っちゃって…、イケナイ子」ミョンミョン

塩「シオシオ」

厨「う…ん…」ムニャムニャ

八尺様「可愛い寝顔、下の方はどうなってるのかしら?」ズルズル

兄「(ワッフル!ワッフル!)」

ボロン

八尺様「思ったとおりこっちも可愛い♡」

八尺様「ん…っちゅ…れろれろ…ちゅぱ」

厨「う…あ…」ムニャムニャ

八尺様「んー♡」チュッ

虫娘「…っ」ポー

兄「(…おい!、凛!)」

八尺様「…ちゅぱっ」

八尺様「んー…」

八尺様「こんなんで発情してるお邪魔虫がいるようね…」

兄「(…!! まずい!バレたか!)」ビンビン

八尺様「そこか…!」スッ

虫娘「!」

虫娘「速い…!」

虫娘「くそ!、足がうまくっ!」

八尺様「イきなさい!」ゴッ

虫娘「カハッ」

虫娘「は、腹パンが…っ」ウズウズ

兄「!」

兄「(凛…!)」

尺八様か

虫娘「き…きもちイイ…」プシャッ

虫娘「な…なんで…っ」ジンジン

八尺様「ふふっ、八尺様属性は増幅と変換、痛みが快楽にだってなるのよ」ドゴッ ドゴッ

虫娘「あ…っ」チョロ

ドゴッ

虫娘「も、 もぅ… やめ…っ」チョロロ

ドゴッ

虫娘「あぁぁ…!ああぁんっ!」チョロロロロロロ

兄「…」

兄「…」

兄「…うっ…ふぅ…」デロデロデロデロデンデロ

虫娘「…」ピクピク

兄「あ、ちょっとかかっちゃった」

八尺様「よっわぁ~い」

八尺様「さて続き続き♪」

兄「おい!どんだけ影薄いんだ俺は!」ガタン

八尺様「!」

八尺様「(こいつ…いつからそこに…!)」

兄「ふん…俺のゴニョゴニョ属性はな、具現化、遠隔操作、そして隠密だ」

八尺様「つまり雑魚って事ね」

兄「…」

兄「…しにたい」

八尺様「もう死んでるから!」

八尺様「というか」

八尺様「成人済みは死ね!!」ピタッ

八尺様「…え?」

兄「はい、右腕貰いました」

八尺様「くッこんな毛!」ブンブン

兄「あーあーあんまり動かない方がいいよ?」

八尺様「!」

八尺様「あっ…ん!」グルグル ブラーン

兄「ストリングプレイスパイダーベイビーでござる!ストリングプレイスパイダーベイビーでござる!」

八尺様「この毛…なんて硬さなの…?」ギシギシ

兄「そっか…俺の死因…首吊りだったもんな…」ボソ

兄「死因が属性にも関係してるのかね…?」

兄「どうでもいいけど」

兄「ゴーストバスターしないとな、ジュルリ」ワキワキ

八尺様「待って…ね? 私成人男性は生理的に無理なの!」ブンブン

兄「…そうかならしょうがないか」ニコ

八尺様「…」パァァ

兄「ザーメン歯ブラシの刑に処す」

八尺様「!!?」


兄「おら!具現化ザーメンだ!しっかり味わえ!!」シャコシャコ

八尺様「んんーっ! んーッ!!」ムグムグ

兄「ちゃんと口を開けろ!」ペシッ

八尺様「はっ、はひ…っ」

兄「もう悪さはしないって誓うか?」シャコシャコ

八尺様「…むぐっむぐっ!」コクコク

兄「そうか…ならうがいさせてあげるから口を開けなよ」ニコ

八尺様「…!」パァァ

兄「オラ!全部飲めや!!」ドルッビュッビュッビュ

八尺様「あがっ…!」プシャァ

八尺様「…」ビクビク

兄「口でイクとは相当なド変態だなこいつ…近寄らんとこ…」チラッ


虫娘「…」ピクピク

兄「しょうがないなぁ、こいつも磨いといてあげるか」ヤレヤレ

~帰路~

兄「幽霊が幽霊背負うって初体験だな」

兄「結構重いんですけど」ヨタヨタ

虫娘「…ん」

虫娘「…ハッ」

虫娘「八尺様は!?」バッ

兄「おいおい暴れんな暴れんな」

兄「八尺様なら絶賛放置プレイ中だ」

虫娘「…!」

虫娘「なんかくちにがぁい!」

兄「大分腹殴られたみたいだからな…、胃液とか出ちまったんじゃないか?」

虫娘「うぅ~、うがいしたいよぉ」

兄「もうちょっとで署だからそれまでしっかり(味わっとけ)な!」

虫娘「うぅ~」ギュ

爺「おかえりんこ!」

兄「ただいまん…って何言わせんのよ!」
虫娘「ただいまぁ~」

虫娘「洗面所!洗面所!」イソイソ

兄「とりあえず、八尺様はターゲットの家で拘束中だ」

爺「うむ、後は別の班が回収しよう」

兄「回収…?」

爺「悪いことをする妖怪は更生させねばならんのじゃ、わかってくれ」

カオスだ

兄「もし、更生しなかったらどうするんだ?」

爺「そういう事例やワシらが手に負えない事例は…」

爺「寺生まれに任せるしかないのう」

兄「寺生まれってそんなにすげぇのか…」

爺「多分お主が100年修行しても、肩にチンゲを乗っける位が限度じゃろうなぁ…」

兄「そんなにかよ…!」

爺「お主もこの仕事を続けていたらいずれ会う事になるじゃろうな」

兄「(寺生まれ…どんなヤツなんだ…)」

~くねくね編~

兄「え、遠征ですか?」

爺「うむ、おにゅーの君には申し訳無いと思っとる…」

爺「しかし支部の方はほぼ壊滅、それで派遣を要請してきたんじゃ」

兄「それよっぽどじゃないですか!?なんでもっと強い人を送らないんです?」

爺「まだ我々はトカゲのZIPPO、ということなんじゃろうな…」

兄「なにそれ欲しい」

兄「でもバスターすれば上に認めて貰うチャンスになるってコトだろ?」

兄「やってやんよ」バシッ

爺「ありがとう、君は見込んだ以上の男じゃ…」

兄「それじゃ、行ってくるよ、とりあえずバスター支部に顔出せばいいよな?」

爺「うむ、気をつけるんじゃぞ」

俺は寝るから完結したら起こしてくれ

虫娘「あ、兄!」

兄「ん?」

虫娘「こ、これ…」

兄「なんだこのキーホルダーは」

虫娘「お、お守りよ!」

兄「それって俺らが忌み嫌うはずの物じゃないか?」

虫娘「うるさい!早く行け!!」ゲシゲシ

兄「おーおーじゃあな」ヨタヨタ

兄「こ、ここでいいのか?」

支部「ゴーストバスターズ南東支部」ボロッ

兄「ここだよなぁ…妖怪でも出そうだ…」ガラガラ

狐「…!」

狐「シャーッ」

兄「…!」

兄「狐しか出迎えにコーンってか」

狐「狐なだけにか?」

兄「…!?」

狐「なかなか面白い男じゃの」ボンッ

兄「!!!」

狐娘「私は柚子、よろしく頼むの」

兄「お、俺は兄、あんたは化け狐属性か…」

狐娘「そうじゃ、お主は…」ジロジロ

狐娘「フムフム」クンクン

狐娘「チンゲチラシ属性といったところかの?」

兄「…しにた…くない」

兄「もう慣れた」

狐娘「そうか…ではどちらもサポート重視な属性なわけじゃの?」

兄「まぁ俺はチンゲを集めて槍にしたり、手裏剣にしたり、攻撃もできなくはないけど」モッサァ

狐娘「相手は"クネクネ"じゃ、トラップは効きにくい…、なるべく速攻でいきたい所じゃが…」

狐娘「お主はクネクネについてどこまで知っておる?」

兄「クネクネか…あれは俺が」
村人「ギャァァアア!?!?」

狐娘「!」

兄「それも慣れた」

狐娘「どうしたんじゃ」ガラララ

兄「あ、あれは…」

狐娘「また犠牲者か…」

村人「あ…はぇひうふぅふぅ」グニャグニャ

兄「村人が…骨、どうなってんだ?」

狐娘「クネクネを見ると皆、ああなるんじゃ」

兄「ってことは近くにいるのかよ!?」バッ

狐娘「ふむ…クネクネ属性は狂気と分身、恐らくはあの案山子がクネクネの分身だったのじゃろ」

案山子「キーコ…キーコ…」

兄「分身までいるのかよ…こりゃあ戦力足りなくないか?」

狐娘「そうでもござらん♪」

狐娘「一回狂気を見せたらその分身は案山子に代わる」

狐娘「つまりは今まで犠牲になった分、分身は減ってるのじゃ」

狐娘「クネクネは、一度出した全て分身が消えるまで次は出せないからの」

兄「ちょっと待て」

兄「その理屈はおかしい」

いいぞ

>>40

全て分身→× 全ての分身→○




兄「もし分身が減ってるとしたら、こんな支部の近くで犠牲が出るワケがない」

兄「なぜなら支部も被害を受けているはずだからだ」

狐娘「?」

狐娘「なぁんにも不思議ではござらんよ」

狐娘「分身といえどクネクネは、田んぼの中では40km/hで移動可能じゃ」

兄「はぁぁぁぁあん?」

兄「マジで帰りたくなってきた…」

狐娘「フム…しかし2人でやるしかあるまい?」

兄「分身はあとどれ位いるんだ?」

狐娘「こちらの調べではあと2、3体といったところかのう?」

兄「…これ犠牲が出る前に」グッ

兄「これ以上犠牲が出る前にケリを付けよう」

狐娘「うむ!」

狐娘「作戦はこうじゃ、時刻は人目に付かぬ丑三つ時。私が分身を引きつけてる間にお主が本体を見つけ出し、叩く」

狐娘「本体が気絶すれば分身は消えるじゃろ」

兄「…大丈夫なのか?」

狐娘「心配ござらん♪、化け狐属性は変幻と陽動、お主の隠密と合わされば、まず分身はお主に向かわんじゃろ」ピコピコ

兄「そうじゃない」

兄「柚子、この作戦はお前がかなり危険に晒されるじゃないか」

狐娘「…」

狐娘「私はお主を信じる」

狐娘「お主は私を信じてはくれないのかの?」

兄「…信じるよ」

兄「でも約束してくれ、無茶はしないと」ナデナデ

狐娘「う…む、約束じゃ」

兄「…そろそろ作戦の時間だ」

狐娘「気をつけるんじゃぞ!」ダッ

兄「オマエモナー」ダッ

狐娘「(こんな気持ちにさせておいて…)」タッタッタ

狐娘「(まったく、帰ったら甘え尽くしてやるかの)」タッタッタ

ケタケタケタケタ…


狐娘「…!」ピク

狐娘「早速お出ましかの」

案山子「カタカタカタカタ」

狐娘「視界に入れるものなら入ってみなっ」シュタッ

兄「…」シュンッシュンッ

兄「この辺はものすごく嫌な感じがするな…」

兄「チンゲの知らせってヤツか」

兄「…!」フォンフォン

兄「あんなところに女の子…?か?」タッタッタ

兄「ハァ…ハァ…」

兄「こんなところで何やってるんだ!」

女の子「…」

女の子「おにーさん、いきがあらいのか、コーフンしてるのか、わからないね」

女の子「おにーさんも、あたしのはだか、みにきたの?」シュルルル

兄「(…こいつ、まさか…!)」

女の子「あれ?でも、おにーさんからだグチャグチャにならないね」

兄「やはりクネクネか…!」バッ

クネクネ「はじめてだー、えへへ、おにーさん、きにいっちゃった」

兄「そ、そりゃどうも」

クネクネ「でも、なんでグチャグチャにならないの?」

兄「それはだな、チンゲの粉を周りに散布する事で、見えてなくても形くらいはわかるのさ」シュインシュイン

兄「俺はこのチカラをチンゲスゲー粒子と呼んでるんだ」

クネクネ「…へー」

クネクネ「ん…あふ…っ」クチュクチュ

兄「!?」

クネクネ「へへー、おにーさん、○学生の生おなにーだよ?」クチュクチュ

クネクネ「見たく…ない?」クチュクチュ

兄「はいっ!!!見たいでっす!!」ガンミ

クネクネ「ざんねーん、くちのおとでした」ニヤ

兄「あ」

兄「んほぉぉぉおおおおおおお!!」

クネクネ「フフフっ、あわれだね!」

兄「んにゃああざっぱぁぁああうウォウウォウイェイ!!!」

兄「って」

兄「なんともないんだけど」

クネクネ「!?」

兄「…!」

お守り「ンホォォォオォオ!!!」

兄「お守り?がぐにゃんぐにゃんに!」

兄「(…そういえば凛のなんちゃら虫属性は吸収と強化だったっけな)」

兄「そうと分かれば」

兄「おにゃのこよ」

兄「バスタータイムだ」ワキワキ

クネクネ「ひっ」ブルブル


兄「んーどうしよっかなー、早く気絶させなきゃいけないし」

クネクネ「…っ」ブルブル

兄「…」

兄「大丈夫、落ち着いて」ナデナデ

クネクネ「ふぇ…」パァァ

クネクネ「いたいこと…しない?」

兄「うん!」




兄「ドライ挿入の刑ね」

クネクネ「!?!?」

兄「そうれっ」バリバリバリ

クネクネ「ニャッ!?、ガハァッ!」ズブリ

兄「流石に狭いな…」

クネクネ「…」ピクピク

兄「おっしいつの間にか任務完了」パンパン

兄「柚子も無事だといいんだが…」パンパン

兄「うっ…ふぅ」ドルビュドッドッドバッシャァァア

クネクネ「…」ピクッピクッ

兄「やりすぎたか…?」

兄「おーい、大丈夫か」ペチペチ

クネクネ「…ん」

クネクネ「あ…ぐっ…」ヒリヒリ

クネクネ「ぜったい、ぜったいゆるさない!」ギロ

兄「そっか、それだけ元気があれば大丈夫だな」

兄「それじゃあな」フリフリ

クネクネ「ちょっ、ちょっと!」

兄「別に俺はお前を退治しに来たワケじゃない」

兄「ただ、怨むなら俺だけを怨んでくれ、他の妖怪や人にちょっかい出すんじゃねぇぞ」スタスタ

クネクネ「そ、そうじゃなくて!」

兄「…?」

面白い

クネクネ「ヒリヒリして痛いんだから…お、おんぶして…?」

兄「フッ」

兄「かしこまりました、おじょー様」スッ

クネクネ「…♪」



兄「あっ」テクテク

兄「(こいつ支部まで連れてくのはマズイよな…」

兄「お前の姿って俺しか知らないよな…?」

クネクネ「う、うん」

クネクネ「あたしの初めては全部おにーさんに奪われたからね…」ギュッ

兄「そっか、じゃあお前がクネクネだって事は隠して…さ」

兄「クネクネ…?」

クネクネ「…」ブルブル

兄「どうした?クネクネ、おい!」バッ

クネクネ「おに…さん…さむ…い…」ブルブル

兄「しっかりしろ!!」ユサユサ

兄「なんだよこれ…札…か?いつの間に…!?」ベリベリ

兄「…!、おい!クネクネ!!」

クネクネ「おに…う……れ……し……」ニコ

クネクネ「…」スー…

兄「おい!!…クネクネ!!!」

兄「…」

坊主「…」

坊主「おい小僧」

坊主「おめぇはいい妖怪か?悪い妖怪か?」

兄「あぁ?なんだよハゲ野郎」ゴォォォォオ

坊主「…」ボリボリ

坊主「破ぁ…」スタスタ

兄「なんなんだ…あいつは…」

兄「…」

兄「クネクネ…」ギュッ

兄「おーい、柚子、無事かー」ガラガラ

狐娘「おー!兄様、お帰りなさいませじゃ♪」ピコピコ

兄「俺は苦労しまくってたのにコタツでみかんとは…」

狐娘「おー、その件じゃがの」

狐娘「人間が介入してんっ」

狐娘「きたのじゃ…あんっ」

狐娘「それで…んっ、分身わぁ…」

狐娘「そ、そいつに破壊されたのじゃ」フルフル

兄「ほう…」サスサス

狐娘「あ、足でいじくるのはやめんか!」

兄「(…となるとあの坊主がそうか…?)」サスサスサス

兄「(味方なのか敵なのかわからんが…)」サスサスサス

兄「(いずれにせよまた会うことになるだろうな…)」サスサスサスサスサスサス

狐娘「~~~~っ」

狐娘「はぁ…っはぁ…っ(あ、足だけで…)」ビクン

兄「そんじゃ死ぬほど疲れたし寝るわ、お休み」バッ

狐娘「そ…そんにゃあ…」ジワァ

兄「Zzz」

狐娘「むぅ、もう死んでおるではないか…」

チュンチュン

兄「…んあ」パチッ

兄「あれ、珍しく息子が静寂に包まれており、まるで清流に流れし一輪の花のようだ」

狐娘「ん、兄様おはようございますじゃ」ツヤツヤ

兄「お、おう…」

狐娘「ほれ、朝ごはんじゃぞ」

兄「お、さんきゅー」モグモグ

兄「うん、旨いぞこのプリン!」

狐娘「それは茶碗蒸しじゃ兄様よ」

狐娘「本当に、帰っちゃうのか…」

兄「おう、世話になったな!」

狐娘「世話になったのはこちらの方じゃ、じゃあの」チュ

兄「…!」

狐娘「ほ、ほれ!お礼じゃお礼!」

兄「お、おう」

兄「じゃあな!また今度朝飯食いに来るよ!」フリフリ

狐娘「それじゃ、バイバイじゃの!」フリフリ


~くねくね編~ 終

~妹編~

爺「兄よ、生き霊とは知っておるか?」

兄「勿論よ!、英語ではwraith、ネトゲではレイスとかって名前でたまに出てくるよな」

爺「最近な?兄を亡くした女の子が生き霊になりかかっておる、という報告があった」

兄「そいつは物騒だな…」

爺「うむ、その女の子の名前は恵美というらしいんじゃ」

兄「へ、へぇ~」ダラダラ

爺「ま、心当たりが無ければ放っておいて構わん」

爺「じゃが、君は最近頑張っておるし、しばし休暇を与える」

兄「じいさん…」

爺「死んでからだって、救える命はある」

爺「ワシはそう信じておるよ」

兄「じいさん、サンキューな」

爺「ふん、それはやるべきことが終わってから言う言葉じゃ」

兄「行ってくる!!」ダッ

爺「(兄よ、ワシと同じ過ちはするなよ…!)」

兄「家に帰るの何日ぶりだろうか」シュンッシュンッ

兄「!!」

兄「あいつは…!」

坊主「…」

兄「ようハゲ、久しぶりだな」

坊主「ん、なんだお前」

兄「あり?」

坊主「破ぁ」ドドドドドドドドド

兄「!!」

兄「TTF!(縦巻チンゲフィールド)」シュゥゥゥ…

坊主「ちったぁ腕を上げたようだな」

兄「覚えてんじゃねーか!!」

坊主「俺はしばし街を観光してくよ」

坊主「タイムリミットは2日だ」シュンッ

兄「タイム…リミット…!」

兄「妹!」ダッ

支援

妹「オニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャン」ブツブツ

妹「えへへ…ここがお兄ちゃんがいた所だよ…?」サスサス

妹「オニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャン…」ブツブツ

兄「…な、なんてことだ…」

兄「あ、あれが妹…なのか?」

兄「髪の毛はボサボサ、目は光を失い、身体はやせ細り…」

兄「…」

兄「すまなかった…妹…」グッ

しえん

兄「どうしたら…!どうしたらいいんだ!!」

妹「ニクィニクィニクイニクイニクイ!!!」

妹「なんで皆シアワセソウな顔ナノ???????」

兄「どうして俺たちは仲が悪くなってしまったんだっけ…」

兄「いや、違う」

兄「妹は俺をずっと好きでいてくれたんだ…」

兄「それを突き放していたのは何時も俺だ…!」

兄「何か…何か俺にヒントをくれ…!」

カラン…

兄「…?」

兄「これは…お弁当箱…」

兄「…!」

兄「屋…上…!」

兄「待ってろよ!妹!、生き霊になんかなるんじゃねぇぞ!!」ダッ



女「(…やれやれね…)」

兄「ハァ…ッハァ…ッ」

兄「着いたぜ支部…!」

兄「頼む、柚子居てくれ!」ガラガラ

狐娘「兄様っ…兄様…っ」クチュクチュ

兄「あ」

狐娘「あ」

兄「失礼、部屋間違えました」ガラガラ

狐娘「や、やめてくれ!そういう反応!!せめて襲ってくれ!!」アワアワ

兄「襲いたいのは山々なんだが」

兄「頼む…っ、力を貸して欲しい!」

狐娘「兄様…」

狐娘「ふふん、この前はカリが…じゃなくて借りがあるからのう」

狐娘「なんなりとお申し付けくだされ♪」

兄「頼む、明日の夜に妹を陽動して欲しいんだ」

兄「それが…それがラストチャンスなんだ…」

狐娘「ほう…?」

~夜~

妹「オニィヒチャン?ドゥシテ?オニィチャ?オニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャンオニィチャン」

ハックションションイイイイ

妹「!」

妹「アレハ…オニィチャンのクシャミ…?」

妹「オニィチャンオニィチャン!?」ガチャ

兄「…」スッ

妹「マッテマッテマッテマッテ!!オニィチャン!!」

兄「…」スッ

兄「…」スッ

妹「ハァハァ…マッ…て」フッ

兄「…」スッ

妹「ここは…」

妹「学校?」

妹「お兄ちゃん…」

兄「…」スッ

妹「あ、待って!!」

~屋上~

妹「…はぁ…はぁ…」

シーン

妹「誰もいない…」

妹「やっぱり幻覚だよね、アハハ、アハハハハハ、アハハハハハハハハハハハハハハ」

スッ

妹「!!」ヒョイ

妹「これは…お兄ちゃんの…」

妹「お兄ちゃんの毛だ…!」

パッ パッ パッ パッ

支援

妹「う…!まぶしい…!」

妹「…!」

妹「床に文字が…!」

妹へ

妹と話さなくなってずいぶん経っちゃったよね

俺が高3だった時に、妹のお弁当マズイって言ってさ、それから喧嘩して、気まずくなって

それまで一緒にお弁当食べてた仲だったのに、俺の一言で壊しちゃったんだ

その喧嘩の後、妹は屋上でお弁当を食べるようになったんだよね…

妹「…」ボロボロ

俺バカだからさ、死んでから妹の大切さに気づいたよ

俺はもう一度妹のお弁当が食べたい
もう一度妹の頭を撫でたい
もう一度…妹とゲームしたい

妹「うん…っ、うん…っ」ボロボロ

今更謝っても妹の事だから、許してくれないと思う

だから今は、初めてお兄ちゃんらしい事を言おうと思うんだ

妹、頑張れ、前を向いて生きろ、俺はいつでもそばにいる、安心しろ

お兄ちゃんより




追伸:お袋とかにはこのこと話さない方がいいぞ、キチガイだと思われるからな

妹「うっ…うっ」ボロボロ

妹「うぁぁぁああん」

妹「お兄ちゃん…うっ…うっ…」

妹「あだじがんばるから…ちゃんと見ててよね!!」ボロボロ

狐娘「…」デロン

兄「ごめんな、こんな役…」

狐娘「べ、別に構わん」ボロボロ

兄「妹、すまなかった…」スッ

兄「お兄ちゃんはいつでも近くにいるからな…」ナデナデ

兄「といっても聞こえない…か」

坊主「…」

兄「よう坊さん」

坊主「ハゲから坊さんに昇格かい」

兄「妹は」

兄「妹はどうなる」

坊主「んぁ?」

坊主「別にどうもならねぇだろ」

兄「ホッ」

坊主「元々俺の仕事も霊の種の部分を消し去るだけだしなぁ」

兄「へ…?」

坊主「こう…」

坊主「破ァ!!!」フォンフォンフォン

坊主「ってな」

兄「そんだけ?」

坊主「あぁそんだけだ」

兄「成仏させるとかじゃないのかよ!?」

坊主「おいおい、生き霊ってのは99%は人間だ、一部でも妖怪になるのがマズイんだよ」

坊主「だから妹さんはもう大丈夫だろう」

兄「なんだったんだよこの苦労…」ヘナヘナ

坊主「お前さんは間違いなく妹さんを救った」

坊主「それでいいじゃあねぇの」

坊主「あの子は強い対妖師になれるぜきっと」

兄「いやいや、なって貰ったら困るから、俺消えるから」

坊主「フン…、じゃあな若いの」

兄「小僧から若いのに昇格…か」

兄「坊さん名は?」

坊主「俺は坊さんじゃあねぇよ、ただの寺生まれさ」

兄「ふーん…じゃあ坊さんじゃなくてTさんってワケかい」

Tさん「フッ…」

Tさん「また会おう、若いの」

兄「あぁ…」

兄「(恐らく…次は敵として…な)」












おわり

おつかれさん

面白かったよお疲れ

楽しませてもらったよ

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