魔王「魔王が実は優しい設定とか」 (83)
魔王「最近多くない?あまつさえ勇者と仲良くなっちゃうとか」
側近「はぁ…」
魔王「でもさ、普通に知能があったらそりゃ良心とか出てくるに決まってるワケよ」
魔王「だから、人間殺すのに罪悪感あってもそらしょうがないよね」
側近「えっあなた罪悪感あったんですか」
魔王「そりゃあるでしょう、お前は無いの?」
側近「そんなものは魔王様に忠誠を誓った日にとうに捨てました」
魔王「ふーん…じゃあスライム坊呼んできてよ」
側近「はぁ…?かしこまりました」
スライム坊「わぁいまおうさまのおへやだぁ」
魔王「よ~しよしまずは洗濯バサミで肉という肉をつまんでやろう」ムニ
スライム坊「ぴぎゃぁぁああいたいよぅまおうさま」
側近「…」
魔王「うーむ電気は効くのかな」バリバリ
スライム坊「んほぉぉぉおお」ビクンビクン
側近「…」ソワソワ
つまんね
魔王「次は酸で溶かしてみよう」
スライム坊「しんじゃうよぅ…」
側近「はぁ…ギガフレア!」ボボボボボ
魔王「あっつあっち!?!?」
側近「ハイハイわかりました私が悪ぅございました」フテクサレ
魔王「おまえ!俺水魔法とか回復魔法使えないんだから死ぬぞ!?」プスプス
スライム坊「めいそうめいそう!」ポウワァ
側近「!」
側近「あ、あんたらグルだったんですか…!」ワナワナ
魔王「そりゃそうだろ…誰が好きでスライムなんて拷問しなきゃならんのだ」
スライム坊「ぷるぷるっぼくはわるいスライムだよっ!」
側近「…」イラッ
側近「もういいです、私は探索に行ってきます」
魔王「おう、なんか面白いアイテム見つけたら持って帰ってプリーズ」
側近「…ふんっ」スタスタ
魔王「あちゃぁ怒らせちゃったな」
スライム坊「あの年頃の娘はよくわからんのう」
魔王「お前誰だよ」
スライム坊「ぷるぷるっ」
魔王「それにしても人間と魔物の戦いって一体お互い何がしたいんだろうな…」
【遺跡上空】
側近「はぁ…何をこんなにイライラしているのだろう」
側近「ん…あいつらは…?」
側近「ドラちゃん降ろしてくれ」
ドラ「…」コク
【遺跡内部】
勇者「いかにもって感じの遺跡だね」
魔法使い「罠かなんかがあるかもしれないよ!慎重にね!」
側近「(…ただの人間…ではなさそう、でも強さは感じられないわ…)」
遺跡スパイダー「オキョッ」
勇者「うおりゃ!」バシッ
遺跡スパイダー「ゴヘッ」
戦士「ハッハー!絶好調だな、勇者ァ!」ズバッ
勇者「なんか宝が奥に眠ってると思うとワクワクしちゃって!」
魔法使い「何にもなかったら1週間洗濯係の刑ね!」バリバリ
商人「…ねむー」
側近「(…緊張感の無いヤツらね…)」
勇者「おー!なんか最深部っぽい扉!」
戦士「甘いなぁこういうのは大抵鍵が無きゃ開かないんだよ」
商人「はい鍵」
戦士「ふぇぇなんで持ってるんだよぅ…」
勇者「ナイスだ!商人!」ナデナデ
商人「…」
勇者「商人?」
商人「…避けて」バッ
勇者「うわぁぁあああ!」
側近「中々良い反応だね」
側近「でもその先には行かせない」
戦士「ふーん中ボスってわけかい、死にな!」ブンッ
側近「…」ガッ
側近「うーん魔王様のデコピンくらいかしらね」スッ
戦士「グッ!?」
戦士「勇者!こいつ強いぞ!全員でかかれ!」
勇者「やれやれキミが飛び出したんじゃないか…」ダッ
魔法使い「凍っちゃえ!」ヒュォォオ
商人「…」
側近「まぁこんなものかぁ…」
側近「それじゃ、バイバイ」ボボボボボ
戦士「危ねえ!勇者!!ぐぉぉおおお!!」
勇者「ぐふっ…」
商人「…」バッ
魔法使い「きゃぁあああ!!」
勇者「あ……う……」
勇者「s…戦士? 魔法使い…? 商人?」
勇者「へ…?炭…?」
勇者「な…なんだよ…この炭はさぁ…ねぇ?みんな、みんなどこだよぅ…?」
側近「…」
いいぞ
勇者「なんで…なんでボク達がこんな目に…」グスッ
側近「…」
(魔王「だから、人間殺すのに罪悪感あってもそらしょうがないよね」)
側近「うっ…」ズキ
勇者「許さない…お前だけは…許すもんか!!」
グサッ
側近「…?」
側近「な…に…?」
側近「こ…これは私…の…血?」ドクドク
勇者「ハァ…ハァ…ッ」バタッ
側近「!!」
側近「剣…から何…か…」
側近「ま…おうさ…」ドサッ
ドラ「…!」ピク
【魔王城】
魔王「うーむ、側近ちゃんの帰りが嫌に遅いな」
スライム坊「魔王!!ドラが!側近ちゃんが!!!」
魔王「えっ?」
ドラ「…」ゼーゼー
魔王「うそ…だろ…?」
側近「ま…う…さ…」
魔王「しゃべるな!スライム坊!めいそうし続けろ!!!」
スライム坊「ダメだ魔王っ!肝臓の傷口にある白い靄が邪魔しやがる!!」
魔王「クソッ!みんな!回復魔法を絶やすな!!」
側近「まおう…?」
魔王「…?」
側近「謎の…力を……持った人間を……追い…詰めては…」
魔王「側近!しっかりしろ!!!」ギュッ
側近「フフ…まおう?」
魔王「なんだ!」
側近「キス…して…?」
魔王「…!」スッ
側近「フフ…ちゅー…」
魔王「…」
側近「…」
魔王「…」ギュッ
見てるよ
側近ちゃん…
そういえば側近は女だったか
【1週間後】
スライム坊「魔王、どこに行くんだ?」
魔王「弔い合戦をする気はないさ、魔物に良心は無いからね」
魔王「でも今回は、もう待っていてはダメなんだ。俺ら魔物の未来のためにも」
魔王「城を頼む」バサッ
スライム坊「まったく、俺も連れてって!…なんて言える空気じゃないよなぁ」
スライム坊「お前さんまでいなくなったりしないでくれよ…」
【ある酒場】
バーテンダー「お客さん、そろそろ店閉まっちゃうよん」
勇者「…」グスッ
バーテンダー「まいったなこりゃ」
カランコロン
バーテンダー「おいおい、看板見えなかったのかい?このすっとこどっこい!」
魔王「マスター…気の抜けたシャンパンをもらおう」
バーテンダー「おーおー珍しいお客さんだこと、奥の2番テーブルに座ってな」
バーテンダー「注文は紙に書いておいてくれ」
魔王「…」カキカキ
ママ「おいバカ息子!いつまでグズグズしてるんだい!」
バーテンダー「ひぃぃママン!だってだってお客さんがだってぇ~お客だってママ客ぇ~だって~」スタコラ
ママ「…ふンっ」チラッ
魔王「…」カキカキ
ママ「お客さん、今日は店仕舞いだよ!」
ママ「(要件は明日向かいの宿の朝食に忍ばせとくよ、今日は帰ンな、魔王さん)」ボソッ
魔王「…!」
魔王「おい坊主、店閉まるってよ」
しえ
勇者「…」グスッ
勇者「…ボク…女の子なんだけどなぁ…」
勇者「それと…とってもとっても言いにくいんだけど…」
勇者「お金貸してくれませんか…?」
魔王「…」ボリボリ
魔王「はぁ…最近つきがねぇな」
バーテンダー「マイドー」ニコニコ
カランコロン
ママ「…」
ママ「…引越しの準備するかねぇ」
バーテンダー「えっ?」
【宿屋】
魔王「おい坊主、部屋1つしか空いてないらしいぞ」
勇者「だから坊主じゃない!」
勇者「…おじさん悪そうな人じゃなさそうだし一緒でいいよ!」
魔王「(…いやお前は野宿しろって意味だったんだけど…)」
魔王「ま、いいか…1部屋頼む…あーあと朝食は任せるぜ」
宿主「リア充爆発しろ(毎度どうも~17号室になります~)」ニコニコ
おい宿主
勇者「はぁ…久々のベッドだぁ…」バサッ
魔王「おいおいまずは身体洗え、ばっちぃぞお前」
勇者「あっごめんごめん」
魔王「第一なんでそんなボロボロなんだよ…」
勇者「…」ウルッ
魔王「あーあー悪ぃ悪ぃなんも聞かねーよ、生憎俺は回復魔法なんて使えないから自分で治せ」
勇者「…」トボトボ
魔王「(あー何やってんだ俺、色んな意味で)」
魔王「(…つい最近までの状況だと人間に攻略されたダンジョンは14個か…)」
魔王「(…側近が向かったダンジョンを合わせると15…、最近の著しい人間の勢力はなんなんだ…)」
魔王「(…明日から調べておかねーとな…)」
魔王「…」ウトウト
勇者「…」ツンツン
魔王「…何をやっている!ってなんだその格好は!ってちゃんと服を着ろ!って」タジタジ
④
勇者「あっ起きてた~ ごめんね、ボクの服ボロボロで着られないんだ、あとシャワー空いたよ」
魔王「…はぁ」
魔王「俺はねるっ!おやすみ!」
勇者「ん~おじさん、おやすみなさい」
・・・・・
・・・
・
魔王「グオーZzz グオーZzz」
勇者「(…ボクが弱かったから…皆を守れなかった…)」
勇者「(…もうどうしたらいいかわからないよ…っ)」グスッ
魔王「…」
魔王「泣き虫だな、お前」
勇者「!」
勇者「ご、ごめん…寂しくて…」グスッ
魔王「それはお互い様だ」ナデナデ
勇者「あう」
勇者「おじさん…いい匂い」ギュッ
魔王「ホェア!?」
勇者「優しい匂いがする」ムギュ
魔王「(…心頭滅却すれば火もまたなんちゃらHeyYo…)」ムクムク
魔王「ダメだこりゃ」
勇者「Zzz」ギュッ
魔王「べいびー、ぷりーず、へるぷ、みー」ムラムラ
側近ちゃん…
魔王「結局眠れんかった」
魔王「おい坊主、朝飯食いにいくぞ」
勇者「む…ぼうずじゃなぁい…」ウトウト
魔王「あと俺のコート着とけ、さもなければ俺が捕まる」バサッ
勇者「あ、ありがとう」
勇者「(…下着にコートって変態さんみたい…)」スースー
宿マン「こちら"ママ"特性モーニングです、ごゆっくり」
魔王「朝からこんなに食うやついねーだろ」ヒョイパク
勇者「わぁっいただきます!」ガツガツ
魔王「」
魔王「ん、パンからなんか」モグモグ
[ラブレター fromママ]
魔王「(なんでパン中入れとくだよあのババァ!!)」ペッ
魔王「!!」
魔王「これは…!」
勇者「?」モグモグ
魔王「(ふむ…そういえばこいつも瞳が黒いな…)」ジー
勇者「あぅ…」ドキドキ
魔王「お前、行くアテは?」
勇者「と、特には」モグモグ
魔王「よし、俺と付き合え」
勇者「!?」ボトッ
勇者「えっあっふっふつつか者ですが…あの…」ゴニョゴニョ
魔王「(…人体改造か…)
魔王「(…これは忙しくなりそうだ…)」
【防具屋】
勇者「おじさん、おじさん、これなんかどお?」クルクル
魔王「おーおーなんでもいいよ」
勇者「むっ」
魔王「そんな事より試着室でそれ着ろ」
勇者「う、うん」シャー
魔王「…」
魔王「…」
?!
魔王「準備はいいか?」スッ
勇者「わわっ、なんで入っt…むぐ」
魔王「…」
勇者「(お、おじさん?)」ドキドキ
魔王「…」ピーッードゴッ
魔王「よし、綺麗に壁に穴が開いたな」
勇者「えぇえ?」
魔王「いくぞ!」バシュッ
勇者「えぇぇええええ!?」
【郊外】
魔王「ふむ、流石に追ってはこれまい」シュタ
勇者「どうしたの?急に」
魔王「昨日から胡散臭い気配がしていたからちょっとな」
勇者「あー、それボクも気づいてたけど、敵意は無いみたいだったから…」
魔王「まぁいずれお目にかかるだろ」
【防具屋】
商人「…!」
商人「…チッやられた」
支援
>>38
期待してるぞー
勇者「これからどこに行くの?」
魔王「まぁ大体目星は付いてるさ、まぁまずは大聖堂からかな」
勇者「大聖堂?って確か前まで魔物に占拠されてたんだよね」
魔王「そう、そして今では人間の観光地になるくらい腑抜けた場所だ」
魔王「そして恐らくはそこに着いちまったらもう後戻りはできないが、それでも一緒に来るか?」
勇者「う、うん。だってボク達…」ゴニョゴニョ
魔王「(…戦力は足りるか…?)」
魔王「(いや…それ以上に俺が戦力に…)」
【大聖堂】
勇者「おーっここが大聖堂!初めて来たよ!」
魔王「禍々しいくらいに聖なる気ムンムンだな」
勇者「そういえばおじさんの名前はなんてゆーの」
魔王「俺の名前?うーん何にしよう」
売り子「ポップコーンはいかがッスかーキャラメルポップコーンはいかがッスかー」
魔王「…キアラだ、キアラ=メルホッフだ」
勇者「キアラか~、ボクはエコー、えこって呼んでね!」
魔王「よし、いくぞ坊主」バッ
勇者「むー」
キアラ(おっさん)
魔王「ここか…な」コンコン
勇者「なんにもないよ?」
勇者「しかもここ観光していい場所じゃないっぽいし…」
魔王「いいや、扉があるはずだ、前に我が軍…グンループで調査をした時見つけた物がな」
勇者「ほえ~」カチッ
バタンッ!
魔王「!!」
勇者「!!」
魔王「良くやった」
勇者「えへへっご褒美ちょうだい!」
魔王「夜まで待ってろ」
勇者「えっ…」ドキドキ
魔王「それと多分人間に襲われるかもしれないからな…覚悟しておけよ」バッ
勇者「ふぇっ?」
魔王「…」スタスタ
勇者「待ってよー!」
【大聖堂内部】
肉壁「シンニュウシャハッケン、シンニュウシャハッケン」
魔王「…なんなんだこのやたらロマンチックな大聖堂は?」
勇者「ここは一体…(ロマンチック…?)」
警備員「…」
警備員「…」ブンッ
勇者「わわっ」
勇者「なにすんのさ!」ザシュッ
警備員「…!」バタ
魔王「ほう…躊躇いもなく斬れるのか」
勇者「よく見てよ!峰打ち!み・ね・う・ち!」
魔王「…そうか」
謎が多い
勇者「!!」
勇者「魔王後ろ!」
魔王「あれはカラクリ人形か?あれなら殺しても問題なかろう」
魔王「灰燼に帰せ…ヘルバースト!!!」ドゴォォオオ
警備ロボ「…」ピカリン
魔王「…あり?」
勇者「ねぇキアラ… 今のセリフ何?」
魔王「いやいや魔法撃つときなんか言うでしょ?え?そこ?」
勇者「(…変わってるなぁ…)」
警備肉「シンニュウシャシンニュウシャ」ズドドドド
魔王「とりあえず」スッ
勇者「にげよっ!」キンキン
魔王「(…まずいな…)」
バレテーラ
【大聖堂深部】
勇者「ハァハァ…」
魔王「…」
勇者「なんとかやり過ごしたみたいだね…」
魔王「…!」
魔王「これは…?」
勇者「ウッ…」
勇者「ひどい…」
魔王「大聖堂の周りには魔物がいないと思ったら…聖なる力の正体は魔物の汁ってか?」
科学者「おやおやお客さんかい…?」
勇者「!!」
勇者「あなたは誰?ここはなんなの!?」
魔王「あいつはハゲ、ここは発電所と言ったところか」
科学者「ほう…察しがええのう、そういう男は大好きじゃ、ただしハゲは関係ないやろ」ボリボリ
魔王「ホモはNO THANKYOU」
科学者「さてお前さん達には実験に付き合って貰おうかのう、おいで坊や達」ビンビン
被験体「あ…ぅ…」
ビンビン
魔王「今日は本調子でもないし、ホモは生理的に受け付けないんでな」
魔王「坊主、任せた!」
勇者「坊主じゃない!」ザシュ
被験体「…」ボロボロ
勇者「うわぁっ!」
科学者「ほっほ~…これは予想外」
科学者「坊や達、集合」
被験体「「「「あ…う…」」」」
魔王「…ふむ、雑魚ほどよく群れるとはよく言ったものだな」
科学者「ヘッヘ、いい気持ちじゃぞ?」
科学者EX「イィィイイイヒィィイ!!」
科学者EX「シネシネシネシネシネシネ」カタカタ
勇者「くっふっはっ」ヒュンヒュン
科学者EX「ニクニクニクニクニクニクニクニクニクニクニク!!!!」ドガドガドガ
勇者「うっ」
カランカラン
勇者「剣がっ!」
科学者EX「シィィィイネェエエエ!!!」
勇者「キ、キアラ!バトンタッチ!!」
魔王「残念だが坊主、俺の攻撃は何一つ効かねーんだ」
勇者「そ、そんな!!」
魔王「だから、お前がやれ!!手を伸ばせ!」ギュッ
勇者「!!」ギュッ
魔王「伝家の宝刀クロスカウンター投げ!!」ブンッ
勇者「えぇぇぇえええええ!?」パコン
科学者EX「グフ…」ズン
魔王「正義は勝つ…」
勇者「頭が…ったんこぶが…っ!」
魔王「さてと…洗いざらい頭の中を見させてもらおうか」
科学者「ひっっひ… ワシにはあんたの魔、魔法…き、きかないね…」
魔王「うん、だから、えこ、ハゲ頭を掴んでみろ」
勇者「あ、うん。あ!今」ガシ
科学者「ほえ?」
魔王「ミスっただけだ坊主、深呼吸しろあと手を出せ」
勇者「む…」スー
魔王「深き海を分かつ如く…雷鳴よ!ブレインブレイク!」
勇者「だからその掛け声何なの!」
魔王「シッ」
科学者「アビャァァアビャビャビャビャビャビャビャビャ」ビリビリ
勇者「…これ大丈夫なの?」
魔王「(…そうか、やはりこいつも俺たちの魔力の送受信の役割をしているのか…)」
勇者「(やっぱり…こうして手を繋いでると物凄く力が湧いてくる…)」
魔王「(つまりこれが…勇者システム…!)」
勇者「(これが…愛…!)」
【???】
???「全くお目付役のお前がアンテナを見失うとは…」
商人「はっ…申し訳ございません」
???「アンテナが完成した以上、何としても我が物にせねば」
商人「アンテナの場所の目処はついておりますゆえ」
???「何が起こるかわからん、邪魔する奴は殺しても構わん、早急に見つけ出せ」
商人「かしこまりました(チッ…注文の多い…)」
魔王「(…勇者システム、魔物を倒せば倒す程強くなるシステム)」
魔王「(誰もがただ単純に経験を積み、腕が上がってるもんだとばかり思っていた…)」
魔王「(…だがよく考えればどう考えてもおかしいじゃないか…人間が短期間で魔力を成長させるなんて…)」
勇者「…キアラ?」
魔王「…ん」
勇者「難しい顔してどうしたの?」
魔王「…今夜どうやってお前を襲おうか考えてたんだよ」
勇者「えっえっ」
勇者「あっあのふっふつつか…あのっ」ゴニョゴニョ
魔王「(どうやって決着をつけるか…)」
なんかややこしい話だな
【ある宿屋】
魔王「なんかドッと疲れた」
勇者「ふふ…おつかれさまー♪」
魔王「やけに上機嫌だな…」
魔王「…!」ゾクッ
勇者「キアラ…?」
魔王「…」ボソ
勇者「…え?」
魔王「いいか、俺は絶対死なない、お前も死ぬな」ガチャ
勇者「…?」
【路地裏】
魔王「…」スタスタ
商人「…」
魔王「…おい、いい加減出てこねーかな」
商人「フ…流石だね…」スッ
魔王「あ、お前じゃなくて月に言ったんだけど」ナンカゴメン
商人「…ッ」
商人「どうも君は好かないな」
魔王「で何?」
商人「君には見せたい物があってね…」スッ
商人「これは記憶の欠片、つまり私の断片的な記憶だが…」
商人「君にとってはきっと興味深いものだと思うよ」ニヤ
魔王「あーそういうの間に合ってるんでいいです」
商人「…これがかの有名な魔王の側近のことだったとしても…かな?」
魔王「…!」
商人「まぁ見るか見ないかは君次第だよ」シュッ
魔王「…」パシッ
商人「じゃあね♪哀れなサタン♪」
支援
なんとなく結構若そうな魔王だな
戦士「…おい、大丈夫なのかよ」
商人「やだなぁ…観るに決まってるじゃないか♪んっ…ちゅっ…」
戦士「…っぷは、まぁいいけどよ、後は勇者もといアンテナを壊すだけか」
商人「そこの所は任せたよ?私は炭の役だったんだから…」
戦士「あぁ、楽しみだぜ」ジュルリ
商人「いずれは勇者システム内でも争いが起きる、ふふっ楽しみだなぁ」
【宿屋】
ガチャ
勇者「あっ!おかえ」
戦士「…」
勇者「!」
魔王「魔物には良心は無い、罪悪感も無い、そんなのはやっぱり嘘っぱちだよなぁ側近」
魔王「またいつものように、バカやって怒られて…なぁ?側近」
魔王「…」
魔王「人間のせいで今でも多くの仲間が死んでる」
魔王「…やっぱりさ俺は人間が憎い、憎くてたまらない」
魔王「俺は…俺はどうしたらいい?」
スライム坊「(…帰ってきてからずっとあの調子だ…)」
スライム坊「…!」
スライム坊「魔王!城門に人が!」
【城門前】
勇者「………」
魔王「何故だ…何故俺の前に現れた…」
魔王「何故、何故側近を殺した」
魔王「何故、何故平然と生きていられるんだ」
魔王「答えろよ…勇者!!!」
勇者「ボクはね」
佳境か
勇者「ボクはね、魔物を倒していれば、それでいい存在なんだって」
勇者「ボクはね、冷たいカプセルの中で生まれて、実験ばっかされて、冷たい世界で死ぬんだ」
勇者「それでね、みんな、幸せになるんだってさ」
勇者「ボクの使命は勇者、魔王を討つこと」
魔王「…そうか」
魔王「俺は魔王、人間を屈服させ魔物のための世界を創り上げる存在」
魔王「こいよ勇者、手始めにお前から血祭りにしてやるよ」
勇者「…」チャキ
勇者「行くよ」ダッ
魔王「うおぉぉおおおおお!!!」
グサッ
カランカラン
魔王「なんでだよ」
魔王「なんで…なんで、なんでだよ!!!!」
勇者「…」ニコッ
魔王「えこ…おい!エコー!!!」
勇者「やっと…呼ん…」ガクッ
魔王「…」
魔王「なんで…わざと…」
魔王「エコォォオオオ!!!」
商人「プッ」
商人「アーッハッハッハッハッハ」
商人「いやぁこれは傑作だよ」パチパチ
商人「誰かさんのおかげで勇者は戦う前から死のうと思ってたらしいけど?ふふっ」
戦士「オホン、ゴホン」
商人「勇者システムで強くなった勇者、そしてそれを倒した魔王」
商人「一体どれだけ強いんだろうねぇ?」
商人「おやぁ?でもでもぉ?アンテナがそこに横たわってる限り私たちには魔物の攻撃は殆ど効きません」
商人「ではここで問題です、今の魔王を倒した私達はどれ位強くなるでしょうか?」
戦士「でしょうかぁ?」
魔王「…」ギリ
魔王「お前らよくも…!」
魔王「ぷっ」
魔王「くっくっくっく」
魔王「はああっはっはっひっひいおぼっふぬぅう腹が、腹がよじれる」ジタバタ
商人「何がそんなに面白いんだい?気でもおかしくなったか」
勇者「ぷっククク」
商人「!?」
魔法使いは普通に死んだのだろうか
勇者「キアラっそんなに変な笑い方しないでよっくっく」プルプル
魔王「すまんすまん、あまりにもこいつらの勝ち確定!みたいな顔がっあーあ笑った」
戦士「ど、どういうことだよ」
魔王「あのなぁ?要するにお前らは勇者と魔王を敵に回してたってことだよ」
魔王「第一ハゲの記憶覗いた時、えこの記憶もチラ見してんだよ、えこは峰打ちしかしねぇ、騙そうとしやがってこの人殺し、いや魔物殺し」
商人「クッでも結局魔王の方は何も怖くない、実質2対1だ…負けるわけがない」
魔王「あぁ…俺の攻撃は効かないんだったな、でもお前らの組織知らないみたいだけど」
勇者「ボク達」ギュッ
魔王「身体の相性はバッチリなんだよ」ギュッ
魔王「つまりアンテナを通した攻撃なら…」ニヤ
魔王「怒りのギガ勇者テックスホイール!!!!!」
勇者「えぇぇええええええ!?」ブンブン
商人「バカな!?これ程の力が…っ!」
商人「ぐおおおおおおぁあああああ!!!!」
戦士「あ…あぁ」ジョボボボボ
魔王「正義は勝つ」
勇者「…」プスプス
スライム坊「これが愛か…」
魔王「ごめんなえこ、無茶振りさせちまって…仲間だったんだろ?」
勇者「へへっ、キアラが宿で『俺を信じろ』って言ってくれたもん、それだけで、それだけで大丈夫だったよ」
勇者「戦士の話はショックだったけど…それでも実験がキアラと出会わせてくれたことには変わりないから…」
魔王「あ…実は俺の本名キアラじゃないんだ、俺の名前はサタン、サタン2世だよ皆からは魔王って呼ばれてるけどな」
勇者「えぇぇぇええ!?」
勇者「ってそりゃ魔王だからそっか…なんか納得…」
スライム坊「これからどうすんねん?」
魔王「まずは勇者システムをぶっ潰す」
魔王「勇者システムは後何人いるんだ?」
勇者「知り合いだけだとあと2PT程…?」
魔王「元から絶たねーとだめかね…」
魔王「よし」
魔王「えこ」
勇者「は、はい!」
魔王「付き合ってくれ」
勇者「ふっふつつかものですが!」
おわり
戦士なんで生きてたの?
>>79
あの時商人が魔法使いを戦士が勇者を盾にしました、わかりにくくてスイマセン…
>>80
なるほど
乙
乙
楽しんだわ
乙です
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