ことり「ずっとこの9人で居られればいいのに」 (32)

かつて「μ's」というスクールアイドルグループがあった事を覚えている人はいるだろうか?

μ'sとは今から十数年前に廃校となった国立音ノ木坂学院にて活躍したスクールアイドルである。


当時、音ノ木坂学院は入学志望者数の減少による生徒不足が原因により、廃校か否かの岐路に立たされていた。

廃校を阻止するために為に、1人の生徒が友人らと共にスクールアイドルグループを発足し、学校のPR活動の一環としようと試みたのが

彼女らμ'sの始まりであった。


発足当初は3人であったメンバーも、廃校を阻止せんと心を共にする者達が集い、最終的には9人によるグループとなった。

μ'sは学園祭や路上ライブ等、地道な活動実績を重ね、1度は学園の新規入学生徒募集を再開、廃校を保留とさせる事に成功した。

更にμ'sは各校のスクールアイドルたちにとって夢の祭典ともいえる「ラブライブ」の出場権利となるランキング上位20位以内に入るも

何らかの理由でその後失速、ランキングから除外されラブライブ参加の夢は潰えることになった。

メンバーの脱退やグループの解散などが噂で囁かれたが、μ'sは9人での活動を再開、

これからの再度の躍進が期待されていたところであったのだが…。


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にこ「さあ、あんた達!今回こそ逃したけど、次こそは絶対にラブライブ出場!狙うんだからね!」

希「にこっち、いつになく気合い入っとるなあ」

海未「けど、1度失った周りの信頼や期待を取り戻すのは容易じゃありませんよ」

穂乃果「だったらなおさら頑張らなくっちゃ!」

真姫「ま、穂乃果の場合はほどほどにね」

穂乃果「あ、あはは…」

ことり「でも、次のライブとかはどうしようね?オープンキャンパスも終わっちゃったし」

花陽「とりあえず来年は新入生が入ってくる事は分かったけど…」

凛「新入生歓迎ライブはまずやるにしても、それまで手持ちぶさたにゃ」

絵里「そうね、ランキングを再び上げていくためにも何らかの活動をしていかなきゃ」

絵里「私達もできるだけμ'sの活動には参加していくつもりだけど…にこ、希、私の三人は来年卒業しちゃうんだからね」

絵里「来年、新入部員が何人入ってくれるかは分からないけど、あなた達6人がどれだけ頑張れるかが、これからに繋がるのを忘れないでね」

ことり「卒業…」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「そっか、そうだよね…」

ことり「私、ずっとこの9人でいつまでもμ'sを続けていけると思っていた…けど、もうあと数か月しかないんだね…」

海未「悲しいですけど、それは仕方ないことですよ」

穂乃果「だからそれまでの時間を大切にして、この9人で精一杯頑張ろうよ!」

ことり「うん、そうだね…!」

にこ「ふっふっふ、なーに言ってんのよあんた達!来年どころか再来年もこの9人でいられるすんごい裏技、思いついちゃったんだから!」

凛「再来年も!?す、すごいにゃ!」

花陽「それホントならすごいよにこちゃん!?ど、どんな裏技なの!?」

にこ「聞いて驚きなさい!」

真姫「…まさかとは思うけど、留年すればいいとか言うんじゃないでしょうね?」

にこ「ビンゴ!中々鋭いじゃない」

真姫「バッカじゃないの!?」

にこ「これからの試験で全部赤点取って、学校サボりまくって出席日数不足になれば、まず留年間違いなし!その間、練習にも打ち込める!」

にこ「ナイスアイディアでしょう!?どうよ?」

絵里「どこがナイスアイディアよ!生徒会長と、副会長が揃って留年だなんて前代未聞よ!」

希「そんないらん事ばっか考えとるにこっちには、ちょいとキツイおしおきが必要やようやなぁ~?」ワシワシ

にこ「ひいいっ!いやああああああああああ…!」

帰り道

ことり「…」

穂乃果「どうしたのことりちゃん?」

ことり「え?うん…」

海未「さっきの卒業の話?私たちだって寂しいですけど、それは仕方ない事ですよ」

希「でも卒業したから言うて会えなくなる訳やないやん?、いつでも会おうと思えば会えるやん」

穂乃果「そうだよ!にこちゃんなんて卒業しても何か普通に部室に出そうだし!」

絵里「それには何だか同意できるわ」

にこ「人をゴキブリみたいに言うんじゃないわよ!」

絵里「じゃあ穂乃果、ことり、海未、私達はここで、また明日ね」

希「ほなな」

にこ「じゃーねー」

穂乃果「うん!バイバーイ!」

海未「さようなら、また明日」




ことり「…でもね」


ことり「やっぱりことりは…」


ことり「ず っ と こ の 9 人 で 居 た い よ … 」

翌日、屋上


穂乃果「ねえ?絵里ちゃんににこちゃんは?」

花陽「生徒会か何かの仕事ではないでしょうか?」

希「ウチは生徒会の仕事があるなんて、何も聞いとらんけどなあ」

真姫「どうせ2人ともそのうち来るでしょ、先に練習始めてましょうよ」

ことり「そうだね」

海未「じゃあ各自、柔軟体操から…」







穂乃果「2人とも結局来なかったね…どうしたんだろう?」

希「メールはしたんやけど、2人とも返事なかったんよ…」

海未「何か急用でもあったのでしょうか?だとしたら何らかの連絡はしてくると思うのですが…」

花陽「朝練では特に何も言ってなかったよね?」

真姫「…ねえ皆、朝練が終わって学校に来てから、誰か学校で2人と会った?」

凛「凛はあってないにゃ…」

穂乃果「私も」

海未「私も…」

希「ウチもや…」

真姫「変ね…」

ことり「変って?」

真姫「私、お昼ににこちゃんにちょっと話があって教室に行ったのよ」

真姫「でもにこちゃん居なくて、クラスの人から聞いたんだけど…」

真姫「にこちゃん今日、学校来てないって…」

穂乃果「えっ!?」

海未「そんな筈は…朝練の後、全員一緒に学校に行ったじゃないですか」

花陽「その中に確かににこちゃん、居たよね」

凛「間違いないにゃ、凛、にこちゃんと話してたにゃ」

希「エリチとはウチが話してたし…確かに学校着くところまでは一緒やった」

ことり「じゃあ、学校に着いてからは、誰も絵里ちゃんとにこちゃんを見ていないって事?」

穂乃果「一体、どういうことなの…?」

花陽「下駄箱!」

ことり「え?」

花陽「下駄箱に行けば靴があるかないかで、学校にいるかどうかぐらいは、わかるんじゃないかな?」

凛「かよちん頭いいにゃ!」

希「なるほどな、ほな行ってみよか」







穂乃果「絵里ちゃんの靴、確かにある…」

凛「にこちゃんの靴、確かに下駄箱にあったにゃ!」

海未「という事は、二人とも学校には確かに来ている…」

希「そして学校にいる事は間違いない…」

真姫「上履きのまま外に出た可能性は?」

花陽「な、何のために?」

真姫「それは…」

ことり「でも上履きのまま外を歩いていたら、多分目立つよね?」

希「それに生徒会長が上履きで外歩いとるとこなんか他の生徒に見られでもたら、示しがつかんしなぁ」

一同「…」

穂乃果「ねえ、皆で手分けして学校の中を探してみよう?」

海未「そうですね、まだ部活で残っている生徒もいますし、誰か目撃者がいるかもしれません」

凛「なんだか探偵みたいにゃ!」

花陽「凛ちゃんったら…」

海未「では各自、手分けして2人を探し、とりあえず…1時間後に部室で落ち合いましょう」

海未「それと、些細な事でも構わないので、何らかの発見をしたら連絡を取り合う事、いいですね」








1時間後、部室

海未「穂乃果、希、お疲れ様です、どうでした?」

穂乃果「こっちは駄目~」

希「あかんなあ…倉庫とか校舎裏とか人目のつかんところも回ったんやけど…」

凛「疲れたにゃあー…」

花陽「部活で残ってる人たちに聞き込みしたんだけど…誰も見ていないって…」

穂乃果「あれ?ことりちゃんと真姫ちゃんは?」

ことり「ご、ごめんなさい、遅くなって!」

ことり「講堂を隅々まで探してたら見てたら思いの外、時間がかかって」

海未「ことり、真姫は一緒ではなかったのですか?」

ことり「真姫ちゃん?見てないよ?」





花陽「ねえ…ま、真姫ちゃん遅くない?」

海未「おかしいですね…さっきから電話しているのに、圏外なのか電源がoffになっているのかつながらない…」

穂乃果「ま、まさか真姫ちゃんまで…」

凛「り、凛、何か聞いたことあるにゃ…こういうの、神隠しって言うにゃ…」

海未「そ、そんな非現実的な事がある訳…」

ことり「でも…現に3人も…」

海未「も、もう一度探しに行きましょう!」

希「やめといた方がええ」

海未「希、どうして!」

希「こうも立て続けに人がいなくなるなんて、どう考えても普通やない」

希「それも、ウチらアイドル研究部の人間が3人もや」

希「万が一にもこれ以上、行方不明者を増やすわけにもいかん、だから全員で一緒に行動した方がええ」

希「居なくなった側からすれば、絶対に何らかの理由があって居なくなってる筈や」

希「もし、今回の件が誘拐事件やったとして誰か犯人がおるとして、こっちが6人もおれば、そう簡単には手出しはできんやん?」

海未「そ、それはそうですね」

穂乃果「じゃあ、どうする?」

ことり「全員で一緒にもう一度学校中を回ろう?」

希「せやな、もしかしたら本当にウチらの勘違いでただのすれ違いって可能性もまだあるしな」

希「それならそれで笑い話にでもして終わればええ事や」







ことり(結局、3人は見つからないまま解散となった)

ことり(その日の夜 、絵里ちゃん、にこちゃん、真姫ちゃんがそれぞれ帰宅しない事を家族が学校に連絡、警察に捜索願を出した)

ことり(認めたくなかったことがついに確実なものへと変わってしまった)

期待

部室

穂乃果「こんな状況じゃ、とても練習なんて雰囲気じゃ…」

ことり「そうだね…」

花陽「絵里ちゃん、にこちゃん、…真姫ちゃん」

凛「かよちん…」

海未「希、こんな時にタロット占いなんて!」

希「…ただの気休めかもしれんけどな、探し人は意外に近くにおるって、占いには出てるんや」

穂乃果「そうだと、いいけどね…」

海未「ここでくすぶっていても仕方ありません、私たちには私たちのやれる事をやりましょう」

ことり「そうだね…探そう、3人を!」



花陽「あ、いけない部室にケータイ忘れてきちゃった、ちょっと取ってくる」

ことり「あ、花陽ちゃん!」

凛「駄目だよかよちん、絶対に一人になったらダメって昨日話したばっかりにゃ」

花陽「でも、ケータイ取りに行くだけだし…部室だってすぐそこ…」

凛「だったら、凛も行くにゃ!ダッシュにゃ!」

花陽「わわわ、り、凛ちゃ~ん!」

海未「もう、どうせならみんなで…あ!ちょっと二人とも!」

海未「…凛?花陽?」

穂乃果「あれ・・・?二人は?」

ことり「ね、ねえ、あれって花陽ちゃんのケータイじゃ…」

希「間違いない、これかよちんのや…」

ことり「あの二人、部室にケータイ取りに来たんじゃ…」

海未「そうだ、凛に電話してみましょう!」



穂乃果「お、おかしいよ…何で!?繋がらないよ…電波が届かないか、電源が入ってないって」

ことり「まさか…二人も…?」

海未「あ、ありえません…!私たちもすぐに二人を追いかけてきました!」

海未「それに私たち4人が部室に来た時、部室の扉は空いていました」

穂乃果「出てくるとき、確かに扉と鍵、閉めたよね?」

ことり「じゃあ、二人は間違いなく先に部室に来てた…?」

希「そして、ウチらが来るまでのわずか十数秒の間に何かがあった…」

海未「そんな事不可能です!窓だって鍵は締まっています」

希「皆!すぐに周りを探すんや!いくらなんでもこんな短時間で人が消える筈ない!」

ことり「そ、それってまさか…!」

穂乃果「犯人が近くに…!?」

希「分からん…!分からんけど、何かこう、嫌な予感がするんや」

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃんはそっちを!うちとことりちゃんはこっちや!」

お願いだから生きててくれ

穂乃果「凛ちゃーん!花陽ちゃーん!いたら返事してー!」

海未「凛ー!花陽ー!」



ことり「凛ちゃん!花陽ちゃん!」

希「いたら返事しいやー!おらんでもしいやー!」







ことり「いない…何で…何で…!」

ことり「あれ…穂乃果ちゃん?海未ちゃん?」

ことり「ねえ!二人ともどこ!?お願い!返事して!」









希「・・・どうしたんや?」

ことり「の、希ちゃん!穂乃果ちゃんは!?海未ちゃんは!?」

ことり「ま、まさか…まさか二人まで…!」

希「心配せんでもええ、二人ともちゃんとおるよ」

ことり「ど、どこにですか…?」

希「なあことりちゃん、ウチらが卒業してまったら、寂しい言うてくれたなあ?」

ことり「今はそんな話をしている時じゃ!」

希「ウチもな、ことりちゃんと同じやん」

ことり「希ちゃん…さっきから一体何を言って…!?」

希「μ'sはな、ウチら9人でμ'sなんや 、ことりちゃんと同じで、ウチもこの9人でずっと一緒におれたらええのにって、思ってしまうんや」

ことり「な、なんでそれを…!」

希「にこっちが言うたように、ホンマに留年したろかってちょっと思ってしまったくらいや」

希「けどな、そんな事せんでもな、ウチは見つけてしまったんよ」

ことり「見つけた…?」

希「ウチら9人が、来年、再来年といわんとずーっと、一緒にいられる方法や」

ことり「ま、まさか…まさか皆を!!」

希「勘違いはあかんよ、ウチはそんな物騒な事せーへんし、第一犯罪者になるのは御免や、皆はちゃーんと無事にしとる」

希「ウチは嫌なんよ、学校が廃校になってしまうのももちろんやけど…」

希「ウチらが卒業して、やがてはことりちゃん達、真姫ちゃん達が卒業して」

希「音ノ木坂学院のμ'sがいつか、ウチらのものでなくなっていってしまうことが…」

希「μ'sは…ウチら9人でええ、これまでも、これからもずっと…」

希「他の誰にも渡さへん、無くなることも絶対にさせへん…!」

希「ことりちゃん、ウチら2人で最後や、皆が、待っとるで」

希「一緒に、行こか?」

ことり「行くって…どこに…!?」

希「漫画とかで聞いたことくらいはあるんやない?いわゆるパラレルワールドっていうの知っとる?」

希「ウチらのおるこの世界と、ただ1つの事を除いて全てが同じ世界があるんや、そこで皆待っとる」

ことり「ただ1つの事…?世界…?」

希「それはな…時間や、もう1つの世界、向こうの世界には時間が存在しないんよ」

ことり「時間が存在しないって…どういう事ですか?」

希「もう廃校を気にすることもない、ウチらも卒業することもない」

希「ウチら9人が、永遠に音ノ木坂学院のμ'sでいられる世界や」

希「皆でここで練習して笑いあって、時には喧嘩もして、それが永遠に続く夢のような世界なんや」

希「ことりちゃんが、望んだ世界がすぐそこにあるんや」

希「部室にちょいと特殊なおまじないをかけてあってな、部室の入り口が向こうの世界の入り口になってるんよ」

希「『扉を開けて』部室に入るとな、そこはもう向こうの世界なんよ」

サザエさんワールドか

希「部屋に入るために扉が閉まっていたら、必ず扉を開けなあかんやん?」

希「ウチは、にこっちが毎朝必ずこの部室にやってくるのを知っとった」

希「エリチには相談したいことがある言うて部室に呼び出した」

希「真姫ちゃんはこの前手分けして二人を探して居るときに1人で部室周りを調べとった」

希「かよちんのケータイをこっそりポケットから抜いてパソコンの物影に置いておいた」

希「凛ちゃんはそれに巻き添え食らう形になってもうたけどな」

希「穂乃果ちゃん、海未ちゃんの2人にはあえて部室周辺を一緒に動いてもらうようにした」

希「ウチらより先に部室に戻れるようにする為にな」

希「一方でことりちゃんは流れでウチに連れられて部室から大きく離れてしまったんや」

希「メンバーの誰かが目撃者になって、こっちの世界に残って部室に近づかんようにされると厄介やと思ったから」

希「皆1人か2人づつ、バラバラで向こうに行ってもらった」

希「最もウチの意思1つで入り口は自由に開けることも閉じることもできるんやけどな」

希「皆には何の説明もせんままやったから、ちょっと悪いと思ってる」

希「ことりちゃんを騙すような形になってしまった事も謝らなあかんな」

希「でもな、ウチと同じ考えのことりちゃんにだけには、ちゃんと説明した上で、一緒に行こう思ってな」



希「さあ、ウチらで最後や」

希「ウチら二人が行けば、向こうで全員無事見つかって良かったなぁ、って全てが丸く収まるんよ」

希「向こうではおそらく、ウチら2人が行方不明やって騒がれとる所や」

希「ウチが適当にごまかしたるから、ことりちゃんは何の心配もいらん」


希「この真実を知っているのは、ウチとことりちゃんの2人だけや」

希「他の皆は、何も知らんまま永遠に幸せな世界に埋もれていける」

希「最も、こんな真実なんて、すぐに何の価値もなくなる」

希「な、ことりちゃん…一緒に行こか…?」

希「最初は戸惑うかもしれんけど、すぐに慣れる」

希「すぐに時間の事も、こんなくだらない真実なんかも全部忘れて、ウチらは永遠にμ'sでいられる」

ことり「私は…私は…!」

希「ここで行かんかったら、ことりちゃんは独りぼっちになってまう」

希「ウチ、ことりちゃんのおらんμ'sなんて嫌や…8人のμ'sなんて嫌や…」

ことり「・・・」

音ノ木坂学園で起こった生徒の行方不明事件、わずか数日にして9名の生徒が相次いで消息を絶った。
その9名が音ノ木坂学院のスクールアイドルμ'sである。

その噂は瞬く間に全国に広がった。
不審者による誘拐事件だとか、神隠しだとか根拠のない噂が飛び交い、やがて人々の記憶から忘れ去られていった。
μ'sの活躍により1度は入学志望者受付を再開したものの、事件の影響を受けた悪評があってか、翌年の入学志望者数数は0名。
保留扱いとなっていた廃校を正式にせざるを得ない決定打となってしまった。


2年後、最後の在校生が学院を卒業し、国立音ノ木坂学院は廃校となった。

やがて音ノ木坂学院校舎の取り壊しが決定、
跡地には高層マンションや大型ショッピングモールが建設されるなどと噂されたが、
取り壊しを行う工事業者が相次いで作業中の事故や原因不明の発作により死者が続出するという不可解な事故が相次いだ。


相次ぐ事故と、過去の生徒行方不明事件の出来事もあってか、いつしかここは呪いの学院などと呼ばれるようになり
かつて数多くの生徒たちが青春時代を過ごした華やかな校舎は、今では見る影もない手付かずの廃墟と化していた。

廃墟やオカルトマニアの者達からすればこの、元・音ノ木坂学院校舎は有名なスポットらしく、
今もなお、多くの物好き達がここを訪れるのだという。
不思議な事に、ここを訪れた者達の多くが、かつてアイドル研究部の部室出会った場所や、
μ'sのメンバーが練習を行っていたという屋上、彼女らが校内ライブに使用したとされる講堂で、
少女達の楽しそうな笑い声のようなものが聞こえた、と口をそろえて言うのである。




もしかしたら、行方を絶ったというμ'sの9人の少女達はこの既に廃墟となった音ノ木坂学院を今もなお、守り続けているのかもしれない。








 







ことり「ふーーーー!」

海未「ことり、何を書いてるのです?」

穂乃果「あ、もしかして小説!?見せて見せて!!あー…文字ばっかり…」

真姫「小説なんだから当たり前でしょ…」

絵里「穂乃果は漫画くらいしか読まなさそうだもんね」

凛「あはは、凛と一緒だ!」

花陽「凛ちゃん…」

にこ「ちょっとちょっと、ここはにこ率いるアイドル研究部よ!いつから小説部になったのよ!」

希「ふーーーーーーん」

一同「!?」

希「何や、ウチがすごい悪モンみたいになっとるなあ?」

希「ことりちゃんはウチをそんな目で見とったんかぁ?めっちゃショックやん」

ことり「え!?あ…!これは…その…」

ことり「み、皆、助け…って、ああっ!誰も居ない!!」

希「ことりちゃんにはとびっきりきーっつい、お仕置きが必要なようやなあ~っ!?」ワシャワシャワシャワシャワシャ

ことり「ひっ…!ご、ごめん…な…さっ…!

ことり「いやあああああああああああああああああああああああああああああっ~!」」


おわり

申し訳ありません、最後ID変わってしまいました。

おつ

最後の皆のやりとりはどっちの世界の出来事なんだろうな…

おつおつ
微ホラーな雰囲気が良かった

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月06日 (月) 15:04:23   ID: 77DgNy4u

ことのぞの可能性を感じた

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