【安価とコンマで】博士「ロボを作ろう!」 (67)
20XX、とあるラボにて―――
チュドーン!!
博士「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ドテッ
博士「うう……いててて……」サスサス
博士「ちくしょう、また失敗かあ……」
博士「どうすればいいんだ……」
ここはとある国のとあるラボ。ここの主である博士は、今日も今日とて大好きなロボの開発に勤しんでいました。
ですが、好きなことをしているというのにその顔は少々浮きません。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391503813
博士「やっぱり他人に強制されてやるのと自分から好きにやるのとじゃあモチベが違うよなモチベが」
というのも、博士は自分勝手にロボの開発に夢中になるあまり、もともとあった資金ばかりか、生活費や銀行から借りたお金、挙句の果てにはちょっと危ないルートから借りたお金も、ろくに成果を出さないままぜんぶ溶かしてしまったのでした。
博士「あーあーやる気が出ないーやる気がー」
他人様に迷惑をかけまくった末にこんなセリフを吐いているのはクズ以外の何者でもありませんが、こう見えても天才の端くれ、科学雑誌の表示を何度も飾ったことのある有能な人物なのです。
博士「だいたい最強の機械兵士を作れってどんな命令だよアバウトすぎるよ。確かに結構デカい額溶かした俺も悪かったけどさあ……」
そんな彼ですが、今はその筋の人たちに金を返すアテが無いことを責め立てられ、強制的にその才能を使わされているのでした。
博士「どうしよ……アイデアが出ん……やる気も出ん……」
pipipi! pipipi!
博士「んあー……メールか……」
博士「……って、いやいや。おかしいだろ。ここは外と全く繋がってないはず……なんでメールが届くんだ?」
博士「……とりあえず、開けてみるか……」
from:Unknown
to:博士
sub:無題
text:生き残りたくば、安価に従え。
博士「……はい?」
思わず目が点になってしまう博士。
それもそのはず、絶対に届かないはずのメールに記載されていた内容が、(どんなことが書いてあるのかワクワクしながら見てみたものの)こんな意味不明なものだったのですから。
博士「……わけわからん。返信してやれ。えい」カタカタ、ッターン
博士『意味が分からないんだが』
pipipi! pipipi!
博士「うお早っ」
メール『安価は絶対だ。その閉塞した状況を、いいものにしろ悪いものにしろ変えてくれる』
博士「……ほーう」
普段ならば、こんな頭のおかしいやつには付き合ってられない、と一蹴する博士でしたが、なにぶん今はメールの主の言うとおり、閉塞した状況なのです。博士のどんよりした死んだ魚のような目に、興味の光が宿りました。
博士『その安価とやらをどうすればいい?』カタカタ
メール『安価に尋ねるのだ。自分が何をすべきかを』
博士『なるほど。どうやって?』カタカタ
メール『そちらに既にメールアドレスが入力されている。それを使え』
博士「……本当だ。怖ぇ」
さっきまでは影も形も見当たらなかったメールアドレスが、確かにそこにありました。思わず博士も武者震いをひとつ。
ですがそこで終わらないのが腐っても天才、まずは自分が作るべきロボについて聞いてやろうとメールを打ち始めたのでした。
*ルール!*
[ダメ人間な天才]博士
気力:100
残り:8週間
資材:300
上級資材:なし
・1週間を2回に分けて行動する。
・タイムリミットが来た場合、博士は殺されてしまう。
・ロボを作り、組織に貢献すれば、タイムリミットは伸びる。
・ロボを作るには、資材と時間が必要である。
・例として、2メートル級のロボを作るのに、時間を設計に半週、製造に1週、資材を100使う。
・ロボ作成の成否はコンマで決まる。6~75で成功、76~95で失敗、1~5でクリティカル、96~100(.00のこと)でファンブルである。77、88、99以外のゾロ目はスーパーとなり、博士にプラスとなることが起きる。
・ロボを作るのに博士の気力を20消費する。成功すれば気力が50プラスされ、失敗すれば30マイナスされる。気力が無くなった場合、1週間行動不能となる。
・クリティカルはどんな無茶な設計でもロボ作成が成功し、しかも最高の出来となる。気力も100プラスされる。ファンブルは最悪の結果となり、気力をマイナス50、場合によっては大怪我をすることもありえる。
・資材には上級資材というものが存在し、これを使えば1~15がクリティカル、16~95が成功、96~99が失敗、100がファンブルへと変わる。
・1週間の終わりにはイベントが発生する。
10日で2メートル級とか天才ですわー
こんな感じで進んでいきます。
亀更新ですが、安価に参加などしていただければ幸いです。
期待
博士「さあ安価よ、答えろ!まずこの天才はどんな大きさのロボを作ればいい!?」カタカタ
↓2
1メートル
18m
10000000000000cm
博士「!?!?!?」ガビーン
博士「いきなりの大物だな……」
博士「……資材、足りるかな?」ウーン
博士「……いや、足りるかな、では無い!足らせるのだ!それくらいやってやれないことはない!」
博士「……そういえば、形はどんなものにしよう?武装はどんなものにしようか?」
博士「どれ、安価に聞いてみよう」カタカタ
↓どんな形?
↓3どんな武装?
グンダメ
浮翌遊要塞
ウニ型
リバティ島にある像のような形
武装はウニか・・・
ハイパーハンマー
博士「ほう、武装はウニ型か。俺もあれを図鑑で見てから武器にしたら強そうだと常々思っていたんだ」
博士「まあそれはいい。それはいいんだが……」
博士「…………グンダメ?」
博士「グンダメとはなんだ?いつ発動する?」
博士「うーむ、わからん……こういう時世間に疎いと困ってしまうなあ」ウムム
博士「……うん、こういう時はあれだな、誰かに聞くのが一番だ!」
博士「というわけで内線ピポパと」
prrr……prrr……
博士がコールしたのは窓の一つも無い部屋に1個だけ備え付けられた、古臭い内線でした。
なにか異常事態が起こった時は、この内線を使って待機している黒服を呼んでよいことになっていますが、博士はもう何度もくだらない用事で黒服を呼びつけ、こっぴどく怒られていたるのでした。
カシャン
黒服「……何のようだ」
扉の除き窓が開いて、黒服が顔を覗かせます。超テンション低いです。どれだけ今までの博士の行為が黒服をイラつかせているのかが伺い知れました。
博士「いやぁ、悪い悪い。ちょっと聞きたいことがあってさあ」
対して博士は悪びれもせずいきなり自分の要件を切り出します。バカと天才はなんとやらといいますが、日常生活における博士は明らかにバカ寄りでした。
黒服「……聞きたいこと?悪いが、俺は全くの門外漢だ。お前に分からないことを聞かれても答えられるわけがないぞ」
博士「いや、聞きたいのはそっちじゃないんだ。グンダメって何か知ってる?」
黒服「グンダメ……?そりゃあお前、グンダメっていったら>>25に決まってるだろ」
軍団メカ
猫型ロボ
黒服「グンダメといったら軍団メカだろう」
博士「軍団メカ?」
黒服「今やってる人気アニメの敵役が使っているロボットだよ。量産型で大量に出てくるんだが、味のあるデザインだから、人気も結構高いんだ」
博士「ほうほう。敵役、量産型、味のあるデザイン……なるほど!」
黒服「うん?」
博士「そのグンダメとやらの絵を見せてくれ!仕事の資料だ、早急に頼むぞ!」
黒服「はぁ!?お前、遊んでんじゃ……」
博士「つべこべ言わずに!」
黒服「……ちっ、分かったよ」
なんなんだ一体……とブツクサ言いながらも素直に言うことを聞いてくれる彼は、実はとても根がいい人なのかもしれません。
ともあれ、無事にグンダメの資料を手に入れることができた博士は、さっそく設計に取りかかるのでした。
18メートル級量産wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
18メートル級の群れ…
恐ろしいな
博士「グンダメ似の丸っこい装甲は敵の砲弾を弾きやすく、ウニ型の武装は前方全ての角度をカバーする射角なばかりか、その細い針は突き刺さった対象の奥深くまで潜り込んで爆発する!そう、ミサイルなんだ!!」
博士「量産できるかはわからんが、設計は完了だ!」
博士「これが私の愛すべき第604番目の息子、グンダメUNIだ!」
なんかウニ強えwwww
博士「資材が足りなかったら後でテキトーに頼めばいいだろう!」
博士「さっそく制作に取りかかるぞ!」バッ
博士「と、と、と、おろ……?」グラ……
博士「し、しまった……寝食を忘れて取り組んでいたせいで……限界が……」
博士「無念……」バタンキュー
[ダメ人間な天才]博士
気力:100
残り:7週半
資材:300
上級資材:なし
博士「朝だ!」
博士「いや正確には16:35だが、私が起きたときが私にとっての朝なのだ!」
傍目にもウザいほどのハイテンションで跳ね起きた博士は、目にも止まらぬ速さでピポパと内線をコールすると、呼び出した黒服に目隠しをされ、ドックの1区画へと連れていかれました。
黒服「……ここから先は重力が無いから、気をつけろ」
博士「はいはい。しかし周りの音を聞いてるだけでも、ここってホント立派な設備だよね。こんなものをもってるなんて、アンタらもしかして―――」
黒服「……そこまでにしておけ。死にたくなければな」
博士「……はーい」
肩をすくめ、ゴウンゴウンと隔壁が降りる音を聞きながら、博士はこれから出来上がるであろうグンダメUNIの勇姿をまぶたの裏に馳せていました。
黒服「……よし」
パラリ
博士「お……」
黒服「これからここのスペースはお前が自由に使っていい。人もできるだけ派遣してやる。食事休憩は13:05から。時間もできる限りは待ってやるが……タイムリミットだけは忘れるなよ」
博士「……ふんふん、了解」
黒服「しかし、いきなりこんなところを使わなければならないほど大きなものを作るつもりなのか?」
博士はこれから作るロボの概要を黒服の上の上の偉い人には伝えていましたが、そんなことは露知らない下っ端の黒服は興味半分恐ろしさ半分といった様子です。
博士「ま、出来上がってからのお楽しみだよ」
博士「さて、楽しみだな……」ウキウキ
黒服「あ、実際に取り掛かってもらうのは明日からだ。こっちにも予定があるんでな」
博士「」ズルッ
博士「よし、やるぞ!」
気力:100→80
残り:7週半→3週半〈イベント発生!〉
資材:300→-1500
判定↓2
えいっ
00
危ねえな。もう少しでファンブルだったぜ
いきなりかよ
4週間後―――
チュドーン!!!
博士「ほげえええええええ!!」
結局、グンダメUNIは完成しなかった……
ばかりか、どんどんと資材を投入していった結果、博士は今までのものがかわいく見えるほど凄まじい借金を負ってしまったのである。
博士「うーん、これは、あれだな!」
博士「とんでもない駄作だった!」
黒服「おいいいいいい!?」
黒服「何言ってんの!?むしろ何やってんのお前!?」
黒服「なんかいつまで経っても腰から上が完成しないなぁー……と思ってたら、いきなりの駄作宣言!?」
博士「はっはっは」
黒服「笑い事じゃねえよ!」
博士「だってよージェネレーターがどうやっても小型化できねえんだもんよー……こんな弱点丸出しの兵器がいったいどこにあるってんだよー……」
黒服「む、た、確かに……」
黒服「だ、だがお前……これが完成しないことにはどうするんだ?もう残りも半分切ったし、マジで笑えない状況になってるんだぞ?」
博士「うん、そうだよな……だからここはアレだ!>>43を作って目を逸らしてもらう!」
黒服「>>43!?」
戦車
ペットロボ
博士「戦車を作るんだよ!」
黒服「せ、戦車!?って言ってもお前、戦車なんて充分……」
博士「この天才が作る戦車はただの戦車ではない!例えば>>46ができる!」
すいません、いったん離脱します
再安価↓2で
kskst
変形合体
再開します。
イベント発生!
『変形合体する戦車を作れ!』
黒服「変形合体……か」
博士「そう、トランスフォームアーンドユナイトだ」
黒服「確かに心惹かれる響きではあるが……」
博士「『そんなものが作れるのか?』と言いたげだな?よかろう!これを見るがいい!」ピッピッ
黒服「これは……何かの設計図?それよりも……この形は!」
博士「そう、私とてこの4週間爆発するだけの失敗作づくりに躍起になっていたわけではない。お前の言っていたロボットアニメを視聴し、見聞を深めていたのだ!」
黒服「その結果が、これか……」
博士「そう、グンダメとならぶ軍団メカの1つ、戦車型軍団メカ『グンタンク』を参考
させてもらった!」ババーン
黒服「そんなことをしていたせいで失敗したんじゃないかという意見は置いておいて……グンタンクはグンダメよりは小さいが、かなりの大きさのはずだぞ?これが変形合体するとしたらかなりの大きさになるんじゃないか?」
博士「ふっふっふ……誰が『戦車が』変形合体すると言った?よく見たまえ」
黒服「……!?これは、バイク……!?」
博士「そうだ。私が作ろうとしているのは変形合体する戦車ではなく変形合体してできる戦車」
博士「6台編成、つまり一個小隊の機動性の高いバイク部隊で運用し、所定の位置に着いたなら変形合体、対象を砲撃し、またバイクに変形分割して撤退する」
博士「砲弾や砲も分割して運び、また6台のうちどれかが壊れても部隊を再編成していけばまた変形合体が可能」
博士「戦車の悩みの種であるエンジンが存在しないから整備兵も苦労しないだろう」
博士「これが次世代のどえれーCOOLな変形合体型戦車、ブッタンクだ!」
黒服「つまりトラックで牽引するよりさらに機動力があって小回りの効く野砲ということか……」
黒服「そんなことをしていたせいで失敗したんじゃないかという意見は置いておいて……グンタンクはグンダメよりは小さいが、かなりの大きさのはずだぞ?これが変形合体するとしたらかなりの大きさになるんじゃないか?」
博士「ふっふっふ……誰が『戦車が』変形合体すると言った?よく見たまえ」
黒服「……!?これは、バイク……!?」
博士「そうだ。私が作ろうとしているのは変形合体する戦車ではなく変形合体してできる戦車」
博士「6台編成、つまり一個小隊の機動性の高いバイク部隊で運用し、所定の位置に着いたなら変形合体、対象を砲撃し、またバイクに変形分割して撤退する」
博士「砲弾や砲も分割して運び、また6台のうちどれかが壊れても部隊を再編成していけばまた変形合体が可能」
博士「戦車の悩みの種であるエンジンが存在しないから整備兵も苦労しないだろう」
博士「これが次世代のどえれーCOOLな変形合体型戦車、ブッタンクだ!」
黒服「つまりトラックで牽引するよりさらに機動力があって小回りの効く野砲ということか……」
博士「これならまあ当座はしのげるだろう」
黒服「本当に大丈夫なのか?」
博士「まあ、やってみればわかるさ」
判定↓2
おりゃ
あ、補足を忘れてました。
イベントの判定は特別扱いとなり、1~79が成功、80~100が失敗となり、それ以外はありません。
再安価お願いします
↓2
はい
おす
黒服「やっぱり失敗じゃないか(憤怒)」
博士「あ、あはは……どうしよう」
黒服「……というわけで悪いが、もはやタイムリミットだ」
博士「え……え!?早くないか!?まだ時間は3週間も……」
黒服「残念ながら……ここに来る前よりも莫大な借金を作り、救済策までしくじったお前に、組織がかける情けは欠片も残っていない……」
黒服「残念だ」
博士「そ、そんな……馬鹿な……」
博士「嘘だ……そんな……こんな、こんなところで死ぬなんて……」
黒服「…………」
博士「まだいっぱいロボをいじくり回していたかったのに……こんなんじゃ……」ガクガク
黒服「……最後までそれか」ハァ
博士「わ、私は……どうなるんだ?」
黒服「…………なにしろお前はやり過ぎた……楽には[ピーーー]ないだろうな……」
博士「うう……畜生、ちくしょう……!」
黒服「……なんだ、滅茶苦茶な生き方をしていたのに、やっぱり死ぬのは怖いのか」
博士「当たり前だ!」
黒服「ほう……」
黒服「 」
1助けてやろうか?
2自業自得だ。
↓2
1
1
黒服「……助けてやろうか?」
博士「…………」
黒服「…………」
博士「……?」
黒服「おい、なんとか言えよ」
博士「はぁ!?おま、何を考えてるんだ!?」
博士「今の私の状況をよく考えてみろ!詰みだろ、詰み!助けるにしてもここからどうしようというんだ!」
黒服「手っ取り早く言うなら、逃げるんだよ」
博士「……ど、どうやって」
黒服「まあ……下っ端には下っ端なりのツテがあったりするんだよ。で、どうするんだ?死にたくは、ないんじゃないのか?」
博士「……なぜ、私を……?いや確かにこの頭脳が失われるのは世界の大いなる損失だが」
黒服「別に……しばらく接してて情が湧いただけさ。それにお前、オイルまみれになっててもわかるくらい、とんでもない美人だからな」
博士「は……」
ぽかーんとして思考を停止してしまった彼、いや彼女は、これまでとは纏う雰囲気が全く違う黒服の、去っていく後ろ姿をただ眺めているのでした。
それから少し経って、さすがに異変に気付いた組織では博士と黒服を死体でもかまわないとばかりに探しますが、なにをどうやったのか、影も尻尾も掴むことができず。
さらに多くの月日が流れていくのでした……
とある病院にて―――
夫「……どうだ、気分は?疲れただろ?」
妻「ああ、確かに疲れた。今すぐにでもぐっすりと眠りたいくらいだ」
妻「でも、それよりもずっと……幸せなんだ」
妻「見てくれ、こんなに可愛らしい……」
夫「そうだな、本当に……」
妻「自分でロボを作るより、何十倍も何百倍もつらくて大変だったが……」
妻「今の感動はその何千倍も上だ!」
妻「今までの私はこんな幸せな気持ちを感じることがあるなんて全く思いもしなかった……」
妻「天才の名が聞いて呆れる。まったく、なんてことだ」
妻「でも、今は私の知らないことをずっとそばで教えてくれる人がいる」
妻「ふふ、これからもこの天才に色々と教えてくれ、旦那様っ!」
おわり
なんだこれは(困惑)
安価やコンマなんて慣れないことはするもんじゃないですね……もっと精進します。
お付き合いいただいたお方、本当にありがとうございました。これからももしかしたら書くかもしれないので、その時も参加していただければ幸いです。
ありがとうございました。
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