初めてのSS投稿で、非常に緊張しています。
それと同時にルールなどもほぼ知りません。saga、と入れることくらいです。
色々教えていただけると助かります。よろしくお願いします!
書き溜めは一応あります、エンディングは欝なのでご注意。
ハッピーエンドルートを書くかは未定です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389448111
じゃあ読まんわ
僕には、3つの居場所があった。
一つ目は、お姉ちゃんの所。
子供の頃から心が弱く(医者から神経衰弱の診断を受けたお墨付きだ)、また背が低く子供っぽい顔をした僕は、よくいじめの対象になっていた。そんな時、いつも慰めてくれたのがお姉ちゃんである。
ちなみに僕の苗字は高垣で、ここである程度の人は、そのお姉ちゃんが誰だか分かるだろう。
成長し、お姉ちゃんが大人に。僕が高校生になった今もそれは変わらない。
父さんと母さんは仕事の関係上家にはいない。
だから僕はいつまでも変わらず一緒にいてくれるお姉ちゃんが、いつも言ってくれるお姉ちゃんのダジャレが大好きだった。
僕「お姉ちゃん……」
楓「あれ、また何かされちゃったの?」
僕「汚れちまった悲しみに、ってあるでしょ? その授業を受けた後、それを僕みたいだって言われて。最後には自殺しろって言われながら、ずっと暴力を振るわれて……」
楓「……。」ギュッ
僕「お、お姉ちゃん……」
楓「ずっと気にしてても、元気になれないよ。好きな物食べて、お酒……はまだ早いか。それで、さっさと寝ちゃうのが一番」
僕「……ありがとう、お姉ちゃん。いつもごめんね」
楓「うん♪」パッ
僕「お、お姉ちゃん? 急に茄子なんか取り出してどうしたの?」
楓「成すところもなく日が暮れる……茄子ところもなく」
僕「……ぷっ、アハハハハ! さすがお姉ちゃん! 今日も冴えてるね!」
楓「ふふっ、よかった」
お姉ちゃんの喜ぶ顔を見れば、日常の辛いことなんて吹き飛んだ。
……最近、何もない時でもダジャレを言うようになってしまったけど。
あっ、忘れていたことが一つ!
このSSは『佐久間まゆという転校生』というSSを見て、その影響を多分に受けて作成したものです。
ハーレムばかり見ていた自分は衝撃をうけました。
おすすめのSSですっ!
二つ目は病院だ。時々精神疾患から来る体調不良で入院していたのだが、ずっと入院しているらしい同年代の女の子がいて、時々話しかけに行っていたのだ。
名前は、北条加蓮と言った。
加蓮「へぇ、君も入院してるんだ」
僕「うん。ちょっと昔から心が弱くて」
加蓮「心? 心が弱くて入院するの?」
僕「心、っていうか、そこから来る症状っていうか。目眩がずっと続いて立てなかったりもするんだ」
加蓮「へえ。君も大変だね……って、ちょっと簡単すぎかな」
僕「いや、ありがとう。君は?」
加蓮「君は……ああ、病気の事? ちょっと、心臓が悪くてさ。運動したりするとおかしくなっちゃうから、動けないように入院してるんだ。私、普通にいたらきっと動き回っちゃうから」
僕「よっぽど君の方が大変みたいだね……」
加蓮「いや、それほどでもないよ。もう慣れたから」ニコッ
僕「……」
加蓮「ちょ、ちょっと急にどうしたの? 心配させない為に言ったつもりなんだけど」
僕「これから、また来るから」
加蓮「?」
僕「毎日、ここに来るから。退屈にならないように、話も沢山持ってくるから!」
加蓮「え、あ、ああ、ありがとう……」
僕「……迷惑、かな?」
加蓮「ううん」フルフル
加蓮「私、ずっと退屈だったの。同じくらいの子と喋れるようになったら、きっとこんな生活も楽しくなる。それじゃあ、これからよろしくね?」
これがファーストコンタクト。随分前の話だ。暇だったから話し相手が欲しかった、というのは僕も同じだった。……下心も、それなりにあった。誰でもいいから、友達が一人でも欲しかったから。
しかしそんなやましい気持ちを加蓮の笑顔を砕いた。
あれがきっと、僕の初恋だったのだ。
しかし退院の時は訪れ、その縁は一度切れてしまう。
そのまま時間が経ち、何気なく入った教室の中。
そこで、僕は加蓮と再会する。
加蓮「ずっと、って言ったでしょ?」
そう言って加蓮が浮かべた笑顔は、あの頃と変わらなかった。
加蓮は一つ年上だった。
どうやら、新入生歓迎イベントの委員として活動していた所、僕の名前を発見したんだとか。
しかしまだ通院は必要らしく、週末はほぼ必ず加蓮の病室に行っている。
僕の居場所は病院にあり、加蓮の病室にあった。
……じゃあ読まないと言われ既に心が折れそうです
最後の居場所は、ある子の隣の席。
教室にある唯一の居場所だ。
なんだか見るからにおどおどしていて、この子なら友達になれると近づいた。
結果、一緒にごはんを食べるくらいの仲になることができた。
大阪からの転校ということもあり、不安であったのだろう。
名前は、前川美玖といった。
猫のアクセサリーを多く身につけているのが印象的な女の子だった。
前川「き、今日も、おいしそうだね、君の弁当」
僕「そうかな? 残り物ばっかりだよ」
前川「残り物、ってことは、やっぱり君が作ったんだよね? やっぱり凄いよ!」
僕「あはは、ありがとう。やっぱり、お姉ちゃんが自堕落だからかなあ? いつも色々作ってるよ」
前川「お姉ちゃん、って言うと、楓さんだったっけ? すごいよね、モデルさんだなんて」
僕「……本当、よかったよ。お姉ちゃんはずっとぽけーってしてるから、本当に就職できるのかなって不安でしょうがなかったんだ」
前川「でも、天職みたいだよね。お姉さんはなんていうか、不思議な魅力があるから」
僕「案外そのポケーっとした感じがはまったのかもね」
前川「でも、モデルさんって凄いなあ。私じゃあ、到底なれっこない。それこそまるで、シンデレラみたいな奇跡が起きない限り……」
僕「そうかな? ぼっ、僕は、美玖もかわいいって、思うけど」
前川「え、えっ? そ、そうかな……」カァァ
僕「う、うん…」
僕は、今は美玖に対して好意を抱いていた。
加蓮も、年を重ねてさらに可愛くなった。
しかし年上ということと、……言いにくいが、その話し方が僕の苦手な部類の人間……虐めてきた人間達に似ていることが原因になって、親愛の情から恋慕に成長しないのだろう。
美玖は落ち着いていて、優しい喋り方をしてくれるので、落ち着いて話すことができる。
どこかお姉ちゃんに似た雰囲気があることもあって、いつの間にか自分の中での存在が大きくなっていた。
美玖も嫌がる素振りを見せない為、こうして時々意識させるようなことをわざと言ったりしていた。
何より恥ずかしそうにする姿が可愛くて、何度も何度も繰り返していた。
こんな感じで、理不尽な暴力も受けるけれど、時々打ちひしがれて心が折られそうになるけれど、この3つの居場所のおかげで僕は立ち直ることができた。
膝を折ることがあっても、支えてくれる3人がいたから立ち続けることができた。
平和な日常が、いつまでも続くと思っていた。
しかし、
みく「おっはよーだにゃーん!!」
それは、とある男の人によって崩される。
美玖は朝から、そんな挨拶をした。
髪は短く切られ、頭にはなんと猫耳を付けている。
僕とクラスメイトが固まる中、鼻歌さえ歌いながら、みくは教室に入ってくる。
そして固まっているクラスメイトの中の女子グループに入っていった。
ほとんど、話したことのないような相手だったはずなのに。
美玖の激変に驚いて僕は話しかけることが出来ないまま、放課後になる。
僕はさっそく帰ろうとしている美玖に、勇気を出して話しかけた。
僕「み、美玖? 今日は一体どうしたの?」
みく「あ! みくね、みくね、アイドルにスカウトされたんだにゃ!」
僕「あ、アイドル!? それに、その話し方何!?」
みく「プロデューサーがね、これから猫キャラとして売っていくって言ってたから、こうして練習してるんだにゃ!」
僕「は、はあ」
みく「そしたらね、なんだかしっくり来ちゃったんだにゃ! 自分に自信がなかったけど、これなら明るく振る舞えるし! まるで、本当にシンデレラみたいに魔法をかけられたみたいなのにゃ!」
僕「あ、ああ……」
みく「それじゃあ、私Pチャンの所に行ってくるから! ボイストレーニングに、ダンスに、う~ん! 楽しみだにゃあ~!!」ダダダダダダ
僕「」
その後、美玖……いや、前川みくに話しかけることはなかった。というか、できなかった。
かつての落ち着いた雰囲気は消え去り、明るい笑顔を振りまく、まさにクラスのアイドルとなったのだ。
そんな相手に僕が話しかけるには、勇気が足りなかった。
周りを囲む人間は皆、僕をいじめるような人間だったからだ。
美玖さえも、僕の敵になるのか。
学校での居場所がなくなった。
俯くのが癖になった一週間が終わった。
僕はいつもどおり、病室へと向かっていた。
加蓮と話そう。前の生活に戻っただけだ。そう思っていた。
面会の許可を取り、病室へと入る。
てっきり新田ちゃんssかと…
加蓮「プロデューサー、それ本当!? えーっ、まさか凛がね……」キャッキャッ
???「そうなんだよ。まさか、あの犬と一緒に」ウフフ
僕(え……誰だろう、あの男の人。お父さんじゃない。かと言って入院した人でもない。まさか入院患者がスーツを着ている訳もない)
???「それでだな……ん?」チラッ
僕「!!」ビクッ
僕(……バレちゃったかな)
???「……俺、そろそろ帰るな」
加蓮「えーっ? もう行っちゃうの?」
???「ああ、最近仕事が増えて、スケジュール管理が難しいんだ。それの整頓にな」
加蓮「ふーん……なら、仕方ないかな」
???「すまんな。……それに、お友達が来てるみたいだぞ?」
僕(やっぱり気づかれてた!)
???「それじゃあな」スタスタ
僕「」ドキドキ
???「ごめんな、邪魔した」ポン
僕「は、はひ」ビクッ
???「中で加蓮が待ってる、早く行ってやれよ」スタスタ
僕「…………」
僕(……とにかく、中に入ろう)ガチャ
加蓮「」ジー
僕「ッ……や、やあ、ごめんね。邪魔しちゃったかな」
加蓮「……別に、いいけど」プイ
僕「」
その後、僕は軽く話してすぐに帰った。
苦しかった。言葉を発することさえ辛かった。
目眩が訴えかけるように、僕の脳を揺らす。
脳内にこびりつく、加蓮のあの目。
あれは、邪魔者を見る目だった。
途中で、何もない所で体勢を崩す。
こけた自分を、周りの人間が笑っている気がした。
嘲るような視線が刺さっているような気がして、僕は周りを見回す。
特に誰もこちらを見てはいなかった。
それでも嫌な寒気が止まらない。
涙が勝手にあふれて、視界が澱む。
吐き気をこらえて、震える足を一人で支えて、立ち上がる。
僕はただ、足を引きづるようにして家路を急いだ。
僕は、病院での居場所を失った。
加蓮「プロデューサー、それ本当!? えーっ、まさか凛がね……」キャッキャッ
???「そうなんだよ。まさか、あの犬と一緒に」ウフフ
僕(え……誰だろう、あの男の人。お父さんじゃない。かと言って入院した人でもない。まさか入院患者がスーツを着ている訳もない)
???「それでだな……ん?」チラッ
僕「!!」ビクッ
僕(……バレちゃったかな)
???「……俺、そろそろ帰るな」
加蓮「えーっ? もう行っちゃうの?」
???「ああ、最近仕事が増えて、スケジュール管理が難しいんだ。それの整頓にな」
加蓮「ふーん……なら、仕方ないかな」
???「すまんな。……それに、お友達が来てるみたいだぞ?」
僕(やっぱり気づかれてた!)
???「それじゃあな」スタスタ
僕「」ドキドキ
???「ごめんな、邪魔した」ポン
僕「は、はひ」ビクッ
???「中で加蓮が待ってる、早く行ってやれよ」スタスタ
僕「…………」
僕(……とにかく、中に入ろう)ガチャ
加蓮「」ジー
僕「ッ……や、やあ、ごめんね。邪魔しちゃったかな」
加蓮「……別に、いいけど」プイ
僕「」
その後、僕は軽く話してすぐに帰った。
苦しかった。言葉を発することさえ辛かった。
目眩が訴えかけるように、僕の脳を揺らす。
脳内にこびりつく、加蓮のあの目。
あれは、邪魔者を見る目だった。
途中で、何もない所で体勢を崩す。
こけた自分を、周りの人間が笑っている気がした。
嘲るような視線が刺さっているような気がして、僕は周りを見回す。
特に誰もこちらを見てはいなかった。
それでも嫌な寒気が止まらない。
涙が勝手にあふれて、視界が澱む。
吐き気をこらえて、震える足を一人で支えて、立ち上がる。
僕はただ、足を引きづるようにして家路を急いだ。
僕は、病院での居場所を失った。
期待してます
みてるよ?
俺は読むよ
うーん、僕っ子と一人称がダブっちゃうのか。
まずはじめにオリジナルであることを言っておくのが正解だったみたいですね。申し訳ないです(ーー;)
そしてミス投稿
息も絶え絶え、家に辿り着いた僕は盛大に泣いた。
目眩が、吐き気が、止まらない。嗚咽と共に、何度も胃の中身を吐き出した。
宿題もする気が起きない。立つことすらもままならない。
トイレから出て、這いずりながら口にたれた胃液を拭き取るティッシュを取る。
僕(そうだ、そうだ、お姉ちゃん。お姉ちゃんがいる)
僕は救いを、いつまでもそばにいてくれたお姉ちゃんに求めた。
いつもなら8時頃に帰ってくる。それまで待っていよう。
きっと、いつものようにダジャレを言って、僕を慰めてくれるはずだ。
そうすれば、僕は再び前を向ける。立っていられる。
動悸に息を切らせながらふらふらと部屋に戻り、ベッドに倒れ込んで、僕はお姉ちゃんの帰りを待った。
その日、お姉ちゃんは帰ってこなかった。
僕「……」
開かれることの無かった鍵を見つめて、僕は唸った。
ガンガンと痛みを発する頭を振って、のそのそと僕は家を這い回る。
待っていた救いの手は差し伸べられなかったらしい。
しかしこうなると、今度はお姉ちゃんの身が心配になる。
この状況を忘れることもできるだろう。そう思うと、なんだか動悸が落ち着いてきた。
顔を洗い、服を着替えて、僕は日曜日の街へと繰り出していく。
楓「プロデューサーさん♪」ダキッ
P「う、うわっ!? 楓さんやめてください、誰かが見ていたら!!!」
僕「」
お酒屋さんで見た二人組を見なかったことにし、僕は家に帰った。
反応が帰ってきて、舞い上がっております。PC前で小躍りです。
皆さんの期待を裏切らぬよう、必死にやります(ーー;)
まだ若輩の身ですが、何卒。
僕「……」
前後不覚とは、こんな状態のことを言うのだろうか。足場が不確かになっているような錯覚を受ける。
激しい動悸と目眩、最早幻聴までも聞こえ始めていた。
(Pチャンに!)
(プロデューサー!)
(プロデューサーさん♪)
耳元でうるさく、3つの声が響いている。
僕(プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー)
僕「プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー」
視界の隅で、景色が変わっていく。青、赤、そして黒。
いつの間にか、時間は7時。
鍵が開かれる音で、汚泥の中に沈んでいたような感覚から解放される。
僕は急いで立ち上がり、倒れ、肘で体を動かしながら扉へと向かう。
そこには予想通りの人が立っていた。
僕「お、おねえ、ちゃん……」
楓「ただいま……って!? ちょっとその格好、なにかあったの!?」ビクッ
僕「あ、あはは、ちょっと、ね……」
楓「とっとにかく、急いで病院に!」アワワ
僕「それは、ハァ、い、いいよ。ぼ、ぼくの、ことは、きにしないで。それよ、り。おねえちゃん?」
楓「な、何?」
僕「なんで、きの、う、かえってこなかったの?」
楓「ッ」
僕(そのとき、おねえちゃんがかおをひきつらせたのを、ぼくはみのがさなかった)
僕「……なんで、どもるの」
楓「……」
僕「プロデューサー」
楓「」ピクッ
僕(……あーあ)
僕「ぼく、ね。おねえちゃんが、まちで、しらないおとこの、ひとに、だきついてるの、みたんだ」
楓「……」
僕「そのひと、さいきん、よくみるんだ。かれんちゃんも、みくも、みな、ぷろでゅーさー、ぷろでゅーさーって」
楓「……」
僕「ねえちゃんも、すかうとされたの?」
楓「……うん」コクン
僕「よかったね、おねえちゃん」ニコッ
僕(せいいっぱいのえがおで、ぼくはわらった。そのつもりだった)
楓「……」
ピンポーン
楓「」ビクッ!
反応が帰ってきて、舞い上がっております。PC前で小躍りです。
皆さんの期待を裏切らぬよう、必死にやります(ーー;)
まだ若輩の身ですが、何卒。
僕「……」
前後不覚とは、こんな状態のことを言うのだろうか。足場が不確かになっているような錯覚を受ける。
激しい動悸と目眩、最早幻聴までも聞こえ始めていた。
(Pチャンに!)
(プロデューサー!)
(プロデューサーさん♪)
耳元でうるさく、3つの声が響いている。
僕(プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー)
僕「プロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサープロデューサー」
視界の隅で、景色が変わっていく。青、赤、そして黒。
いつの間にか、時間は7時。
鍵が開かれる音で、汚泥の中に沈んでいたような感覚から解放される。
僕は急いで立ち上がり、倒れ、肘で体を動かしながら扉へと向かう。
そこには予想通りの人が立っていた。
僕「お、おねえ、ちゃん……」
楓「ただいま……って!? ちょっとその格好、なにかあったの!?」ビクッ
僕「あ、あはは、ちょっと、ね……」
楓「とっとにかく、急いで病院に!」アワワ
僕「それは、ハァ、い、いいよ。ぼ、ぼくの、ことは、きにしないで。それよ、り。おねえちゃん?」
楓「な、何?」
僕「なんで、きの、う、かえってこなかったの?」
楓「ッ」
僕(そのとき、おねえちゃんがかおをひきつらせたのを、ぼくはみのがさなかった)
僕「……なんで、どもるの」
楓「……」
僕「プロデューサー」
楓「」ピクッ
僕(……あーあ)
僕「ぼく、ね。おねえちゃんが、まちで、しらないおとこの、ひとに、だきついてるの、みたんだ」
楓「……」
僕「そのひと、さいきん、よくみるんだ。かれんちゃんも、みくも、みな、ぷろでゅーさー、ぷろでゅーさーって」
楓「……」
僕「ねえちゃんも、すかうとされたの?」
楓「……うん」コクン
僕「よかったね、おねえちゃん」ニコッ
僕(せいいっぱいのえがおで、ぼくはわらった。そのつもりだった)
楓「……」
ピンポーン
楓「」ビクッ!
取りあえず注意書きする頭があったのなら
過去捏造も書いておくべきだし
オリキャラ注意もつけて
叩かれそうな内容にはあらかじめ予防線を張っておくべき
それをしてないんだから何言われても自己責任
ただでさえプロデューサー以外のオリキャラは嫌煙される傾向にあるんだから
心が折れそうなら無理して書かなくていいよ?
そういうかまってちゃん発言はウザいだけだから
あと、SSの途中にお前の感想を挟んだり
本文の最初にSSに関係ない事も書かない
それするととにかく見づらいんだよ
SS投下後に纏めて反応したって遅くないんだから
書いてる間は無言に徹するぐらいでいいんだよ
僕「あれ、だれだろ……おねえちゃんはてをあらってきて。ぼくが、でるよ」
楓「だ、ダメッ!!」
僕(そのこえをききながし、ぼくはじゅわきをてにとった)
僕(それは、どこかあきらめににたかんじょうにつきうごかされた、こいはんてきなこうどうだった)
僕「はい、もしもし」
P「あ、ご家族の方ですか。どうも。CGプロのPと申します」
僕「……はい。うちの、おねえちゃんにごようですか?」
P「はい、少し話をしようと誘われまして。ご迷惑にならないようには……」
僕「いえいえ」クスッ
僕「ぼくは、へいきですから。おねえちゃんをよろしく、おねがいしますね」
ガチャ
楓「」
僕「ぼくへやにいるね。さわいじゃってだいじょうぶだから」
楓「」
僕「ぼくはひとりで、だいじょうぶだよ」ニコッ
楓「ま、待って!」
僕「」ダッ
音の鳴らないよう、そっと扉を閉じる。
そして、ベッドに寝転んで目を閉じる。
酒を呑んだこともあったのだろう。最終的にお姉ちゃんは、プロデューサーとの会話を楽しんでいた。
それでいいのだ。お姉ちゃんが、幸せであれば。
その日からお姉ちゃんの帰る時間は遅くなっていった。
トレーニングを積んでいるのだろう。僕の思う程、アイドルという仕事は大変なはず。
ボイス、ダンス、ビジュアル。これらだけでも大変なはずだ。
きっとそうだ。
かえってきて、おとこのひととしゃべっているのも、きゅうけいなんだ。
ぼくとしゃべらないわけじゃない。
ぼくをわすれているわけじゃない。
ぼくがみはなされたわけじゃない。
おねえちゃんは、ぼくをなぐさめてくれる。
じかんがないから、ぼくをみてくれないだけ。
しかたない。しかたないことなのだ。
僕は、最後の居場所を失い、一人ぽっちになった。
Pに一途な女の子が大好きなお前ら好みのSSじゃん。よかったねえww
随分と連投されてるな
書き込みエラーと警告されても実際には書き込まれてることがほとんどだから
エラー出た場合はまず連投しないで更新してみ
このような紆余曲折を経て、大晦日。
お祭りに沸き立つ街を尻目に、僕は海を眺めていた。
地面に座り、崖の縁に足をかけて振っている。
僕の知人3人は、結果無事にアイドルとしての道を確かに歩んでいる。
僅か1年足らずで頭角を表すとは、やはりあの人達には素質があったのだろう。
楓さんは、もうCMに出たんだとか。
まあ、関係のない話だ。
朝起きて、楓さんの為のごはんと弁当を作り、登校。
帰ってきて、ごはんを作り、部屋に閉じこもって、就寝。
時々楓さんが何か言ってきているようだが、うまく聞こえない。
そのまま、僕に何か災いが降り注ぐ訳でもなく、時が過ぎて行った。
そして今日。
僕「ああ、そうか。もう大晦日なのか」
僕(何も祈ることなんてないけど、とりあえずお参りにいこう)
ゴーン……
僕「あっ、鐘ももう鳴ってるじゃん。今何時だっけ?」
僕(時計の短針はもう11時と12時の間、もう深夜だ)
僕「取り敢えず、着替えよ」
ガサゴソ ガチャ
僕「うわっ、寒っ」
僕(吐き出す息が白くなる。大晦日は冬だ。そりゃそうか)ハァッ
僕「とにかく、もうすぐ新年が明けちゃう。その前に神社に急ごう」
~神社の前~
人々「ガヤガヤ」
僕「うへえ、なんだこの人の数」
僕「ここに一人で突っ込むのは骨が折れるなあ。言葉的にも、もしかしたら物理的にも」
???「――――サー」
???「な―――もう、くっつ―――」
僕「」ビクッ
僕(その声に、僕は聞き覚えがあった)
僕「……方向的に、外に出るみたいだ」
僕(まるで祈ってはないが、参拝しようとした気概を見せただけマシだろう。お金じゃなくて、大事なのは信じる心だって誰かが言ってた)
僕(そして、声を追いかけ僕は歩き出す)
言葉が足りなかったみたいだ
メール欄で反応返すのもあまり行儀よくないからしない方がいい
さっきも書いたがSS投下中はSSだけに集中してろ
このレスに対しても今は反応しなくていいから
今日の分投下後なり物語の完結後なりのタイミングで
ここまでレスありがとうございましたって入れればそれでいいんだよ
途中途中でレスに反応してるとレス欲しいだけのかまってちゃんにみえて見苦しい
この先も書いていくのならその辺は気をつけた方がいい
とここまで偉そうに書いたけど、コレはあくまでも俺個人の考えだから
鵜呑みにはすんなよ
後はお前が考えて自分のやりやすいようにしたらいい
僕(僕がそこで見たものは)
みく「Pチャン……」
加蓮「プロデューサー……」
楓「ふふっ……プロデューサーさん……」
P「お、お前ら、よせっ、やめろっ」
みく「もう、我慢できないにゃあ……」チュッ
加蓮「これからも、ずっと、プロデュースしてね……」チュッ
楓「トップアイドルになってみせますから、一緒に、皆で……」チュッ
僕「」
僕(僕にとって、地獄絵図と言っても過言ではない風景だった)
三人称ならまだいけるが、やっぱこういうのだとくるな…
何かがちぎれる音がして、僕はフラフラ、海へと向かった。
結構歩いた。人がいない海を東京から目指すのは骨が折れる。
途中で諦め、持っていたお金でタクシーに乗った。
怪しむような顔をされたが、初日の出を見られる穴場はないか。友人を呼びたいというと納得したらしい。
何故か苦笑いをしたドライバーは、素直に発進してくれた。
思ったより高くついた。残ったのは数枚の硬貨だけ。
しかしたどり着いた場所は、支払った対価が不釣り合いだと思う程、価値のあるものであった。
街のまばゆいばかりの白光とは対照的な、淡い輝きを返す水面。
月明かりに、星の光に、さざなみの砕ける音。
世界とは、ここまで綺麗なものだったとは。
僕は心を奪われていた。
朝日が昇る。
世界が、新しく塗り替えられる。
そのスピードに、僕だけが取り残されていく気がした。
僕「皆、皆、プロデューサーって。皆、取られちゃった」
僕(まあ、もともと僕の物でもないんだけど)
呟いた後、足を一歩踏み出す。……そこで振り返る。
そこには誰もいなかった。
ため息もない。僕は視線を前に戻し、もう一歩踏み出した。
僕の体を、ふわり、浮遊感が包む。
それはまるで、この世を揺蕩う天使になったようで――――
その後はもう、何も覚えていない。
一応、これにて終了です。
ご指摘、本当にありがとうございました。
自分の身に置き換えて思い直すと、やっぱり返信は迷惑ですね。
名前も事故ってますしwww
この後はifを予定していますが……なにせ今から書きますので、どうなるかは未定です。
あと、これはシリーズのつもりです。
今回は居場所を奪われた少年の話。メインは、一応あの三人です。
次は英雄を奪われた少年。メインはナンジョルノさん。
そして家族を奪われた青年の話。メインは薫。ここまでは予定しています。
長々と続けて申し訳ありません。今までありがとうございました
乙乙、なかなか面白かった
折れずに頑張れ
乙
モバPのみなさんはきっと俺が嫁侍らせてるのに嫉妬してるカスモブざまあwwwwwwって腹かかえて面白がってるよ
完結したなら
■ HTML化依頼スレッド Part14
■ HTML化依頼スレッド Part14 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387923864/)
にURLとスレタイ、完結したうまを書き込むことがルール
あとは
■ SS速報VIPに初めて来た方へ
■ SS速報VIPに初めて来た方へ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382282036/)
ここを読んだりとかしようか
乙
初めて投稿なら仕方ないけど、ルール知らんって言っちゃうのはちょっとね……
コメントは投下後にまとめてしたほうがいいね
雰囲気は好みだから、めげずに書いて欲しい
終わったのなら忘れないうちに以下のスレに
■ HTML化依頼スレッド Part14
■ HTML化依頼スレッド Part14 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1387923864/)
完結したのでHTML化をおねがいします
という文言とともにスレタイとこのスレのURLを書き込んでくるように
戻りました。取り敢えず一個書いたんで投下です。尚500文字程度でテンションはブッ壊れてます
皆さん、本当にありがとうございます! 終わり次第、SS速報に~は読むつもりです
乙。良かったです。
最後に少年がベストアンサーを引いたところが特に。
エンディング(俺たちが、アイドルだッ! エンド)
僕「……」
僕は一歩踏み出し、振り返った。
CuP「」ジー
なんか見ず知らずの男の人がいた。
センチメンタルな気分に浸っていた僕は、猛スピードで現実に引き戻される。
僕「どなたですか!?」
CuP「ちょっと失礼!」ビュン
僕「えっ、えっ、ちょっ、ええぇえ!?」
僕(急に現れた男の人に体をまさぐられてなんかいろんな所に手が這い回ってなんだこれなんなんだこれ)
CuP「ふむふむ、いいじゃんいいじゃん!」ガサゴソ
僕「何がですか!?」
CuP「その子供っぽい舌足らずな声!」ビシッ
僕「こ、声!?」口を隠す
CuP「その、庇護欲を掻き立てられるような背格好!」
僕「背格好!?」体隠す
CuP「そして、その目!」
「この世界を憂うような、子供らしい要素を兼ね備えた体とはあまりにミスマッチな、その澱んだ眼光!」
僕「目!? ……って、澱んだってそれ褒めてるんですかね」
CuP「当☆然」キュピーン
僕(足をクロスして左の手の平を太陽にかざし右手は僕を指差している。なんだそのポーズ)
CuP「君には、この世界でも稀な程に達観している!」
僕「……」
CuP「世界に、人間に、そして人生に対して! ……まあ厨二病ともいうが」
僕「おいこら今なんて」
CuP「しかしィ! それは、この地球に対して向けないまま死にゆくには、あまりに惜しい!」
僕「ッ!!」
シリアスならシリアスで終わらせとけばいいのに…
自分から雰囲気ぶっ壊す奴初めて見たわ
一応ハッピーエンドも書くかもって書いてあるんだし、別にいいだろ
でもこれハッピーじゃねぇなよく考えたら…
ルールくらい最初に読んでから書けよ
内容が糞とか以前の問題じゃないか
3人はあの後Pと4人でベッドの上でしっぽりやってるわけだからねえ
CuP「この世界には、この地球には、不条理なことが山ほどある!」
僕「……」
僕(僕は脳裏で、あの三人の姿を思い浮かべた)
CuP「時には圧倒的な力で、時には水面下で進んでいた計画に、時には、悪意のない行為にッ!」
僕「!!」
僕の体に電撃が走ったような気がした。
しかし、今の僕ではその正体が分からなかった。
CuP「だから、振りかざすのだ!」
CuP「君は若い、だからこそ声が出せる! 足が動く! 心を揺さぶる、何かを生むことができる!!」
CuP「だからその、君の持つその捻じ曲がり、歪み、傷だらけになったその心を、世界に振りかざすのだ!」
CuP「すれば、君の世界はもっと広がる。この地域だけではない、それこそ、言葉通り世界まで、君の声は響くだろう!」
僕「……で、でも、僕にそんなことが」
CuP「できる……と、無責任なことは言わない。おそらく、今のままでは不可能だ」
僕「ですよね……」ガクッ
CuP「だが、今のままでは、だッ! 私は君に何故話しかけたと思う!?」
「ただご高説をグダグダ、語り続ける為にここに来たわけではない!」
「私には、君の声を響かせるスピーカーの準備がある!」
僕「!?」
CuP「正すには力が必要だ、それは認めよう! しかし、力というものにはいくつもの形がある!」
「権力、財力、時には他人とのコネクションも、力と言えるだろう!」
「君に、それらの中の一つを得る為の準備があると言っているのだ!」
僕「そ、そんな、そんな簡単に……!?」
CuP「簡単ではない、厳しい、厳しい道が君を待つだろう!」
「それこそ修羅の道! 地獄へと続く道かもしれない!」
「しかしそれを乗り越えて、君の声が世界に届く所を、私は見たい!」
僕(何故だろう、ここまで心が震えたのは久々だ!)
CuP「君に、その覚悟はあるか? 私に着いてくる、その心はあるかッ!!」
僕「……は、はい」
CuP「聞こえんぞッ!」
僕「は、はいッ!!」
CuP「よしよし、よく言った」ウンウン
僕(い、勢いで頷いてしまったけど、これからどうなるんだろ? 今更だけど不安になってきた……)オドオド
僕「え、ええっと、ちなみに具体的には何を?」
CuP「……ああ、言っていなかったか! これは失礼!」ゴホン
「では改めて、言わせてもらう!」
CuP「ティンときた! 俺と一緒に、アイドルになってくれ!!」
僕「アンタ正気か!?」
僕(いくら女っぽいからってそれはありえないだろう、そう考えずにはいられない僕であった)
end....?
>>1くん!!
地の文と()の使い分けはしっかりしよう!!
最後の一文のだって()内にある必要ないやろ
最後容量オーバーでなんかダッシュで走ってしまいました。反省。
はい、こちらがハイテンションエンドのつもりです。
CuPについての知識はほぼなく、ホモということくらいしか知りません。
しかしこの状況で助けられるのは、僕と関係のない、それこそブッ飛んだ人じゃないと無理かなあと思いまして。
結果この方向に落ち着きました。
ハッピー、というより、僕生存エンドの一つという風に見てもらった方がいいかもしれません。
あともう一つ、エンドを書こうと思います。
そちらは本当に書けるか未定です。
ただ救うのが女の子ならいいな、ってくらいにしか考えていないし何より眠い(本音)
諦めがついたら、一言残してHTML化依頼をだそうと思います。
それでは一度失礼します
まさか、公式でホモと思ってないだろうな……
エアPか?
ネタをネタと見抜けないやつはちょっと
SS自体は悪くないからちょっとROMれ
面白い 期待ですわ
くそつまんないです
もっといい内容かと期待してきたけど文章がキモい
もう書かないで
自分に合わないなら回れ右
これだからお客様気取りのやつは…
この1もっと叩かれて成長してほしい
期待
甘甘のss読んだばっかりだったから言い口直しになった乙
バックグラウンドはこうなっててもおかしくないんだよねこれ・・・
ハイテンションエンド?笑いすぎて怒られたよチクショウ
CuPはホモじゃない両刀だ(白目)
只今戻りました。
ひとまず前半部分のみですが、エンディング2を投下していきます。
エンディング2
※プロデューサーが家に来た所までさかのぼります。場面は扉を閉めた後
僕(……おねえちゃんも、てきなんだ)
底なし沼に足を取られるように、僕の気分は最底辺へと向かっていた。
誰も彼も、敵だった。
僕を慰めてくれる人はいないのだ。
僕を救う手が差し伸べられることはない。
一人で立たなければならない。そう察するしかないのだ。
僕(それが、おとなになるということなのかもしれない)
(いつまでもおねえちゃん……いや、かえでさんのあしにすがりつき)
(なきわめいているわけにもいかないんだ)
濁った頭でそう考えても、僕の体は震えを止めなかった。
これから何十年、たった一人で生きていくのか。
お姉ちゃんのダジャレも、加蓮との世間話も、美玖との甘酸っぱい思い出も。
全て捨てて、僕は、立ち上がれるのだろうか?
笑う声の幻聴が、脳裏をこだまする。
送られる、嘲るような視線が、僕の体を刺し貫く。
ガチャ バタン
僕(あれ……?)
プロデューサーが家にきた後、大して盛り上がることはなかったようだ。
扉の開く音、閉じる音がすぐに聞こえて、僕は驚いた。
何故だろう。
プロデューサーと楽しくお話する為に読んだのではなかったのか。
僕のほぼ焼け付いてしまっている思考回路が、ぼんやりと活動を再開していく。
再び沈んだ汚泥の中で、僕は光を垣間見る。
そして、自室の扉が開かれた。
楓「……」
僕「どう……したの? ぷ、ぷろでゅーさーと、おはなしは?」
楓「……」ギュッ
僕「!?」バッ
僕(ぼくはとつぜん、かえでさんにだきしめられた)
(おもわずぼくははなれた。なぜいまさら、ぼくにちかづくのか)
(そこしれないふあんにおちいったからだ)
僕「どうしたの、きゅうに……かえでさん」
楓「」ビクッ
楓「~ッ!!」ギュウウウ
僕「え、ちょ、ちょっと、い、いたい……」
楓「プロデューサーさんには、一度帰ってもらったの」
楓「だから何があったのか。お姉ちゃん、に話してくれる?」
僕「……ッ」ビクッ
僕(ちからがぬけ、ぼくはかおをうごかすじゆうをえる)
(そうしてみあげたかえでさんのかおは、こくれつなものだった)
(なみだをたいりょうにながし、それでもいつものようにわらっていたのだ)
ある程度落ち着いた僕は、お姉ちゃんに起こった出来事の大体を話した。
最近、自分の数少ない友達が、続々とアイドルにスカウトされていること。
美玖は突如猫キャラになり、クラスの人気者になって。
僕と話すことがほとんどなくなってしまったこと。
その後病院に向かった所、加蓮はスーツを着た男と喋っていて。
それがお姉ちゃんといたプロデューサーという人に似ていたということ。
そして何より、加蓮に恨みのこもった目で見つめられたこと。
その後お姉ちゃんがプロデューサーの腕に抱きついているのを見て。
僕の居場所は全て消えた、と思ったこと。
要約するとこんな所である。
それを全て頷きながら聞いてくれたお姉ちゃん。
話が終わったタイミングを見計らって、お姉ちゃんは口を開く。
ちなみに楓さんと呼ぼうとするたびに睨んでくる為、呼び方はお姉ちゃんに戻っている。
楓「……そんなことがあったんだね」
僕「」コクン
楓「ごめんね。……って言っても、ちょっと月並みすぎるかな」
「まずは、昨日の私の話をしなきゃいけないね」
「私は、昨日はお酒をいっぱい飲んでたの。相手はプロデューサーさん」
「スカウトされて、話している内に……なんでかなあ?」
「この人とならうまくやれるって、思わされちゃったの」
「それで、久しぶりに誰かと飲むってこともあって舞い上がっちゃって」
「簡単に酔って、潰れちゃったんだ」
僕「それで、その後事務所に帰って寝てたの?」
楓「ううん。近いから、って、プロデューサーの家に運ばれてた」
僕「えぇっ!? 家、って、それはまずいんじゃ!?」
楓「私もそこまでされると思ってなくて、最初は慌てちゃったなあ」
「服も若干乱れてたし。パジャマに着替えさせようとして、やめたのかな?」
僕「……」アゼン
僕(良識のある大人なら、普通はそういうことを気にするだろう)
(何より、アイドルとプロデューサー。スキャンダルのことを考えないのだろうか?)
僕「プロデューサーさん、頭おかしいんじゃないの?」
楓「そこまで言わなくてもいいじゃない!?」ビクッ
僕「だ、だって、スキャンダルとかあるし」
「そういうのがアイドルの難点の一つなのに、プロデューサーが気にしないなんて」
「気にすることが、仕事の一つと言っても過言じゃないような……」
楓「うーん……確かに」ニガワライ
「でもあの人、人助けになると周りが見えなくなるからなあ……」
「多分、悪意を持ってやった訳じゃないのよ」
僕「!!」
僕(悪意のない、行動?)ゾクッ
楓「さ、それより!」パチン
「私、加蓮と……美玖ちゃんだっけ? 二人と面識があるの」
僕「ええっ!? 加蓮はともかく、美玖とも!?」
楓「うん♪」コクン
「だって、同じ事務所だもの」
僕「あぁ……なるほど」
楓「だから、さ。二人に直接聞いてみるね?」
僕「直接って……何をさ?」
楓「二人が……いや、今回は多分、加蓮だけでいいかな?」
「加蓮が、どう思っているのか。本当に疎んでいるのか」
「みくちゃんはね、悪い子じゃないんだ」
「きっと喋るタイミングを見失っちゃって、迷ってるんだと思う」
「でもいつか話さないと、それも忘れちゃう。諦めちゃう」
「だから、二人と話そう?」
僕「で、でも、二人はプロデューサーと……」
楓「……何も分からないまま、決めつけちゃダメ」ギュッ
僕「あ……」
楓「時には、自分から知らなきゃ。相手のことを、相手の気持ちを」
「二人はアイドルに対して、強い気持ちを持ってる」
「それがいつか、プロデューサーに対する愛に変わって」
「君のことを、意識からフェードアウトさせてしまうかもしれない」
「忘れられたくないなら、二人とまたしゃべりたいなら」
「二人と、正面から。慰められるだけじゃなくて、ちゃんと話さなきゃ」
僕「……!!!」ブワッ
楓「きっとまだ、君の居場所は消えてないよ」
僕はその後、お姉ちゃんの胸の中で泣いた。
体の中にある水分をあまさず流しきるくらいのつもりで。
また、僕は震えていた。
知ろうとしていないだけ、という言葉に、僕は雷に打たれたような衝撃を受けた。
僕は二人の気持ちを知ろうとしたことがあっただろうか?
ただ、救ってくれるだろう。癒してくれるだろう。
そう願って、一方的な気持ちを抱いていなかったか?
僕はただ、差し伸べられる手を待っていただけだったのだ。
皆を取られた。そう思っていた。
しかしきっとこのままでは、それは現実になるだろう。
だから、僕を見てくれるように。支えてくれるように、隣にいてくれるように。
僕は、僕から、二人を招かなければならないのだ。
視線をこちらに向けさせなければならないのだ。
僕(二人と、話そう)
お姉ちゃんの胸の中で、僕は強く、心の中で思った。
書いたのは一旦ここまでです。
これからノンストップで書きますが、なにせエンディングに直結する後半戦。
少々時間がかかると思います。
それでは一度失礼します。
……僕視点が仇になった。名前どうやって呼ばせよう(震え声)
普通に○○君とかでいいんじゃないか?
これ、読みたかったやつだわ
これからもアイドルばりに可愛い子が
自分に寄り添ってくれるとか勘違いしてるモブカスが絶望する話をガンガンかいてくれ
ユッキとか茜ちゃんみたいに天真爛漫な子が遠くに行っちゃうのだいすき
このまま絶望の中で死ぬ展開か
外野に構わず好きなように書けよ
HAPPY ENDばかりでは食傷になる
苦い話も美味しいものだ
ただいま戻りました!
エンディング2、後半戦です!
私こと高垣楓は、眠れない夜を過ごしていた。
久しぶりだった。弟を抱いているというのに、眠れないのは。
楓「……ん」
あの子に無理を言って、今日は一緒に寝ている。
始めは恥ずかしそうにもぞもぞしていたが、眠気に勝てなかったのだろう。
いつの間にか、あの子は眠りに落ちていた。
規則的に動く背中を抱く温かさに、私は安堵していた。
しかし、ぐるぐる巡る思考のせいで、目が冴えてしまっている。
楓(かわいそう、泣いてる)ナミダヌグウ
僕「……ん」
「ふふっ」ニコッ
楓「」ズギューン
楓「」ムギュ
僕「……あう」
楓「」ニコッ
楓(しかし、元に戻ってよかった)
(様子に気付くことができなかったら、一体どうなっていたか)
(相当弱ってた。もしかしたら、最悪の結末もありえたかも)
(でも今回のやりとり、一番悪いのは……)
楓「……とにかく、加蓮に聞かないと」
楓(脳内をまとめると、私を眠気が襲い始める)
楓「Zzz…」
~翌朝、CGプロダクション事務所~
楓「……」
ガチャッ
楓「……おはようございます」
加蓮「あっ、加蓮さん! おはようございます!」
みく「おはようだにゃ!」
楓「みくちゃんはちょっと黙ってて」
みく「え、ひどくない?」
楓「……加蓮、ちょっと来て」
加蓮「はっ、はい!」ビクッ
加蓮(な、なんだろ。楓さんから、どこかオーラのようなものさえ見える)
(わ、私、何かしちゃったのかな!? こんな怒ってる楓さん見たことが)
楓「……早くする」
加蓮「」アワワワワ
~廊下~
加蓮「……」
楓「」バンッ!
加蓮「!!」ビクッ
楓「……私が何故怒ってるのか、分かったら許してあげる」
「チャンスをあげるから、答えてみて」
加蓮「……」
加蓮(廊下に連れ出されたと思ったら楓さんがいきなり壁を叩いて私を脅している)
(何、何なのこれ!?)
楓「……」ハッ
楓「ごめんなさい。いきなり脅したら、答えづらいわよね」
「取り敢えず、説明するわね」
「昨日、一昨日というべきかしら。あの子が倒れたの」
加蓮「ッ!!」
楓「頑張って拭ったんだとは思うけど、廊下に吐いた痕があった」
「絨毯に体を引きずっていたような痕もあった」
「きっと心の発作があったんだと思う」
「それこそ、立てないほどに」
加蓮「そんな、最近はそこまでひどい発作の兆候はなかったのに……」
楓「やっぱり気付いていなかったのね」
「それは、加蓮。あなたが原因の一つなの」
加蓮「」ビクッ!
「そ、そんな、私――――あっ」
楓「……心当たりはあるのね」
加蓮「……はい」コクン
「私が週末、通院していた時です」
「プロデューサーが病室に来て、世間話をしてくれて」
「凛のマル秘話が聞けて、私すごく盛り上がってたんです」
「その時に、ちょうどあいつが来た」
「察してくれたプロデューサーが、そこで病室を出て行っちゃって」
「オチが、ちょうど聞けなかったんです」
「私はそこで……睨んでしまいました。邪魔するな、って」
楓(なるほどね……それが真相。蓋を開けてみれば、こんな簡単な話)
楓「続けて」
加蓮「はい。……その後、あいつはすぐに帰ってしまいました」
「今思えば、ひどい顔をしていました。絶望に沈みきったような」
「暗い感情に濁った目。食いしばられた歯」
「何かを堪えるように震えていた唇」
楓「……」
加蓮「そこで、追いかければよかったんですかね」ニガワライ
「でも私はできなかった」
「アイドル活動を始めて、心臓に結構な負荷がかかってたらしくて」
「院内ではあまり動くな、と釘を刺されていました」
「……でも、やっぱり私の気持ちが大半」
「プロデューサーとの会話を邪魔されて、苛立っていたんです」
「何故でしょう、本当にプロデューサーは魔法使いみたい」
「魔法をかけられたように……アイドル活動に、プロデューサー自体に夢中になってしまう」
楓「……私もそうだったから、その気持ちは分かる」
加蓮「楓さんも、ですか?」
楓「ええ、あなたの言うように、魔法をかけられたみたいにあの子を忘れていた」コクン
「でも、あの子のことは忘れないであげて」
「加蓮は、あの子の心の支えなんだから」
加蓮「……そうですね」
「あいつに言わなきゃ。私の言葉を伝えなきゃ」
「あいつは、弱いから」ニコッ
楓「ふふっ……」
楓(よかった、あの子が嫌われていなくて)
楓「それじゃあ、今すぐにでも行く?」
加蓮「え、でもそ、そんなの……」
楓「だって、あのプロデューサーだよ? 大事な用があってちゃんと言えば断られないよ」
加蓮「そう、ですね」
「それじゃあ、行ってきます!」
「その、ありがとうございました!」ペコッ
楓(加蓮が走っていくのを、私は見送った)
楓「それじゃあ、次はみくかな」
~事務所内~
みく「あ、楓さん。どうかしたのにゃ?」
楓「どうか、って何のこと?」
みく「加蓮は急に走っていくし。楓さんも、怒ってたと思ったら急にニコニコしてるし」
楓「まあ、ちょっとした後押し。かな?」ニコッ
みく「???」
楓「それよりも、私はあなたにも話があるの。みく……いえ、前川美玖に」
みく「……重要そうだにゃ。また部屋帰るかにゃ?」
楓「そうね。それじゃあ、仮眠室にでも行こうかな」
みく「にゃ」コクン
~仮眠室~
楓「あのね、落ち着いて聞いて欲しいんだけど」
「昨日、一昨日にわたって、あの子が倒れたの」
みく「……えっ」アゼン
楓「大体は加蓮が関係しているんだけどね」
「だから怒ってたんだけど、でもみくちゃんにもちょっと関係があって」
みく「……でも、私何かした覚えはないにゃ」
楓「うん、みくちゃんは何もしてないの」ニコッ
「みくちゃんは何も悪くない」
「というより、あの子が全体的に悪いのよ」ニガワライ
楓(そう。今回の出来事の原因、一番はあの子自身)
(疾患のせいがあったとしても、二人を信じられなかったあの子が原因)
(勝手に思い込んで。勝手に目を背けて)
(他人からの、救いの手だけを求めていた)
楓「でもあの子には、それが辛かった。何もされないのが。何も喋れないのが」
みく「……」
楓「全部、あの子の思い込み」
「加蓮のことも、あなたのことも」
「知らないかもだけど、あの子は精神疾患を持ってるの」
「簡単に言うと、心が弱いの」
「だから、いじめられるとすぐ泣いちゃうし、すぐに思いつめちゃう」
「今回みたく、周り全てを敵だと思い込む」
みく「し、知らなかったにゃ……」
「そんな病気を持ってただにゃんて、ずっと悩んでいただにゃんて……」
楓「あの子が言わない限り、知らなくて当然よ」ニコッ
「でも、それを聞いた今は違うでしょ?」
みく「!!」
楓「わざわざあの子に謝ることはないわ、でもこれからまた話してあげて?」
「以前みたいに、アイドルのみくちゃんじゃなくて、本当の前川美玖として」
みく「……」カポ
美玖「私、会ってきます!」ダッ
楓「あ、あらあら……皆、凄い勢い」
楓(後は、あの子自身の選択。かな?)
~高垣邸~
僕は、今日の夜が勝負だと考えていた。
アイドル活動の邪魔をしたい訳ではない。
だからお姉ちゃんの帰ってくる程度の時間に、二人に電話をしよう。そういう計画を立てていた。
僕(二人の住所を知っている訳がないけど……今回ばかりは知ってたらよかった)ハァ
(でも週末まで待つ訳にもいかない。思い立ったら即行動)
(この気持ちが変わらない内に!)グッ
僕「……取り敢えず、服を着替えようかな」イソイソ
ピンポーン
僕「??」
僕(こんな時間に、誰だろう? とりあえず居留守)
…………
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
僕「うわぁなんだなんだ!? と、取り敢えず出よう!」
ガチャ
僕「は、はい、高垣ですg」
???&???「「早く出なさい(出てください)!!!」」
僕「す、すみませぇん!?」ガチャ
僕(な、なんだあの殺気だった声!? とにかく早くでないと!)ダダダダ
ガチャ
僕「な、なんでしょう……って」
加蓮「わざわざ急いで来たのに、なんで居留守使うのよ!」
美玖「そうです! 反省してください!」
僕「あ、すみません」シュン
僕(急に乱入してきた二人に反省を求められた。正直混乱しそうだ)
加蓮「……とにかく、中に入るわよ」
僕「はい、どうぞ」ペコ
加蓮「……どうしてそんなにかしこまってるのよ」
僕「そんな目で見られたらそうなるよ……」ボソ
~高垣邸内リビング~
三人「「「…………」」」
加蓮(勢いで来ちゃったけど……)
美玖(加蓮さんを見つけて走ってきましたが……)
僕(いきなり二人とも来ちゃうなんて……)
三人(((しゃべり辛い……!)))
僕(いや、でも二人は多分、僕のことで来てくれたんだ)
(世間話をしに来たような顔じゃない)
(だから、ここは僕が言わなきゃいけないんだ!)グッ
僕「え、ええっと、その……ごめん!」ペコッ
二人「!」
僕「その、心配かけちゃったね。二人は姉さんに言われて来たんでしょ?」
「でももう大丈夫。だから……」
加蓮「待って」
僕「え?」
加蓮「その前に、私の話を聞いてくれない? アンタは一つ、誤解をしてる」
僕「ご、誤解?」
加蓮「うん」コクン
加蓮「アンタ勝手に、私とプロデューサーが、その」
「デキてるみたいに思ってない?」
僕「え?」ポカン
加蓮「その反応。本当にそう思ってたみたいね」ハァ
僕「だ、だって、僕のことを邪魔者みたいに」
加蓮「……それは、本当だから謝る」
「でもね、その理由がちょっと違うっていうか」
僕「……っていうと?」
加蓮「それがね……」
僕は加蓮から、あの時の状況を説明された。
ただの勘違いだと分かった瞬間には、僕の顔が真っ赤になったのが簡単に分かった。
僕「え、えーっと……僕が、うだうだ悩んでたのは勘違いで」
「会話を邪魔したのはホントだけど、それほど深刻なものではないと?」
加蓮「そういうこと」コクン
美玖「私も、それに似たような感じだと思います」
「というか、まだアイドル活動を始めて数日ですよ?」
「その間で判断しきるのは早すぎですっ!」
「……それは、あの日、無視して帰ったことは申し訳なく思ってます」
「その後から、私もちょっと気まずく感じていて……話しかけづらかった」
僕「……」
美玖「でも無視したい訳じゃなかったんです!」
「ずっと悩んでいました」
「無視してしまった時、私は少し振り返っていました」
「その時、私は見た」
「あなたの茫然と立ち尽くす姿を。その表情を」
「だから、どこかでフォローしなきゃって、思ってたんですけど…」
僕「……確かに。確かに、僕は焦っていたのかもしれない」
「君の猫キャラが、その、思ったより衝撃的で……」
みく「え、ひどくない?」
僕「!?」
美玖「……ごほん。続けてください」
僕「う、うん……えっと、それでね」
「僕は、美玖が本当に遠くへ行ってしまったんだと思ってしまった」
「美玖の落ち着いた雰囲気はお姉ちゃんに似ていて好きだったから」
「急に変わった美玖が、とても異質なものに見えた」
「何より大きかったのは、クラスの女子グループに簡単に混ざっていったこと」
「あの中にね、以前僕をいじめてきた人がいたんだ」
「ケタケタ笑いながら、無邪気に足を振り下ろしててきたよ」
「そんな人の仲間になったんだって、でも急にあんなに変わったんだから」
「ありえない話じゃ、ないかなって……」
美玖「……」
僕「……」
加蓮「……」
三人「「「ごめん……(ごめんなさい……)」」」
三人「「「」」」ピクッ
三人「「「」」」ソワソワ
僕「……ぷふっ、く、くくっ」プルプル
加蓮「ちょっ、急に笑い出して、どうしたのよ!?」
僕「あはは……いや、僕の勘違いだって」
「二人が敵じゃないって分かったら、なんだか安心しちゃって」アハハ
加蓮「も、もう、心配した私が馬鹿みたいじゃない!」
僕「あはははは……あは、は……」ツー
美玖「あなたって人はもう……って、大丈夫ですか!? それ……」
僕「あは……なんでだろ、涙が、止まらない……」ポロポロ
「ぐす……えぐ……うぅぅぅ」
「怖かった……皆、プロデューサーって人に、取られるって……」
加蓮「と、取られる!?」
「……う、うーん、でも」
美玖「あのままでいれば、多分そうなってたでしょうね……」
加蓮「それがプロデューサーの凄い所であり、怖い所ね」
加蓮「そこは、楓さんに感謝した方がいいと思うよ」ウンウン
「……それにしたってほんと、アンタはいつまで経っても弱いなあ」グイ
僕(涙を拭ってくれる加蓮が見せてくれた笑顔は、今までで一番綺麗に見えた)
僕(こちらを見て微笑む美玖も、アイドルとしてではない、混じりけのない笑顔で)
(どちらも、見るだけで僕の心が日に照らされるようだった)
(心の底から、救われたと思えた)
僕「ぐすっ……あ、ありがと」ゴシゴシ
「ねえ、二人共」
加蓮「ん?」
美玖「なんですか?」
僕「僕はきっと、これからも何度も迷うことになると思う」
「こんな頭してるから、こんな弱い心だから、また二人に迷惑をかけると思う」
「二人を怒らせると思う」
「苛立たせることになると思う」
「僕がずけずけと物言いして泣かせてしまうかもしれない」
「トチ狂って、暴力を振るおうとするかもしれない」
「でも。これからは、前とは違って、二人を分かろうと思う」
「救いを待つだけじゃなくて、いつか、二人を助けられるようになろうと思う」
「宿題でも、アイドル活動でも。必ず、どこかで力になろうと思う」
「それが、友達ってものだと思うから」
「……だから、これからも。二人は、僕と友達でいてくれる?」
加蓮「……」
美玖「……」
僕「……」
加蓮「当然♪」 美玖「当然です!」
僕「……」プルプル
僕「本当に、本当に、ありがとう」ニコッ
こうして、突然現れたプロデューサーなる男によって起こった出来事は、
一応の終結を見ることになる。
僕はその後精神状態を安定させて、なんとか立ち直ることができた。
あのまま行動を起こさなければ、事態が変化することなく。
ただただ悪化の一途を辿り。
もしかしたら、死を選ぶことさえあっただろう。
美玖と加蓮、そして僕自身を動かしてくれたお姉ちゃん。
僕は二人との会話の後、お姉ちゃんに土下座で謝罪と感謝の言葉を述べた。
慌てて土下座をやめるように言ったお姉ちゃんに従い、僕が立ち上がると、
楓「死にたいじゃなくて、めでたいって言おう……ふふっ」ガサ
僕「……ぷふっ、あはははは!!」
お姉ちゃんはどこからともなく取り出した鯛を持って、こう言ってきた。
本当にいいお姉ちゃんだ、と心から思った瞬間だった。
同時にこれから頭が上がらなくなるなあ、と思っていたことを覚えている。
……実際、大人になった今、現実となっていたりする。
今、何をしているか?
それは……
みく「にゃあああ喉乾いたー! 飲み物、飲み物はまだかにゃー!?」
僕「はいはいただいまー!!」
加蓮「こっちはタオルー……はぁ、もう汗だくだよー……」
僕「はい、これパス!」ポイ
加蓮「さんきゅー、いやあいい仕事するねえ」
僕「それはどうも! はい、お姉ちゃんにもジュースとタオルのセット!」
楓「まるで働きアリみたい……でも、ありがとう……アリだけに……ふふっ」
僕「ぶふっ」
加蓮「もう、そんな風に反応するから、楓さんのギャグが……」
楓「加蓮、何か言った?」ジトー
加蓮「な、ナンデモアリマセンノコトヨ」
三人と一緒に歩いていける選択肢を探した結果。
僕はなんと、三人のマネージャーになっていた。
これならずっと僕を見ていられるし、心配もないとお姉ちゃんがプロデューサーさんに進言したのである。
プロデューサーさんは二つ返事で快諾した。
猫の手も借りたい状況って今みたいなことを言うんだよ、と苦笑いしていたプロデューサー。
仕事をしている様子を見て印象的だったのは、曇りのないその目だった。
本当に三人を、さらにその他のアイドルを頂点にたたせようと。
下心なく、本当に楽しそうに仕事と向き合っている。
その熱意がひしひしと伝わってくるようだった。
アイドルと話すその声に、悪意はなかった。
こうして、目が回るような多忙な毎日に飛び込むことになった僕。
プロデューサーの言うとおり、猫どころか犬やら鼠やらの手も欲しいくらい、日々は困難の連続だ。
しかし何も後悔はない。
それどころか、これくらいの苦労ならどんとこいだ。
僕「それじゃあ、アンコール! 頑張ってきてね!」
三人「……」
「「「当然!!!」」」ビシッ
僕を救った三人の笑顔を、これからも見られるなら。
僕と三人が、これからも友達でいられるなら。
end.(マネージャールート)
乙乙、面白かった
叩かれても気にすんな
これにて、女の子エンド完結です。
加蓮の所など、救いを作る為に無理につじつまを合わせていたりしたので、正直見苦しい所もあったと思います。
ですが、納得のいく形にはなりました。
プロデューサーではなくマネージャーもありじゃない! というのは許されますかね?ww
ご指摘、特に初めに言ってくれた方には本当に感謝しております。
次の作品では、見苦しい所を減らせるように頑張ろうと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました。次回は、明日投稿できるかなーってくらいです。
では、これにて失礼しますっ!
HTML化依頼はもう少し後で出しますね。
乙乙、こういう方が好きだなぁ
次はどうするつもりなんです?
乙です。
次の光の話もbad以外のエンドを期待します。
ありきたりですが人一人救えないような奴がヒーローにはなれませんからね。
乙
P以外のオリキャラは認めないって層は少なからずいるからその辺は割り切って
自分のやりたいようにやったらいいと思いますも
このSSまとめへのコメント
全然面白くなかった
誰もマネージャーになることなんて期待してないから
続きは正直いらなかった
確かに心の病抱えてそうなうっとうしさだった(小波感)