夏海「もしも恋人が出来たら」 (6)
夏海「ねえねえ今日はどこ行こっか?」
夏海「えー、今日は遊ばないの!? つまんないよー遊びに行こうよー、ねえってばー」
夏海「……フンだ、つまんないの」
夏海「えっ、宿題終わらせたら遊びに行ってくれんの? マジで!?」
夏海「なんだよそれ先に言ってよ、全くもー……へへっ」
夏海「べっ、別ににやついてなんかないよ! ほら早く宿題終わらすから手伝ってよー!」
夏海「いやいやいや、こんなんうち一人じゃ無理ですって! お願いしますよ、ねっ、ねっ?」
夏海「……よっしゃ! そうと決まれば早速やるぞーっ!」
夏海「……」
夏海「……」
夏海「あ、あのー、この一問目何ですけどー」
夏海「あっ、やっ、ちょっとお尋ねしたいことが、はい、はい、なるほどなるほど……」
はい
駄菓子屋「ついに狂ったか」
小鞠「えっ、遊びに行くの?」
小鞠「あーごめん、ちょっと宿題やってからじゃダメ?」
小鞠「すぐ終わらすからさ、ね?」
小鞠「うん、ありがと、それじゃあ30分もしないからさ、ごめんね」
小鞠「ところで今日はどんなとこ行くの?」
小鞠「大人っぽい? オシャレな? カフェ?」
小鞠「…………」
小鞠「えっ、あっ、宿題ね、うんうんやるやる、すぐ解くから」
小鞠「大人のスイーツ? コーヒー使ってる?」
小鞠「…………」
小鞠「あああっ、そ、そうだよね宿題しないとね」
小鞠「……」カリカリ
小鞠「……大人っぽい、オシャレ、スイーツ、カフェ」
小鞠「あっ、いけないいけない」カリカリ
夏海「やっふーい! 都会だぁーっ!」
夏海「なにしよっか、カラオケとか? ボウリングとか? あっ、ゲーセンも良いね!?」
夏海「えっ、ちょっ、なになに!?」
夏海「あ、自転車来てたからか……うん、ありがと」
夏海「えっと……その……」
夏海「ああうん何でもない何でもない! ほら早く行こうよ!」
夏海「さぁーてどこ行こうかなぁーっと!」
夏海「さあ行くよ! ちゃんとついて来てよねっ!」
夏海「うわっ! あっ、ご、ごめんなさい……」
夏海「……」
夏海「……ごめんね」
夏海「あはは、うち馬鹿だからはしゃいじゃって……ごめん……」
ぎゅっ
夏海「……えっ?」
夏海「あ、う、うん、これならうちもいきなり走らないように気をつけられるかな」
夏海「へへっ」
小鞠「久々にこんなとこまで来たなぁ」
小鞠「わぁぁ、大人っぽい人いっぱいいる……」
小鞠「あっ、それじゃあ行こっ?」
小鞠「へぇ、これから行くとこってそんなに有名なんだ、なんだか緊張しちゃうなぁ」
小鞠「だ、大丈夫だよね、今日はうんとお洒落してきたし……」
小鞠「わっ、あそこのお店の、すっごいなぁ……」
小鞠「うわっ、あっちもすごい、都会はどこ見ても違うよね」
小鞠「……」
小鞠「え、ちがっ、可愛いじゃないもん! 私は綺麗とか大人って言われたいの!」
小鞠「頭撫でんな! 可愛い言うな!」
小鞠「……もう、そんなの嬉しくないもん」
小鞠「……嬉しくなんて、ないんだもん」
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