男「タオルは俺の嫁」(58)
・○×高校校門
男「うーん、今日もいい天気だ!」 テクテク
男「……」 テクテク
男(ずっと憧れだった○×高校……まさか、本当に入学出来るなんて思わなかったな……) テクテク
男(これから三年間、充実した高校生活を楽しむぞっ──) ドンッ
男「うわっ!?」 ドサッ
???「ふぉっ!」 ドサッ
男「いてて……」
???「あいたたた……」
男「だ、大丈夫ですか!? すみません、俺がちゃんと前を見て歩いていなかったから……」
???「ははは、気にしないでくれ! 僕もタオルに夢中で周りが見えてなかったからな!」 スタッ
男「へ?」
???「では、さらばだ!」 テクテク
男「……」
男(同じ制服だったな。 先輩かな?)
友「おーい!」 タッタッタッ
男「ん? あいつは……」
友「よう、男! 新しい制服姿、なかなかイカしてるじゃねぇか!」 バンバンッ
男「はは、友こそ」
友「また同じ学校になっちまったな! クラスは違ったけど、これからもよろしく頼むぜ、親友!」
男「あぁ!」
友「そういえば、お前、部活はやっぱりバスケを続けるのか?」
男「いや、○×高校では何か新しい事を始めたくてさ。 今日の放課後に色々と部活見学をしようと思ってる」
友「マジかよ!? もったいねー!」
男「友はどうするんだ?」
友「ハッ、愚問だな! もち、帰宅部よ!」
男「それこそ勿体ないって。 運動神経めちゃくちゃ良いのに……」
友「オレには汗臭い青春なんて似合わないからな! そんなもんよりカワイ子ちゃんとイチャイチャしてる方がマシだぜ!」
友「そうだ、男! オレと一緒にナンパ部でも設立しねーか!?」 ケラケラ
男「遠慮しとくよ。 本当、相変わらずだな友は」 クスクス
キーン コーン カーン コーン……
・放課後
男「ふぅ、今日も一日終わったな」
男「よーし、部活見学に行くぞ!」 ワクワク
テクテク テクテク
男「……ん? 『タオル部』……?」
男「初めて聞く部活だな……。 一体、どんな活動をしているんだろう……」 ゴクリ
男「ちょっと気になるな。 少し部室を覗いてみるか」
ガラガラ……
男「失礼しまーす……」 チラッ
男「──なっ!?」
男「な、なんだこれ!? 部屋の至る所に色とりどりの様々なタオルがっ……!」 ドキドキ
男「へぇ……」 キョロキョロ
男「って、誰もいないのか?」 キョロキョロ
テクテク
???「むっ、 部室の扉が開いている……?」 チラッ
???「誰だっ!?」
男「わっ!? 勝手に入ってすみません!」 ビクッ
???「……おや? 君は確か、今朝ぶつかった……」
男「あっ! あの時の!?」
???「ふふ……」
???「はっはっは! とてつもなく熱い運命を感じるぞ、新入生!」
???「ようこそ、タオル部へ!!!」
男「……あ、あの」
???「いやいや、みなまで言う必要は無い! ありがとう! 初めての部員ゲットォオオオ! !! っしゃあ! っしゃあああっ!」 ウヒョー
男「んなっ!? ちょっと待ってください! 俺は入るなんて一言も──」
部長「僕は三年一組の部長だ! これからよろしく頼むぞ、新入生!」 ガシッ
男「……一年二組、男です」 ハァ……
男「と、ところでこのタオル部は一体どんな活動を行っているんですか?」
男「部室にたくさんのタオルがありますけど……もしかして、タオルを自主制作する裁縫的な事を……」 ゴクリ
部長「違う! タオルを作るのではないっ!」 バッ
部長「タオルを 愛 で る のだっ!!!」 バッ バッ
男「……愛でる?」
部長「ふふ、言葉で表現するのは野暮というものだ。 実際に見せてあげよう、その愛でる様を!」 テクテク
ガサゴソ……
部長「ふむ、今日はこの青のフェイスタオル『かな子』にするか」 スッ
男「……」 ゴクリ
部長「そして、このタオルの角を……!」 カプッ
部長「かな子ォオオオオオオオオオオオッ!!!」 ハムハムハムハム
男「なっ……!?」
男(タオルの角の丸まった部分を唇でハムハムしている……!) ドキドキ
男(これが……タオルを愛でるということかなのか……!?) ドキドキ
部長「……どうだ?」 ハムハムハムハム
男「……うぅ……」 ブルブル
部長「……これが……タオル部だ……」 ハムハム
男「……くぅ……ううう……!」 ブルブル
部長「……ハムハムしたくなってきただろう?」 ハムハム
男「……ハムハム……」ブルブル
部長「ハムハムしたくなってきただろうッ!?」 ハムハムハムハム
男「……ハムハム……したいですっ!!!」
俺は入部を決意した
なぜそうなる
・数日後
テクテク テクテク
男「さぁ、今日も一日頑張るぞっ!」 テクテク
友「おーい!」 タッタッタッ
男「あ、おはよう友!」 ニコニコ
友「よう、朝っぱらから随分とご機嫌だな!?」
男「まぁね。 部活も決まったし、これから益々学校生活が楽しくなりそうでさ」
友「おっ!? なんか良い部活が見つかったのか?」
男「あぁ、タオル部に入部したんだ」 ニコニコ
友「……は?」 ポカン
男「いやぁ、もう病みつきになってしまってさ。 早く部活でハムハムしたいなぁ」 ニコニコ
友「……んー、なんかよくわかんねぇけど新しい楽しみが増えて良かったな!」
友「あっ! そうそう、実はオレも見つけたんだよ!」
男「部活……じゃなくて可愛い子を、だろ?」 クスクス
友「さすが親友! 良くわかってるじゃねーか!」 ケラケラ
友「女ちゃんっていう子でさ、すげー可愛いんだって! ありゃあ全男子がほっとかないだろうな……一刻も早くお近づきになりたいぜ」 ハァ
男「あれ? 女さん……って、俺と同じ一年二組の女さんかな?」
友「なにぃ!? お前と同じクラスだったとは……! 早急にオレを紹介しろ!!」 ガシッ
男「お、落ち着けって! ていうか、 まだ話をした事も無いよ!」 ユサユサッ
・放課後
ガラガラ……
男「お疲れ様です、先輩」 テクテク
部長「やぁ、男くん! 待っていたよ!」 ハムハム
男「さっそくハムハムしてるんですね」 クスッ
部長「あぁ! 愛の深さに限りは無いが、時の流れには限りがあるからな! 一分一秒、少しでも多くの時間をタオルと共に過ごしたいんだ」 ハムハム
男「さすがタオル部部長。 俺も見習わなきゃな……」 ガサゴソ……
男「じゃあ先輩、今日はコレ借りますね」 スッ
部長「ほう……緑のフェイスタオル『めぐみ』か。 なかなか渋いチョイスじゃないか」 ハムハム
男「では、さっそく……」 カプッ
男「ふむ……ふむ……」 ハムハムハムハム
男(……はぁ……幸せだ……) ハムハムハムハム
部長「はっはっは! 良い表情だぞ、男くん!」 ハムハム
部長「……」 ハムハム
部長「……最後に……君のような新入部員に出会えて幸せだよ……」 ハム……
男「──え?」 ハム……
部長「このタオル部……実は、今学期をもって廃部になるんだ……」
男「えぇええええええっ!?」
部長「学校の規則でね……部員が五名以上を満たしていない部は部として認められないようになっている」
部長「それに加え、我々タオル部を目の敵にしている生徒会長からの圧力……」
部長「来学期からこの部室を生徒会の備品置き場として使うらしい……」
男「そ、そんな……!」
部長「最初に君へ説明をしなかったのは本当に申し訳ない……」 ウルッ
部長「……今ならまだ遅くない……早く別の部活動を選ぶべきだ……男くん……」 ポロポロ
男「……」
男「先輩、俺……タオルが大好きです。 恋人、いや、もはや俺の嫁だと胸を張って言えるくらいに」
男「だから……だから絶対にタオル部を廃部になんてさせないっ! なんとかして部員を集めてみせますから!」
部長「男くん……」 ポロポロ
男「先輩だってまだ諦めたくないんですよね!? 」
部長「そ、それは……」 ポロポロ
男「諦めていたなら最初から俺を部員として迎え入れていなかったはず」
男「──そして、何よりもその涙が語っています。 タオルを愛してやまない部長さんの涙がっ!」
部長「……うぅ……うううぅ……」 ポロポロ
部長「……ありがとう……ありがとう、男くん……」 グシッ
男「先輩、タオルは涙を拭う為にあるものじゃないでしょう?」 クスッ
部長「……あぁ……そうだったな……」 ハムッ
男「タオルを泣かせちゃダメですよ。 さ、時間までたっぷり愛でてあげましょう!」 ハムッ
部長「ふふ、君も言うようになったな」 ハムハム
男「ははっ。 すいません、生意気言って」 ハムハム
部長(……本当にありがとう、男くん) ハムハムハムハム
こうして、タオル部存続を賭けた俺の部員探しが始まった
なんなんだこれは…(;°д°)
続きはよ
・次の日
友「ふーん、部員の勧誘ねぇ……」 テクテク
男「あぁ。 今学期中に最低でもあと三人必要なんだ」 テクテク
友「難しいと思うぜ? 入学して一週間……もう、ほとんどの同級生は部活始めちゃってるだろうし」 テクテク
男「そうなんだよなぁ……。 ま、とにもかくにも片っ端から誘ってみるしかないさ」 テクテク
友「ははっ、頑張れよ! オレもクラスで帰宅部の奴を見つけたら声をかけてみるから!」
男「あぁ、よろしく頼むよ。 ありがとう、友」
友「いいってことよ! あ、学校行く前にコンビニ寄って朝飯買って行こうぜ! 腹が減ってはなんとやらってな!」 タッタッタッ
男「おう!」 タッタッタッ
・コンビニ
友「さーて、今日は何を食おうかねぇ……ん!?」 チラッ
メガネ「あっ」 チラッ
友「おー! メガネちゃんじゃねーか!」
メガネ「おはよー、友君!」
友「メガネちゃんも朝飯買いに来たの!?」
メガネ「うん! ちょっとお腹が空いちゃって」 ニコニコ
男(友のクラスメイトかな? 相変わらず友達を作るのが早いなぁ) クスッ
男「ん?」
DQN「……」 テクテク
男(あれ?……あいつは……確か……)
メガネ「昨日はチョコパン食べたから今日はミルクパンにしよっかなぁ♪」 ガサガサ
DQN「……邪魔」 ドンッ
メガネ「きゃっ!?」 ドサッ
男「!」
友「メガネちゃんっ!?」
DQN「……」 テクテク
友「大丈夫か!?」
メガネ「う、うん平気だよ……アハハ、ちょっとビックリしちゃった……」 ウルッ
友「……あの野郎ォ……っ!」 ダッ
男「ま、待て! 友っ!」 ダッ
ガーッ
DQN「……」 テクテク
友「おいっ! テメェ!」 タッタッタッ
DQN「……んだよ」
友「女の子に対して今のはねーだろ!?」
DQN「……」
友「メガネちゃんに謝れ!」
男「友っ!」 タッタッタッ
メガネ「友君っ! 私は大丈夫だから! もうやめてっ!」 タッタッタッ
友「うるせぇ! いち男子として黙ってられるかっての!」
DQN「……」 テクテク
友「ハッ、逃げんのかよ! 腰抜けが!」 ダッ
メガネ「友君ってば! 落ち着いてっ!」 ガシッ
友「……はぁ……はぁ……くそっ、何だよアイツ……」 ググッ
男「……ヤク中バスケ部のエース、DQN……○×高校に来てたのか……」
友「なっ!? あのクソ野郎の事知ってんのか!?」
男「あぁ。 中学時代に練習試合でよく顔を合わせていたからね」
男「でも、当時はあんな感じじゃなかったよ……もっと爽やかでスポーツマンらしい身なりだったのに……なんで……」
友「ケッ、高校デビューってやつかよ! 同じ一年なら話は早ぇ、後でクラスを特定してとっ捕まえてやる!」
メガネ「もうっ! 暴力だけは絶っ対にダメだよっ!?」
男「……」
・放課後
男「ふむ……ふむ……」 ハムハムハムハム
部長「むっ!? 今日の男くんの相手は茶のフェイスタオル『かな子』か! なかなかエモーショナルなチョイスだね!」 ハムハムハムハム
男「あれ? これも『かな子』なんですか?」 ハムハムハムハム
部長「おっと間違えた! そいつは『しょう子』だな!」 ハムハムハムハム
男「……先輩、もしかして即興で名前付けてます?」 ハムハムハムハム
部長「馬鹿野郎ォオオオ! そんなわけないだろう!?」 ハムハムハムハムハムハムハムハム
男「ははは」 ハムハムハムハム
ハムハムしてぇ…
部長「さて……」 ハム……
男「あれ? どうしたんですか先輩」 ハムハム
部長「今日は備品の買い出しに行かなくてはならないんだ。 お先に失礼するよ」
男「へ? 俺も手伝いましょうか?」 ハムハム
部長「はっはっはっ、お心遣い感謝する! だが、君はここで心ゆくまでタオルとの愛の営みを堪能していたまえ!」
男「は……はぁ……」 ハムハムハムハム
部長「帰宅時は部室の戸締まりを頼むぞ! では、また明日会おう! ノータオル、ノーライフッ!」 ガラガラ……
男「お疲れ様です、先輩」 ハムハム
男「……」 ハムハム
男「さすがに一人だと暇だなぁ……」 ハムハム
男「よし、タオルを愛でつつ散歩でもするか」 ハムハムハムハムハムハム
ガラガラ……
男「まずはグラウンドに行って運動部を眺めてみよう……ん?」 テクテク ハムハム
????「……あら?」 テクテク
男「こ、こんにちは(なんだか凄いオーラの漂う女子だな……)」 ゴクリ
????「こんにちは。 貴方……新入生ですわよね? こんな所で一体何を?」
男「え? あ、いや自分はタオル部の部員でして……」
????「っ!? んな……なんですって!? 」 ギリッ
男「……あの……あなたは一体……」
生徒会長「おっと失礼、申し遅れました。私、この○×高校の生徒会長を務めております三年五組の"生徒会長"ですわ。 以後、お見知りおきを」 ペコリ
男「は、はぁ。 俺は一年二組、男で──」
男「って、生徒会長ぉおおおおおおっ!?」 ドキッ
男(この人がタオル部を目の敵にしているという生徒会のトップか……!) ドキドキ
生徒会長「……タオル部……」 ギリッ
生徒会長「男さん……悪いことは言いません。 今すぐにでも他の部活動へ転部する事を強くお勧めしますわ」
男「……なぜ?」 ドキドキ
生徒会長「こんな下らない部活……何一つ我が校の為になりませんもの。 勿論、貴方自身にとっても。 将来性の欠片も無いゴミクズ部ですわ!」
男「ご、ゴミクズって……! もう少し言い方ってモノがあるでしょう……」 ギリッ
生徒会長「いえいえ、至極妥当な言葉選びかと」 クスクス
生徒会長「 ……これから先、貴方は大学試験や就職活動といった人生を大きく左右する場面を迎えます。 そこで『タオル部』などというステータスが役に立つと思いますか?」
男「……」
生徒会長「黒歴史を量産する前に考えを改め直しなさい。 このままタオル部に在籍していても後悔しか残りませんわよ?」 チラッ
生徒会長「……あら、いけませんわ。 もうこんな時間……私は忙しいのでこれで失礼します。 ごきげんよう、男さん」 テクテク
男「……」 ググッ
男(生徒会……タオル部を嫌っているのは本当みたいだな……) ハムッ
・グラウンド
ワーッ! ワーッ! カキーンッ! パシッ!
男「お、やってるやってる。 さすがに野球部はたくさんの一年生が入ったみたいだな」 ハムハム
男「……」 ハムハム
ワーッ! ワーッ! カキーンッ! ワーッ! ワーッ!
男「……『しょう子』……俺は誇りに思っているよ……」 ハムハム
ワーッ! ストラッ! アゥッ! ワーッ! ワーッ!
男「……タオル部に入った事……」 ハムハムハムハム
男「さ、そろそろ部室に戻るか」 テクテク ハムハム
男「──あっ!」 チラッ
DQN「……」 テクテク
男(DQN……何してるんだ? あんなところうろついて)
男「色々話したい事もあるし……ついて行ってみよう」 テクテク ハムハム
・体育館裏
DQN「……」 カチッ カチッ ──シュボッ
DQN「ふぅ……」 スパー
DQN「……」
ダムッ ダムッ キュッキュッ ダムッ ダムッ
DQN「!」
ダムッ ダムッ ……スパッ ナイッシュー! ダムッ ダムッ
DQN「……チッ」
DQN(休憩する場所間違えたぜ……) スタッ
DQN「……」 テクテク
男「──よっ!」 ヒョコッ
DQN「うぉっ!?」 ビクッ
男「あ、ごめんな! 驚かせてしまったか?」
DQN「……急に出てくんなよ……クソが……」 テクテク
男「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
DQN「あぁ"?」
男「俺の事……覚えてるか? DQN!」 ニコッ
DQN「……なんでオレの名前を……って、オメー……まさか……」
男「ははっ、やっぱりわかったか? 久し振りだな!」
DQN「……」 テクテク
男「お、おい!? 待てって!」
DQN「うるせぇ構うな」 テクテク
男「どこに行くんだよ!? バスケ部の練習始まってるぞ!?」
DQN「……」 ピクッ
DQN「……バスケなんてやってねーよ」
男「え……?」
男「嘘だろ……ヤク中のエースだったお前が……」
男「あんなに楽しそうにプレーしていたお前が……なんでだよ……」
DQN「!」 ギリッ
ガシッ
男「うっ!?」
DQN「……オメー、マジで殺すぞ……!?」 グググッ
男「!?」
DQN「……二度とあの頃の話をするなっ……ウゼェんだよ!」 バッ
男「いてっ!」 ドサッ
DQN 「……クソが……」 テクテク
男「DQN……」 ケホッ
ハムハムしながらうろついてんのかよwww
支援
・自宅
男「……」 ペラ……ペラ…… ハムハム
コンコンッ ──ガチャッ
妹「お兄ちゃん、晩ご飯できたよー」
男「……」 ペラ…… ペラ…… ハムハム
妹「お兄ちゃんってば! ……あれ? 何してるの?」 テクテク
男「ん? あぁ、中学時代に撮ってもらってた写真を見てるんだ」 ハムハム
妹「へぇ……あっ、懐かしいーっ! バスケ部時代のお兄ちゃんだ!」 クスクス
男「あはは。 そうは言っても、まだこの時から一年くらいしか経ってないぞ?」 クスクス
妹「この隣に写ってる人って確かヤク中の人だよね」
男「うん……。 ヤク中のエースDQN 」 ハムハム
妹「めちゃくちゃ上手かったよねこの人! お兄ちゃん手も足も出なかったもんねっ」 クスッ
男「あぁ、とても中学レベルとは思えない天才プレイヤーだったな。 心の底からバスケを楽しんで、いつもニコニコしてて……」 ハムハム
妹「高校はどこに行ったのかなー? きっと、一年生ながらも既にスタメン入りして活躍してるんだろうね!」
男「……」 ハムハム
──ビィイイイッ!
ハイ中 4 ─ヤク中 122
男『……ちくしょう……』 ハァハァ
DQN『ハッハァ! まだまだ甘ぇな、男!』 ニコニコ
男『……結局、引退まで一回もヤク中には勝てなかたったか……やっぱりすごいよ、DQNは……』 クスッ
DQN 『だろだろ!? なんたって将来、世界一のプレイヤーになる男だかんなッ!』 ハッハッハッ
男『あぁ、お前なら間違いなくなれるさ。 最後の大会、頑張れよ!』 クスクス
DQN『おうっ! ちゃちゃっと全国制覇して帰ってくるからよォ!』 ニコニコ
男「……」 ハム……
妹「お兄ちゃん? どうしたの、急に黙って……」
男「あ、いや、何でも無いよ。 えーと、飯が出来たんだっけ?」
妹「うん! 今日はお兄ちゃんの大好きなヌポポモッチだよっ! 冷めないうちに食べて食べて♪」
男「マジか!? 久しぶりだなぁヌポポモッチ! まだポン酢はあったっけ!?」 ドタバタ
妹「あるよー! お兄ちゃんヌポポモッチにはポン酢派だもんね!」 ニコニコ
男「ヒーヤッフゥ!」 ドタバタ
・次の日
男「いってきまーす」 ガチャ
妹「行ってらっしゃーい! 気をつけてねっ!」
テクテク テクテク
男「うーん」 テクテク
男「DQNの事が気になってあまり眠れなかったな……」 フワァ……
男「もう一度会いに行ってみるか。 このままだと心のモヤモヤがとれないし……ん?」 テクテク
女「……」 テクテク
男(あれは……同じ一年二組の女さん……)
男「おはよう女さん!」
女「!」 ビクッ
女「……お……おはよ……」 テクテク
男「登校中に会うのは初めてだね。 この辺に住んでるのか? 」
女「ま、まぁね……」 テクテク
男「俺も近くに住んでるんだ。 もしかしたら小さい頃に面識があったかもしれないな」 クスッ
女「いや、私は高校入学と同時に引っ越して来たばかりだから……」
男「あっ、そうなのか! じゃあこれからは近所同士としてもよろしくな、女さん!」 ニコッ
女「……! よ……よろしゅ……よろしきゅ……」///
男「あっはっはっ! 女さん、噛みまくりっ!」 ゲラゲラ
女「!」 ビクッ
あははははは…… あははははは……
きゃはははっ…… キャハハハハハッ……
女「……っ……!!」 ブルブル
ギャハハハッ!!! ギャハハハハハハッ!
女「……ハッ……ハッ……ハッ……」 ガクガク ブルブル
男「……女さん?」
女「……笑わないで……私を笑わないでっ……!」 ガクガク ブルブル
男「ご、ごめん! 面白かったから、つい…… 」
女「……っ……!」 ダッ
タッタッタッ……
男「しまった……怒らせてしまったみたいだ……」 ガクッ
ヌポポモッチの解説はよ
男「はぁ……後できちんと謝らないと……」 テクテク
男「……」 ムズムズ
男「……それにしても口が寂しいな」 ムズムズ
男「一限目が始まる前に部室でひとハムしていくか」 テクテク
・部室
ガラガラ……
部長「おや?」 ハムハム
男「あ、おはようございます。 先輩も来てたんですね」
部長「おはよう! 僕の一日はこの朝ハッムから始まるからな!」 ハムハム
男「朝マックみたいに言わないでくださいよ……」 クスッ
男「……はぁ」 ハムッ
部長「どうしたんだい? 溜め息なんかついて」 ハムハム
男「いや、ちょっと色々ありましてね」 ハムハム
部長「悩みがあるのなら話したまえ。 男くんの為ならばいくらでも力を貸すぞ?」 ハムハム
男「いえいえ、大丈夫です。 お気持ちだけ有り難く受け取っておきますよ」 ハムハム
部長「そうか……」 ハムハム
男「それに、タオルを愛でていたら元気が沸いてきましたし」 ハムハムハムハム
部長「ふふ、愛は人を強くさせるからな。 だが、無理だけはするんじゃないぞ?」 ハムハム
男「はい!」 ハムハムハムハム
部長「ところで、その白いタオルは持参してきたのかい?」
男「えぇ、毎回部室のタオルを借りるのも申し訳ない気がしたんで」 ハムハム
部長「はっはっはっ! 遠慮なんてしなくて良いんだぞ男くん! むしろ、部室のタオルも使ってほしいぐらいだ!」 ハムハム
男「あ、じゃあ放課後はここのタオルを借りますね」 ハムハム
部長「うむ。 タオルに関しては一夫多妻制だ。 様々なタオルと愛を深めてこそ真のタオリストというものだからな!」 ハムハム
支援
一つだけ気になるんだが…
こ れ 部 長 と 間 接 キ ス し て ね ?
保守
保守
部長がボクっ娘なのかただの男なのか男の娘なのか
話はそれからだ
保守
保守
俺「続きはよ」ハムハム
続きはよ
保守
はよ
保守
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