妹 「お兄ちゃん……」 兄 「」(25)
-病院-
ガラガラ
妹 「……お兄ちゃん?」
兄 「」
妹 「……起きてよ、お兄ちゃん」 ユサユサ
兄 「」
妹 「……」
妹 「バカ過ぎだよ、お兄ちゃん……」
ガラガラ
幼馴染 「兄……!」
兄 「」
幼馴染 「……妹ちゃん、兄は」
妹 「……見ての通りですよ」
妹 「まだ息はあります、でも……」
兄 「」
妹 「……すべては兄次第、です」
幼馴染 「……そんな」
妹 「……」
幼馴染 「……わ、わたしとの約束は、どうなるの?」
幼馴染 「兄は、わたしに言ってくれたよね……」
幼馴染 「わたしを、お嫁さんにしてくれるって……」
妹 「……えっ?」
ガラガラ
生徒会長 「兄君!」
妹 「……えっと、あの、どなたですか……?」
幼馴染 「あ、あんたは……!」
生徒会長 「……あ、あら、奇遇ですわね、幼馴染」
幼馴染 「なんで、あんたが兄のところに来るのよ」
幼馴染 「あんたはいっつも、兄を邪険に扱ってるくせに」
生徒会長 「あ、あれは、その……」
生徒会長 「……しいじゃ、ありませんか」
幼馴染 「……は?」
生徒会長 「恥ずかしいじゃありませんか!」
幼馴染 「……恥ずかしい?」
生徒会長 「恋人みたい、なんて人に言われるのは!!」
幼馴染 「……なに言ってるのよ」
生徒会長 「……どうして、兄君」
生徒会長 「……そういえば、兄君はいつも私の雑務を手伝ってくれましたわね」
生徒会長 「……約束しましたよね、生涯にわたって私を支えてくれると」
幼馴染 「おいちょっとまて生徒会長」
妹 「……」 ジィー
兄 「」
ガラガラ
病弱娘 「ゲホッ、ゲホッ……」
幼馴染 「……あんた誰」
生徒会長 「……貴女は」
病弱娘 「……どうして、兄さんがこんな……ゲホッ!」
妹 「……顔色が悪いみたいですけど、座ります?」 っ椅子
病弱娘 「あ、ありがとう……ゲホゲホゲホッ!」
生徒会長 「……病弱娘さん、じゃありませんこと?」
病弱娘 「……生徒会長ゲホッ、さん……ゲホゲホッ」
生徒会長 「体の調子は……よくなさそうですわね」
病弱娘 「……迷惑ばかりかけてゲホッ、ごめゲホゲホゲホォッ!」
生徒会長 「無理して喋らなくて構いませんわ……」
病弱娘 「ごめんなさゲホッ、私の体が弱いばっかりに…ゲホッゲホッ」
妹 「……病弱娘さんも、あたしの兄がなにかご迷惑を?」
病弱娘 「め、迷惑だなんてそんな……ゲホッ」
病弱娘 「兄さんは、体の弱い私をいつも気遣ってくれます……ゲホッ」
病弱娘 「……兄さんは優しいから、口癖のように私に言ってゲホッゲホッくれました」
病弱娘 「いつか必ず病気を治してみせる、ゲホッ、それまで待っていてくれ、と……」
幼馴染 「……兄」
病弱娘 「そして、治すことができたなら共に添い遂げようと……」
幼馴染 「……」 ギロッ
病弱娘 「ゲホゲホゲホッ!」 ブルブル
妹 (……節度を持とうよ、お兄ちゃん)
ガラガラ
姫 「あ、兄様!!」
病弱娘 「……綺麗なゲホゲホッ!」
幼馴染 (……ゲームに出てきそうな、綺麗な人)
幼馴染 「あんた、ドレスなんて着てふざけてんの?」
生徒会長 「……あのようなドレス、死ぬまでに一度は着てみたいものですわ」
姫 「……はっ!?」
姫 「申しおくれましたわ、わたくしは姫」 ゴホン
姫 「剣と魔法の世界にある、一国の王の娘です」
幼馴染 「……やっぱふざけてるね、あんた」
姫 「信じられないのも無理はありません、なにせわたくしは異世界の人間なのですから」
生徒会長 「……異世界の人間が、どうやってこの世界へ?」
姫 「魔法の力を使えば、造作もないことですわ」
妹 「……ん? あ、姫様!」
姫 「あら、貴方は兄様の……」
妹 「はい、あの時は兄の付き添いでしたけどね」
姫 「……わたくしが王の娘だからと、気を遣わなくとも構わないのですよ?」
妹 「あはは……」
幼馴染 「……えっ?」
姫 「兄様には、わたくしの世界を救ってくださった恩があります」
幼馴染 「そ、そうなんだ……」
姫 「……兄様、魔王を倒すための英気を養うという理由で、わたくしにあんなことまでして……」
幼馴染 「それちょっと詳しく聞かせてよ、ね?」 ニッコリ
妹 (……そういえば、あたしがお兄ちゃんと別れた時があったっけ)
妹 (……なるほど、お楽しみなんだ)
お兄ちゃん…
ガラガラ
幼女 「ふぇぇぇん、お兄ちゃん……」
病弱娘 「小さな女の子……? ゲホゲホッ」
姫 「あら、可愛らしい女の子ですわね」
生徒会長 (……ぬいぐるみをぎゅっと握りしめる姿、くるものがありますわ)
幼馴染 「……ねえ、この子ももしかして」
幼女 「ふえぇぇん、この子を助けてくれたお兄ちゃんは格好良かったのに」
幼女 「今のお兄ちゃんは情けないんだよぉ……」
幼馴染 「……兄……根は良い奴、なんだよね?」
幼女 「ふえぇぇん、ぬいぐるみのお礼に……」
幼女 「今日もお兄ちゃんを踏んであげようと思ったのに……」
妹 「それっておかしくないかな、ねえお兄ちゃん!」
兄 「」
ガラガラ
犬 「わん、わんわんわん!」
病弱娘 「い、犬は嫌い……! ゲホゲホッ!!」
幼馴染 「ってどうやって入ってきたのよコイツ」
幼女 「ふえぇぇぇ、お手をするんだよ……」 バチン
犬 「わん!」 ビクッ
姫 「……鞭だなんて」
姫 「魔王の資質がありますわね、あの娘」
生徒会長 「上に立つものとしての資格がありそうですわ」
姫 「……意外とわたくしたち、気が合うんじゃありません?」
生徒会長 「……ええ、ある意味では」
犬 「わん! ブルブル
幼女 「ふえぇぇん、お兄ちゃんのところにはいっちゃダメなんだよぉ……」 ナデナデ
妹 (……え、お兄ちゃんってもしかして犬にも)
ガラガラ
緑色のなにか 「ピロピロ」
姫 「何故この世界に魔物が!?」
幼女 「ふえぇぇぇ、怪しいんだよぉ……」
病弱娘 「こ、こっち来ないで……ゲホゲホッ」
幼馴染 「……こいつ、兄のところへ行こうとしてる?」
生徒会長 「……な、何故このようなものが」
犬 「わんわんわん!」
妹 「ピロピロ」
緑色のなにか 「ピロピロピロ」
妹 「ピロprprpr」
緑色のなにか 「prprpr」
幼馴染 「……なに語を話してるの? 妹ちゃん」
妹 「あ、はい、これはスライム星に伝わる言語です」
妹 「なんでも、彼女はうちの兄に星を救われたようで」
幼馴染 (……ひょっとしてこの子も兄も、宇宙人だったの?)
病弱娘 (彼女……?)
ガラガラ
兄友 「男ォォォッ!」
幼馴染 「……あ、あんたは」
病弱娘 「」ビクッ
幼女 「ふえぇぇぇ、騒がしいんだよ……」
姫 「あら、逞しい方なこと」
生徒会長 「……何か用でして? 兄友」
兄友 「大ありだよッ!」
兄友 「もし、あいつになにかあったら……」
妹 「あ、いつも兄がお世話に……」
兄友 「俺はッ!誰に尻を貸してもらえばいいんだよォ!!」
一同 「」ポカーン
幼女 「ふえぇぇん……」
妹 「……」
―――――
兄 「……ふあぁぁ」ムク
幼馴染 「あ、兄!」 バシッ
生徒会長 「……兄君!」
姫 「兄様!」
兄友 「兄ィ!」
病弱娘 「あ、兄……うえぇぇぇん!」
幼女 「よわっちいお兄ちゃんなんてこうしてやる!」 グチッ
犬 「わんわん!」
緑色のなにか 「prprpr」
兄 「痛ぇよおい!」
妹 「……意識、戻ったんだね」
兄 「いやー、悪の超ロボット生命体は強敵でしたねぇ……」
病弱娘 (……悪の超ロボット生命体?)
妹 「……悪の超ロボット生命体如き片手で捻れるわ! ハッハッハッ!」
妹 「そう言って自信満々に出かけていったよね? お兄ちゃんは」
兄 「……そりゃ、兄が妹に負けてちゃ恰好がつかないからさぁ」
妹 「……素直にお兄ちゃんよりも強いあたしを連れて行ったらよかったのに」
も、もしかして(汗)
妹 「……ていうか節度なさすぎるよね、お兄ちゃん」
兄 「……ギクッ」
妹 「その節度のなさ、閻魔さんにでも直してもらいなよ」
兄 「な、何言って……」
妹 「問答無用だよ、お兄ちゃん」 ニッコリ
アアーッ!
妹 「……はぁ」
兄 「」
妹 「強敵だから返り討ちにされたくせに、お兄ちゃん」
兄 「」
妹 「調子に乗ってるから、こうなるんだよ」
兄 「」
妹 「諸々の知り拭いをしなきゃならない、あたしの身にもなってよね」
兄 「」
妹 「お兄ちゃん……」
おしまい
……あれ、これスレタイ詐欺じゃなくね?
ともあれこれにて終わり
ハーレムルート? 個別ルート? そんなものは用意していません
個人的には緑色の何かルートが一番気になる
おう
乙
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