某掲示板に勢いで貼ったのを整理して貼りなおそうと思います。
ネタバレ注意。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1388329562
対人格闘訓練
ミカサ「私が勝ったらエレンに近づかないで。二度と」
アニ「いいよ。相手になってやろうじゃない」
アルミン「うわわわ…どうしてこうなった…」キリキリキリ
エレン「おぉー!これってすげーカードだなぁ!」
ライナー「アニもそうとうだが、ここはミカサだろう」
サシャ「そうでしょうか?じゃぁ、私はアニに一票ですね!パァンを賭けますよ!」
コニー「(サシャがパンを賭けた?!アニ予想が堅いのか?!)」
クリスタ「わぁ!なんかドキドキする!二人とも頑張って!」
ユミル「クリスタ、あれってたぶん、そう言う和やかな雰囲気じゃないと思う」
ジャン「ミカサが勝つに決まってんだろうが…ってか、これって教官黙って見てないだろ」チラッ
ベルト「ふたr「貴様らァァ!」
総員(ビクッ!!!)
キース「賭け金は一人銀貨10枚までだ!」
キース「早急に名前と金額を書いた紙に貨幣を包んでこの木箱のいずれかに投げ入れよ!」
アルミン「教官がノリノリだっ!?」
ミカアニ「(バチバチバチバチ…!)」
エレン「迷うなぁ…でも、訓練一緒にやってもらってるから、アニに入れといてやろうかな?」
アニ「エ、エレンが私の応援を…?///」
ミカサ「(ゴゴゴゴゴ…)」
エレン「でも、やっぱ家族のよしみでミカサ応援しておいた方が良いかな?」
ミカサ「…エレン、素直にそうするべき///」
アニ「(イライライラ…)」
アルミン「エ、エレン、君は何もしない方が良いと思うな、この場合」
エレン「なんでだよ?俺だけ仲間外れはつまんないだろ?」
マルコ「さぁ、やってまいりました、世紀の大決戦!」
マルコ「ミカサ・アッカーマン対アニ・レオンハートです!実況はワタクシ、マルコ・ボットと」
クリスタ「クリスタ・レンズでお送りいたします!」
マルコ「なお、解説には陰惨の残虐非道ファイトでおなじみのユミル選手にお越しいただいております」
ユミル「あたしってそんなキャラだっけ?」
アルミン「クリスタなにやってんの?!」
カーン!
マルコ「おぉっと!さっそくレフェリーのキース教官によってゴングが鳴らされました!」
マルコ「この試合は3分間2ラウンドの短期決戦!」
マルコ「2ラウンドで決着がつかない場合には、第3ラウンドまでの延長後、判定となります!」
クリスタ「すごい歓声ですね!」
ユミル「まぁ、ちょうど明後日は休日だしな。ここで小遣い稼いどきたいやつは多いだろう」
需要あれば。
どんどんやって
ミカサに500円
ミカサが負けたときは特に何も無しか
マルコ「さぁ、両者、まずは慎重に相手の出方を伺っております…が、」
マルコ「おっと、ここでキース教官からオ集金を任されたフランツ夫妻より、この試合のオッズの情報が入ってまいりました」
マルコ「これによりますと、ミカサ1.9倍、アニは2.2倍と、わずかにミカサ・アッカーマン有利かと、言う予想になっている模様ですが」
マルコ「いかがでしょうか、解説のユミルさん?」
ユミル「まぁ、順当だろうな。ミカサは実力もさることながら、狂気じみた殺気がある。接戦になった場合には、あの気迫は脅威になるだろう」
マルコ「なるほど~これは鋭い分析をいただきましたが…っと!ここでアニ・レオンハートが仕掛けた!」
アニ「」シュバッ!
ミカサ「」ガスッ!
マルコ「これは!アニ選手の伝家の宝刀!高速ローキックだ!しかし!ミカサ選手はこれをものともしない!」
ユミル「ミカサは自分の肉体に自信があるのだろう。あれほどの蹴り、痛くもかゆくもないというところだな」
ユミル「しかし、ローキックの恐ろしさは単発ではわからない。10発、20発ともらい続ければ、必ず脚を止められてしまう」
マルコ「ミカサ選手も反撃!目にも留まらぬ連携攻撃だ!」
ミカサ「…!」ヒュババババッ!
アニ「…くっ!」ガガガッ!
ユミル「アニも、良く受け流してはいるが、これは相当スタミナを削られるな」
マルコ「アニ選手!ミカサ選手の猛ラッシュにピンチかぁぁ?!」
アニ「フッ…!」シュッ!
ミカサ「…っ!」バシィッ!
マルコ「しかし、アニ選手、冷静にローを放っていきますねぇ」
ユミル「連打とパワーでアニの体力が削られるのが先か、ローキックでミカサの脚が破壊されるのが先か、これはおもしろくなってきたな」
アニ「まだだよ!」シュシュッ!!
ミカサ「くっ…」バシバシィ!
マルコ「ここでアニ選手!続けざまに二発のローキックを放った!」
クリスタ「ミカサ、嫌がってますねぇ」
アニ「もう一発!」シュッ!
ミカサ「!」スカッ!
ミカサ「!!」グワッ!
アニ「ちぃ!」
マルコ「ミカサ選手のタックルだ!アニ選手、これはこらえきれずに地面に引き倒される!」
ユミル「グラウンドでは体格の大きいミカサが有利だからな。アニとしては避けたいところだろう」
ミカサ「!?」
アニ「ふふっ」ガシッ!
マルコ「しかし!アニ選手!グラウンドでも得意の足技か!?ミカサ選手の上半身を両脚で抑え込んだ!」
クリスタ「これは?!」
ユミル「三角締めだね。アニ、良くあのタックルの瞬間に体勢をとれたもんだ」
ミカサ「ぐぎぎっ…」
アニ「降参したら?落ちちゃうわよ?」
ミカサ「…負けない!」グググッ!
マルコ「ミ、ミカサ選手が!アニ選手に絞め技をかけられたまま立ち上がった!」
ユミル「さすが、パワーだけは段違いだね」
ミカサ「…(ニタッ)」
アニ「!?」
ミカサ「フン!」ブン!
アニ「がっ!」ゴガっ!
マルコ「なんというパワーだぁ!ミカサ選手!そのままアニ選手を地面にたたきつけた!これはアニ選手、たまらずにその技を解きます!」
アニ「くぅっ!」シュン!
ミカサ「あっ!」バキッ!ドサッ!
マルコ「だがしかぁし!アニ選手!それでもひるまずに猪木も真っ青のアリキックでミカサ選手の足元をしつこく強襲!ミカサ選手も足元をすくわれ地面に崩れたぁぁ!」
クリスタ「マルコ、ノリノリだね…」
ミカサ「女狐っ…!」ガバッ!
アニ「筋肉女っ…!」スタン!
ミカサ「削ぐ!」ブン!
アニ「一生寝てな!」ビュン!
ミカアニ「「(ドゴッ!)」」
マルコ「これはぁぁ!アニ選手のハイキックにミカサ選手の強烈な右ストレートでのクロスカウンター!」
アニ「くぅっ」ドサッ
ミカサ「うくっ」ドサッ
マルコ「両者、地面に倒れた!」
キース「1、2、3…」
マルコ「ここでキース教官のカウントが入ります!」
サシャ「アニ!立って!」
ジャン「ミカサ!まだやれるはずだ!」
その他「わーわー!」
クリスタ、クリスタ ボソボソ
エ、エ、ユミル、ソレハマズイヨ
イイカライクゾ
ア、チョ、チョットマッテヨ…!
カンカンカーーーン!!!
マルコ「な、なんと!この究極の対決の結末は!唖然!騒然!ダブルKOによる引き分けだぁぁ!」
エレン「おい、ミカサ!大丈夫かよ!アニも!」
アルミン「ちょっと!担架持ってきて担架!」
ライベル「わっせ、わっせ、わっせ!」
マルコ「さて、大会実行委員より、本日の試合、引き分けのため、賭け金は払い戻しと言うことになりました」
マルコ「壮絶な試合でしたが、決着は持ち越しと言うことになりそうです!以上、放送席から、マルコ・ボットと…」
マルコ「あれ、クリスタ?ユミルもいない…あれ、そして、放送席においてあった賭け金の入った箱がない…」
マルコ「あれ?」
マルコ「あれれ?」
観客「わーわー!」
―――――――――
――――――
―――その夜、女子寮
アニ「痛たたた…(まったく、とんだめにあったよ…)」
アニ「(あの筋肉女、いったいどういう馬鹿力してんだ…ガードしてた腕がアザだらけじゃないか)」
アニ「(おまけに全身ガタガタだし…)」
アニ「(直すにしたって、綺麗になってたら怪しまれるね…医務室で湿布薬もらって貼っておこうか…)」
医務室―
アニ「」ドアギィッ
アニ「(誰もいない)」
アニ「(とりあえず、勝手にもらっておこう…)」
アニ「痛ッ…もう。肘にもらったのが利いてるな…ギシギシいって使い物にならないよ…」
棚ゴソゴソ…
アニ「(こんなものかな。あとは戻ってから…)」
アニ「…」パタン
アニ「」ドアギィパタン
女子寮―相部屋
アニ「あ…」バッタリ
ミカサ「う…」バッタリ
アニ「…」
ミカサ「…」
アニ「」ツンッ
ミカサ「」プイッ
アニ「」ベッドニスワリ
ミカサ「」ヒョコヒョコ、ベッドニスワリ
アニ「…」
ミカサ「…」
アニ「(あぁぁ、もう!」)」
アニ「」ヒョイッ
ミカサ「」ペシッ
アニ「…」
ミカサ「…」
ミカサ「なに?」
アニ「脚、そうとう入ったはずだ。使いなよ」
ミカサ「…お礼は言わない」
アニ「聞きたくもない」
ミカサ「…そっちこそ、腕がへし折れていない?」
アニ「あんたは折る気だったんだろうけどね。あいにく無事よ」
ミカサ「そう」
アニ「あぁ」
ミカサ「…」
アニ「…」
アニ「(寝よう…)」モゾモゾ
ミカサ「(疲れた…)」モゾモゾ
アニ「…スースー」
ミカサ「…スースー」
翌朝―食堂
ワイワイ、ガヤガヤ
エレン「うっす、クリスタ」
アルミン「おはよう」
クリスタ「おはよーエレン!アルミン!(ピョン)」
アルミン「(マジ天使)」
エレン「ミカサのやつ見かけないんだけど、大丈夫かな?」
クリスタ「うーん、脚がまだ痛いみたい。でも起きてはいたから、直ぐに来るんじゃないかな?」
ドヨヨッ
クリスタ「あ、ほら、来たみた…い…?」
アルミン「!?」
アニ「ったく!しっかり歩きなよ」
ミカサ「…屈辱…」
アニ「あんたが頼んできたんでしょうが!」
ミカサ「エレンに会うためなら、恥を忍んでいる場合ではない」
アルミン「ミカサがアニに肩を借りている…だと!?」
エレン「うわちゃー、ミカサそんなにひどいのかよ」トテトテ
エレン「ほら、ミカサ、俺につかまれ」
ミカサ「…いいの?////」
エレン「いいから、ほら」
アニ「くっ…」
ミカサ「ありがとう///」
エレン「アニもありがとうな!ってか、アニは大丈夫なのか?」
アニ「あ、えっと…(あたしの方は怪我なんてすぐになおっちゃうから、今はもう全然大丈夫なんだけど…)」
アニ「(でも…でも…)あ、あたしは、腕がまだ、その、う、動かなくてっ///」
ミカサ「嘘。さっきは動かしていた」
アニ「そ、それはあんたがどうしてもっていうから、む、無理して…!」
エレン「なんだよ、そんなことするなよなぁ!余計悪くしたら大変じゃないか!」ペシッ
アニ「ひゃっ///」
ミカサ「」ビキッ
エレン「アニも座ってろよ。俺が二人の朝飯取ってきてやるからよ」
アニ「わ、悪いね///」
ミカサ「ごめんなさい、エレン」
エレン「いいっていいって。待ってろな」トテトテ
アニ「…」
ミカサ「…エレンと朝食を一緒に食べるのは私。アニはライナーとベ…ベラト?ベトル…ライナー達のところへ行くべき」
アニ「べ、別に好きでここにいるわけじゃないけど!でも、せっかくああ言ってくれてるエレンに悪いでしょう?」
ミカアニ「」バチバチバチバチ…
アルミン「(エレン!君ってやつはどうしてそうなんだよ!どう考えたってこれは昨日の流れ引きずっているだろう!?
アルミン「(あ、胃がっ胃があぁぁ)」キリキリキリキリ…
エレン「待たせたー。よっし、食おうぜ!いただきまーすっ!」ガツガツガツガツ
アニ「う、うん…(ハッ!)」
エレン「ん?どうした、アニ?食欲ないのか?まさか、やっぱりまだかなり痛むのか?」
アニ「い、いや、そうじゃなくて…その。う、腕が痛いから…」
ミカサ「」ハッ!マサカコノオンナ…
アニ「スプーンがうまく持てない、っていうか…」ドキドキ
エレン「あーそっかぁ。それじゃぁ…」
アニ「(キタ!)」
ミカサ「」ワナワナワナワナ…
エレン「ミカサ、手伝ってやれよ。ここまで肩貸してもらったんだろ?」
アニ「」エ?
ミカサ「(ハッ、ニヤッ)そうだった。お礼をしないといけない」
アニ「」ギリリリッ
ミカサ「ほら、アニあーん」
アニ「…く、屈辱っ!」ギリリリッ
ミカサ「肩を貸してくれたお返し」ニタニタ
クリスタ「見て、ユミル!ミカサとアニが仲良くなってるよ!きっとあれだね!『お前強いな』『お前もな』ってやつだね!」
ユミル「いや、クリスタ。あれはそうじゃないんなじゃいかな…あぁ、アルミンが苦しそうだ…」
立体機動訓練中――兵舎、書庫
ミカサ「」ソワソワソワソワ…
アニ「…」
ミカサ「」ビクン!ハッ…ソワソワソワソワ…
アニ「あのさ」
ミカナ「!…なに?」
アニ「その、ソワソワやめてくれる?」
ミカサ「仕方ない。エレンのことを考えたら、心配になって当然」
アニ「ホントにあんたは過保護だね」
ミカサ「エレンは私がいないと、死んでしまうかもしれない」
アニ「まぁ、死に急ぎ野郎だからね」
ミカサ「アニもそう思うのね。でも、心配していいのは、私だけ。アニは、ダメ」
アニ「はぁ…あんた、その過保護っぷりが、あいつを死に急ぎにしてるかもしれないって、ちっとは考えたことある?」
ミカサ「…え?」
アニ「自分は必ず誰かに守ってもらっている、困ったときは、まぁ、悔しいけど、あんたがそばにいて、なんでもしてやってる」
アニ「そんなエレンが、本当に危機感を感じることって、いったいどれだけあると思う?」
ミカサ「…わからない」
アニ「だろうね。あんたが、いつもそばにいて、危なくなる前にあいつを助けてまわっていたらさ」
アニ「あいつはなにが本当に危ないのか、とか、自分の限界とか、状況の危険性とか」
アニ「そう言う物を判断する力がどんどん弱くなって行っちゃうんじゃないの?」
アニ「いや、死にたがり野郎だから、もう十分弱いともいえるよね」
アニ「だいたい、あいつは自分になにかあったときに周りがどう思うかっていう想像力が欠けているのも問題だよ」
ミカサ「…アニ、つまり、エレンになにかあったときには、私のせいだと言いたいの?」
アニ「そうじゃないけどさ…。親鳥が、危ないからって言って、ひな鳥をずっと背負って飛んでいたら」
アニ「そのひな鳥は一生、飛び方をおぼえないんじゃない?」
アニ「正しい飛び方を覚えるときは、たとえ危険がともなっても、ときにはそれを見ているだけってときも必要だと思うよ」
ミカサ「…アニ」
アニ「なによ」
ミカサ「アニは、思っていたほど、イヤな女ではないのね」
アニ「なんか、とげのある言い方ね…」
ミカサ「ごめんなさい。今のは、本意ではなかった」
アニ「まぁ、いいけどさ。あんたにどんな風に思われていようが」
ミカサ「でも、エレンは私の物」
アニ「それは、エレンが決めることでしょう?」
ミカアニ「…」
教導官「貴様らー!私語ばっかしとらんで、とっとと課題を進めんか!」
ミカアニ「」ビクッ
兵舎食堂――夕食
エレン「ふいー!腹減ったなぁ…」
アルミン「そうだね…」キリキリキリ…
ヒョコヒョコヒョコ
ミカサ「エレン。お帰りなさい」
エレン「おーミカサ!どうだよ、調子は?」
ミカサ「少し良くなった。明後日の訓練からは、軽いものから始められそう」
エレン「明日が休みで良かったよな!まぁ、座ってろよ!また飯取ってきてやるな!」
ミカサ「…エレン」
エレン「ん?なんだよ?」
ミカサ「アニのも、お願いしたい」
アルミン「(ファッ!?)」
エレン「お?おう、分かった」トコトコトコ
アルミン「ミ、ミカサ、珍しいね、アニのためにエレンにあんなこと頼むなんて…」
ミカサ「二人で座学の補講を受けているときに、大事なことを教えてもらった。借りを作ったままには、したくない」
アルミン「へ、へぇ…なんだか、ちょっとアニと仲良くなったの?」
ミカサ「…そんなに、悪い女ではないのかもしれない、と思った」
アルミン「そうなんだ!良かった!ミカサにもやっと、女の子の友達ができるかもね!」
ミカサ「しかし、エレンに近づいてくる以上は敵であることに変わりない」
アルミン「あ…そう…」
ミカサ「今日だけは、特別。今日だけ。本当に、今日だけ」
アルミン「あ、あはは…そ、そっか」
エレン「ほら、もってきたぞ。あ、おーい、アニちょうどいいところに!お前の分も用意したからさ、こっちで一緒に食べようぜ!」フリフリ
アニ「」チラッ
ミカサ「」ブスーッ
アルミン「」ビクビクッ
アニ「…クスッ」
ミカサ「…!」
アニ「それじゃぁ、お言葉に甘えさせてもらおうか」ストン
エレン「あ、そっか。アニは腕が使えないんだったな。仕方ない、夕飯は俺が手伝ってやるよ」
アニ「え!?いや…それは…えっと///」カァァァ///
ミカサ「」ガバッ
ミカサ「エレン、エレンは自分の食事をした方がいい。アニの食事は私が頼んだ。また私が手伝う」
アニ「なっ…」ピキキッ
エレン「そっかぁ?はは、お前ら、なんか仲良くなったな?いつもなんかケンカしてたからなぁ」
エレン「仲が良い方が俺も楽しいから良いことだよな!」
ミカサ「そう。私とアニは仲良し。エレンとではない」
アニ「(この女ぁ…)」ギリリ
ミカサ「ほら、アニ、あーん」プークスクス
アルミン「(ぐふっ…)」キリキリキリキリキリ…
クリスタ「あー!ほら、ユミル、見て!二人また仲良し!」
ユミル「いや、どう見たってアニの顔は仲良しって表情じゃないだろクリスタ」
アルミン「」キリキリキリキリキリキリ
ユミル「…」
ユミル「あー、クリスタ?」
クリスタ「ん、なに、ユミル?」
ユミル「明日の休暇、アルミン連れて街に買い物にでも行かないか?」
クリスタ「アルミンも?良いよ!行こう行こう!」
ユミル「あいつ、息抜きさせないと、死ぬな…」
ちょっと休憩。
こんばんは、こんな時間になってしまいましたが、続き再開します。
深夜―――女子寮 相部屋
クリスタ「スースー」
ユミル「スースー」
サシャ「グーグーグーグー」
アニ「…」
アニ「(まったく、エレンのあの鈍感さにもほとほとあきれるね…)」
アニ「(でも、それにしても、あいつのあの優しいところはさ…)」
アニ「(あたしの気持ちの固くした部分をどうしてイヤっていうほど溶かすのかね…)」
アニ「(作戦を忘れているわけじゃない…でも、せめて今だけは…エレン)」
アニ「(あんたのそばにいて、胸の痛みを誤魔化すくらい、許されるよね…)」
ミカサ「アニ」
アニ「!!!!」
アニ「…スー…スー…」
ミカサ「寝たふりをしても、だめ。気配でわかる」
アニ「…もう、なんなのよ。寝ようと思っていたのに」
ミカサ「…」
アニ「ちょっと?話かけてきて、だんまり?」
ミカサ「考えている」
アニ「なにを?」
ミカサ「この場で、失敗をする生き恥をとるか、あなたに屈辱を味あわされるほうをとるか」
アニ「なによ、それ。なんでそんな選択肢しかないのよ?」
ミカサ「あるいは、すべてを諦めて、ここで自害するか…」
アニ「ちょ、ちょっと?大丈夫?」
ミカサ「…眠る前に教官棟の方に行けなかったのが失敗だった」
アニ「???」
ミカサ「この訓練生棟は、設置の安価性と清掃および管理の簡易性の面から、屈伸型が設置されている」
ミカサ「教官棟には、通常の座椅子型の物が設置されていて、本来ならそちらを使わせてもらうべきだったのだが」
ミカサ「不覚なことに、行きそびれてしまった…」
ミカサ「…ので、つまり私は―――
アニ「あ、待って、ミカサ。わかったわよ…それ以上は言わなくていい…あぁ、もう、まったく…」ギシッ
ミカサ「屈辱…」
アニ「緊急事態だっていうのは、理解したわよ。同じ女として、こればっかりは、貸し借りとか立場とかそう言うのは忘れましょう」
ミカサ「…うん」
アニ「ほら、支えるから、立って」
ミカサ「ありがとう」
女子寮―――トイレ
アニ「待って。明かりをつける」
ミカサ「出来ればつけないでほしい…」
アニ「…そうね」
ミカサ「」シュン
アニ「ほら、行くよ」
ミカサ「」コクン ヒョコヒョコ
コシツノドア ギィッ
ミカサ「」ヌギヌギ
ミカサ「」ユックリシャガミ
アニ「」ササエ
ミカサ「」ショロロロロ・・・・
アニ「…」
ミカサ「…」ロロロロ…
アニ「…」
ミカサ「…」…
ミカサ「…終わった」
アニ「みたいね」
ミカサ「拭く」
アニ「うん」
ミカサ「…」ガサガサ フキフキ…ポイ
ジャジャジャー…ゴゴゴ…
アニ「引っ張るよ?」
ミカサ「うん」
アニ「」ヨッコイセ
ミカサ「」ヨンショ
ミカサ「手、洗う」
アニ「うん」
ミカサ「」ジャーゴシゴシ…キュッ…フキフキ…
アニ「終わった?」
ミカサ「うん。帰ろう」
アニ「うん」カツギ
ミカサ「」ヒョコヒョコ
女子寮 相部屋
ミカサ「」ヒョコヒョコ
アニ「」ササエ
ミカサ「」ベッドギシッ
アニ「ふぅ…」ベッドギシッ
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…(ぶわっ)」
アニ「?」
ミカサ「…クスン、クスン」
アニ「なに、あんた、泣いてんの?」
ミカサ「」クビヨコニブンブン
アニ「はぁ…」ミカサノベッドヘギシィ
ミカサ「…ヒック、ヒック」
アニ「しょうがないよ、こういう時は。助け合いで良いじゃない」アタマポンポン
アニ「そもそも、脚やったのはあたしだしね…助けるのは、当然と言えば、当然なのかもしれないし…」
ミカサ「…ヒック…グスン」
アニ「あたしはこれを、あんたを陥れる材料にしたりなんかしないよ。イヤだったんなら、忘れよう。あたしも忘れる」
ミカサ「」コクン
アニ「泣き止んだ?」アタマポンポン
ミカサ「」コクン
アニ「(なんか…しおらしいとちょっとかわいいね…///)」
アニ「じゃぁ、ほら、寝よう?」
ミカサ「うん」ヨコニナル
アニ「」ベッドニモドリ
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…おやすみ、アニ」
アニ「おやすみ」
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…アニ?」
アニ「…なによ?」
ミカサ「…ありがとう」
アニ「うん」
翌朝―――食堂
エレン「えー!?なんだよ、アルミン、今日出かけるのかよ」
アルミン「うん、クリスタが一緒に街へ出ようって言うから/////」
エレン「ちぇー。俺、何しようかなぁ…あ、なぁ、それ、俺も着いてっていいかな?」
アルミン「えぇ?(出来ればクリスタと二人きりが良いな…////)わ、わかんないな…ど、どうだろう?」
エレン「まぁ、そっか。じゃぁ、クリスタ来たら聞いてみようかな」
アルミン「(ここで変に邪魔するのもおかしいしな…なにか、良い案はないかな…)」
エレン「あ、ミカサとアニだ!おーい」フリフリ
ミカサ「おはよう、エレン」
アニ「おはよ」
アルミン「(あ、胃痛もう来た)」キリキリキリキリキリキリキリキリ
アニ「気を付けてね」ササエ
ミカサ「うん」ヒョコヒョコ
エレン「アニ、今日も一緒に食うか?」
アニ「いや、今日は遠慮しておくよ。毎度一緒じゃ、悪いだろう?」
アニ「(昨日のこともあるし…なんとなく、今日はあんまりミカサとやりあいたくはないからね…仕方ない…)」
ミカサ「!…」
ミカサ「…そんなこと、ない。食べよう、アニ」
アニ「え?」
アルミン「(え??)」
アニ「あ…うん、そ、それなら…//」
エレン「そっか!じゃぁ、また俺が持ってくるな!待ってろよ!」トテトテトテ
アニ「…あの」
ミカサ「…ん」
アニ「…ありがとう///」
ミカサ「…うん///」
アルミン「(こ、これは…いったい何が起きてるんだ!?)」
クリスタ「あー!アルミン!ミカサ!アニ!おはよう!」
アルミン「(マジ女神!)おはよう、クリスタ」
ミカアニ「おはよう」
クリスタ「アルミン、今日はご飯食べたら、厩舎のところに集合ね!」
アニ「なに、二人で約束でもあるの?」
アルミン「うん、クリスタに、街で買い物に付き合ってほしいって言われてて///」
ライナー「」(ガタッ)
ミカサ「私も、エレンと行くべきかもしれない」
アニ「あんた、脚」
ミカサ「ソウダッタ…」シュン…
クリスタ「そっかぁ、ミカサはまた今度一緒に行こうね!今日はユミルも一緒だし、何かお土産買ってきてあげるよ!」
アルミン「え?」
クリスタ「ほ?」
アルミン「ユミルも一緒?」
クリスタ「そうだよ。言ってなかったっけ?」
アルミン「あ、う、うん、でもみんなで行く方が楽しいよね(お目付け役も一緒だったのかぁ…ゲッソリ)」
ライナー「ふぅ…」チャクセキ
ユミル「おーなんだ、あたしが一緒じゃ不満って顔だな、アルミン?」
アルミン「あ、い、いや、そんなことないよ!」
ユミル「そうか?まぁ、あれだ。たまにはあたしらとパーッとやろうぜ!実は、臨時収入ががっぽり入ってさ」
アルミン「へ、へぇ、そうなんだ!いったいどこからそんなお金が?」
クリスタ「あのね、ミカサとアニが格闘訓練のときに集めたお金のモゴモゴモゴ…」
ユミル「拾った」
ユミル、クチヲ フザガナイデ
アルミン「え、今クリスタがなにか」
ユミル「拾った。アルミン、今日は羽を伸ばそうな。じゃぁまたあとでな。クリスタ行こう」スタコラ
クリスタ「あ、うん、あとでねアルミン!」パァッ
アルミン「え、あ、うん(まじ女神)」
オイクリスタ、ソレヲ イッタラダメダロ
エ、ア、ソッカ、テヘヘ
ア、ソノカ、オカワイイ、モウイッカイ
エ、ヤダヨウ イチャイチャ
エレン「待たせちゃったな、悪い悪い。あれ、今クリスタ達来てたか?」
アルミン「あぁ、うん」
エレン「そっかぁ。あ、もしかして俺が着いて行って大丈夫か聞いてくれたか?」
アルミン「あ、ごめん、聞きそびれちゃった」
エレン「なんだよ~アルミン、頼むぜ」
アルミン「ごめんごめん、でも、ユミルも一緒だっていうから、きっとエレンも着いてきて良いんじゃないかな?」
エレン「そうか?でも、あとで一応聞いた方が良いよな。飯食い終わったら聞きに行ってみよう」
エレン「あ、そうだ!ミカサとアニも一緒に行こうぜ!みんなで行った方が楽しいしよ!」
アルミン「ぶふぅっ!」
エレン「うわっ!なんだよ、アルミン!スープ吹くなよ、汚いな!」
アニ「エレン、ミカサは脚のケガをしているから、無理はさせない方がいいよ」
ミカサ「」フルフルフル…
エレン「あぁ、そうだったなぁ…じゃぁ、アニはどうだ?平気だろ?」
アニ「えっ…あたし?///そ、そりゃぁ、歩くのは平気だけど、でも…」チラッ
ミカサ「」ジトーッ
エレン「じゃあアニも決まりな!久しぶりの休みだもんなぁ!うん!楽しく行こうぜ!」
アニ「あ、えと…エレン…」アワワワワ
ミカサ「」ブルブルブルブル…
エレン「そうと決まれば、さっさと食べちゃおうぜ!いただきまーす!」
アルミン「」ゴファッ
エレン「ア、アルミンが血を吐いた!」
クリスタ「あれ、なんかエレンたちの方が騒がしいね。またケンカかな…?あれ、アルミンが倒れてるよ?」
ユミル「あー、あれは、胃壁逝ったかもな…アルミン、ご愁傷様」
―――女子寮 相部屋
ミカサ「寂しい」
ミカサ「みんな行ってしまった…」
ミカサ「エレンが、心配」
ミカサ「街で変な女に声とかかけられてだまされたりしてないかな…」
ミカサ「いや、大丈夫。アルミンとアニも一緒」ハッ
ミカサ「アニも?!ダメダメ…あの女と一緒なんて」ムギギギ…
ミカサ「…一緒なんて…」…シュン
ミカサ「アニは、悪い人じゃ、ない…」パッ
ミカサ「きっと平気…」…ソワソワ
ミカサ「でも、やっぱりちょっと心配…」クワッ
ミカサ「モヤモヤする…」ベッドニバタン
ミーナ「ね、ちょっと…」
ハンナ「なに、ミーナ?」
ミーナ「ミカサがさっきから部屋でずっと独り言喋ってるんだけど…」
ハンナ「あぁ、ね」
ミーナ「チラっと覗いたんだけど、怖い顔したり明るい顔になったり急に泣きそうになったり…」
ハンナ「そうなんだ…心配だけど、変に構ったら噛まれるかも知れないね」ゾッ
ミーナ「そうだね」ブルブル
ハンナ「怖いからそっとしておこうか」サァァ
ミーナ「…うん、そうだね…」ガタガタ
つづく。
下げてた。
おつ
面白い
乙
当然独り言のときは
マフラーを顔から巻いてるんですね
まだですか?
夕方―――兵舎、談話室
エレン「ふー楽しかったなぁ!」
アルミン「ホント。久しぶりにおいしい物も食べられたし(胃に効く薬も手に入ったし)」
エレン「でも、良かったのかよユミル?ほとんど奢ってもらっちゃったじゃないか?」
ユミル「良いんだよ。証拠隠め…あんた達には、世話になってるしね」
エレン「そうか?まぁ、いいか、楽しかったし!ありがとうな!」
ユミル「気にしないで」ニタニタ
クリスタ「ねぇ!買ってきたご飯食べようよ!ハンバーガー、だっけ?」
エレン「あ!そうだな!パンの間にチーハンを挟むなんて、すげーこと考えるヤツがいるもんだよな!」
ズドドドドドド ドアドガン!
サシャ「な、なんだかとてつもなく良いにおいがしますよ?!」
クリスタ「あ!サシャ!呼びに行こうと思ってたところだよ!お土産買ってきたから、みんなで食べよう!」ニコッ
サシャ「はいぃぃ!(まじ女神、食の女神)」
アニ「なに、もう騒いでんの?」
ミカサ「」グッタリ…
エレン「おーミカサ!ただいま!」
ミカサ「エレン、おかえり…」グッタリ
エレン「どうしたんだよ?元気ないな?」
アニ「あーあれだ。栄養不足みたいなものだよ」
エレン「ミカサが?そっかぁ、ほら、チーハンバーガー?食べろよ!うまそうだぞ!」
ミカサ「食べる」ヒョコヒョコ エレンノトナリニスワリ
エレン「そうそう!ミカサにお土産を買ってきたんだ!」
ミカサ「お土産?」ピク
エレン「ほら!これ、チョーカー!」ヒラリン
ミカサ「…(エレンが私のために…!)////」
エレン「俺はチーハンバーガー?買って行くからいらないだろって思ったんだけど、アニがミカサはきっと喜ぶっていうからさ」
ミカサ「アニが?」フリカエリ
アニ「」ソッポムキ
エレン「かっこいいの見つけたから、アルミンと俺と、アニもお揃いで買ったんだよ」
ミカサ「お揃い?エレンとお揃い…////」
エレン「ほら、つけてやるからこっち来い」グイ
ミカサ「う、うん///////」
エレン「」ツケツケ
ミカサ「」テレテレ////
エレン「よっし、できたぞ!お!似合うじゃんか!」
ミカサ「え、えへへ、そう…?////」
エレン「似合うぞ!ミカサはきれいだからな、こういうおしゃれもちゃんとしとけよ!」
ミカサ「(きれい!?エレンが私をきれいって言った?!これは、プロポーズ!?)/////」キュンキュン
エレン「あとほら、これがミカサの分な!いただきまーす!」
アニ「…(まったく、なにやってんだか、あたしは…)」タメイキ ニガワライ
女子寮―――共同浴室
カポーン
アニ「ふぅ…」ユブネ
クリスタ「アニー!先に上がるね!」
アニ「あぁ、うん」
クリスタァ、クリスタァ
キャァ!ヘンタイユミルガデタ!
ヨイデハナイカ ヨイデハナイカ
キャ、アン、ユミル//ソコハ アンッ、ラメェェ!
ミカサ「ん?」
アニ「どうしたの?」
ミカサ「クリスタの悲鳴が聞こえた」
アニ「あぁ、気にしないで良いと思うよ。またユミルとふざけてんのさ」
ミカサ「そう」ユブネニハイル…ザブン
ミカサ「ふぅ」
アニ「…」
ミカサ「…」
アニ「脚、どんな具合?」
ミカサ「…まだ、痛い」
アニ「そう…なんか、悪かったね」
ミカサ「アニは、腕は?」
アニ「私はもうだいぶ良いよ(ホントはとっくに何でもないんだけど…)」
ミカサ「そう、良かった」ニコッ
アニ「(良かった、か…あたしも大概、だけど、ミカサも変わったよね…)」
アニ「(以前だったら、だいぶ良い、なんて言ったら、悔しがったりしそうなものだったけど)」
アニ「(なんでよりにもよってミカサなのか、自分でも自分を疑っちゃうけどさ)」
アニ「(なんか、悪くない気でいるんだよね…)」
アニ「(ずっと、ひとりで良い、なんて強がってたあたしに…)」チラッ
ミカサ「チャプチャプ…アニノオッパイ ハ グーサイズ…ワタシオッパイ ハ パーサイズ…オオキサデハマケテルケド、ジャンケンナラカテル…」
アニ「(友達、か…これで、エレンのことがなければ、もうちょっとうまくいくんだろうけどね)」
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…アニ」
アニ「ん、なに?」
ミカサ「アニは、エレンが、好き?」
アニ「(な、急になんで…////)」
アニ「す…好きだよ…///」
ミカサ「エレンのどこが好き?」
アニ「え?え、えぇっと…や、優しいところ、とか…」
ミカサ「同意する」
アニ「あ、ありがと」
ミカサ「でも、エレンは、私のもの。アニには、上げない」
アニ「私の物、か…」
ミカサ「…?」
アニ「別に、あたしは、エレンを自分の物にしようだなんて、思ってない。ずっと一緒に居られるとも、思わない」
ミカサ「どうして?」
アニ「そりゃぁ、あたしにだって目標がある」
アニ「それはエレンとは違うことで、だから、訓練生を卒業したら、離ればなれになると思う」
ミカサ「エレンなら、きっと、アニの目標も手伝ってくれる」
アニ「いや、それはないよ。きっとエレンの気持ちとは、まるで反対のことをするだろうしね。きっと失望させる」
ミカサ「エレンに、話すべき」
アニ「なんでよ?」
ミカサ「エレンは、失望しない。優しいから、受け入れてくれるはず」
アニ「いや、良いよ。あたしは、今だけでもエレンと一緒の時間を過ごせれば、それでいいんだ」
ミカサ「それは…悲しい」
この話読んでる。どう変わるか楽しみ。乙。
アニ「どうして?あなたにとっては、良いことだと思うけど…?」
ミカサ「…」
アニ「…?」
ミカサ「…考えている」
アニ「なにを?」
ミカサ「…私は、アニも好き」
アニ「はぁ?!//////」
ミカサ「私も、友達がいなかった。エレンは家族。アルミンもそう。私が守らなきゃいけないと思っていた」
ミカサ「それしか見ていなかった」
ミカサ「でも、アニは、私のいけない所を教えてくれた。バカにしたりするんじゃなくて、直すべきだと言ってくれた」
ミカサ「アニも、エレンと同じで、本当は優しい」
アニ「あの…えっと…////」
ミカサ「ので、考えている。エレンは私の物」
ミカサ「でも、アニを悲しい気持ちにさせたくはない。エレンなら、きっとアニを助けてくれる」
ミカサ「エレンにアニを助けてほしいけど、アニにあんまりエレンの近くにいてほしくないとも思う」
ミカサ「かといって、アニも、一人ぼっちは、ダメだと思う」
アニ「…ミカサ…」
ミカサ「…」
アニ「…エレンのことは、私も、譲りたくはない」
ミカサ「」ムッ
アニ「だけど、そうだね…ミカサ?」
ミカサ「?」
アニ「訓練兵団にいるあいだは、その…あなたと、友達でいられたらなって、思う…」
ミカサ「…」ポカーン
アニ「…///(カァッ)」
ミカサ「…」
アニ「…ちょ、ちょっと!黙らないでよ!」
ミカサ「…考えている」
アニ「な、なにを?」
ミカサ「…ここを出たら、またアニが一人ぼっちになってしまう」
ミカサ「それは、ダメ」
アニ「それは…それはミカサには関係のないことよ!」
ミカサ「ダメ!」
アニ「あたしの事情も知らないで、勝手に押し付けないで!」
ミカサ「ダメなものは、ダメ!」
アニ「あんた…!」ガシッ
ミカサ「…アニが寂しいと、私もきっと寂しい…だから、ダメ」
アニ「なっ……」
ミカサ「…」
アニ「…」フルフル
ミカサ「…」
アニ「…」ウルウル…
ミカサ「…」アニノアタマポンポン
アニ「…うぅっ…」ポロポロ…
ミカサ「…ずっと友達いるのがダメなら、仕方ない…」
ミカサ「…それなら、家族でもいい」
アニ「!?」
ミカサ「私と、エレンと、アルミンと…家族でも、アニなら、それでもいい」
ミカサ「エレンは私のものだけど」
アニ「…ミカサ」
アニ「…私、それでも、あなたに事情は話せないよ?」
ミカサ「それでもいい」
アニ「…急に、あんた達の前からいなくなっちゃうかもしれないよ?」
ミカサ「そんなことは、私がさせない」
アニ「…あんたや、エレンを傷つけるかもしれないんだよ?」
ミカサ「エレンは私が守る。だから、アニ…」
ミカサ「あなたは、死なずにそばにいて、私を守って。そうすれば、一緒に、エレンのそばにもいられるはず」
アニ「…あんた、あんたバカよ…」ポロポロ
ミカサ「バカでいい」ナデナデ
アニ「…ずるいよ」ポロポロ
ミカサ「ずるくてもいい」ナデナデ
ミカサ「だから、悲しい顔しないで。私とアルミンと…エレンが、ずっと家族だから…」ナデナデ
アニ「(ブワッ)…ミカサッ」ダキッ
ミカサ「」ヨシヨシ
アニ「…ヒック…ヒック…」フルフル
ミカサ「」ヨシヨシ…
アニ「ヒック…ヒック…」ギュゥッ
クリスタ「ユ、ユミル…!?いったいなにがどうなったの!?」コソコソ
ユミル「わかんないけど、なんかキュンキュンするな…」コソコソ
クリスタ「仲良しだよね?あれは仲良しなんだよね??」
ユミル「仲良し、だな。あぁ、ダメだ、クリスタ。あたし、キュンキュンをこじらせてモンモンに変わってきた」
クリスタ「へ?ちょっとユミルさん?!」
ユミル「さあ急いで部屋に行こうクリスタ。あたしは今夜は覚悟を決めたぞ」
クリスタ「あ、その…えっと…////や、優しくしてください/////」
つづく。
乙
じれったさがたまらんな
二週間後―――2泊3日の山岳生存訓練
キース「良いか貴様ら!これより一週間前から、準備を進めてきた山岳生存訓練に入る!」
キース「これまで何度も説明したとおり、この訓練は、有事の際、いかにして命を繋ぎ、生存の道を探るかが目的である!」
キース「山頂にある祠で登頂証を回収したのち、己で精神を律し!自ら捕食し!営巣し!自身の生命の保全に努めよ!」
キース「もちろん、事前に通達してあるとおり、三人班を編成する!仲間の安全にも目を見張るよう!十分注意せよ!」
一同「はっ!」
キース「なお、緊急時には、この場所より赤い色の狼煙を上げる。赤い狼煙が上がった際には、速やかに下山し、教導官の指示に従え!」
キース「よぉし、それでは!30分後に訓練を開始する。班を編成し、事前準備を行え!以上、解散!」
ライナー「三人班か。それなら俺とベルトルトと…クリs
ユミル「クリスタはあたしが守るからな!」
クリスタ「ユ、ユミル~は、恥ずかしいよぅ…」
ライナー「…ベルトルト、すまない。俺はあの班に合流しようと思う」
ベルトルト「あぁ、まぁいいy「おーい、アルミーン」
アルミン「あれ、ユミルが呼んでる。どうしたの?」
ユミル「あたしとクリスタ班に入らないか?男手いないと、さすがにちょっと不安だしさ」
ユミル「(胃を休ませるには、あの班にアルミンを近づけちゃダメだ)」
アルミン「(エレン達大丈夫かなぁ…?あぁ、でもユミルがいるとはいえ、クリスタと一緒ならエレンなんて…///)」
アルミン「(それに、なんだかんだ最近はミカサとアニも仲良くやってるしな…きっと大丈夫だ!っていうかクリスタ優先///)」
ライナー「…」
ジャン「(ミカサ!ミカサはどこだ!?)」
ジャン「ハッ!」
ミカサ「エレンは私が守る」
アニ「だから、そう言うのが過保護だって言ってるでしょ?」
エレン「お前らーケンカするなよ!」
マルコ「まぁ、ジャン。コニーと一緒に仲良くやろうよ」ポン
ジャン「…俺は生き残れる自信がない」ショボーン
ライナー「…ベ、ベルトルト、やっぱ一緒に組まないか?」
ベルトルト「え?ごめん、サシャとミーナに誘われたからそっちの班に入れてもらったよ」
ライナー「…う…裏切り者ぉぉぉーーーー!」
ベルトルト「いや、最初に君がね…ま、いいか」
険しい山道―――エレン班
ミカサ「まずは野営地をきめる必要がある」
アニ「そうだね。川から遠くない位置に、良い場所があると良いんだけど」
エレン「おーい、お前ら、ちょっと待ってくれよ!」
ミカサ「エレン。私は今まで、エレンのためと思って、あなたを助けてきた」
ミカサ「でも、これからはあなたのために、少し厳しくしようと思う」
エレン「それは良いんだけどよ…この辺足場が悪くて…うわっ!」ズルッ
ミカサ「!」
アニ「エレン!」
エレン「っと…あ、危ねえ…」
ミカサ「…うぅ」
アニ「これは…心配だね」
アニ「ミカサ、あなたの荷物に、確かロープが入ってたよね」
ミカサ「…そう言えば。使おう」
アニ「うん」
エレン「なぁ、これって…」
アニ「これで大丈夫だね」
ミカサ「うん。これなら、すこし脚を滑らせても大丈夫。私とアニで支えられる」
エレン「…なんか、散歩されている犬の気分が分かるっていうか…」
ミカサ「いいえ、エレン。これはアンザイレンと言う登山方式。座学で習ったこと」
アニ「あたしが先頭を行く。最後尾はミカサに頼んで、滑落を防止する。エレンは、とにかくあたしに着いてきな」
エレン「…」
アニ「エレン?」
ミカサ「どうしたの、エレン?」
エレン「いや、その、二人とも、頼もしいな、と思って…」
ミカアニ「…」
緩やかな山道―――アルミン班
クリスタ「ん~ふんふ~んふ~ん♪」サクサク
アルミン「あれですね、ユミルさん」サクサク
ユミル「なんだい、アルミンさん」サクサク
アルミン「クリスタは、女神なんでしょうかね」サクサク
ユミル「そうですなぁ、女神ですな」サクサク
アルミン「やっぱりそうなんですなぁ」サクサク
ユミル「ふつくしいですなぁ」サクサク
アルミン「そうですなぁ」サクサク
クリスタ「あー!ユミル、アルミン!見てみて!川だよ!」(ピョン!)
アルミン「あっかわいい」ブパァッ
ユミル「濡れるっ」ブパァッ
クリスタ「わぁぁ!アルミンとユミルが鼻血を吹いた!」
集合地―――
キース「…」
キース「…」
キース「…」
キース「あー、貴様は何をしているんだ、ブラウン訓練生?」
ライナー「…ぐすん」
キース「貴様、友達がいないのか?」
ライナー「…」コクン
キース「仕方ない…貴様は私と、二泊三日、ここで夜営訓練だ」
ライナー「きょ、教官!」ウルルッ
キース「ブラウン訓練生!」ガバッ
ライナー「教官!」ガシッ
教導官「なんだ、あれ」
夕方―――山谷側の中腹―――エレン班
アニ「このあたりが良いんじゃないかな」
ミカサ「うん、川にも近いし、見渡せる。あの倒木の影なら、雨露もしのげる」
アニ「じゃあ、あそこに夜営しようか」
エレン「ぜぇ…ぜぇ…」
ミカサ「エレン、大丈夫?」
エレン「だ、大丈夫だ!お前らなんかに負けてられるか!」
アニ「そう。まぁ、先は長いし、無理はしないようにね」
ミカサ「エレンが順調に育っている。喜ばしい」
アニ「ミカサ、私が営巣しておくから、あんたはエレンと食料をお願い」
ミカサ「…うん、わかった」
エレン「ちょ、ちょっと待ってくれよ。5分、5分休ませてくれ」
ミカサ「山は日が傾いたらすぐに暗くなってしまう。エレン、今は休んでいる暇が惜しい」
エレン「ったく!わかったよ!うぉぉっし、行くぞ!ミカサ!」
ミカサ「さすがエレン。その意気」
アニ「気を付けて」
ミカサ「うん」
アニ「」ミオクリ…
アニ「」装備モゾモゾ…
アニ「」油脂ヲ塗ッタ布ダス
アニ「」倒木ニ掛ケテ…
アニ「」杭デコテイ…カツンカツンカツン
アニ「」カツンカツン…ニコニコ…カツン、カツンカツン…
山森側の中腹―――アルミン班
ユミル「あ、クリスタ、違う違う。こっちの端と合わせるんだよ」
クリスタ「え、ごめん!」
アルミン「ねえユミル。ここはこれで良いのかな?」
ユミル「うん、そうそう、それでいい」
クリスタ「ユミル!直したよ!」
ユミル「よっし!じゃぁ、出来上がりだ!この枝を立てて、こうして止めれば…っと!」
クリスタ「おぉー!テントの完成だ!ユミル、すごいね!」パァッ
ユミル「お、おう、こんなの朝飯前だ」プバッ
アルミン「すごいやユミル。布だけでテントを作っちゃうなんて」ツツー
クリスタ「あれ、二人ともまた鼻血が…」
ユミル「まぁ、昔いろいろあったかんな。これくらいのスキルは身につくさ」フキフキ
アルミン「勉強になるなぁ」フキフキ
クリスタ「あ、なんか、触れちゃいけなかったのかな…ごめん」
アルミン「ク、クリスタ、夕飯の準備をしよう!さっきの川で取れた魚って、どうやって食べればいいんだろうね?」
ユミル「あぁ、それも任せとけって。アルミンとクリスタで火起こししてくれよ。魚はあたしが処理しておくからさ!」
クリスタ「ユミルってそんなこともできるんだ!すごいね!」キラキラ
ユミル「(あぁ、野良生活が長くてよかった…)」ブパパッ
アルミン「(ユミル、すごいな。でも、僕もクリスタにすごいって言ってもらいたい!頑張らないと…!)」ブフゥッ
夜半―――エレン班
エレン「クカー…クカー…」
ミカサ「(エレンと一緒に眠るのは久しぶり…)」
エレン「ムニャムニャ…クカー…ンアァ、アルミンガチヲハイタ…ウニャムニャ…」
ミカサ「(かわいい…エレン…)///」ハァハァ
ガサゴソ
ミカサ「!」
アニ「あぁ、起こしちゃった?」
ミカサ「ううん。エレンの寝顔を見ていた」
アニ「なにそれ、ひとり占め?」クスッ
ミカサ「いくら家族でも、エレンは私の物」プゥ
アニ「別にとらないよ。エレンがあたしを選んでくれれば別だけどね」ニタニタ
ミカサ「それはあり得ない。エレンは私を一番に思ってくれている」
アニ「本当?」
ミカサ「本当」
アニ「本当にそうだと言い切れる?」
ミカサ「…ちょっと自信なくなった」
アニ「ふふっ。冗談よ。ごめん」
ミカサ「アニ、削いで良い?」
アニ「お断りします」
ミカサ「遠慮しなくてもいい」
アニ「イヤだって行ってるでしょ」クスッ
ミカサ「…!」
アニ「あ」
パラパラ…パラパラパラパラ……
ミカサ「雨」
アニ「雨だね」
ミカサ「地形的には大丈夫。鉄砲水の恐れも、地崩れの可能性もない」
アニ「そうね…でも、すこし心配」
ミカサ「交替で、見張る?」
アニ「そうしようか」
ミカサ「なら、アニが先に寝るべき。私の方が、元気」
アニ「どっちが、とかはわからないけど…ま、それならお言葉に甘えさせてもらうね」ゴロン…モゾモゾ
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「アニ」
アニ「なあに?」
ミカサ「すこしエレンにくっつきすぎだと思う」
アニ「仕方ないでしょ、狭いんだから」
ミカサ「…今日はそう言うことにしておく」
アニ「ふふ。ありがとう」エレンニピトッ
ミカサ「…」ジーッ
ミカサ「…」ジーッ
ミカサ「…」クスッ
生存訓練二日目―――エレン班野営地
ザーーーーー
アニ「これはひどいね」
ミカサ「これは、止まない」
エレン「あー、この雨じゃぁ、ルートを変更しないとまずいよなぁ」
ミカサ「会議をしよう」
アニ「そうだね。ゴソゴソ…ほら、地図」
ミカサ「今の地点は、ここ」
エレン「こっちのルートはどうだ?」
ミカサ「そっちは川に近すぎる。この雨だと、危険かもしれない」
エレン「確かに。なら、ちょっと遠回りになるけど、この林の道を抜けて、隣の登山道へ抜けた方がいいかもな」
アニ「そうだね。ロスになるけれど、その方が確実」
ミカサ「それがいい。準備を」
エレン「おう!」
ズズズズズズ
エレン「なんだ?」
ミカサ「地鳴り?」
アニ「鉄砲水?!」バタタッ
エレン「なんだよ、なにも来てないぞ?」
ミカサ「これは…違う!」
アニ「地面が!!」
グバッ
ミカアニエレ「!!!!」
アニ「痛たたた…」
アニ「ここは…?真っ暗…」
アニ「なにがあったの?」
ミカサ「エレン!エレン!しっかり!」
アニ「!ミカサ!どこ!」
ミカサ「アニ!エレン、エレンが!」
アニ「」荷物ゴソゴソ…ランプ、点火
アニ「!」
ミカサ「アニ!エレンの出血が止まらない!」
アニ「これは…骨が折れて、皮膚を付き破ってる…!」
ミカサ「どうしよう、アニ…エレンが…エレンが!」
アニ「ミカサ、落ち着いて!」
ミカサ「エレン!エレン、しっかしして!」
アニ「ミカサッ!」バチンッ
ミカサ「…痛い」
アニ「しっかりして。今、止血帯出すから、患部の上を抑えておいて」
ミカサ「う、うん」
アニ「」ゴソゴソ、シュルルッ
アニ「縛るよ」
ミカサ「動脈、ここ」
アニ「わかった」シュルッ
シュルッシュルルッ…
アニ「ふぅ、これでひとまず…」
ミカサ「アニ、ありがとう」
アニ「落ち着いた?」
ミカサ「大丈夫」
アニ「なら良い。それにしても、まったく、ここはどこなの?」
ミカサ「地面が崩れた…穴が開いたみたいだった」
アニ「そうか…地下水脈か何かに落ち込んだみたいだね。上を見なよ」
ミカサ「空が見える…かなりの高さ」
アニ「あそこに登るのは…無理そうだね…」
ミカサ「他の出口を探す必要がある」
アニ「そうだね…ここはずいぶん広い空間みたいだ…水も流れているしどこかに、別の穴があってもおかしくはないね」
ミカサ「急がないと、エレンが危険」
アニ「うん。ミカサ、あんたエレンを背負える?あたしが三人分の荷物を持つ」
ミカサ「任せて。先導は、お願い」
アニ「うん、よし、行こう」ニモツカツギ
ミカサ「」エレンヲセオイ
ヒタッ ヒタッ ヒタッ ヒタッ ヒタッ ヒタッ
ミカサ「アニ、あそこ」
アニ「ん?」
ミカサ「明かりが見える」
アニ「本当だ!」
ミカサ「行こう」
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
アニ「これは…水がこの隙間から流れ出てる…」
ミカサ「この先が、外…でも…」
アニ「このデカイ岩は動かせそうにないな…」
ミカサ「掘るしか、ない」
アニ「いや、見てみな。この隙間、岩と岩の間にできてる隙間だ。砂や砂利じゃないから、そう簡単に掘れそうもない」
ミカサ「そんな…」
アニ「こんな隙間じゃ、あたしでも這い出れやしないね…」
ミカサ「なにか、考える必要がある」
ミカサ「落ち着いて…何か、脱出の案を考えて、ミカサ…」
アニ「…」
アニ「(ミカサ…エレン…)」
アニ「(方法、ないこともないんだ…)」
アニ「(あたしが、巨人化すれば…これくらいの岩はすぐにでも蹴りだせる)」
アニ「(そんなことしてしまったら…もう、ミカサにもエレンにも会えなくなるけど…)」
アニ「(でも、それでも良いのかもしれない)」
アニ「(ミカサと仲良くなって、あたし、楽しかった)」
アニ「(エレンともたくさん一緒に居ることができた)」
アニ「(寂しくないかって言われたら、寂しいけど)」
アニ「(でも、もしここでエレンを失ったら、それ以上に悲しいだろうし、エレンを失ったミカサを見たくない)」
アニ「(だったら、後悔しない方法を選びたい)」
アニ「(別れは寂しいけど、でも…あんた達を助けて、それで、そのあと…ミカサ、あんたに殺されるのも、悪くないかもしれない)」
アニ「(黙ってたのを謝れないのが、心残りだけど…そんなこと、これからだって、機会は訪れない)」
アニ「(とにかくあたしは、エレンに、なによりミカサに、たくさんの物を貰えた。それだけでもうあとはもう何もいらない…)」
アニ「(嬉しかったよ。二人とも…)」
アニ「ミカサ、ありがとう」
ミカサ「え?…アニ?」
アニ「今日まで、仲よくしてくれて」ポロッ
ミカサ「な、何を…」
アニ「ごめんね。もう一緒にはいられないみたい。あんたは、エレンを連れてすぐに山を下りてね…」ポロポロ…
ミカサ「アニ!何を言って…
アニ「じゃあね…」ポロポロポロ
アニ「(ガリッ)」
―――アルミン班
ズズズン…!
アルミン「!?」
ユミル「おい、なんだよ、今の音…?」
クリスタ「川の上流の方からだね」
アルミン「…行ってみよう」
ユミル「よし。荷物は置いて行こう。ブレードと、ホイッスルだけ持て」
クリスタ「了解」
ユミル「あたしが先頭で行く。クリスタはあたしに着いてこい。アルミン、後ろからクリスタが遅れないように見ててくれ」
アルミン「分かってる。行こう!」
ダダダダダ!
ユミル「!」
アルミン「あ…」
クリスタ「ミ、ミカサ!」
ミカサ「アルミン…!クリスタにユミル…!」ヨタヨタ
ユミル「お、おい、後ろのそれ、エレンかよ!?」
クリスタ「血が…すごい血が出てるよ…!」
アルミン「ミカサ、何があったの!?」
ミカサ「…地下の水脈に落ちた」ブルブル…
アルミン「そんなことが…急いで、エレンを連れて降りよう!」
ミカサ「…アルミン…エレンを…エレンを、お願い」
ミカサ「ユミル、ごめんなさい。エレンを教官のところまで連れて行って」
ユミル「お前は?降りないのか?」
ミカサ「…まだ、アニがいる…」
クリスタ「それなら、私が一緒に行く!」
ミカサ「ダメ!私一人で良い…」
アルミン「ミカサ…?」
ミカサ「アルミン、ブレードを貸して」グイッ
アルミン「ミ、ミカサ!」
ミカサ「エレンをお願い!」ダダダッ
ユミル「…」
アルミン「…」
クリスタ「…」
ユミル「急いで降りよう。エレンがこの様子じゃ、のんびりはしていられない」
クリスタ「うん…アルミン、行こう」
アルミン「分かってる」
アルミン「(ミカサ…)」
急流の滝の上
アニ「(あーあ。参ったね、まったく…あの、ミカサの表情…忘れらんないよ…)」
アニ「(怖かったな…嫌われたよね、あれは。まぁ、そうだよね…エレンやミカサの家族を奪ったんだもん)」
アニ「(それでまだ好かれていようなんて、そんなムシの良い話はないよね…)」
「アニ!」
アニ「!」
ミカサ「ハァ…ハァ…」
アニ「ミカサ…」
ミカサ「アニ、あなた…」
アニ「だから言ったでしょ。あんたやエレンを傷つけちゃう、って」
ミカサ「…」
アニ「優しくしてくれて、楽しくしてくれて、うれしかったよ」
ミカサ「…アニ…!」
アニ「ごめんね…さようなら」タッ
アニ「(父さん…エレン、ミカサ…ごめんなさい…)」
ミカサ「待って、アニ!」スカッ
ドポンッ
ミカサ「アニ…アニ……」
ミカサ「アニーーーーー!」
つづく。
次回、ラストです。
乙
アルミン…キモい
「 ( 暖かい…) 」
「――――?―――。――――」
「(声… 誰か いるの?)」
「―!―――!――ニ!」
「――――――!」
「――二!アニ!」
「アニ!」
アニ「」ハッ
クリスタ「あー!良かった、アニ!心配したよ!」
アニ「あ、あたしは…?(い、生きてる…?)」
クリスタ「アニ、鉄砲水に流されて、川に落ちてたんだって。それをミカサが飛び込んで助けたって」
アニ「ミ、ミカサが…?痛っ!」
クリスタ「あぁっ無理しちゃダメだよ!外傷はないけど、あちこち傷めてるみたいだし…」
アニ「エレンと、ミカサは?」
クリスタ「無事だよ。エレンは、傷の手当も終わって、今は教官棟で休んでる。ミカサも、向こうで事情を説明してる」
バタタッガラッ
ユミル「おーい、クリスタ!医務官殿呼んできた!」
アニ「ここは…?」
クリスタ「いつもの、管理棟の女子棟の医務室だよ?大丈夫?まだ、はっきりしてない感じ?」
アニ「あぁ、いや、そっか…あたし、生きてるんだな…」
医務官「ちょっと、ごめんね…」目ニランプヲチラッ
医務官「気分の悪さとかはない?」
アニ「あ、はい…大丈夫」
医務官「それなら、とりあえずは安心かな。今日のところは、ここで休みなさい」
アニ「はい」
医務官「それじゃぁ、何かあったらまた」パタパタギィッパタン
ユミル「いやぁ、しかし驚いたぜ、真っ青になったあんたを背負ったミカサが山から下りてきたときはさ!」
ユミル「ぱっと見、死体だったからなぁ。ミカサにちゃんと礼を言っとけよ」
アニ「そっか…うん、そうだね…」
クリスタ「ね、アニ、何か食べる?あったかい物持ってくるよ?」
アニ「あぁ、いや、今は良いよ…もう少し休む」
クリスタ「そっかぁ、じゃぁ、食べたくなったら言ってね!」
アニ「ありがとう、クリスタ、ユミル」
ユミル「あんたから礼なんて、なんか珍しい気がするな」
クリスタ「ちょ、ユミル!」
アニ「はは、そうかもしれないね…なんだか、そんな気分なんだ…」
ユミル「そうかい。まぁ、あたしはここでクリスタとイチャついてただけなんだけどな」
ユミル「エレンの方は集合地まで運んでやったから、あとでじっくり、タカってやるつもりだけど」ニタニタ
アニ「助けてくれたのが、ユミルじゃなくてミカサで良かったよ」
ユミル「ははは、憎まれ口叩けるんなら、もう大丈夫だな」
アニ「そうかもね」
ユミル「それじゃぁ、あたし達はちょっと飯取に行ってくるからよ。あんたはすこし休んでろよな」
アニ「うん、そうさせてもらうよ(体がうまく動かない…少し休もう。そうすれば、すぐにでも元に戻る…)」
アニ「(体が回復したら、すぐにここから出よう。もう、ここには、いられない)」
アニ「(もうミカサのあんな顔は、見たくない)」
アニ「(もうこれ以上誰かを悲しませたくなんて…)」
ギシッ ギシッ ギシッ
ギィッ パタン
ギシッ ギシッ ギシッ
「」チョンチョン
アニ「スースー」
「」ツンツン
アニ「スースー」
「ふぅ…」ギシッ
アニ「スー…んっ」
「!」
アニ「…」
「アニ?」
アニ「…?」
「アニ、平気?」
アニ「…ミ、ミカサ…」
ミカサ「良かった、気が付いた」
アニ「…何しに来たの?」ビクビク
ミカサ「殺しに来た…と言えば、良い?」ニコッ
アニ「そうじゃない、って口ぶりだね」
ミカサ「うん、そうじゃない」
アニ「なんでだよ…どうして助けたりなんか…」
ミカサ「悲しかった」
アニ「…」
ミカサ「あなたが、あんな姿になったときよりも、あなたが飛び込んだときの方が、何倍も悲しかった。ので、助けた」
アニ「あんた…」
ミカサ「」ギシッ ベッドニノリ
アニ「?」
ミカサ(手をアニの口に押し付ける)
アニ「何の真似?」
ミカサ「噛んで欲しい」
アニ「え?」
ミカサ「私の手を、噛んでみてほしい」
アニ「ど、どうして?」
ミカサ「あなたは、あの姿になるときに、自分の手を噛んで、血を出してた」
ミカサ「私の手も噛んで、同じことをしてほしい」
アニ「だから、どうして?」
ミカサ「私は…気持ちを伝えるのが苦手。エレンにも、ちゃんと好きだと言っているつもりなのに、伝わらない」
アニ「それは…あいつが特別鈍感だからじゃ…」
ミカサ「アニ、あなたにも、家族だと、あなたが大事だと伝える言葉がわからない。ので、行動で示そうと思う」
ミカサ「噛んで」
アニ「噛んだからって、何が変わるわけでもないのよ?」
ミカサ「それでもいい。お願い」
アニ「(それをしてどうなるか、正直、分からない…でも、あたしがそれをすれば、何かが起こってしまう可能性がゼロではない)」
アニ「もし、何かあったらどうするつもり?」
ミカサ「あの姿になっても、アニはアニのままだった。それなら、私も私のままでいられるはず」
ミカサ「それなら、アニのようにもとに戻ることもできる」
ミカサ「それに、何かあったほうが…その方が、良い」
アニ「あんた、なに言ってるか!」
ミカサ「その方が良い!」ウルウル…
アニ「…ミカサ…」
ミカサ「アニがいなくなってしまうよりも、家族でいてくれるなら、私は、その方が良い!」ポロポロ…
ミカサ「アニがあの姿になることで苦しんでいるのなら、私も同じになる…」ポロポロポロ
ミカサ「あなたを一人ぼっちにはしない。そう言ったはず」ポロポロポロポロ
アニ「あんた…」ポロッ
アニ「あんた、バカよ…」ポロポロ…
ミカサ「バカでいい」
アニ「…ずるいよ」ポロポロ
ミカサ「ずるくてもいい」
ミカサ「だから、悲しい顔しないで。私とアルミンとエレンが、ずっと家族でいる…なにがあっても、あなたを一人にはしない」
アニ「…良いのね?」グスッ
ミカサ「そう、してほしい」
アニ「わかった…手を」グイッ
アニ「もし、なにかを感じたら、あたしの目だけを見て。何も考えないで、あたしだけを見ていて…」フルフル
ミカサ「うん」
アニ「」ハムッ…ガリッ
ミカサ「っ…!」
アニ「…」
ミカサ「…」
アニ「…」
ミカサ「…」
アニ「大丈夫?」
ミカサ「なにも、起こらない。平気」
アニ「そう…」
ミカサ「すこし、残念」
アニ「もういいよ、分かったわよ」
ミカサ「アニは、一人ぼっちじゃない」
アニ「うん…わかったってば…ありがとう…」ギュッ
ミカサ「難しいことは、私に任せておけばいい」
ミカサ「エレンにも、アルミンにもきっと分かってもらえる」
アニ「うん…うん…」ギュゥッ
ミカサ「アニ…」
アニ「ん?」
ミカサ「アニが、好き」
アニ「ふふ、ありがとう///」
ミカサ「エレンと同じくらい好き」
アニ「え?」
ミカサ「アニが滝に飛び込んだときに、思った。私は、アニが欲しい」
ミカサ「ずっと一緒…」チュッ…チュゥ
アニ「んっ…んはっ…ミ、ミカサ…?」
ミカサ「//////」ウルウル
アニ「はぁ…」
ミカサ「ごめんなさい。いやだった?」ショボン
アニ「いや、そうじゃなくてね…まさか、初めての相手が大嫌いだったあんたなんて…わからないもんだなと思って」クスッ
ミカサ「それは、私も同じ…」ニコッ
アニ「でも、良いよ、あんたなら…」ギシッ
ミカサ「アニんんっ」チュ
アニ「でも、黙ってあんたの言いなりになんかならないからね…」ギュッ…チュッ…ギシッ…チュッ…チュッ…
ミカサ「それは、こちらのセリフ」ンチュ…ハァ…ギュッ…チュゥッ…
ミカサ「…ハァ、ンッ…ハァ…体、平気?」ココオイシソウ…
アニ「ハァ…ハァ…ンンッ…うん、この体、すぐ治るのンッ」クビスジハムハムサレテルゥ
ミカサ「じゃぁ、腕が痛かったのは?」ハムハム…オイシイ
アニ「あれはハンッ…ちょ、ちょっと、嘘ついてた」オカエシッ
ミカサ「ずるいヒンッ…」クビスジ…ゾクゾクスルッ
アニ「ずるくてもいい、でしょ?」ハムハム…チロチロ…
ミカサ「んんっ…」ゾクゾクゾクッ
アニ「ミカサこそ、飛び込んだんでしょ、滝に。ケガとかしてないの?」オッパイ…オッパイ…
ミカサ「あれくらいでンッ…ケガなんてしな…ハンッ」ア、サ、サキッチョハ…
アニ「エレンは、どう?」モミモミモミ…サキッポクリクリ
ミカサ「ンンッ!…平気…抗生剤も注射したから、傷口からの感染も防げrンンッ」アニバッカリオッパイズルイ…ワタシモ…
アニ「ンッ!…ハァッ…ん、ま、待って…!」
ミカサ「おっぱい、ダメ?」
アニ「そそ、そうじゃなくて…ミカサ、キズが…」テヲミテ
ミカサ「アニに噛まれた傷がない…どうして…?」
アニ「…だから、言ったのに…」
ミカサ「すぐに治る…アニと、同じ体?」
アニ「ああなれるかは、まだわからないけれどね…」
ミカサ「アニと、一緒だ…」ニコッ
アニ「なんでこんなのが嬉しいのよ」
ミカサ「アニを一人ぼっちにさせる心配がなくなったから」ニコニコ
アニ「もう、分かったから…(キュン)///」チュッ
ミカサ「ンッ…」ンチュッ…ア、オッパイノツヅキシナキャ…モミモミ
アニ「んっ…」フクノナカニ テヲイレチャオ
ミカサ「あひっ…」チョクセツハ…ナラワタシハヌガセル…
アニ「あ、ちょっと…」ヌガサレテル…
ミカサ「きれい…」ヤッパリオッパイオオキイナ…フニフニシテテキモチイイ
アニ「ヒャッ…ハゥンッ…そ、そう言えば、報告は、どうイッ、言ったの?」アタシモヌガスヨッ
ミカサ「鉄砲水で…流された先で私とエレンが滑落したことにした。アニは、滑落しないで流されたと話してある」ヌガサレチャッタ…
アニ「そう…ンッ」フッキンスゴイネ…ハダモツルツル…
アニ「訓練は、どうなったの?」ギュットシタラ…アッタカイ…チュッ
ミカサ「んっ…中止になった。私たちの班と、アルミンの班は、先に戻ってきた…ンッ。みんなは明日の予定。…アニ、温かい…」
アニ「そっか。騒ぎになっちゃったね…」
ミカサ「仕方ない。でも、エレンも、アニも無事で良かった…」ンチュッ…
アニ「…ごめんね…」ンチュゥッ…
ミカサ「もう、同じことをしてはダメ」クチビルハムハム…
アニ「んっ…うん…約束するよ」ミカサノガアツクナッテル…
ミカサ「ん、くっ…」ソ、ソコ、ハ・・・
アニ「濡れてる…」シタギノナカ、オジャマスルネ…
ミカサ「んはぁっ!!!」ビクビクビクッ
アニ「痛く、ない?」
ミカサ「うん…気持ちいい…仕返しする」アニバッカリズルイ…ア。アニモビショビショ…
アニ「はっあんっ!」ビクビクッ
ミカサ「平気?」
アニ「うん…すごいね…」ココガスキ…?
ミカサ「んっはぁっ…んんっ!」アニノ、クリクリシテル…キモチイイ?
アニ「あっ…んんんっ!」キモチイイヨ…ミカサモモット、シテアゲルヨ…ホラホラ…
ミカサ「あぁぁっ!んっくぅぅんっ!」ソコダメ、ソコイジッチャ…
アニ「んっ…はっひんっ…あぁぁっ!」ササ、サキッポハ…カンジスギルッ…
ミカサ「あっ…アニ…アニっ」キュッテシテルッ…クルッ!
アニ「んんっ…ミカサ…ミカサっ!」ソコダメッ…アタシモッ…!
ミカサ「んっっっ…んっっ…んぁっ…」アニ、ギュッテ、シテ、ギュッテ、シテホシイッ…
アニ「はんっ…あっっっっ…んっっっ」キス…キスモシタイ…チュゥゥッ
ミカサ「…はぁっ…はぁ…はぁ…」アニノウエニグッタリ…
アニ「はぁ…はぁ…ふう…はぁ…」ミカサヲギュットダキシメ…
ミカサ「ふぅ…」
アニ「はぁ…」
ミカサ「…」ギシッ ナランデヨコニナル
アニ「…はぁーあ」ミカサノテヲニギニギ…
ミカサ「なに?」
アニ「何やってるんだろうな、あたし、と思って」
ミカサ「いやだった?」
アニ「ううん。嬉しかったよ。だから、かな」
ミカサ「どういうこと?」
アニ「なんで、女相手に…って。しかも、ミカサのことなんでこんなに好きなんだろうって思ってさ。悔しいなって、ちょっとだけ」
ミカサ「それはお互い様」ニコッ
アニ「そうかもね」クスッ
ミカサ「…あ…今、好きって…」
アニ「…!///うん、好き…。あんたが好きだよ、ミカサ///」
ミカサ「嬉しい////」ニコニコ
アニ「これからのことは、また一緒に考えて」
ミカサ「うん。任せてほしい」
アニ「よろしくね」チュッ
ミカサ「うん」チュッ
「あっ!ダメっ!もうダメェェェ!!!」
ミカアニ「(ビクッ!!!!)」
アニ「ナニイマノ?」
ミカサ「トナリノベッドカラ キコエタヨ」
ミカアニ「(カーテンアケアケ)」
クリスタ「あんっ…あふぅぅっ…」
ユミル「はぁ…はぁ…はぁ…」
アニ「…」
ミカサ「…」
ユミル「あっ…」
クリスタ「ふぇぇっ…!?」
アニ「…」
ミカサ「…」
クリスタ「…」
ユミル「…えーっと…」
ユミル「お互い、何もなかった、ってことで…な?」
ミカアニ「」コクン、ソ、ソウダネ
クリユミ「」ウンウン、ナニモナカッタヨ
―――――数年後
エレン「おーい、アルミン!ホントにこっちで良いのかよ?」パッカパッカパッカパッカ
アルミン「僕の測量を信じられないんだったら今すぐ一人で引き返したっていいんだよ?」パッカパッカパッカパッカ
アルミン「その丘を越えたら見えてくるはず!」
エレン「ホントかよ!よっし!俺先に行くな!」
クリスタ「あ!ちょっと!エレン!」
ユミル「まったく、“生き急ぎ”なところは何年たっても変わんねえな」
ミカサ「エレン、抜け駆けは良くない」
アニ「そうだよ。みんなで海を見るって決めて、わざわざこんな遠方まで調査派遣されてきたんだ」
エレン「なんだよ~俺、海早く見てみたいんだよ!」
アルミン「文句ばかり言ってないでさ。ほら、もう見えてきても良いはずだよ」
エレン「えぇ?…っ!」
クリスタ「うわぁぁ!」
アニ「これが、海、ってやつか…」
ミカサ「おおきい…」
ユミル「へぇ…これは…きれいだなぁ…」
アニ「本当…キラキラ、光ってる…」
あたしは、あれから、ミカサに付き添ってもらって、エレンとアルミンに本当のことを話した。
エレンは、最初こそ、ブチ切れそうな顔だったけど、ミカサがいてくれたおかげか、最後まで話を聞いてくれた。
エレンもアルミンも、最後には、あたしを許してくれた。そして、家族になろうって、そう言ってくれた。
ライナーとベルトルトには、もうやめようって何度も説得をした。
ライナーは分かってくれて、今では調査兵団に配属されている。
ベルトルトは最後まで首を縦には振らずに、訓練兵団卒業後に、行方をくらました。
罪悪感にさいなまれた時期もあったけど、結局、それを慰めてくれたのは、ミカサやエレンたちだった。
エレンやミカサの当初の目的だった、ウォール・マリア内の地域と、生まれ育った街、シガンシナ区との奪回は、成功した。
エレンの住んでいた家の地下から見つかった文献は、今、ペトラと言う人が管理していて、巨人の解明に尽力している。
エレンの駆逐してやる!は、すこしばかりなりを潜めている。それと言うのも、街の奪回戦のさなかに負傷したエレン自身が
いきなり巨人化してしまったからだ。あたしのこともあってか、巨人もひとくくりにはできないな、なんてことを
言い出すくらいになった。
今、あたし達は調査兵団に所属している。
街を奪回したエレンが、言ってくれた。今度は、アニの故郷を探して取り戻さなきゃ、って。
それが、本当にうれしくて、あたしは、ずっとこいつらと一緒にいようって心に誓った。
ユミルとクリスタ、アルミンももちろん調査兵団だ。
アルミンが長を務める班は、現地の探索や解析力にたけていて、
あたしとミカサのいる、エレン率いるこの班は、戦闘特化。そのせいで、最近ではもっぱら
このメンバーでの調査派遣が通例になってしまった。あたしにとっては、うれしいことだけどさ。
うしろに続いている後輩たちとも、まぁ、なんとかうまくやっている。
だけどなにより、あたしには、こうしてミカサとエレンといろんなところに行って、いろんなものを見るのが楽しくって幸せだ。
訓練兵団にいたときに、ミカサと戦わなかったら、今頃、どこでどうなっていたか、想像するだけで怖くなる。
人生って、何が起こるかわからないものだよな。
それに。この物騒な世の中で、こんな仲間を手に入れられたあたしは本当に幸運で、そして幸福だ。
エレン「なぁ、アルミン!海の水ってしょっぱいって言ってたよな?!」
アルミン「そうだね」
エレン「俺ちょっと行って確かめてくるわ!」パカラッ
クリスタ「あ!もう!エレン!」
ユミル「まぁた始まった。おーい、若いの!何人か着いて行ってあのバカ班長をひっぱたいてこいよな!」
ユミル「うちの姫様がご立腹なんだ!」
後輩A「それはできません!」
後輩B「エレン班長の頭をこれ以上殴ってしまったら、取り返しがつかないことになってしまいます!」
ユミル「あーははは!そう言う見方もあるな…しゃぁない。なぁ、保護者二名。あの“生き急ぎ”を止めて来てくれよ」
アニ「だってさ、ミカサ?」ニコッ
ミカア「うん。行こう、アニ」ニコッ
おしまい!
ご愛読ありがとうございました!
俺から一言…クズ百合豚死 ね
乙。
よかったよー
お疲れ様!
このSSまとめへのコメント
なんでレズる必要があるんだよ。
意味不明。
友情迄で止めとけよ。気持ち悪い。