アニ「ハロウィン」(80)

※ネタバレはたぶんしない
キャラ崩壊を多分に含みます
カプ要素なし

アニ「スレタイ見て時期外れだな、とか、季節感ないなぁ、とか思っても言うんじゃないよ」

アニ「言ったら、ひどいことになるぞ!」

アニ「うーん…何してくれようか」

アニ「…」

アニ「と、この話はもういい。私がやりたいのはハロウィンのイベント」

アニ「そりゃもっと小さい子がやるもんだ、っていうのはおいといてよ。私一回しかやったことないからもっとやりたいのよ」

アニ「だから本番前に練習しようってんだ。わかったね?」

アニ「じゃまずは仮装具から準備するか」

アニ「さてなんの仮装をしようかな?」パラパラ

アニ「魔女…そんなのありふれてるし、私に裁縫の技術があると思う?」

アニ「ドラキュラなんてもっと難しいじゃないの。貴族っぽい服作るのって結構大変なんだよ?」

アニ「フランケンシュタイン…まあ継ぎ接ぎするだけで出来て簡単だけど、なんか手抜きっぽくてやだ」

アニ「ジャックオランタンそのものになる?それだってありふれてるじゃないか…ん、待てよ」

アニ「本物のかぼちゃを使ってやってる子は見たことないし、それならいいかもね…」

アニ「よっしゃやろうか」

アニはシーツに穴あけたやつでしょ

アニ「家に伝わる秘伝の方法でおばけかぼちゃを育てたよ」っ●

アニ「これなら中身をくりぬけば、私の胴体から膝上あたりくらいまで覆いこめるね」

アニ「頭が寂しいな…まあカカシっぽい帽子かぶってればいいか」

アニ「じゃあ早速とりかかろう」

>>4
それかわいいかも

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

ベルトルト「? アニはなにをしてるんだろ」

ライナー「自分よりデカいかぼちゃ相手に勝負を挑んでるんじゃないのか?」

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

ベルトルト「何言ってるんだ。あれはきっとパンプキンパイを焼いてくれるつもりなんだよ」

ライナー「あいつがか?そういうことをするクチには見えんのだが」

ベルトルト「いやいや絶対そうだよ」

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

二日後

アニ「よしかぼちゃ完成」

アニ「まさか一日で終わらないとは思わなかったけど仕方ない」

アニ「にしてもこれね、ふふん。結構な力作だよ」ジャーン

アニ「さあ準備もできたことだし、誰か襲いに行こうかな」

アニ「よし、まずは手始めにライナーとベルトルトからだ」

アニ「あ、被っていかなきゃ」

アニ「んしょ」スポッ

アニ「…」テクテク

壁|サ「?…!!」

ライナー「」ビクッ

ベルトルト「」ビクッ

アニ(見つけた…早速いくよ)

アニ「…」ピタッ

ライナー「よ…ようアニ…随分と素敵な召し物じゃねえか」

ベルトルト「ほっホントに…自分で作ったのかい?」

アニ「…」

アニ「トリック、オア…トリート」

ライナー「えっ」

ベルトルト「えっ」

アニ「ほら、いたずらされたくなけりゃお菓子を出しなよ」

ライナー「…」

ベルトルト「困ったなぁ…さすがに今は持ち合わせがないね…」ガサゴソ

ライナー「だはははははははははは!!」

ベルトルト「ライナー!?」

アニ「…?」

ライナー「おいアニ!今は8月だぞ!?ハロウィンには早すぎるんじゃないのか!?」バンバン

アニ「は…はやくないよ」

ライナー「だはははははははははは!!」

アニ「はやくないもん…」プルプル

ベルトルト「ごめんアニ、ない…ん?」

アニ「っ」スポッ

ベルトルト「え!?そのかぼちゃってそんなすぐに脱げるの!?」

ライナー「だははは…おお!?」ガポ

アニ「ハロウィンに時期は…」ガシッ

ライナー「な…何をするつもりだ!?」

アニ「関係ないんだよ!」ドッ

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

ライナー「うわあああああああああ」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

ベルトルト「まずい!先に木が!」

ライナー「何だ!?何も聞こえんぞ」ゴロゴロゴロゴロ

メキョッ

バラバラバラ

ライナー「」グッチョリ

ベルトルト「あーあ、かぼちゃまみれだ」

アニ「…」ハッ

アニ「…やりすぎた」

ベルトルト「そうだね…ライナーはおそらく気絶してるだろう」

アニ「ううん、かぼちゃの方」

ベルトルト「ああそう」

アニ「ああ、あんたもお菓子…ないんだったっけ?」

ベルトルト「!」ビクッ

ベルトルト(僕もかぼちゃ転がしの刑か!?ライナーですら気絶したんだ僕なんてもういやお菓子持ってないんだから覚悟しなければ)

ベルトルト「…そうだよ、僕も持ってないよ」

アニ「じゃあいたずらします」ポイッ

ベルトルト「」グチャッ

アニ「…」スタコラサッサ

ベルトルト「…そこはメジャーに生卵なんだね…人にぶつけてるのは見たことないけど…」

二日後

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

アニ「ハア。やったよ!今度はもっと顔彫りがうまくいったよ!」

アニ「前作はかぶると腕が出せない仕様だったけど」

アニ「今回は出せるようにした。なぜかっていうと、ライナーのあれを思い出したら…」

アニ「ひゃあ」ブルッ

アニ「…あれは自業自得だよ」

アニ「さて、次は誰を標的にしようかな」キョロキョロ

ミカサ「…」ヌッ

アニ「…」

サシャ「…」テクテク

アニ「よし、あいつにしよう」スポッ

アニ「…」

サシャ「おやアニ、どうしたんです?その格好は」

アニ「ハロウィンだよ」

サシャ「案山子に似ているような…ハロウィン、とは…なんですか?」

アニ「知らないのかい?仮装してお菓子を人にねだる…お祭りみたいなものさ」

サシャ「と、言うことは…」

アニ「トリック、オア…トリート」

サシャ「はい?」

アニ「お菓子をくれなきゃいたずらするぞ、って意味だよ」

サシャ「えええ!私今持ってないですよぉ!」

アニ「あんたなら持ち歩く前に食べちゃいそうだしね」

サシャ「いたずら…ひどいのはよしてくださいよ…?」

アニ「いいよ。知らなかったみたいだし今回は見逃してあげる」

サシャ「アニ!!ありがとうございますぅ!」

アニ「卵を投げつけられたくなかったら、本番には用意しといてね」

サシャ「はい!早速買ってこなくては…」

サシャ「って」

サシャ「練習だったんですか!?」

アニ「お菓子持ってる人が少ない…」

アニ「…用意してないからだよね。時期もずれ…」

アニ「…」

アニ「そんなこと絶対無い!」

アニ「なんとしても一つは獲得しなければ」

アニ「次の標的を探すよ」キョロキョロ

ミカサ「…」ヌッ

アニ「…」

エレン「…zzZ…zzZ」

アニ「…あいつだね」スポッ

ミカサ「っ」

エレン「zzZ」

アニ「…」ツンツン

エレン「…んがっ」

アニ「!」ビクッ

エレン「あ、アニ?」

アニ「起きたなら早く立ちなよ」

エレン「おお、いつから寝てたんだろ…よいしょ」

アニ「知らないよそんなの」

エレン「ってうわ!なんだよその恰好!?」

アニ「ハロウィンさ」

エレン「ハロウィンは知ってるけど」

アニ「トリック、オア…トリート」

エレン「いやいやいやいやいやいや」

アニ「?」

エレン「いやいやいやいやナイナイナイナイ」

アニ「」イラッ

アニ「…何がさ」

エレン「俺な、カレンダー持ってんだよ」バッ

アニ「何で持ち歩いてるの?」

エレン「今それはいいんだ。それよりここ見てみろよここほら」

                       ↑ここらへん

アニ「見たけど?」

エレン「わかる?8月なんだよ今。な?で、ハロウィンって、いつだ?」

アニ「…」

エレン「おい、知ってるだろ?言ってみろよ。ハロウィンは、いつだ?」

アニ「ハロウィンは…」プルプル

エレン「おう」

アニ「USJでは九月ぐらいからやってるもん!」ダッ

エレン「は?ってか、待てよおい」ダッ

タッタッタッタッタッタッ

アニ「早くないもん早くないもん…」グスグス

タッタッタッタッタッタッ

エレン「見逃さねえぞ…!でかいし遅い」

ガシッ

アニ「ひゃっ」グラッ

エレン「おいアニ!つかまえたぞ!」

アニ「あう」ドン

エレン「うおっ」ヨロッ

ドサッ

エレン「訓練でもねえのにまたこの体勢になるのか…」マングリ

アニ「…!(しめた)」

アニ「よくもハロウィンを馬鹿にしてくれたね」スポッ

エレン「いやハロウィン馬鹿にしたわけじゃ…」ガポ

エレン「って何被せてんだ!?」

アニ「…いってらっしゃい」

エレン「おいアニさんやめ…」

ゴッ

エレン「うあああああああああああ」ゴロゴロゴロゴロ

アニ「ライナーのぶつかった木に一直線だ」

ゴロゴロゴロゴロ

メキョッ

バラバラバラ

エレン「」グッチョリ

アニ「…」

アニ「ハロウィンを悪く言うからだよ。ふーんだ」

サシャ「~♪」

ミカサ「…」ズゥーン

サシャ「おやミカサ…そんなに落ち込んで、どうしたのですか?」

ミカサ「…いや、大丈夫。気にしないで…」

サシャ「そうですか?ならいいんですけど…あっ」

ミカサ「?」

サシャ「そういえばミカサは、ハロウィンってご存知ですか?」

ミカサ「ハロウィン!!」ガシッ

サシャ「はっ…はい!?」

ミカサ「…この際だから言おう。私が落ち込んでいたのは、まさにそのこと」

サシャ「あら…アニにいたずらでもされて落ち込んでいたのですね?」

ミカサ「!」クワッ

サシャ「っ」ビクッ

ミカサ「あなたもしかして…アニに襲われたの?」

サシャ「ええまあ…いたずらはされませんでしたが」

ミカサ「うらやましい」

サシャ「えっ」

二日後

アニ「…できた!」

アニ「これはすごくいい出来だよ!」

アニ「作業に慣れてきたのか、二日目は午前中に終わったね」

アニ「今回の帽子はくりぬいたヘタ。しゃがんだらかぼちゃになって、隠れられるようになってるんだ」ドヤ

アニ「ただ、また前からは腕が出せなくなったけど…仕方ないね」

アニ「さて」スポッ

アニ「次は誰を襲おうか」チラッ

ミカサ「…」ウズウズ

サシャ(大丈夫でしょうかねぇ…)

アニ「…」チラッ

クリスタ「…」

アニ「あいつに決めた」

サシャ(あーあ)

担々麺食ってくる

クリスタ「」

アニ「…」

クリスタ「」

アニ(…フフフ、先回りしてやったよ)

アニ(まさかこんなところに私が潜んでいるとはクリスタも思うまい)

クリスタ「果たしてどこからつっこむべきか」

カポッ

アニ「わっ」

クリスタ「わっ」

アニ「トリック、オア…トリート」

クリスタ「えっ…え?」

アニ「お菓子くれないといたずらするよ?」

クリスタ(違和感しかないところにかぼちゃがあると思ったらアニが出てきた)

クリスタ(可愛い…んだけど、なんで今、それなの?)

クリスタ「えっ…えっと、お菓子が欲しいの?」

アニ「そうさ。恥ずかしいことにまだ一つも成果が無くてね」

クリスタ「でも…私も持ってないなぁ…」

アニ「そうかい。ならこいつだね」つ○

クリスタ「わっちょっ!待って!」

アニ「? 持ってないんだろう?」

クリスタ「普通に言ってくれれば作ってあげるのに!」

アニ「えっ!」キラキラ

クリスタ「(可愛い)このかぼちゃ作るのにくりぬいた中身はどこにやった?」

アニ「…今作の分は、貯蔵庫に置いてある」

クリスタ「そっか。じゃあ状態を確認したいから、見せてもらえる?」

アニ「えっ、あれでどうするつもりなの?」

クリスタ「大丈夫そうなら、パンプキンパイでも焼こうかなって」

アニ「! やった!」ピョン

クリスタ(可愛い)

アニ「じゃあ早速いこうよ!」

クリスタ「…ん?でも、どうしてこの時期にかぼちゃが?」

アニ「そっ…!それは、たまたま売ってたんだよ!!」アセアセ

クリスタ「うん…?まあ、行こうか」

クリスタ「…」

アニ「…」

クリスタ「…」ハァ

アニ「…!」

クリスタ「…これじゃあ、ちょっと美味しいのは作れそうにないかなぁ…!」

アニ「!!そんなぁ…」ガーン

クリスタ「そんなにがっかりしないで。材料を買いに行きましょう?」

アニ「…わかったよ。んしょ」

クリスタ「かぼちゃ売ってる店は教えてね…って、それ、着ていくつもり?」

アニ「お菓子貰えるまでがハロウィンだからね」ドヤ

クリスタ「これから街に行くんだよ?恥ずかしくない?」

アニ「…//」スポッ

クリスタ「さて材料がそろいました」

アニ「はい」ニヤニヤ

クリスタ「まずかぼちゃを茹でます」

アニ「(頑張って小さく育てたよ)はい」ボチョ

クリスタ「もう!雑にしないの!」

アニ「ひゃあ、ごめんなさい」シュン

クリスタ「次から気を付けてね。…じゃ、かぼちゃが柔らかくなるのを待ちましょう」

アニ「はい」ニヤニヤ

3分後

アニ「…」

クリスタ「…」

6分後

アニ「…」カクン

クリスタ「…」グルグル

8分後

アニ「…zz」

クリスタ「おい」

アニ「ひゃっ」バッ

10分後

アニ「…」ジィーッ

クリスタ「…」シュボッ

クリスタ「オッケ!柔らかくなりました」

アニ「やったぁ」

クリスタ「ではアニ、裏ごしをお願いします」

アニ「ヘラはどこ?」

クリスタ「こっち」つヘラ

アニ「ありがとう」

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

クリスタ「…」

アニ「…ゴリゴリ」ゴリゴリ

クリスタ「口で言わなくてもいい」

アニ「…」ゴリゴリ ゴリゴリ

クリスタ「アニに裏ごしを任せてる間に、パイ生地を伸ばしましょうか」

アニ「はい」ゴリゴリ

クリスタ「伸ばし始める前に、薄力粉を台にまぶします」パラパラ

アニ「ほう」ゴリゴリ

クリスタ「で、生地を二枚重ねて。この型より一回り大きいくらいに伸ばします」ゴリゴリ

アニ「じゃないと覆いきれないもんね」ゴリゴリ

クリスタ「できました」

アニ「お疲れさん」ゴリゴリ

クリスタ「ではこれをめん棒で巻き取り」クルクル

アニ「おおー」ゴリゴリ

クリスタ「型の上で撒き戻して…そこに敷きます」

アニ「できた」ニヤニヤ

クリスタ「お疲れさま。ニヤニヤしてるけど、完成にはまだ遠いからね」

アニ「…はい」シュン

クリスタ「で、余分な生地を落として完成です」

アニ「…」パチパチ

クリスタ「この余った生地も使うので」

アニ「」ビクッ

クリスタ「捨てようとしないでください」

アニ「…はい」シュン

クリスタ「ではこの生地」

アニ「はい」

クリスタ「具を作る間は冷やしておきます。が…」

アニ「氷はもってきてあるよ!」

クリスタ「あっ、ありがとう」

アニ「うん。で…具、作るんだよね?」ニヤニヤ

クリスタ「はい。さっきのかぼちゃをこちらによこしてください」

アニ「どうぞ」

クリスタ「ありがとう。これに卵や砂糖、生クリーム、シナモン粉を混ぜます」

アニ「混ぜようか?」

クリスタ「お任せします」

アニ「頑張るよ」ニヤニヤ

クリスタ「しっかり混ぜてね」

アニ「はい」グルグル

クリスタ「…」

アニ「…」グルグル

クリスタ「…」

アニ「…グ」グルグル

クリスタ「ストップ」

アニ「」ビクッ

クリスタ「そこらで大丈夫です。お疲れさま」

アニ「…」シュン

クリスタ「ではそれを生地の入った型に流します」デロロロロロ

アニ「おおおおおおおお」

クリスタ「何を感動しているのか」

アニ「で、で、次は何やるの?」ニヤニヤ

クリスタ「さっき余った生地を細長く切ります」

アニ「やります」スパパパパパ

クリスタ「さすがアニさん斬撃の進入角度に非の打ち所がない」

アニ「得意分野の一つだからね」フフン

クリスタ「今度教えてね。ではこれを網目状に交差させて置いていきたいと思うのだけれど」

アニ「もちろん。はい」

クリスタ「(やった)網目の重なる部分には卵白をつけます」

アニ「こんな感じでいい?」ベロベロ

クリスタ「いい感じです。全部できたら卵黄を上から塗ってください」

アニ「…」ベロベロ

クリスタ「あ、卵白ついてるからハケを一旦替えてね」

アニ「あっはい」サッ

クリスタ「オッケ」

アニ「…」ベロベロ

アニ「できた」

クリスタ「お疲れさま。ではオーブンで焼きましょうか」

アニ「! やったぁ」ニヤニヤ

クリスタ「40分くらいはかかるけどね」

アニ「ええぇ…」シュン

クリスタ「まあのんびり待ちましょうか」

アニ「…うん」

5分後

アニ「…」ジィーッ

クリスタ「待ちきれないの?」

アニ「うん」ジィーッ

クリスタ「…」

6分後

アニ「っ」フイッ

クリスタ「あ、見るのやめたんだ」

アニ「」クルッ

アニ「…」ジィーッ

クリスタ「…」

10分後

アニ「かぼちゃちょっと余ってるね」

クリスタ「そうだね」

アニ「…」

20分後

アニ「…」ジィーッ

クリスタ「見てても焼き上がりは早くならないよ?」フフフ

アニ「えっ」

クリスタ「えっ」

25分後

アニ「…」ソーッ

アニ「…」ペロッ

アニ「おいしい」

クリスタ「ん?何が?」

アニ「っ」ビクッ

30分後

ダン

ミカサ「アニ!」ハア、ハア

サシャ「アニ!と、クリスタも!」

アニ「ん?二人そろって血相変えて…どうかしたのかい?」

ミカサ「あれっ!?かぼちゃは!?かぼちゃはどうしたの!?」

アニ「あ…貯蔵庫前あたりに置いてきたね」

ミカサ「え…!では、ハロウィンは終わってしまったの…?」ジワッ

アニ「えっ…いや…」

サシャ「!!そんなぁ…っ」

ミカサ「襲われやすいように、アニの周りをうろついているというのに…アニはあっちへこっちへ…」

アニ「ごめんねミカサ…あんたはこういうの好きじゃないって思ってたんだよ」

ミカサ「こういったお祭りごとは、大好き。できれば除け物にしないでくれるとうれしい…」グスッ

アニ「そっか…。ハロウィンは…まだまだこれからだよ!」ダッ

33分後

ガチャ

かぼちゃ「…」

ミカサ「…!」パアア

かぼちゃ「トリック、オア…トリート」

かぼちゃ「お菓」
ミカサ「はいこれ!どうぞかぼちゃさん!」つ袋ドッチャリ

ドン

かぼちゃ「ごっ」ゴロン

バラバラバラ

アニ「…えっと…ありすぎ。勢いも、お菓子も」

クリスタ「すごい量だね。結構かかったでしょう?」

サシャ「私のもあるんですけど」つ袋ドッチャリ

アニ「うわあ…」

ミカサ「二人合わせて、これくらい」コショコショ

クリスタ「えっ…私たちのパンプキンパイと同じくらいかかってるじゃない!」

サシャ「パンプキンパイ?」

アニ「クリスタを襲ったら作ってくれることになった」

ミカサ「通りでいい匂いが…」

クリスタ「よかったら二人もどう?そのお菓子も4人で分ければ、ちょっとしたパーティくらいのことはできそうだけど」

サシャ「パーティですか!」

ミカサ「ハロウィンパーティ…!喜んで!」

ミカサ「…」

ユミル「…くそ、どこ行ったんだか」

ミカサ「あ、ユミル」

ユミル「ミカサか。悪いな、今忙しいんだ」

ミカサ「クリスタを探しているの?」

ユミル「ああ、その通りだ。私は行くよ」

ミカサ「それならパーティーの準備をしているけれど」

ユミル「えっ」

ミカサ「…」

ユミル「…そんなの初耳なんだけど。私呼ばれてないんだけど。クリスタ、私ってそんな」

ミカサ「さっき突発的に決まったこと。だから呼べなかったのは仕方ないと思う」

ユミル「そ…そうか!」パアア

ミカサ「ユミルならクリスタも拒絶しないと思う。参加するつもりなら、私がお皿を取った後戻るのでついてくるといい」

ユミル「けどなあ、何も持たずにパーティーに参加するってのは気が引けるな…」

ミカサ「そう?けど、食べ物はたくさんあるし…」

ユミル「…」

ミカサ「…」

ユミル「…」

ミカサ「あ。飲み物がない」

ユミル「それだ!買ってくる!」

ミカサ「あ…調理室横の小食堂でやるつもりだから」

ユミル「わかった。先に戻っていてくれ!」

ミカサ「ええ」

38分後

アニ「…」ジィーッ

サシャ「…」ジィーッ

クリスタ「まだだよ。もうちょっとだからね」

アニ「…うん」

40分後

オーブン「チン」

アニ「!」

クリスタ「焼けたね」

アニ「やった!」

ガチャ

ミカサ「お皿を取ってきた」

クリスタ「ありがとう」

サシャ「ちょうど焼けたところだったんですよ!」

ミカサ「そう。とても楽しみ」

アニ「じゃあそろそろ始めようか」

ミカサ「待って」

サシャ「いただきまー…どうしたんですか?」

ミカサ「お皿を取りに行く途中、ユミルに会った」

クリスタ「…あ!ユミルに声かけてなかった!」

アニ「声かける間なんてなかったしね」

ミカサ「ユミルに今日の件を伝えると、飲み物を持って参加すると言ってくれた」

サシャ「なんと!ではユミルを待ちましょうか!」

アニ「そうだね」

ガチャ

ユミル「…よう」

クリスタ「ユミル!!ごめんね、声かけてあげられなくて」

ユミル「いいんだクリスタ。現にこうやってここにいるんだから…あ、ここに置いていいか?」

アニ「うん、大丈夫だよ」

ユミル「って…パンプキンパイ?なんでまたそんなもん」

ミカサ「今日はハロウィンパーティーだから」フフフ

ユミル「…ハア?ハロウィン…?」

サシャ「つっこみはなしですよ!今日は楽しみましょう!」トクトクトク

ミカサ「ほら、ユミル」つU

ユミル「お、おう」

アニ「それじゃ、乾杯!」

クリスタ「今思うと、二人でこの量のパンプキンパイはちょっときつかったかもね」

アニ「そうだね。5等分でも結構ボリュームあるし」

サシャ「そうですか?あったらまだ食べられますけど」

ユミル「私だってクリスタが作ったものとあればなんぼでも食ってやれるよ?」

クリスタ「えっ」

ミカサ「…二人はさすがだ。私は食べられてもあと一切れくらい」

アニ「いやそういう問題じゃないと思う後者に至っては」

アハハハハハハハハハハハハ

ライナー「…」

ベルトルト「…」

エレン「…」

ライナー「…楽しそうだな」

ベルトルト「そうだね。女子会ってやつかな」

エレン「人を転がしておいて、よくもまあのうのうと…」

ライナー「まあいいじゃないか。どうせハロウィンの時期につっこんだんだろ?」

エレン「だっておかしいだろ?ハロウィンは」

ベルトルト「まあまあ」

かぼちゃ「」

調査兵「あれは…!?」

調査兵「かぼちゃです!それも10m級の…!」

かぼちゃ「」ヌッ

調査兵「!?かぼちゃに足が生えたぞ!?」

ダッダッダッダッダッダ

調査兵「バカ言え!巨人がかぼちゃの中に隠れてたんだ!」

調査兵「迎え討て!あれは奇行種中の奇行種だ!」

調査兵「いや待つんだ!あいつかぼちゃに出たり入ったりでまるで害がないんだ!放っておこう!」

女型「っ」ガガガガガガガ

女型「…」ギロッ

エレン級「…」

エレン(アニ…)ギロッ

エレン級「アアアァァアアァアアア」

エレン(お前は…いつも)

エレン(周りがバカに見えて仕方ないって顔してたな…)

エレン(いつも…つまんなそうにしてた)

エレン(そんなお前が生き生きしてた時がある)

女型「…」スッ

女型「…」スポッ

かぼちゃ「」

エレン(そのかぼちゃをかぶってる時だ)

エレン(なぁ…アニ…)

かぼちゃ「」ズン ズン

エレン(お前…)

エレン級「…」グッ

エレン(何のために)

エレン級「ッ」ドッ

女型「ッ」ドッ

エレン(かぼちゃかぶってんだ)

エレン級「ッ」ガッ

メキョ

エレン(どんな大義があって)

グッチョリ

女型「」ガーン

エレン(かぼちゃをかぶれた)

調査兵「あいつ…壊れたかぼちゃかぶったまま壁を登るぞ!」

調査兵「なんで速いんだ…このままじゃ…」

アルミン「逃げられる!」

ミカサ「行かせない…」

アルミン「…!エレン…ミカサ!待って!」

ミカサ「!?」

ヒュン

ハンジ「え?」

ミカサ「…」グッ

女型「!」

ズバッ

女型「…!」グラッ

エレン級「…」

アルミン「届いた…」

ズバッ

女型「…!!!」

ミカサ「アニ」

トン

ミカサ「落ちて」

シュウウウウウウウウウウウ


ガキッ

ケイジ「傷一つ…つかねえ…どうなってんだよこりゃあ…何だよ…」

ケイジ「この卑怯者がぁ!」

調査兵「オイ!」

ケイジ「どうしてくれんだ!出てこい!出てきてこの落とし前をつけろ!」

ハンジ「やめなさいケイジ!まずはこれをネットを作って縛る!早く!」

ケイジ「了解…」

ガラッ ガラガラガラガラ

アニ「…?」

アニ「あ、ここ…檻?」

アニ「私…失敗したんだ」

タッ タッ タッ タッ

エレン「…」

アニ「!」

エレン「よう、アニ」

アニ「…」

エレン「俺が話を聞くように抜擢された」

アニ「そう」

エレン「全部、聞かせてもらうぜ」

アニ「…」グッ

エレン「あのかぼちゃについて」

アニ「えっ」

853年

アルミン「アニを捕えた人類は…」

アルミン「食糧問題を解決させた」

アルミン「そう、アニからあの巨人かぼちゃの育成法を聞き出せたんだ」

アルミン「一日たらずで人間サイズに育てられるかぼちゃは即主食に成り代わったよ」

アルミン「あのかぼちゃをもたらしたアニを、人類は英雄として持ち上げた」

アルミン「もちろん初期のころは反対勢力も出てきた。けれど、かぼちゃの背には変えられなかったようだ」

アルミン「かくいう僕もかぼちゃにはだいぶ助けられてるね」

アルミン「栄養価も豊富だし、何よりおいしいし…」

アルミン「主食にしては、ちょっと飽きるけども」

アルミン「それはともかく、現場の士気の向上にもっとも貢献したと言っても過言ではないよ」

アルミン「今では奪還したウォール・マリアの土地を三割も使って育ててるくらいだしね」

アルミン「…アニ?今では、かぼちゃ育成法の印税で平和に暮らしてるよ」

アニ「…」テクテク

アニ「お父さんただいまー」

父「おう、アニ。お帰り。お前なら帰ってきてくれると思ったよ」

アニ「…ごめんお父さん。あのかぼちゃの育成法、壁中に広めちゃったよ」

父「えっ」

アニ「それもめっちゃ…ごめんなさい…」

父「…ふふふ、ははははははははは」

アニ「…どうしたの?」

父「あの育成法には欠陥がある…」

アニ「えっ」

父「土地に含まれる養分を急激に吸い尽くしてしまうんだよ」

アニ「へえ! そうなんだ」

父「そうだ。壁内ではどのくらいのペースで育てていた?」

アニ「んー?人口の30倍くらいは育ててると思う」

父「ならあと10年だ」

アニ「…!」

父「10年で、壁内の人類は自ら絶滅する…」

アニ「かぼちゃが育たなくなったらあいつらどんな顔するんだろうね」

父「フッフッフッフ…ハーッハッハッハッハ!」

アニ「フフフフフフ…」

終わり

ちょっとの間用事があったので
急ぎ足で終わらせた
けど用事もすぐおわった
悲しい

このSSまとめへのコメント

1 :  なぎ   2014年10月06日 (月) 11:50:59   ID: LUxk0w-y

ニヤニヤするアニ可愛い

2 :  SS好きの774さん   2015年06月08日 (月) 20:03:33   ID: uMwhgRhp

アニかわいい♪
つか最後の真実がビックリだわ

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