物陰・・・・


霊夢「うん、アレは駄目だわ。よくて瞬殺。悪くて拷問されるレベルの弱さだわ。」

紫「あ、そうなの。なんか威勢がいい妖怪なんて昨今珍しいから、
　　思わず見逃しちゃったわ。」

霊夢「あんた・・・性格悪いわねえ・・」

紫「ふふふ・・・まあ、いいじゃない。余興程度に楽しめれば・・
　　貴方も見に来るの？」

霊夢「やんない。そんな趣味はない。」

紫「いけずなのねえ・・・」

地霊殿・・・水橋・・・・・・・

モブ妖怪B「ククク・・・ここが、例の橋姫の住処か。」

パルスィ「・・・・・・・・」

モブ妖怪B「見つけたぞ！！橋姫！」

パルスィ「ねえ、貴方は知っているかしら・・」

モブ妖怪B「？」

（パルスィ、モブ妖怪Bには一切目をくれず、手に持った人間の髑髏を弄りながら・・）

パルスィ「貴方の妻はきっと苦しんだと思うわ・・こんな惨めな姿をして、
　　　　　自らを殺めて、貴方を愛していた伴侶の苦しみは・・・
　　　　　きっと、私ですら嫉妬するくらいに酷かった・・・
　　　　　なのに、貴方は自分の苦しみを優先したのね・・」

モブ妖怪B「（なんだ・・・アイツは・・・人間の髑髏に向かって独り言を・・）」

パルスィ「辛かったと思うの。苦しかったと思うの。ああ、でも何故なの？
　　　　　私が妬ましいぐらいに幸せなら、どうして生きようとしなかったの・・
　　　　　憎らしいわ・・・その消極的な態度が憎らしいの・・・・
　　　　　そんなに生きることが嫌だったの・・？誰かの愛を一身に受けたのに・・
　　　　　何故かしら？今日は妬ましくないのよ・・・とても・・・哀しい気持ちなの。」

モブ妖怪B「貴様！！ワタシを無視しているのか！！」

パルスィ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　　　　　・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

パルスィ「・・・・・・・・・・・なんなの・・」

モブ妖怪B「え」
パルスィ「私は今現在食事中なの。なのに、木っ端以下のクズ妖怪が、
　　　　　私の邪魔をしてるの　何故かしラ、嗚呼、そうか。
　　　　　私が無視している事実が妬ましいのね、そうなのね。
　　　　　何も知らないクセに弱いくせに傲慢なくせに私を妬むのね
　　　　　ああ、にくらしやうらめしやねたましや、
　　　　　ナゼ私ノ邪魔ヲスルの！？私ハ他人の不幸に酔いたいダケなのに！！
　　　　　ああ、ああ、ああ、ああ、貴様ハナゼイキテイルノカ！！！！！？？？？？」

モブ妖怪B「な・・（コイツ、いきなり変に・・）」

パルスィ「呪殺怨恨憎悪嫉妬侮蔑差別嗜虐諧謔・・・・・・
　　　　　ソノ凡テ、アマツトコロナクシテネタマシヤ。
　　　　　呪われよ呪われよ呪われよ呪われよ呪われよ！！！」

（ゾルッ・・・・ゾルッ・・・・　　モブ妖怪の足下から蛆の湧いた女の手が何本も出てくる！）

モブ妖怪B「う、うわああ！！」

モブ妖怪B「は、放せ！！や、やめろ！！」

（万力の力で体を掴んでくる！！モブ妖怪Bは動けない！！）

パルスィ「その娘たちは生き埋めなの・・。」

モブ妖怪B「なにを・・」

パルスィ「浮気が夫にバレたの。それで殺されて生き埋められた可哀想な娘たち。
　　　　　ああ、ナゼ貴方は私を殺したの。うらめしいいい・・・
　　　　　ねたましいいいいいいい！！！」

（ゴポリ・・・と、　パルスィの緑眼から血の塊が落ちる、涙というより目玉が丸ごと落ちた様である。）

モブ妖怪「ひ・・・！！ひいい！！」

パルスィ「もう殺すの。我慢できないの殺すの殺すの？私を殺すの？
　　　　　何故なの？何故殺すの？あああああああ、生きているからに決まっている
　　　　　弱いのにクズなのに生きる価値もないのにみなみなナゼ殺すああああああ
　　　　　死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

（モブ妖怪Bに絡んでいた女の手が一本ずつ、何もない空間から包丁を取り出す）

モブ妖怪B「う・・・わああ！！待て、やめてくれ！！俺は単にAにのせられただけなんだ！！
　　　　　　た、たすけ・・」

パルスィ「　　　　　　　　　　刺せ」

（ドスッ、ザクッ、グサッ、グちゅ、ずぶり、ビスっ、）

モブ妖怪B「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい！！！！
　　　　　いだい！！痛いいいいいいいいい！！がああああああ！
　　　　　ぎいいいい！！・・・ンッ！！！」

（びくん、びくん、）

パルスィ「・・・・・・・・・・・・・その姿の方がよっぽど可愛いわよ・・
　　　　　妖怪だから死なないだろうけど・・・暫くその娘たちの慰みものになってあげてね・・
　　　　　ふふ、あははは、はははは！！あっはっはっは！！」

モブ妖怪B「た・・・・すけ・・・・・・かあちゃ・・・・」

（ザクッ！！！）

同時刻・・・地底、街道・・・


勇儀「おんや、まあ・・こりゃまた・・・」

モブ妖怪C「ぐっふっふっふ・・ここから先は通さねえぜ・・・」

勇儀「コイツはでかいねえ・・・流石に驚いたわ・・・」

モブ妖怪C「っぐっふっふっふ、ワシを倒せたらどいてやってもよいぞ・・
　　　　　ま、そんなチンケな体で倒せたらだがな・・」

勇儀「・・・はあ。なんだかなあ・・これはこれで昔を思い出すんだが、
　　　なんというか・・一言で言いまとめると質が悪いっていうかなあ・・
　　　どうしてアタシに言い寄ってくる男どもってのは皆こういうのばっかなんだろうねえ・・」

モブ妖怪C「さあ、どうした！！かかってこい！！」

勇儀「いいよ」

モブ妖怪C「あ？」

勇儀「一発だけ許可するさ。アタシに打ち込んでいいよ。どこでもいい。一発だけな。」

モブ妖怪C「ぶ、ほはははあはは！！！貴様あ！！そりゃマジで言っとるのか！！
　　　　　げははははは！！」

勇儀「はあ・・おまけに、品もないのかね・・始末が悪いな。」

モブ妖怪C「ああ！？なんだと！？言っておくがな・・ワシの拳は軽々岩を砕く岩砕の拳じゃぞ！！」

勇儀「御託並べてないでとっとと来な。これ以上は時間の無駄だよ。」

勇儀「あ、それともなんだ？アタシが女だからもしかしてモタモタしているのか？
　　　見るからに女っけない面してんだしねえ・・・もしかして童貞か？」

モブ妖怪C「（ぶちっ！！！）」

モブ妖怪C「悪く思うなよ、小娘風情が・・流石に今のはキレちまったわい。」

勇儀「おー・・・わかりやすいくらいにやる気だしたな・・」

モブ妖怪C「ぬううううう！！！（凄まじい筋肉をみせつける！）」

勇儀「ふーーーーーーーーーーーん。それなりに鍛えてんだなあ・・」

モブ妖怪C「ぬふふふ！今更何を言っても遅いぞ！！腹ん中のもん全部ひり出させてやるわい！！」

勇儀「あ、鳩尾狙うのね。ヒントありがとな。意外に優しいなお前さん。」

モブ妖怪C「（ぴくぴくぴく　怒）」

モブ妖怪「しいいいいいいいいねええええええええええええ！！！」

（凄まじい拳が勇儀の腹に命中する！！）

（どごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん！！）

モブ妖怪C「・・・・・・・・・・・・？」

モブ妖怪C「え・・・・・・・・・・なん・・・・・・じゃ・・・こりゃ・・・・・
　　　　　う・・・・・・うぎゃああああああああああああああ！！！」

（打ち込んだ岩砕の拳が文字通り砕けて骨が折れ、ぐちゃぐちゃに潰れている。）

勇儀「あー、ごめんごめん。流石に腹筋使っちまったわ。」

モブ妖怪C「ひ・・・・ひいい・・」

勇儀「ん？どうした？もう終わりか？」

モブ妖怪C「ば、ばけもの・・・」

勇儀「アタシより化物みたいな容姿のアンタがソレを言うのかい。
　　　ちょいと傷つくねえ・・そりゃ。」

勇儀「ああ、そういえばケンカはまだ売られてないんだったね。
　　　どうするの？続きをやんのかい？アタシはいっこうに構わないが、
　　　多分手は抜けないからさ・・・」

モブ妖怪C「（((((；ﾟДﾟ))))」

勇儀「アタシと殴りあったら、その拳みたいに、原型とどめないくらいグチャグチャ
　　　の味噌糞になると思うけど、それでもやるか？
　　　重ねていうが、アタシはいっこうに構わないよ・・・」

モブ妖怪C「（じょおおおおおおおおおおお　小便）」

勇儀「おわッ！！も、漏らしたのか！！おまえ！！」

モブ妖怪C「すいっまっせんしたああああああああああああ！！！！」

（凄まじい勢いで土下座した！！）

勇儀「うお！！びっくりした！！」

モブ妖怪C「大妖怪の星熊童子さまにケンカ売った無礼をここに詫びますう！！
　　　　　ウッ・・・それもこれも・・ひぐッ・・全部Aが仕組んだんですう！！
　　　　　うおおおおおおおおん！！！」

勇儀「お、おい、取り敢えず落ち着けな・・」

モブ妖怪C「わ、ワシはしがない妖怪一族の末裔で・・・・！！
　　　　　女房子供がいます！！ですが、急にこの前職を失って、
　　　　　女房には子供を実家に連れて逃げられ！！
　　　　　金は失い！！クズ同然になっていたところを！！
　　　　　ヤツは！！ワシに美味い話があると！持ちかけてきたのですう！（涙）」

勇儀「あ、そう・・・そうなんだ・・・まあ、それはいいから泣くなよ。
　　　大の男がメソメソしてちゃ見苦しいしな。」

モブ妖怪C「おっ・・・おっ・・す、すいましぇん・・・」

勇儀「えーと、つまり、そのAってのがお前にアタシらを襲えって・・・
　　　言ったわけか？」

モブ妖怪C「い、いえ！襲えといったわけではありません！！
　　　　　ヤツは！！この、地底を支配し！ひいては、地霊殿の主になると言い出したのです！！」

勇儀「」

モブ妖怪「だまされたんです！ワシは！女房子供に会いたい一身でついてきました！
　　　　　ヤツはこうも言ったのです！！「地底になんぞロクな妖怪がおらん。弱者ばかりが
　　　　　吹きだまっておる。」と、ワシにそんななけなしの希望を持たせたの
　　　　　です！！」

勇儀「あー・・・おっさん。スマンがな。それはいいんだ。だがな。
　　　さっきお前さんが言ったことが少々聞き捨てならん単語があったんだが・・」

モブ妖怪C「え？」

勇儀「えーと、ほら、さっき「地霊殿の主になる」とか、言ったのかそのAってヤツか？」

モブ妖怪C「は、はあ・・確かにそう言って・・」

勇儀「あー・・そりゃ、まあ、そうなるわなあ・・・。
　　　うん、おい、おっさん。多分ソイツもう戻ってこんぞ。」

モブ妖怪C「え、なにが・・」

勇儀「お前さんは寧ろ一番運がいいってことだな。もしかして、
　　　お前さんの他にも騙されたヤツが居たりするのか・・？」

モブ妖怪C「は、はい。ワシともうひとり、Bというヤツがいましてな・・
　　　　　なかなか気性の荒い小娘ですが、妖力だけは本物・・」
勇儀「そいつは、どこにいる？」

モブ妖怪C「え、たしか、橋姫を狩る手筈になっていたはずですが・・」

勇儀「な・・・・・」

勇儀「なんでそれを早く言わねえんだよ！アイツ今絶賛欝期突入中だぞ！！
　　　アタシですら近づきたくねえのに！！連れ戻さねえと多分死ぬぞ！！
　　　あー、妖怪だから死なねえけど・・多分精神的に死ぬぞ！」

モブ妖怪C「な・・なんと。それは確かに・・」

勇儀「だいたいお前さん達の妖力なんぞ雀の涙みたいなもんじゃねえの！！
　　　おおかた、余りに弱すぎたんで他の妖怪から感知されなかったからここまで侵入出来たんだろうが！」

モブ妖怪C「そ、そういえば、地底の入り口で桶に入った妖怪が居たような・・」

勇儀「（キスメですら無視すんのかい！）」

モブ妖怪C「しかし、ならば早く助けにいかねば！」

勇儀「お、おい待て！！」

地底・・・・・水橋・・・付近・・・

モブ妖怪C「Bいい！！Bいい！！どこへいったんじゃあ！！
　　　　　作戦は失敗じゃぞおおおお！！」

モブ妖怪C「むうう・・なんじゃこの嫌な感じは・・・立っているだけで寒気と気持ち悪さが同時にくるわい。」

（ぴちゃ）

モブ妖怪C「ん・・・？なんじゃ？水たまりか・・・・

モブ妖怪C「」

（どろっ・・　紅い血が一面に地面にぶちまけられている）

モブ妖怪C「ひいいいい！！」

パルスィ「くすくすくす・・・」

モブ妖怪C「！！」

パルスィ「・・なの・・・・・・・へえ・・・・・・それは・・・ねえ・・」

モブ妖怪C「だ、誰かおるのか・・・！！」

（モブ妖怪C　闇の中を進む・・・）

地底・・・水橋・・・・・

パルスィ「あはは・・・そうね。貴方の言うことだからそうなのよねえ・・
　　　　　本当に面白いですわ・・。うふふふ。」

（ドスッ。　　手に持った包丁を「ナニカ」に刺す）

？？？「ひぎ・・・・・・・・・・あ・・・・・！」

パルスィ「またお会いできるなんて嬉しいですわ・・・ああ、もう一度語らいたいのですわ。」

（ザクッ）

？？？「あ・・・・・・・・・・・・・が・・ああ・・・・」

モブ妖怪C「」

モブ妖怪C「ひ」

モブ妖怪C「うわあああああああああああああああああああああああああああああ！！」

勇儀「くそ！！遅かったかね！！」

モブ妖怪C「おええええええ！！げええええええええ！！ぐ、ぶ、げええええ！！」

勇儀「パルスィ！！お前！！なにやってんだ！！」

パルスィ「ああ、これはこれは伊右衛門さま。こんなところに居らしたのですね。」

勇儀「は？」

パルスィ「夕餉に準備をしていましたの。お口に合うか分かりませんが、
　　　　　あなた様に食べていただきたくて・・」

（グスッ！！）

モブ妖怪B「あ・・・・い・・や・・・・・・め・・・・・・・・・」

勇儀「その首から下が原型留めてないソイツが夕餉ってか！
　　　笑えない冗談もそのへんにしときな！（駄目だコイツ、完全にトランスしてるわ・・）」

モブ妖怪C「む、惨い・・・なんと・・こんな・・狂気じみたことが・・・」

勇儀「・・・おい。」

モブ妖怪C「はい・・？」

勇儀「暫くヤツはアタシが相手しておくから、その隙にBってやつを持って行きな。」

モブ妖怪C「！」

勇儀「まあ、今日知り合った仲だが、あんなもん見せられたら放っておけないしな。」

モブ妖怪C「なんという・・・・慈悲ぶかさ・・。この恩は忘れませぬ！」

勇儀「おーい。パルスィ・・・・じゃなかったな。今は・・お岩さんかね。
　　　お岩。夕餉はいらぬから、少しこちらに来ぬか。」

勇儀（今だ・・行け！）

モブ妖怪C「はい！」

（パルスィが勇儀に近寄ったため、CがBを助ける）

モブ妖怪C「し、しっかりせえ・・いま、外で再生出来るようにするからの・・
　　　　　それまでの辛抱じゃ・・」

モブ妖怪B「あ・・・・C・・・な・・・・・なん・・・・で・・・」

モブ妖怪C「（うう、見ているだけで気を失いそうじゃ・・一体何回刺せばこんなことになるんじゃ）」

勇儀「（うまくいったかな。）」

パルスィ「あの・・伊右衛門さま？近づきましたが・・？」

勇儀「（さて、後は・・・・）」

（むにゅ）

モブ妖怪C「むほ！？」

（むにゅ、くにゅ、　勇儀おもむろに胸を揉む・・・反省はしていない）

パルスィ「あ・・・ん、いけません伊右衛門さま。まだ夕餉の準備が・・・
　　　　　ああん♥」

勇儀「よいではないか。よいではないかー（棒読み）」

（無表情でひたすらセリフをつぶやき胸を揉む）

パルスィ「ああん♥そんなダメです。そこは、そこはあああああ！」

モブ妖怪C「こ、これが俗に言うおなごの花園か・・・って、いかんいかん！
　　　　　Bよ、すぐにたすけるぞ！」

勇儀「よいではないかー、よいではないかー・・（げんなりするわ・・・コレ）」

パルスィ「ああ♥すごいですう♥こんな・・・ああ・・・わたくしい・・・
　　　　　おかしくなってしまいますぅ・・♥」

勇儀「（いつまで続けんのかな・・コレ）」

（その隙にB&C逃げ出す・・）

少し・・・・・時間戻って・・・地霊殿・・

A「たのもー！！我こそは地上最強の妖怪である！！命がおしくば！
　この地霊殿を渡すがいい！！」

（しーーーーーーーーーーーーーん　　無音）

A「ぬ、聞こえなんだか・・！たのもーー！！」
さとり「五月蝿いですよ。聞こえてます。」

A「おわああああ！びっくりしたあ！！」

以降、妖怪達は、A、B、Cの省略単語で示します。
すいませんが、失礼します。

A「き、貴様が地霊殿の首魁。怨敵さとりか！！」

さとり「おや。あなたに恨まれるようなことはしていませんが・・・」

A「とぼけても無駄だ！この我が妖気を恐れて

さとり「ですからしていませんよ。あなたに恨まれるようなことは、一切。
　　　　あなたの中には残っていません。そんな心は。」

A「な、なにを

さとり「「何を言うか！我の妖気怖さに遠くから我に嫌な気を放っていたではないか？」
　　　　ですか、生憎私は貴方になど気を放った覚えはないですよ。」

A「え

さとり「「え、なんで？なんで僕が言ったことが分かるの？」ですか、
　　　　ああ、容姿にピッタリな喋り方ですね。そのほうがよっぽど可愛らしいですよ。」

A「う

さとり「「嘘、もしかして心が読まれてるの？怖い」ですか、あんなに大声を張って
　　　　いたのにもう怖くて仕方がないのですか・・ああ、これは残念な話ですね。」

A「あ・・あ・・」

さとり「貴方のことはよく分かりますよ。幼稚な考えで、この地霊殿に来たことも、
　　　　なぜ、あなたが地底の妖怪に興味を持ったのかも、どうして地霊殿の主になろうとしたのか、
　　　　これからどうしたいのか、全て・・・・分かるんです。」

A「そんな・・なんで」

さとり「嗚呼、そうですか。余りに容姿が可愛らしいので驚きましたが・・
　　　　あなたは男の子なのですね。申し訳ない。最初見たときは、
　　　　とても可憐な女の子がきたな。という、私事で感想を抱いた次第なのですが、
　　　　そう・・・そうなのですね。自らのコンプレックス。
　　　　自分は男の妖怪なのにこんなに可愛らしく女らしい容姿で生まれてきてしまった。
　　　　そのコンプレックスを解消するためにこんな幼稚で愚かで下らない遊びを思いついたのですね。
　　　　ひどく後悔しているのですね。分かります。怯えているのもね。
　　　　他の妖怪から女々しいと馬鹿にされ、そんな自分を変えたかったから、
　　　　二匹の妖怪を募り、こんな浅ましい暴挙にでたと。
　　　　なるほど、つくづく救いようがない愚劣さですね。」

A「ひ・・」

さとり「力もない。頭もない。人望もない。今頃は・・・
　　　　募った妖怪たちも皆殺されているでしょう・・。
　　　　地底の妖怪たちは容赦がありません。地上の様に見逃されることはない。
　　　　あなたのせいで、死ぬんですよ。こんな下らない遊びの対価がお仲間の死、
　　　　そして、貴方自身もタダでは済まないのです。
　　　　お前のせいだ。お前が殺したんだよ。小僧。お前が悪い。生まれてきたのも、
　　　　その姿も、周りを恨んでも意味はない。結局その姿で現れたお前に全ての責任があったのだ。」

A「あ・・・・・・・・あ・・・((((；ﾟДﾟ))))」

さとり「ああ、なんという無能さ。この期に及んでまさか、「逃げなきゃ」、
　　　　逃亡という単語を思いつくとは・・今私の妖気を見て思ったのですね。
　　　　「このままでは殺される」と、安心なさい。貴方のようなゴミを殺したところで、
　　　　私の手が汚れるだけです。よって、殺しはしませんよ。その代わり、
　　　　逃がしもしないですよ。
　　　　逃げる？まさか？この地霊殿の主から？おお、なんと浅ましい。
　　　　そんなこと程度の考察力だからお前は、ここまできたのだろう。
　　　　最初から知っていたよ、お前たち雑魚が地底にやってきたのも、
　　　　キスメとヤマメに襲わせないよう私が指示したからだ。
　　　　気づかなかったのか？余りに弱すぎて他の妖怪たちからも相手にされない。
　　　　無力でかよわい乙女妖怪。ん、違うのかな？
　　　　それともこう呼ぶべきかな、なりそこないの腐れ童。
　　　　無責任なオカマ妖怪。ははは。」

A「ひ・・・ひいい・・」

さとり「悦べ。私は寛大だ。ゴミクズにすら手を差し伸べてやる気はある。
　　　　最初に貴様の無礼「思ったより小さい」と思ったことは許してやる。
　　　　だが、それ以外はだめだ。もう救ってはやれん。
　　　　よって、貴様は労働という条件で罪を贖ってもらう。
　　　　暫くはドブ水をすするような気持ちで仕事に励んでもらう。
　　　　無理だ。逃さん。もう逃げられないんだ。何も考えるな小僧。
　　　　全て　無駄だ。」

A「」

さとり「さて、ではどこで働いてもらおうか。
　　　　お前にはお誂え向きの場所がある。ちょうど人手が欲しいという
　　　　働き口がある。お前にはそこで肉体を酷使してもらう。
　　　　もう無理だ。諦めろ。いくつも逃げる策を思い描こうが、
　　　　私は常におまえの一歩先をいっている。考えるな、俗物が。」

？？？「あらあ、まあ。」

A「！？」

さとり「きましたか。流石に早いですね。」

オカマ罪袋「やだもう！こんなに可愛い子だとは聞いたなかったわあ！！
　　　　　　もう、今すぐここで食べちゃいたいくらいねえ・・」

A「（ビクッ！！）」

さとり「紹介しましょう。こちらの方は地底温泉街の裏側でゲイセクシュアル専門のお店を
　　　　経営してらっしゃる罪袋さんです。もう、お分かりですね。小僧？」

A「や・・・やだ・・・」

オカマ罪袋「んふふふ・・怖がらなくていいのよ坊や。初日はちょっとキツイかもしれないけど・・
　　　　　　その前にみんなで「練習」すれば何も怖くないわ・・指三本どころか・・
　　　　　　腕の一本丸ごと入っちゃうくらい楽になるわ・・・坊やならその素質があるもの・・。」

さとり「あいも変わらず、あなたは大変に仕事熱心ですね。もうその「練習」の算段ですか。」

オカマ罪袋「うふ。まずはウチの一番の子。ヘリントンちゃんと組ませてあげる。
　　　　　　大丈夫よ。すごくいい男だし。歪みないくらいに優しい人だから、
　　　　　　こんな高待遇は他にないわ・・多分ウチくらいよ。一度働いたら・・
　　　　　　今まで退職しちゃった人なんていないもの。きっとすごく仕事が好きになるわ・・」

A「やだよぉ！！おうち帰りたい！！たすけ・・」

さとり「しゃべるな。小僧。この場で八つ裂きにしてキスメの餌にするという選択肢を
　　　　選びたいのか・・？」

A「ひ・・・！！」

オカマ罪袋「ああもう・・可愛いわあ怖がった顔もセクシーねえ・・・これなら、
　　　　　　初日から指名はいりまくりだわ・・なんて蠱惑的なのかしら、男の娘・・・
　　　　　　甘美な響きだわあ・・・」

（Aの顔を触るオカマ）

A「やめて・・！触らないで！」

（ポカポカ　叩いているが・・・まるで効果がないようだ。）

オカマ罪袋「あああ、いいわぁ・・♥痛いのって好きなのよねえ・・
　　　　　　もう我慢できないわ！この子今日から雇ってもいいかしらあ・」

さとり「お好きにどうぞ。どうせ外へ言ってもただの役立たず妖怪ですから、
　　　　まずは地底の妖怪社会を根本から学んで頂きましょう。」

オカマ罪袋「んふふ、許しが出たわ・・さあ、坊や・・・行きましょ・・・。」

A「や、やだぁ！！話してよ！もう、こんなことしないから！助けてよぉ！」

さとり「助ける？ご冗談を？では達者で、あなたは今この瞬間そちら様の従業員になりました。
　　　　これから働ける悦びを堪能してきなさい。私も応援しますからね。
　　　　さようなら。」

A「・・・！！」

オカマ罪袋「さて」

（ぐいっ　、とAの腕を掴み引き寄せる）

A「は、放せ・・・放して！！」

（ドムッ！！）

A「ぐぷ・・！！」

（気を失うA）

オカマ罪袋「ああ、殴りごごちも最高・・！腕が蕩けちゃいそう・・！
　　　　　　んー堪んないわ・・！やっぱりヘリントンちゃんじゃなくて・・
　　　　　　あたしが初夜の相手にしようかしらあ・・！！」

さとり「なんとも熱いことですね。仲睦まじいのは良きかなですね。」

さとり「さて、これで残りはどれだけありましたかねえ・・
　　　　他に従業員が不足している企業等に従業員を斡旋しなければ行けませんね。」

数日後・・・・水橋


パルスィ「色々なんかごめんなさい。っていうか、生まれてきてごめんなさい。」

モブ妖怪B&C「いきなり土下座！？」

勇儀「ほら、ちゃんと迷惑かけたんだから謝れって」

モブ妖怪B「いや、私は死にかけたんだから迷惑どころじゃない気が・・」
モブ妖怪C「うん、まあ・・なんだかのう・・」

パルスィ「だからね。仕方ないのよ。この時期私の周りって怨霊いっぱい寄ってくるから、
　　　　　意識トンだり色々おかしくなるのよ。でもね、言っておくけど、あなたたちだって、
　　　　　悪いんだからね！そんな危険人物トリプルAみたいな状態な私に近づく注意力の無さ、
　　　　　ああ、もう考えただけでその呑気さが妬ましくなってきたわ！！
　　　　　妬ましいわ！！」

モブ妖怪B&C「（えーーー・・・理不尽・・・）」

勇儀「はあ・・・・・・・・。な、こういう奴なのコイツって・・。
　　　お互い妖怪だから良かったけど・・人間だったらえらいことになってたぞ、コレ。」

モブ妖怪B「私の、あの、苦しみは・・・一体・・・あ、思い出しただけで吐き気が・・」
モブ妖怪C「き、気をしっかり持つんじゃ！」

>>50,>>51
で、モブ妖怪の記載がそのままになっていました。
以降A、B、C単語のみでしっかり区別します。
すんませんです。

勇儀「ま、そりゃ別にいいけどな。ところで、Aはまだ見つからんの？」

B「はい、私も感知で探してはいるんですけど・・」

C「今更だけど・・おぬし、そんな能力あったなら橋姫様の妖力感知して逃げ出せたん
　じゃないのかのう・・・」

B「え・・・・あ！？　そうだったわね！　忘れてたわ・・」

C「（天然か！？天然だったのか！？こやつ！？）」

勇儀「んーー・・そうかあ・・流石に居ねえかあ・・ま、アイツの手にかかったとしたら、
　　　万が一にも逃げ場なしだからなあ・・今頃強制労働だろうな・・」

C「その「さとり」というのは本当に恐ろしい妖怪なのですなあ・・ワシはしらんかったが・・」

勇儀「アタシやパルスィなら、普段そんなに恐ろしくないけど
　　　アイツは格別に性格悪いうえに心が読めるからな・・・
　　　更に自分の目的のために手段選ばないしな・・・」

B「（包丁で八つ裂きにするような妖怪って・・・恐ろしくないのかな・・？）」
C「（ワシは腕がメチャメチャになったがな・・・）」

勇儀「まあ、どっちにしろ、あんたら二匹は運がいいねえ・・・・
　　　弱くて更に運がないのってのは一番辛いもんだからねえ・・」





（終わり）

てっきりCが嘘を含んだ命乞いして潰されるのかと思った
乙

東方求聞口授より抜粋

怨霊も恐れ怯む少女
古明地さとり

能力：心を読む程度の能力

危険度：極高

人間友好度：皆無

主な活動場所　地霊殿

>>55


実はその展開が良かった気もしたんですが、
なんかこんなんになってしまいました。
読んでくれてありがとうございます。

オマケ

紫「ここね・・・」

（ギィ・・・　扉を開ける）

ヘリントン「アッーーーーーーーーーーーー！！」
ビオランテ「ふふぅーyeah!!」
吾作「蟹になりたいね・・」カズヤ「げいばあああああああああ！！！」
コスギ「FUCK　YOU！！」

紫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

紫「想像以上ね。この世の筋肉肉塊をここまで詰め込んで悪い冗談にまで昇華した
　　汚物の群れ・・・というのが正しいかしら・・・まあ、なんていうのかしら・・
　　魅惑のアニマっていうのは・・度し難いまでに考察が難しい部類だわ・・」

オカマ罪袋「あら！？あらあら！？紫ちゃんじゃない！！」

紫「お久しぶりですわ。経営の方は上手くいっているようですわね。」

オカマ罪袋「ふっふっふ・・もちろんよ。この世界には男と女の性だけが決まりではないもの・・
　　　　　　お客様にはこれでも恵まれているのよ・・」

紫「入った途端にこれみよがしに哲学的な光景が広がりましたわ・・
　　なんというか・・お仕事熱心ですね。」

オカマ罪袋「当然だわあ・・最近売り上げも伸びに伸びてるの・・。
　　　　　　最近入った新人の子ががっぽり稼いでくれちゃうのよ・・」

紫「へえ・・新人ですか。それはそれは、きっと美形の方ですのね。」

オカマ罪袋「んふ♥すっごく可愛いのよ。多分紫ちゃんでもクラっときちゃうかも。」

紫「私はそういうのはもう卒業して相当たちますからね。」

オカマ罪袋「あっはっは！！それもそうねえ・・でも本当にすごいのよその子。
　　　　　　僅か三日で売り上げトップ。しかも指名なんて一日何十人も来るから・・」

紫「それはまた物々しいですわね。」

（ガチャッ　　個室が開く音）

A「ねえ・・今度はもっといろんな体位でして欲しいの・・♥
　僕のこと忘れないでねェ・・・おじさん。」

モブ客「う、うん・・・もちろんだよ！！いやあ・・・でも最高だったよ。
　　　　そのへんの女なんていらないって思っちゃうくらいだ・・」

A「うれしいな・・今度も僕のこと指名してね・・たっぷりサービスするからぁ♥
　一時間でも二時間でも延長していいからねェ♥」

モブ客「うんうん！！もちろんだよ！！今度はたっぷり時間をとってくるから楽しみにしててね！」

A「ハぁい♥またのお越しをーーーーー！！」

紫「どうしてこうなった。」

オカマ罪袋「あらあ？紫ちゃんあの子と知り合いなの・・？」

紫「ん・・いえ、・・・この世界は本当に可能性の魔窟ですわ・・・。
　　ほんの少し驚いただけです。」

オカマ罪袋「？」

A「あ、マスターぁ♥今日も指名２５人入りましたぁ。
　　宜しくおねがいしまーす♥」

紫「（２５人とか歪みねえな！！！）」

オカマ罪袋「うんうん！やっぱりAちゃんは今年一番だわ！！
　　　　　　今日もいっぱいお客様を楽しませてあげて頂戴ね！！」

A「はぁい♥でもぉ最近僕やっぱりィ、マスターのが一番欲しいんですぅ♥」

オカマ罪袋「んもう・・・イケナイ子ね・・仕事終わったら個室２０番空けとくわ・・
　　　　　　その時に楽しみにしてるのよぉ♥んふふ」

A「ありがとうございますぅ♥僕精一杯がんばります！！」

紫「本当にどうしてこうなった。」

紫「（ま、いいか。この世には適材適所ということわざがあるくらい。
　　独り言にはなるが・・彼にはここが適任らしい・・・なんとも
　　口にするのも喜劇・・というやつですか。
　　それにしても、幻想郷は全てを受け入れる・・・それはそれは残酷な話ですわ・・
　　彼もそうやって全てを受け入れていくのかしら・・・・それはまた、別の機会かしら・・
　　ではでは次の物語の隙間に現れるとしましょう・・・それでは・・・）」


（終わり）

乙

おっつん