P「思い出の街、横浜」小鳥「またひとつ」 (60)
以前、VIPに投下したものを書き足したくなったので書き足しをしました
お付き合いいただければ幸いです
それでは、よろしくお願いします
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387033464
――765プロ事務所
――17:30
P「あ~、明日は土曜日かぁ…」チラッ
P「…」
P「…久しぶりに、横浜にでも行くか」ボソッ
小鳥「あら?プロデューサーさん?明日はお出掛けですか?」クスッ
P「…ははっ。聞こえてましたか」
小鳥「えぇ。ばっちりと」クスクス
P「横浜には、思い出がたくさん詰まっているんですよ。言うなれば、思い出の街、ですかね…」
小鳥「あら、そんな遠い目をしちゃって」
P「そんな目…してました?」
小鳥「何て言うのかな?昔を懐かしむ感じ?あっ!もしかして~?ふふっ。女の子との思い出とか?」クスクス
P「…」
小鳥「あ、あら?正解、ですか?」
P「まぁ…そんなとこです。と言っても、もう何年も昔の話ですよ」
小鳥「プロデューサーさんの思い出話、ですか。ふふっ。ちょっぴり聞いてみたいです」クスクス
P「…」
P「つまらない話ですよ?」
小鳥「ふふっ。それを決めるのは、私です♪」ニコニコ
P「はぁ…」ハァ...
P「もう何年も昔の話です。当時、横浜に住んでいたんですよ。山手という所に」
小鳥「根岸が近いですよね。三渓園に森林公園!」
P「よく知ってますね。それで、当時付き合っていた女の子とのデートは山下町や元町、桜木町あたりが多かったんですよ」
P「潮風が吹かれて、いい街でしたっけ。手を繋いで馬車道を歩いたり、紅葉坂という所を抜けると、みなとみらいに出るんです。その坂をのんびり歩いて」
小鳥「…」
P「夜には、港の灯りが綺麗でした。夜には、貿易船の汽笛が時折聴こえて」
小鳥「ロマンスに揺れる街…ですか。ふふっ。ロマンチックですねぇ」
P「それこそ、俺と彼女の思い出の街だったんですよ」
小鳥「…別れちゃった…んですよね?」
P「えぇ。最後は必ず元町で別れていたんですが、やっぱり最後も元町でした」
P「若かったんですよね。なんせ学生時代でしたから。心変わりというのは、いつきてもおかしくなかったんです」
P「…」
小鳥「こころがわり…ですか」
P「…」
P「…はい」
小鳥「あっ…あのっ!」
P「はい?」
小鳥「あのっ!明日っ!」モジモジ
小鳥「明日…横浜に…行くんですよね?」
P「えぇ。もう何年もプライベートでは行ってませんでしたけど、たまにはいいかな…と思いまして。それに、今の横浜を知っていれば、仕事にも色々と使えると思いますし」
小鳥「…あの…その…」チラッ
P「?」
小鳥「…私も…一緒に行ってもいいですか?」
P「えっ?」
―――
――
―
次の日(土曜)
――桜木町駅前
――10:00
P「…まさか、小鳥さんと横浜を散策することになるとは思わなかったなぁ…」
P「…」キョロキョロ
P「ここも、変わらないな…」
『うわぁ!やっぱりらんどまーくはたかいねぇ!おにいちゃんよりもおっきぃ!』
『すごいね!かんらんしゃのきらきらがはなびみたい!ねぇねぇ!こんど、いっしょにはなびをしようよ!』
『おにいちゃん!にほんまる!あれ、いろんなとこにいってたんだよね?いつかわたしも、おにいちゃんといろんなとこにいきたい!』
P「はぁ…忘れたつもりだったんだけどな」
小鳥「プロデューサーさん?」
P「…」
小鳥「むっ!」
小鳥「…にひっ♪」
――ピトッ
小鳥「だ~れだっ♪」
P「おわっ!?えっ?えっ?」アセアセ、アセアセ、
小鳥「ふふっ。だ~れだっ?♪」クスクス
P「ははっ。小鳥さん、ですよね?」
小鳥「ぴんぽ~ん♪」
P「待ち合わせの時間には、ちょっと早いですよ?」
小鳥「ふふっ。楽しみで楽しみでいてもたってもいられなくて…」
P「ははっ。そうですか」
小鳥「さてプロデューサーさん?まずは、どこに行きます?」
P「…」
P「えっ?」
小鳥「『えっ?』じゃないですよー!今日はデートなんですよね?なら、今日はプロデューサーさんがエスコートしてくれるんですよね?」ニコニコ、ニコニコ
『も~!たまにはおにいちゃんが私をえすこーとしてっ!これは、でぇと、なんだよー?』
P「っ!」
P「…」
P「ははっ。あははっ!」
小鳥「プ、プロデューサー…さん?」
P「あははっ!良いですよ!じゃあ今日は、俺が小鳥さんを連れ回しちゃいますからね?覚悟…してくださいよー?」
小鳥「ふふっ。気合い入ってますねぇ。いいですよ?私はもう覚悟してますから」クスクス
P「じゃあ、まずはランドマークタワーにでも昇りますか!」
小鳥「私、実はランドマークタワーに昇るのは初めてなんです!」
小鳥「…」チラッ
P「小鳥さん?」
小鳥「優しく…してくださいね?///」モジモジ
P「さぁ行きますよー?」スタスタスタ...
小鳥「あんっ!ちょっとはノってくれてもいいと思いませーん?」トテトテトテ
P「だって、小鳥さんにノると終わりが見えないんですもん」
小鳥「あなた様は…いけずです」
P「貴音のマネですか?なら、もう少し上目遣いにするともっと似ますよ?」クスクス
小鳥「…もぅっ!プロデューサーさんのばかっ!」
―――
――
―
――ランドマークタワー69F展望フロア(スカイガーデン)
小鳥「ふわぁ!こ、これは…想像以上に高いですね。わぁっ!富士山!おっきーですねぇ!」ピョンピョン
『やっぱりここすごいね!ほらほら、ふじさんだよ!ふじさん!わぁー!おっきー!』
P「ははっ。もう何度も昇ってんだから、そんなに驚くなって!」ナテナデ、ナテナデ、
小鳥「へぇっ!?プッ、プロデューサーさん!?あのっ!?そのっ!?///」モジモジ、
P「あっ!」
小鳥「…///」チラッ
P「…」
P「あ、あぁ…すいません…。嫌…でしたよね?つい『癖』で…」
小鳥「…い、いいえ///」テレテレ
小鳥「…そんな、すっごく優しい目で撫でられたら、文句なんか言えません…」ボソッ
P「えっ?優しい目?」
小鳥「あっ…。な、なんでもないです///」
P「そっ、そうですか…」
小鳥「…はい」
P・小鳥「「…///」」テレテレ、
('A`)「リア充爆発しろ」
P「そっ、そうだ小鳥さん!あそこに二人掛けのソファがありますよね?あそこに座って、ちょっと待っててください!」タッタッタッタッ...
小鳥「えっ?ちょっと!?…行っちゃった…」
小鳥「…」
小鳥「…待ってよっと」
小鳥「…遅いなぁ…」
小鳥「…」
小鳥「…あの時のプロデューサーさんの目…あの人、あんな優しい目もするのね」ハァ...
P『ははっ。もう『何度も』昇ってんだから、そんなに驚くなって!』
小鳥「でも、あれって…」
P「お待たせしました、小鳥さん」ピトッ
小鳥「ひゃっこい!」ビクッ
P「あはは!ひゃっこい!って!」ストン
小鳥「も~!誰だってビックリしちゃいますよー!」プンスカ
『もー!急にジュースをピトッてしたらビックリするよー!お兄ちゃんのばかっ!』
P「あはは!ごめんごめん!ほらほら、これオゴるから許してくれよ。好きだろ?オレンジジュース」クスッ
小鳥「…?(あ、また…)」ピクン
P「どうしました?あっ、アイスコーヒーのが良かったです?」
小鳥「…あっ、いいえ。オレンジジュースも好きなので」
P「急に黙っちゃうから、ドキドキしましたよ…」
小鳥「…(気付いてないのかしら…)」チュー
小鳥「…あっ。おいしい」
P「でしょう?」
小鳥「はい♪(まっ、いいか)」
P「やっぱりここは落ち着きますねぇ。雲の上っていう非現実感がソソられます」チュー
小鳥「ふふっ。厨二病ですか?」クスクス
P「ははっ。違いますって」
小鳥「さて、次はどこに行きましょうかねぇ…」
P「ふふふ。次はもう決めてあるのです。さっき飲み物を買いに行く時に決めました」
小鳥「…おっ?それは楽しみですねぇ。で、どこですか?」クスクス
P「それは…」ニヤッ
―――
――
―
――野毛山動物園
――11:30
小鳥「…入園料タダの動物園なんて初めてです!」ワクワク、ワクワク
P「でしょう?無料なのに、ちゃんと動物園なところが素晴らしいんですよ」
小鳥「プロデューサーさん!はやくはやく!キリンさんとかぞうさんとかいますかね!楽しみです!」ギュッ、グイグイ、グイグイ
『おにいちゃん!はやくいこーよ!ぞうさんとかきりんさんとかいるかなぁ!たのしみだね!』
P「ちょっ!そんな引っ張るなってー!」タッタッタッタッ、
小鳥「…」ピタッ
P「…小鳥さん?」ハァ...ハァ...
小鳥「…あ、いえ。何でもないです!」
P「…?」
小鳥「…」
―――
――
―
――ふれあい広場
小鳥「わぁっ♪可愛いです~!」キラキラ、キラキラ、
ひよこ「ぴよぴよ、ぴよぴよ」ヨチヨチ、ヨチヨチ、
小鳥「このぴよちゃん、触ってもいいんですよねっ?よねっ?」ワクワク、ワクワク、
ぴよちゃん「ぴよぴよ、ぴよぴよ」ヨチヨチ、
P「えぇ。大丈夫です。思う存分、触ってください」
小鳥「ふふっ♪ぴよちゃんは可愛いでちゅねぇ」ニコニコ、ナテナデ、ナテナデ、
ぴよちゃん「ぴよぴよ♪」
『わぁ!ひよこさんかわいー!あははっ!おにいちゃんよりもかわいー!ねぇねぇ!わたしがおにいちゃんよりも、ひよこさんをすきになっちゃったらどうするー?』
P「…」
小鳥「…プロデューサーさん?」チラッ、
P「えっ?」ビクッ
小鳥「…ボーっとして…どうしたんですか?ふふっ。もしかして、今日が楽しみで寝不足!とか?」クスクス
P「あっ!はっ、ははっ。実はそうなんですよ!」
小鳥「…」
小鳥「ふふっ。プロデューサーさんも案外お子様なんですねぇ」クスクス
P「そんなことないですってー!」
小鳥「…(うそつき…)」
――港の見える丘公園
――17:00
P「本日の横浜散策、最後を飾るのはここです」
P「港の見える丘公園」
小鳥「うわぁ…夕陽が奇麗…」
『わたし、ここからみるゆうひがいちばんすき。だって、おにいちゃんとはじめてあって、はじめてちゅーをしたおもいでのばしょだから』
P「…」ボー
小鳥「…」
小鳥「…プロデューサーさん」
P「…あっ…なんです?」
小鳥「…いい加減にしてください」
P「…えっ?」
小鳥「…」ジッ
P「あの…小鳥さん?」
小鳥「…そうですよ?」
P「えっ?」
小鳥「…」
小鳥「私は音無小鳥です」
P「いや、それはそうでしょう?小鳥さん、何を…」
小鳥「嘘」
P「えっ?」
小鳥「私は音無小鳥なんですよ」
P「だから、知って…」
小鳥「嘘です」
P「あの…言ってる意味が…」
小鳥「プロデューサーさんは、私に誰を重ねてるんですか?」
P「…」
P「…えっ?」
小鳥「朝からおかしかったのは気付いていました。いつもより優しい目をしていたり、言葉も凄く…それこそ『恋人』同士の様だったり」
P「…」
小鳥「私は音無小鳥なんですよ。他の誰でもないんです」
小鳥「だから、プロデューサーさんの『知ってる』っていう言葉は…」
小鳥「うそ」クスクス、
P「小鳥さん…」
P「…」
P「…小鳥さん」ジッ
小鳥「…ふふっ。なんですか?」
P「そこの階段を降りたところにベンチがあるんですよ…」
小鳥「…?」
P「そこにはですね?たくさん、たくさん花が咲いてるんです。そこで座って話しませんか?」
―――
――
―
――港の見える丘公園:イギリス舘前ベンチ
小鳥「…」ジッ
P「…」
P「最初はですね?ここだったんです」ポツリ...
小鳥「…えっ?」
P「…」
P「この近くに、個人でやっていた小さな病院があったんですよ」
小鳥「…は、はぁ…」
P「…ある日、俺は散歩をしていて、ふらっとここに立ち寄ったんです」
P「そこで、初めて出逢ったんです。きっかけは、ラベンダーでした」
小鳥「…ラベンダー?」
『ねぇねぇ!これって、なんていうおはな?んー?らべんだぁ?いい匂いがするね!』
P「そこからです。彼女との交流が始まったのは」
小鳥「…」
P「話を聞くと、その娘は病気がちであまり病室の外に出られなかった様でした」
P「で、ときどき病室を抜け出しては…ここで名前の知らない花たちを見ていたんだそうです」
P「彼女は…歳こそ俺と同じぐらいでしたが、病気と、外界との接触が少なかった事が原因で、精神的に幼かったんです」
P「いつしか俺と彼女は、毎日を一緒に送るようになっていったんです」ポタッ...
小鳥「プロデューサーさん…泣いて?」
P「彼女は、ないしょで病室を抜け出しては俺と色々な所に行きました」
P「それこそ、今までの時間を取り戻すかのように」
P「ランドマークに昇ったり、野毛山動物園に行ったり、マリンタワーに行ったり」
小鳥「それ…今日の…」
P「で、そんな生活が一年ぐらい続きましたか」
P「ある日、俺はいつもの様にここで彼女を待っていました」
P「ですが、待っても待っても来ません。今日は来ないかな?と思った矢先、一人の女性がやってきました」
P「彼女の、担当看護士でした」
P「その人に聞くと、彼女は亡くなったそうで」
小鳥「…」
P「看護士は、彼女が病室を抜け出してここに来ている事を知っていたんだそうです」
P「それで彼女は、その最期まで手から離さなかったものがあったそうなんですよ。彼女は、それを俺に手渡してくれました」
P「…」
P「くしゃくしゃになった、手作りの婚姻届でした」
P「…小鳥さん」
小鳥「…はい?」
P「今日は、本当に申し訳無かったです。重ねるつもりは無かったんですが、あまりにも言動が彼女と似ていて…」
小鳥「…それって、遠回しに私が幼いって言ってます?」ムスッ
P「ははっ。滅相もない」
小鳥「…」
小鳥「もう…いいですよ」クスッ
P「えっ?」
小鳥「だって、私が言い出したんですから。今日のこと」
P「…」
小鳥「…でも、ひとつだけ残念な事があります」
P「…なんです?」
小鳥「今日のルートは、その娘との思い出ルートなんですよね?」
P「…」
P「はい」
小鳥「私だけの、思い出ルートがありませんでした」クスクス
P「…」
P「あの…小鳥さん」
小鳥「ふふっ。なんです?」
P「来週、また行きましょう!」
小鳥「えっ?どこに?」
P「横浜ですよ!横浜!」
P「俺も知らない横浜を、小鳥さんと俺と二人で見付けるんです!」
小鳥「ッ!」
小鳥「それって…今までの話を聞いちゃってますから…私、勘違い…しちゃいますよ?」ポタッ...ポタッ...
P「好きじゃない相手とは…来たくないですよ。ここには」
小鳥「…」グスッ...
P「それとも…やっぱり信じられませんか?あんな話をしてからの、こんな言葉」
小鳥「…」
小鳥「だったら…」
P「…」
小鳥「だったら…信用…させてみてください」
小鳥「ずっとずっと…何年も…何十年も私だけの側にいて、私を信用させてみてください」
小鳥「そうしたら、ちょっとは信用するかもしれません」クスクス
P「ははっ。それでも…ちょっと、なんですね」
小鳥「…当たり前じゃないですか。私、本当に楽しみだったんですよ?今日のデート!」プンスカ
P「ははっ。来週こそ小鳥さんとのデートです!俺も今から楽しみですよ」
小鳥「…ねぇ、プロデューサーさん?」
P「なんです?」
小鳥「…好きだったんですか?その娘の事」
P「…」
P「好きでした。愛していました。それこそ、後先考えないぐらいに」
小鳥「なら私は、その娘以上にプロデューサーさんをメロメロにさせないといけませんね!」クスクス
P「小鳥さん…」
小鳥「ほらほら!そんな顔してないで、来週の話をしましょうよ!」
小鳥「ねっ?」ニコッ
―――
――
―
横浜ってまさか...
もしそうなら久しぶりすぎる
期待
次の土曜日
――石川町駅
――11:00
P「…」チラッ
P「…」ハァ...
P「また、来ることになるとはなぁ…しかも相手が小鳥さん、かぁ…」
『私だけの、思い出ルートがありませんでした』
P「小鳥さん…」
「はい?何ですか?プロデューサーさん」
P「へっ?」チラッ
小鳥「ふふっ。おはようございます」クスクス
P「…」
小鳥「…」
P「……」
小鳥「?」ニコニコ
P「………」
小鳥「な、何か言ってくださいよぅ…」ドキドキ
P「あっ、あぁ…おはようございます?」
小鳥「はい。おはようございます」クスクス
P「いや、なんと言っていいか…」
小鳥「あっ!もしかして~?」ニヤニヤ
P「な、なんです?」
小鳥「いつもとは違う私に、ドギマギしちゃったりしてます?」
P「…」
小鳥「えっ?ほんとに?」
P「…///」
小鳥「…///」
P「さっ、さぁ行きましょうか!まずは何か軽く食べに行きます?」
小鳥「そっ、そうですね!なっ、何かオススメあります?」
P「そうですねぇ…ここからですと、ファーストフードで何かお持ち帰りをして外で食べるのも中々いいものですよ?」
小鳥「あっ、いいですね、それ。私、何食べようかなぁ」
P「ははっ。あまり食べ過ぎると、お腹壊しちゃいますよ?」
小鳥「むぅ…私、そんな子どもみたいなコトしませんもん…」
P「ほんとに?」
小鳥「…プロデューサーさんのばか」ムスッ
P「ははっ。すみませんすみません。お詫びに、好きなものオゴりますから」ナテナデ、
小鳥「なら、許してあげます」クスッ
P「さてと、じゃあ行きますか」スタスタスタ...
小鳥「…」
P「あれ?どうしました?もしかして、ほんとに怒ってます?」
小鳥「…」
P「小鳥さん?」
小鳥「て」
P「へっ?」
小鳥「て、繋いでください」ボソッ
P「ッ!」
小鳥「きょっ、今日はデート…なんですよね?だ、だから…」
小鳥「て、繋いでほしいな…///」
P(かわいい)
P「ははっ。い、いいですよ?じゃっ、じゃあ繋ぎ…ますよ?」ドキドキ...ドキドキ...
小鳥「はっ、はい…///」ドキドキ...ドキドキ...
P「…」ギュッ
小鳥「んっ…」ピクン...
P「じゃっ、じゃあ行きましょうか」
小鳥「はっ、はぃっ!」
―――
――
―
――山下公園
――11:50
小鳥「石川町から山下公園って、思ったより近いんですね」
P「えぇ。俺の定番散歩コースでした」
小鳥「誰かと歩くのは?」
P「初めて、ですよ…。小鳥さんって、結構イジワルなところありますよね」
小鳥「あら、今頃気付いたんですか?」クスッ
小鳥「でも、いっこだけ違います」
P「なんです?」
小鳥「ふふっ。それはね?『あなた』にだけ、なんですよ?」
P「そっ、そうですか…」
小鳥「はい」クスッ
P「…」
―――
――
―
――野毛小路
――13:30
小鳥「この通りは凄いですね!居酒屋さんがたくさん!」
P「でしょう?時折、ふらっと来ちゃうんです」
小鳥「独りで?」
P「もちろん」
小鳥「ほんとかなぁ…実は、あずささんと…?」
P「…」
小鳥「…えっ?ほんとに?」
P「……」
小鳥「プロデューサーさん?」ソワソワ、ソワソワ
P「ぷっ!あははっ!そんなにソワソワしなくてもいいじゃないですか!」クスクス
小鳥「あー!プロデューサーさんウソつきましたねー!?」
P「ウソは言ってませんよ?だって、行ったとも、行ってないとも言ってませんし」クスクス
小鳥「むぅ…プロデューサーさんのイジワル…」プイッ
P「ははっ。さっきのお返しです」
小鳥「…」
小鳥「知りません!」プイッ
P「ほらほら、こっち向いて?」ツンツン
小鳥「知りませんもん…」
P「…小鳥」ボソッ
小鳥「ッ!」ドキッ
小鳥「あの…その…プロデューサーさん?いま…」ドキドキ...
P「さっ、ここはお昼に来る場所じゃないですし、他の場所に行きますかー///」スタスタスタ...
小鳥「プロデューサーさーん!いま、名前で…」
小鳥「…もぅ」クスッ
―――
――
―
――コスモワールド(大観覧車コスモクロック21内)――16:50
小鳥「綺麗ですねぇ…」
P「でしょう?この観覧車、夜景ももちろん素晴らしいですが、夕方のこの時間…夕焼けも綺麗なんですよ」
小鳥「…」
P「…」
P「…」
小鳥「…」
P・小鳥「「あのっ!」」
P「あっ…」
小鳥「あっ…」
小鳥「…ふふっ。プロデューサーさんから、どうぞ?」クスッ
P「はっ、はい」
P「…ふぅ。小鳥さん」
小鳥「…はい」
P「今日は、ありがとうございました」
小鳥「ふふっ。こちらこそ」
P「俺も知らない、とは言ったものの、やっぱり一週間じゃ無理がありました」
小鳥「あら、でも」
P「でも?」
小鳥「居酒屋通りとか、『あなた』の定番お散歩コースとか、誰かと歩くのは初めての場所、あったじゃないですか」クスクス
P「でも…」
小鳥「『でも』は禁止」
小鳥「私、嬉しかった」
P「…」
小鳥「あの…ですね?私も、言いたいことがあるんです…うぅん、違うかな」
小鳥「言わなくちゃ、いけないんです」
小鳥「プロデューサーさん」
P「…なんです?」
小鳥「あの娘…」
P「あの娘?」
小鳥「プロデューサーさんの、思い出の中の、女の子」
P「あっ…」
小鳥「その娘には…」
小鳥「…」
小鳥(がんばれ私)
小鳥「好きです」
P「…」
小鳥「はぁ…」ハァ...
小鳥「ふふっ。色々と告白の言葉、考えてたのに」
小鳥「ドキドキし過ぎて、忘れちゃいました」クスッ
小鳥「すき」
小鳥「だいすき」
P「…」
小鳥「…」
小鳥「プロデューサーさんは?」
P「…えっ?」
小鳥「プロデューサーさん…うぅん、『あなた』は?」
P「…」
P「ほんとに、イジワルなんですから」
小鳥「ふふっ。言ったはずですよ?『あなた』にだけ、って」クスクス
P「好きですよ」
P「大好きです」
小鳥「どれくらい?」クスッ
P「…」
小鳥「ねぇ、どれくらい?」
P「…これくらい」グイッ
小鳥「へぇっ!?」グイッ
―チュッ
小鳥「…///」
P「…///」
P「もう一周…しちゃいましょうか…」
小鳥「…ですね…」
―――
――
―
――山下公園(公園内ベンチ)
――19:30
小鳥「…」
P「…」
小鳥「…しちゃいましたね」ボソッ
P「…はい」
小鳥「…きす」チラッ
P「…キス」チラッ
P・小鳥「「…///」」
P・小鳥「「あのっ!」」
P「こっ、今度は小鳥さんからどうぞ」
小鳥「はっ、はい」
小鳥「すぅ…はぁ…」
小鳥「あたし」
小鳥「私、言いました。いつもの『プロデューサーさん』じゃなくて、一人の男性としての『あなた』に」
P「…」
小鳥「『あなた』は言ってくれました。好きって」
小鳥「これって、両想い…で、いいんですよね?」
小鳥「信じても、いいんですよね?」
P「…」
小鳥「『プロデューサーさん』じゃなくて、『あなた』を」
P「小鳥さん」
小鳥「…はい」
P「好きです」
P「さっきも言いましたけど、また言います」
P「好きです」
小鳥「…うん」グスッ...
P「思い出は、まだ忘れ小鳥「だめ」
P「えっ?」
小鳥「忘れたら、だめ、ですよ?」
P「…」
小鳥「その娘がいたから、今の『あなた』がいて、いつもの『プロデューサーさん』がいるんです」
小鳥「だから、忘れたら、だめ」クスッ
小鳥「…それに」クスッ
P「?」
小鳥「私、負けず嫌いですから」
P「どういう意味です?」
小鳥「『あなた』の思い出の中の女の子よりも、」
小鳥「とびきり綺麗で、嬉しくて、」
小鳥「でも時には悲しくて」
小鳥「そんな思い出を、たくさんたくさん作っていって」
小鳥「そんなコトもあったね、って、お互い笑って話せるぐらい『あなた』を私でいっぱいにしちゃいます」
小鳥「だから、」
小鳥「そんなに泣かないで」
P「…」ポタッ...ポタッ...
小鳥「…」ギュッ
小鳥「ねっ?」
P「…はぃ…」
小鳥「ふふっ。ほんとの『あなた』は、泣き虫さんなんですね」ナテナデ、
P「…」ギュッ
小鳥「んっ…ちょっとだけ、抱き締めるの弱めて欲しいかもしれません」
P「…やだ」
小鳥「…」クスッ
小鳥「まったくもぅ…あまえんぼなんですから」ナテナデ、
P「…小鳥さん」
小鳥「はいはい。なんですか?」クスクス
P「次は、どこに行きましょうか」
小鳥「そうですねぇ…」
小鳥「どこでもいいですよ?」
P「えっ?」
小鳥「だって、」
P「だって?」
小鳥「『あなた』となら、どこだって、」
小鳥「思い出の街、なんですから」
小鳥「ねっ?」クスッ
小鳥さんの笑った顔は…どこか懐かしい感じがした。
おわりです
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました
乙
乙
おつ
デートの話追加で良い雰囲気になったな
乙
お姉さんな小鳥さんとても良い
おつ
乙
さすがピヨちゃん、マジモードだと本妻力がハンパねぇな
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