小鳥「プロデューサーさんの素顔」 (121)

小鳥「って、見たことないんですよねー」

小鳥「履歴書にもPヘッドのままの写真しかないし……」

小鳥「みんなでプールに行った時も水着+Pヘッド」

小鳥「Pヘッドを外せない理由があるんですか?」

P「……誰にも言わないでくださいよ」

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P「実は、俺……めちゃくちゃブサイクなんです」

小鳥「ええ!? そんなにスタイルがいいのに!?」

P「体つきは顔とは関係ありませんよ」

P「むしろ、体だけはだらしなくないように鍛えているんですけど、」

P「体が理想的になるほど、顔とのバランスが崩れて、逆効果に……」

P「ブサイクが、細マッチョなブサイクになったんですよ?」

P「ははは……逆に気持ち悪いでしょ、こんなの」

小鳥「ぴ、ぴよ……」

小鳥「で、でも、声はいいじゃないですか」

小鳥「正直、かなりのイケメンボイスだと思いますよ?」

小鳥「みんなもよく、声がいい、声がかっこいいって言ってるじゃないですか」

P「声は、ですよ」

P「声がよくっても、俺はブサイクなんですよ」

P「それが全ての長所を台無しにするんです」

小鳥「うーん。でも、プロデューサーさん、優しいじゃないですか」

小鳥「それに気配り上手だし」

小鳥「少しばかり顔が悪くても、わ、私は別に気にしな……」

P「――俺の顔を見た同級生は、気絶しました」

小鳥「え?」

P「中一の頃です。同級生にせがまれた俺は、ちょっとだけならとPヘッドを取ったんです」

P「すると、俺の顔を見るや否や、同級生の女子は全員気絶しました」

P「それ以来、彼女たちは露骨に俺を避け、視線をそらすようになりました」

小鳥「ま、またまたー! そんなことあるわけ」

P「高二の時の文化祭」

小鳥「え、え?」

P「体育館のステージで演劇をしたんですよ」

P「その時、転んだはずみにPヘッドがぽろり」

P「しぃんと、体育館が静まり返りましたね」

P「絶句とはこのことだと、俺は痛感しました」

小鳥「は、はは」

P「大学生だった頃は!」

P「初めてできた彼女とキスをする瞬間!」

P「彼女はパニックになって逃げ出して!」

P「後日、『私では釣り合わないから、分かれよう』ってメールが!」

P「他にも、サークルでは顔についてイジられ、」

P「後輩は声もかけてくれない始末!」

P「うっ、うっ、ブサイクは罪なんだ……俺なんて生まれてきちゃいけなかったんだ……」

P「恥を忍んで行った美容外科でも、整形を断られたんですよ!」

P「もう、俺はPヘッドを外しません……うっ、う、ううぅ」

小鳥「プロデューサーさん……安易に質問をぶつけてすみませんでした」

小鳥「今夜は私がおごります。さあ、下(たるき亭)に行きましょう」

小鳥「顔のことを忘れるぐらいに、飲みましょうね」

P「うっ、うっ! こ、小鳥さん!」

P「小鳥さーん!」ウワーン!

<ヨシヨシ、オモイッキリナイテ、アシタハゲンキニナリマショウネ

<ハイッ、ウウ、ハイィ

???「……」

???「むふふ♪」

~翌朝~

亜美「ってわけで、兄ちゃんはブサメンだったのだよ!」

アイドル「「「えええええー!?」」」

真美「いやー、まさか、兄ちゃんが雰囲気イケメンだったなんて、驚きですなー」

亜美「Pヘッドを外したら、眼鏡が似合うイケメン顔が!」

真美「なんて妄想をしてた人! 残念でした~!」

真「そ、そんな……嘘だ……!?」

春香「いや、そもそも、その話は本当なの?」

亜美「ダメだよ、はるるん。現実を認めなきゃ」

真美「真美たち、ちゃんと本人が言ってるのを聞いたもんねー」

あずさ「あらー……それは信ぴょう性が高いわねー……」

響「うぎゃー!? プロデューサーは『ふすま』みたいなオバケ顔だったのかー!?」

ふすまっていうとうしとらのあれが浮かぶが

千早「みんな騒ぎ過ぎよ。プロデューサーの顔の良し悪しなんて、大した問題じゃないわ」

律子「そうよ。気配り上手で仕事ができるプロデューサー。それで十分じゃないの」

貴音「人間にとって、大事なのは内面。それを忘れて、外見だけを気にしてはいけませんよ」

亜美「ぶーぶー。すましちゃってさ」

真美「みんなは気にならないの? プロデューサーのス・ガ・オ!」

伊織「そ、そりゃあ、気になるけど」

やよい「うっうー! 気になりますー!」

美希「美希も興味あるかなって感じ!」

真美「でしょー!?」

>>20
まさしくそれです

亜美「だから……ね?」

真美「みんなで協力して……兄ちゃんのPヘッド、取っちゃお?」

律子「真美!」

真美「ちょっとだけ! 一瞬だけだから!」

亜美「それに、りっちゃん。知ってるんだよー」

律子「な、何よ」

亜美「最近、Pヘッドをちらちら見てるでしょ」

真美「兄ちゃんの履歴書を、ぴよちゃんからこっそり見せてもらってたでしょ」

律子「なっ――!?」

亜美「気になるんでしょ? 兄ちゃんがどんな顔なのか」

真美「千早お姉ちゃんも」

千早「」ピクッ

亜美「お姫ちんも」

貴音「」ピクピクッ

真美「手を貸してくれなくてもいいんだよ?」

亜美「見てるだけでいいの。Pヘッドは亜美たちが取るから、」

真美「邪魔さえしなければ――ね?」

アイドルたち「……」ゴクリ

<イヤー、スミマセン

<イエイエ。カイダシグライハテツダイマスヨ

亜美「帰ってきた!」

真美「はい、じゃあ、みんなはその場で待機!」

亜美「ドアが開いて、みんなに注意が向いたところで――」

真美「真美たちは、給湯室からキョーシューをしかける!」

亜美「それで兄ちゃんの素顔の」

真美「ご開帳~♪」

<サー、ゴゴカラモシゴトダ

亜美(3)

<ガンバルゾー

真美(2)

P「ただいまー」ガチャ

亜美(1)

アイドルたち「お、おかえりなさーい」

P「お、みんな揃ってい」

あまみ「「今っ!」」

P「るなああああっ!?」

小鳥(その時、私は見ました)

小鳥(給湯室から飛び出してきた二つの影を)

小鳥(プロデューサーさんの頭からもぎ取られたPヘッドを)

小鳥(そして――プロデューサーさんの、素顔を)

春香「わ……あ……」

貴音「これ、は……」

あずさ「あ、ら……?」

小鳥(みんな、言葉もないようでした)

http://mup.vip2ch.com/up/vipper42407.jpg
これか

響「う、うぎゃ~……」パタッ

雪歩「……う~ん」パタリ

美希「もう、ダメなの……っ」ヘチョン

小鳥(感極まった子たちは、気を失ったり、腰を抜かしてしまいました)

真「お、王子様……!」

律子「ほぅっ……」

千早「……」

小鳥(残った子たちも、皆一様に顔を真っ赤に染めて、陶然としていました)

小鳥(もちろん、私もです)

小鳥(明らかにされたプロデューサーの『美貌』に)

小鳥(指先一つ、動かせなくなってしまいました)

小鳥(真美ちゃんたちなんて、Pヘッドを持ち上げたまま)

小鳥(時が止まったかのように、笑顔のままで固まっていました)

>>31
小学校の教室で単行本が危険物扱いされた冬の思いで

P「……っ!」

亜美「あっ!」

小鳥(最初に動いたのはプロデューサーさんでした)

小鳥(ハッと我に返ったかと思うと、亜美ちゃんたちの手からPヘッドを乱暴に奪い取り、)

小鳥(被るのもそこそこに、事務所から飛び出していきました)

小鳥(慌ただしく駆け下りていく足音)

小鳥(消えていくプロデューサーさんの香り)

小鳥(その日、プロデューサーさんはとうとう)

小鳥(事務所に帰ってくることはありませんでした)

P(不覚にもPヘッドを奪われ、みんなの前で素顔を晒してしまった日)

P(その日から、俺のプロデューサー生活は憂鬱なものとなった)

P(あからさまに態度を変えるアイドルたち)

P(何かを言いたそうにしている小鳥さん)

P(事務所に入る前に聞こえるひそひそ話は、)

P(俺の前ではピタリと止まる)

P(ああ……本当に……)

P(どうして俺は、ブサイクなんだろう……)

P(親じゃない。祖父母でもない。ブサイクに生まれてしまった自分を、)

P(俺は誰よりも恥じて、恨んだ)

キリのいいところで、今日は中断

続きは明日

Pと、どうしようもないくらいドギマギしたアイドルたちとの絡みを書きます

今にして思うと、>>31のタイミングのよさは異常

じゃあ、続きを書くよー

春香「プロデューサーさんの素顔。あれは……やばい!」

千早「確かに。直視した瞬間、心臓が止まりかけたわ」

真「ほんとだよー! もう、ドキーッ! ってして、そのまま気絶するかと思ったもん」

雪歩「私は気絶しちゃいましたけど……」

伊織「無理のないことだと思うわ」

響「イケメンにもほどがあるぞ!」

貴音「ええ。アイドルと比べても、遜色ないどころか……」

律子「圧倒的に上回ってるわね。プロデューサーが」

美希「とってもキラキラしてたの!」

小鳥「キラキラしてたというか……神々しくさえあったというか……」

律子「元カノさんは、あれを間近で見たのよね? パニックになるのもしょうがないと思うわ」

春香「ですね。現に、ほら。近くで見た亜美たちなんて……」チラ

亜美「」

真美「」

千早「まだ固まってるわ」

真「あずささんとやよいに至っては、まだ熱を出してるよ」

律子「あれだけ止めたのに、また見ちゃったのね?」

伊織「見たらダメよ、仕事に支障が出るわよ、って言っておいたのに……」

春香「うう、でも、私ももう一度見たい……」

律子「ダ・メ・よ!」

美希「ソファーにもう空きはないの」

小鳥「しかし、困ったことになりましたよね」

律子「ええ。プロデューサーはどこかよそよそしくなったし――」

小鳥「765プロのみんなは、そわそわしているし」

律子「しかも、その様子を見て、あの人は妙な勘違いをしているようだし」

小鳥「ううーん。どうにかしなくちゃいけませんね」

律子「……そうだ! いっそのこと、Pヘッド解禁、なんてのはどうでしょう?」

小鳥「ええ!? それはまずくないですか?」

律子「いえいえ。美食も続けば飽きが来る」

律子「見慣れることで、プロデューサーの美貌による弊害もなくなるんじゃないでしょうか」

律子「最初のうちは混乱も大きいでしょうが、このまま放置するよりはマシじゃないかと」

小鳥「なるほど……考えてみると、いい案かもしれませんね」

小鳥「自分はブサイクだって思い込みがなくなれば、」

小鳥「プロデューサーさんの悩みも解消されますからね」

律子「ええ。真実が明らかとなった以上、しょうがありません」

律子「臭いものに蓋をしても匂いは漏れます」

律子「ここは前向きに! 攻めの姿勢で、問題解決に取り組みましょう!」

小鳥「おおー!」

P「ううう……社長直々に『事務所内では帽子・被り物禁止令』が下された」

P「従うしか……ないよなあ」

P「みんな、嫌がるだろうけど……社長命令だもんな」

P「慣れるしかないのかな。俺も、みんなも」

P「はあ……早く社長のように、顔にモザイクをかけれるようになりたいな」

春香「おはようございまーす!」

P「あの元気な声は春香」

P「あいつの笑顔を曇らせるのは忍びないが――」

P「ええい! うじうじしていてもしょうがない!」

P「ここはこちらも笑顔で返して、せめて雰囲気だけは明るくいくぞ!」

P「は、春香! おはよう!」

春香「あ、おはようござ……っ!?」

春香「ぷ、プロデューサーさん! すが、素顔っ。Pヘッドはっ!?」

P「あ、ああ。事務所では被り物、禁止なんだって」

P「だかりゃ、う、うんっ! だから、Pヘッドも、な」

春香「そうなん、ですか~!」

P(うおお! 噛んだ! 恥ずかしい~!)

春香(カッコ良すぎて、は、話をするだけでも恥ずかしい~!)

P「ご、ごめんな。変な顔で」

春香「いえ! こちらこそすみません。驚いたりして」

P「仕方ないって。俺みたいなブサイク、そうそういないもんな」

春香「いえいえいえいえいえ!」

春香「逆ですよ、逆!」

春香「いい機会だからハッキリ言いますけど、」

春香「プロデューサーさんのような美形、私、見たことないですよ!」

P「……慰めてくれてるのか?」

春香「は?」

P「春香は優しいな」ニコッ

春香(うっ、弱々しい笑顔とイケボ……こ、腰が砕けそう)

P(うん……これなら、何とかやっていけそうだ)

社長「諸君、おはよう」

P「あっ、社長。おはようございます」

P「そういえば、今日のスケジュールなんですけど……」

春香(はー、プロデューサーさん、横顔もかっこいいなー)ポー

千早「おはよう、春香」

春香「あっ、千早ちゃん、おはよう」

千早「Pヘッドを外したのね、プロデューサー」

千早「少し驚いたけれど、いいことだと思うわ」

千早「私たちに心を開いてくれたのね」

春香「うん……千早ちゃん?」

春香「顔を真っ赤にしながら、私のリボンを結んだり解いたりするのは止めてくれる?」

春香「気持ちは分かるけどさ」

真「おはようございまー……うわわっ!?」

伊織「おは……よ、う」

雪歩「あわわわわわわ……!」

春香「あっ、みんな揃ってきたみたいだね」

春香(まだPヘッドじゃないプロデューサーさんには慣れないけど、)

春香「今日も一日、はりきっていこー!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年06月01日 (金) 00:36:54   ID: A0k0spWQ

早く続きをよこせぇぇえぇぇぇぇぇ

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