ほむら「願いの果て」 2 (6)
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ほむら「願いの果て」 - SSまとめ速報
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QB「時間遡行者、暁美ほむら」
QB「過去の可能性を切り替えることで望む結末を得る為に、君はこうして繰り返してきたんだね」
真っ白な部屋にいくつもの四角いディスプレイが浮かんでいる。
そこに映し出される遠い過去の映像を横目にキュゥべぇは言った。
QB「そしてこの状況こそが、君が求めていたものへの過程……というわけかい?」
キュゥべぇは首をかしげながら、正面に座り俯く少女に問いかける。
ほむら「……ええ、そうよ」
一拍置いて、険しい表情でほむらは答える。
QB「それは本心かい?」
ほむら「……」
沈黙。
QB「僕には分かるよ、暁美ほむら。想いを賭してなお、君の心の底には今も後悔と未練がくすぶり続けているのがね」
ほむら「……」
QB「君はまだ待っているんだろう?」
そう言ってキュゥべぇがドアへと視線を向けると、呼び鈴が鳴った。
ほむら「―――!」
ハッと顔を上げ、ほむらは振り返る。
しかしすぐに思い直して、音の先に再び背を向けた。
QB「出ないのかい?」
QB「もしかしたら、君が本当に望むものがそこにあるかもしれない。そうだろう?」
二度目のチャイム。
ほむら「……」
固く閉じた眼を開け、無言で立ち上がると
ほむらはそのまま玄関へと向かって歩き出す。
思いつめたような顔でドアの前に立つほむら。
しばし逡巡した後、ノブへと手を掛けると
息を呑みながらほむらはドアをゆっくりと押し開けていく。
金属の擦れる音が静寂を裂いて、内と外との境界を曖昧なものとなる。
限界いっぱいまでドアが開いた。
ほむら「……」
その先では、どしゃ降りの雨だけがほむらを冷たく出迎えた。
目の前に居るはずの、とある人物の人影はそこには存在しなかった。
ほむらの口から軽いため息が漏れる。
QB「今、君が抱いたその感情は安堵かい?」
立ち尽くすほむらの背中にキュゥべぇが声を投げかける。
QB「それとも落胆かい?」
ほむらは答えなかった。
押し黙ったままの暗い瞳に、降りゆく雫が映し出されている。
雨は激しさを増して、
足元の乾いた床に消える水の音を呑み込みながら
いつまでも止むことなく、降り続けていた。
―――――――
――――
――
ベッドの横に備え付けられた小さなテーブルにちょこんと乗った機械仕掛けの長鳴き鳥が
朝の訪れを告げる電子音を規則正しく発している。
丸まった毛布からのそりと伸びた手がスイッチを押し込むと
その役目を終えた目覚まし時計は主に成り代わって深い眠りに就く。
ほむら「……ん」
二度寝しそうになる暖かい布団の誘惑を振り切って
ほむらは目を擦りながら起き上がる。
昨夜は充分な睡眠時間をとったはずなのだが、体には僅かな疲労感が残っていた。
ほむら(なんだろう……変な感じ……)
気だるさを振り払うべく、背伸びをしてみる。
しかし効果はあまりなかった。
ほむら「……朝ごはんの支度しなきゃ」
誰に言うでもなくそう呟きながら、ほむらは昨日から編んだままの三つ編みをシーツの上に引きずって、
のそのそと緩慢な動作でベッドから立ち上がる。
ほむら(そういえば……変な夢みたなあ……)
軽く寝癖を直している間にふと、思い出した。
白い部屋の中心で、一匹と一人が意味不明な会話劇を繰り広げる夢を思い返す。
もっとも、内容の一部は起きたその瞬間には既に忘れてしまっていて、会話も断片的にしか思い出せないのだが。
ほむら(キュゥべぇと一緒に話してたのは誰なんだろう……?)
片方に関してはよく知っている。
魔法少女のマスコット的存在であるキュゥべぇとは契約を交わしてからもう長い付き合いだ。
ほむら(でも、もう一人は……)
キュゥべぇと話していた人物。
同じ中学の制服に身を包み込む、顔立ちの整った長い黒髪の少女。
どことなくだが、彼女は―――
ほむら(私に似てた……ような気がする……)
鏡を覗き込み、自分の顔をまじまじと眺めながらうーん、と唸る。
ほむら「……なんて。あんなにカッコ良くはないか」
赤い眼鏡を掛けた、どこか幼さの残る思春期の少女。
鏡に映し出されるその年相応の柔らかな表情が、自嘲気味に微笑んだ。
―――――――
今回はここまでです、次回は2~3週間くらい?
批評スレで指摘を頂いたので、ついでに内容を一部変更して立て直しました
続きは少しできているのですが、中途半端だとその先の展開がモロバレなため
なるべく一気に行きたいとおもいます
もういいよおまえ
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