マミ「ティロ・フィナーレ!」
魔獣「ギャアァァッ――――…………!!!」シュゥゥ…
ほむら「今日の魔獣退治はコイツで終わりかしら」
マミ「ええ。でも最近魔獣の出現率がかなり高くなってるわね」
杏子「あーうぜー。アタシはこの後風見野のも狩んなきゃいけないってのに」
マミ「……佐倉さん、やっぱり私と暁美さんも手伝いに行ったほうが――」
杏子「うっせーな! いいって言ってるだろ!」ドンッ
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マミ「ひっ! ご、ごめんなさい……」
杏子「あっ……」
ほむら「杏子……」
マミ「………」オドオド
杏子「……ちっ、向こうはアタシ一人で十分なんだよ」
杏子「それに消耗したアンタ等じゃ足手まといだ、じゃあな」ヒュン
マミ「佐倉、さん……」
ほむら「大丈夫……?」
マミ「……暁美さんが私の心配をしてくれるなんて、明日は雪かしら?」
ほむら「それだけ軽口が叩けるなら大丈夫とみなすわよ」
マミ「私は……大丈夫よ。でも佐倉さんが」
ほむら「ええ。彼女は無理をしてる」
マミ「彼女は美樹さんが円環の理に導かれてからずっと塞ぎ込んでる」
マミ「あんな精神状態じゃ近いうちに絶対ガタがきて、死んでしまうわ」
ほむら「そうね、今の彼女の戦い方は見てて危なっかしいもの」
マミ「何とかしてあげたいとは思う。でも、私じゃできないの」
マミ「美樹さんを助けられなかった私なんかじゃ……」
マミ「……ほんと、先輩失格ね」
ほむら「巴マミ……」
マミ「……いけない、もうこんな時間だわ。私たちも帰りましょ」
ほむら「………」
ほむら「はぁ……」トボトボ
ほむら(まどかが魔法少女の理を作り変えてから、一ヶ月が過ぎた……)
ほむら(魔女の代わりに現れた魔獣を、巴マミや佐倉杏子と倒すだけだったけど)
ほむら(そんな日々はもう、保てないかもしれない)
ほむら(杏子は例え限界になっても、一人だけで魔獣退治をしようとするし)
ほむら(マミはそんな杏子を助けようにも助けられずに悩んでる)
ほむら(今はまだ魔獣が処理し切れてるから大丈夫だけど)
ほむら(万が一、杏子が死ぬことがあれば、その時はきっとマミも……)
ほむら(……そういえば、マミが言うように見滝原は魔獣が以上に多くなってるし)
ほむら(もしかしたら隣町の風見野にも増加分が流れているかもしれない)
ほむら「……やっぱり今からでも佐倉杏子の所に」
――ホ…ラチャー…
ほむら「え?」
ほむら「幻聴? 今一瞬、誰かに呼ばれたような」
ほむら「………」
ほむら「………」
ほむら「……いえ、聞き違いね」
ホム…チャン…ホムラチャーン!
ほむら「ッ!!?」
ほむら「うそ、幻じゃない? それにこの声は……」
ほむら「まさか! どこ、どこにいるの!?」
ほむら「――まどかぁぁぁぁ!!!」
きらーんっ☆ミ
まど神「ほむらちゃーん!!!」
まど神「ほむらちゃん久しぶり! 会いたかったよ!」
ほむら「そんな、まどかはいなくなってしまったのに……ありえない、まさか偽物?」
まど神「本物だよ! 正確には本物の一部なんだけど」
ほむら「よかったっ、本物なのね! 私もずっと会いたかったわ! 本当に……」グスッ
まど神「ありがとうほむらちゃん、私はここにいるからね」
ほむら「でも一部って……? よく見ればまどかの身体が半透明みたいになってる?」
まど神「そうなの! 今とっても大変なことになっちゃって……」
ほむら「どういうこと?」
まど神「それは――きゃっ!」
ずずずず……っ!!!
ほむら「な! 周りの景色が急に変わって……これはまさか」
ゲルトルート(薔薇園の魔女)「Von die Macht werde ich gerufen♪」
ほむら「魔女の結界ッ!?」
ほむら「何が起こってるの、どうして魔獣じゃなくて魔女なんかがいるの!」
ほむら「魔法少女の絶望しない世界、まどかが救った世界にはもう魔女はいないはずよ!」
まど神「それは、わたしの記憶が世界中へ散っちゃったせいなの……」
ほむら「まどかの記憶が?」
ほむら「そんな……! まどか、私がわかる!? 暁美ほむらよ!」
まど神「大丈夫。記憶って言っても、わたし自身の思い出とかじゃないよ?」
まど神「今まで救ってきた魔法少女の魂、そして、彼女たちが溜め込んできた穢れ」
まど神「わたしの中に集めてきた物が何かの拍子にバラバラに散らばってしまったの」
ほむら「酷い、なんてこと……」
まど神「魂と穢れは不可分なの。だから穢れが放つ瘴気に引き寄せられた魔獣たちが」
まど神「かつての魔法少女たちの魂を核に合体し、魔女に成長してしまったんだと思う」
まど神「お願いほむらちゃん、飛んでっちゃったわたしの記憶を集めて!」
ほむら「当然よ。その為には魔女を倒せばいいのよね?」
まど神「そうだよ。でも――」
ほむら「それじゃあとっとと片付けてやるわ! ……ふっ!」ヒュン
まど神「ま、待ってほむらちゃん! その魔女を倒すには……」
ほむら「喰らいなさい魔女め!」
ぐぐぐっ……ひゅんッ!
ほむら「武器は弓だけど、この程度の魔女なら一撃で倒せるはず」
もくもくもく……
ゲルトルート「Halt! Wer ist da!!!」
ほむら「んなっ! なんで無傷なの……きゃッ!」ドサッ
まど神「ほむらちゃん!」
ほむら「だ、大丈夫よ。でも、まさか魔法がまったく通じないなんて……」
まど神「それはあの魔女の本体が遊戯王カードだからだよ」
ほむら「ゆうぎ、おう?」
まど神「バラバラになった記憶は遊戯王カードの姿を借りてこの世界に顕現してる」
まど神「つまり、魔女はデュエルでないと倒せなくなってるの」
まど神「だからお願い、ほむらちゃん……」
デュエリスト
まど神「わたしと契約して、 決闘者 になってよ!」
ほむら「デュエリストって……」
ゲルトルート「!」シャキン
まど神「急いで、魔女が構えたよ!」
ほむら「ぜんぜん理解できないけど何だっていいわ! 結ぶわよ、その契約!」ファサッ
デッキ
まど神「うん。契約は成立だよ。受け取って、新たな希望を!」
まど神「わたしのデュエルディスクも貸してあげる。さぁ構えて!」パァー
ゲルトルート「Sie tote Ich!」
ほむら「とっとと倒してまどかの記憶を返してもらうわよ!」
ゲルトルート「「「 デュエル! 」」」まどほむ
まど神「遊戯王を知らないほむらちゃんに、簡単なルールを説明するよ」
まど神「遊戯王はモンスター、魔法、罠の3種類のカードを40~60枚使って」
まど神「最初に与えられるお互い8000のライフポイント(LP)を削り合うゲームなの」
まど神「使うカードは全てデッキにまとめられ、そこから5枚カードを引いてゲーム開始だよ」
まど神「あと、行動は交互のターン制なんだけど、どんな時に何が出来るのか」
まど神「詳しい説明はその都度するから、まずはデッキから5枚ドローしてね」
ほむら「わ、わかったわ」
ゲルトルート「Ich ziehe eine Karte」ドロー
まど神「先行は魔女に取られちゃったね……」
ゲルトルート「Ich beschwore eine 《コアキメイル・グラヴィローズ》!」
コアキメイル・グラヴィローズ:効果モンスター
☆4/炎属性/植物族/攻1900/守1300
ほむら「まどか、何か出てきたわよ!」
まど神「あれがデュエルの主軸となるモンスターカードだよ」
まど神「LPを削る基本的な方法は、モンスター同士の戦闘で勝つこと」
まど神「モンスターには種族、属性、レベルなどのステータスが設定されてて」
まど神「中でも攻撃力と守備力は戦闘の勝敗を決める重要な数値なんだ」
まど神「自分の攻撃力が相手の攻撃力や守備力を上回っていれば」
まど神「相手のモンスターを破壊してLPを減らすことが出来るの」
ほむら「説明は理解できたわ。けど、遊戯王って単なるカードゲームなんでしょ?」
ほむら「だったら、なんでそのモンスターが現実に現れてるの?」
まど神「それは多分、魔女から溢れた瘴気に実体化させられてるせいだと思う」
ほむら「趣味の悪い演出ね……」
ゲルトルート「Ich decke eine 《ダンディライオン》 auf, weil der Effekt die グラヴィローズ aktiviert sich」
まど神「魔女はグラヴィローズの維持コストにダンディライオンを見せて終わりみたい」
【ゲルトルート】 LP:8000 手札:5 場:グラヴィローズ 魔法罠:なし
【ほむら】 LP:8000 手札:5 場:なし 魔法罠:なし
まど神「次はほむらちゃんのターンだよ!」
ほむら「ええ。デッキからカードを引くのよね」ドロー
まど神「ここでターンについて説明するね」
まど神「ターンは、大きく分けて6つのフェイズで構成されてるんだ」
まど神「ターン初めにドローする『ドローフェイズ』、効果処理をする『スタンバイフェイズ』」
まど神「他に4つのフェイズがあるけど、それは進めながら説明するよ」
まど神「それじゃあ『メインフェイズ1』に入ろっか」
まど神「メイン1はターンの中で最も重要なフェイズだよ」
まど神「モンスターの召喚や魔法・罠のセットはメインフェイズでしか出来ないの」
まど神「けど、モンスターの召喚は1ターンに1度だけしかできないから」
まど神「バトルフェイズ後にあるメイン2とどちらで召喚するかはよく考えてね」
ほむら「分かったわ。なら私は今どう行動したらいいの?」
まど神「本当はグラヴィローズを倒せる攻撃力のモンスターを出したいけど……」
ほむら「けど?」
まど神「今、グラヴィローズ以上の攻撃力のモンスターを出す手段がないから」
まど神「まずは手札に必要なカードを集めるところから始めるよ」
まど神「ほむらちゃん、そのモンスターを召喚して」
ほむら「ええっと……私は《セイクリッド・シェラタン》を召喚」
セイクリッド・シェラタン : 効果モンスター
☆3/光属性/獣族/攻700/守1900
ほむら「ねぇまどか、こんな攻撃力の低いモンスターで大丈夫なの?」
まど神「うん。けどシェラタンには召喚した時に発動する効果があって」
まど神「デッキから『セイクリッド』モンスター1体を手札に加えられるの」
まど神「ほむらちゃん、《セイクリッド・ポルクス》をサーチするんだよ」
ほむら「このカードね」スッ
まど神「シェラタンじゃ攻撃できないからカードを2枚伏せて、ターンエンドだよ」
【ゲルトルート】 LP:8000 手札:5 場:グラヴィローズ 魔法罠:なし
【ほむら】 LP:8000 手札:5 場:シェラタン 魔法罠:■
ゲルトルート「Ich ziehe eine Karte!」ドロー
ゲルトルート「Die グラヴィローズ aktiviert ihre Effekt!」
ゲルトルート「Ich lege eine 《ローンファイヤ・ブロッサム》 von deiner Deck auf den Friedhot!」スッ
まど神「どうやら魔女はグラヴィローズの効果を使ったみたい」
ほむら「効果?」
まど神「そう。スタンバイフェイズにデッキからレベル3以下のモンスターを墓地に送れるの」
まど神「墓地は本来、使ったカードや倒されたモンスターが送られる場所なんだけど」
まど神「墓地にあると効果を発動するカードもあるから気を付けて!」
ゲルトルート「Ich beschwore zweit グラヴィローズ!」
ほむら「2体目のグラヴィローズが……」
ゲルトルート「Die erste グラヴィローズ angreiftet!」
まど神「相手の攻撃が来る、今だよほむらちゃん! リバースカード、オープン!」
ほむら「速攻魔法《月の書》を発動するわ!」
まど神「月の書の効果でシェラタンを裏守備表示に変更する」
グラヴィATK1900 VS シェラタンDFE1900 『戦闘破壊なし』
まど神「攻撃力と守備力が互角なら、どちらも破壊されないんだよ」
ほむら「すごいわ。これなら2体目のグラヴィローズの攻撃も防げるわね」
ゲルトルート「Fuck Fuck Fuuuuuuuck!!!!!」ドンドン!
ゲルトルート「Ich decke 《ダンディライオン》 auf . Schlieslich ist meine Zeit!」
【ゲルトルート】 LP:8000 手札:5 場:グラヴィロース×2 魔法罠:なし
【ほむら】 LP:8000 手札:5 場:シェラタン 魔法罠:なし
まど神「まだデュエルは始まったばかり、がんばって!」
ほむら「もちろん。私のターン、ドロー」スッ
っ《セイクリッド・エスカ》
ほむら「攻撃力2100……これならグラヴィローズを倒せるわ!
《セイクリッド・エスカ》を召喚して攻撃よ!」
………。
ほむら「あ、あら……?」
まど神「ほむらちゃん、レベル5のエスカを出すにはリリースしないと」
ほむら「リリースって?」
まど神「自分の場のモンスターを『生け贄』として墓地に送ることだよ」
まど神「レベル5・6なら1体、7以上なら2体のリリースが必要なの」
まど神「ほむらちゃん、シェラタンをリリースしてエスカをアドバンス召喚して」
ほむら「分かったわ。私はシェラタンをリリースしエスカを召喚!」
セイクリッド・エスカ : 効果モンスター
☆5/光属性/機械族/攻2100/守1700
まど神「エスカが召喚・特殊召喚された時シェラタンと同じ効果が発動するから」
まど神「今度は《セイクリッド・カウスト》をサーチしてね」
ほむら「それじゃ改めて、エスカで攻撃!」
グラヴィローズ ATK1900 VS エスカ ATK2100 『グラヴィローズを戦闘破壊』
【ゲルトルート】 LP 8000 → 7800
ゲルトルート「Gurrrraaaaa!!!」
まど神「やっと魔女にダメージを与えられたね」
ほむら「この調子で魔女を倒すわよ!」
【ゲルトルート】 LP:7800 手札:5 場:グラヴィローズ 魔法罠:なし
【ほむら】 LP:8000 手札:6 モンスター:エスカ 魔法罠:なし
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