P「手編みのマフラー」 (13)

春香「え?」

P「いや、だから手編みのマフラー。あと、手袋」

春香(もしかして、プロデューサーさん……私に編んでほしいのかな)

春香(これってもしかして、私へのアプローチ!?)

P「編んできたんだ」

春香「えっ」

P「いや、だから。手編みのマフラーと手袋を編んできた」

春香「……私にですよね?」

P「ああ。正確にはみんなにだけど」

春香「あ…ありがとうございます」

P「最近さむくなってきたからな」

春香「そ、そうですね」

響の専売特許が

豚毛は固い

重いよ

春香(社長の分まである……)

春香「こんなにたくさん、編むの大変じゃなかったですか?」

P「そりゃまあ。大変っちゃ大変だけど。好きなんだ、こういうの」

春香「そうですか……」

P「もしかしたら、手袋はサイズまちがってるかもしれないけど」

P「マフラーは多分、大丈夫だから」

P「なんていうか、……俺の愛的なものがみんなをあっためてくれる、的な」

春香「社長もですか」

P「社長もな」

春香(もらえること自体は嬉しいけど、正直困る……)

春香(男の人も、こんな気持ちになるのかな)

春香(……気をつけないと)

P「あの、さ……。春香」

春香「なんですか、プロデューサーさん?」

P「まいてもらって……いいかな」

春香「……あっ、そ、そうですよね!」

春香「せっかく、プロデューサーさんが編んでくれたんですから!」

春香「巻きます、喜んで巻かせてもらいます!任せてください!」

重い

春香(うわぁ……、あったかいなー)

P「うん、やっぱ似合ってるな」

P「ほら、俺ってコスチュームとかも決めるだろ?」

P「そのノリで、とりあえずみんなに似合いそうなカンジにしたんだけど……」

P「なんとか、うまくいったようだ」

春香「あははは……」

春香(反応にこまる、どうしよう……)

春香「あれ?……この紙袋は……」

P「あー。それは、音無さんに特別にって思って」

春香「と、特別っ!?……なんですか?」

P「腹巻」

春香「あ、あぁ、……うん」

支援

P「音無さんもそろそろ、こういうのが必要かな、とね」

春香「女の子はいつでもお腹冷やしちゃだめですよ!」

P「そうか?なら、今度みんなの分も……」

春香「いやややや、いいです!いいです!じゅーぶんです!」

P「ならいいけど」

P「あ、そうそう。俺さ、これから打ち合わせに向かわなくちゃいけなくて」

P「このマフラー、配っといてくれないか?誰のかは色でだいたいわかるし」

P「広げたら名前も刺繍してるからさ」

春香「わ、わかりました……」

逆ならぴよ毛で編んだ腹巻とかなのに

おわった?

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