モバP「今度こそドッキリ」 (36)


・これはモバマスssです
・P表記で進めます
・キャラ崩壊が多いかもしれません
・書き溜めはありませんが今週中には終わります


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ちひろ「え、いきなりどうしたんですか?」


P「いえ、最近アイドル達からやたらからかわれたりチョロいって思われてるんですよ」


P「なので此処らへんで一回仕返しでもしとこうと思いまして」


ちひろ「思考が子供過ぎませんか…?」


P「男はいくつになっても童心を忘れない生き物なんです。それに、今後ドッキリの企画があるかもしれないですし慣れて貰おうと」


ちひろ「本当は?」


P「フリーダムな彼奴らをギャフンと言わせたい」


ちひろ「正直でよろしい」




ちひろ「ところで…」


P「何ですか?」


ちひろ「これ、私への逆ドッキリではないですよね?」


P「ええ、もちろん。今回はあくまで俺の個人的な仕返しですから」


ちひろ「とか言って最終的に騙されているのは私なんてオチは?」


P「ありません。もう懲りてます、今財布しんどいんで」


ちひろ「なら多少は協力しますよ。で、ドッキリの内容は?」


P「勿論、余命ドッキリです」






ちひろ「…プロデューサーさん」


P「加蓮にはやりません。それももう懲りてます」


P「とはいえ簡単に行くとは思ってませんし、そもそも前に似た様な事をしているんで信じて貰い難いです」


P「なので変化球として、ちひろさんに逆ドッキリを仕掛けようとして実は…みたいな逆逆ドッキリな感じでいこうと」


ちひろ「成る程、たしかにそれは行けそうですね。とは言え演技の慣れたアイドル達を騙せるかどうか…」


P「そこは俺たちの腕の見せ所ですよ。やるからには全力です」


ちひろ「なら診断書も偽造しておきましょうか」


P「お、ノリノリですね」


ちひろ「やるからには、ですよ」


P「んじゃあアイドル達にラインを…ちひろさんに逆ドッキリ仕掛けるから、上手く合わせてくれ、っと…」





P「さて、まずは凛がトップバッターでしょうね。一番来るの早いですし」


P「後のフレデリカや文香を騙し切る為にも、此処でしっかりと決めていきましょう」


ちひろ「うーん…少し心が痛みますね…」


P「…こちら、寿色のi◯unes cardです」


ちひろ「スタドリどうぞ。張り切っていきますよ」


P(実は既にコード入力終わっててタダの紙切れな事は黙っておこう)




ガチャ


凛「おはよう、プロデューサー」


P「…ん、あぁ。凛か…おはよう」


ちひろ「…おはようございます、凛ちゃん」


凛「…なんだか重そうな空気だけど、何かあった?私でよければ相談に乗るけど」


P「いや、大丈夫だ。何とかなる…何とかなるんだ…」


ちひろ「…プロデューサーさん…」


凛「…本当に大丈夫なの?そんなに悩んでるプロデューサー、初めて見るんだけど」




P「…凛。少し、時間あるか…どうしても、話しておきたい事があるんだ」


凛「ちょっと、ほんとにどうしたの?何時もなら出会い頭に抱き付いてくるのに」


ちひろ「…」


P「んな事した覚え無いんだけどなぁ…まあ、先ずは言わなきゃいけない事がある」


P「俺…癌なんだ。もう、長くは持たない」


凛「…は?冗談でしょ?」


P「冗談…か」


P「…冗談で、お前にこんな事言える筈無いだろ!」




凛「え、ちょっと…」


P「ずっと一緒に頑張ってきた、此処まで進んできたパートナーのお前に!こんな事言う訳ないだろ!」


P「冷めた振りしながらも誰よりも情熱的なお前と!何やかんや言いながらも一生懸命こなしてきたお前と!」


P「これからも足並み揃えて進んでいきたかったのに…」


P「俺は…もう、一緒には進めないんだぞ!」


ちひろ「プロデューサーさん、落ち着いて…」


P「あ…すまん、凛…」


凛「…うそ」




凛「うそ、だよね…?どうせドッキリなんでしょ?カメラとプレートは何処?」


凛「私みたいな普段はクール気取ってるアイドルが焦って慌てふためいたら、確かに面白いもんね」


凛「テレビ的にも受けると思うよ、所詮はまだ子供だな、みたいな…」


凛「でも…でもさ!」


凛「私の気持ちも考えてよ!そんな事、ウソでも聞きたくない!」


凛「プロデューサーが居なくなるなんて考えたくもない、プロデューサーが居ない日々なんて想像したくもない!」


凛「…ねぇ、今ならまだ許してあげるよ。だから…」


凛「お願いだから…ウソだ、って。そう言ってよ…」


P「…すまん…」


ちひろ「凛ちゃん…」




凛「…なんで、かな…」


凛「なんで、続いてくれないのかな…せっかく、今が凄く幸せなのに」


凛「確かに私は頑張ったよ。辛い事だってあったし、逃げたくなる事だってあった」


凛「やりたくない仕事だって勿論あったし、疲れて休みたい時もあった」


凛「でも、プロデューサーと一緒だったから頑張れた。プロデューサーの為に頑張ってきたんだよ」


凛「誰よりも私の側に居てくれるプロデューサーに、もっと喜んで欲しかったから…もっと、輝いてる私を見せたかったから…」


凛「…なのに…どうして…」


凛「どうして…こんなことになっちゃったんだろ…」






P「…俺だって、嫌だよ。これからの凛の成長を見届けられないのは」


P「でも、もう諦めなきゃいけないんだ」


P「医者にも言われたんだよ。本当は病室で安静にしてなきゃいけないんだって」


P「それでもなんとか、今日まで無理言って働かせて貰ってたんだ」


P「これ以上他の人に迷惑掛けない為にも、今月末で俺はここを去る」


凛「いや…いやだ!聞きたくない!」


P「って言うドッキリなんだけど、完成度高いと思わない?」


凛「…は?」




P「…んふっ。まさか此処まで思い通りに引っかかるなんて思わなかったなぁ」


凛「え、は?」


ちひろ「ごめんなさいね、凛ちゃん。私、プロデューサーさんに無理やり付き合わされて…」


P「おおっと、押し付けないで下さいよ。ちひろさんだってノリノリだったじゃないですか」


ちひろ「アイドルを騙すなんて、私の様な天使が出来るわけ無いじゃないですか」


P「買収されるなんて随分と俗世に染まった天使ですね」


凛「…何か言い残したい事はある?」


P「凛の本心が聞けて嬉しかったかな。あとごめん、マジごめん。頼むからマグカップは辞めて頭割れちゃ





凛「まったく…これなら直接レッスン行けばよかった」


P「…時間取って悪かったな。ほら、そろそろ行く時間だぞ」


凛「はぁ…じゃ、多分終わったらまた来るから」


P「おう、頑張ってこいよ」


バタン


P「…よし、お願いします」


ちひろ「ええ、任せて下さい!」



ガチャ


ちひろ「…凛ちゃん…レッスン前に、少しいいかしら?」


凛「大丈夫だけど…もう別に気にしてないから大丈夫だよ?」


ちひろ「…その事、なんだけど…」


ちひろ「…さっきの、本当は。本当はね…」


ちひろ「ドッキリじゃ、無いの」


凛「…え、まだ続けるのこれ?」


ちひろ「凛ちゃん。もしかしてプロデューサーさんから私に逆ドッキリを仕掛けるから、って言われた?」


凛「え、なんでそれを…」


ちひろ「はぁ…あの人の思考なんて分かりやすいもの。大方、直で伝えるとお互いに辛いからドッキリって形で…ね」


ちひろ「なのにあんなに本気で吐き出して…やっぱり、プロデューサーさんは嘘が下手ですから」


ちひろ「幾ら何でも、熱くなりすぎって思いませんでした?」


凛「……」



ちひろ「プロデューサーさんの気遣い…とは違うわね。逃げてるだけだわ」


ちひろ「でも、一番辛いのもプロデューサーさんの筈です。それは、分かってあげてね」


ちひろ「私も万全のサポートでプロデューサーさんを支援するから、凛ちゃんも知らないふりを…


凛「ふざけないで!」


ちひろ「あっ、凛ちゃん!」





バンッ!


凛「プロデューサー!さっきのってやっぱり!


P「いぇーい!ドッキリ大成功!!引っかかったなぁ、凛!」


P「どうだ、出来る大人のドッキリは隙を生じぬ二段構えなんだよ!」


ちひろ「ごめんなさいね、凛ちゃん。此処までがドッキリなのよ」


P「どうせまだ疑ってるんだろ?ほら、今年の健康診断の結果」


P「スタドリのお陰か血液も視力もパーペキだ!」


P「いやぁ、それにしてもまさかこんなに綺麗にはまるなんて」


P「だから頼む謝るからその振り上げた椅子は降ろし




P「…頭が痛い…」


ちひろ「凛ちゃんかなり怒ってましたね。まさか自分がされるなんて思ってなかったんでしょう。ふふっ」


P「笑顔が黒いですよちひろさん」


ちひろ「前の私の気持ちを味わって貰えましたから」


P「取り敢えず出だしは好調ですね。次は誰が来るか…」



バタン


奈緒「おはようございまーす」


P「だから、俺は大丈夫ですって!」


ちひろ「大丈夫な筈無いでしょう!そんな苦しそうな顔されて…」


奈緒「…あ、えっと…」


P「…あ、奈緒…おはよう」


奈緒「…聞いちゃ、ダメなやつだったか?なんならあたし外出てるけど」


P「…いや、いい機会だ。奈緒にも話しておこう」


P「…奈緒、落ち着いて聞いてくれ…俺、実は


奈緒「病気かクビってドッキリだろ?もうオチが読めたぞ」


P「…ドッキリ、か…ほんとにそうならどれだけ良かった事か…」


奈緒「…は?…え?」


P「癌なんだ、診断書もある。ちひろさん」


ちひろ「…こちらです。二か月前の診断結果ですが…」


P「見ての通り、もう長くはない。来月末にはもうここを去らなきゃいけないんだ」


奈緒「え、嘘だろ?幾ら何でも手が込みすぎだぞ?!」


P「ほんと、これが嘘なら良かった…そしたら、これからもお前達と一緒に…」





P「もう…俺は…」


奈緒「…やめろ…やめてくれよ!聞きたく無い!」


P「でも、安心してくれ。俺よりもっと腕の良いプロデューサーが引き継いでくれる事になってる」


P「悔しいけど、このまま俺が担当を続けるよりもっと輝ける筈だ」


P「既に引き継ぎの書類も完成してる。一人で13人も担当してた事がある人だ、8人くらい余裕だってさ」


ちひろ「え、そんな書類まで?!」






奈緒「…ふざけんなよ…そんなんであたしが納得する筈


P「でも!…俺はもう…これ以上、無理なんだよ」


奈緒「無理なんて言うなよ!絶望しちゃだめだ!」


P「これ以上、笑いを堪えられない!」


奈緒「…は?」


P「はい今回のターゲット神谷奈緒さんは綺麗に引っかかって頂けましたねえ!次回もお楽しみに!」


ちひろ「…プロデューサーさん…」


奈緒「…プロデューサー」


P「…はい、ごめんなさい」




奈緒「はぁ…んな事だろうと思ったよ。ドッキリも程々にしとけよ?」


P「…わかってるさ。気をつけるよ」


ちひろ「プロデューサーさん、貴方…」


奈緒「じゃ、行ってくるから。加蓮にだけは絶対にやるなよ?」


バタンッ


P「…GO」


ちひろ「了解です」





タッタッタッ


ちひろ「ねえ、奈緒ちゃん」


奈緒「ん、ちひろさんか。あたし何か忘れ物してたかな」


ちひろ「分かってあげて下さいね、プロデューサーさんってあんな性格だから…」


奈緒「…?」


ちひろ「結局本当の事を言えずに誤魔化すなんて…」





奈緒「は?さっきのはドッキリだろ?」


ちひろ「…先程の書類、診断書も引き継ぎのも本物でした」


奈緒「え…は?いやいや、んな訳


ちひろ「…奈緒ちゃん、プロデューサーさんからドッキリを仕掛けるって言われました?」


奈緒「あー…まぁ、うん」


ちひろ「はぁ…あの人の考えそうな事ですね…」


ちひろ「プロデューサーさん、泣いてました。奈緒ちゃんが出て行った後に」


ちひろ「本当に、辛そうな表情で…」


奈緒「っ!あんのバカプロデューサー!」







バタンッ!


奈緒「おい!プロデューサー!」


P「という訳で見事に引っかかって下さいました今回のターゲット神谷奈緒さんの鬼気迫る表情で扉を開ける写真はこちらになります」


奈緒「…は?」


P「んふふふっ、まっさかこんなに上手くいくなんてなぁ!俺とちひろさんの演技力もなかなかいけるんじゃないか?!」


P「普段と違ってドッキリを仕掛ける側になって安心し切ってたんだろ…甘い、甘いそ!」


P「あははははははっ!」


奈緒「…」


P「…はい、すみませんでした」

モバP「今度こそドッキリ」

ちひろ「アイドルはビックリ」

ウサミン「驚いてナナの腰がグッキリです…あたたた」

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