前スレ
男の家にエルフさんが転がり込んできたようです
男の家にエルフさんが転がり込んできたようです - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1384126304/)
気の迷いで依頼を出してしまったので、スレをまた立てることに。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1384172600
エルフ「いらっしゃいま……せー」フイッ
男「おい、露骨に客を無視するな」
エルフ「いえ、何と言うか気まずいので」
男「気持ちは分かるけど普通に接客してくれ」
エルフ「あいあいさー」
男「どこから覚えてくるんだ、そういうの」
男(結構、職場に馴染めてたみたいだな……)
男「あー、寒い」
B男「ホント寒いっすねー」
男「どちら様で……?」
B男「俺、B男って言います。エルフちゃんと同じ職場の……先輩っすね」
男「(なんで溜めた)――俺は男と言います」
B男「エルフちゃんの出待ちっすか? ストーカーは良くないっすよ」
男「んー、別にストーカーとかじゃないんだけれどなあ」
B男「自分、オーナーさんにエルフちゃんが危害加えられないようにって言われてるんで、とっととどっか行ってください」
エルフ「あ、男さん。何で待ってたんですか?」
B男「……」チッ
男「スーパーのタイムセールスだ」
エルフ「ということは牛肉が食べれると言うことですね! あ、B男さんお疲れ様です! 特売があるのでこれにて失礼します!」(スーパーの方角へと一人向かい)
男「そういうわけで、自分も失礼します」
B男「……」
男「それにしても、エルフってのは野菜を食べてばっかりなイメージだったんだけれど」
エルフ「えー、どういう想像ですか。お肉が無いと生きていけませんよ」
男「お前が言うと別の意味に聞こえるのは何でだろうな」
エルフ「馬鹿にしてません……?」
男「OK、話し合いで解決しよう」
エルフ「ごちそうさまでしたー」
男「お粗末様でした」
エルフ「こんなお肉が食べれるなんて、働くものですねえ。それにしても、男さん、料理が上手ですね。私が居たところでは男の人なんて料理はからっきしでしたよ」
男「一人暮らししていたら自然と身に着いた。あとは暇してた時期があったからその時に手伝い程度かな」
エルフ「料理本とかを読んで?」
男「ああ。最初は失敗ばかりで不味い飯食ってたけどな」
エルフ「じゃあ私はいいタイミングで現れたということですね。さすがにおいしくないご飯は御免です」
男「お前、居候ってこと忘れてないか……?」
男「時にエルフよ」
エルフ「如何なさいましたか男様」
男「ノリが良くなったなあ。じゃなくて、職場に馴染めてるようだな」
エルフ「皆さんが優しくて。ただ変な人にも絡まれたり、出待ちされたりするんですよね……。大抵B男さんがなんとかしてくれますが」
男「ああ、あの茶髪の。追い払うにしても大変だろう、彼も」
エルフ「大体の人はB男さんが『自分は彼氏だー』って言うとどこかに行ってくれますよ」
男「そういう追い払われ方して、嫌じゃないのか? 仮とはいえ、彼氏面されるっての」
エルフ「んー、よくわからないですね。そういう風に考えたことありませんでした。ただ、良い人ですよ?」
男「いや、疑ってるわけじゃないんだ。まあ、気を付けてな。色々」
エルフ「色々って、男さんにしては抽象的ですね」くすくす
男「そうか?」
エルフ「そうですよ」
NTRれるのはダメだからな
男「ケーキを作ろうと思う」
エルフ「なんですと!? 廃棄じゃないケーキ……!」
男「あまり期待するなよ」
エルフ「はい!!」
男「こいつ聞いてねえ……」
エルフ「廃棄じゃないケーキ、廃棄じゃないケーキ」
男「まずバターをレンジで溶かし、細かく割ったビスケットを加えて混ぜて、型の底に敷く――」
エルフ「美味しい! おかわりしていいですか……」
男「言っとくけれど、半々だからな」
エルフ「勿論ですよ。そこまで食い意地張ってません」
男「どうだか、初日からおかわり要求したくせに」
エルフ「あれは、ずっと食べてなかったからですよ! 不可抗力です、不可抗力」
男「あっ」
B男「あっ」
男「こんにちは」
B男「ちわーす。今日はエルフちゃん一緒じゃないんですね」
男「いつも一緒ってわけにはいきませんからね」
B男「でも同棲してるんすよね?」
男「意味合いがちょっと違う気がしますね、それだと。彼女はただの居候ですよ」
B男「そっすか! よかったよかった」
男(何か、嫌な感じだ……)
男「……自分は大学があるので、これで」
B男「それじゃあ。また今度っすね」
エルフ「38度8分。見事に風邪を引きましたね」
男「正直、体が全く動かない」
エルフ「私が非番の日で良かったですね」
男「返す気力も無い」
エルフ「……本当に辛そうですね。今日のご飯は私が作ります。卵雑炊なら栄養も吸収しやすいし消化にもいいので、今晩はそれにしましょう」
男「悪い……」
エルフ「この部屋に住まわせて頂ける恩返しですよ。ここの鍵が開いてなかったら多分私野垂れ死にでしたよ」
男「ラッキーだな、互いに」
エルフ「そうですね。だから今日くらいはゆっくり休んでください」
男「ありがとう……」
エルフ(こうしてみると結構童顔なんですね。いつもは仏頂面なのに。笑った方が得だと思うんですけれどね……)
エルフ「ふー、ふー。はい、どうぞ」
男「それはさすがに恥ずかしい。自分で食べれる」
エルフ「とか言いながら体が動いてないじゃないですか。ほら、口を開けてください」
男「南無三!」
エルフ「ど、どうです……?」
男「いや美味しいけど、この食べ方は少し恥ずかしい」
エルフ「あ、真っ赤になった」
男「なってない」
エルフ「なりましたよ?」
男「……冷める前にもう少しくれ。美味しかった」
エルフ「素直じゃないですねえ」
男「うるさい」
今日はこれで。
続きはまた明日書きます。
乙
期待
NTRはやめてください、何でもしますから!
ん?
男「……」
エルフ「……」
男「……」
エルフ「……」
\ちょっと様子を見てくるだけだから!/
エルフ「……」
男「……」
\…………/
男「……」
エルフ「……」
\デデン!!/
エルフ「ひっ!」
男「……」
\うわあああ!!/
エルフ「……」ガクブル
男(ビビりだなあ……)
男「さーて、寝るか」
エルフ「……」
男「どうした、エルフ」
エルフ「腰が、抜けました」
男「えっ、あれで!?」
エルフ「何が『これ、面白いよ』ですか!? 怖いだけじゃないですか!」
男「いや、エルフが面白いことになるだろうなあって」
エルフ「映画を鑑賞してください! 映画を!」
男「ほら、夜だから静かに」
エルフ「正論なだけに腹立たしいです」
男「それで、歩けるのか?」
エルフ「無理みたいです、お願いなんですけれど……」
男「背負っていくのは別に気にしなくていいよ」
エルフ「いえ、今日は一緒に寝てほしいんです……」
男「は?」
エルフ「だ、だって、出たら怖いじゃないですか……」耳が垂れ下がる
エルフ「……」スースー
男(眠れん)
エルフ「……」スースー
男(なんか柔らかいし、いい匂いもするし)
エルフ「んー……」ぎゅっ
男(俺は抱き枕か……)
エルフ「……」ぴと
男(密着度合が、さらに……)
……
エルフ「おはようございます」
男「おはよう」
エルフ「今日はあまり元気がありませんね。あ、昨日の映画が怖かったんじゃないんですか?」
男「んなわけあるか」ビシッ
エルフ「あいたっ! 図星だからってチョップするなんてひどいですよ!」
男「今日は学校も休みだし、もう少し寝る」
エルフ「……おやすみなさい」
エルフ「ありがとうございます……」
エルフさん感謝してるけど元凶は男だぞ!
さあ俺が慰めてあげるから耳をprprさせてください!
男「……」ペラリ
B男「あ、男さんちわっす」
男「ん、B男さんこんにちは」
B男「公園で読書っすか」
男「たまには外の空気をゆっくり吸わないと息が詰まりますからね」
B男「そっすか。エルフちゃん最近機嫌がいいっすけど、何かあったんすか?」
男「そうなんですか。職場の雰囲気がいいからじゃないんですかね」
B男「はぐらかさないでくださいよ」
男「そんなつもりは無いんですけれどね」
B男「…………やっぱアンタみたいな人間嫌いっすね。その余裕綽々って顔、すぐに崩してやりますよ」
男「……じゃあ自分はこれで」
男(導火線短いなあ)
エルフ「あ、これいいですねー」
男「琥珀のシルバーリング……十万近くするじゃないか!?」
エルフ「これ欲しいです」
男「……自分で買え」
エルフ「こういうのって自分で買っても虚しいだけじゃないですか。贈られたいです」
男「買ってやろうか?」
エルフ「冗談ですよ。さすがにそこまで業突く張りではありません。こうやって居候させてもらうだけで十分ですよ」
男「そうか、ならこの一週間はもやし料理で我慢してもらうか」
エルフ「冗談です、お肉は食べさせてください」
男:カタカタカタ
エルフ「最近忙しそうですね」
男「逆だ、逆。暇だから仕事を入れてるんだ。稼げるうちに稼いでおかないとな」
エルフ「なるほど、じゃあ私もシフトもうちょっと増やしてもらうように言ってみますね」
男「そいやっ」ベシッ
エルフ「あいた! なんでチョップするんですか!?」
男「居候は黙って甘えとけ。余計な心配するな」
エルフ「変なところで意地っ張りですねー」
エルフ「……!」プルプル
\デデーン!! ……アウトー/
男「はははっ!」
\アイターッ! モウイヤヤワア……/
エルフ「面白かったですねー」
男「なー」
エルフ「うちでもなにかやりましょうよ。笑ったら牛肉料理一回増やすとか」
男「お前持ちならやってもいいぞ」
エルフ「私に得が無いじゃないですか!」
男「じゃあ、俺が笑うたびに肉料理が一品増える。エルフが笑うたびに――一回耳を触らせる」
エルフ「耳!? 冗談じゃないですよ!」
男「俺を笑わせ続ければ肉料理が、金は俺持ちで増えるぞ」
エルフ「やります」
……
男「ふにふにでこりこりだったな」
エルフ「ゆりゅしま……しぇんよぉ……!」へなへな
男「全然怖くない。まだ触られたいか?」
エルフ「おにくは……なくてもいいです……」
男「そうかそうか」
?「いつもヘラヘラ笑ってて」
?「何かあればそれで逃げるし」
?「それに、何考えてるのか分からないのよ!」
男(夢、か。昔の夢見るなんておじいちゃんみたいだな)
男「19時!? そろそろ飯の支度をしないと、あいつが帰ってくるな」
エルフ「た、ただいま」
男「ああ、おかえり。夕飯はまだ……ってどうした。顔が真っ赤だぞ」
エルフ「ええと、その、男さんは、私が居て迷惑ですか……?」
男「今更だな。迷惑なわけないだろう」
エルフ「男さんは、嘘が上手ですよね」
男「は?」
エルフ「この前、見てしまったんですよ。家計簿」
男「あれは気にしなくていい」
エルフ「……私は、男さんが何を考えているのかが分かりません」
男「――ッ!」
エルフ「私は、これ以上男さんに迷惑をかけることが出来ません。それに……B男さんに、告白されました」
男「そうか」
エルフ「驚かないんですね」
男「ああ」
エルフ「B男さんは話していて楽しいですし、私は、B男さんの所へと、行こうと……思います」
男「行くな……」ボソリ
エルフ「荷物は……捨ててください。合鍵も置いておきます」(立ち去る)
男「……クソっ!」
男「くそ、どこだ!」
男「まだ今月分の家賃も食費も貰ってないんだ!」
男「渡してないものだってあるんだ!」
男「あれは……」
B男「エルフちゃん、返事を聞いてもいいっすか?」
エルフ「私は……」
B男「ゆっくりでいいっすよ」
男「エルフ!」
エルフ「男さん!?」
男「いいか! 迷惑じゃなかったら! こんなもの買うもんか!」
エルフ「……!? これは、この前話してた指輪……。どうして、そんな余裕は無かったはずなのに!」
男「時間なら腐るほどあったさ」
エルフ「まさか、仕事を入れていたのって、家計簿が苦しくなっていたのも……」
男「これを買うためだ」
エルフ「冗談だったのに……」
男「欲しそうにしていたのは本気だったろ。それに、お前が喜ぶ姿が見たかったんだ」
エルフ「なんで……」
男「……好きだからだ」
エルフ「ずるいですよ。今までそんな素振り見せなかったくせに……!」
男「ごめん」
エルフ「B男さん……ごめんなさい。貴方の期待には応えることが出来ません」
B男「……そっすか。いやー、残念っす。ただ、男さんの余裕綽々な顔を崩せたので、いいっす。それじゃあ」(立ち去る)
男「もう一度言う。俺はエルフが好きだ。同居人としてじゃなく、一人の女性として」
エルフ「……私も、男さんのことが好きです。大好きです。男さんのその言葉が、指輪を貰ったことよりもずっと、ずっと嬉しいです」
エルフ「……」
男「……」
エルフ「まさか、男さんが私のことが好きだなんて、思いませんでした」
男「それはこっちのセリフだ」
エルフ「……あれは私なりの気遣いなんですよ? 好きだなんて言って、断られたら、悲しいじゃないですか」
男「……すまない」
エルフ「いいんです。私、今幸せですから」
男「何考えてるか分からないって言ったよな。あれ、元カノからも言われてたんだ。前は、ヘラヘラ笑ってばっかりで感情が読みにくいって言われてた」
エルフ「ちょっと考えられないですね……。仏頂面のイメージしかないです」
男「そんなに表情乏しいか?」
エルフ「はい。もうちょっと笑った方が可愛いですよ」
男「男に可愛いは褒め言葉にならないぞ」
エルフ「そういうところも好きなんですけれどね」
男「そうか」
エルフ「何ですか、素っ気ないですね」
男「勢いに任せて行動したから、ちょっと恥ずかしいんだよ」
エルフ「でも、かっこよかったですよ」
男「やめろ、恥ずかしい」
エルフ「あ、照れた」
男「照れてない」
エルフ「ふふ、じゃあそういうことにしておきます」キュー
男「……夕飯にしようか」
エルフ「そうですね。帰りましょう!」
【了】
えっここで終わり?
>>28
まだ了だぜ、つまりまだ終わりでも完でもない訳だな。
これ以上引き延ばしても蛇足になると思い、一旦ここで終了です。
足を書きたしたくなったら、そのうち後日談を投下する予定でござい。
僅かな間ではありますが、自分の拙い作品を読んでいただき、ありがとうございます。
おつん
乙
次スレまだ?
いくらでも蛇足生やしてくれていいんだぜ
別スレじゃなくて良いんだよ?
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