南条光「ま、まさかアレは……!?」 (38)

はじめに

このSSは2作品の要素を含みます。

作品に関するネタバレはあまり無いはず…ですが、

ネタバレが気になる方、クロスSSを好まない方は戻ることを推奨します。

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支援

とある休日


光「ワンダバダバダバ♪ワンダバダバダバ♪」

光「いやー、完全に1日オフなんて珍しい……」

光「ヒーローに休みはないけれど、折角Pが時間を作ってくれたんだから楽しまないとな!」

なにとのクロスなんだろ。

光「新ライダーもとりあえず最初から見直したし、外に出て映画の前売り券もゲットした!」

光「あとはそうだな……まだ結構時間があるから、あの専門店に行ってみよう!」

光「しばらく来ていなかったけれど、何か掘り出し物があるかなー……」

光「…………!?」

光「ま、まさかアレは……」





光「愛玩超人、インコマン!!」



説明しよう!

愛玩超人インコマンとは、漫画【惑星のさみだれ】に登場した古い特撮ヒーローである!

人間サイズのインコであり、そのボディは筋骨隆々!

強靭な肉体を武器とし、その身一つで悪の怪人と闘う戦士なのだ!

まさかの惑星のさみだれか……期待!

光(インコマンは特撮ものの中でも、特に肉体的な強さを前面に出した作品!)

光(鍛えられたインコマンの肉体は最早芸術、敵の怪人たちも実力者揃いだったとか……)

光(アタシもヒーローアイドルとして、参考にしようとブルーレイBOXも持っている)

光(そのインコマンの1/6フィギュア……欲しい!)

光(今月分のお小遣いがなくなっちゃうけど、この機会を逃したら……)



ガッ ガッ

光「……ん?」

「……ん?」

光「えっと……おじさんもインコマンを?」

「うむ……君もファンなのか?」

光「ああ、アタシは南条光!アイドルだ!」

「そうか、私は……」





「南雲宗一朗、無職だ」



公園


南雲「……しかし、よかったのか南条?私が買ってしまって」

光「ああ!少し残念ではあるけれど……同じファンの手に渡るなら、そいつも喜んでくれるしな!」

光「それより、まさか南雲さんがアフリカ拳法ヒポポタマス男だったなんて……サインありがとう!」

南雲「礼には及ばん、一話限りの怪人でしかないからな」

光「でも、格好良かったよヒポポタマス男!動きをセーブしてあれだけ強いなんて!」

南雲「ほう、それを見抜くとは……流石はアイドルか」

南雲「ところで南条、アイドルと言ったか?」

光「ああ、ヒーローアイドルがアタシの夢であり目標だ!」

南雲「そうか……ヒーローというと、必殺技は?」

光「特訓はしてるんだけど、危ないのはPに止められてて……南雲さんは持ってるのか?」

南雲「ああ、その内一つは最近使えなくなってしまったが」

光「名前はあるのか!?」

南雲「無論」

光「声に出すのか!?」

南雲「勿論!」

光「ね、ねぇ、一体どんな技なんだ?」

南雲「そうだな、説明するより見た方が早いか……コートを預かっていてくれ」

光(コートの下はタンクトップ……細身だけど鍛えられている!)

南雲「……フゥ……」



南雲「百 烈 脚」



光「!!」

光(は、速い……!!)

光(あらゆる角度から変幻自在に繰り出される蹴り……アタシでも目で追いかけるのがやっと)

光(それでいて威力が落ちているという事もない!)

光(筋力・バランス・柔軟性……それらを基に洗練されたシンプルな美しさ……これが、必殺技……!!)

南雲「とまぁ、こんなものだ……ただ格好悪い話、今では六十程度が精々だが」

光「……な」

南雲「む?」


光「南雲さん!……その百烈脚、アタシにも教えてください!!」

南雲「これを?本来実戦用の技だ、アイドルには向かないと思うが」

光「うん……でもアイドルとして、そしてヒーローとしてアタシはもっと強くなりたいんだ」

光「もう、ただ燻って待つだけの日々を送るのは嫌なんだ……」

光「皆に夢と希望を届けたいんだっ……!!」

南雲「……ふむ」

南雲「……いいか南条、お前はまだ中学生だ」

光「無茶なお願いだって分かってる、でも……!」



南雲「……無理な特訓は今後の成長を阻害する」

南雲「現在可能な範囲でいいなら教えよう」

光「……いいのか?」


南雲「身体の大小や年齢は関係ない、子供であろうと戦士は戦士だ……つい最近教わった事だがな」

南雲「それに……」




南雲「本気でヒーローを目指す子供がいたら、大人は力になりたいと思うものだ」

光「ありがとうございます、南雲さん……いや、師匠!!」

南雲「そんな高尚なものではないんだが……まぁいい、時間もないから直ぐに始めるぞ!」

光「応!!」



……

…………

………………

後日


ちひろ「へぇ、そんな面白い事があったんですか」

光「ああ!あれから毎日特訓してるんだ!」


ベテトレ「一応私とPで内容を確認したが、中々面白い」

ベテトレ「結果的に下半身だけではなく全身を鍛えるから、ダンスやアクションにも応用できる」

ベテトレ「レッスンもあるから調整して、程々にさせてはいるがな」


南条「時間がなくて教えてもらったのは基礎だけだけど……いつかアタシも習得してみせる!」

ちひろ「ふむふむ、アイドル衣装での百烈脚……最前列……特別料金……ふふふ」

ベテトレ「おいちひろ君、煩悩丸出しだぞ……」

P「まぁアレだ、色々と今後に期待ってやつだな……ところで光、ファンレター来てるぞー」

ちひろ「最近のお仕事、随分評判が良かったですからね……このでっかいのは?」

P「ああ、それもファンレターだ」




P「南雲宗一朗さんからの」

光「師匠から!?」

P「ああ、開けてみるといい」

ガサガサ

光「これは手紙と……インコマンのフィギュア!?」

ちひろ「うぉう、中々にいい体してますねこのインコ……」

P「『持って帰ってはみたが、やはり中年よりも少女が持っていた方が喜ぶだろう』だそうだ」

P「俺は会っちゃいないが……良い人だな、光」


光「……もちろん!」

ちひろ「そして一緒に入っていた封筒ですけど、これは……詳細なトレーニング法?」

ベテトレ「ふむ、現状では難しいと思っていたがこれなら、いや更に効率化できるか……?」

ベテトレ「いずれにせよ、これは何年も先まで見据えたものになっている」


P「……信じられているみたいだな、お前がそこまで諦めないって」

光「……」

ベテトレ「ここまでされてしまうとな……私にもプロとしての矜持がある」

ベテトレ「これをベースにして南条専用に改良し、メニューを作ろうじゃないか」

ちひろ「私にできるのは経理とドリンクくらいですが、応援はさせてもらいますよ?」



P「やれやれ、頼りになる大人ばかりだ……俺も全力で頑張るよ、今度こそ待たせる事なんてしない」


P「それじゃあ改めて……始めよう、光!」

光「ああ、見ていてくれP、そして師匠……なってみせる、本物のヒーローアイドルに!!」


……

…………

………………

人間サイズのインコでジュウシマツのAAを思い浮かべた

X年後


P「お疲れ光、ライブは大成功だ!」

光「流石にドームでの単独ライブは緊張したけどね!」


P「そうは見えないんだから大したもんさ……これで光もトップアイドルの一員か」

P「歌は勿論、その身体能力を最大限発揮するダンスやアクション」

P「ヒーローアイドルの称号は伊達じゃない、ってな」


光「アタシだけじゃない、皆が力を貸してくれたおかげさ!」

P「それでもやっぱり、お前の頑張りがあってこそだよ」

P「そうですよね……南雲さん?」







南雲「……ああ、久し振りだな南条」

光「師匠!来てくれたんだな!」

南雲「招待状まで届いたんだ、それは来るとも……百烈脚も習得したと聞いたしな」

光「師匠とトレーナーさん達のおかげだよ!」



南雲「こんな形であの技が受け継がれるとは思いもしなかったが……」

南雲「夢と希望を届ける手伝いとなっているなら、幸いな話だ」


P「とは言っても」

P「俺は本来の用途で何度か食らいましたがね……」

光「事故とはいえ、着替えを見たPが悪い!」

P「まぁな、下着姿での百烈脚は眼福だったからいいけドゥハァ!?」


南雲「何度か君とは会っているが、変わらず無駄に正直だな……」



光「そうだ師匠、これから打ち上げなんだけど師匠も来てくれよ!」

南雲「いや、私は部外者なのでな」

光「そんな事ない、師匠あっての今のアタシさ!」


P「ええ、俺達が今ここにいるのは貴方のおかげでもあります」

P「俺個人としてもお礼をしたいですし……共に祝っては頂けませんか?」

南雲「分かった……無粋だったな、有り難くご招待にあずかるよ」


光「そうと決まれば早く行こう二人とも、ほらほら!」

P「分かったから引っ張るなっての……しかし光、ライブも終わったばかりなのにホント元気だな?」

光「当然さ!だって……」







光「最高の相棒と最高の師匠、二人と一緒なんだからなっ!」






以上で終了となります、スカートで百烈脚をやりたかっただけなのにどうしてこうなった…

とりあえず光やユッコなら、さみだれ世界で騎士になれるのではないでしょうか。

乙ー

ゆっこがあの世界にいたら火渡妹的な役割だろうな…

乙!

肝心のスカートではやってないじゃないか!

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