アルミン「お父さん、お母さん」(12)

・初SSです、下手です
・私の主観と妄想で構成されてるのでそれは違う!ということがあるかもしれませんがご容赦ください。
・アニオリと原作設定都合よくごちゃまぜになってます。
・アルミンばっかりです。

書き溜めてあるのですぐ終わります。

コニー「テスト前の必需品、アルミンのノート!」ガサガサ

コニー「いくら本人に許可貰ってても、人の抽斗漁るのはなんだか申し訳ないな」

コニー「…なんだこれ、ラブレターかあ?よし俺がチェックしてやろう」

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お父さんとお母さんへ

今日から僕はアルミン・アルレルト訓練兵と呼ばれるようになりました。
訓練兵団入団式、精一杯教官の質問に答えたよ。正直少し怖かったけど……。

周りには、強そうな人たちがいっぱいいる。身体だけじゃなくて、もう目つきが違うんだ。
でももちろんそうでない人もいる。敬礼を逆にして右の心臓をささげた人とか、堂々と式中に盗んだ芋を食べてる女の子とかね。

変わらずにエレンとミカサがいてくれるのは心強いけど、もう二人に助けられるだけではいられない。
僕だって頑張って、二人とか周りのみんなに追いつく。自分の力で戦う。
お母さんのことだから、また僕に「無理はしないで」って言うのかもしれないね。
だけどあれから1年以上経った。最後に抱きしめてくれてから、一回りも二回りも大きくなってるよ。
確かに僕の体型が他の人より小さいっていうのはわかってる。病弱でもあるかもしれない。
だけどこれはいつかは突破しなければいけない、僕自身の壁なんだ。

お父さんはいつも、「お前は強い子だ、自分を信じることができる子だ」って言ってくれたよね。
今なら、この言葉を素直に受け止められる。僕は自分を信じて、仲間と、巨人と、自分と、戦うんだ。

就寝時間ぎりぎりなので、今日はもう寝ます。大きくならなきゃいけないし。

第104期訓練兵アルミン・アルレルトより


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コニー「1年前のアルミンはこんなこと書いてたのか……。ところでこの敬礼逆にした馬鹿って誰だよ?」

マルコ「3年寝起きしたこの部屋も見納めだなあ」

マルコ「ん、忘れ物だ。封筒だけど、床の色と同化してて気付かなかったのかもしれない」

マルコ「ちょっと筆跡だけ確認するよ、持ち主さん」

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父さんと母さんへ

僕は今日をもって、無事に訓練兵団を卒業することができました。
少しずつ荷物を片付けていたら、入団式の夜に二人に向けて書いた手紙が出てきたので懐かしく読み返しました。
3年前の僕に倣い、またこうして筆を走らせてみます。

まず、先ほどの「無事に」卒業した、という言葉を撤回します。
結論から言って、僕は兵士には向いていないと考えています。
1年目はともかく、2年目に入ってから「訓練についていけない」ということが現実的な問題として降りかかってきました。
皆より多く負荷をかけたトレーニング。自主練習もしている。自己分析をして改善に努める。それでも、みんなの背中さえ見えない。
冬山での訓練では比喩でなく凍死しかけたし、実を言えば卒業試験だってかなり―――命も、合否も―――危なかったのです。
泣き虫で、華奢で、弱くて、僕は何も僕の壁を越えられてなどいないのかもしれません。
卒業認定を言い渡された時は本当に父さんと母さんの加護があったんだと思いました。

一つだけ、誇れることがあります。
座学では2位のミカサに差をつけて、1位になれたということです。
巨人とかこの世界とかのことを切り離しても、純粋に学問というものは面白いものです。
それは、幼いころに好奇心を刺激してくれた父さんの本のおかげだと思います。

さてここからが本題です。
教官やエレンには、技巧にまわれと言われました。


僕は調査兵団に入ります。

二人がどんな反応をするのか、想像してみてもうまくいかないのが悲しいです。
でもきっと、認めてくれるんじゃないかなあと都合よく考えることにします。
母さんは最初は怒るかもしれないけど、絶対僕の考えを聞いて誰よりも深く理解してくれるし、父さんは僕が決めたことを止めはしないでしょう。

率直に言って馬鹿な決断だと思います。僕が他人なら止めます。

しかしここで調査兵団を選択せずに、僕は3年間何をしてきたことになるのでしょうか。
倒れても潰れても、文字通り血を吐いてやってきたのに、いまさら巨人から遠ざかるなんてそのほうがよっぽど愚かだと僕は思う。
10位以内にも関わらず調査兵団を目指すエレンとミカサと仲間たちに、背を向けることはできない。

実を言えば、父さんと母さんが憧れていた壁の外をこの目で見たいのです。


灯を消せと友達に文句を言われるので、今回はここで区切ることにします。


調査兵団所属 アルミン・アルレルトより


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マルコ「つい最後まで読み切ってしまった、ごめんアルミン」

マルコ「明かりを消せって怒ってたのはジャンだな」

マルコ「おーいアルミン、忘れ物だよ!おーい!!」タッタッタ

ミカサ「アルミンがいない。ジャケットだけがある、もうエレンの審議まで時間もないのに」

ミカサ「アルミンには珍しく汚れたまま。私が手入れをしておこう」ハラリ

ミカサ「紙の切れ端が落ちた。メモかもしれない」
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父さんと母さんへ

死んでゆく仲間の姿を思い浮かべると、父さんと母さんがどんな最期を遂げたのか嫌でも想像してしまいます。
それから、父さんと話したい、母さんの料理を食べたいという思いが日に日に増してきます。
もう15歳なのに。

アルミン


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ミカサ「アルミン、私たちはもう15歳。だけど、まだ15歳」

ミカサ「エレンの審議が始まる」

ジャン「内地か…へっ、あんだけ憧れてた場所なのに気が進まねえのはその目的のせいか」

ジャン「それよりなんで俺がエレンの代わりやんなきゃなんねえんだよ」

ジャン「…おいアルミン、連日の会議で疲れてんのは知ってるがせめてベッドで寝ろよ、何書いてんだ」チラリ

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先日、初めての壁外調査からなんとか生還しました。
調査兵団の奇行種との戦いや巨大樹の森での攻防、きっと父さんと母さんは見ていたことでしょう。

「女型の巨人」、突然現れた憎き奴の正体が僕の中ではっきりとしました。
確証は得られていないし、どちらかといえば僕は誤りであってほしいとさえ思っています。
ともに鍛えあってきた仲間が裏切り者だなどと、すぐに思える人間ではありません。
しかしそれがもし真実ならば、躊躇うことなく糾弾する必要があります。
なぜなら、僕は人類に心臓をささげた兵士であるから。
彼女は仲間ではなく、戦うべき敵であるのだから。
過去や感情をひきずったままでは、兵士としての使命は全うできません。
人は時に何かを捨てなければ、何かを変えることはできないと思います。

ですが、僕はまだ願っているのです。
僕が甚だしい見当違いをしているように、僕の頭が錯乱しているように、と。


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ジャン「こんなこと思っていやがったのかアルミンの奴」

ジャン「仕方ねえ運ぶか。……クリスタより軽いんじゃないかお前」

???「要らんボケ薬の処方箋かと思えば何、古い手紙か、知らんが開けてみるとするか」


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拝啓

悪い予感は的中しました。
予想していたことですが衝撃でした。
しかし今はそれよりも、自分の詰めの甘さによって生まれた犠牲に後悔の念しかありません。
気の緩みはやはり、彼女が巨人であってほしくないという願望から生まれてしまいました。
今後このような失態は絶対に犯さない。
私的な感情に振り回されない、客観性と冷静さを崩さない、時として非人格者と呼ばれることをも厭わない。
隠れている敵を見つけるためには、曇りをとった目で観察しなければならない。

今後しばらく、手紙は書きません。

こうして二人のことを思うと、どうしても素の自分が現れてしまいます。
己に振り回される愚かなアルミン・アルレルトの存在はもう許されないのです。

僕は弱いけれど、自分を常に疑い命尽きるまで人類の勝利の役に立つために励む所存です。

では、いつか人類の自由が取り返される時まで。


アルミン・アルレルト

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???「アルミン・アルレルト……どこかで聞いた名前じゃの」

???「ふむふむ思い出してきたぞ、どこで聞いたかは忘れたが遠い昔の兵士じゃな、よく知っておる」

???「アルミン君や。もは今の世に壁という概念はない。わしは温泉につかるのがここのところの楽しみじゃがそれも君のおかげかのう」



「お父さん!また薬飲まずに捨てたんでしょ」

???「うるさい娘だ、わしにボケ薬など必要ない」

「人類の希望の頭脳と呼ばれてたのが信じられない、お父さんは若い時に脳みそ使いすぎたのよ」

???「それよりマルコはどこじゃ。じいちゃんにつけられた立派な名前をよりにもよってジャンの孫に馬鹿にされたと聞いたぞ」

「ぺトラちゃんに助けてもらって泣き止んだわ」

???「ぺトラはいい子じゃが、あのリヴァイとかいう坊主は全くしっかり馬野郎の血をひきおって」

「キルシュタイン閣下に似るってことはこれからどんどん立派になるんでしょうね」

「マルコもお父さんに似て、勉強だけはできるし変に頑固なところはあるし」

「ぺトラちゃんはまあ、ミカサさんの身体能力にエレンさんの根性ぶっこんだ感じ」

「まったくあの世代の血は濃すぎて、孫は親よりおじいちゃんやおばあちゃんにばっかり似るのね」

???「そう怒るなミーナ、お前は女神とまで呼ばれた母親になぜ似ない」

???「そうそう、次の孫は男の子だといいのう」

「どちらにしろもうお父さんに命名権はありませんからね」


???「まあ聞け。ミカサやエレンのように活躍はしとらんが、確かに存在した兵士の名じゃ。巨人退治のため人間を辞めたと言われるほど冷酷な奴での」

「……お父さん、明日はエレンさんたちも誘って皆で温泉に行きましょう」



アルミン「おお、それはいい。どうせまたわしが二人の世話をせにゃならんが仕方ない…ジャンとアニの睨みが怖いぞ…」

短いかもしれませんが以上です。
読んでくださった方いましたら、心からありがとうございました。

蛇足だったかもしれない最後のほうが、実は書いてて楽しかったです……。


では


一巻のキャラは死ぬ前提で作られたって話を聞いて、
ますます幼馴染以外死にそうで怖い

>>10
レスありがとうございます
なんかもう幼馴染でさえも大丈夫か不安になります…
皆生きてて欲しい、でもバサバサ死ぬところがまたこの作品の醍醐味とも思うんですけどね

上げてしまいましたすみません

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