モバP「最近はエモを聴いてるのか」 李衣菜「はい!」 (33)



だりーとPが初期エモについて話す短いSS

モバSSは初なので、ご容赦ください。

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ガチャ

P「おーす。やってるか」

夏樹「よぉ、プロデューサー。もうレッスン終わってるぞ」

P「ああ、経過を訊きに来ただけだから別に良いんだ。……あれ、李衣菜は?」

夏樹「だりーは中古CD屋のセールだからって、急いで帰ったよ」

P「そうか。夏樹は行かなくていいのか?」

夏樹「まあ、特に買いたいのもないし……」

P「ふーん」

夏樹「……ところで、プロデューサー。だりーのことなんだけど」

P「うん?何、困ったこと?」

夏樹「困った、っていうか……なんか変なんだよな、最近」

P「変?」

夏樹「今、今度出す曲の収録に向けてレッスンやってるだろ?」

P「ああ、うん」

夏樹「だりーの歌い方が、ちょっと変でさ……」

P「歌い方……またロバート・プラントみたいになったか?」

夏樹「いやー……何て言ったらいいか……」

P「そんなに変だったのか?」

夏樹「言葉じゃ伝わりにくいんだよ。
  AメロBメロはぼそぼそ歌ってて、サビでバカみたいに声を張り上げて……」

P「……今日の練習、録音したか?」

夏樹「いーや、してない。ともかく、明日のレッスン、見に来てくれよ」

P「あー、うん。分かった。……多分、李衣菜が最近ハマってる音楽に関係ありそうだけど」

夏樹「十中八九そうだろうね」

P「……何聴いてるって言ってた?」

夏樹「あー、何だったかな……悪い、覚えてない」

P「夏樹は李衣菜と音楽の話ってしないのか?」

夏樹「するよ。向こうから一方的に。面倒だから、話半分に聞いてることが多いんだけど」

P「……そう、分かった。じゃあ、また明日」

夏樹「ん、また。お疲れさーん」

――翌日、事務所

P「あの二人の友好関係がよく分からないな……」

P「まあ、なんでもいいんですけれど」

P「李衣菜はすぐ影響受けちゃうからなー」

ちひろ「そういうところもかわいいじゃないですか」

P「それはそれですよ。一々、歌う調子変えられたら困ります」

ちひろ「今度は何ですか。またロバート・プラントみたいな歌い方になったんですか?」

P「いや……よく分からないんですよ」

ちひろ「そうですか。まあ、あんまりきつく言わないであげてくださいね」

P「分かってますよ」


ガチャ

李衣菜「おはよーございまーす!」

ちひろ「おはよう、李衣菜ちゃん」

P「おはよう李衣菜。やけにご機嫌だな」

李衣菜「えっへっへー、実は昨日CD屋さんでセールやってて……」

P「なるほど」

李衣菜「掘り出し物……はあんまり無かったんですけど、良いの買えたので」

P「もうウォークマンには入れたのか?」

李衣菜「はい。移動中に聴きたかったので、昨日のうちに」

P「今度はどんなのにハマってるんだ?」

李衣菜「えへへへへへ……ちょーっと一口じゃ説明できませんね~」ニヨニヨ

No fuckin gay emo musics are allowed in this world so get lost

P「ジャンルは?」

李衣菜「エモ、です!」

P「あ、それなら俺少し知ってる」

李衣菜「え、本当ですか」

P「ああ。鼻にかかったような声で、全体的に洒落てて……」

李衣菜「ノォー――――ッ!」ガタッ

P「うわっ、何だよいきなり」

李衣菜「分かってない……プロデューサーは分かってないです!」

P「いや、エモって……」

李衣菜「プロデューサーのエモ像は歪められたステレオタイプなエモ!」

P「は、はあ……」

李衣菜「つまり最近のエモです!」

P「最近の……?」

李衣菜「はい!私の言うエモは90年代のエモです」

P「90年代……」

李衣菜「といっても、当時はエモという言葉はなくって、後から付いた呼称!
  ……らしいんですけど」

P「らしい?」

李衣菜「こ、細かいことはさておき。エモのイメージと言えば、
  綺麗、お洒落、モテる、なよなよしている等々……違いますか?」

P「まあ、大体あってる」

李衣菜「90年代のエモはむしろ、地味、ダサい、モテない!
  最近のエモと区別するために、初期エモ、と呼ばれている……らしいです」

P「へぇ。それで、肝心の曲ってどんな特徴が?」

李衣菜「えっ、とぉ……バンドごと色々なので、その、よく分からなくって……」

P「…………」ニヤ

李衣菜「あー!馬鹿にした!今プロデューサー、にわかだって思ったでしょ!」

P「いや、思ってないよ、本当」

李衣菜「もう、いいですよ」ツン

P「ごめんって」

李衣菜「…………」ガサゴソ

P「…………」

李衣菜「…………」スッ

P「……うん?」

李衣菜「聴きましょうよ、エモ」

P「李衣菜……」クス

李衣菜「……さてと、何からがいいかなー」

P「もう脱初心者はできたのか?」

李衣菜「う……正直なところ全然です」

P「そっか」

李衣菜「色んなCD屋さん周ってもあんまり置いてなくて……」ションボリ

P「通販は?」

李衣菜「ロマンが無いし……それに、通販でも取り扱ってなかったり、
  廃盤になってたり、あと中古価格が高騰しててとても手が出せないんです」ハァ

P「……でも、好きなんだよな?」

李衣菜「もちろん。手に入らないとなると、ますます欲しくなっちゃって」

P「…………」

李衣菜「よし、じゃあ私の少ない手持ちから、何曲か……」ポチ

P「お、イントロから良い感じだな」

李衣菜「でしょう!このアルバム、高かったんだけどどうしても欲しくて、この間やっと買ったんです」

P「……ふむふむ」


Mineral - Gloria
http://www.youtube.com/watch?v=sb-EtaBP72c

李衣菜「あ、終わりましたね。じゃあ、次はこっちのバンド……」

P「うんうん。何て言うか、湿っぽくて日本人ウケしそうなメロディだな」

李衣菜「良いでしょう?プロデューサー、話が合いますね」

P「…………AメロBメロは静かだけど、サビ、後半で爆発するような」

李衣菜「はい!いやぁー、最高ですよね!かたるしすを感じます!」

Sunny Day Real Estate - Seven
http://www.youtube.com/watch?v=gAotWVmVRS4

Mineral思い浮かべてスレ開いたらしょっぱな当たってた



P「…………李衣菜、ちょっと」

李衣菜「は、はい?」

――レッスンルーム

P「ほら、ちゃんと声を出す」

李衣菜「うぅ……なぜ……どうして駄目なの……」

夏樹「プロデューサー、原因は分かったのか?」

P「ああ、今回はエモだった」

李衣菜「ぐぐぐ……」

夏樹「えっ、エモぉ?」

P「夏樹は知ってるか?」

夏樹「あ、ああ、うん。女々しい鼻にかかったような声で、こじゃれてて……」

P「俺とおんなじようなこと言ってる」

夏樹「……エモだろ?」

李衣菜「……エモはエモだけど、なつきちの言うエモとは違うもん」

夏樹「よく分からん」

P「後で話すよ」

――レッスン後、だりーの行きつけのCD屋


P「予想はしてたけど、夏樹はエモ、苦手みたいだな」

李衣菜「At the Drive-inは好きって言ってたくせに……」ブツブツ

P「カリカリするな。今日は俺がCD代払ってやるよ」

李衣菜「え、良いんですか?」

P「最近頑張ってるからな。あ、歌い方は直せよ?」

李衣菜「わ、分かりましたよ。何枚までなら良いですか?」

P「値段にもよるけど、二、三枚かな」

李衣菜「了解です!じゃ、探してきます」タタタ…

P「……ふぅー、CD屋来たのも、結構久々だな」

P「俺も何枚か買って行くかな……」ウロウロ

P「……うーん」ウロウロ

P「……何が何だか分からないな」

P「…………あ、そういえば夏樹が『ジャケ買いは無上の快楽』って言ってたな」

P「ジャケねぇ……ティンとくるジャケは、と」カチャカチャ

P「…………お、これは」スッ


http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4598633.jpg


P「なんか面白いジャケットだな」

P「せっかくだから買ってこうっと」

李衣菜「……プロデューサー、選んできましたー」

P「おう、良いのあったか?」

李衣菜「うーん、ちょうど欲しいと思ってたのが売れちゃってて……」

P「そうか、残念だったな」

李衣菜「迷ったんですけどこの二枚を……あれ、プロデューサーも買うんですか?」

P「ああ、うん。『ジャケ買い』してみたくてさ……ほら、面白いジャケットだろ」

李衣菜「ええ……んっ!?どっどどどっどぷろろでゅーさー!?」

P「なっ、何だよ。あんまり大きい声出すな」

李衣菜「あっ、す、すみません……け、けどこれ……どこで?」

P「どこって、あっち」

李衣菜「あっちですね!」タタタ…

P「…………」

李衣菜「あったー!やったー!うっひょぉおおおおー!」

P「うるせーぞだりー!」

李衣菜「プロデューサー!これ!これと、そのプロデューサーの持ってるやつ!買ってください!」クワッ

P「え、ああ、良いけど……」

李衣菜「あざーっす!」

P「うるせー!ボリューム絞れ!」

李衣菜「うーーーい。(ォライッ、ォライッ」

P「何なんだよもう……」

――――

李衣菜「いやー、すみません。テンション上がっちゃって」

P「仮にもアイドルなんだから、外で騒いだりするな」

李衣菜「本当申し訳ないです。しっかし、ウヒョー!」ウヒョー

P「……そんなに嬉しいか?」

李衣菜「はい!このバンド、3rdは手に入りやすくて、私、持ってるんですけど、
  1stと2ndがどこにも……それで、今日」

P「ふーん。それもエモか?」

李衣菜「はい。ポストハードコア?寄りの初期エモ?だったかな……」

P「…………」ニヤ

李衣菜「笑いましたね?」

P「はは、いーや」

李衣菜「もうっ……ま、発掘してくれた上、奢ってくれたし、
  今日は許してあげますよっ。プロデューサー」

P「ありがと」

李衣菜「こっちの台詞ですよ」

―― 一か月後、事務所

ちひろ「プロデューサーさん、荷物届いてますけど」

P「あ、すみません……宛先、自宅にするはずだったのに」

ちひろ「まあ、収支が混乱しなければ、気にしなくてもいいですけど」

P「いやいや、でも公私混同ですから……すみませんね」

ちひろ「……何を買ったんですか?」

P「ああ、CDですよ」

ちひろ「CD……あの、エモ……でしたっけ?」

P「はい。李衣菜に教えてもらったんですけど、俺がハマっちゃって……」

ちひろ「ふふ、いいじゃないですか。自分も楽しいし、
  コミュニケーションのネタになるし、一石二鳥ですよ」

P「ですねぇ」


ガチャ


李衣菜「おはようございまーす!」

P「よう、李衣菜。今日は早いな」

李衣菜「ええ、嬉しくってつい。これ、プロデューサーのですか?」

P「ああ、そうそう。見てくれよ、Elliottのアルバム大人買いしちったー」

李衣菜「ああ、初期エモ……ですか」フッ

P「何だよ、その反応。李衣菜も好きだろ?」

李衣菜「まあ、好きだった、というか……」

P「……お前の中の流行が変わったか」

李衣菜「ええ、まあ……じゃ、レッスン行ってきます」

ちひろ「……せっかく共通の趣味ができたのに、残念ですね」

P「若さですねぇ。好き嫌いせず色々聴けるのは今の内ですし」

ちひろ「ですねぇ。あら、李衣菜ちゃん、ウォークマン置きっぱなし……」

P「あらら、後で届けておきます」

ちひろ「……ねぇ、気になりません?」

P「あ、次の流行ですか?」

ちひろ「うふふ。今度はどんな音楽にハマってるのかな?」ワクワク

P「そうですね、ちょっと見るだけなら……」カチ

┌───────┐
│          │
│          │
│   Mayhem   │
│          │
│          │
│          │
└───────┘


P「メイヘム……」

ちひろ「知ってるんですか?」

P「ええ、まあ……」

ダダダダ ガチャ


夏樹「プロデューサー!だりーの歌い方気持ちわりー!何とかして!」


おわりーな☆

音楽講座なんて大層なものできるほど知識が無かったのよ
にわかなのはだりーじゃなくて俺でしたとさ
だりーと音楽話したら多分こんな感じかなーって書きました。

SS見る→みんなエモを聴き始める→アルバム再販→嬉しい!
とかなったらいいね

だりーながかわいいからノープロブレムである
ちょっとだりーなに面白いジャケ写真撮らせてくる乙


俺はエモだったらThe Dismemberment Planが好き


俺はエモだったらThe Dismemberment Planが好き

名前とか出したバンドだけ、アドレス貼りますね……
At the Drive-in
http://www.youtube.com/watch?v=7NYbojdoAQE
Elliott
http://www.youtube.com/watch?v=tTe2OecpSGA

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4598633.jpg
↑このバンド
On the Might of Princes
http://www.youtube.com/watch?v=VBeowqoLKx4

最後だけエモじゃないです。
Mayhem
http://www.youtube.com/watch?v=uZmDL_PzvdY

Mayhem…教会…ウッアタマガッ

これはクラリスに粛正不可避

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