杏子「さやかが人間に戻った!」(305)

杏子「うぉーい、帰ったぞさやか」

さやか「」

杏子「魔法で体を腐らせないようにして…」ポワワ

さやか「」

杏子「はぁ…」

杏子「なあさやか、魔女から人間に戻ったら…」

さやか「」

杏子「今度こそは、本当の友達になろうな」

さやか「」

杏子「…グスン」

杏子「Zzz...」


   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
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  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
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  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、
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 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

杏子「ん…朝か」

杏子「さやか…?」

さやか「…」ポカーン

杏子「さやか!」ギュッ

さやか「…?」

杏子「人間に戻ったんだな!良かったあ!」

さやか「あなた、誰?」

杏子「へ…?」

杏子「えっ…じゃあ記憶が無いのか?お前」

さやか「うん」ユラユラ

杏子「そうか…でも戻っただけでも嬉しいよ。希望を信じて良かった」

さやか「よくわからないけど…良かったね」ユラユラ

杏子「なんでさっきから体を揺らしてるんだ?」

さやか「わかんない」ユラユラ

杏子「そうか…さっそくみんなに会いに行こうぜ!」

さやか「皆って誰?」ユラユラ

杏子「お前の大切な友達さ!」

杏子「さ、行くぞさやか!」

さやか「うん…よっこいしょ」

さやか「うわあっ!」バタン

杏子「おいっ!大丈夫かさやか!」

さやか「あれ…?スライド移動が出来ない…」

杏子「よくわからないけど、病み上がりで歩けないんだな。おぶってやるよ、ほら」

さやか「ごめんなさい…」


むしろ希望しか見えない

まどか「さやかちゃぁん!」ギュウ

さやか「…?」ユラユラ

まどか「さやかちゃん…?」

杏子「ああ、ちょっと記憶喪失入ってるみたいなんだ。まあこれから取り戻していけばいいさ」

まどか「でも良かった、さやかちゃんが人間に戻って…」

さやか「良かったの?」ユラユラ

まどか「うん!」

さやか「そうなんだ」ユラユラ


まどか「じゃあ、また学校でね!皆さやかちゃん心配してるから…絶対に来てね」

杏子「じゃあな!」

さやか「…バイバイ」

杏子「へへ…さやか」ギュッ

さやか「…?」ギュ

ほむら「佐倉杏子、そいつから離れなさい」

杏子「な、何の用だよほむら!いい所でに来やがって…」

ほむら「いいから離れなさい!」

杏子「どういうつもりだ…?」

ほむら「そいつの本性を見せてやるわ」

杏子「ラジカセ…?」

ほむら「再生ボタンを押して…」

ラジカセ「~♪」

杏子「…クラシック音楽?」

さやか「!」ビクーン

杏子「ど、どうしたんだ…?」

さやか「うへへへ…」ユラユラ

杏子「お、おい…」ユサユサ

さやか「何すんのよ!!!!!」バシッ

杏子「なっ…」

さやか「えへへへへ…」ユラユラ

ひだまりの民的なあれか

ほむら「…」

さやか「うへへ…ルックアットミー…」ユラユラ

杏子「さやか…?」

ほむら「…演奏が終わったわよ」

さやか「ブラボー!」パチパチパチ

さやか「るん♪るん♪」ウキウキ

杏子「おい、どうなっちゃってるんだ…?さやかは」

ほむら「非常にショックを受けると思うけど…言うしか無いわね」

ほむら「ソウルジェムが割れた時点で、魔法少女の魂は魔女の魂に変貌する」

ほむら「元に戻ることは絶対に無い…」

杏子「てことは、まさか…」

ほむら「今の美樹さやかは…魔女化した美樹さやかの魂が、人間の頃の美樹さやかの体に乗り移っただけの存在なの」

杏子「そんな…」

ほむら「どうしてそうなったのかはわからないけれどね」

杏子「どうすればいいんだ…」

ほむら「言いたくないけど、殺すしか打つ手が無いわ」

杏子「絶対にさせねーぞ!」ガシッ

さやか「ビクッ!」

杏子「さやか、お前は私が絶対に守るからな…」

ほむら「…好きにしなさい」

杏子「ほら、ゼリーだ。食うかい?」ヒョイ

さやか「わぁ!私の中身みたい!」

杏子「…中身?」

さやか「鎧の中身はこれみたいに、ドロドロしてるんだ。音楽聞いてる時に、鎧から体の一部がこぼれ落ちちゃって困るんだよね…」

杏子「そ、そうなのか…」

さやか「美味しい♪」チュルチュル

杏子「調子狂うな…」

杏子「これで本当に学校行けるのか…?」

さやか「音楽聞きたいな」ユラユラ

杏子「え?」

さやか「あなた…名前はえーっと…」

杏子「佐倉杏子だ」

さやか「杏子、あなた使い魔持ってない?」ユラユラ

杏子「私魔女じゃないから」

さやか「人間って不便だね…」ユラユラ

杏子「いや、私はまほ…」

さやか「?」ユラユラ

杏子「何でもない…」

さやか「そういえば、杏子魔法少女って知ってる?」

杏子「…知らん」

さやか「とっても怖い、絶望を撒き散らす人間の姿をした悪魔なの。私、生まれたての時に殺されかけたんだ」

杏子「…そうなのか」

さやか「杏子も気をつけてね」

杏子「ああ…」

さやか「…」ムズムズ

杏子「どうしたんだ?」

さやか「音楽聞きたい…」

杏子「いや、さっき聞いたばっかりじゃないか」

さやか「一時間に一回音楽聞かないと…イライラする」

杏子「わ、わかったよ!ほむらが置いてったラジカセのスイッチをつけて…」

ラジカセ「~♪」

さやか「えへへへへ…」ユラユラ

杏子「さやか…」

さやか「黙れ!!!!」

杏子「…」

さやか「うへへへへ…」

杏子「…」カチッ

さやか「ブラボー!」パチパチ

さやか「ふんふ~ん♪」ウキウキ

杏子「元よりも疲れるな…」

さやか「…」クンクン クンクン

杏子「どうしたんだ?」

さやか「…なんか私の体、臭う」

杏子「そりゃそうだ、数週間ぐらい体洗ってないからな」

さやか「水槽で体洗いたいんだけど」

杏子「水槽…?」

さやか「この暖かい水槽みたいのいいね」

杏子「お風呂って言うんだぞ…ほら、腕上げな」ゴシゴシ

さやか「あははは!くすぐったいよ!」

杏子「なんかお前が何から何まで素直だと不気味だな…」

さやか「前は素直じゃ無かったの?」

杏子「ああ、結構頑固な奴でさ…」

さやか「ふーん…」ジャバッ

杏子「おい!石鹸残ってるのに湯船入るな!」

さやか「…ブクブク」

杏子「何潜ってんだ…?」

杏子「お、おい…」

さやか「…ぷはあっ!」

杏子「どうしたんだよ…」

さやか「おかしいよ…お水に潜ると息苦しい」

杏子「そりゃ人間はエラ呼吸じゃないからな…」

さやか「不便だね、人間って」

杏子「…」

杏子「ほら、寝るぞ」

さやか「うん」バタバタ

杏子「なっ…」カアアア

杏子(さやかがベッドに寝転びながら足バタバタさせてる…)

さやか「足が生えてるのも悪くないね」バタバタ

杏子(可愛すぎるぜ…)

さやか「どうしたの?私の結界の色みたいに顔赤くして」

杏子「いや、何でもない。寝るぞ」

さやか「うん!」

次の日

さやか「よいしょ、よいしょ」

杏子「ほら、足を前に出して…そうだ」

さやか「歩くのって結構難しいんだね」

杏子「人間にはわからないけど、お前にとっては難しいんだろうな」

さやか「うわあっ!」バタッ

杏子「おい、大丈夫か!?」

さやか「うん…」ギュッ

杏子「…//」

杏子「もうそろそろ家にお前を返さなきゃな…」

さやか「私のお家は結界だよ?」

杏子「今のお前は人間になったんだ。前の人間と同じように生活してもらわないと困るんだよ」

さやか「でも…」

杏子「でもも何も無い、ほら行くぞ」

さやか「使い魔が私を待ってるし…」

杏子「今のお前は美樹さやかって子だ。魔女じゃないんだぞ」

さやか「…グスン」

数時間後

さやか「…」メソメソ

杏子「おい!何泣いてるんだ?」

さやか「二人の人間に怒鳴られたり、叩かれたりしたの…」

杏子「それはお前の親で…」

さやか「よくわかんないよ…」

まどか「あっ!さやかちゃーん!」

さやか「昨日の子だ…」

杏子「アイツは鹿目まどかって子だ…昔のお前の親友で…」ゴニョゴニョ

さやか「うん、わかった」

まどか「えへへ…じゃあ行こっか」

さやか「うん」


まどか「何かさやかちゃん、元に戻ってから凄く落ち着いたね」

さやか「そうなの」

まどか「前はもっと男勝りっていうか…賑やかな子だったんだよ」

さやか「ふーん」

まどか「だから今のさやかちゃんは新鮮だなぁ…」

さやか「えへへ」

まどか「あっ…仁美ちゃんだ」

さやか「仁美ちゃんって誰?」

まどか「ウェヒヒ…気にしないで」

仁美「あっ…さやかさん!ずっと何処へ行ってらしたの!」

さやか「わかんない」

仁美「…」

さやか「お空綺麗だね」

仁美「私…さやかさんをこんなにしちゃったんですわ…」

さやか「こんなってなあに?」

仁美「やっぱり上条さんとは別れます!」

さやか「?」

まどか「ウェヒヒ…」

学校にて

上条「あっ、さやか!」

さやか「えーと…」

まどか「さやかちゃんの幼馴染の子、上条君だよ…ウェヒヒ」

上条「何処行ってたんだい…心配してたんだよ」

さやか「心配してくれたんだ…ありがとう」

上条「うん、君は僕の大切な友達だからね!」

さやか「そうだね」

上条「そうだ、学校の帰りに僕の家においでよ!ずっとバイオリン聞きたいって言ってたでしょ」

さやか「バイオリン…行く!行くよ!」

上条「そんな喜んでくれて嬉しいよ。君が帰ってきたお祝いも兼ねてだよ」

まどか「さやかちゃん、上条君の家は…覚えてるわけ無いよね」

さやか「うん」

まどか「じゃあ家まで送ってあげるよ」


さやか「なんかおっきな家だね」

まどか「お金持ちだからね…それじゃ」

さやか「ありがとう、バイバイ」

上条「…うっく…ぐすっ」

さやか「泣いてる…どうしたんだろ」

さやか「どうしたの?」

上条「僕の…彼女が…うくっ…当然…別れましょって言ってきたんだ…付き合って…まだ数週間も無いのに」

構わん 殺れ

さやか(心の中でざまあみろって気持ちが湧き上がる…何でだろ)

上条「どうして…ぐすっ…突然…」

さやか「可哀想に…よしよし」

上条「ありがとう、さやか」ギュッ

さやか(何かこの子に妙な親近感が湧いてきた…不思議!)


さやか「わあ、凄い…!サーベルだ」

上条「お父さんが趣味で集めてるんだ…」

さやか「私の愛用の品と似てるね」

上条「へ…?」

さやか「あっ、バイオリン!さっそく弾いて!」

上条「うん…」

上条「~♪」

さやか「うへへへへ…」シャキン

上条「突然鞘からサーベルを抜いてどうしたんだい…さやか」

さやか「うへへへ…」ユラユラ

上条「あの、さやか…?」

さやか「何演奏止めてるの!!!」ビュンッ

上条「うひゃあっ!」

さやか「演奏!演奏!」

上条「は、はい…」

上条「~♪」

さやか「うへへへへへへ…」

上条「…♪」

上条「終わったよ…」

さやか「ブラボー!ブラボー!」パチパチ

さやか「ルン♪ルン♪」ウキウキ

上条「はは…そんなに喜んで貰えて光栄だよ…」

さやか「上条くん、外見だけじゃなくて演奏も使い魔に似てるね」

上条「…?」

さやか「私が魔女に戻れたら真っ先に魂吸い取って君も使い魔にしてあげるからね…」

上条「よくわからないけど、褒めてもらったってことなのかな…あは、ははは」

さやか「…」ムズムズ

上条「どうしたんだい、さやか」

さやか「もっかい演奏して…」

上条「今弾いたばかりだけど」

さやか「聞いてないとイライラするの」ジャキ

上条「サーベルこっちに向けないで!わかった!わかった!」

上条「~♪」

さやか「うへへへへへへ」ユラユラ

数時間後

上条「ぜぇ…ぜぇ…」

さやか「もっかい演奏!ねぇ、お願い!」ギュッ

上条「もう…疲れた…休ませて」

さやか「仕方ないなぁ…」

上条「ふぅ…」

さやか「じゃあ私、上条くんが元気になるまでここで寝てるから」

上条「いつまで居座るつもりなんだよ…」

さやか「Zzz....」

上条「…」ドキッ

上条「はは…毛布かけて…」

上条「親御さんに連絡してあげないと…」

さやか「…」ツンツン

上条「ど、どうしたんだい?」

さやか「演奏」

上条「もう嫌だよぅ…」

さやか「早く♪」

上条「じゃ、じゃああと一回…」

さやか「仕方がないな…じゃあ今日は一回で許してあげる」

上条「は、はは…」

杏子「お、出てきたな。楽しかった?」

さやか「楽しかった♪」

杏子「そうか、じゃあ家に帰るぞ」

さやか「あの怖い二人の人間のお家に行くの、やだ」

杏子「あの人達もお前が好きでやってんだよ…お願いだから、行ってやんな」

さやか「…」

さやか「わかった」

                     \    _
                    r-''ニl::::/,ニ二 ーー-- __
さやかが人間に戻った!  .,/: :// o l !/ /o l.}: : : : : : :`:ヽ 、

                  /:,.-ーl { ゙-"ノノl l. ゙ ‐゙ノノ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
              ゝ、,,ヽ /;;;;;;;;;;リ゙‐'ー=" _゛ =、: : : : : : : :ヽ、
              /  _________`゙ `'-- ヾ_____--⌒     `-: : : : : : : :
...-''"│    ∧  .ヽ.  ________   /   ____ ---‐‐‐ーー    \: : : : :
    !   /   .ヽ  ゙,ゝ、      /  ________rー''" ̄''ー、    `、: : :
    .l./     V   `'''ー-、__/__r-‐''"゛     ̄ ̄   \   ゙l: : :
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                     \    _
 

次の日

さやか「~♪」

まどか「何か嬉しそうだね、良い事有ったのかな?」

さやか「うん!」

まどか「なんだか、私よりも子どもっぽいさやかちゃんを見るのって不思議だなあ…」

さやか「子供っぽくないよ」

まどか「そうだね、ウェヒヒヒ」


上条「あっ…さやか」

さやか「今日も行くよ!」

上条「お願いだから、頼むよ…」

さやか「上条くんの曲聞かないとイライラするの」

上条「困ったなあ…さやかは何曲ぐらい聞きたいんだい?」

さやか「今日はね…五十曲ぐらいでいいよ!」

上条「ああ、五十曲…」

帰り道

さやか「♪」ギュッ

上条「何で手を握るんだい…」

さやか「逃げないようにしてるの」

上条「はは、逃げないさ…どっちにしろ僕の家に帰らないといけないし」

さやか「それならいいや」パッ

上条「あっ…」

さやか「さ、早くお家に行こうよ」

上条「何だろう…もっと手を握ってたかったような…」

さやか「えへへへへへ…」ユラユラ

上条「はぁ…はぁ…終わった」

さやか「ブラボー!ブラボー!」パチパチ

さやか「ルン♪ルン♪」ウキウキ

さやか「これで40曲だね!お疲れ様!」

上条「さやか…君は数週間ぐらい…居なかったけどさ…なんで居なかったんだい」

上条「僕どころか、先生にまで話をはぐらかしてるし…今だったら僕と君とで二人だから誰も聞いてないしさ…」

上条「なんで数週間も…失踪してたか…教えて欲しいんだけど」

さやか「何ででしょう」

上条「その返し方校長先生にもやってたよね…カンカンに怒ってたよ…」

さやか「うーん…誰にも言わない?」

上条「言わないからさ、どうして居なくなったのか答えて欲しいんだ」


さやか「じゃあ言っちゃおうかなあ…どうしようかな…」

上条「頼むよ、40曲も弾いてあげたんだから…」

さやか「…うん、じゃあ教えてあげるよ」

さやか「実はね、私って美樹さやかじゃ無いの」

上条「だって君は…さやかじゃないか!外見も、声も…性格は違ってるけど」

上条「確かに前までのさやかとは全然違うよ…前は僕の事を名前で読んでたし、もっと優しかったはず」

上条「少なくとも腕が治ったばかりの人に50曲ぐらい連続で弾かせるような性格じゃなかったね」

さやか「…私ね」

上条「…信じられないけど、君がオクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフって名前の魔女という人間とは別の生き物で」

上条「ある日突然人間になった…」

上条「そんな話、あるかなぁ」

さやか「魔女の頃は下半身が魚で…すっごいスタイル良くて…かっこいい鎧を着てたんだよ!」

上条「へぇ…一目見てみたかったなあ」

さやか「さて、じゃああと10曲頑張ってもらおうかな」

上条「えっ…」

さやか「約束は50曲だよ!」

上条「…ぜぇ…ぜぇ」

さやか「今日はありがとう!水を得た魚の気持ちだったよ!」

上条「はは、どういたしまして、さや…じゃなかったオクタヴィア」

さやか「えへへ…人間になってから本名で読んでくれたのは上条くんが初めてだよ」

上条「そうなんだ…じゃあ、僕は寝るからね」

さやか「じゃあね!」


杏子「毎日、夜遅くまで飽きないなあ…アンタも」

さやか「音楽と車輪は私の魂なの」

杏子「車輪?ああ…あれか」

ゼッケンドルフ…

ほむら「美樹さやかの様子はどう…?」

杏子「上条の坊やをとっ捕まえて何かやってるみたいだけど…」

ほむら「…そう」

杏子「なあ、あいつが元の性格に戻る見込みってあるのか?」

ほむら「それなら心配ないわ。あと一週間ぐらいで元の性格には戻る」

杏子「えっ…本当か!じゃあさやかは!」パアア

ほむら「それが問題なのよ。正確には、戻る直前ね」

杏子「どういうことだよ…」

ほむら「まあそれはともかく、絶対に彼女に魔法少女であることをバレないようにして」

杏子「ああ、魔女のアイツはかなり魔法少女に憎しみを持ってるみたいだからな」

ほむら「だから、私たちは人間と彼女に思い込ませるのよ。魔法少女だとバレた瞬間、本気で殺しにかかってくるでしょうから」

杏子「わかってる。まあ頑張るしか無いよな…」



さやか「えーと、この円盤をこの機械に装着して…」

さやか「わあ!車輪みたいに回りだした!」

さやか「えへへ…えーと、この三角のマークを押して…」

CDプレイヤー「~♪」

さやか「えへへへへへへへ」ユラユラ

さやか「本当に私好みの機械だね!」


次の日

さやか「今日も頼むよ」

上条「うん…わかってるよ」

上条「オク…さやかのお陰で先生にも褒められたことだしさ」

さやか「褒められたって?」

上条「一日50曲も弾いてりゃ、演奏も上手くなるよね…ハハ」

さやか「何だかよく分からないけど、上条くんの演奏が上手くなるのは私も嬉しいよ」

上条「コンクールは優勝出来そうだよ、これもさやかのお陰だよ」

さやか「…?」


まどか「ウェヒヒヒ…最近の上条くんとさやかちゃん仲いいね」

仁美これで良かったんですわ…ぐすっ」

上条「…何だいその荷物」

さやか「明日はお休みって聞いたから、泊まりがけで聞きに来たの」

上条「そ、そんなぁ…」

さやか「さて、じゃあ始めよっか」

上条「はいはい…」

上条「~♪」

さやか「うへへへへへへ…」ユラユラ

上条「あの、その笑い声と動き不気味だからやめ…」

さやか「黙れ!!!弾け!!!」

上条「はい…」

さやか「ブラボー!ブラボー!」パチパチ

さやか「ルン♪ルン♪」ウキウキ

上条「曲を聴き終えた後にいつもそれやるけど、何なんだい?」

さやか「聴く側の礼儀。たとえ目の前に敵が居ようと、腕が切られようと、家が破壊されようと、演奏が終わったら必ずこれをしなきゃ、気が収まらないの」

さやか「貴方に対するお礼のつもりだったんだけど…嫌?」

上条「…嫌じゃないよ」

さやか「そっか、良かった!」

さやか「でもね、いつか物になるお礼もしたいんだ…」

上条「僕のバイオリン演奏が君のお陰で高くなってる。これが最高のお礼だよ」

さやか「…?」

上条「何でわからないんだろう…」

しえん

さやか「すい…お風呂借りていい?」

上条「え、いいけれど…」

さやか「じゃあ借りさせてもらうよ」ヌギヌギ

上条「わわ!わ!」

さやか「上条君も一緒に入らない?」スッポンポン

上条「ぼ、ぼ、僕はいいよ」

さやか「あっそう」スタスタ

上条「魔女の話、やっぱ本当なんだな…」

さやか「ふふふ~ふ ふ~ふふふ」

上条「お風呂から鼻歌が聞こえる…」

上条「なんだろう…初めて聞く曲…」

さやか「お風呂出たよー!」スッポンポン

上条「わわ!裸はやめてよ!せめてタオルは付けて!」

さやか「うん」

上条「さっき歌ってた曲、なんて曲なんだい?」

さやか「あれはね、使い魔がいつも弾いてる曲なんだ…」

上条「へぇ、魔女のオリジナル曲って訳か…」

上条「もう一回、歌ってみて」

さやか「うん、いいよ」」

さやか「ふふふ~ふ ふ~ふふふ~ふふ ふ~ふ~ふふ~ふ~ふ♪」

上条「…」カキカキ

さやか「ふふふふふふふ~ん♪ふふふふうふふふ~ん♪」

上条「なるほどね」カキカキ

さやか「ふふふふんっ!」

上条「ありがとう、楽譜に移して…」

さやか「やってよ」

上条「え?何を?」

さやか「あれ」

上条「ああ…あれか」

上条「ブラボー!ブラボー!」パチパチ

上条「ルン♪ルン♪」ウキウキ

さやか「えへへ」

上条「恥ずかしい…」

上条「さ、寝ようか」

さやか「今日は本当に沢山聞けて幸せだったよ」

上条「どういたしまして」

さやか「うん…Zzz...」

上条「あら、寝ちゃった…僕のベッド占拠しちゃって」

上条「はは、寝顔はさやかと全然変わらないや…」

上条「僕はベッドの横に寄りかかって寝よっと」

上条「Zzz...」

「はぁ…きょうすけぇ…」ペロペロ

上条「ん…?顔を誰かに舐められてる……うわぁっ!」

さやか「恭介、起きたんだ…」

上条「オクタヴィア、一体どうしたんだい!」

さやか「誰よ…オクタヴィアって…また新しい女…?」

さやか「夢の中ぐらい…私に振り向いてよ」ギュウウ

上条「ひっ…」

さやか「恭介…」

さやか「…」バタッ

上条「な、何だったんだ…」

さやか「Zzz...」

次の朝

さやか「そんな事しないよ、夢でも見たんじゃないの」

上条「でも顔に唾液の跡が…」

さやか「自分で舐めたとか…少なくとも私は貴方にそういう感情は抱いてないよ」

上条「うーん…」

さやか「まあいいや、今日も…」

上条「あっ!バイオリンのレッスンの時間だ!ごめんね!」

さやか「ふん…」

さやか「いいもん、私にはCDプレイヤーがあるもん」

さやか「帰ろっと」

さやか「~♪」

さやか「そういえば、上条くんはバイオリンが上達するとか言ってたよね…」

さやか「いくら弾いてもバイオリンの音色なんて変わらないし、いつも同じ曲を、同じ演奏で弾くのが普通と思ってたけど…」

さやか「人間は使い魔とは違うのかな」

杏子「よう!調子はどうだい!魔女さん」

さやか「あ、杏子!元気だよ」

さやか「上条って子がいつも演奏してくれるから、ストレスが溜まらないの」

さやか「CDプレイヤーでもいいんだけれど…なんかあの子の演奏を聞いてると、使い魔やこの機械を聞いてる時とは違った不思議な感覚が…」


さやか「不思議だよね、昔の記憶は無いはずなのに…」

杏子「…」

さやか「私の性質は恋慕。もしかしたら昔、あの子の曲に恋してたのかもね」

杏子「そうかもな…」

さやか「ところで、杏子は何で私に気を使ってくれるの?」

杏子「友達だからさ」

さやか「私じゃなくて、美樹さやかの…友達?」

杏子「そうだよ」

さやか「…やっぱり元に戻った方が良いって思ってる?」

杏子「…ああ」

さやか「そうだよね。でも私は戻りたくないな」

さやか「もっと音楽を聴いてたいし、私という存在が消えて無くなるのが怖いの…」

杏子「そういえば、魔女は永遠の命を持っているんだったな」

さやか「うん。魔法少女にやられてもグリーフシードになるだけだし、いくらでも復活できるから…」

杏子「だから、人間以上に死が怖いって訳か」

さやか「そういう事」

杏子「…まあ、アンタもアンタの自我があるんだもんな」

さやか「うん…まあ今は魔女の魂が人間の体に乗り移っただけだから、戻ることは無いと信じているけど」

杏子「そうだな…差し入れ持ってきたんだけど、食うかい?」

さやか「食べ物だ!」ゴソゴソ

さやか「この私の体みたいな食べ物、お気に入りなの」モニュモニュ

杏子「へへ、さやかと仲良く食べるのは初めてかな…」カリカリ

さやか「友達じゃなかったの?」

杏子「あ、魔女のさやかって意味だよ」

さやか「そうだよね」モニュモニュ


   /                       }ノ     ===zx      |    }    /
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  ′                            / ///////}ハ.  |       /
  ,                             //////////  |  |  .′  .′
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  {                 '           {     ∨   }  }/ }  , -―-、
  |_               、            八  __  /  /     /  / だ可 .
  | \         /    \                __  ´      〃  ′ .と愛  .
  |///|ヽ.        {      \                      //  /   思い  |
  |///|  \      、                             //  / {   っ女  |
  |///}   ヽ      \   __ ノ                   /厶イ 八  たの .}
ヽ.{`ヽノ__    \                             /  ノ/} /  _} .?子 ノ
|    ¨¨ヽ__    \__                        ∠==一'  //  /     /
}         、__                        /       ′  ′でさ  {
{         `ヽ`Y´二二ニニ¨¨ ̄ ¨¨ 7==z ┬―一<__   -――7  /  .しや  .
{          / / /          //    }///}            /   ′  たか   |
.∧         / / /            / ′   ′//         ′   {    .ち   |
 ∧       / / /         /  /    ////        /    八     ゃ  ′
.  ∧     / / /           /  〃    ////        /   __ ィ  \___ ん/

>>146
そこはオクタヴィアちゃんで

>>148

                 ,、_   ,、_  ,、_    ,、_
                 f'´   f'´  f'´   f'´
                 込   鼎  丱   仍
                 |\ ∧  ∧   /|_
               ,.<三二Λ ト、| | | |// ////>、
            /////////Λ|ム|_.iM|_.|//_∠///////ヽ
         /////////// / : : : : : : : : : : : : : ヽ、////\  
         ,'///////// , ´ : : :i : : : : : : : : : : : : : :.`、////∧   
           {////////// : : : : :l : : : : : : ',: : :\: : : : .∨///∧
           {////////,' : : : :/iΛ : : : :ト、 ',\ : :Y7 : : i/////} ____
         V//////ノ : ::i イ/{≧ト、: : i ヽ}=≦ミ| : i7i :i////∠三二ニ二三ミ、
            ∨/////イ : :|: { {::心 \{  {:::心 i : :| :i :|///仁二二二二三ヨュ.  
           ∨/////| : :| ヘ弋少  ,`  弋少 | : :| :i :|//γニミ、γ三ミ、γニミミ
           \////VΛ:ハ ,,,,        ,,, | : :| :| :}// {{;;ili;;}}{{;;illllli;;}}{{;;illi;;}}               
            `<//}从:込、   `     ,ィノハイ从// {{;;;ili;;}}{{;;illlli;;;}}{{;;illi;;}} 
                `<//rー ,、≧=-=≦=ー┐/>´  'ゞ=ィヘゞ二彡ヘゞ=彳
                  `>{;;;;;;;;;;;;≧{;;;}≦;;;;;;;;;;;;;}≦、    Vr==ニ二ミV/
               / ゞ:;;;;;;;;:ィ;;|ト、ヾ:;;;;;;;;;;ノ   `ヽ、  圷iil}.{lll}.{ll}.{iiメノ
              /    `ー'´ .|;;|.iΛゞ` -'´     `、  `=ニ(\\='´
                i、         |;;|ハ ヾ;\       /  ヽ、   (\、ヽi 
                l ヽ、       i;;|llllヽ \;;\  /    \  (\  }
                 |   \     /|;;|llllllΛ  VΛ         \入  ノ

さやか「でも魔女のさやかって呼び方はやめて欲しいな」

杏子「そういえば、お前名前あるのか?」

さやか「うん、オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフって立派な名前があるよ」

杏子「本当に立派な名前だな…」

さやか「苗字付きの魔女は魔法少女が魔女化した魔女。苗字のない魔女は使い魔が成長して魔女になったり、一度やられたグリーフシードが孵化して生まれた魔女…」

杏子「へぇ…」

さやか「つまり、私が一度やられたり、使い魔が人の魂を何人か吸い取って成長すれば苗字が取れて『オクタヴィア』って名前になるよ」

さやか「これからはオクタヴィアって呼んでくれると嬉しいな」

杏子「ああ、わかったよ…オクタヴィア」

さやか「えへへ」

さやか「」じゃなくて
オクタ「」になるのか?

間をとってオタクさやかか・・・

ほむら「美樹さやかの様子はどうだった?」

杏子「自分が元に戻る事を怖がってる様子だった。なあ、戻る直前にアイツは一体何をしたんだ」

ほむら「魔法少女と思わしき人間を殺害した後、自殺よ」

杏子「へ…」

ほむら「元の人間に自分の体を明け渡すぐらいだったら死んだほうがいいって考えでしょうね。犠牲者は、巴マミと幼い魔法少女…貴方は殺されなかったけど、追って自殺したわ」

杏子「なんて…」

ほむら「そのせいで私は一人でワルプルギスの夜と戦う事になった。もちろん結果は…わかるわね」

杏子「今居るってことはな」

ほむら「とにかく彼女には決して自分たちが魔法少女であることを知らせてはいけない。それと、自分が余命数日であることを死ぬまで知らせてはいけない…」

杏子「オクアヴィアには可哀想だがな…」

ほむら「オクタヴィア?」

杏子「魔女化したさやかの名前らしい。自分で名乗っていた」

ほむら「魔女に名前が一人一人あるってのは本当だったのね」

杏子「らしいな…」



さやか「お菓子、美味しいなあ」

さやか「魔女に戻れたら、もっと沢山食べたいな。お菓子の魔女に分けてもらって…」

さやか「…戻れるのかな」

さやか「…」ムズムズ

さやか「音楽聞こっと」

つまりほむほむすげぇ

次の日

さやか「ん…」

さやか「もう朝、学校行かなきゃ…ってまだ4時じゃん」

さやか「何だろ、なんか長い夢見てたような…そういえば私魔法少女になって…」

さやか「頭がクラクラする…まだ朝早いし、二度寝しよ…」

さやか「恭介…」

さやか「Zzz....」



さやか「あ、もう7時だ」

さやか「今日も上条くんとこで音楽聞くの楽しみだなぁ…」

さやか「そうだ、杏子みたいにお菓子差し入れてあげたら喜ぶかな」

さやか「えへへ、沢山買ってこ」

くそ…胸が痛い…

さやか「えーと、このお金は500だから…これと、これと…」

「嬢ちゃん、これじゃ全然足りないよ!」

さやか「えぇ!じゃあどうしよう…」

「500円だと…これが買えるよ」

さやか「ありがと!おじさん!」

「まいどありー」

「朝からカツカレー弁当とは、随分と豪勢だねぇ…」

「最初ステーキ弁当頼もうとしてたからねぇ…最近の子は食べる食べる」

上条「やあ、いらっしゃい」

さやか「今日はね、いつも演奏してくれるお礼に…お菓子買ってきたの!」

上条「悪いね…でも貰っとくよ」

さやか「500円だとこれしか買えなかったんだ…もっと高いもの買おうと考えてたんだけど」ヒョイ

上条「あはは…これはお弁当って言ってね、お菓子じゃないよ」

さやか「えっ…」

上条「食べるものはなんでもお菓子じゃないんだよ。これは、朝と昼と夜に食べる物なんだ」

さやか「そうだったんだ…ごめんなさい」

上条「いいよ、夕ごはんはこれにするから」

さやか「さて、じゃあさっそく弾いてもらうよ」

上条「はいはい、もう50曲連続にも慣れたよ」

しえ



さやか「えへへ…今日もたっぷり聞けて、幸せだった」

さやか「あの子の演奏をずっと聞いていたいな…」

さやか「えへへ、明日が楽しみ…」

さやか「おやすみなさい」



さやか「…あれ、さっきは朝だったのに…もう夜になってる」

さやか「まさか一日中寝てたんじゃ…やば、学校行かなかったじゃん」

さやか「また早乙女先生に怒られるよ…めんどくさ…あっ!」

さやか「今の…私の体が誰かに乗っ取られた…」

さやか「まさか、この体に残ってた元の子の魂のわずかな断片が、新たな魂が宿ったことで増幅したんじゃ…」

さやか「一瞬だけでも、体が乗っ取られている時点で…もう取り返しがつかないよね…あ、あはは」

さやか「せっかく自分が一番幸せに思える事が見つかったのに…たったの5日でお終いなんだ…」

さやか「そんなの嫌だよぉ…」

さやか「これで私の魂が消えたら、もう音楽が聞けなくなるんだよね…」

あぅ…

皆のもの、これは罠ですぞ

>>186
なん…だと…?

さやか「二度と音楽が聞けなくなるんだ…私という存在は消え果てて、元の子がその器に戻る」

さやか「その子は上条くんの演奏を独り占め出来るんだよね」

さやか「そんなのずるいよ…魔女を殺して回っていた子の魂なんかにこの体を明け渡したくないよ」

さやか「そうなる前に、自殺するしかないよね…でもただ自殺するだけじゃ…」

さやか「他の魔女のため、私の使い魔が魔女になるのを助けるために、この地域の魔法少女を…」

さやか「…でもそれじゃ元の子と変わらないじゃない。魔法少女を殺して回るなんて、魔女を殺してまわってる魔法少女と何ら変わらないじゃない」

さやか「じゃあ、最後に…あと2日だけだけど、一生分の音楽を聞きたいな」

さやか「明日、上条くんにこの事を話そう…すがってでもお願いしなきゃ」

上条「えっ!じゃあさやかの自我に戻るって事?」

さやか「うん…」

上条「そっかあ…それで君は、どうなるの?」

さやか「消えて、無くなっちゃう」

上条「そんな…」

さやか「私が消えてなくなるって言って、悲しそうな顔をしてくれるのは人間の中で多分上条くんだけだと思う」

上条「…」

さやか「前に『上条君をそんな目で見てないよ』って言ったの、覚えてる?」

上条「ああ、あの時の…」

さやか「あの時は、確かにそうだったけど今は違う。上条くんの事が…」

上条「ま、待ってくれ!死ぬ直前で告白なんてされても…」

さやか「あはは、そうだよね…わかってるよ」

さやか「それでね、お願いがあるの」

上条「二日連続で演奏して欲しい…か」

さやか「多分途中で眠くなったり、腕が痛くなったりするだろうけど…」

さやか「私にとって、音楽は人生の中で一番大切な物だから…」

上条「わかったよ。体力が許す限り、やってみようと思う」

さやか「じゃあ私、二日間分のお弁当買いに行って来るよ」

上条「そう言ってお菓子を買ってくるんじゃないよ」

さやか「もう間違えないよ…えへへ」

2日ぶっつづけたことで腕が再起不能に

奇跡も魔法もあるんだよ!

無限ループ

>>201
おい、やめろ、おい!
あれ?でも定期的に交代??

さやか「えーと、このお弁当を…12個下さい」

「12個!?」

さやか「はい」

「…6000円になります」

さやか「えーと…五千円しか無いや」

「沢山買ってくれたから、2個オマケでいいよ」

さやか「ありがとう!」


「あの子はよく食うと思ったけど、12個はすごいねえ…」

「お友達と食うのかねぇ」

杏子「よ、よお!オクタヴィア」

さやか「…杏子」

杏子「…どうしたんだ?そんなに弁当買って」

さやか「あのね、私…」

(略)

杏子「そうか…」

さやか「そうだ、美樹さやかの事知ってるんでしょ。死ぬ前に、教えて欲しいな、杏子」

杏子「…教えてやるよ」

杏子「まず、アンタが生まれた原因は、恋慕から来たものなんだ。美樹さやかは上条の事を惚れていた。だけど、どうも切り出せなくて
   緑色の髪の子…上条の元彼女居たろ?仁美って子に先を越されちゃったんだ」

さやか「…」

杏子「次に美樹さやかが魔法少女になった理由は…」

え…

さやか「つまり、上条くんのために腕を直してあげることを願い事にしたけど…その後、告白する勇気が出ずに仁美って子に先を越されて…魔女化したの」

杏子「そういう事だ」

さやか「皮肉なもんだね…元の子は上条くんの為にさんざん尽くしたのに、彼からなにも尽くしてもらえず、その出がらしである私が、上条くんからさんざん尽くしてもらってる」

杏子「…」

さやか「…そう考えると、私もずるいね」

さやか「私が自殺すれば…美樹さやかは完全に報われないことになるね」

杏子「おい、まさかお前!」

さやか「それじゃ…上条くんが待ってるから」

杏子「おい!待てよ!おい!」

上条「はは、ちゃんとお弁当買ってきたね。12個分…朝、昼、晩か」

さやか「今度は間違えずにちゃんと買ってきたよ」

上条「偉い偉い」

さやか「じゃあ、さっそく…お願いね」

上条「一曲目は…グノーのアヴェ・マリアにしようか。コンクールにではこれを弾くんだ」

さやか「コンクール?」

上条「えーと…演奏の優劣を決める競い合いみたいな物だよ」

さやか「わかんないや…」

上条「まあいいや、弾くよ…」

上条「~♪」

さやか「えへへへへへへ…」ユラユラ



今の時点は本編ラスト並みにみんな辛いな。
話としてはすごくいいが、心が痛い

上条「…♪」

さやか「ブラボー!」パチパチパチ

さやか「るん♪るん♪」ウキウキ

上条「はは、相変わらず、それはやるんだね」

さやか「儀式みたいな物だから…」

上条「まだまだ続くよ…君がお弁当を買ってくるまでに、二日間弾く曲を考えてたんだ…」

さやか「えへへ、楽しみだなあ」

上条「じゃあ次は、「ファウスト」ワルプルギスの夜のバレエシーンの曲にしようか」

上条「ワルプルギスの夜は魔女の宴…オクタヴィアにピッタリの曲だよ」

上条「元はオーケストラが弾く曲なんだけど、サビの部分だけ弾くよ…」

さやか「ありがとう…」

上条「もう夜の2時だね…まだ弾くよ」クラッ

さやか「だ、大丈夫!?」

上条「一応君がお弁当買いに行ってる時に、仮眠はとったんだけど…」

さやか「ごめんなさい…」

上条「いいんだよ…君のお陰でコンクールは優勝確実になったんだし…」ガクッ

さやか「寝たほうがいいよ、明日の朝起こさせてもらうから…」

上条「ごめんね…約束が果たせなくて」

さやか「こっちこそごめんなさい、勝手な約束して…」

と、ところで>>150って公式設定じゃないよね?
これほんとだったら俺が書いてるのと矛盾しちゃう、ヤバイヤバイ

上条「…」

さやか「ん…」

さやか「恭介!具合悪そうな顔してる…どうしよう」

さやか「腕のあたりがパンパンに腫れてるよ…えーっと、氷で冷やして」

上条「さや…か?」

さやか「大丈夫だからね、今湿布持ってくるから…」

上条「そんな…」

さやか「ほら、湿布持ってきたよ、腕出して」

上条「まさか…もう…」

さやか「何を無茶したか知らないけど、せっかく治った腕なんだから…」

上条「うぅ…」ガクッ

さやか「さやかちゃんキスしちゃおっかな…えへへ…あっ!」

さやか「また乗っ取られそうになった…もう抑えるのも、限界かもしれない」

さやか「これじゃ2日は無理かな…でも頑張るしかないよね」

えらい違いだけど、状況が状況だし湿布に気が回っただけでもよしかなあ

>>224
魔女スレ辺りで予想されてる考察だから、公式じゃないよ


さやか「悪いけど…起きて、上条くん…」

上条「さやか…」

さやか「さやかじゃないよ、オクタヴィアだよ…」

上条「良かった…」ギュッ

さやか「あはは…さやかの方が良かったかな?」

上条「どっちも大事だよ…とにかく今は、2日分弾かないと」

さやか「ごめんね…」

上条「えーと、次の曲は、ショパンの夜想曲 第20番だよ」

上条「戦場のピアニストって映画で有名な曲だね。ピアノで弾くのが一般的だけど」

上条「バイオリンもいいんだ…」

さやか「映画…」

上条「はは、じゃあ弾くよ」

さやか「ラン♪ラン♪」ワクワク

さやか「良かったよ…」クラッ

上条「あっ!大丈夫かい!?」ガシッ

さやか「今度はこっちがピンチになっちゃった…もう乗っ取られる寸前だよ」

さやか「美樹さやかって子が意識的にやってる訳じゃないんだけど…本能だしね」

上条「…次の曲はチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」だよ。オー人事オー人事ってCMで…知るわけないか」

さやか「人間のことに疎くてごめんね…」

上条「だってまだ来てから一週間しかいないもの…仕方が無いよ」

さやか「…あと30分で二日目も終わりかあ」

上条「それまでにあと二曲、弾き終わらないと」

さやか「いままでありがとう、上条くん」

さやか「私のわがままに付き合ってもらって…」

上条「何の問題もないよ。君が幸せになってくれれば、いいんだ」

さやか「えへへ…」

上条「ドビュッシーの美しい夕暮れだよ。君の元の子…美樹さやかと夕暮れの病室の中で一緒に聞いた曲なんだ」

上条「あの次の日、酷い事を言っちゃった…」

さやか「…」

上条「さあ、弾くよ。後もう少しで終わるけど、だからこそ本腰入れて弾かないと…」

上条「…とうとう最後の曲だね」

さやか「最後の曲を聞く前に、お願いがあともう一つだけあるの」

上条「…なんだい?」

さやか「私の元の子の事なんだけど」

上条「ああ、わかってるよ。違和感のないように接するから…」

さやか「そうじゃなくて、元の子も、上条くんの事が好きだったみたい」

上条「え…?」

さやか「彼女の友人から聞いたの。上条くん、腕を怪我してたんだって?」

上条「な、なんでそれを…」

さやか「その腕が治ったのは奇跡なんかじゃない。全ては、あの子が魔法の力で、自分の魂と引き換えに治癒したの」

上条「…そんな」

さやか「まあその結果、私が生まれちゃったんだけれど…」

おれは結構好きだけどな、小ネタ。

上条「なんでそんな事を…」

さやか「それはね、貴方のことが誰よりも好きだったから」

上条「…」

さやか「まあ魂と引き換えに願い事が叶うなんて事を知らなかったかもしれないけれど…」

上条「僕は…彼女の気持ちもわからないで…」

さやか「そういう事だから、彼女を…」

上条「うん、大切にするよ、一生をかけてでも…」

さやか「まあ、美樹さやかと同じ姿の私に言われても複雑な気持ちになると思うけど、そう言ってくれただけでも嬉しいよ」

上条「それじゃ、最後の曲行こうか…」

さやか「えへへ…」

上条「~♪」

さやか「えへへへへ…え…」

さやか「この曲は…」

上条「~♪」

さやか「私の使い魔がいつも演奏してくれた曲…」

上条「~♪」

さやか「うっ…ぐすっ…うぅ…」ボロボロ

上条「君がお風呂場で歌っていた曲を、あれから楽譜にしたんだ」

上条「いつか君に聞かせたいと思ってたけど…まさかこんな機会になるとはね」

さやか「ありがとう…一番聞きたかった曲なの…ありがとう…」

上条「なんてこと無いさ。僕にとっても、一番弾きたかった曲だからね」

さやか「ひっく…、うぅ…」

上条「ほら、いつもの儀式忘れてるよ」

さやか「えへへ、忘れてたね…」

さやか「ブラボー!」パチパチ

さやか「ふんふ~ん♪」ウキウキ

さやか「らん♪ららん♪らら…」パタッ

上条「…行っちゃったか」



さやか「ん…あっ!恭介!」

上条「さやか…今まで君の気持ちがわからなくて…」ギュッ

さやか「ひゃっ!えっ…えっ…」

上条「ごめん…本当に…ごめん…」ギュウウウ

さやか「えへへ…なんだかわからないけど、恭介大好き!」ギュウウウウウ



終わり

                              /            \
                                , ´   |            ヽ
                            /     |    |      、  ヘ
                              /    l  l   l         ヽ
                                l    l  、     |\     |   |
                           | ,イ   |/vl丶   | z=、   |  |、{
                           l/ V!  {! ィfハ \ { |i刈 }  l / | ヘ
                             ヽ ヘ Vり , `丶 ー' ム //i::リ
                              V :ハ""   _ ""/イ //,イ/
                              V 个o。... __ . イ^,//

                            z=x ヽ ト>-‐f,}-<´イ ¨¨`ー 、
                      .    / 、.}イ ,zチ´  、{ ノ /      |
                          〈  /.リ 〉 、 _ >'^ ー ' 、 _> "¨¨ヽ|!
                          / ー ;7V /、     _       「
                      _    〈. `´ /イ. :\ヽ '" -─- .、`i| ,z=‐-ト、
                z=‐- 、 /   `丶/゙it:-イ{::...   Y´      .::ヽ|!z'.¨¨`| ヘ
               /      l      \::_::∧ : : : : : ': : : : : : : : : :∧:'⌒ヽl ヘ
                  l.    l|       \_/  ,、      : : : :/ '////,|  ヘ
             |     ! V      ヘ     >、‐ 个x        l′ '////l  ヘ
             |    } '.     } ,// \-、 ` ー-==z|    '///ヘ   '.
             |    ヘ '.     |彡'"    ト、:\    「´    V//∧   '.
             |     / ヘ '      ヘ       ノ ヽ^\  /  |  V'//∧ ∧
             |    /  ハ V     |,ハ¨¨ ¨ ´     Vヘ\ }       V'//∧ ∧
             |   /  ∧.._y   lヽ',       └xヽヘ|!   !   V"~~`i  ∧
                / |   {   |::::::| ',x┌.┴-l         } }::{ヘ       〈   |   ∧
          / _z|┌ ‐ ト、  レ:: :l〈/\厂~^|!           j j从 ヘ       ヽz= /   ヘ
            /   Vヘl///ヽ 〉 l::::∧ヽ/////∧          VV::::l lハ      j/     '.
       _  z    },'//////   !::::::::ヽヽ////,',丶      ∧ヽ::::ヘ:|     /          l
    .<.        ///////  └z:_ `:V//////^ ー--  ':::::゙\\::| -‐             }
  /          //////,ハ_r‐‐i_ `)`}//////ヘ::::::__::::::::::::::::〉'"               /

>>1乙ペロペロ!

乙!
切ないがよいエンドだった。

http://i.imgur.com/3tsBd.jpg

>さやか「ブラボー!」パチパチパチ

>さやか「るん♪るん♪」ウキウキ


   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
 _/|  _/|    /  . |  |  ― / \/    |  ―――
   |    |  /    |   丿 _/  /     丿

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi.
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

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