澪「律が構ってくれなくて辛い」(755)
【音楽室】
梓「…はい?」
澪「言葉の通りだ。最近律が私に構ってくれない」
澪「だから助けてほしい」
梓「すいません、何がなんだかさっぱり…」
澪「うぅぅ…」
梓「澪先輩?」
澪「梓ぁぁー!!寂しいよぉー!!!」がばっ
梓(えぇぇーっ!)
梓「ちょ、ちょっと澪先輩!苦しいです!」
澪「はっ!しまった、つい我を忘れて…」
梓「それで、どういうことなんですか?」
澪「最近律が冷たいんだ」
澪「ちっとも私に構ってくれないし…」
梓「はぁ」
澪「今まで常に私と一緒にいたのにだ!」
澪「今日だって…」
――――――
――――
―――
――
…
~回想~
【教室】
律「いっちごー!」
いちご「やだ」
律「あのぉー…まだ何も言ってないんですけど」
いちご「なに?」
律「英語のノート見せて!」
いちご「やだ」
律「くっは冷たい!」
いちご「軽音部の人に見せてもらえばいいじゃん」
いちご「ほら、後ろ見てみなよ。律に見せる気満々じゃない」
澪「………」そわそわ ちらっ
律「いや、あいつに頼むとお小言がセットでついてくるから厄介なんだよ」ぼそっ
律「今は時間もないし、それに付き合ってるわけにはいかないんだ」
律「この通り頼むっ!」ぱんっ
いちご「………」すっ
律「ありがとう!恩に着るよ!」
いちご「着なくていいから早くして」
【授業中】
ぱらっ
いちご(…あれ)
いちご(何この落書き…)
いちご「………」
いちご「………ぷっ」
教師「ん?どうした若王子、何かおもしろいことでもあったか?」
いちご「い、いえ…別に」
キーンコーンカーンコーン
すたすた
いちご「…律」
律「おう、いちご!さっきはさんきゅーな!」
いちご「………」
すぱーん
律「あべしっ!」
律(ハリセン?!)
いちご「あんたのせいで恥かいたじゃない」
律「な、なんだよいきなり…」
すっ
いちご「この落書き、あんたでしょ」
律「あ、気づいた?なかなかおもしろかっ―――」
すぱーん
律「おぅふ…」
いちご「馬鹿律」
律「す、ずびばぜんでした…」
澪「本来なら『澪しゃん、英語のノートみして!(てへっ』みたいな感じで来るはずだろ?!」
澪「ところが最近はそんなことが全然ない」
澪「ちなみに、ここで重要なのは2つだ」
澪「いちごが律に手をあげたってことと、『馬鹿』呼ばわりしたことだ」
澪「これは私以外は許されないことなんだぞ。いちご許すまじ」
梓(うわぁ、すごくどうでもいい…)
梓「というか、別にそれぐらいいいじゃないで――」
澪「………」じろっ
梓「すいません間違えました。全部律先輩がいけないです」
澪「まぁ、今のはほんの一例だ」
澪「他にも私以外とご飯食べたり体育のペアを組んだり…」
梓(というか、ただ単に澪先輩が嫉妬してるだけなんじゃ)
梓「それで、先輩はどうしたいんですか?」
澪「律に嫉妬させる」
梓「…どうやって?」
ぽん
澪「そこで、梓の出番だ!」
梓「」
澪「梓と私が積極的に接することで律の嫉妬心を煽ろうという作戦だ」
梓「えぇぇ…」
澪「頼む梓っ!梓しか頼れる人がいないんだ」
梓「で、でも具体的にどうすれば…」
澪「私が梓にアプローチをかけるからそれに応えてくれるだけでいい」
梓「…わかりました。引き受けましょう」
澪「本当か?!ありがとう梓!」
梓(こんなに必死になられちゃ断るに断れないしね…)
がちゃ
律「おいーっす!」
紬「遅くなりました」
唯「澪ちゃんにあずにゃんやっほー」
梓「ど、どうもです」
律「ん?なんだ梓、きょどっちゃって。彼氏でも出来たか?」
梓「な、何言ってるんですか先輩!!」
律「ははは、冗談だって」
澪「………」ごごごごご
梓(後ろから殺気が…)
梓「さ、さぁ先輩たち!さっそく練習しましょう」
律「おぉ、おいしそうだな!」
唯「私モンブランがいい!」
紬「好きなの選んでいいわよ」
澪「んー、私はどれにしようかな…」
梓(シカトですか!ていうかなに澪先輩もナチュラルに溶け込んでるんですか!)
唯「あずにゃんどうしたの?食べないの?」
律「マジで?!じゃあ梓の分もーらいっ」
梓「ちょ、ちょっと待ってください!私も食べます!」
【ティータイム】
律「いつつ…」
紬「りっちゃんどうかしたの?」
律「いやー、今日いちごにハリセンで頭すっぱたかれてさー」
紬「休み時間に大きな音がしたと思ったらそれだったのね」
唯「いちごちゃんっておもしろいね」
律「そもそもなぜハリセンを持ってるかってことが疑問だよ」
律「なーんかつかみどころがないと言うか、まぁいい奴なんだけどな」
唯「私も今度いちごちゃんと話してみようかな」
律「苦労するぞー」
澪「………」わなわな
律「唯の隣の姫子もおもしろいよな」
唯「うん、姫ちゃんすっごく優しいんだよー!」
紬「あ、私この前エリちゃんにね――」
梓(ひぃぃ、この人たちは…)あせあせ
澪「………」ふるふる
梓(嫉妬を通り過ぎて泣きそうになってる?!)
澪「………」ちらっ
梓(頑張ってください澪先輩!)ぐっ
澪「……!」こくっ
澪「梓、そのケーキおいしそうだな」
梓「え?そうですか?澪先輩のもすごくおいしそうですよ」
澪「私のと一口交換しないか?」
梓「いいんですかっ?!」
澪「ほら」
梓「あ、じゃあいただきます」ぱくっ
梓「あ…すごくおいしい」
澪「だろ?」
梓「じゃあ澪先輩もどうぞ」
澪「ありがとう」ぱくっ
澪「うん、甘くておいしいな」
澪(どうだ律。うらやましいだろ!お前もしたいだろ!)
梓(律先輩お願い空気読んで!)
律「お、何だ何だ二人して交換なんかしちゃって。私らも交換しようぜ!」
澪「」
梓「」
澪(がーん…)しゅん
紬「それいいかも!やりましょう」
唯「栗はあげないからね!」
律「いりませんし奪いませんから!ほれ唯、あーん」
澪(えっ…?)
梓「ちょ、ちょっと待ったー!!!」がたん
律「な、なんだよ梓!」
梓「あ…えっと、その」
梓(思わず止めてしまったはいいものの、どうすれば…)
梓(というか、あーんはいかんでしょ。あーんは)
紬「あ、わかった!梓ちゃんも欲しいんでしょ?」
梓「え?は?いえ、あのその…」
唯「んもう、恥ずかしがちだなぁあずにゃんは」
律「なんだよ、なら最初からそう言えばいいのに」
梓(ちっげぇよデコ助!!!)
律「ほれ、梓。あーん」
梓(よ、弱った…どうしよう)
紬「梓ちゃん食べないの?」
律「なんだ?今日なんか変だぞ梓」
梓(まずい、怪しまれてる。ここはひとまずやり過ごすしか…)
梓「あ、あー…ん」ぱくっ
律「どうだ?」
梓「…おいしいです」
律「だろ?」
唯「はいりっちゃん!あーん」
律「おぉ、せんきゅー」ぱくっ
律「んんー!んまいな!」
律「ムギもほら、あーん」
紬「あーん」ぱくっ
紬「おいしい~」
きゃっきゃ
きゃっきゃ
梓(ダメだこりゃ…)
澪「………」すくっ
律「ん?どした澪」
澪「ちょっとトイレに…」
梓「あ、わわ…私も行きますっ!」
唯「なんか2人とも仲良いね~」
紬「よきかなよきかな」
律「なんか挙動不審にも見えたけどな。あ、唯ケーキついてる」
唯「おぉう、どこどこー?」
【廊下】
梓「待ってください澪先輩!」
澪「………」ぴたっ
梓「あの、その…」
澪「うわあぁぁ~ん!!!」だきっ
梓「ひっ?!」
澪「もう私ダメだよぉ梓ぁ~!」
澪「もう律は私のことが嫌いなんだ、きっとそうだ」
澪「律に嫌われたし私はもう生きていけない…」
澪「そうだ、死のう。死ねばきっと私のありがたみがわかるはず…」
梓「ま、待ってください澪先輩!早まらないで!」
梓「そ…そうだ!別の方法で攻めてみましょう!」
澪「別の方法?」ぐすん
梓「はい!次は逆に律先輩にべったりくっついてみる作戦です!」
澪「え…?」
梓「待ってるばっかりじゃダメです!こっちから向かわないと」
澪「で、でも…その。恥ずかしいというか…。えへへ///」
梓(何だよその反応!)
梓「とにかく、次はそれでいきましょう!」
澪「う、うん…」
梓「さぁいきますよ!」ぐいっ
澪「ちょ、ちょっと待ってくれ梓!」
梓「何言ってるんです、時は待ってくれませんよ!」
梓(早く練習したい…)
がちゃ
唯「あ、来た!」
律「おー、遅かったな」
梓「す、すいません」
梓「ほら澪先輩、行かないと」ぼそ
澪「う、うん…」ぼそ
すたすた
澪「………」
律「ん?どうしたんだ澪」
澪「りつぅー!!」がばっ
律「へっ?!」
律「な、なんだよ澪!」
澪「りつぅっ」ぎゅううう
紬「あらあら」
律「ええい、なんだってんだ!離れろ澪!」ぐいっ
澪「…!!ごめんなさい…」しゅん
律「大丈夫か?何か変だぞ今日」
澪「そ、そんなことないよ。はは…大丈夫だ…」
梓(おいデコ助何やってんだこらぁぁぁ!!!)
唯「あずにゃーん!」だきっ
梓「わぁ!な、何ですか唯先輩!」
唯「澪ちゃんがりっちゃんに抱きついてるの見て私もしたくなっちゃった!」
梓「わ、私はそんなことないですから離れてください!」
唯「やだよぉ~っ」ぎゅう
梓「ううぅ…」
紬「ありがたやありがたや」
律「お前らは相変わらずだなー」
澪「………」
【帰り道】
梓「あの…。すいませんでした…」
澪「いや、いいんだよ梓。ありがとう」
梓「でも余計に先輩の心に傷を負わせてしまったわけですし…」
澪「大丈夫だよ。なんとなくそんな反応される気がしたし」
澪「梓は楽しそうだったし、よかったじゃないか」
梓(うっ、なんという皮肉な…)
澪「そうだ。梓の幸せのために私が踏み台になったと思えば全然平気だぞこんなの」
梓(うわぁ…気にしてるよ。ものすっごく気にしてるよこの人)
梓「また明日、作戦を考えましょう。ね?」
澪「うん、そうだな…」
【梓の家】
梓「…はぁ」
梓(なんかどっと疲れちゃったな)
梓(引き受けるんじゃなかった…後悔)
梓(でもギクシャクしてるのはやだし、何とかしなきゃ)
梓(ていうかそんな回りくどいことしてないで直に律先輩に構ってって言えばいいじゃん!)
梓(…そんなこと出来たらとっくにやってるか)
梓(いや、それ以前に律先輩も鈍感すぎでしょ。察してよもう…)
梓(どうしたもんかなぁ)
【学校】
律「いちごー!」
いちご「やだ」
律「いや、だから何も言ってないってば…」
いちご「なに?」
律「昨日の――」
いちご「やだ」
律「せめて最後まで言わせてくれ…」
律「ほい!」さっ
いちご「クッキー?」
律「昨日の礼ってやつ!食べていいぞ」
いちご「………」じーっ
律「別に毒とか入ってませんから!!」
いちご「………」ぱくっ
いちご「…おいしい」
律「本当?あーよかった」
いちご「これどうしたの?」
律「ん?あぁ、家に材料があったから暇つぶしに作ってみたんだ」
いちご「ふーん…」
いちご「人って見かけによらないのね」
律「あなたは私のことをどう思ってらっしゃるのかしら…!」ぴくぴく
いちご「…ありがとう」
律「いいっていいって、また何かあったらよろしくな!」
いちご「やだ」
律「どんだけ冷たいんだよ!」
いちご「冗談」
律「冗談に聞こえないんですけど…」
澪(ぐぬぬぬ…)
じゃあ私寝るね
追いついたら寝るとかふざけんな
もう俺が続き書く
つぎのひ!
俺「転校生の俺です、よろしく」
澪「えっうそ、律よりカッコいい」
さわ子「じゃあ俺君は秋山さんの隣ね」
俺「よろしくね」
澪「よっ、よろしくお願いしまひゅ///」
俺「あはは、秋山さんって可愛いね」
澪「そ、そんなこと…///」
俺「もう我慢できない、結婚しよう!」
澪「嬉しい///」
モブ共「キー、イケメン転校生取られて悔しいわー」
律「うぅ…みおぉ…お幸せにな」
こうして俺と澪は末永く幸せに暮らしましたとさ
【音楽室】
澪「律のクッキーが食べたい」
梓「はい?」
澪「食べたい食べたい食べたい!!」
梓「お、落ち着いてください…」
澪「いちごの奴…許さん、許さんぞ」
梓「また何かあったんですね…」
梓「ていうか、何で澪さんしか来てないんですか?」
澪「他の3人は掃除当番だ」
梓「で、昨日色々考えたんですけど」
梓「仲間を増やしてみてはどうでしょう」
澪「というと?」
梓「ムギ先輩と唯先輩にもこのことを話して協力してもらうんです」
澪「なるほど…」
梓「澪先輩の話を聞く限りそのいちご先輩?って人が怪しいです」
梓「だからムギ先輩と唯先輩にもお願いして律先輩の様子を見るんです!」
ガチャ
唯「やっほー」
紬「こんにちは」
梓「あれ?律先輩は?」
唯「なんかいちごちゃんと話してたよー」
紬「最近あの2人仲良いよね」
澪「ぬぬぬ…」
梓「ムギ先輩、唯先輩。少しお話があります」
唯紬「?」
紬「ふむふむ…。りっちゃんといちごちゃんの関係が怪しいから調査しようということね」
梓「そういうことです」
唯「何か探偵さんみたいだね!」
澪「笑いごとじゃないぞ、唯」
唯「それにしても…」
唯「澪ちゃんって本当にりっちゃんが好きなんだね!」
澪「ち、ちちちちがうぞ!!!これは、その…あれだ!律が間違った道に行かないように見張ってるんだ!!」
唯「んもう、素直じゃないなぁ」
澪「う、うるさい///」
梓「それで、どうしましょうか…。嫉妬心を煽る作戦もべったり作戦も失敗に終わりましたし…」
紬「たぶんだけど、今りっちゃんはいちごちゃんにすごく興味を持ってるんじゃないかな?」
紬「澪ちゃんに構わなくなったのは、たぶんそういう理由だと思う」
梓「なるほど…。律先輩はそのいちご先輩が好きなんですかね?」
澪「がーん!!!」
梓「あ…」
紬(梓ちゃん…今の澪ちゃんにその発言は地雷よ)
紬「と、とにかく今は下手に動かず様子を見ましょう!ね?」
澪「律が…?はは、そんな馬鹿な…。律が…いちごを…」
唯「み、澪ちゃん?!しっかり!」
【帰り道】
梓「澪先輩が抜け殻みたいになってる」
律「なんで燃え尽きてんだ…」
澪「ファー…ブルスコ…ファー…」
律「おーい、澪ー」ぶんぶん
澪「ふえっ?!何だどうした?!」
律「いや、お前がどうした」
梓(澪先輩…すいません)
【翌日】
律「いちごー」
いちご「なに?」
律「メシ食おうぜ、メシ」
いちご「やだ」
律「なぁんで!」
いちご「ご飯は静かに食べたいの。律うるさいから」
律「いいじゃんたまにはさー。一緒に食べようよー」
いちご「…好きにすれば」
律「んじゃ今からそっち行くな」
【お昼ごはん】
いちご「…ねぇ」
律「ん?」もぐもぐ
いちご「澪と何かあったの?」
律「何で?」
いちご「だって最近一緒にいないから」
律「そうか?」
いちご「うん」
律「まぁー、たまにはそんな時もあるってことよ」
いちご「変なの」
律「てか、いちごの弁当おいしそうだな」
律「玉子焼きもーらいっ」ひょいぱく
いちご「ちょっと」
律「…ん!んまいぞこれ!いちごが作ったのか?」
いちご「うん」
律「へぇー。人って見かけによらないのね」ぷぷ
いちご「………」すっ
律「だからそのハリセンがどこに隠してんだよ!」
いちご「…ふん」
律「あ、これももらっていい?」
いちご「ダメ」
律「けち!」ぶー
【音楽室】
澪「私の玉子焼きだっておいしいはずだ」
梓「え?何ですかそれ」
澪「おいしいはずだおいしいはずだおいしいはずだ!!」
梓「はぁ」
澪「律うぅぅ…」がっくし
梓(起伏の激しい人だなぁ)
ガチャ
紬「大変よ、澪ちゃん!」
澪「な、なんだムギ?」
紬「どうやらいちごちゃんとりっちゃんが今週末にお出かけするみたい」
澪「なんだと?!」
紬「さっき掃除の時間に2人が話しているのを耳にしたんだけ―――」
澪「尾行だ!!」
梓「はい?」
澪「尾行するぞ!」
唯「おぉ、探偵っぽい!」
梓(えぇぇ~…)
じゃあ私飽きちゃったから出かけてくるね
まさか残ってるなんて…
なんかごめん。
も少ししたら書く。
【週末 駅前】
律「おーっす」
いちご「遅い」
律「たった5分じゃん!」
いちご「誘っておいて遅刻とかありえないから」
律「はいはい、しーましぇんでしたー」
――――――
――――
―――
――
…
~回想~
律「なーいちごー」
いちご「やだ」
律「いい加減傷つくぞ!!」
律「週末暇?」
いちご「特に何もないけど、やだ」
律「あんたエスパーか何かかよ!」
いちご「軽音部で行けばいいじゃん」
律「私はいちごを誘ってんの!」
いちご「…まぁ別にいいけど」
律「マジで?じゃあ1時に駅前な!」すたたた
いちご「ちょっと律――」
いちご「行っちゃった…」
エリ「なになに?いちごったら律とデート?」
いちご「そんなんじゃないよ。ていうか何聞き耳立ててんのよ」
エリ「いいなぁ~私も律と遊びに行きたーい」
いちご「一緒に来る?」
エリ「ダメよ私誘われてないもの」
いちご「別にいいと思うけど」
エリ「いちご~。あんたも鈍いねぇ」
いちご「?」
…
――
―――
――――
――――――
いちご「それで、どこか行きたいとこでもあるの?」
律「うーん、特には」
いちご「帰る」すたすた
律「ちょ、ちょーっと待った!」
律「んじゃあとりあえずゲーセンいこ!な!」
いちご「ゲーセン…?」
律「あれ、もしかしていちご行ったことない?」
いちご「あまり…。うるさいとこ嫌いだし」
律「じゃあ行こうー!」ぐいっ
いちご「ちょっと引っ張らないでよ」
【時は遡って 駅前】
唯「みーおちゃん!」
澪「うわあっ!な、なんだいきなり!びっくりするだろ」
唯「私の方がびっくりだよ」
梓「澪先輩、ずっとそこにいたんですか?」
澪「ま、まぁかれこれ30分ぐらい…」
梓(よく不審者に見間違われなかったなぁ…)
紬「おまたせー」
唯「おぉ、ムギちゃん!その荷物はどうしたの?!」
紬「やるならとことんよ!」
澪「双眼鏡にサングラス…」
梓「完全にスパイですね…」
紬「さわ子先生を尾行したときは用意が不十分だったからね」
紬「もちろん、あんぱんと牛乳も用意してあるわよ!」
唯「さすがムギちゃん!」
梓(これ、補導されないかなぁ)
唯「あっ、来た!」
澪「なにっ?!」
いちご「………」
紬「いちごちゃんね」
梓(すごくきれいでかわいい…。お姫様みたい)
澪「今12時50分か…。すごいな、10分前に来てる」
唯「律義でいい子だね」
梓「………」じーっ
唯「あずにゃん?」
梓「は、はい?!」
唯「あずにゃん、いちごちゃんに見惚れてたでしょ?」
梓「そ、そんなことはありませんよ!」
紬「確かにお人形さんみたいでかわいいわよね」
澪「うぬぬぬ…」
梓「約束の1時ですね」
紬「まだりっちゃんは来てないみたい」
澪「まぁ、あいつが時間通りに来るわけないしな」
唯「だらしがないなぁりっちゃんは」
梓「それ先輩が言えたことじゃないです」
唯「ぶーぶー」
いちご「………」きょろきょろ
紬「いちごちゃんそわそわしてるわね」
梓(か、かわいい…)
唯「りっちゃん来たよ!!」
澪「バカ唯!声が大きい」
梓「案の定怒られてますね…」
紬「あっ、動いたわ」
澪「あぁぁ律のやつぅぅ、いちごの腕なんか引っ張って…」
紬「私たちも行きましょう!」
【ゲーセン】
律「さて。何かやりたいのある?」
いちご「別に。律の好きなのやっていいよ、私見てるから」
律「ノリ悪いなぁ。じゃあクレーンゲームでもやるか」
いちご「あ…」
律「ん?お、これいちごの携帯についてるやつじゃん!」
いちご「………」
律「これ好きなの?」
いちご「………」こくり
律「どれ、任せときな」ちゃりん
いちご「ちょっと律。何してんの」
律「何って、これ取るんだよ」
いちご「いいよ別に」
律「まーまー、黙って見てろって」
ういーん
がしっ
ぽいっ
律「ほれ見ろ、一発」じゃん
いちご「…すごい」
律「でしょ?!もっと褒めて褒めて!」
いちご「バカ」
律「おぉう強烈。ほら」すっ
いちご「?」
律「なーにはてな顔してんだよ。いちごのために取ったんだぞ」
いちご「…ありがとう」
律「ま、序の口よ序の口」
紬「ゲームセンターに入ったわ」
梓「なんかいちご先輩ってゲーセンに行くようなイメージないですけどね」
澪「よし、とにかく行くぞ」
【ゲーセン】
梓「クレーンゲームですね」
澪「律はあぁいうの得意だからなぁ」
梓「すごい!一発で」
梓「あっ!取った景品をいちご先輩にあげましたよ!」
澪「なにぃ?!ほ、本当だ…」
梓「いちご先輩のために取ったんですかね」
澪「ぐぬぬ…」
唯「これ難しいね~」
紬「もうちょっと右よ唯ちゃん!」
梓「先輩たち何やってるんですか…」
律「せっかく来たんだしプリクラでも撮ろうぜ」
いちご「え、嫌」
律「プリクラ嫌いか?」
いちご「嫌いというか、こういうのって撮る必要あるの?」
律「あのなぁー、こういう形に残るもんってのは後々楽しめるんだぞ?」
いちご「ふーん」
律「というわけでレッツゴー!」
いちご「………」
ぱしゃ
律「かったいなーいちごの表情」
いちご「こういうの苦手なの」
律「ふーん。どれ、落書きしてしまえ」かきかき
いちご「ちょっと律。何してんのよ」
律「ほら、かわいくなった!ぷぷ…」
いちご「………」かきかき
律「あっ、こら!私にヒゲ生やすなよ!」
いちご「仕返し」
律「ほら、出来たよ」
いちご「いいよ。律にあげる」
律「私だけ持っててもしょうがないだろ?ほれ」すっ
いちご「………」
いちご(なにこの落書き…)
いちご「………ふふっ」
律「ふふん、やっと笑ったな」
いちご「う、うるさい」
律「そろそろ出るか、耳に悪いしな」
梓「次はプリクラを撮りに行ったみたいですね」
澪「律といちごが、密室で二人きり…?」
澪「あ、あああんなことやこんなことを…」
梓「いや、全然ちがいますから」
唯「私たちも撮ろうよー」
澪「ダメだっ!見失ったらどうする!」
唯「ぶーぶー」
梓「出てきましたね」
紬「なんだかいちごちゃん楽しそうね」
澪「くそぉ、いちごの奴いちごの奴…!」
唯「あっ、このあんぱんおいしい!」
梓「食べるのはやっ!!」
紬「あっ、出て行ったわ」
澪「よし、追うぞ」
律「さ、次はいちごの番だ」
いちご「何が?」
律「どこに行くかだよ」
いちご「じゃあ帰る」
律「お、いちごん家に連れてってくれんのか」
いちご「んなわけないでしょ馬鹿」すぱーん
律「ハリセン常備っすか…」
いちご「律対策」
いちご「律が誘ったんだから律が決めてよ」
律「私から誘ったとはいえ私ばかり振り回すのは嫌だ!」
律「それにいちごが普段どんなとこ行くか気になるし」
いちご「…わがまま」
律「わがままで結構!」
いちご「じゃあ買い物。見るだけだけど」
律「おぉ!どこに行くんだ?!」
いちご「あそこ」すっ
律(げっ!あそこってセレブ御用達のデパートじゃん!)
いちご「行かないの?」
律「い、行くぞ行くぞ!わはははは」
いちご「変な律」
梓「次はどこに行くんでしょうか…」
澪「こっちの方はあまり行ったことがないな」
唯「なんかセレブちっくなところだね」
梓「あ、デパートに入りました!」
澪「こ…こんなデパート入ったことない」
紬「そう?私も結構行くわよ?」
梓「さすがお嬢様…」
【デパート】
律「うわぁ…」
いちご「どうしたの?」
律「いや、こういうとこ来たことないからさ…」
いちご「ふーん」
律「げっ、これこんなにすんの?!」
いちご「そう?安い方だと思うけど」
律「どんな金銭感覚だよ…」
いちご「あ、この服かわいい」
律「どれどれ…げっ!」
律(ゼロ一個多くない?!何この値段!!)
いちご「………」じーっ
律「な、なんだよ!」
いちご「律、着てみて」
律「へっ?!」
律「わ、私がか?」
いちご「律以外に誰が着るって言うのよ。あ、すいません。試着いいですか」
律「おいおい…」
【試着室】
律『き、着れたぞー!』
いちご「はいどうぞ出てきて」
しゃっ
律「ど、どうすか…」ばーん
いちご「………」
くるっ
いちご「ぶふっ」
律「」
律「いちごてめぇーっ!!!」
いちご「大丈夫大丈夫。すっごく似合ってるよ」
律「真顔で大ウソこくな!」
いちご「そういう路線もありかもね…ぷふっ」
律「こ、こんな足元がひらひらした服なんて着れるか!」
いちご「いいもの見れた」
律「くそー…」
いちご「私も着る」
律「ふんっ」
いちご「あ、拗ねた」
律「うっさい!」
いちご「よしよし」
律「なだめるな!」
いちご「はいはい」
しゃっ
律「おーい着れたかー」
しゃっ
いちご「どう?」
律「おぉ…」
律(すげー…。着こなしてるよ)
律(そうだ!この姿をカメラに収めてネタに…)ごそごそ
いちご「………」
しゃっ
律「あっ、こら!」
いちご「よいしょ」
律「なんですぐ着替えちゃったんだよ!」
いちご「だって律、写真撮るつもりだったでしょ?」
律「うっ」
律(読まれてた…)
いちご「さ、行こ」
律「やっぱエスパーか何かなのか…?」
じゃあ私寝るね
ああ…いちご……
なんでこんなにかわいいんだ…
俺「はい、あーん♪」
俺「あーん」ぱくっ
俺「じゃあそろそろ帰ろうか」
いちご「やだ」
俺「え?」
いちご「……まだ、一緒にいたい」
いくらモブをプッシュしても虚しいだけだと思うんだ。
>>201(笑)
唯「すごーい!」
梓「なんか申し訳なくなりますね、これだけ豪華だと」
澪「あぁ。場違いと言うかなんというか…。若干一名を除いて」
紬「これもいいわ!これも…」
梓「あ、服見てますね」
澪「ここじゃ見つかるな、少し遠くへ行こう」
北ああああああああああああああ期待
紬「ついにこの双眼鏡が役に立つときが来たのね!」
梓「律先輩、試着室に入りましたよ」
澪「ま、まさか試着室の中で脱がせっことかしたりするんじゃあ…」わなわな
梓「いや、律先輩一人ですから。ていうかどんな妄想ですか」
紬「あれ?唯ちゃんは?」
澪「さぁ…」
梓「あっ、先輩が出てきました」
梓「………」
梓「ぶふぅっ」
澪「な、なんだどうした?!」
梓「り、律先輩の格好がおかしくて…ぷぷぷっ」
澪「私にも見せてっ!」ばっ
じーっ
澪「あぁ、試着室に戻っていっちゃった…」
梓「ひーっ、おかしい…」
澪「梓」ずいっ
梓「は、はい」
澪「律はどんな格好をしていたんだ」
梓「」
梓「む、ムギ先輩みたいな格好でした…」
澪「ムギの格好を…律が…?」ぽわぽわ
澪「すごく…」
澪「すごく、いいじゃないか…」
梓(え?)
澪「どうしてもっと早く双眼鏡を渡してくれなかったんだ!」
梓「」
唯「みんなみてみてー!どーん!」
澪「全身ひょう柄?!」
唯「メス猫ちゃん、今夜は寝かさないぜ」
梓「あの、近づかないでもらえますか?」
紬「唯ちゃんこっち向いてー!はいチーズ」
唯「がおー!」
澪「は、恥ずかしいなぁもう…」
律「ぷはっ、あー苦しかった」
いちご「そう?」
律「いちごはあぁいう店よく行くのか?」
いちご「うん」
律「いやぁ、私にはとてもじゃないが無理だ。体にあわん」
いちご「でも似合ってたよ」
律「おい」
いちご「冗談」
律「冗談かよ!!」
いちご「ふふっ」
律「あー、なんかお腹空いちゃったな」
律「そろそろメシでも食べよーぜ」
いちご「…」こく
律「何か食べたいものある?」
いちご「なんでもいい」
律「実はそれが一番困るんだよな…。んじゃあファミレスでいっか何でもあるし」
いちご「うん」
【ファミレス】
「いらっしゃいませー」
律「2名で」
「空いてるお席へどうぞ」
律「ふぅっ」
いちご「疲れた?」
律「まぁ慣れないところに行ったからな。いちごの方は大丈夫か」
いちご「うん」
紬「ファミレスに入っていくわ」
唯「私もお腹空いちゃったよ~」
梓「さっきあんぱん食べてたじゃないですか…」
澪「行こう」
「いらっしゃいませー」
澪「4人で」
「ただいまお席をご用意いたしますので、こちらに記入後おかけになってお待ちください」
・・・・・・
「お待たせいたしました。4名様でお待ちの秋山さまー!」
澪「げっ?!」
澪(こ、声が大きい!)
梓「は、早く席に着いて身を隠さないと!」
唯「あ、このパフェおいしそう!」
紬「ゆ、唯ちゃん静かに!」
ささささ
澪「あ、危なかった…」
いちご(…あれ?澪?)
律「どうかしたか?」
いちご「ううん」
いちご(気のせい…?)
「おまたせいたしましたー」
律「いただきまーす」
いちご「いただきます」
律「んー、んめー」もぐもぐ
いちご「………」
――――――
――――
―――
――
…
~回想~
いちご「鈍いって何よ」
エリ「っかぁ~!あんたも罪な女だねいちご」
いちご「だからなに」
エリ「律がいちごに特別な感情を抱いてるってことだよ!」
いちご「律が、私に?」
エリ「そ♪」
いちご「有り得ない」
エリ「どうかなぁ~?でも結構2人お似合いだと思うよ?」
いちご「………」
エリ「付き合っちゃいなよっ!」
いちご「やかましい」ぽかっ
エリ「いでっ」
…
――
―――
――――
――――――
いちご「………」じーっ
律「なに?」
いちご「いや…」
律「………」もぐもぐ
いちご「………」ぱくぱく
いちご「…ねぇ」
律「ん?」
いちご「どうして今日私を誘ったの?」
律「どうして?」
いちご「うん」
律「んー…」
律「なんとなく」
いちご「……そう」
いちご(エリのやつ、次会ったらただじゃおかない)
律「まぁでも」
律「強いて言うなら、いちごこともっと知りたかったからかな」
いちご「えっ?」
律「私あんまいちごのこと知らないし、学校でも誰かとそんなに一緒にいるわけじゃないだろ?」
律「だからさ、一回いちごと遊んでみたかったんだよ」
律「前からいちごってどんな人なのかちょっと気になってたし」
いちご「ふーん…」
律「なんだよいきなり、変なやつ」
いちご「うるさい」
律「まぁでも、いちごも楽しそうで何よりだよ」
いちご「?」
律「駅で会った時と比べて随分と顔がやわらかくなったなぁって思って」
いちご「…そんなことない」
律「ふーん」にや
いちご「何よ」
律「なーんでもございませーん」
いちご「…ふんっ」
律「あ」
いちご「なに?」
律「そのままちょいストップ」
いちご「?」
律「ケチャップついてる」
いちご「!」
さっ
律「今拭いてやるから落ち着け」
いちご「いい、自分で拭く」
律「自分じゃどこについてるかわかんないだろ、おとなしくしてろって」
すっ
ふきふき
いちご「………」
律「はいとれた」
いちご「あ、ありがとう…」
たびたびごめんね
じゃあ私出かけてくるね
こういうSSでならまだしも
けいおんスレでモブ可愛い可愛い言ってる奴ってなんなの?
たったアレだけの場面で好きになるの?
そのキャラのこと全然知らないくせによく言えるよな
結局お前らは妄想したいだけなんだろ
設定無視で自分が得する展開やら無理やり作り出す
それはつまりキャラの心をねじ曲げるってことだ
最低だな
>>263
キャラの心をねじ曲げる(笑)
てめーだって三次で好きな女に話かけられないから遠目で視姦しつつ性格は妄想で脳内保管してんだろ?
最低だな
いちご「…ねぇ」
俺「ん?なんだい?」
いちご「…手」
俺「手?どうかしたか?」
いちご「…もういいっ」プイッ
俺「ふふっ」ギュッ
いちご「!」
俺「手、繋いでもいい?」
いちご「……順序が逆」
いちご「~♪」
>>275
俺って俺だよな?
>>280
ああ、俺だぜ
いちご「…そろそろ帰んなきゃだね」
俺「う~んそうだなぁ、もう遅いし」
いちご「残念だな…」
俺「やや、いちごが素直だなんて珍しい」
いちご「…ばか」
―――――
―――
―
俺「着いちゃったな~」
いちご「うん…送ってくれてありがと」
俺「じゃ、また今度な」
いちご「……うん、またね」チュ
いちご「ばいばい!」タタタッ
唯「何にしようかなぁ~」
紬「あ、これおいしそう!」
梓「じゃあ私は…」
澪「普通に食べるんだな…」
澪(何話してるんだろ…。き、気になる!)
「おまたせいたしましたー」
紬「わぁ、おいしそう」
唯「いただきまーす!」
澪「………」
梓「澪先輩、冷めちゃいますよ?」
・・・・・・
唯「んまんま」
紬「おいひい~」
澪「………」
澪「あぁぁーっ!!!」
紬「び、びっくりした…」
唯「げほっ、げほっ!つ、つまった…」
梓「ど、どうしたんですか?!」
澪「み、見ろ!」
唯「おぉ」
紬「まぁ」
梓「何してるんでしょう…2人の顔が近いです」
澪「も、もう限界だ…!」
澪「止めに行くっ!」がたっ
唯「えっ?!」
梓「ま、待ってください澪先輩!!」
紬「そうよ澪ちゃん、落ち着いて!」ぐぐぐ
澪「もう嫌だ、我慢出来ない離せっ!」
澪「律は私のなんだっ!いちごになんかやらないっ」ぽろぽろ
律「なんか向こうの方が騒がしいな」
いちご(まさか本当に澪…?)
いちご「律」
律「ん?」
いちご「そろそろ出よう」
律「もういいのか?」
いちご「あまり遅くなると親に心配かけるから」
律「そか、じゃあ行くか」
いちご「うん」
唯「あ、2人が出て行くよ」
紬「澪ちゃん、落ち着いた?」
澪「あぁ、取り乱してごめん」
梓(澪先輩…)
澪「あの様子だとたぶん2人はもう帰るんだと思う」
澪「時間も時間だし、私たちも解散しよう」
澪「みんな、付き合わせちゃってごめんな」
律「帰り大丈夫か?家まで送るけど」
いちご「いい。反対方面だし」
律「そか。じゃあ気をつけてな」
いちご「………」こく
律「今日は楽しかったよ、ありがと」
律「じゃあ明日また学校でな」
いちご「…うん」
【学校】
エリ「よっ、いちご!律とのデートはどうだっ…」
がんっ
エリ「ぶへぇ!」
いちご「馬鹿エリ」
エリ「い、いきなり何さ」
いちご「ふんっ」
エリ「それで、楽しかった?」
いちご「…まぁ」
エリ「ふむふむ、よかったではないか」
いちご「なにがよ」
律「おいーっす」
いちご「…!」
エリ「あ、律おはよーっ!」
律「おうエリ!おはー」
いちご「…おはよう」
律「おぉ、いちごから挨拶してくれるだなんて!」
いちご「う、うるさい」
エリ(ぷぷぷ…。いちごったらかわいい)
【放課後】
がちゃ
唯「あれ、あずにゃん一人?」
梓「はい。他の先輩方は…?」
唯「ムギちゃんと澪ちゃんはもうすぐ来るよ。りっちゃんは先生に呼ばれてたからまだじゃないかな?」
がちゃ
紬「こんにちは」
澪「…やぁ」
梓「澪先輩ムギ先輩、こんにちはです」
澪「みんな、本当に昨日はごめん」
紬「大丈夫よ。気にしないで?」
唯「でも、本当に2人仲良かったねー。まるでカップルみたい!」
梓(唯先輩それは言っちゃ…)
澪「はぁぁぁぁ」
梓「す、すごいため息…」
澪「なんかもう、ダメなのかなぁ…」
澪「何やっても振り向いてくんないし、いちごとはいい感じだし」
紬「だ、大丈夫よ澪ちゃん」
梓「そうですよ!まだ律先輩がいちご先輩のこと好きだなんてわからないじゃないですか!」
澪「でも、昨日あんなに楽しそうだったし…」
唯「じゃありっちゃんに直接聞いてみればいいんだよ!」
澪「聞くって…何を?」
唯「りっちゃんがいちごちゃんのことどう思ってるのかだよ!」
澪「そ、そんなの無理だよ…!怖くて聞けない」
紬「でも、唯ちゃんの言う通りかも」
澪「ムギ?」
紬「りっちゃんがどう思ってるか知り得ないことには始まらないと思うわ」
梓「そうですね。ついでに寂しいってことも言ってしまえばいいんです!」
澪「梓まで…」
がちゃ
律「いやー遅れてすまん」
唯「りっちゃんやっほ!」
律「なんだなんだー私をハブいて楽しく談笑かぁ?」
唯「そんなことないよー」
紬「みんな揃ったことだし、お茶にしましょうか」
梓「先輩」ぼそ
澪「ん?」
梓「頑張ってくださいね」
澪「うぅぅ…」
【帰り道】
唯「みんなじゃーねー」
紬「また明日」
梓「失礼します」
律「じゃなー」
澪「………」
律「澪」
澪「うわっ!」
律「帰んないの?」
澪「か、帰るっ」
澪(あああ緊張する…)
澪(でも言わなきゃ…。律がどう思ってるのか)
澪「な、なぁ律…」
律「ん?どした」
澪「あの、その…」
律「なんだよ?」
澪「律はさ、いちごのことどう思ってるんだ…?」
律「…はぁ?」
肉食系男子VS草食系男子
草食系がやや不利な様相を呈しております
ここで、いったんコマーシャル
お前ら勝手に争ってろ
俺は和ちゃんといちゃいちゃしてるから
これがもしもしの実態である
>>395
プレステも大して変わらねえよ
PSP前はプレステじゃなかったけ?
――――――
――――
―――
――
…
【翌日】
澪「もう律のことなんて知らん」
唯「へ?」
紬「え?」
梓「はい?」
澪「悩んでた私がバカだった」
紬「なにがあったのかしら…」
がちゃ
律「おっすー」
唯「あ、りっちゃん」
澪「………」ぷいっ
律「なぁんだよ澪、まだすねてんのか?」
澪「うっさい!馬鹿律!」
律「へーへーすんませんでしたー」
唯「いったい何があったんだろうね」ひそひそ
紬「わからないけど…。澪ちゃんの中で何か吹っ切れたみたいね」ひそひそ
唯「解決ってことでいいのかな?」ひそひそ
梓「………」
律「ムギ―。お茶にしようぜー」
紬「あ、はいはい」
梓「あの、澪先輩」
澪「ん?どした梓」
梓「昨日なにがあったか、後で詳しく話してもらえませんか?」
梓「唯先輩とムギ先輩は納得したみたいですけど、私はちゃんと知りたいです」
澪「わかった、それじゃ帰りな」
律「おーい、帰んないのー?」
澪「すぐ行くから先行っててくれ」
律「わかった」
バタン
梓「すいません、なんか時間作っていただいて」
澪「あぁ、大丈夫だぞ」
梓「それで、昨日何を…?」
澪「んーとだな…」
――――――
――――
―――
――
…
律「いちごって、あのいちごか?」
澪「う、うん」
律「どう思うってなんだよ」
澪「その、好き…とかさ。最近仲良いみたいだから…」
澪「2人で遊びに行ったりしてたし…」
律「なんでそのこと知ってんの?」
澪「え?あ…いやその、あれだよ!風の噂ってやつ!」
律「ふーん」
澪「い、今はそんなこといいじゃないか!それで、どう思ってるんだ?」
律「好きだよ。面白いし、いい奴だし。ちょっとひねくれてるけどな」
澪「そ、そっか…」
澪(好きってどっちの意味なんだろ…)
澪「………」しゅん
律「あ、なに?もしかしていちごに妬いてんの?」
澪「んなっ?!!」
澪「ななななな…///」
律「図星か…ふふん」
澪「や、妬いてなんかないっ!!!」
律「構ってほしいならそう言えばいいのに。素直じゃないのね澪しゃんたら!ぷぷぷ」
澪「~~~~~っ!!/////」
澪「………こんの」
律「へ?」
澪「バカりつぅぅぅっ!!!」がつんっ
律「あだぁっ!」
澪「このバカ!」
律「はぁ?何だよいきなり」
澪「バカバカバカ!」ぽかぽか
律「痛い痛い!やめろって」
澪「わ、私がこの数日どんな思いをしてきたと思ってるんだ!」
律「そんなもん知らん!」
澪(なんだよ律のやつ全然普通じゃん!これじゃ悩んでた私がバカみたいじゃないか)
律「あのな、お前がここ数日どう思ってたかなんて知らないけどさ」
律「聞きたいこととか言いたいことがあんならこうやって面と向かって言えばいいじゃん」
律「長い付き合いなんだから、今さら何ともないだろ」
律「つかお前昨日唯たちとファミレスいたろ」
澪「し、知ってたのか?!」
律「あんだけ騒いどいて気づかないわけがあるか。アホ澪」
律「店出る時に騒がしかった方を見てみたら4人でいたところを発見したよ」
律「双眼鏡まで持っちゃってさ、ぷぷ」にやにや
澪「ぐぅぅ…」
澪「そ、それでさ」
律「ん?」
澪「いちごとこれからどうするつもりなんだ?」
律「これからって?」
澪「その…つつ、付き合ったりとか…」
律「うーん、どうだろうねぇ」
律「いちごのことは好きだし、もっとよく知りたいとは思うけど…結局はいちごの気持ち次第じゃん?」
澪「まぁ、そうだけど…」
>>426
なにに?
>>428
オナホに
澪「そ、それでさ」
律「ん?」
澪「いちごとこれからどうするつもりなんだ?」
律「これからって?」
澪「その…つつ、付き合ったりとか…」
律「うーん、どうだろうねぇ」
律「いちごのことは好きだし、もっとよく知りたいとは思うけど。いちごのやつ何考えてっかわかんないし…」
律「澪はどうすればいいと思う?」
澪「えっ?!」
日本人なら!?
澪「わ、私にそれを聞くのか?!」
律「一応な。参考程度に」
澪「………」
澪「つ、付き合えばいいと思う」
律「ほう」
澪「私と」
律「」
律「はい?」
澪「わ、私と付き合えばいいと思う。いちごじゃなくて」
澪「私の方が律のことよく知ってるし、幸せに出来ると思うんだ」
律「あのー…澪さん?」
澪「そうだ、それがいいよ!そうしよう、な!」
律「落ち着け」ぶすっ
澪「ぎゃあ!め、目がぁ」
律「なんだそれは。告白なのか?」
澪「そ、そんなつもりじゃないぞ!」
澪「ただそっちの方がいいんじゃないかなぁ~っていうだけだ」
律「はぁ…」
律「お前はとことんアホなやつだな」
律「いや、もうあれだな。一種の才能だな」
澪「えへへ…」
律「いや、ほめてないから」
澪「それで、どうこの提案?」
律「断る!」
澪「え…」
澪「………」うるうる
律「ちょっと待て!泣くな!」
澪「泣いてない!!」
律「よく聞け澪。私が断る理由は3つある」
律「ひとつはだな。まずずるい」
律「そういうことを言うならちゃんとそういう機会なり場なりを自分で作れ。勢いですんな」
律「もうひとつは、私は付き合うなら出来れば自分からその気持ちを伝えたい」
律「最後な。これは正直に言うけど…」
律「澪と付き合うとか想像つきません!」
律「当たり前のようにずっといた幼馴染だし、いきなりそんなこと言われても困る!というか現に今焦ってる!」
律「そういうわけでその提案はお断りします!」
澪「ぬぬぬ…!」
律「おっ、話してるうちにもう家着いちった」
律「色々話せてよかったよ、そんじゃな!」
澪「あっ、こら!」
澪「ったく…」
――――――
――――
―――
――
…
澪「…というわけだ」
梓「………」
澪「まぁ私が間抜けだったというか、一人で舞い上がってたんだよ」
梓「…それで」
澪「ん?」
梓「それでいいんですか?」
梓「こ、こんなこと言うのは失礼かも知れませんけど…」
梓「それってつまり遠回りにフラれたってことなんですよ?」
梓「悔しくないんですか?」
澪「あぁ、悔しいさ。でも律の言ってることは正しい」
澪「流れに任せてそういうこと言うのは間違ってる」
澪「それに私は律のこと好きだけど、必ずしも律は私のことが好きってわけじゃないからな」
梓「それは…」
澪「だから、努力するんだ。律に振り向いてもらえるように」
澪「もしそれで律が私に振り向いてくれたら、私の勝ちってことだろ?」
澪「あの時点で私と付き合っておけばって堂々と言える。律に一枚噛ませることが出来るじゃないか」
梓「でも、律先輩の気持ちは今いちご先輩に向いてるじゃないですか」
澪「別に今じゃなくたっていいんだよ」
澪「これからじっくり、律を落として行くのさ」
澪「むしろ時間が経った方が、律は大きな一枚を噛むことになるしな」
梓「そんなの…」
梓「そんなのダメですっ…!!」
実質振られたのに澪がこんな前向きになる…?
梓「こんなに好きなのに、そんな簡単に身を退いていいんですか?!」
澪「身を退くわけじゃないって。律を見返してやるんだよ」
梓「律先輩には、澪先輩じゃなきゃダメです」
梓「いちご先輩なんかじゃダメなんです!!」
梓「あんなに作戦練って尾行もしたのに、こんなの…」
澪「あ、梓…。落ち着いて、な?」
梓「私、こんなの認めない。認めませんから」
ばたん
澪「お、おい梓!」
澪「はぁ…。ややこしいことになった…」
じゃあ私
梓(どうしてそんな簡単に諦めきれるの?おかしい、おかしいよ!)
梓(ずっと一緒だったのに、好きだったのに。簡単に奪われちゃっていいの?!)
梓(確かにいちご先輩は容姿もいいし、性格もよさそうだけど、でも澪先輩とは違う!)
梓(律先輩も律先輩。鈍感すぎだよ、バカ)
梓(もういい。私が2人をくっつけてみせる)
梓(そのためにはまずいちご先輩のところに行かなきゃ…!)
じゃあ私、バイト行くね
なんか違和感あると思ったら
こいつら女同士の恋愛に寛容すぎるだしむしろそれがふつうみたいに話が進んでるからだ
>>469
ん?
何かおかしな点があるか?
・ j∨.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ,
__... -=¬.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:>
``ヽ、.:.:.:..:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ 何
o ./.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:/ .嫌 が
O /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/`ヽ、.:.:.:.:ト、.:.:.:.ト、.:.:.:.厶 い
∠_,ィ.:.:.:.:.:.:.:.:.:厶斗rf \.:| ヽ.:.| ヽ.:.:./ か
ヽ, fヽx/ Ⅵ.:.:.:.:/7:::/f! {! ヾ ヽ! ∨ よ
∨! ''"'´ /}::≧x {! ヽ ,'' ,ィ≦_ り
レf´ __ `ヽー }j{、ー/ __ 7
自 何 厶 ((O)) 竺 ((O))ム,イ , ィ
分 が / `¨´ , i!i! 、 `¨´ _,厶イ^}| ,/^ヽ{
を. 好 ⌒>{¨f¨´ ^ ^ `¨¨こ, ム'' |/ ・ .
語 き イ:::{⌒¨¬ー‐―一¬¨´ }ヽ 厶イ{ノ{__,ィ_
れ か >i「i「}TfTfTfTfTfTfT{!「i「i!i}/::::.'. '. '. '.
よ.. で `>{f¨´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨}⌒)'ヘ:::::::.'. '. '. '.
. !!! く:`ヽ、`¬=ー―一¬´/^ヽ}::::::::.'. '. '. '
「 : : : .`ー .._... ' . : : : /}::::::::::.'. '. '.
【翌日】
澪「律」
律「んあ?」
澪「はいこれ、この前借りてたCD」
律「おう、さんきゅ。どうだった?」
澪「んー、いまいちだったな」
律「なんだとっ?!どこがいまいち何だ言ってみろ!」
澪「なんか全体的にガシャガシャしてて聞いてて疲れる」
律「いいじゃんノリが良くて!」
いちご「………」
エリ「なーにぼーっとしてんのっ」とんっ
いちご「?!エリか…びっくりさせないでよ」
エリ「さっきから律のことばっか見てるでしょ?」
いちご「そんなことないって」
エリ「にしても2人とも楽しそうだねー」
いちご「…うん」
ぎゃーぎゃー
わーわー
いちご「………」
エリ「澪に嫉妬してんの?」
いちご「……!」
ごんっ
エリ「あてっ!」
いちご「…怒るよ」
エリ「もう怒ってるじゃないすか…」
いちご「ふん」
エリ「律のこと、気になる?」
いちご「………」
エリ「どうなの?」
いちご「………」こく
エリ(あああぁぁ、いちごかわいいいぃぃぃ)
エリ(大丈夫よいちご!あんたならきっと律とお似合い!)
エリ(律もいちごのこと好きみたいだし、いけるよ!)
エリ(私がキューピッドになってあげるからね!)
律「ほんっとお前にはセンスがない!」
澪「律にだけは言われたくない!」
エリ「いよっす!」
律「なんだエリ!こっちは今取り込み中だ!」
ぐいっ
律「へっ?」
エリ「悪いね澪。ちょっと律借りるよ!」
びゅーん
律「うおあああ!!」
澪「……何事?」
【廊下】
律「なんだよエリ!いきなり引っ張りやがって」
エリ「ごめんごめん」
エリ「律に渡したいものがあってさ」
律「渡したいもの?」
エリ「はいこれ!」すっ
律「映画のチケット?」
エリ「そ!」
律「なんでこれを私に?」
エリ「チケットが2枚あるってことは、意味わかるよね?」
律「私と行きたいのか?」
エリ「律…それマジに言ってる?」
律「ちがうの?」
エリ「はぁ…こりゃ苦労するわ」
律「?」
エリ「いちごと行くに決まってんでしょ!」
律「な、何でいちごとなんだよ!」
エリ「隠さなくていいよ律。私全部知ってるから」
律「えっ?」
エリ「いちごのこと、気になってるんでしょ?」
律「ちっ、ちが…///」
エリ「あんたら2人して本当かわいいねぇ」
エリ「大丈夫だよ、いちごも律のこと気にしてる」
エリ「だからいっといで!」
律「で、でも悪いよ!」
エリ「いいのいいの!」
エリ「2人の幸せの一端を担えるなら、これ以上の喜びはないもの!」きらきら
律「」
エリ「あ、その映画は最近公開したばっかのアクション映画なんだけど、ちょっとホラーも入ってるのよ」
エリ「ちなみにいちご、怖いの苦手だから」
律「な、何でわざわざそういう映画見るんだよ!」
エリ「あえてよ、あ え て ♪」
エリ「あ、私からって言っちゃダメだよ?」
エリ「そんじゃ、よい報告を期待してるよん」
すたたた
律「あっ、おい!」
律「行っちゃったよ…」
律(本当は誰の手も借りたくなかったんだけどな…)
律(でもエリもあぁ言ってるし、せっかくの好意を無碍にするわけにもいかないよな)
律「…さんきゅ、エリ」ぎゅっ
【教室】
律「なぁいちご」
いちご「や――」
律「やだ」
いちご「!」
律「だろ?もうその手には乗らんぞ」
すぱーん
律「いつつ…」
律「こ、ここまでは読めなかった」
いちご「馬鹿律」
いちご「それで、何?」
律「週末空いてる?」
いちご「………」こくり
律「じゃさ、映画見に行かない?チケット持ってんだ」
いちご「………」
律「映画嫌いか?」
いちご「ううん、行こう」
律「おっけ。んじゃまた後で話しに行くよ」
エリ「いちごー」
いちご「どうしたの?」
エリ「いや、さっき律と何かやりとりしてたからさ。何かあった?」
いちご「週末、映画に行かないかって誘われた」
エリ「おぉっ、マジでかい?!」
エリ「それで、行くの?」
いちご「うん」
エリ「そっかぁ~うんうん」にまにま
エリ(あたしグッジョブ!グッジョブあたし!)
いちご「なんでエリがうれしそうなのよ」
エリ「へっ?いや、そんなことないよ!」
いちご「ふーん」
エリ(だ…駄目だ、まだ笑うな…しかし…!)
エリ「ま、楽しんでおいでよ!」
いちご「うん」
【放課後】
がちゃ
唯「やっほーい!ってあれ?」
紬「あら、梓ちゃんはどうしたのかしら」
唯「いつもなら一番にいるはずなのにねー」
律「よーっす」
澪「あれ、梓がいないな」
律「大方、先生から呼び出しでもくらってんじゃねーのー?」
澪「それはお前だろ」
澪(梓のやつ…何してるんだ?)
【教室】
純「じゃあねー」
憂「ばいばい」
梓「うん、またね」
梓「………」
憂「あれ?梓ちゃん音楽室行かないの?」
梓「…行くよ。その前にちょっと用事があるから」
憂「そっか。じゃ私も帰るね」
梓「うん…。ばいばい」
梓(もう先輩たちは音楽室行ったかな?)
梓(確か唯先輩たちと同じクラスだったよね)
梓(早くしないと帰っちゃうかも。急がなきゃ)
【3年2組】
梓(着いた。いるかな?)
梓「あ、あの…すいません」
エリ「ん?私?」
梓「は、はい。あの、若王子先輩ってまだいますか…?」
エリ「いちご?ちょっと待っててね」
エリ「いちごーっ、お客さんだよー」
いちご「?」すたすた
いちご「誰、お客さんって」
エリ「この子」
梓「こ、こんにちは」
いちご「確か軽音部の…」
梓「中野梓と言います。いちご先輩、少しお時間いただけますか?」
いちご「…いいけど」
【空き教室】
いちご「こんなところに呼び出して、何の用なの?」
梓「すいません」
梓「単刀直入に言います。いちご先輩は、律先輩のことどう思ってるんですか?」
いちご「えっ?」
梓「その…いちご先輩は律先輩のことを好きなのかってことです」
いちご「………」
梓「どうなんですか?」
いちご「…好きかどうかって言われたらちょっとよくわかんない」
いちご「律とは最近仲良くなったばっかだし…」
いちご「でも一緒にいると楽しいし、気にはなったりする」
梓「そうですか…」
いちご「何でそんなこと聞いたの?」
梓「もう、律先輩とは関わらないでください」
いちご「………」
梓「いちご先輩と関わってるせいで、傷ついてる人がいるんです」
いちご「…澪のこと?」
梓「そうです。澪先輩は、ずっと律先輩のことが好きなんです」
梓「たぶん私が知るよりもずっとずっと前から」
いちご「それと、私にどういう関係があるの?」
梓「今の律先輩の中に澪先輩はいません」
梓「律先輩は、いちご先輩に夢中だからです」
いちご「!」
いちご「律が…?」
いちご(エリ…。あんたすごいかも)
梓「そうです。だから澪先輩は、自分から身を退いたんです」
梓「自分の気持ちを抑えて、我慢したんです」
梓「これ以上律先輩の心を惑わさないでください」
梓「澪先輩を傷つけるのは、やめてください」
梓「あの2人は、一緒にいるべきなんです」
いちご(あの時、ファミレスで見かけたのはやっぱり澪だったんだ)
いちご「………」
いちご「わかった」
いちご「それが律と澪のためだって言うなら、そうする」
いちご「律と関わるのはもうやめる」
梓「ありがとうございます」
いちご「うん」
梓「お時間いただいちゃってすいませんでした」
いちご「ねぇ」
梓「?」
いちご「それは、本当に2人が望んでることなの?」
梓「…失礼します」たたっ
梓(これでいいんだ、うん)
梓(これで2人は結ばれる。幸せになれるんだ)
梓(澪先輩、大丈夫ですよ。私、やりました)
―――それは、本当に2人が望んでいることなの?―――
梓(………)ぶんぶん
梓(私は間違ってなんかない!これでいいんだ)
梓(遅くなっちゃったな、早く部室に行かないと)
がちゃ
唯「あ、あずにゃん」
律「おっそいぞー」
梓「す、すいません!」
紬「何かあったの?」
梓「その、先生にちょっと呼び出されてて」
律「マジ?ほら見ろ、私の言う通りじゃないか!」
唯「りっちゃんすごーい!」
澪「………」
【翌日】
唯「りっちゃん澪ちゃんおはよー」
澪「あぁ、おはよう」
律「おっす、何だ唯その髪型。寝癖か?」
唯「えへへ…朝時間が無くって」
紬「唯ちゃんおいで、お手入れしてあげる」
唯「ムギちゃん!ありがとー」ととっ
律「いちご、おはよ」
いちご「………」
律「おーい、いちごー」
いちご「…おはよ」
律「なんか元気ないな、どうかしたか?」
いちご「別に」
律「そか」
エリ「律ーっ、おっはよー!」
律「おう、おはー!」
澪「………」
澪(結局あれから数日経ったけど、いちごはあんな感じだった)
澪(明らかにいちごの態度がおかしい)
澪(あんなに律に対してきつくない、もっとやわらかかったはずだ)
澪(まるで、律を突き放してるような…)
澪(まさか…梓のやつ…?!)
律「いちご」
律「昨日の数学の宿題あったろ?」
律「あの最後の問題だけさっぱりわからないんだ」
律「だから教えてくれない?」
いちご「……ごめん、私もわからない」
いちご「澪に聞けばわかるんじゃない?」
律「んー、いちごもわからんか。澪ー」
教師「昨日の宿題の答え合わせするぞー」
教師「じゃあ若王子、最後の問題答えて」
いちご「x=-7、y=10」
律(えっ?)
教師「正解だ、よく解けたな」
澪(いちごのやつ、わからなかったんじゃなかったのか?)
いちご「………」
【放課後】
律「なぁなぁ」
いちご「…なに」
律「映画のことなんだけどさ―――」
いちご「ごめん律。週末予定が入っちゃったからいけない」
律「そ、そっか。じゃあ仕方ないな」
律「じゃあいつにしようか」
いちご「………」
いちご「ごめん、ちょっといつ空くかわかんないから」
いちご「別の人と行きなよ」
律「だから私はいちごを誘ってんだってつーの!」
いちご「私は、行きたくない」
律「!」
いちご「だから、違う人を誘いなよ」
いちご「澪とかさ」
律「…そっか、ごめんな。何か無理に誘っちゃって」
律「…またな」
エリ「りーつっ」
律「ん?どしたエリ」
エリ「映画、どうなった?!」
律「あぁ…何か予定が入っちゃったらしくてさ、中止になった」
エリ「そっか…。じゃあいつ行くの?」
律「…わかんない。それにいちごは行きたくないってさ」
エリ「えっ?!」
律「だからこのチケットは返すよ。ごめんな、せっかくくれたのに」
律「んじゃ私音楽室行くからさ、じゃな!」
エリ「律!」
エリ「………」
エリ「ちょっといちご!」
いちご「…なに?」
エリ「何の予定が入ったってのさ!」
いちご「ちょっとね」
エリ「ちょっとじゃないよ。映画行くことより重要な用なの?」
いちご「うん」
エリ「それに何で行きたくないなんて言ったの?」
エリ「次の機会なんていくらでも作れるでしょ?」
いちご「私、映画好きじゃないから」
エリ「嘘つき。楽しみにしてたじゃん」
エリ「いちご、何か変だよ」
エリ「ここんとこ律のことあからさまに避けてるみたいに見えるし…」
エリ「どうしたの?何かあった?」
いちご「何もないよ」
エリ「嘘つき」
エリ「…あの時来た中野って子に何か言われたの?」
いちご「!」
エリ「図星ね。話して、なに言われたのか…」
いちご「………」
エリ「いちごっ!」
いちご「エリには関係ないでしょ」
エリ「大ありだよ馬鹿!」
いちご「………」
いちご「律とはもう関わるなって言われた」
エリ「えっ…?」
いちご「私が律と関わってるせいで、澪が傷ついてるって」
いちご「澪はずっと律のことが好きだったからって」
いちご「私がいると律の心を惑わすから、もう関わらないでほしいって」
いちご「それが、2人のためだって」
エリ「待ってよ…」
エリ「何よそれ!そんなのおかしいじゃん!」
エリ「それといちごは、何の関係もないじゃん」
いちご「あの2人は、一緒にいるべきなんだって」
エリ「?!」
エリ「あいつ…!今からぶん殴りに行ってやる!!」
がしっ
いちご「余計なことしないで」
いちご「いいの、これで」
エリ「よくないよ!」
エリ「だいたい何であんたも素直に受け入れてんのよ!」
エリ「いちごの意見はないの?!」
いちご「だから私はこれでいいって言ってるじゃん」
エリ「律のこと気になってるんでしょ?大事なんじゃないの?」
いちご「………」
いちご「律のこと、大事だから」
いちご「だから私は関わるのをやめたの」
いちご「それに、澪のためでもあるから」
いちご「だから、これでいいの」
エリ「いちご…」
いちご「私帰る」がたっ
エリ「ちょっと!」
【放課後】
紬「ちょっと今日は趣向を変えてハーブティーにしてみたんだけど、どう?」
梓「あ、おいしい…」
唯「おぉ、大人の味だねぇ」
澪「………」
紬「澪ちゃんどうしたの?元気なさそうだけど」
律「お子ちゃまの澪しゃんにこのハーブティーはお口に合わないか!」
唯「とか言いつつりっちゃんすごいお砂糖入ってるよね」
律「私は甘党だからいいのーっ!!」
澪(元気じゃないのは、律だよ。あんなに不安そうな顔して)
澪(訳もわからず避けられてるんじゃ、どうしよもないじゃないか)
澪「………」ちらっ
梓「唯先輩!私のケーキとらないでください!」
唯「いいじゃん一口だけさ!ね?」
梓「ダメです!」
唯「けちぃっ」
澪(梓…)
唯「ふわぁ~あ、眠くなっちゃったよ」
梓「先輩はいつでも眠そうじゃないですか…」
紬「そろそろ帰りましょうか」
律「そうだな、今日は夜スペシャルの特番だし!」
ばぁん!!
「?!」
エリ「ちょいと失礼。お邪魔するよん」
唯「エリちゃん?!」
エリ「中野さんって子、いる?」
紬「梓ちゃんならいるけど…」
エリ「ちょっとお話があるんだけどさ、来てもらっていい?」
梓(いちご先輩を呼んだ人)
梓「はい」
律「エリが梓に用事?お前ら接点なんかあったのか?」
澪「………」
梓「先輩たちは先に帰っててください」
エリ「ごめんねみんな。ちょっとこの子借りてくよ!」
律「ちゃんと返せよー。うちの大切な部員なんだから」
エリ「わかってるって!」
ばたん
律「んじゃ、私らも帰りますか」
唯「うん」
紬「そうね」
澪「………」
【帰り道】
唯「それにしても、エリちゃんとあずにゃんってお知り合いだったんだね」
紬「本当ね、今まで2人が話したりしてるとことか見たことないもの」
律「もしかして付き合ってたりなんかしてな!」
唯「えぇーっ?!」
紬「まぁ!それはすごくいいわね、今度聞いてみましょう」
澪「………」
澪「ごめんみんな!私忘れ物しちゃったから学校戻るよ」
唯「何忘れたの?」
律「明日じゃダメなのか?」
澪「その、宿題を机の中に入れっぱなしでさ」
紬「あら、それは大変!」
唯「宿題って…なに…?」
律「お前また寝てたのか?英語の宿題出てたじゃん」
唯「何それ…知らない…」
紬「あとで、教えてあげるわ」
澪「そういうことだからさ、先帰っていいよ」
律「わかった」
紬「澪ちゃん、もう暗くなるから気をつけてね」
澪「あぁ、ごめん」たたっ
唯「ムギちゃぁぁ~ん!!!」
紬「はいはい」
・・・・・・
澪(たぶんエリが梓のことを呼んだのって、いちごのことじゃないのか?)
澪(梓のやつ、何したんだ?)
【3年2組】
エリ「ごめんね、こんなとこまで呼びだしちゃって」
梓「いえ、平気です」
梓「それで、お話っていったい何ですか?」
エリ「いちごのことだよ」
エリ「いちごから少し話を聞いてさ。どういうことなのかなって思って」
エリ「どうしてあんなこと言ったの?」
梓「それは―――」
がらっ
澪「はぁ、はぁ…」
エリ「澪?!」
澪「エリ、梓!2人して、何の話をしているんだ?」
エリ「澪には関係ないことだよ」
澪「いちごのことだろ…」
エリ「!」
澪「梓」
梓「はい?」
澪「お前、いちごに何したんだ?」
梓「律先輩ともう関わるなって言いました」
澪「何で…」
梓「これが一番の策だと思ったからです」
エリ「策?」
梓「だって、あんなにずっと好きだったのに。こんなの無いじゃないですか」
梓「澪先輩だって、ずっと悩んでたじゃないですか」
梓「それなのにあっさり身を退くなんて、理不尽すぎます」
梓「私は澪先輩に幸せになってほしい」
エリ「でもそれは、律のこと考えた意見じゃないよね?」
梓「律先輩は今はわからないだけ」
梓「でもいつかきっと気づきます。澪先輩と一緒にいることが一番なんだって」
梓「いちご先輩さえいなければ、律先輩はいずれ澪先輩と一緒になっていました」
梓「律先輩にとっても、澪先輩が傍にいるのが一番お似合いなんです」
梓「いちご先輩なんかじゃダメ」
エリ「………」
梓「それに、いちご先輩は律先輩のこと好きってわけではないって言ってたんですよ?」
梓「好きじゃないのなら、尚更です」
エリ「…いちごは」
エリ「口数も少ないし、態度もそっけないけど」
エリ「根は素直で、純粋な子なの」
エリ「表情には出してないけど、律と関わることを楽しんでる」
エリ「次のお出かけも楽しみにしてたんだよ?」
エリ「律だって楽しみにしてたのに」
エリ「なのに、そんなこと言うなんてひどいよ」
エリ「いちごのことも律のこともまったく考えてないじゃん!」
梓「そんなの知らない」
梓「これでいいじゃないですか!ね、澪先輩」
梓「いちご先輩もちゃんとわかってくれましたし」
梓「邪魔者はもういませんよ」
エリ「邪魔者…だって…?」ぎりっ
梓「これで澪先輩が我慢する必要だってなくなったわけですし」
梓「律先輩だって、きっとすぐに澪先輩に振り向いてくれます。だから―――」
ぱぁん――!
梓「えっ…」
どさっ
梓「………」
澪「………」
エリ「澪…?」
梓「……どうして…」
梓「どうして、叩くんですか…」
梓「澪先輩のためにやったのに…澪先輩に幸せになってほしくてやったことなのに…」
澪「梓は…何もわかってない」
澪「私は律のことが好きだよ」
澪「たぶん誰よりも好きだ」
澪「でもそれ以上に律には幸せになってほしい、明るく笑って毎日を過ごしてほしいんだ」
澪「その形が、私と付き合うことってなったならそれが一番だけどさ」
澪「でも、今は違うだろ?」
澪「律が幸せなら私はそれでいいんだよ」
澪「律の幸せが、私の幸せなんだ」
梓「そんなの、ダメです…」ぽろぽろ
梓「ずっと好きなのに報われないなんて、ダメなんです…」
澪「梓、なんでそんなにこだわるんだ?」
梓「私は、ダメでした」
梓「報われなかった。唯先輩に応えてもらえなかった…」
澪「…!」
梓「だから、私みたいな思いはもう誰にもしてほしくないんです」
梓「うぐっ、ひっく…うぅっ」
澪「梓…」
エリ「澪…」
澪「ごめんエリ、少し2人だけにしてほしい」
エリ「…わかった」
澪「ごめん、またあとで話そう」
梓「うぐっ、えぐっ、うわああああん」
エリ「じゃねっ」
澪「梓が私のことをよく考えてくれてたのはよくわかった」
澪「ありがとう」
澪「自分みたいな思いをさせたくない気持ちも伝わった」
澪「でもな、梓のやってることは間違ってる」
澪「幸せってのは、人によって形が違う。誰かが決めることじゃないんだよ」
梓「先輩…」
澪「後で謝りに行こうな、いちごのとこに」
梓「先輩…ごめんなさい…。ごめん…なさい…」
エリ「さてと、そんじゃあ私は私で行きますかな」
・・・・・・
【いちごの家】
ぴんぽーん
いちご『…はい』
エリ「エリですけどー」
いちご『……何?』
エリ「いいからちょっと出てきなさいな」
いちご『………』ブツッ
がちゃ
いちご「何の用?」
エリ「はい」すっ
いちご「これって…律が持ってたチケットじゃ」
エリ「そ!」
いちご「私は行かないって言ったじゃん」
エリ「まぁまぁまぁ」
エリ「さっきその中野さんって人と話してきたわけよ」
いちご「!」
いちご「…余計なことを」
エリ「失礼ねー、あんたのために行ったんだから」
いちご「お節介」
エリ「ま、とりあえず聞きなさいて」
エリ「いちごは、本当は行きたいの?澪とか関係なしに」
いちご「………」こく
エリ「そっか。じゃあ行っといでよ」
いちご「だから、それはダメだって」
エリ「あんたはもう気にしなくていいの」
いちご「?」
エリ「その中野さんって子にも色々思うところがあったみたいよ」
エリ「たぶん近々謝りに来るんじゃない?」
エリ「だから、いちごの好きなようにするといいよ」
いちご「でも、澪が律のこと好きなのには変わりないじゃん」
エリ「あんたねぇ~、それじゃ逆に澪怒ると思うよ?」
いちご「どうして?」
エリ「澪は確かに律のこと好きだけど、それ以上に幸せであってほしいって思ってる」
エリ「今の律の幸せは、いちごといることなんじゃない?」
エリ「だから、律を悲しませたら澪が怒るよってこと」
いちご「………」
エリ「次はあんたから誘いなよ」
エリ「はいこれ」
いちご「…何これ?」
エリ「律の連絡先。いちご知らないでしょ?」
いちご「うん」
エリ「ったく、そのぐらい知っときなさいよ」
いちご「でも何で番号だけなの?アドレスは?」
エリ「アドレスまで書いたらメールで済ますつもりでしょ」
エリ「ちゃんと電話で誘いなさい。そんで、アドレスは自分から聞きなさい」
いちご「………ちっ」
エリ「そんじゃね」
いちご「あっ…」
いちご「…ありがとう」
【律の家】
brrrr brrrr
律「ん?誰だこんな時間に」
律(知らない番号…?)
ピッ
律「はい、もしもし。田井中ですけど」
いちご『………』
律「もしもし、どちら様ですかー?」
いちご『…若王子ですけど』
律「へっ?い、いちご?!!」
いちご『声が大きい』
律「いや、ていうか何で私の番号知ってんだ?」
いちご『そんなことはいいの』
律「で、何か用か?」
いちご『あの、その…え、映画のことなんだけど』
律「ん?あぁ、別に気にしなくていいぞ!」
いちご『ちがう』
律「?」
いちご『用事がなくなったから…行く』
律「え?でも行きたくなかったんじゃ…」
いちご『うるさい。行くの』
律「あ、あぁ。それはいいんだけど…」
律(チケットはエリに返しちゃったんだよな…)
いちご『チケットは私が持ってる』
律「へ?何で?」
いちご『いいじゃんそんなの』
律「まぁいいけどさ」
律(エリのやつか?結局世話になりっぱなしだったな…)
いちご『今日はごめん。色々と』
律「いいっていいって。気にすんな」
律「んじゃ、この前と同じ場所に同じ時間でな」
いちご『遅れないでよ』
律「はーいはい」
いちご『それから、次会ったときアドレス教えて』
律「ん、わかった」
いちご『それじゃあ』
律「おう、おやすみ」
いちご『…おやすみ』
ガチャ
【週末】
いちご「………」いらいら
律「いやー、すまん!遅れた」
いちご「遅い」すぱーん
律「あでっ」
いちご「何してたの」
律「いや、道でおばさんが困ってたのを助けてて…」
すぱーん
律「いだっ」
いちご「嘘でしょ」
律「出会いがしらからひどいことするんですね!」
いちご「遅れる方が悪い」
律「へいへい」
いちご「ふん」
律「てか、大丈夫か?今日観る映画、ちょっとホラー入ってるみたいだけど」
いちご「…帰る」
律「ちょーっと待った!」ぐいっ
律「平気だよ平気!」
いちご「………」
律「怖くなったら私に抱きついてもいいんだぜ?」にやにや
いちご「………」
ぎゅっ
律「へ?」
いちご「早く行くよ」
律「おいおい引っ張るなって」
いちご「…馬鹿律」
おしまい
長々とすんませんでした。
一応これで終わりです。
どうもでした。
モブのイメージは完璧に当人の頭によりけりだからね。
賛否はあると思う。
ていうか最近他のSSでもいちご見るね。
流行りか何かかしら。
唯「あずにゃん・・・」ポロポロ
唯「うわぁぁぁん」
けいおん=嵐
メンバーの雰囲気がいい
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