初春「一方通行?顔は知りませんね」(182)

とりあえず、一方通行と初春の話が読んでみたくて


―病院―

ガチャッ
佐天「うーいっはる~ん!怪我はどーぉ?」

初春「あ…佐天さん!えへへ、もうほとんどいいんですよぉ」

佐天「いっやぁ~良かった良かった!ほんとホッとしたよ。初春ってば連絡つかないと思ったら入院してるんだもんねぇ」

初春「あはは、それもう3度目ですよ?聞くの」

佐天「ん~、そんだけびっくりしたってことよ。ねねね、退院はいつになりそう?」

初春「ありがとうございます、佐天さん。ええと、退院は多分明後日くらいですかね?検査が色々あるらしくて」

佐天「そっかぁ…早く学校きてよね。寂しいよ」

初春「わたしもですよ。お見舞いに来てくれなかったら、暇で暇で…パソコンも禁止だし」

佐天「そりゃぁ、肩にひびはいってるのにパソコンなんかやらせるわけないじゃん」

初春「うう…やりたいことがあるんですけどぉ」

佐天「今は我慢我慢!早く完治させて、それから思いっきりやんなよ!じゃなきゃ私が寂しくてエラーになっちゃうよ」

初春「へへ、もし佐天さんがエラー起こしたら、この天才ハッカー初春飾利がばっちり修復してあげますよー」

佐天「ちっがーう!エラーを未然に防いでよぉ。ちゃんと治してさっさと学校に来るの!」

初春「あ、そっか」

佐天「も~、初春ってば…ズレてるんだからぁ」

初春「へへ…」

佐天「でも、やりたいことって?」

初春「あの…0930事件のことで…」

佐天「初春を怪我させた犯人についてでも調べるの?」

初春「いえ、違うんです。私は…」


初春「ふぅ、やっぱりこの花飾りをつけると落ち着きますね」

初春「よし、忘れ物もないし」

初春「久しぶりの学校…うーん、日常ですねぇ」ジーン

初春「…あっ、浸ってたら遅刻しちゃう。急がなくちゃ」

――ガチャッ バタン――


初春「あちゃ~、バスに間に合わないかもしれないです…」タタタタタタ

初春「まあ乗り逃しても、あと二本は大丈夫だし…」タタタタタタ

初春「……っ!?」ピタッ

初春(今さっき、あの角を曲がって行ったひと…似てる!)

初春(あの白い人に…)ジリジリ

初春「う、うう…学校…でも、もう見つからないかもしれないしっ…」

初春「…ええーい!!」

初春(行ってやる…絶対もう一度会うんだから!!)


初春(あの時…私を助けてくれたひと…
   あちこち調べてようやくたどり着いた名前は、私なんかが手を伸ばしても絶対に届かない高みだった
   …学園都市第一位の超能力者(レベル5)…一方通行(アクセラレータ)
   向こうには助けるつもりなんかなかったかもしれない
   それでも……)

初春(もう一度会って、お礼がしたい…!)

初春(ごめんなさい佐天さん!でも私、今じゃなきゃいけない気がするんです…!)

初春「はっ…はっ…!」タッタッタッタッ

初春(く…私って…体力がない…)

初春(あっ、また曲がる…!やだ、見失っちゃいます!)

初春「っ…あ、あの!!一方通行さんっ!!」

一方「…あン?」

初春(振り向いた…!やっぱりあの人!間違いない。白い髪白い服白い肌、真っ赤な瞳に灰色の杖!)

一方「誰だてめェ。どっかの組織のヤツ…じゃなさそうだな」

初春「あっあの私っ、貴方に助けてもらったんです!」

一方「記憶にねェな。夢でも見てたンじゃねェのか」

初春「いいえ!貴方ですっ…9月30日に、学園都市第二位垣根帝督に、殺されかけてた私を…助けてくれたのは貴方です」

初春は自信を込めて一方通行を見つめた。

一方「…垣根だとォ」

初春「調べたんです。貴方に会いたかったから!会ってお礼がしたかったからっ…だからあの」

一方「あァそうかよ。良かったな。ンじゃな」

初春「待って下さいッ」ガシッ

一方「ギャッっ、」ズベシ

初春「あっ…すみません…!」

一方「い…ツ…テメェ…死にてェのかこのガキがァ!!」ギンッ

初春「ひっ…」

一方「ビビってンじゃねェよ…ったく、メンドクセェ」

初春「あっ行かないでください、お礼がしたいんです…!」

一方「チッうるせェな…。
   いいか、俺は別にお前を助けた訳じゃねェ。あのメルヘン野郎が気に入らなかったからボコったらたまたまお前が助かっただけだ」

初春「わかってま…」

一方「分かってねェよ。俺はお前の顔も名前も知らねェし知るつもりもネェ。知り合うなンて論外だ。
   テメェは俺に関わるっつーのが何を意味すンのか全く分かってねェよ」

初春「でもお礼くらいいいじゃないですかっ!?」

一方「感謝の押しつけなンざいらねェな」

初春「うっ…」

独り善がりな行動を厳しく指摘され、涙が浮かんだ。
唇を噛み締めて俯く初春。

一方「とっとと帰れよ、ガキは学校の時間だろォが」

一方「じゃあな」

初春「わた、わたしは…!……あれ」

顔を上げると、もうそこに一方通行は居なかった。

初春「杖をついてたのに…いつの間に…?」
初春「うう…お礼、言えませんでした」

初春「ありがとうって…最初に言えば良かったのに…」

初春「もう会えないんでしょうか…」グスッ…

佐天「初春?珍しいじゃん、こんなギリギリに来るなんて」

初春「えへ…へへ、学校が楽しみで昨日眠れなかったんです…よ」

佐天「…初春?」

初春「…う…うぅ…」

佐天「初春!あたしにまで強がらなくていいよ…親友でしょ?」

初春「ふえ…佐天さぁん…私…」

佐天「よしよし、話きいてあげる。一時間目はさぼっちゃおう」

佐天「屋上に行く抜け道があるんだよん♪…だから…ね?」

初春「佐天さん…ありがとうございます…」


・・・・・・・・・


初春「それで、そのひとがアホ毛ちゃんを狙ってるのがわかったから、知らないっていったんです」

佐天「うんうん」

初春「そしたら急に豹変して、殺されそうになって…」

佐天「ええっ?」

初春「肩を怪我したのは野次馬のせいじゃなくて、その人に…」

佐天「聞いてないよ~!」

初春「すみません…それでそのとき、颯爽と現れて私を助けてくれたのが、第一位の一方通行っていう人なんですよ」

佐天「だ、第一位…すっごいじゃない!それってカリスマ、カリスマだよぉ!」

初春「さ、佐天さん声大きい…見つかっちゃいますよ」

佐天「あ、ごめんごめ~ん…。で?どうなったの?」

初春「そのときはそれっきりで。でも、今朝一方通行さんを見かけて、お礼をしようと思って追いかけたんです」

佐天「へぇ。やるじゃん初春」

初春「でも…でも…」ウルウル

佐天「わわっ、何があったのよ~?だーいじょうぶ、私がちゃんと聞いてあげるし!ほら、ハンカチ」

初春「ズビィィィ!うう、ありがとうございます佐天さん」

佐天(…洗って返してね?)

初春「ありがとうも言えなくて…お礼をしたいって言ったら…押し付けがましいって」

佐天「ありゃ…」

初春「迷惑がられていつの間にか居なくなってて…やっちゃった私、ふええええん!!」

佐天「あわわ、お、落ち着きなよ初春!」

佐天「そんなに泣かなくたっていいんじゃない?二度と逢えないわけじゃないしさ…」

初春「でもでも今朝みたいな偶然がそうあるとは思えないです!」

佐天「そうかなあ?だって、偶然助けてもらって、偶然また会えたんでしょ」

佐天「それって縁があるんじゃないかなあ。…学園都市で縁なんてのもおかしな感じだけど…」

佐天「二度あることは三度あるとも言うし…また会えると思うなあ」

初春「佐天さん…」

佐天「次会えたら、今回のことも挽回出来るくらいに頑張れば大丈夫だよ!」

初春「挽回出来るくらい…」

佐天「そう。失敗したって、取り返せるよ。初春がこれだけ必死になってるんだもん。うまくいかないわけないって!」

初春「失敗を取り返すくらい、次こそ…」

佐天「そうそう!あたしも協力するしさ!」

初春「…はいっ!ありがとうございます!私、頑張ってみます」ニコッ

佐天「その調子その調子!応援してるよ、こ・く・は・く」

初春「ふえっ!??さ、ささささ佐天さん何を…」カーッ

佐天「んん?好きなんでしょ~その白馬の王子様♪普段からポヤ~ンとした初春がさらにポヤポヤ~ンとなってたもんわかるよ」

初春「へぇぇ!?そんなんじゃないですよぅ!」カァァ

佐天「あっはっは!照れない照れない!でも初春ももうお年頃なんだね~」

初春「だからそんなんじゃないですってばぁ!佐天さんっ!もう~っ!」ポカポカ

佐天「やーん初春真っ赤で可愛いー♪」ギュウウ

初春「さーてーんーさーん~!!」ジタバタ

おやすみ

明日も仕事なのに寝られない



土御門「一方通行」

一方「…なンか用ですかァ。先輩」

土御門「子供に随分好かれてるみたいだな」

一方「は?」

土御門「花飾りの中学生のことだ。お前は子供に妙に優しいからな」

一方「あァ…朝から何か喚いてたガキか…」

土御門「大丈夫だとは思うが、期待させるようなことはするなよ…俺たちは…」

一方「わかってンよ。つゥかガキには興味ねェ」

土御門「……………( ゚Д゚)

    ……………( ゚Д゚ )」

一方「なンだその目はァァァ!!!」

土御門「…ドンマイ」ポン

一方「なンだなンだよなンですかその台詞ってかそもそも何に対して慰めてンだよコラ待て逃げてンじゃねェェェ!!!」

海原「相変わらず元気ですね」

結標「高校生なんて五月蝿いだけだわ…」

海原「…自分はそういう意味で言ったわけではありませんが」

結標「…なによ道端で全裸晒したいわけ?」

海原「めっそうもない」



一方(子供に優しい、ね)

一方(優しかねェだろ。今朝だって思いきり切り捨ててやった)

一方「…泣いてたな」

お礼がしたいと言った少女。
感謝を押し売りするなとは言ったが、あの少女にそんなつもりは無かっただろう。
おそらく純粋に、自分に伝えたかっただけだ。ありがとうと。

一方(わかっちゃいるがな…だが…)

一方通行は0930事件の時、別にあの少女個人を認識していたわけではなかった。
打ち止めが誘拐されるかもしれない、その実行者が未元物質であると、それだけが理由であの場に駆け付けた。
助けたのは少女ではなく打ち止めで、倒したのは少女の敵ではなく打ち止めに害を為す悪党で。
未元物質に踏み抜かれようとしているのが誰であろうと関係は無かったのだ。
だから、あの感謝や好意を受け取る理由が無かった。



一方「それに…暗部の怪物なンかに関わるもンじゃねェしな」

結標「何か言った?」

一方「いーえ、なンも」ガタ

結標「どっか行くの?」

一方「コーヒー」

結標「あっそ」

ガチャッ…パタン…

結標「……なによやっぱりロリコンじゃない」

海原「邪推しすぎじゃないですか?」

結標「往来で全裸と靴下一枚になるのだったらどっちをお望みかしら」

海原「せめてエプロン下さい」

やべ・・・一方通行のスレは嬉しいしこの組み合わせも良いけど、
原作8巻までしか読んでない俺は避けたほうがいいのか・・

仕事が昼からに変更なった



初春「~♪」

佐天「初春はほんとパフェが好きだねぇ」

御坂「あっ、初春さーん、佐天さーん」

黒子「遅れてしまってすみませんでしたの。お姉さまったらガチャポンの前から動かないんですのよ」ヤレヤレ

御坂「ちょ、ちょっと黒子ぉ!仕方ないじゃないゲコ太下敷きの新しいバージョンだったんだもん。あのタイプは一通り回せば全種類手に入るんだから…」

黒子「はいはい…。はぁ、お姉さまが年相応になってくださるのはいつの日になることやら」

御坂「もーっ!」

初春「ふふふ…御坂さんゲコ太好きですもんねー」

佐天「ちょっとくらい遅れたって気にしませんよ。初春は特にパフェがあるしね?」

初春「仕方ないじゃないですか、秋限定のクレム・ド・マロンスペシャリテは今!この時期しか!食べられないんですよ?」

佐天「その栄養が胸にいけばいいのにね~」

初春「な!し、失礼ですよ佐天さん!!私はまだ発展途上なんですこれからです!」

佐天「あの人も巨乳が好きかもよ?」

初春「さっ・・・・」カァァ~

御坂「えー、何々あの人って?」ワクワク

黒子「あらあら気になりますわねぇ。色恋沙汰ですの?」

初春「いいいやそのぉ」

佐天「白馬の王子様がいるんだよね♪初春♪」

初春「う…あの…ハイ…」テレテレ

御坂「うっひゃぁあ~気になる!教えてよどんな人?」

黒子「お姉さまはしたないですわよ」

御坂「あんただって目が輝いてるわよ」

黒子「仕方ありませんの!常盤台は女子校ですから…こういった殿方との話題は貴重ですのよ!さあ初春、詳細まできっちりと報告なさいませぇ!」

初春「あまり期待しないでくださいね?え…えへへ…実は…」

>>44
13巻以降の話になるので…
初春は打ち止めと知り合いで、一方通行は暗部の仕事になれてきた頃だと思ってもらえたら特に支障のある展開にはしないつもり

今更だけど0930事件ってヴェントが出てきた話で垣根は出てきてないんじゃなかったっけ

帰宅絶対落ちてると思ってた
これから飯

>>61
miss!!!
ほんとだ09/30って木ィィ原くゥゥゥンが☆になった日だったわ
日付だけ脳内変換して読んでくだちい


御坂「…あ、あ、一方通行…!?」

初春「はい!きっと、あのアホ毛ちゃんが探してた"迷子"っていうのは…あの人のことだったんだと思うんです」

初春「私はすぐ気を失ってしまったので戦いの詳細を見てたわけじゃないですが…野次馬が結構居たらしくて」

初春「ばっちり調べましたよ!」

黒子「あらまぁ…学園都市第一位と第二位の喧嘩に巻き込まれたんですのね」

佐天「すごいと思いません?第二位に狙われて、第一位に助けられて…第三位の御坂さんとも友達で!初春ずる~い」

初春「ずるいとかずるくないとかじゃないですよぅ…殺されるところだったんですよ?」ム~

御坂「ま、まま待ってよ…初春さん、一方通行に助けられたってこと?」


初春「え、えっと…」


一方『チッうるせェな…。
   いいか、俺は別にお前を助けた訳じゃねェ。あのメルヘン野郎が気に入らなかったからボコったらたまたまお前が助かっただけだ』


初春「…」

佐天「そうなんですよ御坂さん~!それで初春ってば、一目惚れなんですよ?こっちが照れちゃいますって!」

初春「さ、佐天さんっ。だからぁ、そういうのじゃないんですってばあ~っ」

御坂「…私、私はやめた方がいいと思うわ…」

黒子「お姉さま?」

御坂「私は…一方通行がどんなやつなのか、多少わかってるわよ。とんでもない化け物よ…あいつは」

御坂は肩を震わせて拳をぎゅっと握りしめる。

初春「…!」

佐天「み、御坂さん」

御坂「あいつは血も涙もない化け物だわ。関わっちゃダメよ!今度こそ殺されるかもしれない…っ
   初春さん、…私は絶対止めるべきだと思う!」

初春「御坂さん…どうしちゃったんですか…?一方通行さんとお知り合いなんですか?」

御坂「知り合いじゃ…そういうんじゃないわ…ただ…」

御坂(あいつは私の妹を10031回殺した……)

御坂「私はあいつを絶対許せない…」

黒子(これはもしや、結標淡希が言っていた件と関係があるのやもしれませんわね…?)
黒子「お姉さま、どうか落ち着いて下さいまし。…何があろうと、お側に黒子がおりますわ」ギュウ

黒子「例え話してくださらなくとも、わたくしの想いは揺らぎませんの…」

御坂「黒子…ゴメンね…ありがとう」


佐天「??? なんか、深刻そうですね…?」

初春「…なんだかすみません御坂さん…私、一人ではしゃいじゃって」

初春(御坂さんはああいうけど…
   あのアホ毛ちゃんがあんなに慕ってるひとが血も涙もない化け物だなんて…そんなことあるのかな…)

御坂「ううん、私こそごめんね。せっかく楽しい話だったのに、空気重くしちゃって…」

初春「そんなことないです。あの…でも良かったら、御坂さんが知ってる一方通行さんがどんな人なのか知りたいかも…」

御坂「神様でもなければ誰も触れることのかなわない、学園都市最強。…それだけよ…私が知ってるのは」

御坂(人殺しをなんとも思わない殺人鬼…危険な怪物…
   そんなやつが初春さんを助けた…?どういうことなの…?)


初春「触れられない…最強」


初春『待って下さいッ』ガシッ

一方『ギャッっ、』ズベシ


初春(……?)

佐天「なんか、怖い人っぽいよ初春…私応援はしてるけど、初春が危ない目に遭うのは見逃せないよ?」

初春「へっ?佐天さん…」

佐天「病院に入院なんて…これっきりにしてよね?」ジッ…

初春「…佐天さん…」ジーン…

初春「大丈夫です!佐天さんが心配するようなことにはならないですよっ」ニコッ

佐天「もう、軽いなあ。約束だからね~?」
初春「はいっ!!」ニッコリ



「一方通行の完成度はどうなっている?」

(一方…通行…)

「第二位との戦闘による成長で、少しは使える駒になったかと。ですがまだまだですね」

(クソ…なんだよこれは…)

「そうか。…ならコレにはもう一度暴れて貰わねばならんようだ」

(ここはどこだ…何も…見えねぇ)

「長天上機のゲストと心理掌握は?」

「間も無く到着とのことです」

「ふむ。しかし…無様なものだ。第二位…学園都市のモルモット達の末路は、いかな高位能力者であろうが同じ、か…」

「所詮は箱庭に飼われた、替えのきくネズミでしかありませんよ」

「違いない」

(ネズミ…俺たちが…)

(ふざけるな…よ…)

(くそ…意識が、……)

眠い…

一方「くっそ…今の体じゃ、15本が限界かよォ…重っ」

ガチャガチャと音を立てるコンビニ袋を左手にぶら下げて、フラフラと街を進む一方通行。
袋には20本超の缶コーヒーが入っていた。

一方「…やっぱ筋トレ…いやいやいや、ンなメンドクセェこと…」

ヴヴヴ、、ヴヴヴ、

一方「!」パカ

一方「…なンの用だ」

電話「お仕事ですよ。少々派手なことになるかもしれません」

一方「チッ…」

ブチッと一方通行は通話を切った。
電話の男は「派手なことになる」と言った――その意味は一つだ。
なんでも揉み消せる学園都市上層部が情報統制出来ないほど表の世界に関わる可能性があるということ。
打ち止めの姿を思い浮かべ、苦々しげに舌打ちする。一方通行に拒否権は無かった。

15巻を最近読み終えた俺には丁度いいスレだ。
ところで長点上機じゃなくて長天上機? ただのミス?

一方通行の二人称は「オマエ」ね

>>94
miss!!

>>96
ども

俺だ
風呂場では書きためられないのである


海原「おかえりなさい一方通行さん」

一方「で、内容は?」

海原「とある研究所に、スキルアウトの複数組織が破壊行動を目論んでいる、と」

一方「はァ?スキルアウトォ?またかよ。なンで俺たちにそンなくだらねェ仕事が回ってくンだよ?」

海原「よほど重要な何かがあるということでしょうね。その研究所に」

結標「それに、ただのスキルアウトじゃないらしいわ。少数のグループがいくつも集まって組織されてるみたいね…」

土御門「まあ、ただの殺し合いになるだけだと思うがな」

一方「ま、拒否権はないンだ…"派手なことになる"らしいしな。暴れてやろうじゃねェか」

結標「賛成」

海原「右に同じく」

土御門「で、俺はまたお膳立てか…まったくこの仕事は肩が凝るぜよ」

夜…
件の研究所の周辺には、すでに無数のスキルアウト達が息を潜めて行動の時を待っていた。

「首尾は」
「問題ありません」
「手に入れてしまえばこちらのものですからね」
「気を抜くな。上層部にも知れているだろう…暗部が動き出す前に、目標に到達するぞ」

リーダーらしき男が手にした端末を弄ると、モニタに小さな点が灯った。
赤い点が一つ、青い点がいくつも。

「警備に変化はない…」
「開始まであと5分です」
「最奥に必ずたどり着くぞ。そして手に入れる…あれを掌握すれば俺たちの勝ちだ。逃げることを考える必要は無い」
「はい」
「あと3分」
「いよいよ、だ」

数日前――

布束「無理ですね」

「何故かね」

布束「学習装置による余分な思考能力・感情等の削除を実行することは不可能。エラーですべてかえってきてます。」

心理掌握「そうね。いやん。私がどれだけ熱烈にアピールしても、全然応えてくれないわ。こんな美人を無視するんだもの、機械の言う事なんて聞く訳ないわね」

布束(クローンの製造…絶対能力進化実験…それに飽き足らず、これですか)

心理掌握「ねぇ、どうしても無理なのぉ?テイトくんってばぁ。ね。どっちに話しかければいいわけなのん?ノーミソ?それとも体ぁ?」

布束「バグがあるのかもしれません。調べて解決するのに、2日はかかるでしょう」

「遅い…」

布束「では私を外してくださってかまいませんよ。私より有能な人間がいるのならそちらをお使いになればいいのでは」

「…問題の解決に全力を注ぎたまえ」

布束「ええ、言われなくとも」

布束(問題があるのは機械でも垣根帝督でもない…学園都市統括理事会理事長…でも今はまだ…)

心理掌握「もーぉ。なに言っても返事がない。ただのしかばねのようだ。つまんないわよぉ~」

布束「無駄な事はお辞めになっては?」

心理掌握「んふ。し、の、ぶ、ちゃん♪だめよん。分かってるんだから。ねぇ、何を考えてるのん?」

布束「聞くまでも無いでしょう。あなたの能力をもってすれば」

心理掌握「ふふ…面白い人ね。いいわよん。私を誰だと思ってるの?テイトくんはちっとも靡いてくれないし、あなたと遊ぼうかしらん」

布束「学習装置の調節が終わったらね」

心理掌握「あらん。調節、ね。壊しちゃだめよん?あははっ!」スタスタ

布束「…超能力者、か。これを見て、あの態度…本心ではないでしょうけど。どれだけ人間を捨ててきたのやら、だわ」

心理掌握は原作でももう出てきたのか? ここで書いてるのはほぼオリジナル設定?

>>109
まだ。心理掌握さん変なキャラにしてごめんなさい

結標は研究所から500mほど離れた場所で、携帯を見つめていた。
土御門からワンコールがあれば、すぐに一方通行をテレポートさせる。海原はすでに警備員のひとりと入れ替わっている。
スキルアウトが侵入を開始したと同時に一方通行を研究所のエントランスにテレポートさせ、自分は正面から座標移動で援護して挟み撃ちする作戦である。
討ち漏れは海原がひとりずつ始末する手はずだ。
と、携帯が震えた。

結標「きたっ」

一方「ンじゃ、暴れるとするか」ヒュン

結標「私まで巻き込まないでよね」ヒュン


ガシャン!!とエントランスの正面ガラスが割れた。
警備員達が驚きとともにそちらを注視した瞬間、横から手投げ弾が投げ込まれる。
割れたガラスに意識を集中していた警備員たちは為す術無く吹き飛ばされた。

「ぐあああっ」

心理掌握って常盤台だよな?
布束は長点上機じゃなかったっけ
違ったらごめん

ヒュン!

一方「っと。こっちに倒れてくンじゃねえよ」

そこにテレポートしてきた一方通行は、左腕を吹き飛ばされた男を半身引いて避けた。
どしゃ、と崩れ落ちる足手纏いを無視して、割れて足元に散らばっているガラス片を踏みつけた。
正面から突っ込んできたスキルアウトに、過たずそれは突き刺さる。

「あの白髪野郎!駒場のリーダーを殺した奴じゃねぇか!!?」
「一方通行がなんでこんなとこにいるんだよ!!」

足並みが崩れたスキルアウト達に、裂けるような笑みを向けて、一方通行はさらに地面を蹴ってガラスを撒き散らす。

一方「アヒャハハ!手前ェらで出したゴミくらい手前で片付けろってなァ!!」

ざすっドシュッと音を立てて大小のガラスが舞い飛ぶ。その中央で、一方通行は奥へと抜けていくスキルアウトを横目に見た。

一方「逃がすか!!」ガッ!

足元を蹴り飛ばして加速しながら追いすがったが、スキルアウトは倒れた仲間を一方通行の方に放り投げてきた。

一方「なっ?!」

反射がきいているため痛みも衝撃もなかったが、視界が奪われている間に走り去る足音は奥へと消えていってしまった。


携帯に戻るよ。

>>112
yes
心理掌握は常盤台の女王様
布束は長点上機

支援ども
今日はおやすみ

地下実験施設

布束(――上が騒がしい…)

布束(学習装置は垣根帝督に接続された…
   あとは、心理掌握が彼の意識をねじ曲げて…
   都合のいい記憶や思考をぶちこむだけ)

布束「…仕事だものね」

心理掌握「やん。しのぶちゃん、覚悟はお決まり?」

布束「覚悟?そんなもの必要ないわ…。私は与えられた指示に従っているだけよ。多少、遠回りしつつね」

心理掌握「ふふ。そうね、遠回りねん。ただの時間稼ぎね。でも残念。私も…ていとくんの意識の隙間を見つけちゃったんだもの」

布束「そう。それで起動させるタイミングは、」

心理掌握「もうすぐにでも良くってよん。
     ――さあ、ていとくん。あなたの心…開いてこそげて掻きまぜて、たっぷりインクを流してあげる。
     私のインクで染め抜いて…元がわからなくなるくらいのマーブル模様に変えてあげるわ…」

心理掌握は低い音を発する、冷蔵庫大の箱に繋がれた垣根帝督の身体をひと撫でして、意識を集中させた。
すっと細められた目と、きゅうとつり上がった口許をぼんやりと眺めながら、布束は学習装置の起動ボタンを押した。


「はあ、はあ、はあ……!やったぜ、一方通行の野郎を出し抜いてやった…!」

内部に侵入を果たしたスキルアウトの一人は、廊下を走りながら歓喜にうち震えていた。

「居たぞ侵入者だ!!」

「チッうぜぇんだよぉぉ!!死ねぇぇ!!」

ドパラタタタタタタタ!!
肩に担いだ自動連射式の銃の引金をなりふり構わず引きまくる。
誰か一人でも、最奥にたどり着ければいいのだ。ここで捕まるわけにはいかない。

研究員や向かってくる警備員を銃弾でぶち抜きながら走り続けて、少し広くなった場所まできた。
いくつものエレベーターが設置されており、天窓があった。幾つかのソファとローテーブル、ヘゴ仕立ての大きなポトスや小さな雑誌ラックがある。
休憩所も兼ねているようだ。
彼は迷わずエレベーターへと足を踏み出して、


「そこまでだ!」

ソファの傍の観葉植物の影から声がした。

「ああ…?うるせぇ、お前も死ね!」

そうして銃を向けようとして、彼は違和感を覚えた。

「…あ?」

担いでいたはずの銃が、がらり、と崩れた。
カンカンカラーンと床で転がる部品や弾が虚しく音を響かせる。
ゾクッと背筋に嫌な汗を感じて、彼は声がしたほうをもう一度見た。
警備員がいた。――が、その警備員は銃や盾を構える素振りを見せない。
ただ手には、黒いナイフの様なものを持っていた。

「死ぬのはどちらでしょうね?」

急に口調が変わる。

「っひ、」

逃げようと背を向ける暇もあらばこそ…
天窓から射し込む星の光にキラリとナイフが光るのを視界の端に見て、文字通り、弾け散った。


結標「右、左、右、左、」ヒョイヒョイ

「うがぁぁ…ッ!オエエエッ」
「なんだ、何が起きてる!」

結標「"中身を置き去りにしたままで"身体の外枠だけを、ほんの数ミリずつ左右に揺さぶっているだけなのに」

結標「人間てのは脆いわね」

「女ァ、殺す!」ダンダンッ!

結標「おっと」ヒュン!

「なっ…仲間を盾にしただとっ…」
「こいつ…!」

結標「ふん、諦めちゃいなさいよ!」ヒュン!


土御門「…それにしても、何を研究してるのやら」

「それを貴方が知る必要はありませんよ」

土御門「わかっている」

「健闘を祈ります」プツン

土御門「…心にもないことを…」

土御門「よし海原、うち漏らしはほぼ居ない。お前一人で今のところ問題ないぞ」

海原『それは何よりですね。アンチスキルの恰好はどうも暑いので…あまり動きたくないんですよ』

土御門「心中察するぜい。一方通行のほうもそろそろ終わりか…」

海原『では撤収も視野に入れますか』

土御門「ああ、――ッッ!?いや待て違う!!…まずい!内部に…!」

海原『?』

土御門「初めから潜り込んでた奴がいたってのか!」

海原『え、――――』ツー・ツー・・

土御門「海原!!!」


「気づかれないわけはないと思っていたが…」

「あっけなかったな」

海原「く…ぅ…」

「殺しますか?」

「ナイフと携帯だけ奪って転がしておけ。どうせ生きてはいられないさ…アレが起動すれば」

エレベーターで地下に下りた先の小さなモニタールームに男たちは居た。
決行の三日前から、研究員と入れ替わっていたのだ。
体調が悪い、とさえ言っておけば、この施設の閉鎖的な研究員はお互いに干渉しあわないためバレることはなかった。
リーダーの男は机を指先でトントンと叩きながら、これからの作戦を反芻する。

(…俺たちの存在が向こうに知れた…)

(ここからが正念場だ)

「目的の部屋に今は警備員は一人。扉の外に二人。突破出来ない数じゃない」

「アレのために呼ばれてる心理掌握ってやつは精神操作系能力者だ。戦闘能力は低いと見ていいだろうが、油断はするな」

「渡されてるジャマーの動作をそれぞれ確認しておけ」

「はい」

リーダーに促され、耳に付けたイヤカフ型のAIMジャマーの動作を確認する。

海原("アレ"…?彼等は何を手に入れようとしている…
それに心理掌握と言えば、学園都市第六位の超能力者…そんな人材が…なぜここに…?
この施設には一体何が…?)

「行くぞ」

男たちはリーダーに付き従うように、音もなく部屋を出ていった。

海原「くっ、またトラウィスカルパンテクウトリの槍を失ってしまいましたね…作るの大変なのに…
これだから科学信奉者は…あれの価値をわかってません…はぁ…」

海原は残された部屋で、床に転がりながらひとりごちた。
ヤレヤレと肩を竦めてから、ごき、と関節を外して縄脱けにかかる。

海原「もうこの暑苦しい警備員のユニフォームを着てる意味は無いですね。ようやく"海原光貴"に戻れます」

海原「とはいえ、槍も携帯も奪われてしまいましたし。…さてと、仕方ありませんので…」

海原「威力は落ちますが、スペアの槍で頑張りますかね」スチャ

海原は、靴の底から荒削りの黒曜石のナイフを取り出してニヤリと笑った。


黒子「…お姉さま、もう12時になりますわよ?」

御坂「ん…」カタカタ…

黒子「先日から…何をそう熱心に調べておいでですの…?」

御坂「ちょっと…ね」カタカタ…

黒子「学園都市第一位の殿方のことですのね」

御坂「…やっぱ分かっちゃう?」

黒子「わかりますわよ。…ねぇお姉さま。黒子は、お姉さまのためならどんなことでも出来ますのよ?例えば」

御坂「黒子、駄目よ。これは私のケジメなの。…もうとっくにつけた積もりだったんだけどね…
   まだもう少しやらなきゃなんないことがあるっぽいのよね」

御坂「私が原因で引き起こされた悲劇の、結末の先に…何かがまだ起こってたってんなら…
   私はそれを、せめて知っていたいの。あのあと何が起きたのか、知ろうともしなかったけど…それじゃ駄目よね」

黒子(お姉さま…"悲劇"とは一体…いえ、わたくしは知る必要ありませんわね。その時がくれば、きっとお姉さまは話してくださる)

御坂「ふふ…黒子、実は私には9969人の妹がいるのよ。」

黒子「えっ…」

御坂「私には9969人分の責任がある」

御坂「あの時結局私には何もできなかった…今回のこともそうかもしれないわ。けどね」

御坂「私だけあの続きを知らないなんて、知らないままなんて…なんだかズルいでしょ?」

御坂「だからもう少しだけ。足掻いてみるわ」

黒子「お姉さま…。ええ。お姉さまがそうおっしゃるのなら、お姉さまが思うままになさって下さいな」

黒子「きっとそれが最善の道となりますから」

黒子(最善の道にしてみせますの。お姉さま…)

黒子「でも少しは頼りにしてくださいませね?」

御坂「うん。ありがとね、黒子。大好きよ」

黒子「・・・・・・・・・・・・ッッッ」


黒子「お姉さまぁあああああああ!!!!!」ガバアアアッ

御坂「だあああ迂闊!!うっさいくっつくなぁぁぁ!!」

ドターンバターンと常盤台中学学生寮の一室から騒音が響いた。


御坂「あいたたたた…また寮監に叱られちゃったじゃない」

黒子「エヘうふ、お姉さまが大好きと…うふ、うふふふっ、うひひw」

御坂「そんで聞いてないしね?分かってたけどね?」

御坂「ま、いっか。第二位と第一位の戦いとその資料…妹達…一方通行のあれからのこと…もう一息ね」



初春「ふぅ…」

一方初春もまた、一方通行のことや御坂の事情について調べていた。

初春「あのとき御坂さんから訪ねられたコードの中身…こんなものが詰まってたなんて」

第三位のクローンの軍事利用計画、そして破綻、再利用。絶対能力進化実験と御坂美琴。一方通行。

初春「"絶対許せない"か…。でもあのアホ毛ちゃん、御坂さんにそっくりだったな」

初春「この符丁…きっとなにか関係があるんだ。たしか、識別名『打ち止め』だったっけ」

初春「怖いけど…もう少し潜ってみよう」

初春は優秀なハッカーである。
御坂がエレクトロマスターとしての力を行使してブロックを破り情報の海に潜るのとは違う、純然たる情報戦の技術を持っていた。

彼女は深く暗い学園都市の闇を垣間見ようとしていた。


初春「こ…この報告書は…っ!」

初春「ミカサシスターズ上位個体打ち止めに対するウイルスコードの注入…っ、
   一方通行の介入によりウイルスの起動は中断、実行者を管理機関へ護送…
   一方通行の弱体化と利用価値…暗部への誘引と『首輪』の開発、学園都市統括理事会理事長の指示により打ち止めを鍵としてミサカネットワークを掌握し、コード名ANGELを起動し危機を回避…
   第二位未元物質の叛乱による一方通行の覚醒を目的として、ピンセットを使用することとする…」

初春には意味がわからない単語ばかりだった。だが、一方通行が何かに巻き込まれ、利用され、傷ついているのだということは分かった。
そして打ち止め…あの少女は全てに関わっているのだ。

初春「一方通行さん…アホ毛ちゃん……」

――ピピッ

初春「んっ…?アンチスキルへの出動要請…なになに、研究所でスキルアウトが…あれっ、無くなった」

初春「おかしい…取り消されたんじゃなく、要請が無かったことになってる」

初春「…これは…」

カタカタカタカタカタカタ………

ちょうどパソコンに向かっていた初春しか気付かなかった違和感。
初春は今しがた現れて、そして消えようとしている小さな手がかりを追った。
衛星の映像にハッキングを行い、要請のあった研究所を探ると、そこには幾人もの人影が蠢いている。

初春「やっぱりなにか起きてるんだ!どうしよう、アンチスキルに…」

初春(……アンチスキルに?何を言ってるんですか初春飾利…
   たった今、アンチスキルへの要請が何者かによって潰された…
   それはつまり、)

初春「学園都市暗部…一方通行さんがいる場所と関係のある事件なんだ…」

~♪♪

初春「わわっ、電話っ」

初春「はいっ、初春です」

御坂『初春さん!ごめんねこんな時間に――寝てた?』

初春「いえいえ、まだ宵の口ですよ」

御坂『あははほんと?でも起きてて良かった…あのね、頼みがあるのよ』

初春「…もしかして、今のアンチスキルへの」

御坂『! 見てたの』

初春「はい。…御坂さんも…」

御坂『うん…やっぱ一方通行が気になってあれこれちょっとヤバい方面まで調べてたのよね…マズイかな』

初春「ふふ…痕跡は消しましたか?」

御坂『まあ一応ね』

初春「学区を跨ぎますけど、そう遠くない研究所が現場ですよ」

御坂『…初春さん、ありがとう』

初春「とんでもない。…だって私もいきますから」

御坂『……ぅえ、えええ!!???駄目よダメダメ危険よ何を言ってるの?』

初春「止めても無駄ですよぅ。私、失敗を取り返すために必死になるって、もう覚悟は決めちゃってるんですから」

御坂『初春さん…いやでも』

黒子『もうお姉さまったら。そりゃあ初春はレベル1ですけど、れっきとしたジャッジメント…これでも根性は人一倍なんですのよ』

初春「白井さん!」

黒子『初春、わたくしも行きますの。ちゃっちゃと準備しないと置いていきますわよ?』

初春「は…はいっ!!」

初春は電話を切ると、立ち上がった。
決意の灯る瞳が熱く輝いている。

初春「私だって…出来ることは絶対あるはずです!」

垣根帝督は真っ白な世界にいた。
自らが造り出す未元物質のような白さの中でふわふわと浮いているような感覚があるが、手も足もなにもない。
そもそも見渡すという動作さえかなわなかった。

(あれから…どうなったんだ?)

その白い世界に一点のシミが落ちた。

(いやだ…)

(何かが頭の中に入ってきやがる…)

(いやだいやだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)

(ふざけるな…こんな…)

《――さあ、全部開いて見せてねん》

(心理掌握、)

《――貴方はアレイスターの優秀な駒になるのよん》

(なってたまるか…)

《――もう無駄よん。こうして意識が繋がれたということがもはや…終わりの合図なんだからん》


(何が終わるってんだ…)

《――もちろん…垣根帝督という人間が、よん》


あはははは…と笑う気配がして、染みがぶわりと大きく拡がった。

染みの中央から、機械的な声が響き始める。

(あ………)


【記憶領域の洗浄を開始】

    【洗浄区域の算定を完了】
  【感情分野へ干渉し】   【区画を制御可能な状態】
        【人格書き込みを】


(ああああっ………)


(ああああああああアアアアアアアアアアああああああッッッ!!!!!)


     【ピ―――――――――――――】

>>149
ミwwwカwwwサwww

>>158
!!!!!!???????????

miss!
すまん素で気づかんかった
どおりで何故か変換されないと…


結標「あら、土御門じゃない、どうしたのよ」

結標は敵をビュンビュンと転移させながら、背後に現れた気配に話しかけた。

土御門「不味いことになったぜぃ。このままだと制圧されちまうかもしれん」

土御門も、躍りかかる男たちをちぎっては投げちぎっては投げしながら答えた。

結標「どういうこと?一方通行がヘマでもしたわけ」

土御門「いや。ともかく、ここはもういい。本館へ急ぐぞ」

結標「はいはい、分かったわよ…都合のいい移動手段だと思わないでよね、ったく」ヒュン!


土御門「一方通行!」

一方「土御門か。どうした何が起きてやがる?さっきから施設が揺れまくってンぞ」

土御門「海原と連絡が取れなくなった。内部に既に潜入していたやつにやられたらしい」

一方「…あいつはホンットすぐ連絡つかなくなンな…」

土御門「そう言ってやるなよ。複数とやりあうのは不得手だからな、仕方ない」

一方「チッ…まァいい。ンじゃさくっとド派手にこいつら全員ぶっ潰して、とっとと馬鹿共を追いかけるか」

土御門「ああ頑張れ」

一方「……」イラッ

結標「土御門、明日朝からアンチスキルの詰所前にネクタイとサングラスのみ着用状態でトばしてあげるからそのつもりで」ビュン!

土御門「ちょっ、不可抗力だろうが!酷いにゃーーっ!!!」

一方「じゃあ出血大サービスで、『僕は変態という名の紳士です』って書いたボード持たせてやンよ!」ズガガガガ!

土御門「それで股間を隠せと!?鬼!!」

結標一方「「いいから先に行け」」ドガッ

土御門「にゃーーっっ!!!」

>>177
こらw





ヒュン!と風を切る音がして、初春の部屋に唐突に気配が現れる。

黒子「準備は整いまして?初春」ヒソヒソ

初春「御坂さん!白井さん!ばっちりです」ヒソヒソ

御坂「オーケーオーケー、んじゃいっちょ行くわよ」ヒソヒソ

三人が手を繋ぐと同時に、部屋からは何も聞こえなくなった。



ヒュン!


黒子「三人でテレポートしますから、50m程度ずつしか進めませんの。それでも走るよりは早いかと思いますが…」ヒュン!

初春「充分ですよ白井さん。さすが、学園都市にもそう居ないテレポーターです!」

御坂「ほんと頼りになるわ。でも巻き込んで良かったの?」

黒子「お姉さまと対等になることなぞは恐れ多くて望むべくもありませんけど、わたくし、お姉さまのサポートくらいして差し上げたいんですの」ヒュン!

黒子「と、先ほどから何度も申し上げておりますのに…」

初春「ふふ、御坂さんは優しいですから」

黒子「んまっ!そんなこと初春に言われるまでもなくわたくしが一番よく分かっていましてよ!」ヒュン!

御坂「も~、そんなんじゃないわよ。喧嘩しないでよ~」

夜の町を、三人の少女が駆け抜けていく。

初春「ッ!白井さんストップ!」

黒子「っとと…なんですの初春…のってきてたのに」

初春「あの子、」

暗闇に一人の少女が立っていた。
羽織っている大人サイズの白いシャツと青いワンピースが夜風にはためく。
目を閉じて僅かに上を向いた状態で立ち尽くす少女は、まるで何かに耳を澄ましているように見える。

初春「アホ毛ちゃん!」

すると少女はがばっと振り向いた。

打ち止め「ミサカの識別名は打ち止めだもんってミサカはミサ――…
     あっ、初春のお姉ちゃんと…お姉さまだー!ってミサカはミサカは思わぬ再会に喜びを体全体で表現してみたりー!」

御坂「あ…?アンタ、えーと覚えがないんだけど、妹なの?」

打ち止め「ミサカは被検体番号20001号、打ち止めだよってミサカはミサカはお姉さまに自己紹介!」

御坂「20001号…あんたが…」

御坂「ねぇ黒子、私の妹…9970人だったみたい」

くるりと黒子を振り返った御坂は、

黒子「ちちちいさいお姉さまハァハァwwうはwwテラモエスww」

とうち震えてヨダレで大変なことになっている黒子に、無言で電撃を放った。


初春「アホ毛ちゃんはどうしてこんなところに居たんですか?もう真夜中過ぎですよ」

打ち止め「ミサカが探してる迷子がピンチかもしれないの、てミサカはミサカは初春のお姉ちゃんに打ち明けてみたり」

初春「えっ…一方通行さんが?」

御坂「ちち、ちょっと待って!その前に、これだけ確認させてよ。あんたはシスターズの上位個体なのよね?」

打ち止め「そうだよってミサカはミサカはお姉さまの質問に完結に答えてみる」

御坂「それで…一方通行とはどういう関係なの?酷いことされてないの?」

打ち止め「どうしてあの人がミサカに酷いことするの?ってミサカはミサカは質問の意味が分からなくて首を傾げてみたり。
     あの人は…意地っ張りでうぬぼれやさんで口も悪くて目付きも悪くて時々おバカさんなモヤシっ子だけど、
     ほんとはただのさみしがり屋の熱血漢だよってミサカはミサカは伝えてみる」

御坂「前半はまだ分かるけど…バカでモヤシでさみしがりの熱血漢?…まさか一方通行って20000人くらいいたりする?」

打ち止め「あの人はたった一人しか居ないよ?
     ミサカはあの人の保護者だからなんでもわかるよーってミサカはミサカは胸を張って答えてみる!」

初春「ほ、保護者……」

打ち止め「あの人はいつもミサカを守ってくれるの。
     でも、ミサカは守って欲しいわけじゃないんだけどな、ってミサカはミサカは遠い目をしながら
     いつもボロボロになってまでミサカを救ってくれるあの人を思い浮かべてみたり」

打ち止め「あの人が傍に居てくれるだけでミサカの世界には光が満ちるのに、あの人はミサカの傍には居てくれない」

打ち止め「あの人がミサカとミサカの世界を守りたいって思ってるのは知ってるけど…どうして気付いてくれないのかな?」

打ち止め「ミサカの世界に一番必要なのは、あの人だって」

打ち止め「…って、ミサカはミサカは誰にともなく呟いてみたり…」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom