エレン「うおおおおおおおおおお!」(72)

エレン「おいアルミン! これはいい機会だと思わねぇか!?」

アルミン「え?」

エレン「この初陣で活躍しとけば、調査兵団長クラスまでの昇格は間違い無しだ!!」

アルミン「エ、エレン……何だかやけにテンションが高いね……」

エレン「ああ!! もう待ちきれねぇ!!」

エレン「俺はもう行くぞ!!」パシュッ

アルミン「エレン!?」

トーマス「おいアルミン! エレンの奴先に行っちゃったぞ!?」

憲兵「おい貴様! まだ合図はだしてないぞ!」

エレン「知るかそんなもん! 俺がこの手で巨人共を駆逐してやる!!」

憲兵じゃなくて駐屯兵か

アルミン「何でエレンが独断専行に走ったのかは分からないけど、僕達も行こう!」パシュッ

ミーナ「う、うん!」パシュッ

トーマス「ああ!」パシュッ

エレン「うおおおおおおおおおお!」

エレン「ッ!? 巨人が目視できる!? 何やってんだ先輩方は!」

エレン「普段威張り散らしてる癖に、家畜共が……!!」

アルミン「エレン! 待ってくれよ!」

ミリウス「よせ! 単騎行動は!」

エレン「早く来い! 誰が一番巨人を狩れるか勝負だ!!」

ミーナ「分かったから一回止まってよ!」

トーマス「ッ―――!」

トーマス「エレン止まれ! 奇行種だ!」

奇行種「ァァ……ァ……」

エレン「ッ! 一瞬だけガスを強めに蒸し、慣性を利用してこの場を納める!」フシュー

――ザシュッ


奇行種「ゥ……」

エレン「やった! 討伐数1!」

トーマス「す、すごい……!?」

アルミン「奇行種を倒した……だと!?」

エレン「あいつはただ感情を発散してるだけの今までの俺だ……」

ミリウス「……!!」

エレン「……俺はもう、違う。俺は――」

ミーナ「エレン……」

エレン「―――兵士だ!」

ナック「お、おい! 下にも一体いるぞ!」

エレン「何ッ!? 34班戦闘準備! 目標目の前、ただの巨人!」

エレン「これはチャンスだ、絶対逃がすな!!」

一同「おお!!」

エレン「うおおおおおおおおおお!」フシュー

エレン「ミリウスとナック! お前らは食われない様に牽制しながら態とこいつに接近して鷲掴みにされてくれ!」

ミリウス「は、はぁ!?」

ナック「無茶言わないでくれよ!」

エレン「戦えば勝つ! 戦わなければ死ぬ!」

ミリウス「ッ!!」

ナック「……!」

アルミン「エレン! 幾ら何でも無茶だ!」

エレン「戦え! 戦うんだよ!!」

ミリウス「ちくしょう……!」

ナック「やってやるよ……!!」

アルミン「二人共!?」

巨人「……」

ミリウス「うおおおおおおお!」

ナック「うおおおおおおおお!」

巨人「ガァ……」ガシッ

アルミン「なんて無茶な事を……!」

エレン「今だ! かかれ!」フシュー

トーマス「うおらぁ!!」フシュー


――ザシュッ

エレン「いいぞトーマス!!」

トーマス「は、ははっ……やった、やったぞ……!!」

ミリウス「やっしゃああああ!」

ナック「俺達、もう二体も倒しちまったぞ!?」

ミーナ「すごい……! 私達、息ぴったりだよ!」

エレン「よし! このままいくぞ!!」

一同「おおおおおおお!」

アルミン「な、なんてこった……」

アルミン「エレンはこんなに強かったのか……?」



エレン「―――死ね!」


――ザシュッ

巨人「ァ……」バタン

ミーナ「やった!」

アルミン「これで僕達の班は通算して討伐数13だ!」

アルミン「エレン。討伐数5、討伐補佐2」

アルミン「トーマス。討伐数3、討伐補佐3」

アルミン「ミーナ。討伐数2、討伐補佐5」

アルミン「ミリウス。討伐数1、討伐補佐7」

アルミン「ナック。討伐数1、討伐数8」

アルミン「そして僕は討伐数1、討伐補佐1か……あまり役に立ててなくてごめん……」

エレン「何言ってんだアルミン! お前の奇策のお陰で一人も死なずにここまでこれたんだぞ!!」

討伐補佐の定義が分からないから適当に書いたった

多分足を切って動けなくした、とかじゃないかな

トーマス「そうだぞアルミン!」

ミリウス「そう卑屈になるのはやめろ」

アルミン「みんな……ありがとう!」

アルミン(誰も、僕の事を役立たずだなんて考えてなかった……)

アルミン(僕は、ここにいてもいいんだ……!)


――カン――カン――カン


エレン「撤退の合図だ!」

ミーナ「みんな、壁の上に登るよ!」

トーマス「ああ!」

アルミン「うん――」


――フシュゥ……

アルミン「―――ッ!みんな、待ってくれ!」

>>12
おkサンクス

エレン「どうした?」

アルミン「ガスの残量が残り少なくなってないか!?」

ナック「え? 」フシュゥ…

ナック「ほ、本当だ! もうほとんどないぞ!?」

ミーナ「わ、私も!」

ミリウス「俺もだ! クソッ……言われるまで気付かなかった……!」

エレン「落ち着けお前ら! ガスの補給班が何処かにいるはずだ!」

アルミン「そ、そうか……! 動揺して失念してたよ」

エレン「ガス噴射を極力、最小限に抑えながら移動するぞ!」

一同「おう!」

ミーナ「見て! あそこに人集りができてる!」

アルミン「ッ! 一体、補給班は何やってるんだ……!?」

エレン「取り敢えずあそこに行くぞ!」

ナック「そうだな……!」

――ダン


訓練兵「34班! 無事だったのか!」

エレン「ああ、みんなは今何してるんだ?」

訓練兵「……補給班が任務放棄して本部に籠城して所為で、壁に登れないんだ」

アルミン「え……?」

ミーナ「そ、そんな……嘘でしょ……?」

トーマス「待ってくれ! だったら、みんなで本部に向かえばいいじゃないのか?」

ミリウス「そ、そうだ……! この残り少ないガスでもギリギリ本部までは行けるぞ!」

ジャン「いや、そいつは無理な相談だな」

ナック「何……?」

ジャン「本部にはわんさかと巨人が群がってるぜ……」

アルミン「そ、そんな……!!」

ジャン「それに、もし本部に辿り着いたとしてもだ。ガス補給室には3、4メートル級がいる」

ジャン「そうなれば、勿論そんな中での作業は不可能。俺達はここで死を待ち侘びるしかない訳だ……」

ミーナ「……」


――ダン

ミカサ「エレン! アルミン!」

アルミン「ミカサ……」

エレン「……」

ミカサ「二人共、無事でよかった……」

サシャ「みんなが力を合わせればきっと成功しますよ! 私が先陣を引き受けますから!」

訓練兵「……どう考えても無理だよ」

サシャ「……え?」

訓練兵A「俺らはこの街から出れずに全滅だ……死を覚悟してなかった訳じゃない……でも……」

訓練兵B「俺達は……一体、何の為に死ぬんだろうな……」

訓練兵「……」

サシャ「み、みなさん……」

コニー「はぁ……もう一度、母ちゃんに会いたかったな……」

マルコ「……」

ミカサ「二人共、怪我は無い?」

アルミン「うん……僕はないけど……」

エレン「……」

ミカサ「エレンは?」

エレン「……」

ミカサ「エレン?」

エレン「………腰抜け共が」

ミカサ「え?」

アルミン「エレン……?」

エレン「……お前ら、いつまでもそうやって死を待ち侘びるつもりか!?」

ジャン「……」

訓練兵「……な、なんだよいきなり……!」

訓練兵A「……」

訓練兵B「……他に、どうしようも無いんだから仕方ないだろ!!」

訓練兵「そーだ……! 本部に行きたきゃ勝手に行けよ死に急ぎ野郎……!」

訓練兵C「俺はごめんだぞ……本部になんて誰が行くもんかよ……」

ミカサ「あなた達……!」


エレン「――てめえら! 祈ったところで何も変わらねぇぞ!!」

ジャン「……!」

エレン「今を変えるのは戦う覚悟だろ!! 違うか!?」

訓練兵「……」

エレン「巨人に殺されていった人達の為にも、ここで戦って生き延びるんだ!!」

マルコ「ッ……」

コニー「生き……延びる……」

エレン「戦わなければ死ぬ! 勝てば生きる!」

サシャ「……」

エレン「戦わなければ、勝てない!!」

訓練兵「ッ……!!」

エレン「お前らは獲物か!?」

エレン「3年間、巨人の餌になる為に励んできたのか!?」

訓練兵「………」

アルミン「……」

ミカサ「……」

ジャン「………いや、違う」

マルコ「……そうだ、僕達は獲物じゃない……!」

エレン「じゃあ、お前らは何だ!?」

コニー「………そんなの、決まってんだろ」

訓練兵「…………俺、達は……」

訓練兵A「……俺達は……!!」



訓練兵「狩人だ―――!!!」


一同「うおおおおおおおおお!!」

エレン「第104期訓練兵団、決戦準備!! 目標、本部!」

エレン「これは短期決戦だ!! ガスがなくなる前に本部に突っ込め!!」パシュッ

トーマス「行け! エレンに続け!!」パシュッ

ミーナ「やってやる!!」パシュッ

ミリウス「絶対に生き延びるんだ!」パシュッ

ナック「うおおおお!」パシュッ

アルミン「エレン、君がみんなを動かしたんだ……!!」パシュッ



訓練兵「前方から奇行種一体!」

ジャン「クソ、こんな時に……!」

ミカサ「ここは私が殺る」

エレン「34班、一斉にかかれ! 俺が動きを止める!!」

ミカサ「ッ! エレン!?」

トーマス「了解!」

ジャン「やめろ危険だ! 失敗すれば死ぬぞ!?」

ミカサ「いくら何でも無謀! ここは私が殺る!」

エレン「お前一人で殺せるもんかよ! 大丈夫だ、俺達に任せろ!!」


――ギュイイイ

エレン「回り込む様に、立体機動を駆使してこいつの腱を切る!」


――ザクッ

エレン「よし切ったぞ! かかれ!!」

トーマス「今、ここで殺す!」

ミーナ「惨めに死ね……!」

ナック「クソ巨人に報いを!」

ミリウス「うおおお! 人類の力を――」

アルミン「――思い知れ!!」


――ザシュッ

奇行種「ァ……ゥ……」ドサッ

エレン「やったか! いてて……」

トーマス「大丈夫かエレン!」

エレン「ああ、なんともねぇ大丈夫だ」

ミーナ「もう私達、向かう所敵なしだね!」

ミカサ「すごい……」

ジャン「あいつら、いつの間にあんな技術を……」

アルミン「エレン!」

エレン「なんだ?」

アルミン「ありがとう、君のお陰で逃げきれた!」

エレン「……別に、礼なんていらないさ」

アルミン「いや、言わない訳にはいかないよ」

アルミン「エレンがいなかったら、今頃僕は死んでた……」

エレン「……」

アルミン「だから、本当に感謝してるんだ!」

エレン「……感謝するのは、こっちの方だよ」

アルミン「え?」

エレン「さっきも言ったろ? アルミンのお陰で俺達はここまで来れたんだ」

アルミン「そんな、僕は別に……」

エレン「お前ってさ、やばい時ほどどの行動が正解か当てる事が出来るだろ!」

エレン「それでいて、弱い人の気持ちを理解する堅固な聡明さがある」

アルミン「ッ!」

エレン「そんなお前がいたからこそ、俺達は今も生きてるんだ」

エレン「ありがとなアルミン!」

アルミン「……うん!」

エレン「それにな」

アルミン「……え?」

エレン「俺は、お前がいたから――」

ジャン「おい! 本部が見えてきたぞ!!」

コニー「本当か!?」

サシャ「やった!後もう少しですよ!」

エレン「……行け! 全員で突っ込め!!」

ミカサ「……!」

ジャン「ッ! 巨人が増えてきやがった……!」

巨人「ガァァ!」ガシッ

訓練兵「うわあああああ離せええ!!!」

コニー「お、おい……!?」

マルコ「クッ……!」

トーマス「あと10メートルだぞ!!」

アルミン「みんな、踏ん張れ!!」

ジャン「うおおおおおおおお!」


――ガシャッ


――ズザザザ


ジャン「うッ!!」ドォッ

ミカサ「くっ……!」ドォッ

アルミン「うわ!」ドォッ

ジャン「ハァッ……ハァッ……」


――ガシャッ

トーマス「や、やった……本部に……着いたぞ!!」

ミリウス「ははっ……エレンの、お陰だな……!」

コニー「本当、すげぇよあいつは……!」

サシャ「右に同じく……」

ナック「ああ全くだ………もし、あいつがいなかったら俺達は―――」

ミーナ「ねえ! エレンが見当たらないんだけど……!」

トーマス「は……?」

ミカサ「いない……! エレンがどこにもいない!」クルクル

アルミン「おいエレン、居るんだろ……? 返事してくれよ!!」

ジャン「落ち着けお前ら!」

トーマス「落ち着いてられるか! 確かに、さっきまで一緒にいたんだぞ!?」

ジャン「ッ……」

ミカサ「……外に行って探してくる」

ライナー「やめろミカサ! それじゃあ本末転倒だぞ!」

ミカサ「……そこで指を咥えて見てればいい」

ライナー「お、おい―――」



――ドオォォォ

巨人「ウアァア」ドオォ

ミカサ「――ッ!?」

ライナー「なっ!?」

ジャン「しまった……」

巨人「アア……」

訓練兵「く、クソッ!! エレンはどこ行ったんだ!!」

訓練兵A「早く中に入れ!!」

訓練兵B「よせ! 一斉には入れない!」

巨人「ウェゥ」

ミカサ「邪魔するなら、削ぐ……!」

アルミン「ッ! 無理だミカサ!!」

ジャン「これが……普通だ。現実ってもんだ……」

マルコ「どうしたんだジャン! 早く行くぞ!」

ジャン「いや、もう無理だよ……普通に考えれば簡単に分かる」

ジャン「こんなでけぇ奴には……勝てねぇってことぐらい……」

巨人「ォァア」グググ








エレン「――オラァッ!!」


――ザシュッ

ミカサ「ッ!? エレン……!?」

ジャン「お、お前……生きてるじゃねぇか!?」

トーマス「エレン!! 早くこっちに来い!」

エレン「お前らは早く行け!! ここは俺が食い止める!!」

アルミン「ッ! 何言ってるんだよ!?」

ミカサ「あなた一人では危険!!」

エレン「……頼む、お前らがみんなを先導するんだ」

ミカサ「……!!」

アルミン「……!」


――ズシン

巨人「……」

エレン「来やがった……! 早く行け!!」

ミカサ「……そんな……あなたを置いてく事なんてできない……!」

トーマス「クソッ! だったら俺も一緒に戦う!!」

ミーナ「……私も! 仲間を見捨てる事なんてできないよ!」

エレン「いい加減にしろ! 俺一人で十分だ!」

アルミン「ぼ、僕は………」


―――お前ってさ、やばい時ほどどの行動が正解か当てる事が出来るだろ

アルミン「ッ……!!」


―――そんなお前がいたからこそ、俺達は今も生きてるんだ

アルミン「そうだ、僕は………!」

アルミン「――みんな、ここはエレンに任せて早く行くぞ!!」

ミカサ「アルミン、エレンを見捨てる気!?」

ジャン「……! エレンはいいのかよ!?」

アルミン「エレンが身を呈して僕らを守ろうとしてるのに、それを無駄にするのか!?」

ミカサ「ッ……!」

トーマス「……ちくしょう! 絶対に後で助けるからな!」タッタッタ

ミーナ「……トーマス……! ……クッ! 待っててよエレン!」タッタッタ

ジャン「お前ら……」

アルミン「ジャンとミカサはどうするんだ! エレンの気持ちを踏み躙るのか!?」

ジャン「俺は……」

ミカサ「……エレンを助けたい」

ジャン「……」

ミカサ「だから、私は進む……!!」タッタッタ

ジャン「チッ……これ以上、仲間を死なせてたまるかよ!!」タッタッタ

アルミン「二人共……!」

ジャン「どうしたアルミン、早く来い!」

アルミン「ああ!」タッタッタ



アルミン「――こういう作戦でいこうと思う。異論は?」

ミカサ「問題ない、それが最善策」

ミーナ「もうこれ以上の案は出ないよ」

トーマス「後は、全力を尽くすだけだ!」

アルミン「ありがとうみんな……」

訓練兵「おい、リフトの用意が出来たぞ! 鉄砲もすべて装填し終わった!」

ミリウス「よし、急ぐぞ!」

ナック「ああ! 休んでる暇はない……!」

――補給室

訓練兵「大丈夫だ……数は増えてない」

マルコ「作戦を続行するぞ……!」

ジャン「不利な戦闘は避けろ……一人も死なせずに作戦を成功させるんだ……」

巨人「……」クルッ

訓練兵A「ッ!」

ベルトルト「落ち着け……まだ十分に引き付けろ!」

サシャ「はい……!」

巨人「……」ズシン

コニー「エレンに負けてられっかよ……!」

マルコ「……待て……待て……」

巨人「ガアァ」

マルコ「撃て!!」


――ズダダダダ

ミリウス「かかれ!」タッタッタ

トーマス「この一撃に……」タッタッタ

ミーナ「全てを……!」タッタッタ

ナック「……懸ける!!」タッタッタ

巨人「ァア……」


――ザシュッ

巨人「……ァ」ドサッ

ミカサ「捉えた……! みんなは!?」


――ドサッ――ドサッ――ドサッ


ライナー「作戦成功だ! 一匹残らず仕留めたぞ!」

訓練兵「やったあああ!!」

ジャン「総員、直ちにガスを補給しろ! エレンを助けるぞ!!」

一同「おおおお!!」

ミカサ「早く、エレンを助けに行かなければ……!」パシュッ

アルミン「僕も補給が終わり次第行くよ!」


――ヒュュュ

ミカサ「エレン!!」

エレン「……ミカサ……?」

ミカサ「ガスの補給は無事終わった! 今、助けにいくから待ってて!」

エレン「ッ!? 来るなミカサ!!」

ミカサ「――えっ?」

巨人「グゥガアア」


――ガブッ


ミカサ「うっ……!?」

巨人「……」

ミカサ「あ、あれ……私……生きて……る……?」

ミカサ「どうして………」

エレン「……無事か、ミカサ」

ミカサ「エレン……ッ!?」

エレン「……」

ミカサ「う、嘘だ……そんな………」

エレン「……なんつー顔してんだよ、お前」

ミカサ「だ、だって……エレン……!」


ミカサ「腕が……!!」

エレン「……」

アルミン「二人共―――ッ! エレン!?」パシュッ

エレン「アルミンか……」

アルミン「大丈夫かエレン!? くそっ今すぐ壁上に避難しないと……!!」

ミカサ「わ、私の所為で……腕が……」

アルミン「……え?」

エレン「お前の所為じゃねぇよミカサ。俺が勝手にしたことだ」

ミカサ「ご……めんなさ、い……」

アルミン「……何があったのかは知らないけど、今は一刻も早くエレンを安全な場所に運ばないと!!」

ミカサ「……」

アルミン「ミカサ!!」

エレン「いや、いいんだアルミン。俺はここに残る」

アルミン「ッ!? 何を―――」

巨人達「アア」ズシン

エレン「見ろ、巨人が集ってきた……壁の方からも巨人が来てる」

エレン「危険を顧みず命張ってガスを補給したってのに、このままじゃまた犠牲がでるぞ」

アルミン「そ、それは……」

エレン「だから、俺が地上に降りて巨人を引きつける」

ミカサ「……ッ!! 駄目、エレンがそんなことする必要ない!!」

アルミン「そうだ、エレンはもう十分頑張ったんだ! 誰も文句なんて言わないよ!!」

エレン「……」

ミカサ「もう、自分を犠牲にするのはやめて……!!」

エレン「………思い出したんだよ」

ミカサ「……え?」

エレン「……俺が今、何をするべきなのか」

アルミン「な、何を………」

エレン「……そして、何を果たすべきなのか」

アルミン「……」

ミカサ「言ってる、意味がわからない………」

エレン「俺は、それを果たすまでは絶対に死ねない」

エレン「それにだ」

ミカサ「……」

エレン「俺達は、いつの日か外の世界を探検するんだろ?」

ミカサ「ッ……」

アルミン「エレン………」

巨人「アアア」ズシン

エレン「だから、その為にもよ……!」

巨人「……アァ」ズシン

エレン「まずは……!」

ミカサ「……エレン?」

エレン「巨人を、一匹残らず駆逐しないとな!!」

――ダッ


ミカサ「エレン!? 待って!!」

アルミン「やめるんだ!!」

――バッ

ミカサ「エレンッ!!」

エレン「……」ヒュウウ

―――エレン、この鍵を肌身離さず持っていろ……

エレン(……俺達は、生まれた時から自由だ)

―――そして、この鍵を見る度思い出すんだ

エレン(それを拒む者がどれだけ強くても、関係ない)

―――お前が地下室に行かねばならないことを

エレン(炎の水、氷の大地、砂の雪原。何でもいい)

―――いつか地下室に行けば真実がわかる……その為にお前はウォール・マリアを奪還しなければならない

エレン(それを見た者は、この世界で一番の自由を手に入れた者だ)

―――その時、この力が役に立つ筈だ……

エレン「戦え……」

―――使い方は、彼等の記憶が教えてくれるだろう

―――辛く厳しい道のりだが、お前なら必ず辿り着ける

エレン「その為なら命なんか惜しくない」

―――ミカサやアルミン、みんなを救いたいなら……

エレン「どれだけ世界が恐ろしくても、関係無い」

―――お前はこの力を、支配しなくてはならない!

エレン「どれだけ世界が残酷でも、関係ない!」


エレン「戦え――!!」ガブリ


――ビリイィィィ



黒髪の巨人「……グウォオオオオオオオオ!!!」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom