エレン「四角関係」(431)
~夕刻、食堂~
エレン「…はあ」
アルミン「溜息なんかついて珍しいね。どうかしたの?」
エレン「…ちょっとな」
ミカサ「悩みがあるなら聞こう。一人で背負いこむのはよくない」
エレン「え、いいよ…人前で言うことでもねえし」
アルミン「エレンは何でも人前で言うタイプだと思っていたけど…まさか、恋の悩みとかじゃないよね?」
ミカサ「!」ガタッ
エレン「…何でわかるんだよアルミン」
ミカサ(こ、これは…なるほど、確かに私が隣に居ては喋りにくい話…!///)
アルミン「エレンに限ってまさかなと思って聞いたんだけど、図星だったのか…」
エレン「いや、正直俺もよくねえことだとは思ってるよ。本来許されないことだしな…」
ミカサ(許されない…確かに、私たちは家族。家族でありながらそういった感情を抱いてしまうのは禁忌…でも、それがいい///)
アルミン「許されないっていうのはどういうことなんだい? ハンナとフランツの例もあるのに」
ミカサ「アルミン…そういう言い方は、野暮…///」
アルミン(なんだこいつ)
アルミン「えっと、巨人を駆逐するって意気込んでるにも拘わらず、ってことかな?」
エレン「…それもある。でも、もっと根本的なことなんだ…」
ミカサ「エレン、わかっている。全てを口にする必要はない…私はあなたの理解者だから」ギュッ
エレン「やめろよ、夏場に暑苦しい」
ミカサ「照れることはないのに…」
アルミン「根本的って…つまり?」
ミカサ「だからアルミン、それは野暮だと言っている///」
アルミン「ミカサには聞いてないよ。主体はエレンなんだからエレンの口から話を聞きたい」
エレン「…絶対に、引いたりしないか?」
アルミン「酷いなぁ。今まで僕が、エレンに引いたことなんてないじゃないか」
ミカサ「エレン、その、少し心の準備をさせてほしい…」
エレン「は? なんでミカサが心の準備する必要があるんだよ。俺だけだろ、負担があるのは」
アルミン「まあまあ、早く本題に入ろうよ。いつまで経っても話が進まない」
エレン「わかった…俺さ…入団式の後ぐらいから…」
ミカサ「…」ゴクリ
エレン「ライナーのことが…好きなんだ」
ミカサ「」
アルミン「…え? ライナー?」
エレン「やっぱ変だよな…男が男が好きになるなんて、本来許されないことだろ?」
アルミン「そ、それは…えっと、あの…気持ちの範囲では、許されないなんてことないと思うんだけど…」
エレン「あいつってさ、すげえ頼りになるし、何でもできて、おまけに優しいじゃねえか?」
エレン「毎日対人格闘やったりさ、立体機動のコツについて話し合ったりするうちに…こう、胸がキュッと苦しくなるようになって…」
ミカサ「」エクトプラズム
アルミン「そ、そうなんだ…」チラッ
ダズ「それでその時トーマスが…」
ライナー「はっはっは、それは傑作だな」
トーマス「おい、ダズ! やめろよ恥ずかしい!」
エレン「最近は、もし俺が女だったらとか、モヤモヤ考えてんだ…夢だって見てる」
アルミン「そ、そう…まあ確かに、ライナーは非の打ちどころがない人だと思うよ」
エレン「だ、だろ!? ははっ、嬉しいぜ、わかってくれる奴が居て…」
ミカサ「」フラフラ
アルミン「それはそうと…エレン、ライナーとどうしたいの…?」
エレン「どうしたいって…それで困ってんだよ。気持ちを伝えたいけど、でも、それで今の関係が壊れるぐらいなら…このままでいいし」
アルミン(まあ、性的な意味で自分を好いている男と対人格闘はしたくないだろうな…)
ミカサ「ああ…エレン…エレンが…ホモ…」フラフラ
エレン「あれ、ミカサがいねえ。どこ行ったんだ?」
アルミン「さっき席を立ったよ。お風呂の時間なんじゃないかな(枕を涙で濡らすんだろうな)」
エレン「そっか…あいつにもちゃんと話を聞いて欲しかったんだけどな」
アルミン(君はミカサに死ねと言っているのかい…?)
~女子更衣室~
ユミル「お? クリスタ、ちょっと背が伸びたんじゃないか?」
クリスタ「え? そうかな…伸びたんなら嬉しいけど」
ユミル「そのお粗末なバストも育ってくれりゃいいのにな!」ナデナデ
クリスタ「ユミルのバカ!」プンプン
ユミル「あっ、おい冗談だってそんな怒るなよ」アセアセ
ミカサ「エレン…私のエレン…エレンが…ライナーを…ライナーのエレン…」フラフラ
クリスタ「わっ、ミカサどうしたの? 顔、真っ青だけど…」
ミカサ「…気にすることはない…ああ…エレンが…エレンが…」
ユミル「まぁたあの死に急ぎ野郎のことかよ。行こうぜクリスタ」
クリスタ「でも今までこんな顔したことなかったじゃない! きっと深刻な話なんだよ!」
ユミル「でも本人が気にするなって言ってんだぞ? いくら善意でも踏み込まれたくないことはあるだろ」
クリスタ「うっ…そ、そうなの? ミカサ」
ミカサ「…ユミルの言う通り。これは、私が私の中で決着をつけるべきこと…」ヌギヌギ
クリスタ「そ、そう…(ミカサの役に立ちたいのにな…)」
ユミル「おら、行くぞ。さっさと入らないと風邪引く」
クリスタ「うん…」チラッ
ミカサ「…せっかく胸も成長してきたというのに…エレンがホモでは…価値がない…」プルン
クリスタ(おっきい…///)
クリスタ(初めて会った時からかっこいいと思ってたけど…やっぱりミカサはかっこいいなぁ///)チャプ
クリスタ(凛々しい表情…はっきりした目鼻立ち…綺麗な黒髪…一途な心…腹筋…実は胸も大きい)
クリスタ(うぅ…胸が苦しい…ミカサ…)
ユミル「おいおい、そんな切なそうな顔されたら誘ってると思っちまうだろ?」
クリスタ「ご、誤解だよ! もう! ユミルはすぐにそういう話に持っていくんだから!」
ユミル「なんか今日はやけに拒絶するなクリスタ…」シュン
クリスタ「あっ、別にユミルが嫌いってわけじゃ…」アタフタ
ユミル「あざといんだよこいつ~、結婚しろ結婚!」ギュー
クリスタ「女の子同士で結婚はできないよ!(できたらいいのに…)」
ミカサ「はあ…エレン…どうして…エレン…ライナー…よくも…」トボトボ ザバーン
クリスタ(あっ、ミカサ…うぅっ、あのお肌と触れ合いたい…///)ジー
ユミル「おいクリスタ、なにミカサ見てんだよ。妬いちゃうだろ」
クリスタ(でもエレンのこと好きってほぼ公言してるし…私の事は見てくれないよね…)
ミカサ「…隣、いい?」
クリスタ「うっ、うん! どうぞどうぞ!(わっはぁぁぁ///)」ドキドキ
ミカサ「…はぁ」チャプ
クリスタ(ど、どうしよう…心臓が飛び跳ねてる…)
ユミル「…なあ、本当に私を無視してないか? クリスタ。さっきのそんなにキツかったか? キツかったら謝るからいつものクリスタに戻ってくれ」
ミカサ「…クリスタ、胸を押さえてどうしたの? 具合が悪いなら、すぐに上がった方がいい」
クリスタ「だっ、大丈夫だよ! 大丈夫! ちょっと苦しくなっちゃっただけで…(優しい…///)」
ユミル「ちょっと苦しくなったって何だよ!? それ何かの前兆だろ間違いねえ! 早く外に…!」ザバァ
クリスタ「大丈夫だから! それに…」チラ
ミカサ「…?」
クリスタ「も、もうちょっとこうしてたいし…///」
ユミル「いやこうしてたいとかじゃなくてだな! お前の意思よりも医師の見解の方が大事なわけでな!?」
ミカサ「…のぼせているようには見えない。クリスタの言う通り、大丈夫だとは思う」ジーッ
クリスタ(わっ、か、顔をじっと見られてる! やだっ! 恥ずかしいよっ! 歯になんかついてないかな…髪はちゃんと洗ったし…///)
ユミル「お前が言うなら信用できるが…いいな、絶対、調子悪くなったら言うんだぞ!」
ミカサ「そうするべき」
クリスタ「う、うん…///」トローン
クリミカって何でみんな書かないのかね。イケメン(ヒーロー)と美少女(ヒロイン)なんて基本やろ
ミカサ(クリスタはともかく…はあ…エレン…私はどうしたらいいの…)ブクブクブク
クリスタ「あっ、あのさ、ミカサ…」ドキドキ
ミカサ「?」ブクブク
クリスタ「えっと、エレンと、何かあったの?」
ミカサ「…」コクリ ブクブク
ユミル「どうせまた痴話喧嘩だろ。明日にゃ元通りだ」
ミカサ「いや…今回は根が深い…というより…おそらく今まで通りには戻れない」
ミカサ「最悪…私はエレンを諦め…自分で生き方を模索しなおさなければならないかもしれない…」シュン
クリスタ「そんな…いったい何があったの? 何がどうしてそんなことに…」
ユミル「さすがの私も気になるぞ…」
ミカサ(…ここで話せば気が楽になるだろうか。でも、話せばエレンがホモだという話が広がるかもしれない)
ミカサ(エレンの幸せを願うなら…エレンが勝負を決めるまで、黙っているのが伴侶の務め…)
ミカサ(ふふ…もはや伴侶という言葉すら、現実味を帯びなくなってしまった…)
ミカサ「エレンは私のことを家族以上には見れないと断言した…つまり、生涯エレンに寄り添うことはできない」
ユミル「はー、まあそういうもんだろ。というか、お前も家族としか言ってなかったじゃないか」
クリスタ「ユミルの鈍感! ミカサはエレンを異性として大好きだったんだよ! すごく一途だったんだから!」
ミカサ「…///」ブクブクブク
クリスタ(あれ…でも待って)
クリスタ(ミカサがエレンを諦めるってことは…ミカサがフリーになるってことだよね…)
クリスタ(ということは…っ! ダメ! そんな性悪なことを考えちゃ…! そんな風にミカサを振り向かせても嬉しくない!)
ユミル「おい、そこで真っ赤になって沈んでるヤツ。死ぬ気か」
ミカサ「く、クリスタ…あまり大きな声で言わないでほしい…顔から火が出てしまう」
ユミル(口から出しそうではあるが)
クリスタ「あっ、ごめん…それで、ミカサは諦められるの? エレンを」
ミカサ「当然あきらめたくはない…私はエレンに添い遂げたい」
クリスタ「そっか…そうだよね…うん、大丈夫…ミカサなら、いつかきっとエレンを振り向かせられると思う!」
ミカサ「クリスタ…」
ユミル「おい待てコラ何だこの空気は」
ミカサ「ありがとう…あなたのお陰で、元気が出た…」ギュッ
クリスタ「わひゃっ!?(む、胸が当たってる…///)」
ユミル「なっ!? おいミカサ何やってんだおい羨ましいだろオラ!?」
クリスタ(うぅ…幸せ…///)
~翌日、馬術訓練~
ライナー「よっ…ほっ、と」ヒヒーン
サシャ「さすがライナーは何でもできますねぇ」
ライナー「何、基本さえ掴めばこんなもんさ」ニカッ
エレン「すげえなぁ…」
アルミン(いつも見ている風景だと言うのに…どうしてこうも違って見えるんだ…)
ライナー「よし、もう一周行ってくるとしよう。それ、行け!」
馬「承知!」パカラッパカラッ
クリスタ「~~。~~~~」ナデリナデリ
馬「…」
ユミル「~。~~~、~~~~」ケッ
ライナー(ん、あれはクリスタとユミルか)パカラッパカラッ
ライナー(ユミルがアクシデントを起こして、クリスタが馬を宥めているといったところか?)パカラッパカラッ
ライナー(相変わらずクリスタは可愛いな…彼女を見ているとたまに己の目的を忘れそうになる)パカラッパカラッ
ライナー(華奢で小さな体に、太陽のような金色の髪、大きな瞳に白い肌…ふふ、実に癒される)パカラッパカラッ
クリスタ「~。~~!」
馬「♪」
ユミル「~~」
ライナー(おっ、どうやら機嫌を直してくれたようだな。さすがクリスタ、馬をも魅了しやがる)パカラッパカラッ
クリスタ「~~♪」パカラッパカラッ
ライナー(ん…クリスタが、馬に揺られて上下に…おお)パカラッパカラッ
愚息R「お呼びかな?」ムクムクッ
ライナー(いやいやいや、抑えろ…抑えろ…いくらなんでも、乗馬訓練でソッチの体位を連想するのはゲス過ぎる…)パカラッパカラッ
愚息R「ポジションチェーンジ」
ライナー(くっ、何で所定の位置に居ないんだ…! こすれるだろ…!)パカラッパカラッ
ライナー(ああくそ、だめだ、ここで修正するとかっこ悪い…一周は我慢せねば…)パカラッパカラッ
クリスタ「~♪」パカラッパカラッ
愚息R「よきかなよきかな」ボッキーン
ライナー(まずい…早くも装填完了しやがった…なるべくクリスタを見ないようにしねえと…)パカラッパカラッ
エレン(ライナーが上下に…ウッ!)パカラッパカラッ
愚息「認めたくないものだな…大将よ、若さゆえの過ちと言うものを」ボッキンボッキン
クリスタ(…あ、反対方向にミカサが)パカラッパカラッ
ミカサ「…」パカラッパカラッ
クリスタ(ゆ、揺れてる…///)パカラッパカラッ
ミカサ(エレンのお尻…かわいい…///)パカラッパカラッ
クリスタ(ミカサの胸が揺れてる…///)パカラッパカラッ
ライナー(くっ、見るなと言うに…クリスタが上下にっ!)パカラッパカラッ
エレン(ライナーが、ライナーが…!)パカラッパカラッ
ミカサ(エレンのお尻かわいいエレンのお尻かわいい)パカラッパカラッ
アルミン「なんかどんよりしてるなあここのトラック」
格闘訓練も書きますぞ(ゲス顔)
買い物行ってくるから続きは夜にします
百合豚なの?
腐れなの?
どっちにしろアタマになんかほしかったな
>>48 まあ釣りも入ってるんでな
ライナー「ふぅ…何とか耐えきったぞ…よくやった…」イジイジ
愚息R「所定の位置に戻る」
ライナー「さて、次は対人格闘だったか…」
エレン「ラ、ライナー! 俺と組まないか!」
ライナー「ん? おう、そろそろ加減を知ってもらわんとな」
エレン「悪い。いつまで経っても上手くいかねえんだ」
ライナー「なに、やってて少しずつでも育っているのがわかる。悲観的になることはない」ポン
エレン「あっ、ああ! そうだよな! よし!」フンス
ライナー「その意気だ」
ミカサ(ああ…エレンがライナーと…)
クリスタ「みっ、ミカサ! 私と組もうよ!」
ミカサ「うん…そういえば、クリスタはいつも私と対人格闘を組んでいる」
ミカサ「普段はユミルと一緒に居るのに…何故?」
クリスタ「だってほら、最初に組んだのがミカサだったし…こういうのって、自由でも無意識に固定されるところあるじゃない?」
クリスタ「座学の席と同じだよ」
ミカサ「なるほど…」
クリスタ(この訓練がいつも楽しみなんだよね…///)
ユミル「ちぇっ、なーにが無意識に固定だよ。毎回私を断ってミカサのとこにいきやがって…」
コニー「なー、ユミル。俺と組まないか?」
ユミル「は? アンタみたいなチビじゃやりにくくて敵わねーよ」
コニー「ミカサとクリスタが大丈夫なんだから無理ってことないだろ!」
サシャ「コニー! いつも私と組んでるじゃないですか! 私を捨てるんですか!」
ベルトルト「ね、ねえアニ…その、僕と組まない…?」
アニ「身長差あり過ぎで無理。アルミン、組もう」クイクイ
アルミン「え? あ、うん」キョトン
ベルトルト「…」ゴゴゴゴゴゴ
ライナー「よし、じゃあ俺がならず者になるとしよう」
エレン「わかった(ラ、ライナーが向かってくるんだよな…)」
ライナー「おいおい、慣れた手順だろ。そんな気張るこたぁないリラックスしろ」
エレン「大丈夫だよ! 十分リラックスしてるっての!(やべえ緊張する)」
ライナー「そうか? よし、行くぞエレン!」ダダダッ
エレン(くっ、来るっ!)
ライナー「ふッ!」グワッ
エレン「うおおおああああああああっ!」ガシッ ブゥン
ライナー「ぐほぁ!」ドズゥーン
エレン「悪い! 大丈夫か!?」アセアセ
ライナー「ああ…もう慣れたもんさ…しかし、今日はいつになく加減がなかったな…ててて」パンパン
エレン(今までのも全部、緊張して力んじまってたからなんてとても言えねえ…)
ライナー「何かあったのか? 傍目から見ても、落ち着きがないように見えるが」
エレン「いっ、いや! 何でもねえよ…次は、俺がならず者だな…」ヒョイ
ライナー「ああ」
エレン(ライナーの腕…片手じゃ掴み切れねえくらい太いんだな…逞しい…)
ライナー「よし、いいぞエレン。いつでも来い」
エレン「よし、うおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダッ
ライナー「…!」
エレン(くそ…訓練の最中だってのに…どうしても変な方向に頭が回っちまう…)
エレン(ライナーを襲うっていう構図のせいか…? 駄目だ、雑念は振り払わなくちゃ…)
ライナー「…」フゥ ウケナガシ ガシッ
エレン「っ!?」
エレン「お、おい…手順が違うじゃねえか…というより、何でお前、ナイフだけ弾いて俺を受け止めてんだよ…」
ライナー「やはり調子が悪いようだ。医務室に行くぞ」
エレン「はっ!? そんな必要ねえよ!(やっぱライナーの胸板厚いな…)」
ライナー「走りながら頭を左右に振る奴がどこにいる? どう考えても異常だ」
エレン「いや…それは…」
ライナー「体調にしろ、精神状態にしろ、悪いなら無理をするなエレン」
エレン「だから…大丈夫だって…」
ライナー「お前の性格柄、腕が吹っ飛んでも大丈夫と言うだろう。いいから医務室に行くぞ」
エレン「ライナー…(やべえ…優しい…)」
ミカサ(ああ…エレンが…エレンが…乙女の顔を…嗚呼…)
クリスタ(うぅ…ミカサがエレンの方ばっかり見てる…)
クリスタ「ミカサ、どこ見てるのもう一回!」
ミカサ「あ、うん…すまない」キッ
クリスタ(わっ、切り替え早い…あの凛々しい顔好きだな…///)ダダダッ
ミカサ(真面目にやらなくては…クリスタは私を励ましてくれたんだ…)
クリスタ(そっ、そんな目で見つめられたら…てダメダメ、訓練は本気でやらなきゃ!)ダダッ
クリスタ「はあああああああああああああああああああああああっ!!」
ミカサ「――見切った!」ウケナガシィ!
クリスタ「わあっ!?」ブゥン
クリスタ「いたっ!」ドテーン
ミカサ「…なるべく力を殺したつもりだったのだけど…大丈夫?」
クリスタ「う、うん。平気だよ(やっぱりミカサは上手だなぁ…///)」
ミカサ「クリスタはもう少しこの辺りに筋肉をつけた方がいい。あなたはかわいらしいけど、兵士の体ではないと思う」サワサワ
クリスタ「やっ、ミカサ、そこ、くすぐったいよ…///」
ミカサ「ちゃんと鍛えないとこれからの訓練で怪我をする。これが終わったら私の自主トレメニューを紹介しよう」
クリスタ「ほんとっ!? 私も、ミカサみたいになれる…?」
ミカサ「それはクリスタの頑張り次第。クリスタが望むのなら、私はちゃんとフォローする」フッ
クリスタ(かっこいい…///)
ミカサ「それと、今の刺突についてだけど…」
クリスタ「えっ、えっ!?」
ミカサ「走る時の歩幅は…そう、このくらいで…上半身を低く、腕を抱えるようにして…」
クリスタ(こっ、こんなに手とり足とり…あっ、首筋に吐息がかかる…!)
ミカサ(クリスタフィルタ)「そう…この体勢を忘れては駄目。こうすれば、もっと訓練が実戦に近いものになる」キラキラキラ
クリスタ「ふぁっ、ふぁい…(結婚したい…///)」
ミカサ「…クリスタ、顔が赤い。調子が悪いの?」キラキラキラ
クリスタ「そっ、そんなことないよ! ちょっと運動したせいで火照ってるだけで…///」
ミカサ「…」デコピトッ
クリスタ「!!?!!!!!?」バックンバックン
ミカサ「…熱はないようだけど…頬はとても熱い」ソッ
クリスタ「なっ、なっ、えっ、あのっ、ミカっ、ミカサ…///」カァァ
ミカサ「…ますます熱くなっている。昨日のお風呂の時といい、やはり体調が芳しくないのでは…」
クリスタ「なんでも…ないです…ほんとに…(王子様だ…///)」
ミカサ「…あなたがそう言うのなら、無理強いはしないけれど」
クリスタ「うん…ありがとね、ミカサ…(どうしよう…もう鼓動が煩くてたまらない…気持ちい…///)」
ミカサ「異常だと思ったら、すぐに言ってほしい」
クリスタ「うん、わかった!///」
ミカサ(心配だ…)ダダダッ
ユミル「ったく、口ばっかだなぁお前」
コニー「ててて…」
アニ「もう少し、こうした方がいいと思うよ」
アルミン「あ、なるほど…確かにこの方が効率がいいかも…ありがとね、アニ」
ベルトルト「…」ゴゴゴゴゴゴ
サシャ「あの…木みたいに突っ立ってアルミンたちを見てないで、私の相手をしてくださいよ…」ズーン
~医務室~
エレン「全然大丈夫なんだけどな…」
ライナー「訓練兵とはいえ貴重な兵だからな。安静をとらせるのは当然だろう」
エレン「なんか…悪いな、ライナー」
ライナー「何がだ?」
エレン「いや、俺のせいで訓練中途半端になっちまったわけだし」
ライナー「何だそんなことか。気にしなくていい。他人よりも自分の体の心配をしろ」
エレン「あ、ああ…」
ライナー「だいぶ陽が落ちてきたな…」
エレン「そうだな…(翳っててライナーが…いつになく…)」
エレン(今…言えるかな…)
ライナー「他の連中の様子も気になる。お前はここで安静にしてろ」
エレン「え…行っちまうのかよ?」
ライナー「ここに残っても何もしてやれんしな」
エレン「そっか…」
ライナー「ああ。じゃ、無理はするなよ」
エレン「あっ、待て、ライナー!」
ライナー「ん?」
エレン「あ…いや…その…」シドロモドロ
ライナー「どうした? らしくないな。言いたいことがあるなら言えばいい」
エレン「あー、その…だから…」
ライナー「?」
エレン「………、やっぱ、いいや。悪い」
ライナー「ん…そうか? じゃあ、お大事に」バタン
エレン「っかぁーーーーーーーーー!! 言えるわけねえだろ! こんな急に!」バタバタ
ライナー(どう考えても異常だったな…エレン)
ミカサ「! ライナー…」
ライナー「おう、ミカサ…何故クリスタを抱えているんだ…?」
ミカサ「…どうも体調が良くないように見えるので、念の為に」
クリスタ「だっ、大丈夫だって言ってるのに…(ミカサのお姫様抱っこ…本当に王子様みたい…///)」
ライナー「そうか…エレンも似たような症状なんだ(ああクリスタ…お前はどんな状態でも愛らしいな…)」
ミカサ「!! …エレンは大丈夫なの!?」
ライナー「あ、ああ。医師は問題ないと言っていた。ただ、一応今日一晩は様子見をするらしい」
ミカサ「そう…」ホッ
クリスタ(…エレン、大丈夫かな。こんな時でもエレンに嫉妬するなんて、私、最低だよ…)
ライナー「それじゃあなクリスタ、お大事に」
クリスタ「うん、ありがとうライナー」ニコッ
ライナー「はは(結婚しよ)」
ミカサ(…人間性を見れば、ライナーは良くできた人だ。エレンを任せても問題ないだろう)
ミカサ(けれど、やはり妬みの感情は湧き出る。エレンの幸せの為に身を引く覚悟もできないなんて…私は最低だ)
ミカサ「…ライナー!」
ライナー「ん?」
ミカサ「後で話がある。クリスタを医務室に運んでから伺う。ので、食堂の傍で待っていてほしい」
ライナー「ああ…わかった」
今日はここまでです。個人的に力を入れてるのはクリミカ
~食堂傍~
ミカサ「すまない、待たせてしまって」
ライナー「俺は平気だが…クリスタに何かあったのか?」
ミカサ「いいや、先生に診てもらっても、特別異常はなかった」
ミカサ「ただ、何かにつけて私を引き留めるので、遅くなった」
ライナー「そうか…ならいいんだが(ミカサになりたい)」
ライナー「それで、話とは何なんだ?」
ミカサ「単刀直入に聞こう。あなたはエレンの事をどう思っている?」
ライナー「何だその質問は…」
ミカサ「深く考えることはない。あなたが思うように答えて」
ライナー「思うようにと言われても…大事な仲間の一人だと思うが?」
ミカサ「…それだけ?」
ライナー「お前は俺にどんな答えを期待しているんだ…あのな、巷で俺がホモとかいう噂が流れているがアレは事実無根だぞ」
ライナー「万が一にも、俺がお前からエレンを奪うなんてことはありえん。大体なんで俺がホモなんかにされなきゃ…」
ミカサ「ホモを馬鹿にするな!」クワッ‼
ライナー「!?」
ミカサ「確かにホモは異質かもしれない…けれど! 美しいホモも中にはいる!」
ライナー「おい待て落ち着け! 声が大きい!」
ミーナ「どこからか魅惑の単語が聞こえてきた!」
ミカサ「あなたには! その美しいホモを幸せにする義務がある!」
ライナー「落ち着けと言ってるだろ!」ガシィ
ミカサ「クッ!」
ミーナ「音源は!? 音源はどこ…て、あれは…え?///」
ミーナ(ラ、ライナーが物陰でミカサを抱きしめて…え? どゆこと??)
ライナー「落ち着いたか?」パッ
ミカサ「うん…すまなかった。私としたことが、冷静さを欠いていた」
ライナー「何がどういうことなんだ? 急にホモが美しいとか、俺にはそれを幸せにする義務があるとか…ミーナの仲間入りか?」
ミカサ「きっといずれわかることになる…ただ、ホモを否定するのはやめてほしい」
ミカサ「あなたの偏見で…絶対に傷つくことになるから」
ライナー「誰がだ?」
ミカサ「……」スタスタ
ライナー「どういうことなの…」
ミーナ(どっ、どうしよう…何このジョーカーすごい組み合わせえ?)
ミーナ(まさかライナーとミカサが…特にミカサはエレンにぞっこんだったはずなのに…)
ミーナ(だ、黙っておいた方がいいよね…これを流したら最低だよ私…)
アニ「ミーナ、何を見ていたの?」
ミーナ「なっ、何でもないよ! 何にも見てないよ! ライナーとミカサとか全然見てないから!」
アニ「頭でも打った? そのツーショットはまずありえないと思うんだけど」
ミーナ「どっかで打っちゃったかも、アハハ…」
ダズ「……」
~一方、医務室~
クリスタ「エレンが医務室だなんて珍しいね」
エレン「いや、俺は大丈夫って言ったんだけどライナーも先生も過保護すぎてさ」
クリスタ「そうなんだ…ライナーって、大柄で怖い印象があったけど、優しいんだね」
エレン「そういう偏見は駄目だろ…ライナーみてえないい奴そうそういねえぞ。なんたって…(中略)…だしな!」
クリスタ「そ、そうなんだ…(10分も経っちゃったよ)」
エレン「ああ! 男が惚れる男ってやつだ!(ライナーはクリスタが好きなんだよな…ちくしょう、入れ替われたらいいのに)」
クリスタ「ふーん…でも何となくわかるなあ。ミカサも女が惚れる女って感じだし」
エレン「は? ミカサ? なんで?」
クリスタ「もう、仲良いのにわからないの? ミカサはすごいんだから! だって…(中略)…なんだよ!」
エレン「はあ…(女ってよく喋るよなー…10分も話しやがって)」
クリスタ「そんな鈍感だから、いつもミカサが苦労してるんだからね!」
エレン「鈍感って…俺がか?」
クリスタ「そうだよ! 見てるこっちが胸を締め付けられちゃうくらいなんだから」
エレン「んー…(何にどう鈍いんだろ俺…)」
クリスタ(駄目だこりゃ)
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→ミカサ→エレン
芋←サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
ベルトルト→アニ→アルミン→?
ジャン→ミカサ
エレン「…あのさ、クリスタ」
クリスタ「ん?」
エレン「その、ライナーのことなんだけど」
クリスタ「ライナー?」
エレン「ああ。クリスタって、ライナーのこと好きだったりするのかなって」
クリスタ「ええ!? なんでそんな話になるの!?」
エレン「な、なんとなくだよ! ライナーみたいなリーダーシップの取れるやつって、女子に人気ありそうだろ?」
クリスタ「んー…そういう話は聞いたことないけどなぁ。私も、いい人だとは思うけど」
エレン「じゃあ…クリスタ的にライナーはアリか?」
クリスタ「うーん…私はもうちょっと中性的な方が好きかな…(ミカサみたいな)」
エレン「そ、そうか…」
クリスタ「変なエレン…あ、そうだエレン、ミカサのことで話g」
「何をするんだベルトルト!!」
ベルトルト「うるさいっ!!」バキィッ
クリエレ「!!?」
クリスタ「今、外からベルトルトって…!」
エレン「この時間はみんな食堂に居るはずじゃ…!」ガラッ
ベルトルト「僕にはわかっているんだ! 君がアニをたぶらかしたと!!」
アルミン「たぶらかしてなんかないよ! そもそも僕はアニとは何も…!」
ベルトルト「嘘をつくなぁっ!!」バキィッ
アルミン「あぐっ!」
ベルトルト「アニは自分から誰かを誘うような子じゃない…いつも受け身の消極的な子なんだ」
ベルトルト「そのアニが、僕の誘いを断って、君を訓練に誘った…ありえないんだよ! こんなことは!」ドコッ
アルミン「がふっ!」
ベルトルト「君がアニに何かしたんだろう!? そうとしか考えられない!」
クリスタ「大変、止めないと…!」
エレン「おい! ベルトルト! そこで何をしてやがる!」バッ
アルミン「エレン!?」
クリスタ(安静にしてろって言われてるのに窓から…!)
ベルトルト「君は引っ込んでいてくれ! これは僕とアルミンの問題だ!」
エレン「暴力に訴える必要はねえだろ!」
ベルトルト「彼のせいで僕は心に深い傷を負ったんだよ! アニを奪われたんだ!」
エレン「いいから落ち着けよ! いつものお前らしくねえ!」
ベルトルト「落ち着けと言うならアルミンに真実を語らせろ!!」
アルミン「僕は嘘なんかついてないよ! 本当に! 急にアニが僕と組むようになったんだ!」
ベルトルト「それがありえないって言ってるだろ!」ボゴォ
アルミン「ぶはっ…!」ズザザゴロゴロゴロ
エレン(こいつ…本気でアルミンを殴ってやがる…)
ベルトルト「僕は、ずっと昔からアニと一緒だったんだ…その僕が、こんな頭でっかちのチビに、負けるなんて…!」ポロポロ
エレン(くそ…状況を整理しねえと…えっと、ベルトルトがアニを好きでアニがアルミンを訓練に誘って…)
アルミン「僕は…何もしてないんだよ…本当に…アニのことは、ただの、仲間としか…」
ベルトルト「じゃあアニの君に対する態度は何なんだ!? あのアニが、君に惚れたっていうのか!!?」
エレン「待てベルトルト! アニに確認すりゃいいだろ!? アルミンのことが好きなのか、それはなぜかって!」
ベルトルト「でっ、できるわけないだろ! そんな話…それにアルミンのことだ、アニに口止めしていてもおかしくない!」
アルミン(なんで僕…土の味を噛みしめているんだろう…今日は、あの人と夕食を食べる約束をしてたのに…)
エレン「恥ずかしくて聞けねえなら俺が聞いてやる! だからその手をひっこめろ!」
ベルトルト「…クッ」
クリスタ(な、なんとか話がついたのかな…)
エレン「ほらアルミン、立て。一緒にアニのところへ確認に行こう」
クリスタ(いや仮にアニがアルミン好きだとして本人の前で確認させないでしょ…)
アルミン「無理だよ…エレン」
エレン「なんでだよ」
ベルトルト「ほら見ろ! やはりアニに何かしたんだ! それがバレるから拒んでるんだ!」
エレン「…そう、なのか? アルミン」
アルミン「違うよ…秘密にしておこうと思っていたけど…濡れ衣で殴られるのはうんざりだから…はっきりさせよう」ブルブル
アルミン「ベルトルト…僕はね、サシャのことがが好きなんだ」
ベルトルト「は…!?」
アルミン「意外だろ? 僕もそう思うよ…タイプがまるで違うからね」
アルミン「自分と正反対のタイプをそういう対象として見る傾向は…統計でも確認されてる」
アルミン「別段珍しいことじゃないんだ…長身の君が小柄なアニに好意を寄せるのも一例だよ」
ベルトルト「…!」
アルミン「そういうわけだからエレン…アニへの確認はやめにしてくれ。仮にベルトルトの言う通りアニが僕を好きだとしたら…」
アルミン「僕はその想いに応えられない。結果、アニを傷付けてしまうかもしれないから」
エレン「お、おう…(なんだよこの展開)」
アルミン「…これからは、やんわりとアニから距離を置くようにするから…それで勘弁してくれないかな」
ベルトルト「…わかったよ」
ベルトルト「認めたくはないけど…アニがアニ自身の意思で君を好いているのだとしたら、僕は君に酷いことをしてしまった」
ベルトルト「ごめんね、アルミン」
アルミン「いいよ…サシャの件で腑抜けていたところだし、これで少しシャキッとしたから」
アルミン「お互いに頑張ろうよ」アクシュ
ベルトルト「うん…」アクシュ
エレン(…医務室に戻ろう)
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→ミカサ→エレン
ベルトルト→アニ→アルミン→サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
サシャ→芋→土
ジャン→ミカサ
エレン→ライナー
↑ ↓
ジャン→ミカサ←クリスタ←ユミル←コニー
↑
ベルトルト→アニ→アルミン→サシャ→芋→土
PC用
これでどうすか
>>117 私怨thx
ベルトルト「アルミン、医務室に向かった方がいいよ。僕もついていくから」
アルミン「いや、サシャと約束があるし…せめて断りを入れなくちゃ」
ベルトルト「…ごめん。どうかしていたよ…」
アルミン「それは握手でチャラにしただろ? さあ、お腹も減ったし食堂へ行こう」トコトコ
ベルトルト「ほ、本当に大丈夫なのかい? 力加減とか忘れて殴ってしまったから、どこか…」トコトコ
アルミン「ミカサから反射的に腹筋で防御する方法を教わったからね。小さい傷が地味に痛いだけだ」トコトコ
ベルトルト「夕食が終わってからでも、医務室に行こう」トコトコ
アルミン「うん。…あれ、随分と食堂が騒がしいな…」トコトコ
「だから違うって言ってるだろ!」
ベルトルト「この声は…ライナーかな? 何があったんだろう」
「いいやっ! 俺は見たんだ! お前がミカサを抱きしめているのをな!」
アルミン「は…?」
ベルトルト「聞き間違いかな…? ライナーがミカサを抱きしめるなんてありえないし」
アルミン「と、とりあえず中に入ろう!」タタッ
ダズ「あそこの物陰でこう、こんな感じに!」
ライナー「ダズお前…いい加減にしないと俺も怒るぞ」
ミーナ(まさか、あの時ダズも見てたなんて…)
ミカサ「ダズ、あなたは勘違いをしている。私とライナーは断じてそんな関係ではない」
ライナー「ほら、ミカサもこう言ってるだろ」
ダズ「そ、それでも俺は見たんだ! 間違いなく!」
トーマス「でもお前、ミカサだぞ? ミカサと言えば年中エレンにべったりだし」
ジャン「ああそうだ! あのミカサが、ライナーに靡くなんてありえねえ!(この俺に靡かないしな!)」
ダズ「な、なんだよお前ら寄ってたかって…ミーナ! ミーナも見てたよなぁ!?」
ミーナ「えっ!?」
トーマス「そ、そうなのか?」
ミーナ「え、あの…私は何も…」チラチラチラ
マルコ「やっぱりダズの見間違いなんじゃないのか?」
ダズ「違うっ! 本当に見たんだ! ミーナ! お前は見てたはずだ!」
アニ(…そういえば、さっきミーナが挙動不審だった時…ミカサとライナーがどうこうって…)
ミカサ「…ダズ、そんな詰問するような言い方は良くない」
ライナー「ああ、あんな言い方をされては、委縮して黒でも白と言わざるを得なくなるだろう」
ダズ「み、見たんだ! 俺は、本当に…!」
ミーナ(騒動にしたダズが悪いんだもん…嘘は言ってないけど、そっとしておけば良かったんだから…)
ダズ「おい! ミーナ!」
トーマス「おいダズ…いい加減にしろよ」
マルコ「女の子に責任の片棒を担がせようとするのは…よくない」
ダズ「ほっ、本当なんだよ…本当に…」
エレン「なんか騒がしいなー」
クリスタ「何かあったの?(さっきすごいことがあったばかりだけど)」
アルミン「エレン!?(今はまずい…!)」
ダズ「ミカサとライナーが物陰で抱き合ってたんだよ! お前らは信じてくれるよな!!?」
エレン「……え?」チラッ
クリスタ「ウソ……でしょ?」チラッ
ライナー「あ、ああ! ダズの見間違いだ!(抑え込んだのは事実だが)」
ミカサ「うん…ライナーの言う通り(私が声を荒げたせいで抑え込まれたけれど)」
エレン「そ、そうか…だよな!」
クリスタ「びっくりさせないでよぉ!(ミカサはエレンが好きなんだしね…)」
ミーナ(……何で嘘をつくんだろう)
ダズ「見たんだ…見たんだよぉ…(一躍人気者になれると思ったのに…)」
キース「あー、アッカーマン訓練兵とブラウン訓練兵はいるか?」
ライミカ「ハッ!」
キース「少し外までいいだろうか」
ライナー(何の用事だ…?)
ミカサ(共通点は成績上位者というくらいしかないけど…)
キース「その、だな。お前たち二人が不順異性交遊をしているという噂を耳にしてな」
ライミカ「…は?」
キース「私は訓練兵個々人の感情の動きまで制約するつもりはない。だがな…ここは訓練施設なんだ」
キース「そういうことに興味があるのであれば…トロスト区の宿泊施設でも借りて行ってほしい」
キース「成績上位者だからと言って、特例を認めるわけにはいかんのだ」
ライナー「ま、待ってください! そんな噂をどこで…!」
キース「サシャ・ブラウス訓練兵からだ」
ミカサ「サシャ…!?」
キース「何でもアルレルト訓練兵と夕食を共にする約束をしていたらしくてな」
キース「いつまで経っても現れない彼を探しに出たら、お前たち二人が抱き合っていたところ目撃したそうだ」
エレン(…そんな)ヌスミギキ
クリスタ(…どうして)ヌスミギキ
ライナー「誤解です! 確かにそう見えてもおかしくない体勢にはなっていましたが、そういった意図はありません!」
キース「ふむ…お前たちはあくまでも誤解だと主張するんだな?」
ライミカ「ハッ!」
キース「そういうことなら今一度ブラウスに確認をとるとしよう。時間をとらせすまなかった」スタスタ
ミカサ「…どうするべきだろう」
ライナー「…俺のせいだな。もう少しお前を黙らせる方法を考えるべきだった」
ミカサ「いいえ、これは私の責任。私が冷静で居続けていれば、こんな誤解は広まらなかった」
ライナー「…頑固だな」
ミカサ「…お互い様」
ライナー「まずは落ち着いて、一つ一つ誤解を解いていこう」
ライナー「その上でミカサ、お前が言いかけていたことを俺に話してくれ」
ライナー「俺にはホモを幸せにする義務があるとかいうヤツだ」
ミカサ「それは…」
ライナー「…言えないようなことなのか? 俺には理解できん」
ミカサ「……すまない。今は、言い合いになって取っ組み合いをしていたということにしよう」
ライナー「いや、取っ組み合いとかにすると俺の印象がだな…」
エレン(知らなかった…ミカサとライナーがそういう関係だったなんて…)
クリスタ(どうしてなのミカサ…ミカサはエレンが好きだったはずじゃない。エレン以外にとられちゃったら私…悔しいよ)
アルミン「エ、エレン、大丈夫だよ。これはダズの誤解だってば!」
エレン「誤解なんかじゃねえよ…今キース教官が二人に話してたんだ」
アルミン「え?」
クリスタ「二人が…不純異性交遊をしてるって…」
アルミン「えええええええええ!!?」
エレン「…食欲がない」ガタッ
クリスタ「…私も」ガタッ
アルミン(キース教官がって…じゃあ、二人が抱き合っていたっていうのは本当なのか…?)
ライナー「お、なんだエレン。もう飯食べたのか?」
エレン「ああ…あんまり食欲がなくってさ。やっぱ調子悪いみたいだ(ライナーの顔見ると胸が苦しい…)」
ミカサ「…クリスタも?」
クリスタ「うん…心配かけてごめん」
ライナー(クリスタも心配だな…)
ミカサ(エレン…大丈夫だろうか)
アルミン(でも二人の様子を見るととてもそうには…)
ライナー「アルミン、サシャを見なかったか?」
アルミン「え、サ、サシャ?(そういえば約束を…)」
ジャン「サシャならコニー連れて宿舎裏に向かってったぞ?」
ミカサ「…コニーを?」
アルミン「え…サシャがコニーを…? え…? こんな時間に…?」ブルブル
今日はここまでです。長くなりそう
ジャン(そん、な…)ガクッ
ジャン(キース教官が直々に…こんなの確定みてえなもんじゃねえか…)ブルブル
ジャン(納得いかねえが、百歩譲って幼馴染だ家族だと言うエレンはいい)
ジャン(それが何でライナーなんだ…? ミカサ…俺とライナーの間にある差は何なんだ…?)
マルコ「ジャ、ジャン、そんなに気を落とさないでよ」
ジャン「落とさずに居られると思うのか…? 俺はエレンだけでなくライナーにまで負けたんだぞ?」
ジャン「矛盾してるが、俺は一途なミカサが好きだったのに…!」
マルコ「……、ジャン、少しついて来てもらえないか?」
ジャン「どこへだよ…」
マルコ「今の君にぴったりの場所だ。きっと癒されるよ」
ジャン「?」テクテク
エレン(…まさかミカサのやつがな…くそっ、何でお前はいつも俺の先を行くんだ…!)
クリスタ(…ライナーに、奪われるくらいなら…!)
マルジャン「…」
エレン(ん? ジャンとマルコ…二人でどこへ行くんだ?)
~男子寮裏~
ジャン「…こんなとこに、花壇なんかあったっけ」
マルコ「一応畑になるのかな。食糧の足しになるかと思って、教官の許可を得て僕が作ったんだ」
ジャン「ふーん…こんなもんを俺に見せてどうすんだよ?」
マルコ「うーん、やっぱり昼間じゃないと実感はできないかな。ちょっと照らしてみてごらんよ」
ジャン「…? 大根にカボチャに…これは芋か? サシャにばれたら荒らされるかもな」
マルコ「男子寮に住んでるジャンですら知らなかったものを、サシャが察知できると?」
ジャン「…まあ思わんが」
マルコ「ちょっと土に触ってみてよ」
ジャン「なんでだよ。手が汚れちまうだろ」
マルコ「いいから、ほら」グイッ
ジャン「お、おい」ズモッ
ジャン「…これは、温、かい? それに、すごく柔らかい土だな」ズモズモ
マルコ「土塗れになって作業をしているとね…嫌なことを全部忘れて没頭できるんだ」
マルコ「臭い言い方になるけど、命の息吹っていうのかな、そういうのが感じられてさ」
マルコ「悩みとかを抱えてうずくまるよりは、こうして自然と触れあっていた方がいいと思うよ。僕も癒してもらってきたし」
マルコ「土はいいよ。心の渇きを潤してくれる。自然の生み出した文化の極みだよ。大好きなんだ」
ジャン「ふーん…」ズモズモ
マルコ「……ジャンと、同じくらいに」ギュッ
ジャン「……え?」
マルコ「ジャン…!」
ジャン「ちょ、待てマルコ…!」
サシャ「好きなんです! コニー! あなたのことが!」
コニー「は? え、なんで?」
サシャ「何でもヘチマもないです! 純粋にコニーが好きなんです」
コニー「そうなのか。ああ、俺もサシャ好きだぞ」
サシャ「本当ですか!?」
コニー「おう! サシャは最高の仲間だぜ!」
サシャ「そうじゃないんです!」カベドン
コニー「!?」
ライナー(この空気の中には入れんな…)
アルミン「そんな…サシャ…」
ミカサ「アルミン、気を落とすことはない。あなたほどの人間なら、きっと好きになってくれる人がいる」
アルミン「僕はサシャが好きなんだよ!」
ライナー「待てアルミン声を荒げるな。あれほど熱烈にコニーにアプローチしてるんだ…腹を括れ」
アルミン「クッ…!」
コニー「な、なんだよサシャ…なんか、いつになく顔が怖いぞ…」
サシャ「…コニーが、いつまでもわかってくれないからです…」
コニー「だ、だって俺馬鹿だし…」
サシャ「私も馬鹿ですよ。おあいこです」
サシャ「もう一度言いますよ、コニー。私はコニーが好きです。芋よりも」
コニー(お、俺食われるのか…?)ガタガタ
サシャ「…その顔は、わかってないですよね」
コニー「えっと…俺の頭がジャガイモみたいだから、的な?」
サシャ「…もういいです。無理やりにでも、わからせてあげますから…!」
コニー「は? ちょ、お前顔が近――」
ズギュゥゥゥゥゥゥゥゥン
ライナー(おお…俺もクリスタとあんな風に…)
ミカサ(エレンとしたかった…けれど、その義務はライナーにある)
アルミン「う"ぅわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」ダダダダッ
サシャ「っ!? 誰かそこにいるんですか!?」
コニー「ぷはっ…(け、結局どういうことなんだ…)」
ライナー「ま、待て! 怪しい者じゃない! 俺だ!」バッ
ミカサ「そして私…」サッ
サシャ「なんだ…お二人でしたか」
コニー「ライナーとミカサ…? 何してんだ、こんなとこで」
サシャ「お二人のお陰で、私も踏ん切りをつけることができました! ありがとうございます!」
ライナー「イヤ…その誤解を解きに来たんだ、サシャ」
サシャ「へ?」
ミカサ「あなたは誤解している。私とライナーはそういう関係ではない。断じて」
コニー「え? なに? どういうことなんだ?」
サシャ「誤解って…抱き合っていたじゃないですか、食堂舎の陰で」
ライナー「あれはな、ミカサが対人格闘の絞め技を復習したいというから付き合っていただけだ。ほら、こんな感じに」
ミカサ「あうあう」
コニー「おー…確かに抱き合ってるように見えるな」
ライナー「おまけにあの暗がりだ。ほぼシルエットだけしか見えなかったんじゃないか?」
サシャ「あー…そうかもしれません。男女があんなに密着するなんて他に思い付かなかったんで、つい…」
ミカサ「気を付けてほしい。お陰で教官の間にまで誤解が広まっている」
サシャ「ごめんなさい…早とちりしてしまって。私から教官に申し開きします」
ライナー「そうしてくれ。じゃあ、邪魔したな」テクテク
ミカサ「サシャ、頑張って」テクテク
サシャ「はい! それでコニー、お返事は…」
コニー「おう? どう答えりゃいいの?」
~馬小屋~
アルミン「えぐっ、えぐっ…」
アルミン「なんでなんだよサシャ…僕とご飯食べてくれるって言ったのに…!」
アルミン「食事に誘ってオーケーされたら脈ありって、本に書いてあったじゃないか…!」
アルミン「僕は嘘の情報を掴まされたのか…? それに、人間は自分の欠点を補えるパートナーを選ぶって書いてあったのに…」
アルミン「僕とサシャはお互いの短所を補い合えるのに…! どうして…どうして…」
コニー『俺の心臓は右にあるんだZE☆』
アルミン「どうしてコニーなんだよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
馬「ちっ、失恋したぐれえでピーピー喚きやがってよ」ヒヒーン
雌馬「まあまあ、そう仰らずに見守ってあげましょうよ」
アルミン「ほぼ同スペックじゃないかよ! なにが楽しいんだよ! 同族嫌悪するもんじゃないのかよ!?」
アルミン「フゥー…フゥー…」
アニ「…なに、やってるの?」
アルミン「アニっ!?」ビクゥ
アニ「馬小屋が騒がしいから様子を見に来たんだけど…何でアルミンがここにいるの?」
アルミン「えっ、いや、その…聞いてた?」
アニ「いや、はっきりとは。コニーと同族嫌悪って部分しか聞こえなかったよ」
アルミン「そ、そう…」
アニ「で?」
アルミン「でって?」
アニ「何でこんなところで涙目になって騒いでるの」
アルミン「ああ…えっと(そういえば、アニが僕の事好きだってベルトルトが…)」
アルミン「ちょっと、嫌なことがあって」
アニ「…コニーに何かされた?」
アルミン「…まあ、そうだね。悪気はないだろうから、責めることもできないんだけど」
アニ「…何なら、話を聞いてあげるけど」ストン
アルミン「いいよ。迷惑だし」
アニ「別に迷惑じゃないから」
アルミン「ありがとう。本当にいいんだ。女の子に愚痴をこぼすのは趣味じゃないから」
アニ「……、…そう」
アルミン「うん、じゃあ…」スクッ
アニ「ちょっと待って」クイ
アルミン「ん?」
アニ「…話したいことが、あるんだ」
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→ミカサ→エレン
ベルトルト→アニ→アルミン→サシャ→芋→土←マルコ→ジャン→ミカサ
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
早いけど今日はここまでにします。関係図はまだ大きくなる
一つに纏めるとこうか
エレン→ライナー
↑ ↓
ミカサ←クリスタ←ユミル←コニー
↑ ↑
ジャン←マルコ→土←芋←サシャ
↑
ベルトルト→アニ→アルミン
これはベルさんが土から好かれるフラグ!
>>180 綺麗にまとめてくれたな。助かる(結婚しよ)
ベルトルト(アニ…どこへ行ったんだろう)キョロキョロ
ジャン「マルコっ! もう! もういいだろ! アッ!」
マルコ「まだだよジャン…僕たちは今、青春の絶頂に居るんだ!」
ベルトルト(青春の絶頂…? 殴り合いで友情でも確かめ合ってるのかな)
ベルトルト(僕もライナーと特に理由もなくやってたっけ)
ベルトルト(今日は色々あって疲れたし…早く部屋で寝てしまおう)
サシャ「う"わぁああああああああああああああああああああああああああ!!」ダダダッ
ベルトルト「ひっ!?」ビクゥ
サシャ「あ"ぁあああああああああああああああああああああ!!」ダダダダダダ…
ベルトルト(今のはサシャか…? よく見えなかったけど。まるで獣のようだったな…?)クンクン
ベルトルト(ん…? 馬小屋の方から、アニの香りがする…何故こんな時間に)トコトコ
アニ「…ボソボソ…ボソボソ」
ベルトルト(間違いない…アニの声だ。誰かと会話しているのか…? あと少しで消灯時間なのに)
ベルトルト(…確か、東側の壁に小さな穴があったっけ。僕くらい身長がなければ見えないけど…あった。よっと)
ベルトルト(…誰もいない? いや、ちょうど死角にいるのか?)
アルミン「ご、ごめん…その、アニの気持ちは本当にうれしいよ。小躍りしたいぐらいに」
ベルトルト(アルミン…!? 君は金輪際アニに近付かないと言ったはずだ…いや、文脈から考えるにアニの方からか…?)
ベルトルト(殴っておいて無責任だけど…確定なのか…っ!)クゥ
ベルトルト(いや…落ち着け僕。アルミンは約束通り断ってくれたじゃないか。これで、何の心配も…)
アニ「お願いだよ、アルミン…私は、あんたと一緒に故郷に帰りたいんだ! あんただけは…あんただけは助けたいんだよ…!」
ベルトルト「!?」
アルミン「ま、待ってよアニ! 落ち着いてよ! 僕だけは助けたいってどういうことなんだ!」ガサッガタタッ
ベルトルト(アルミンを連れて故郷に帰る!? アニ、そこまで綿密な将来設計を!?)
アニ「そのままの意味だよ。このままじゃあんたは傷つくことになる。絶対に。あんたを傷付けたくないんだ」ガシィガサッバサッ
アルミン「ちょっ、アニ!?///」
ベルトルト(何だ今の衣擦れの音は!? 何をおっぱじめようって言うんだ!?)
アニ「今から私の想いを証明するよ、アルミン…」
アルミン「しょうめっ、ちょっ、ホントに駄目だよっ! 見えちゃ、見えてるから!///」
アニ「見せてるに決まってるでしょ…他の男には、女にだってこんな姿は晒さない…"アルミン"だからこんな真似ができるんだよ」
ベルトルト(くそっ、邪魔な壁だ! アニの裸がすぐそこあるのに! いやそうじゃない! アルミンなんかに奪われてたまるか!)
アルミン「落ち着いてアニ! 君の想いを受け取る! だから、服を着てくれ!///」
ベルトルト「……!」
ベルトルト(アニの想いを…受け取る?)
ベルトルト(アルミン…君は…僕との約束を…)グググッ
壁「」ミシミシ
アニ「…ん?」
アルミン「か、壁が…! 穴から何かが覗いている!? あの穴の高さは…180㎝だぞ!?」
アニ「くっ!」キガエキガエ
アルミン(あんな高さから覗き込めるやつなんて…まさか!)
壁「」バキィッ
アルミン「がふっ!」
アニ「アルミン!」
ベルトルト「フーッ…フーッ…」ヌーッ
アニ「ベルトルト、あんた…!」
ベルトルト「一部始終を聞かせてもらったよ…アニ」
アニ「一部始終…っ、あんた、乙女の告白を盗み聞きしてたの…!?」
ベルトルト「そうだよ…まさかとは思っていたけどアニ…そこまで情を移していたのか」
アルミン(今日は何なんだろう…殴られて、壁の破片で気絶しかけていて…散々だ)モウロウ
アニ「…わ、私にだって…そういう権利ぐらいは…」
ベルトルト「いいや、ない。百歩譲って想いを寄せるのはいいとしよう…だけど、それを爆発させるのは規律違反だ」
ベルトルト「規律違反には…相応の罰則を与えないといけないね」
アニ「罰則って何…? 死んで贖えとでも言うの? そうでなければ、大した罰にもならないはずだけど…」
ベルトルト「君の愛した男の前で、君の守ってきたものを奪わせてもらう」
アニ「は……?」
アニ「私が守ってきたものって…あんた、正気なの?」
ベルトルト「精神的には死ぬよりも辛い懲罰だね。でも、君はそれだけのことをしているんだ」
ベルトルト「ほら…脱げよ、さっきみたいに」ガシッ
アニ「くっ、放せっ! やめろっ!」ジタバタ
ベルトルト「力は僕の方が強いよ…!」ビリィッ
アニ「このっ!」ゲシッゲシッ
ベルトルト「君の蹴りは脅威だけど…こうして膝に僕が乗ってしまえば何もできない」
アニ「あぐぅっ!」
ベルトルト「僕の体重を動かすことは容易じゃないよ…」
アニ「あんた…絶対、許さない…こんなことして…絶対に!」
ベルトルト「違反をしたのは自分じゃないか。悪いのは君だよ。正当性は僕にある」ビリィッ
アニ「それでも…こんなっ! こんな方法で…!」
ベルトルト「しばらく見ないうちに…随分育ったね、アニ」
ベルトルト「背の伸びが悪いから心配していたけど…こちらはちゃんと大人になってくれたようだ」モミ
アニ「やめろぉ! 触るな! 私に! 私の体は! 私の選んだ人にしかっ!」
ベルトルト「なら僕を選べ!」ムチュッ
アニ「はむっ…!?」
アニ(…奪わ、れた…)ガク
ベルトルト「は、ははは! これが、キスってものなのか! アニの初めてを僕が!」
アニ(…アルミンと、したかったのに…こんな、腰巾着野郎に…!)ツー
ベルトルト「いいね…その涙…鬱屈した僕の心が、嫉妬に狂った僕の心を、溶かしてくれる」
アニ(…このまま、すべて奪われる。こいつに、この最低野郎に)
アニ(嫌だ…お父さん…)
ベルトルト「さて…お次は…」
馬「彼女を放せ」ヒヒーン
ベルトルト「!?」
アルミン「蹴ろ!」
馬「はあっ!」ゲシィッ
ベルトルト「ばうっ!!!?」グルングルンドシャァー
アニ「アルミン…!」
アルミン「ごめん、間に合わなくて…僕じゃ返り討ちにされるだけだから…彼の力を借りたんだ」
馬「お怪我は在りませんか、お嬢さん」ヒヒーン ドヤッ
アニ「怖かった…本当に、怖かったよ…」ギュゥ
アルミン「まさかベルトルトがこんな手を使うとは思ってなくて…君の唇までは守れなかった。本当にごめん」
アニ「いや…十分だよ。本当に大切なものは、ちゃんと守ってくれたよ」
馬「後は二人の時間…邪魔者は眠りにつくとしましょう」パカラパカラ
アルミン「そう言ってもらえると、誇らしいよ。それでさ、アニ」
アニ「?」
アルミン「さっきの約束…頭が混乱していたから軽はずみに応じてしまったけど…」
アニ「…うん」
アルミン「僕からも、お願いするよ」
アニ「…え?」
アルミン「も、もちろん、今回みたいなことにならないように順を追ってもらうけど」
アニ「…あ、ああ///」
アルミン「あんなに本気な姿を見せられたらね…」
アニ「…あ、あの時は少し興奮し過ぎてたんだ!」
アルミン「案外、アニって104期の中でも"女の子"だよね…すごく心を揺さぶられたよ」
アニ「そ、そうかい…?///」
アルミン「うん。そういうギャップって僕好きだよ」
アニ「…っ///」
ベルトルト「黙れええええええええええええええええええええええええ!!」
ベルトルト「何が本気の姿だ! 何が心を揺さぶられただ! 僕は、故郷にいた時からアニのことを想っていたんだぞ!?」
ベルトルト「頭でっかちの奇形チビの、そんなちっぽけな関心なんて屁でもない! 愛の深さは僕の方がはるかに上だ!」
アルミン「…そりゃあ、今日初めて意識し始めたわけだし、ちっぽけなのは違いないけど」
アルミン「諦めきれず、過去に凝り固まってる君よりは…アニを幸せにする自信があるよ」
アニ「アルミン…」
ベルトルト「この、このチビ…チビのくせに…この、このこの…奇形が、ドチビが―――がぼっ!?」
馬「…どうやらお仕置きが足りないようだ」
アルミン「ちょっ、まずいよ、顔面を蹴ったりなんかしたら! どうどう!」
馬「お二人の邪魔をするばかりか、下劣に容姿を貶めるとは。愚かな人間もいるものですね」フミグリ
ベルトルト「なんだこの馬っ…ぐほっ、重っ…ばぅ…」
アニ「かなり興奮してる! 退かさないと本当に死にかねない!」
アルミン「落ち着いてくれ! おい!」
馬「…本物の奇形として生まれてきた、私の娘への冒涜だ!」ゲシィ
ベルトルト「ぐっ、がおっ…おっ…」
アニ「何にこんなに興奮してるんだ…!」
アルミン「そうか! 秋に生まれた馬の子供が!」
アニ「そのせいか…! おい腰巾着野郎! さっきの言葉を撤回しな!」
ベルトルト「わ、わかった…奇形なんて言葉は二度と使わない…だから…」
馬「…次はない。覚えておけ…!」クルッ パカラッパカラッ
アルミン「ベルトルト! 大丈夫!?」
ベルトルト「何故僕を助けた…? 君に心無い罵声を浴びせたこの僕を」
アルミン「確かに奇形って言い方は傷ついたけど…君をここまで狂わせたのは、僕のせいもあるから」
アルミン「君には、ちゃんと僕がアニを幸せにする姿を見せて、安心させてあげないといけないだろ?」
ベルトルト「アルミン…君は、どこまで…」
アニ(惚れ直した)
アルミン「多分複数個所骨折してるよね…人を呼んだ方がいいな。行ってくるよ」タタッ
ベルトルト(…どこまで、善人なんだ…)
アニ「私はアンタを許すつもりはないよ、ベルトルト」
ベルトルト「ああ…許されるとも思わないよ」
アニ「…ああいうことは、もっと早くに言ってほしかった」
ベルトルト「ごめん…臆病だから、僕は」
アニ「まったくだよ」
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→ミカサ→エレン
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
サシャ→芋→土←マルコ→ジャン→ミカサ
ベルトルト→アルミン→←アニ
馬は妻子持ちのヒーローなんで…
メインの四角に戻ろうと思うんだけど女編と男編どっち先にしよう
ライナー「クリスタ…クリスタ…」シコシコ
ライナー「…ふぅ。空しいな…」
ライナー「ベルトルトはどこに行ってるんだ…もう消灯時間を過ぎたぞ」
ライナー「まあ、いないから捗るんだが…」
コンコン
ライナー「おおうっ!?」ビクッ
エレン「ライナー、居る、よな?」
ライナー「な、なんだエレンか…教官かと思ったぞ」ガチャ
ライナー「こんな時間にどうした? 消灯はもう過ぎたぞ」
エレン「ああ…すまん。ずっと悶々としてたらこんな時間になっちまって」
ライナー「悶々…?」
エレン「おう。お前とミカサの話を聞いてから、特にな」
ライナー「ああ…あれはだな、実はサシャの勘違いなんだ」
エレン「勘違い?」
ライナー「そうだ。ミカサが絞め技の復習をしたいというから付き合ってたらな。そういう風に見えてしまったんだ」
エレン「そ、そっか、そうなのか! 良かった…」
ライナー「何だお前、とうとうミカサと両想いになったのか?」ニヤニヤ
エレン「は? なんで?」
ライナー「ん? 他に悶々としようがないだろ」
エレン「あ…そうか(そうだよな…普通は考え付かないよな…)」
ライナー「おいおい大丈夫か? まだ本調子じゃないんだろう。部屋に戻って寝ておけよ」
エレン「い、いや! 大丈夫だ! 問題ない! それよりライナー…その、できたらなんだけどさ…」
ライナー「ん?」
エレン「俺にも教えてくれよ、その、ミカサに教えたっていう絞め技」
ライナー「…今か?」
エレン「ああ! 今! ここで究めてくれ!(抱き合ってるように見える絞め技ってどんななんだろ…)」
ライナー「別に明日の対人格闘でもいいだろ…それにもうすぐベルトルトも戻ってくるだろうし」
エレン「閃いた今やりてえんだよ。すぐにやらないとほら、忘れたりやる気がなくなったりするじゃねーか!」
ライナー「むぅ…(まあ起きててもクリスタをオカズにするだけだしな…)」
ライナー「いいだろう。来いエレン」
エレン「お、おう!(やべえ、緊張してきた…)」
ライナー「まずこうだ…(適当でいいよな…)」
エレン「お、おお…(か、顔が近ぇ…こりゃ誤解されても仕方ねえな…)」
ライナー「そして足をこうやり、こう絞める」
エレン「な、なるほどな…///(ライナーの体が温けえ…)」
ライナー「おい…また顔が赤いぞ。まだ安静にしているべきじゃないか?」
エレン「い、いやっ…違うんだ、これは、体調が影響してるんじゃねえんだ…」
ライナー「じゃあ何だ?」
エレン「う、うぅ…」
ライナー「心拍数もかなり早いぞ…大丈夫とはとても…」
エレン(い、言っちまうのか、俺…言っちまっていいのか…? もしかしたらここから先、すげーギクシャクするかもしれねえのに)
エレン(でも…放っておいたら…ライナーみたいなイイ男、誰かに取られちまうかも…)
ライナー「おい…汗がすごいぞ」ソッ
エレン「わっ、そんなっ、手を添えるなよっ! びっくりしちゃうじゃねえか!」
ライナー「す、すまん」
エレン(でもライナーは結局クリスタが好きで…クリスタはライナーのこと眼中にないって…でも、これから先可能性がないわけじゃない…)グルグル
エレン(ここで俺がライナーの心に複雑なものを投じちまったら…ライナーが幸せになれねえ…!)グルグル
エレン(でも…俺はライナーと…)グルグル
エレン(いや…違う)
エレン(幸せにしちまえばいいんだ…俺が…クリスタがどうでも良くなっちまうぐらい、俺が魅了してやればいいんだ…)
エレン(ライナーの中の幸せの定義を変えちまえば…俺もライナーも幸せになれるじゃねえか…!)ゴクリ
ライナー「おい、エレン。やっぱりお前どこかおかし」
エレン「ライナー!」
ライナー「お、おう?」
エレン「お前、ホモってどう思う?」
ライナー「は? ホモ? お前まで俺をホモ扱いするのか?」
エレン「そうじゃねえよ。ホモの奴らをどう思うのかって聞いてんだ」
ライナー「どう思うって…(なんか今日はホモの話よくされるな…そんなに俺ホモっぽいのか? ふむ…)」
『ホモを馬鹿にするな!』クワッ
『確かにホモは異質かもしれない…けれど! 美しいホモも中にはいる!』
『あなたには! その美しいホモを幸せにする義務がある!』
ライナー(ん…? なんか引っかかるな。なんだかパズルが全部そろっているような…)
ライナー「…別に、特別何か思うことはないぞ…そういう人もいるんだな、という感じか」
エレン「…気持ち悪いとか、思わないのか?」
ライナー「人によりだろう。気持ち悪いホモもいれば好感の持てるホモもいるんじゃないか」
ライナー「結局同じ人間なわけだしな」
エレン「…やっぱすげえな、お前」
ライナー「そうか?」
エレン「普通なら、気持ち悪いって淘汰するもんだぜ。直接じゃなくても、やんわりとさ」
ライナー「それはいくらなんでも失礼だろ。性の対象が同性というだけで、誰これ構わずじゃないわけだし」
ライナー「それを言いだしたらノーマルの男も女にとっては気持ち悪い存在になってしまうぞ」
エレン「そう、か(やっぱり…ライナーなら、俺を受け入れてくれる…)」
ライナー「ああ。…この質問にはどんな意味があるんだ?」
エレン「…落ち着いて聞いてくれ、ライナー」
ライナー「うむ?」
エレン「実はな…俺…」
ライナー「?」
エレン「お前のことが好きなんだ。三年前から、ずっと」
ライナー「……え?」
エレン「信じられねえかもしれねえけど、俺、いつもお前のこと見てた」
ライナー「…」
エレン「お前は一人で何でもできて、気配りができて、頼りになって…いつも俺の目標だった」
ライナー「…お、おう」
エレン「そうしてお前を見ている内に、胸が苦しくなった。病気かと思ったぐれえ苦しかった」
エレン「でも同時に気持ちよかったんだ。俺、死に急ぎ野郎とか言われてるけど、巨人の事よりお前のこと考えてることの方が多かった」
エレン「駄目だ、全然上手い言葉が浮かんでこない。とにかく好きなんだライナー。お前のことが。誰よりも!」
ライナー(…そうか、ミカサのあの剣幕は、こういうことだったのか)
ライナー(…ということは、ミカサはエレンにとっての幸せを優先し、身を引いたと…)
ライナー(美しいホモというのはエレンを示し…俺には、それを幸せにする義務があると…言ってくれるな)
ライナー「嬉しく思うよ、エレン。お前がそんなに俺のことを想っていてくれていたとは」アタマポン
エレン「おっ、おぅ///」
ライナー「だが俺はお前のことを、唯一無二の親友だと思っている」ナデナデ
エレン「…おぅ」
ライナー「お前の気持ち全てに応えることはできない。俺にも愛する人がいるからな」
エレン「それは…クリスタ、か?」
ライナー「ああ。俺は絶対にあいつと結婚する。結婚してやる。そして幸せにしてやりたいんだ」
エレン(…でもクリスタは)
ライナー「本当にお前が俺を愛しているというのなら、俺を応援してほしい」
エレン「…あ、ああ。もちろん…だ」
ライナー「…心配しなくても、俺はお前を避けたりはしないよ。むしろお前をより深く理解できて良かったと思う」ギュッ
エレン「…っ///」
ライナー「だから……な?」
エレン「ああ…! 応援するぜライナー! 俺はお前の事、好きだから! お前の幸せを応援するよ!」ギュギュゥ
ライナー「ははっ、ありがとな、エレン…」
エレン「ライナー…ライナァ…」グスッ
ライナー「…仕方のない奴だな」バサッ
エレン「ライナー…?」
ライナー「今日一晩だけ、特別だぞ? 俺に存分に甘えるといい」
エレン「…ああ!///」
~一方、女子寮~
ミカサ(長い一日だった…)
ミカサ(馬術の訓練に始まり、ライナーとの妙な噂を流され誤解を解き…エレンを、譲った)
ミカサ(だけど…それがエレンの幸せなら、何も言うことはない)モゾモゾ
ミカサ(エレンをオカズにするのは、もうやめにしよう…未練が残るだけだ…?)モゾモゾ
ミカサ(…布団の中に、何かいる)バサッ
クリスタ「え、えへへ…」テヘペロ
ミカサ「何故、クリスタが私の布団に…」
クリスタ「ひ、人の布団の中ってすごく温かいよね!」
ミカサ「うん…それには同意する(狭いベッドで身を寄せ合ったエレンとの記憶…美しい)」
クリスタ「人肌が恋しくなっちゃった、なんて」
ミカサ「…そう(私もエレンと寝床を共にできなくなって恋しかった)」
クリスタ「は、入っててもいいかな…?」
ミカサ「好きにするといい(もうエレンは私の伴侶ではない…)」
クリスタ「ありがとう…」イソイソ
ミカサ「…体の方は、もう大丈夫なの?」
クリスタ「うん! 全然平気だよ!」
クリスタ「それよりさ、あの、今日の、ライナーとミカサの件なんだけどさ…」
ミカサ「……クリスタは、ライナーが好きなの?」
クリスタ「ち、違うよ! 私が好きなのはミカサだもん…あ」
ミカサ「…私?」
クリスタ「あっ、その…そうじゃなくて、えと…///」
ミカサ「…よく意味はわからないけど、今日のあの件は誤解。目撃者が勘違いをしただけ」
クリスタ「え…じゃあミカサとライナーは…」
ミカサ「私たちはただ絞め技の練習をしていただけ。断じて男女の関係なんかじゃない」
クリスタ「そ、そうだよね! おかしいと思ったんだよ、ミカサはエレンが好きなのにって」
ミカサ「…うん、けれど、私はもうエレンを諦めた」
クリスタ「ええ!?」
ミカサ「…エレンには、他に好意を寄せる人がいる。ので、エレンの幸せの為に私はエレンを諦める」
クリスタ「そ、そんな…あんなに好きだったのに諦められるわけないよ! そう言って自分に暗示をかけてるんでしょ!?」
ミカサ「エレンの幸せは私の幸せ。無理矢理勝ち取ったところで私の自己満足に過ぎず、それでギクシャクするくらいなら今の距離感の方がいい」
クリスタ「本当にそれでいいの…? 想いを打ち明けるとか…しなくていいの?」
ミカサ「言ったでしょ? 伝えれば関係が変化してしまう。このまま想いを封じ込めれば、私とエレンは元の関係のまま、エレンは幸せを掴める。何一つ問題はない」
すまん今日はここまでだ。明日には終われると思う
お前ら何度も言うが馬は妻子持ちだぞ…
クリスタ「だとしても、納得いかないよ…こんなの」
クリスタ「だってライナーの意思だってあるんだよ? 彼が噂通りの人とは限らないじゃない!」
クリスタ「ライナーにフラれたら最後、ミカサの望むエレンの幸せはなくなっちゃうよ!」
ミカサ「…ライナーはああ見えて優しい。断るにしても、エレンにちゃんと居場所を与えてくれる」
ミカサ「私もエレンの家族で在り続ける…ので、クリスタが心配することはない」
クリスタ「…これ以上、私から何も奪わないで…」
ミカサ「…クリスタ?」
クリスタ「ミカサはどこまで私を虜にさせれば気が済むの!? キュンキュンきちゃってるんだよ!」
ミカサ「…あなたはなにを言っているの?」
クリスタ「そんな健気な姿を見せられたら…歯止めが効かなくなっちゃうじゃない…!」プルプル
ミカサ「やはり体調が悪いの? 錯乱しているようにしか見えない」
クリスタ「武者震いだよ! 恋煩いだよ! 理性がもうもたないのよ!」
ミカサ「その残念な言語力は何…? 話が噛み合っていない…」
クリスタ「もう無理だ! 愛おしいんだよこんちくしょう! バカ! アホ! 大好き!」ガバッ
ミカサ「クリスタっ!?」ジタバタ
クリスタ「ああもうミカサ! ミカサ! ミカサカサ! ミカサの腹筋も胸も上腕二頭筋も何もかも愛おしいよ!」ハスハスクンカクンカ
ミカサ「な、何をしているのクリスタ! 顔面を私の胸の谷間にこすり付けて右手で腹筋を摩りあげるその謎の動きは何なの!?」
クリスタ「ずっとミカサにこうしたかったの! 私の悲願なの!」
ミカサ「やはり常軌を逸している…落ち着いてクリスタ! 元のあなたを取り戻して!」
クリスタ「ごめん、普段は猫被ってるところあったんだ…こっちが本当の私なの」
ミカサ「…それはつまり、レズとかいうもの?」
クリスタ「ち、違うよ! 好きになった相手が偶然女の子だっただけだよ! 現にミカサはかっこいい顔立ちだし!///」
ミカサ「か、かっこいい…?」
クリスタ「そうだよ! かっこいいよ! ミカサに微笑まれる度に心臓バックバクだったよ!」
クリスタ「対人格闘の時とか、いつも楽しみにしてたもん!」
ミカサ「と、いうことは…今までの訓練で、あなたは私をそういう目で見ていたの…?」
クリスタ「…と、途中からは…///」
ミカサ「…なんということだろう」
ミカサ「この世界は残酷で美しい…そして面白い。こんな想いの交差が実在するとは…」
クリスタ「私、ミカサを支えるよ! エレンがミカサ以外の人と結婚しても、私がミカサを支えるから!」
クリスタ「私と…ずっと一緒に居てください…」
ミカサ「私はエレンの家族で在り続ける…ので、クリスタが心配することはない」
クリスタ「…これ以上、私から何も奪わないで…」
ミカサ「…クリスタ?」
クリスタ「ミカサはどこまで私を虜にさせれば気が済むの!? キュンキュンきちゃってるんだよ!」
断言する、今日中には終わらんし終われん
ミカサ「……クリスタ」
クリスタ「は、はい…!」
ミカサ「レズは…ホモ」
クリスタ「はい…?」
ミカサ「この世には、美しいホモがいる。そしてあなたはきっと、その美しいホモ」ナデ
クリスタ「…ほ、ほも?」
ミカサ「そう…ホモ。エレンもホモ。あなたもホモ。ので、私もホモになろう」
クリスタ「…え、えと。つまり…」
ミカサ「今はまだその領域には達していない…けれど、必ずあなたを愛せるようにする」
クリスタ「…っ、ミカサぁっ!」ギュギュゥ
ミカサ「クリスタ…」ナデギュ
ユミル(どういう…ことだ…)
ユミル(クリスタがレズなら…私たちは相思相愛だったはずだろ…なんでミカサと…)
ユミル(…悪夢のようだ。あの悪夢のような日々からやっとマシになれたと思ったのに、また悪夢が…)
ユミル(くそっ…くそっ…寝るぞ、眠る! そうすればきっと全部元通りになってる!)
ユミル(よーし寝るぞーユミルお姉さん寝ちゃうぞーえへへあはは)ドサッ
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→←ミカサ→エレン
サシャ→芋→土←マルコ→←ジャン(覚醒)
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
???→???→???→ベルトルト→アルミン→←アニ
お前ら→馬→家族
~翌日、食堂~
ユミル「…」
クリスタ「えへへ、ミカサぁ」スリスリ
ミカサ「…ふふ」ナデナデ
アニ「アルミン、隣いいかい?」
アルミン「うん、いいよ」ニコッ
ベルトルト(アルミン…アルミン…ふふ)ニヤニヤ
エレン「ライナー、今日の訓練なんだけどよ…///」
ライナー「ああ、付き合おう(クリスタの様子がいつもと違うな…)」
マルコ「ジャン、ニンジン残しちゃだめだよ。ほら、あーん」
ジャン「あ、あーん…」
ユミル(何だ…これは…)
ミーナ「あれ? サシャがいないね。真っ先に食堂に居るのに」
トーマス「ん、サシャなら男子寮裏の畑で食べかけの芋に囲まれて気絶してるのが見つかって医務室らしい」
トーマス「土がたんまりついたままだったせいで腹を壊してるとも聞いたぞ」
ユミル(芋女のことはどうでもいい…何なんだこりゃあ…一日でこうもガラリと変わるもんなのか?)
ユミル(クリスタとミカサだけじゃない…昨日の夕飯まで普通だっただろ…それにミカサはゴリラとなんじゃなかったのか…)
ユミル(い、いや、そんなことはどうでもいいんだ…他なんか些細な問題だ)
ユミル(私がすべきは私の唯一神クリスタを取り戻すこと…!)
ユミル「ふ、ふぁー、よく寝たぁー…おうクリスタ、おはよう」
クリスタ「あ、ユミルおはよう。ねえミカサもっとなでなでして!」
ミカサ「わかった」ナデナデ
クリスタ「えへへ~」
ユミル(何だよ! 何だよソレ! 私にもあんなことしてくれなかったぞクリスタは! 前にした妄想そのまんまの光景が他人の膝の上で…ッ!)
ユミル「な、なあクリスタ。傑作な話があるんだが…」
クリスタ「どんな話?」
ユミル「おう、話してやるからこっちこいこっち」ヒザポンポン
クリスタ「ここからでも聞こえるから大丈夫だよ。ね、ミカサ」ギュー
ミカサ「うん。テーブルを一つ挟んだくらいでは何の問題もない」ナデナデ
ユミル「別に来てくれたっていいだろ? 手間がかかるわけでもなし(ミカサ代われミカサ代われ)」
クリスタ「えー、私ここがいいもん」ギュー
ユミル(ちくしょぉおおおおおおお最高に可愛いじゃねえかよ私のクリスタ! でも私に抱き付いて欲しいよぉおおおおおおおおお!!)
ミカサ「それでユミル。傑作な話というのは何なの?」ナデナデ
クリスタ「早く早く」ワクテカ
ユミル「ああ…うん…すまん、ド忘れしちまった…」
クリスタ「ふふ、うっかりさんだなぁユミルは」
ミカサ「うん…意外な一面が見れた」ヨシヨシ
ユミル(もう駄目だ…お終いだぁ)
コニー「おーう、お前ら何してんの? 珍しい組み合わせだけど」
クリスタ「ユミルが面白い話してくれるって言ったのに、話すこと忘れちゃったんだって」
ミカサ「うっかりさん」
コニー「ふーん、まあ気にすんなよユミル! 俺だって自分が何考えてんのかよくわかんなくなるからよ!」
ユミル「…お前みたいな馬鹿と一緒にすんなよ…はあ…」
コニー「何だよため息なんかついて。珍しいな」
ユミル「お前よりは珍しくないつもりだけどな…」
コニー「はあ!? それじゃ俺がなんも悩みがないみてえじゃねえかよ!」
ユミル「何かあるのか?」
コニー「いや…確かにねえけど」
ハンナ→←フランツ
これを壊したらすごいと思うwww
ユミル「それ見ろ。所詮お前は馬鹿なんだよ」
コニー「…んだよ、励ましてやってんのに」ボソ
クリミカ(おや…?)
~数時間後、訓練場~
キース「よし、病欠のブラウス訓練兵以外は全員揃っているな」
エレン「珍しいな、サシャが病欠なんて」
コニー「馬鹿は風邪ひかないっていうのにな…(もしかして昨日のことのせいか?)」
ジャン「サシャよりお前の方が馬鹿ってことが証明されちまったな」
コニー「んだと!? 俺だって風邪くらい引くぞ!」
キース「静かにしろスプリンガー! またこめかみを抉られたいか!」
コニー「い、いえっ!」ビクゥ
キース「本日の馬術訓練は森を使って行う! 調査兵団希望者にとっては、特に重要な訓練だ!」
キース「各員、点呼番号順に馬小屋へ向かい、自分の馬を使って森まで移動、私が到着するまで待機しておけ」
キース「また本日は特別に、現役の調査兵団が特別講師として訓練に参加する!」
エレン(調査兵団っ!?)パァァ
キース「彼らとは目的地の森で合流する。以上!」
104期「ハッ!」ビシッ
~馬小屋~
ハンナ「よし、今日も頑張ろうね!」ナデナデ
馬「お供いたしましょう」
フランツ「なんだ? ここ、壁に穴が空いてる」
ベルトルト「」ビクッ
ハンナ「本当、大きい穴だね。どうすればこんな穴が空くんだろう」
馬「…」チラッ
ベルトルト「…」ドウドウ
馬(ベル)「おうこら腰巾着、見て見ぬふりしてんじゃねーぞワレ」
フランツ「しかしハンナの馬はしっかり毛並みが整えてあるなぁ。主人に似てとても綺麗だ」
ハンナ「もうやめてよフランツ///」
馬「お嬢さん、急がないと訓練に遅れますよ」ヒヒーン
ハンナ「よいしょっと。ほら、フランツも早く!」
フランツ「そう急かすなって」チラッ
馬「?」
フランツ(…雄か。ハンナに欲情とかしたら許さんぞ)ギロッ ストン
馬「まあいいか」パカラパカラ
クリスタ「ミカサ、一緒に行こう!」パカラパカラ
ミカサ「うん」パカラパカラ
ライナー(おおう、クリスタの上下運動再び)
馬(ライ)「ライナーニキ、あっしの背中に硬ぇモノが当たってるんですが…」パカラパカラ
ユミル(いつもは私と一緒にやってんのに…! そういえば、いつも私からアプローチをしていたじゃないか!)
ユミル(…私たちは初めから相思相愛じゃなかったってことか!?)ガビーン
コニー「何ボーッとしてんだよ。置いてかれちまうぞ」パカラパカラ
ユミル「あ、ああ…(それにしても今日はよく話しかけてくるなコイツ…鬱陶しい)」
~訓練兵団管轄『巨大樹の森』~
ジャン「巨大樹の森、ね。立体機動の訓練で何度か来てるが、ここを馬で走り抜けるのは難しそうだな」
マルコ「舗装された道は多分使わないだろうしね…小回りの訓練だろうし」
ダズ「嫌だなぁこういう訓練…訓練で死ぬのだけは嫌だ」
トーマス「ダズお前…そうなった人もいるんだからそういう発言は控えろよ」
ダズ「す、少しは同意してくれてもいいだろトーマス!」
トーマス「そんなマイナス思考はしたくない。なあ、ミーナ」
ミーナ「え、ええ(嫌だなぁ…)」
エレン「調査兵団の人が特別講師って言ってたけど…ん、あれか?」
ライナー「一人は女だな…」
オルオ「おい新兵ども…何ボサッとしてやがんだ? 早く整列しろ」
アルミン「貫録のある人だなぁ…兵歴20年のベテランってところだろうか」
ペトラ「オルオ…本当にその喋り方直した方がいいよ…正直感じ悪い」
アニ「女の方は、私たちとそんな変わらないように見えるけど」
オルオ「フン…ガキはそうやって大人になっていくんだぞ? 俺が汚れ役を引き受けてやっているんだ。それだけの余裕があるからな。お前と違って」
ペトラ「いや…聞いてないし。自分から褒めるように促すのはみっともないよ」
フランツ「―wwヘ√レ―(゚д゚;)―wwヘ√レ―vv―」ピキィィィィン
ジャン「ん、どうしたフランツ」
フランツ「…俺、実は茶髪フェチなんだ」
ジャン「ほう。俺は黒髪フェチだが」
マルコ(ジャンってば…///)
フランツ「あの調査兵団の人のような茶髪は初めて見た…実に美しい」
ジャン「お前にはハンナがいるだろ」
フランツ「ああそうだ、俺は今までハンナの茶髪こそが至高だと思っていた…でも上には上がいるもんだな」
マルコ「フランツ…君は女性を髪の色だけで判断するのか? ハンナと付き合ったのはそれだけが理由なのか?」
フランツ「ハンナのすべてを愛している自信があるが…とっかかりはやはり髪色だった」
フランツ「俺は今、心からあの女性の頭をワシャワシャしたいと思っている」
ジャン「なんか想像よりソフトだった」
フランツ「でもあの人ハンナより可愛くね? 俺含めモブ顔だしさ」
マルコ「メタな発言はやめた方がいいよフランツ」
フランツ「いいなあの茶髪いいな触りたいマジ触りたいあの人マジ天使」
キース「これより馬術訓練を開始する! だがその前に、講師を務める調査兵団の兵士を紹介しよう」
キース「オルオ・ボサド調査兵とペトラ・ラル調査兵だ!」
パチパチパチパチ
オルオ「フン…」ドヤァ
ペトラ「よろしくお願いします」ペコリ
キース「森には6班ずつ入り、中で3班ずつ分かれて先行する調査兵の後を追う」
キース「こんな機会は二度とないぞ! 精鋭の姿を見て学び取れ!」
104期「ハッ!」
ペトラ「それじゃ、4班から5班は私の後ろについて来てね。全速力でいくから覚悟して!」
フランツ(ひゃっほぅアタリ引いた!)ニヤニヤ
ハンナ「なんだか嬉しそうだねフランツ。……講師の先生が可愛いから?」
フランツ「い、いや! そんなことはない! もう一人の人はとっつきにくそうだったから、相対的に良かったなあと!」アセアセ
ハンナ「ふーん…さ、行こうお馬さん」
馬「これはいけないな…」パカラパカラ
フランツ(くぅ…どうにかしてハーレムルートに持ってくことはできないか…)
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→←ミカサ→エレン
サシャ→芋→土←マルコ→←ジャン(覚醒)
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
ダズ→トーマス→???→ベルトルト→アルミン→←アニ
家族←馬←ハンナ→←トーマス→ペトラ←オルオ
お前ら→馬→家族
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→←ミカサ→エレン
サシャ→芋→土←マルコ→←ジャン(覚醒)
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
ダズ→トーマス→???→ベルトルト→アルミン→←アニ
家族←馬←ハンナ→←フランツ→ペトラ←オルオ
お前ら→馬→家族
ダズ「ひぃぃぃぶつかる! あぶない! ああ!」パカラッパカラッ
オルオ「うるせえぞ新兵! 何年訓練やってんだてめぇは! そんな腰抜けでどうする!」パカラッパカラッ
ダズ「ん、んなこと言ったってぇ。なぁトーマス!」パカラッパカラッ
トーマス「話しかけんなよ真面目にやってんだからさ…」パカラッパカラッ
ミーナ「でも確かにきついよ…ジグザグ移動なんてちょっとしかやってないし」パカラッパカラッ
トーマス「そうか? 木と木の間隔はほぼ均等だから、よっぽど無理な方向転換でもなければ大丈夫だよ」パカラッパカラッ
ミーナ「そうかなぁ…」チラッ
ベルトルト(アルミンが上下に、アルミンが上下に!)パカラッパカラッ
馬(ベル)「なんかあたってんよ~」パカラッパカラッ
アルミン「アニ、大丈夫?」パカラッパカラッ
アニ「大丈夫だよ…馬術は私の方が上手いんだからね。アルミンこそ危なっかしいよ」パカラッパカラッ
ベルトルト(もうアニを見ても何も思わなくなってしまった…移り気だな、僕。僕には根気がない)パカラッパカラッ
オルオ(まったくガキのお守りはエルドとかあの辺りの役目だろうに…ペトラとは離れちまうしよぅ)パカラッパカラッ
ガヤガヤ
オルオ「てめぇら私語を慎め! あんまり喋ってっと舌を噛むz」ガチンッ
クリスタ「よっ、ほっ、えいっ」パカラッパカラッ
ミカサ(クリスタは本当に馬術が上手い…)パカラッパカラッ
ライナー(張り切ってるクリスタは可愛いな…結婚したい)パカラッパカラッ
エレン(何とかしてライナーとクリスタをくっつけてえのに…なんでミカサとべったりなんだよ。これじゃライナーが…)
ユミル「…はぁ」
コニー(今日溜息ばっかついてんな…大丈夫かこいつ)
ハンナ「…」ツーン
フランツ「き、機嫌を直してくれよハンナ…(ペトラさんぺろぺろ!)」
馬「私も若いころは妻に誤解されて喧嘩をしたものだが…ふむ」
ペトラ「よし、あそこの幹が赤っぽい木のところで立体機動に移るよ。準備して」
ミカサ「…」シャキン
クリスタ(やっぱりミカサの反応は早いなぁ…かっこいい)
ユミル(…クリスタが、ああ…)パカラッパカラッ
コニー「おいユミル! 早く準備しろよ怒られるぞ!」パカラッパカラッ
ユミル「ん…ああ」シャキン
ライナー「ここだな!」バシュッ
エレン「うおおおっ!」バシュッ
ペトラ「ここからあの岩の辺りまでいくよ! ついてきて!」バシュッ
エレン「さすが調査兵団…動きが違う…なっ!?」バシュッ ギュルンッ
ライナー「おっと、大丈夫かエレン」ガシッ
エレン「あ、ああ…すまん」バッ バシュッ
ライナー「一方に体重をかけ過ぎたんだな。よくあることさ」バシュッ
ミカサ「…! …ふっ! …はっ!」ギュルンッ バシュッ キュワッ バシュッ
クリスタ「わぁ、さすがミカサ、動きが段違いだね!」
ペトラ「本当ね、即戦力になりそう」
フランツ「で、ですね! すごいと思いますよ!」
ペトラ「わっ、びっくりした」バシュッ
ハンナ(…フランツ…あなたやっぱり…)ゴゴゴゴゴ
フランツ「でも現役のペトラさんには敵いませんよ!」
ペトラ「そ、そうかな? でも私なんかよりすごい人がたくさんいるのよ、調査兵団にはね」
フランツ「え!? ペトラさんよりもですか!?」
ペトラ「例えばオルオも私より立体機動は上手いし、リヴァイ兵長やミケ分隊長…私なんてまだまだだよ」
フランツ「あのオルオさんが…意外ですね」
ペトラ「ま、私も納得いかないんだけど」
フランツ「あはは」
ペトラ「ふふふ」
ハンナ「…フランツ」
フランツ「ハ、ハンナ!?(しまった頭が真っ白になってた…)」
ペトラ「邪魔しちゃ悪いね。あと一応訓練中だから私語は最低限でね~」バシュッ ヒュンッ
ハンナ「…どういうこと? ねえ」
フランツ「い、いや違うんだハンナ。俺は君を誰よりも愛している。ただほんのすこし、ペトラさんの茶髪が綺麗だと思っただけで!」
フランツ「決してハーレムを作ろうなどとは思ってなかったよ!」
ハンナ「……フランツなんかもう知らない」バシュッ ヒュンッ
フランツ「ハンナっ!? 待っておくれよハンナっ!」
その日…フランツは思い出した。「二兎追うものは一兎をも得ず」ということわざを…。
ペトラ「よし、じゃあ次の班と交代しなきゃならないから戻ろう。馬を呼び戻す訓練はやったよね?」
エレン「えっと、こうでしたっけ」パクッ
ペトラ「そうそう」
エレン「ッ!」ピィィィィィィィィィ
馬(エレ)「推参」パカラッパカラッ
エレン「おう、良かったちゃんと来た…」
ペトラ「ちゃんと教育された馬だからね。他のみんなも呼び戻して頂戴」
104期「ッ!」ピィィィィィィィィィ
馬たち「おまたせ」パカラッパカラッ
ユミル「…?」ピィィィィィィィィィ
クリスタ「ユミル、馬が来ないの?」
ユミル「ああ…変だな、いつもはちゃんと来るんだが…(クリスタが話しかけてくれた!)」
クリスタ「もっとこうだよ、指をこのくらいまで咥えて…」
ユミル「お、おう」ピィィィィィィィィィ
シーン
ミカサ「…まったく反応がない」
ライナー「参ったな…馬一匹でも貴重だと言うのに」
ペトラ「立体機動に移ってから10分と経ってないし、そう遠くへは行ってないはずなんだけど…」
エレン「俺が探してきましょうか」
ミカサ「迷子になっては大変。私が行く」
エレン「お前…いつまで俺を子供扱いすんだよ。行けるっての」
ペトラ「喧嘩しないの。こうなったのは先導してた私の責任だわ。私が行ってくる」
ライナー「いや、ペトラさんは戻るべきだと思います。後続の班の先導もしなくてはならないでしょう。俺が行きます」
ペトラ「え、でも…」
ミカサ「…じゃあ、ライナーとエレンで行ってきて」
ライナー(ミカサ…)
エレン「だ、だってよライナー!」
ユミル「おい、何勝手に話進めてんだ。こういうのは一応の持ち主の私が行くべきだっつーの」
ペトラ「でもあなたは馬が…」
ユミル「何のための立体機動だよ。全員先に行っててくれ(クリスタにめんどくせぇことやらせたくねーし)」バシュッ ヒュンッ
ペトラ「あ、ちょっと!」
コニー「連帯行動のできねえ奴だなあ…先生、俺が追っかけとくんでみんな連れて戻ってください」
ライナー「珍しいな、コニー」
コニー「なんか知らんが、今朝から様子がおかしいんだよアイツ」
ペトラ「…じゃあ、悪いけどお願いできる?」
コニー「任せといてください。そら、行くぞ!」
馬(カツオ)「ほい来た」パカラッパカラッ
ペトラ「頼もしい子だね。どういう子なの?」
みんな「馬鹿です」
ペトラ「え?」
ハンナ(フランツのバカバカ。もうお馬さんの方が好きだもんね)ナデナデ
馬「…一肌脱ぐしかないな」
すまんが寝る。だんだん長いだけの話になってきてるな…不覚
馬「…」チラッ
馬(フラン)「…?」
馬「フラン、蹄を貸してほしい」
馬(フラン)「察してますよ、先輩」
馬「話が早くて助かる。…頼んだぞ」
馬(フラン)「任せてください」
馬「すまない。…やるぞ!」ヒヒィーン‼ ガバァッ
ハンナ「わっ!? ちょっ、お馬さん、どうしたの!?」
馬「少し我慢してください…」ウィリー‼
ハンナ「きゃあっ!」ドテーン
馬「少し痛くしてしまったかな…申し訳ない」パカラッパカラッパカラッ
ハンナ「あっ、ちょっと、どこへ行くの!?」イテテ
ライナー「ユミルの馬といい、一体何なんだ!?」
ペトラ「ともかく捕まえなきゃ!」ハイヨー
馬(ラル)「事情は察した。ワシも蹄を貸すとしよう」ピタッ
ペトラ「あれ!? ちょっと、何で言うこと聞かないのよ!」
馬(フラン)「馬の察しの良さを侮ってはいけない」
クリスタ「わ、私の馬も動かない!」
ミカサ「こっちも…」
ライナー「俺のもだ…エレンの馬は!?」
エレン「俺のも動かねえよ…どうなってんだ?」
ハンナ「ああ…もう見えなくなっちゃった」シュン
ペトラ「もう、一体何なのy」
馬(ラル)「ロバとは違うのだよ! ロバとは!」パカラッパカラッパカラッ
ペトラ「わっ!? 急に動き出しっ、あっがふっ」ガチン
クリスタ「何これっ、見失った途端に…!」パカラッパカラッ
ミカサ「…しらをかんだ」ナミダメ
クリスタ(かわいい…///)
ライナー「うおおおおおおおおおお!? 止まれ、止まれぇぇ!!」
馬(ライ)「へへ…ライナーニキがあっしの上で…へへ…」パカラッパカラッ
エレン「おい! フランツたち置いてきちまったぞ!?」
ペトラ「ええ!? 何でフランツの馬だけ!?」
ハンナ「みんな行っちゃった…」
フランツ「…」
馬(フラン)「さ、勇気を出して」
ハンナ「…」チラッ
フランツ「…その、ハンナ」
ハンナ「…なに?」ブスー
フランツ「俺の馬を使おう。君の馬が戻ってくるのを待ってるわけにもいかないし…」
ハンナ「…本当はペトラさんを乗せたいんでしょ」ツーン
フランツ「うっ…やっぱり怒ってるか」
ハンナ「当たり前でしょ。私あんな美人さんじゃないし、目移りされたら勝ち目ないもん」
フランツ「ごめん…本当に。でも、これで改めて良くわかったんだ」
フランツ「やっぱり俺にはハンナしかいないよ」
ハンナ「中身のないこと言われても嬉しくない」
フランツ「いや…だって、ハンナにはペトラさんが自分より美人に映ったんだろ?」
ハンナ「それが何?」
フランツ「俺の目には、ハンナの方が美人に映ってるんだよ。これって、俺がハンナを一番に思ってるってことじゃないか?」
ハンナ「…」
フランツ(…正確には補正値の大きさだけど…いいよね!)
ハンナ「…ふん」バッ ストン ギュッ
フランツ「ハンナ…!」
ハンナ「…勘違いしないでよ。馬がないと戻れないからこうしただけだからね」
フランツ「あ、ああ! すまない!(よっしゃああああああああああああああ!!)」
ハンナ(やっぱりフランツの背中は大きくて温かい…///)
馬(フラン)「一件落着か。やれやれ、先輩が無事だといいんだけど」パカラッパカラッ
ユミル(どこまで行きやがったんだあのクソ馬…)バシュッ ヒュンッ スタン
ユミル「っ」ピィィィィィィィィィ
…シーン…
ユミル「こういう損失って私が負うのかね…」
コニー「おーい! ユミル!」パカラッパカラッ
ユミル「あん? 何でお前がここに居るんだよ。クリスタたちと戻ったんじゃねえのか」
コニー「お前馬鹿なのかよ? 常識で考えろよ」
ユミル「お前以外のヤツなら、万が一の場合の同伴者って見方もできんだけどな」
コニー「何で俺だと憶測が変わるんだよ…」
ユミル「まあ一人よりマシってもんか。ここまで走ってくるまでに私の馬を見かけなかったか?」
コニー「いや、見てねえ」
ユミル「となると、最悪森を抜けてどっか行っちまったかもしれねえってか。面倒だな」
コニー「マジで最悪だなそれ…」
ユミル「まあもう少し探してみるけどな。ガスもたっぷり残ってるし」
コニー「あんまりビュンビュン飛んでくなよな…ついてくのがやっとなんだからよ」
ユミル「へいへい…お前がクリスタならどんなに良かったか」ボソッ
コニー「何か言ったか?」
ユミル「なーんも」
ライナー「結局外に出てきてしまったな…」パカラパカラ
エレン「ああ…」パカラパカラ
ペトラ「オルオ! 森の中から馬が出てこなかった!?」パカラパカラ
オルオ「馬だぁ? そんなら出てきたぞ、二匹」
ペトラ「二匹?」
馬「お騒がせしてすみません、皆さん」
馬(ユミ)「ひひーん(棒)」
クリスタ「あっ、この馬ユミルの馬だよ!」
ペトラ「ユミルの…? ってことは」
ライナー「コニーたちは骨折り損だな…」
クリスタ「ま、まあ貴重な馬が無事だったわけだし、良かったよ!」
クリスタ「ユミルにはちゃんとコニーがついてるし!」
エレン「…」
ライナー「…」
ミカサ「…あまり、頼りにはならないかも」
クリスタ「あはは…」ポツッ
クリスタ「?」ポツッ…ポツッポツッ…
エレン「雨だ…」ザァァァァァァ
ライナー「かなり強いぞ…」ザァァァァァァ
キース「危険だな…訓練を一時中止する! 今森に入っているのは?」
オルオ「自分の分担の班は交代のタイミングでしたので、全員そろっています」
ペトラ「私の分担では、ハンn」
フランツ「ははは」パカラッパカラッ
ハンナ「ふふふ」パカラッパカラッ
ペトラ「…スプリンガー訓練兵と、苗字を失念してしまいましたがユミル訓練兵が馬を探しに中に入ったままです」
キース「なるほど、さっきの会話はそういうことだったか。皆ひとまず木の下に入れ。集まり次第訓練所に戻る」
104期生「ハッ!」
キース「ラル調査兵とボザド調査兵は、二人の捜索を頼む」
オルペト「ハッ!」
エレン「教官! 俺も探しに行きます!」
キース「却下だ。経験不足が災いして迷子になられたら敵わん」
エレン「でも…!」
ライナー「よせエレン。人海戦術を使いたいのは教官も同じだ。それをしないのは俺たちの安全に配慮しているからだ」
ライナー「今は調査兵団のベテランに任せるべきだ。そうだろ?」
エレン「…ライナーがそう言うなら…」
ライナー「いい子だ」
ミカサ「…」
コニー「降ってきちまったなあ…」
ユミル「そうだな」
コニー「随分探し回ってるけど、全然見当たらねえし、そろそろ右翼班に出くわしそうなのに出くわさねえ」
コニー「これって、みんな訓練中止してる感じじゃねえか?」
ユミル「かもな。戻るか…」カシュッ
ユミル「…あ?」カシュッカシュッ
ユミル「おいおい…ガス切れかよ」カシュッ
コニー「じゃ、じゃあどうする? 歩いて帰るわけにはいかねえだろ…」ドキドキ
ユミル「お前のガス寄越せよ。この分じゃ今日はお開きだろうし、使うこともねえだろ?」
コニー「待てよ、お前この雨の中、立体機動で行くつもりか!? 枝から脚滑らせたら大怪我だぞ!」
ユミル「じゃあどうしようってんだ? お前の馬に私も乗っけて行こう、とか言うつもりかよ」
コニー「そ、そうだよ…それが一番安全で効率いいだろ。はぐれる心配もねえし…」
ユミル「二人乗りねぇ…」
コニー「なんだよ……嫌か?」
ユミル「…ま、それが一番理に適ってるか」
コニー「お、おう。そうだろ」
ユミル「ったく、何が悲しくてお前に引っ付かなきゃならねぇんだよ」ドスッ
コニー「うっせーブス! 俺だって好きでこんな提案してんじゃねえし!」
ユミル「わかってるよウルセーな。さっさと馬走らせろ」
コニー「言われなくたってやるってんだよ」グイッ
馬(カツオ)「計 画 通 り」パカラッパカラッ
ユミル(こいつ、どうも最近私に気遣いやがるな…まさかとは思いたいが」
コニー(やべぇ、なんかすげえドキドキしてきた…せ、背中が気持ちいいんだが何だこれ)パカラッパカラッ
ユミル(いやいや、そんなことよりクリスタだ。一体何が起これば突然ミカサとべったりに…)
コニー(くそー、もう少し寄りかかりてえ…でも俺バカだしすぐにバレそうだよな…嫌われるのは一番やだし…)パカラッパカラッ
ユミル(…それにしてもコイツ、小せえな。メシはちゃんと食ってるように見えたんだが…いや待て話が戻ってるじゃないか)
コニー「…おいブス」
ユミル「っ! んだよチビ」
コニー「何の打算もなく聞くんだけどよ、お前、好きな奴とかいるのか?」
ユミル「はぁ?」
ユミル「お前とうとう頭おかしくなったのか?」
コニー「いいから答えろよ…ハイかイイエで答えられるだろこんなもん」
ユミル「…、言っておくがなコニー。私はクリスタ一筋だ。知ってるはずだろ104期なら」
コニー「それはつまりあれか…ライナーから聞いた、ニラだかネギとかいうヤツなのか?」
ユミル「は?」
コニー「あれ、違ったか…ハナ…じゃなくてバラ…? ん?」
ユミル「…」
コニー「忘れちまったけど、その、女なのに女が好きっていうヤツか?」
ユミル「百合のことを言ってるのかお前」
コニー「あ、それだ。まあいいだろ名前なんて。それなのか?」
ユミル「お前な…どこまで馬鹿なんだ? マトモなヤツなら本人前にカミングアウトは迫らねえぞ」
ユミル「いかにもだが」
コニー「ふーん…じゃあ、あれか、男には興味とかないのか」
ユミル「……バイはベルトルトしかいねぇよ」
コニー「おい?」
ユミル「ああそうだ、興味ねえ。雄臭ェトコに閉じ込められたら発狂モンだな」
コニー「そうか…」
コニー(やっぱそうなのか…ちくしょう、サシャに悪いことしたな…)シュン
ユミル「…」パカラッパカラッ
馬(カツオ)「うぅ…コニー…」
ユミル「…そろそろ抜ける頃だな」
コニー「ああ…何か人の気配がしてきた」
ユミル「……、」イライラ
ユミル「………、」ガシガシ
ユミル「………はぁ」
コニー(やっぱそうなのか…ちくしょう、サシャに悪いことしたな…)シュン
ユミル「…」パカラッパカラッ
馬(カツオ)「うぅ…コニー…」
ユミル「…そろそろ抜ける頃だな」
コニー「ああ…何か人の気配がしてきた」
ユミル「……、」イライラ
ユミル「………、」ガシガシ
ユミル「………はぁ」アタマポン
コニー「!?」
ユミル「…」ナデナデ
コニー「な、なにしてんだよ…」ドキドキ
ユミル「別に、意味はねぇよ」ナデナデ
ユミル「ただまぁ、お前がいなけりゃ色々面倒だったかもしれねぇからさ」ナデナデ
ユミル「ありがとな、コニー」フッ
コニー「…っ! お、おう…///」
ジャン「お前ら!」
キース「無事だったか。よし、煙弾を…」パァンッ
コニー「すみません教官! ご迷惑をおかけして!」ペコッ
ユミル「…」ペコッ
キース「事情は聞いている。顔を上げろ」
キース「訓練所に戻るぞ。調査兵二人には伝達してある」
104期「ハッ!」
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→←ミカサ→エレン
サシャ→芋→土←マルコ→←ジャン→ミカサ
サシャ→コニー→ユミル→クリスタ
ダズ→トーマス→ミーナ→?
ベルトルト→アルミン→←アニ
家族←馬←ハンナ→←フランツ
ペトラ←オルオ
お前ら→馬→家族
~食堂~
ライナー「…」ジーッ
クリスタ「はいミカサ、あーん♪」
ミカサ「あむ」モグモグ ゴクン
ミカサ「ありがとうクリスタ。あなたに食べさせてもらうと、同じご飯でも美味しく感じる」
クリスタ「えへへ///」
ライナー(…結婚したい)
エレン「…クリスタを見てるのか、ライナー」
ライナー「ああ」
エレン「最近急にミカサと仲良くなったよな、あいつ」
ライナー「そうだな…今まではユミルとべったりだったはずなんだが」チラッ
ユミル「…」チビチビ
エレン「つーかよ、何か異常だとは思わないか、ライナー」
ライナー「ん?」
エレン「ほら、周り見るとわかるけどよ…」
アルミン「へー、なるほど。はは、アニって意外と面白い話持ってるね」
アニ「そ、そう? 興味を持ってもらえたんならいいんだけど…」
エレン「あの二人もあんなに仲良くなかったし…」
ジャン「っ!? な、なにすんだマルコ!」
マルコ「頬に食べかすがついていたんだよ」パクッ
ジャン「お、お前…///」
エレン「あそこもあんなに濃厚じゃなかったし」
ベルトルト(ふふ…アルミンは可愛いなぁ…君はそのまま成長せずに小柄なままでいてくれ…)グフフ
エレン「ベルトルトは…まぁ、わからんでもないが」
ライナー「皆の関係が一気に進展し過ぎていると、そう言いたいのか?」
エレン「ああ…」
ライナー「つまりこれは…俺にも波が来ているかもしれないわけだな」
エレン「は?」
ライナー「内地で学問を志している連中の学校では、夏季休暇を挟んでカップルが乱立する現象があるという」
ライナー「俺たちに夏季休暇なんてものはないが…時期はぴったり整合している。つまり」
ライナー「一年間の暦には、『カップル成立期』が存在している可能性が高い。ならば」
エレン「今、ライナーがクリスタに告白すれば、成就する可能性があるってことか?」
ライナー「ああ!」
エレン「なるほどな…」
ライナー「ただ一つ問題なのが…クリスタが同性愛者である可能性があるということだ」
エレン「クリスタが?」
ライナー「ああ。前はユミル、今度はミカサ…ミカサに関してはクリスタから積極的に絡みに行っている」
ライナー「もし仮にクリスタがレズだった場合…俺のような雄臭さの塊は相手にしてもらえないかもしれん…」
エレン「そ、そんなことねえよ! ライナーは強えし、優しいし、とにかくすげえ奴だ!」
エレン「そんなライナーが相手にされねえはず…」
ライナー「ふふ…まぁ、そうだと決まったわけでもないしな」
エレン「そうだよ! もっとポジティブに行こうぜ、ライナー!」
ライナー「ああ」
エレン(そういえば…昨日医務室に運ばれた時、クリスタがやたらミカサを褒めちぎってたっけな)
エレン(ただ仲が良いだけとは思えねえくらい…いや、むしろ女同士とは思えねえくらいの感情が込もってたような…そんな気がする)
エレン(くそ…なんで俺ちょっと喜んでんだよ…ライナーには幸せになってもらいてえのに、俺、ライナーがフラれると思って喜んでる…)
エレン(最低じゃねぇか…)
エレン(どうすりゃいいんだ…俺、ライナーに幸せになってほしい。クリスタとくっついてほしい)
エレン(どうすればクリスタがライナーに目を向ける? どうすればクリスタがライナーのものになる?)
エレン(クリスタがレズだと仮定して…俺と同じ感性を持っているなら…俺にとってのライナーは、クリスタにとってのミカサだとして…)
エレン(どうすれば、俺はライナーを諦める?)
エレン(…そうか。ライナーが俺以外に好きな奴が居たから俺は諦めた。なら、ミカサがクリスタ意外を好きになればいいんだ…)
エレン(それしかねえ。クリスタからミカサを引き剥がすことでしか、クリスタとライナーをくっつける手段がねえ!)
エレン(ミカサが好きになれる相手…誰だ、誰が居る…!! そうだ!!)
ライナー「そろそろ時間だな…片付けよう」ガタッ
エレン「ああ」チラッ
ジャン「おい、あんまベタベタくっつくなよマルコ」
マルコ「いいだろ? これくらい…」
エレン「…おい、ジャン」
ジャン「あ?」
エレン「悪いマルコ。少しジャンに話してえことがあるんだ」
マルコ「わかった。僕は席を外すよ。じゃあジャン、また後で」
ジャン「んだよ、話って」
エレン「なあジャン…お前って、ミカサのこと好きなんだって?」(アルミンの受け売りだけど)
ジャン「!!!?///」
エレン「図星みてえだな」
ジャン「だ、だからなんだってんだよ! 別に大してミカサのことなんか…」
エレン「情けなくねえのか…お前、ミカサのこと好きなくせに、ちっとも動こうとしねえよな」
ジャン「ッ! 誰のせいだと…!」ガシッ
エレン「クリスタのせいだろ?」
ジャン「…は?」
エレン「クリスタとミカサがべたべたくっついてて、ミカサがレズなんじゃねえかと思って…手が出せねえんだろ?」
ジャン「何言ってんだお前」
エレン「安心しろよ。俺はわかってんだ」
ジャン「会話しろよ」
エレン「ジャン、俺が全力で協力する。だからミカサと付き合ってくれ」
ジャン「だから会話を…え?」
エレン「聞こえなかったのか? 頼む。ミカサと付き合ってくれ」
ジャン「え、え? な、なんだよそれ、どどどどういう…」
エレン「頼む、お前にしか頼めねえんだ、ミカサのことを」
ジャン「え、いや、その、だってお前…ミカサは、お前が好きなんだぞ…?」
エレン「何を訳のわからねえことを。俺たちは家族だ。嫌いって言うはずねえだろ」
ジャン「いやそうじゃなくてだな、ミカサはお前に心底惚れて…」
エレン「お前の勘違いだろそんなの。家族同士で恋愛とかありえねえし。そんなことより頼む!」
ジャン(なんだこれ…どうなってんだ…ホントなにこれ…)
ジャン(だ、だが確かに俺は未だにミカサのことを諦めきれてねえ…童貞も後ろの処女もマルコと分かち合っちまったが…)
ジャン(もしもミカサと付き合えるのなら…付き合いてえ…この気持ちは確かだ…)
ジャン(クリスタ云々の意味がわからなかったが、言われてみれば今朝からミカサとクリスタがベタベタし過ぎてる)
ジャン(エレンの隣にも座らねえし、エレンに向けている好意が薄れているような気もしないでもない…)
ジャン(じゃあ、もし仮にここでミカサに告白することになっても…ミカサの気持ちを踏みにじることにはならないってことに…)
ジャン「ほ、本当にいいのかエレン…」
エレン「ああ。お前だけが頼りなんだ」
ジャン「お前の大切な家族を、俺なんかに任せて…本当に、いいんだな!?」
エレン「何度だって言ってやるぜ。お前にしか頼めねえんだ!」
ジャン「っ…そうか…そうだな…そういうことなら…俺は、自分の気持ちに正直なってやる!」
エレン「よく言ったぜジャン! お前は男だ!」
ジャン「ふぅ…ふぅ…」ドキドキ
エレン「よし、早速今晩告白しよう!」
ジャン「今晩だと!?」
エレン「思い付いたら即行動に移さねえと踏ん切りがつかねえ! 今日決行だ!」
ジャン「ば、おま、それはさすがに急すぎるんじゃねえのか!?」
エレン「てめぇは入団式当日からこっち、ずっとミカサのこと見てきたんだろ…告白の言葉くれぇ何度だって考えただろ!」
ジャン「た、確かに考えたには考えたが…いくらなんでもこんな急に言われて…」
エレン「なんとかしろ。お前ならできるぜジャン。俺が保証する」
ジャン「そ、そうか…?」
エレン「ああ。じゃあ俺はミカサに食堂裏に来るよう伝えてくる。お前は先に行っててくれ」
ジャン「わ、わかった…」ドキドキ
エレン(よし! これでミカサの意識がジャンに向かう!)
エレン(万が一失敗したら…いいや、それはその時考えりゃいい)タタッ
クリスタ「ねえミカサ、今日も一緒に…///」
ミカサ「御意」
エレン「おーい、ミカサぁ!」タタタ
ミカサ「!?」ドキッ
ミカサ「え、エレン…?」
エレン「おう。どうした化け物みたような顔しやがって」
クリスタ「…」
ミカサ「な、何の用…?」
エレン「ちょっと食堂裏まで来てくれないか。お前に話したいことがあるんだ」
ミカクリ「!?」
ミカサ「話したいこと…?」(お、落ち着かなければ…エレンはホモ。話と言っても私の期待する方面のものではない…)ドキドキ
エレン「ああ。来てくれるよな?」
ミカサ「う…」チラッ
クリスタ(エレン、ようやくミカサの気持ちに気付いたんだね…でも何だろう、ちょっと残念と言うか…)
クリスタ(嫌だな…私ってば、ミカサが幸せになれるかもしれないのに…なんて醜いんだろう)
クリスタ(フラれてしまえばいいのにって、思っちゃった…)
ミカサ「クリスタ…」
クリスタ「う、うん…私は大丈夫だから、行っておいでよ」
エレン「ごめんなクリスタ…すぐに話つけるからよ」
クリスタ「うん…」(話がついちゃったら、もうそれでお終いなんだけどね…)
エレン「よし、行こうぜミカサ」
ミカサ「う、うん…行こう」
エレン(後はジャン頼みだ…ジャンがミカサを落としてくれさえすれば、ライナーにチャンスが生まれる!)
クリスタ(そうだよね…ミカサにしてみれば、エレンと一緒になるのが一番の幸せだもん。ここは我慢しなきゃ…駄目だよね)
ミカサ(エレンは何を伝えようとしているんだろう…もしかして、ライナーにフラれたから私に…もしそうならあの筋肉達磨に然るべき報いを…)
ライナー「へくちっ!!」
ベルトルト「おや、風邪かい? ライナー」
ライナー「かもな…誰かが俺の噂でもしてるんじゃねえか…」
ベルトルト「ははは、あるかも」
ライナー「そういえばベルトルト…お前も大変だな」
ベルトルト「え?」
ライナー「いやほら、アニとアルミンがいい感じになってるじゃねえか…」
ベルトルト「ああ、そのことか。構わないよ」(そういえばライナーは昨日のこと知らないのか)
ライナー「は? お前、あれだけアニアニ言っていたじゃないか。さすがに七年も経つと飽きちまうのか?」
ベルトルト「いや…完全に諦めたわけじゃないけど…もっと好きな人ができてしまったからね」
ライナー「…にわかには信じがたいな…お前がアニ以外の女を好きになるなんて」
ベルトルト「そう?」(正確には女の子ではないけど)
ライナー「ああ。一体誰だ? クリスタか?」
ベルトルト「いい線だね。小柄な割に度胸があって、とても可愛い人だ」
ライナー「また小柄なヤツか。お前デカいんだし、ちょっとは長身の女にも目を向けたらどうだ?」
ベルトルト「身長や体格で好き嫌いを左右するなんてナンセンスだよライナー」
ライナー「そりゃそうだが」
ベルトルト「そう、僕は間違っていたよ…高身長が絶対的な魅力だと思っていたけど、あんな姿を見せられてしまってはね」
ベルトルト「ある意味、そのギャップこそが最大の魅力かもしれない…アニが惚れるのも当然だね」
ライナー「? 何をボソボソ言ってるんだ」
ベルトルト「いや、何でもないよ」
ライナー「そうか? まあアニとアルミンのことについて何も思っていないのなら構わんが」
ベルトルト(何も思ってないわけじゃないけどね…アニへの気持ちが完全になくなったわけではないし)
ベルトルト(アニとアルミン両方を僕が抱え込めるようにはならないものか…)
ライナー「それよりベルトルト、聞いてくれ」
ベルトルト「ん?」
ライナー「俺は今日、クリスタに告白をしようと思っている」
ベルトルト「え」
ライナー「なんだよ、えっ、て」
ベルトルト「いや、その、え? なんで今頃…」
ライナー「何だ、お前は気付いていないのか? 今俺たちに向かって吹いている『恋の風』を」
ベルトルト「何を言っているんだ君は…」
ライナー「アルミンとアニが付き合い…今日の訓練ではコニーとユミルがいい感じだった」
ライナー「単に仲が良くなっているという点に着目すればジャンとマルコやミカサとクリスタも含まれる」
ライナー「これだけ周りの関係式が変化しているということは、俺たちにも風が吹いていると考えていいんじゃないのか!?」
ベルトルト(言われてみれば…確かに少し妙なくらい、昨日の今日で周囲のシマの様子が変わっていたな)
ベルトルト(アニとアルミンもそうだし…)
ライナー「な? 卒業までそう時間もない。思い立ったが吉日、今こそ動き出すべきだと俺は思う」
ベルトルト「はぁ…」(ということは、あわよくば僕もアニとアルミンの両取りができるかもしれないのか?)
ライナー「とは言うものの、俺一人では決心が鈍ってしまうかもしれないんでな…ベルトルト、俺を応援してくれるだろうか」
ベルトルト「それはもちろん、するよ。今この時間しか、僕らがまだ気楽に兵士でいられる時はないから…せめてもとは思う」
ベルトルト「成功、失敗によらずね」
ベルトルト「応援しているよ、ライナー」
ライナー「すまんなベルトルト…感謝する!」
ベルトルト「それで、どうするつもりなんだい? もう消灯まで間もないよ」
ライナー「既に女子寮に根回しはしてあるんだ。後は指定した時間に待ち合わせ場所に設定した食堂裏へ行けばいい」
アニ「…まったく、なんで私がこんなことを」コンコン
クリスタ『はい? どなたですか?』
アニ「アニだよ。ちょっと入れてもらえる?」
ガチャ
クリスタ「どうかしたの?」
アニ「ちょっと伝言を預かってるんだ。ライナーから」
クリスタ「ライナー? 何だって?」
アニ「22時に食堂裏へ来てくれだとさ。すぐ終わるって言ってたから、行ってやってほしい」
クリスタ(食堂裏って…エレンがミカサを呼びつけたところだ。…様子が見に行けるかも)
クリスタ「うん、わかった。ありがとう」
アニ「うん」
バタン
アニ(さてと、用も済んだし寝ようかな)テクテク
アニ(しかし、ライナーのやつ本気なのかな。クリスタ相手じゃ色々無理がある気がするんだけど)テクテク
ガチャ
ミーナ「あ、アニ。どこ行ってたの?」
アニ「ちょっと頼まれごとがあってね」
ミーナ「そ、そうなんだ」ソワソワ
アニ「何か変だけど、何かあったの?」
ミーナ「うん、その…さっきトーマスに告白されちゃってさ…」
アニ「へえ」
ミーナ「もうちょっと関心持ってよ! 重大事でしょ!」
アニ「…惚気話聞かされても困るし」
ミーナ「惚気話じゃないよ。…断ったもん」
アニ「それは意外だね。あんたトーマスと仲良いように見えたのに」
ミーナ「トーマスはいい奴だと思うよ。でも私、別に好きな人がいるから…」
アニ(私と同じ立場ってわけか…)
アニ(ベルトルトは強引な手段に出た最低野郎だからまだしも、トーマスは少し可哀想かな)
ミーナ「それで、その好きな人なんだけど…」
アニ「…それも話すの?」
ミーナ「むしろ大事なのはここからだよ」
アニ「てっきり相手を傷付けたんじゃないかっていう相談だと思ったんだけど」
ミーナ「違うよ。それでねアニ。落ち着いて聞いて欲しいんだけど」
アニ「…どうぞ」
ミーナ「私と、付き合ってくれないかな///」
アニ「…え?」
\ \ヽ i| / /
お断りだあああぁぁ!!
\ ヽ | / /
_ /|
 ̄ rλノ ヽノし― ̄
_ ) ハ_ハ ( _
― ̄( (゚ω゚ ) /―_
) c/ つ(
y | | <
> Lノヽ) ノ
アニ「は? え?」
ミーナ「ずっとアニのことが好きだったんだよ!」
アニ「え、あの、え…その、好きっていうのはつまり…」
ミーナ「もちろん性的な意味でだよ!」
アニ「」
ミーナ「アニは女の子で小柄なのに、すごく強いでしょ? しかもクールに見せて実は結構優しいし…そういうギャップに、私弱いんだ」
アニ「」
ミーナ「もう何度襲いかけたかわからない…寝ているアニの寝顔を眺めるのは日課だった…でも、私は知ってしまった」
アニ「何に…?」
ミーナ「マルコがジャンを落としたという事実…そのケのない人とカップルになったという事実に」
ミーナ「私は確信したよ。まさに今、同性愛の波が来ているって」
アニ「ま、待ってよ。仮にそうだとしても、私はミーナの気持ちには応えられない…私にだって好きな人はいるし」
ミーナ「…アルミン?」
アニ「う…///」
ミーナ「……ねえ、アニは知ってたっけ?」
アニ「?」
ミーナ「アルミンがサシャを好きだっていう話」
アニ「!?」
ミーナ「なぁんだ…知らなかったんだねアニ。私昨日の夕方アルミンと話をしたんだけどさ」
ミーナ「『今日はサシャと一緒にご飯食べる約束をした』って、すっごい嬉しそうにしてたんだよ。頬を紅潮させて興奮気味に」
ミーナ「だからアルミンは諦めた方がいいよ。サシャとアニじゃタイプが違い過ぎるもん。きっとアニはアルミンの好みじゃないんだよ」
アニ「い、いや! そんなことない! だって昨日の夜、付き合おうって言ってくれた!」
ミーナ「じゃあ騙されてるんじゃないの? アニ。サシャを落とせるまでの間、繋ぎとしてストックされてるんだよ」
アニ「そんなこと、ない…よ。だってとてもそんな風、には…」ブルブル
ミーナ「可哀想なアニ…心当たりがまるでないわけじゃないんでしょ?」
アニ(…確かに、アルミンがサシャに話しかける姿は何度か見てるけど…そういう意図があったようには…でも…言われてみれば…)ガクガク
ミーナ「ね、やっぱり男なんて碌なのがいないんだよ…」ドサッ
アニ「そんな…そんなのって…アルミン…私は…」
ミーナ「大丈夫だよアニ、今から、私があなたの傷を癒してあげるからね…」ヌギッ
~現在公開可能な関係~
エレン→ライナー→クリスタ→←ミカサ→エレン
クリスタ←ユミル←コニー←サシャ→芋→土←マルコ→←ジャン→ミカサ
トーマス→ミーナ→アニ→←アルミン←ベルトルト
ハンナ→←フランツ
オルオ→ペトラ→?
このSSまとめへのコメント
いつの間にか完結しとった…!?