エレン「友達ができない」アニ「友達が欲しい」
エレン「格闘術の成績上げたい」アニ「…(私が教えてあげるよ!)」の続編です。
前回までのあらすじ
『アニはエレンと友達になって、更には格闘術の自主練まで一緒にやるような親友にランクアップした(と思い込んでいる)』
エレン「」ニコニコ
アルミン「やぁ、エレンどうしたんだい?やけにご機嫌だね」
ミカサ「っっ!て、天使の微笑み……こんな素晴らしいものをもらって、私にはお返しするものがない。ので、せめてこの身を捧げるっ!」ヌギヌギ
エレン「ミカサ、ちょっと動かないでくれ」
ミカサ「わかった」
エレン「機嫌いいのわかるか、アルミン」
アルミン「そりゃわかるよ。そんな顔してたらね」
エレン「そうか。いやな、このところ格闘術の成績がメキメキ上がってて嬉しくてさ」
アニ「」ピクッ
アニ(えぇ~!なんか嬉しい言葉が聞こえましたけどっ///)
アルミン「あぁ、そういえばそうだね。教官が珍しく褒めてたもんね」
ミカサ「エレンは本当によく頑張っていた。ので、その成果が出て、私は本当に嬉しく思う」
アニ(ここにも嬉しく思ってる人いますよっ!)
エレン「あぁ、ありがとな。でもまぁまだお前にも……あとアニにも歯が立たないから、もっと頑張らないとな!」
アニ(わわわ、私の話を他の人にもしてるっ!これはもう親友の証だよね)
アルミン「成績上がりだしたのって、アニと自主練し始めてからだよね?」
エレン「……あぁ」
アニ(み、認められた…私認められた)ジーン
アルミン「アニはちゃんと教えてくれるの?」
エレン「それがな、最初は、いや今もか……とにかくただボコボコにされてるだけだと思った。あいつ何考えてるかわからない奴だし、マジで怖かったよ」
ミカサ「やはり…アザがあんなとこやこんなとこにあったから、心配してたけど、あの女狐め…」
エレン「アルミンも前に言ってたけど、俺アニめちゃくちゃ嫌われてると思ったよ。そのくらい殴る蹴るだからな」
アニ(…はっ!あまりの嬉しさにぼんやりしてしまった///こんな機会は滅多にないんだし、しっかり会話聞かないとっ!)
アルミン「あはは、そういえばそんなこと前に言ったね」
アニ(ん?そんなこと?何だろ?んもぅ聞き逃しちゃったよぉ)
エレン「でもあれはちゃんと訓練になってたんだよ。しかもめちゃくちゃ質の高いな」
ミカサ「ズボンの中まであんなにアザだらけだったのに?」
エレン「あぁ、あれは多分、俺の隙が見えるとこを狙ってたんだよ。ってかいつアザ見た?」
ミカサ「…」
エレン「まぁいいや。とにかく理にかなってたってことだ」
アニ(そう!そうなの!何度も打たれてる内に、身体が自然とそこを守ろうとするようになるんだよっ!)
エレン「そのおかげで隙が少なくなったし、身体も前より動くようになったと思う。技も覚えたしな」
アニ(良かったぁ~!私ちょっと口下手だから、動きで見せた方が早いと思ったんだけど、ちゃんと理解してくれてたっ!)
ミカサ「エレンの成績が上がったのは本当に良かった。けど、そのせいでエレンに色目を使う女たちがこのところ爆発的に増加した。ほら今も…」
エレン「あぁ?そんな奴いないだろ」キョロキョロ
モブ女たち「あっ!エレンがこっち見たよっ!」キャーキャー
アニ(ん?いろめ?って何だろ?)
ミカサ「ちっ!あいつらにはしかるべき報いを…」ギロリ
アルミン「ま、まぁまぁミカサ落ち着いて。でも本当に良かったね、エレン。これはアニに感謝しないとだ」
エレン「感謝、か……そうだな、感謝しないとな!」
アニ(かかか、感謝っ!?そそん、そんなつもりで教えてたんじゃないんだけどなぁっ)
エレン「ってもどうすりゃいいんだろうな」
アルミン「お返しって難しいよね」
ミカサ「わかる」
エレン「そうだなぁ。いっそ本人からなんか言ってくれたらいいんだけどな」
アニ(っっ!えぇっ?いいい、いいの?そんなお願いしちゃっていいの?わわわ、私からっ!?)
アニ(ももも、もしだよ、もし、お願いするなら何かなぁ、一応考えるだけ……)
アニ(あ!……して欲しいことあるっ!う~ん、でも、そ、そんなこと言っちゃってもいいのかな?でもエレンは言ってくれた方がいいって言ってるし…)
アニ(よよよ、よし!言っちゃお!おおお、お願いしちゃうもんね!)
アニ(い、今?!今言うべき!?)
アニ(今なの!?アニ・レオンハート!?)
~自主練~
アニ(結局言えないまま今日まで来てしまった…)
アニ(きょ、今日こそ言うぞ!覚悟も準備もしてきたし、頑張るんだ!アニ・レオンハート!)
エレン「アニ、今日もよろしくな」
アニ「あぁ(と、とりあえずそれは一旦忘れて、今は訓練に集中しよう……よろしくね!エレン)」
アニ「しっ!」
エレン「うごっ!」ドサッ
アニ「ふん…(疲れてくると太腿が無防備になるよ!気をつけてねっ)」
エレン「いつつつ…」
アニ「早く立ちなよ(だ、大丈夫かなっ?ててて、手貸した方がいいのかなっ?ででで、でも友達なのに手なんかつないじゃったら…///)」
エレン「っくそ!も、もう一本!」
アニ「は、ちゃんと構えてから言いな(しっかり構えないと思わぬ怪我するんだからね!気をつけないとだよ、エレン)」
エレン「これでいいか!」スッ
アニ「ふん(いいねいいね、無駄な力抜けてるよっ!)」スッ
エレン「も、もうダメだ…」グテン
アニ「今日は終わりだね( お疲れ様、エレン!今日も頑張ったねっ!)」
エレン「あぁ、さすがに疲れた…」
アニ(はっ!お、お願いどうしよ!?きょ、今日こそ言おうと決めてきたんだけど…)
エレン「あ、そうだ、アニ」
アニ「な、何?」ビクッ
エレン「あのさ…自主練付き合ってくれて、本当にありがとな」
アニ「ふ、ふん(ふぁぁぁっ!面と向かってお礼を言われてしまったぁっ!///)」
エレン「アニのおかけで、成績メキメキ上がってさ、少しずつ自信もついてきたぜ」
アニ「は、そりゃどーも(へぇぇぇっ!ととと、とんでもない!エレンが頑張ったからだよぉっ!私はほんのちょっと手助けをしただけ……親友として…なんてねっ!)」
エレン「すげぇ感謝してる。だからさ、なんかお礼したいんだけど、なんか思いつかなくて……」
アニ「お礼ねぇ(ままま、まさかのエレンからのパス!こ、ここまで助けてもらって言わないのは、女がすたるよねっ!)」
アニ(よよよ、よし!言うぞ言うぞ~お願しちゃうぞぉ~!すごいお願いしちゃうんだからねっ!)
アニ「じゃ、じゃあさ…(い、いけ!いくんだっ、アニ・レオンハートっ!)」
エレン「おっ!何だ?」
アニ「こ、ここ今度の休みに アルミン「エレーン!」
アルミン「ご、ごめんね、自主練中に。なんか抜き打ちで部屋の検査があるみたいで…」
エレン「マ、マジかよ!わ、悪いアニ、俺戻らなきゃ」
アニ「ふん、いいよ。早く行けば?(おし~いっ!もう少しだったのにぃ)」
アニ(……あっ!カンペがある。言葉が出なかった時用に作っておいた、アニちゃんのマル秘カンペが!これを渡せば…)」ガサガサ
アニ(あ!そうだ、ちょっと注意書きを足して…)カキカキ
アニ「ん、これに書いてあるから(は、恥ずかしいから1人で読んでねっ!)」
エレン「へ?何が」
アニ「さ、さっきの話の続き(もう…エレンは鈍いなぁ!お願いごとが書いてある、なんて言わせないでよね///)」
エレン「あぁ、お礼の件か!これ読めばわかるんだな?」
アニ「」コクリ
エレン「わかった。ちゃんと読んで、また声かけるからよ。…へへへ、それにしても手紙まで用意してるとは、ちゃっかりお礼のこと考えてたんだな」
アニ「は…(わわわわわっ!そ、そんな!い、いや、確かに準備はしてたけど、別にお礼が欲しかったから教えてたわけじゃなくて!)」
アニ(あぁ!だめだぁ!やっぱり返してもらおう!は、はしたない女になっちゃう!)
アニ「あ、あのさ、やっぱり返 アルミン「エレーン!」
アルミン「エレン!早くっ!」
エレン「わかったよ!悪い、アニ、またなっ!」ダダダッ
アニ「」ポツン
アニ(あぁ~!わ、私は何てことを…。お父さん、アニは、アニは…教えてもらった格闘術をエサに、お願いごとをするような、はしたない女の子になってしまいました…うぅ…)
アニ(……で、でも声かける、だって!ど、どうしよ、恥ずかしいけど……楽しみすぎるっ!楽しみすぎるよっ!)
アニ(だだだ、大丈夫!きっと大丈夫だよね。だってエレンと私は友達だもんねっ!)
~宿舎~
エレン「危なかった…やばいもんはなかったけど、部屋が汚いだけで罰があるからな…」
エレン「あ、そうだ、さっきアニからもらった手紙見なきゃ。それにしても手紙にお礼書くってどんだけだよ」ハハハ
エレン「さ、なんて書いてあるんだ?」ピラッ
『格闘術を教えたお礼として、エレン・イェーガーは、アニ・レオンハートを次の休日に街へ連れて行くこと』
エレン「」
『その際、エレン・イェーガーは、アニ・レオンハートをしっかりとエスコートし、楽しませなければならない。ただし我々の関係上、奢りはなし。割り勘が鉄則である』
エレン「な、なんだこれ?俺はあいつを街に連れてけばいいのか?」
エレン「エスコートし、楽しませなくてはならない、って妙なハードルが…」
エレン「しかも奢りはなし、って…こんなこと普通わざわざ書くか?我々の関係上って何だ?う~ん、格闘術を教えてもらってる立場?」
エレン「…はっ、もしやこれは裏返しの意味で、教えてもらって感謝してるなら、空気読んで奢れってことか?そうじゃなきゃこんなことわざわざ書かないよな…うわぁ、金足りるかなぁ…」
エレン「いや、そこも心配だが、楽しませるって方がもっと問題だな。女と2人で出掛けるなんて、ミカサ以外としたことねぇから、何すりゃいいかわかんねぇぞ」
エレン「しかもよりによってアニ…何すりゃ喜ぶのか全くわかんねぇよ…」
エレン「もし、楽しませられなかったらどうなるのか…」ゾクッ
エレン「と、とりあえずアルミンに相談してみるか…」
エレン「ん?何か紙の端に殴り書きがあるぞ」
『注 これを読んだら即刻、火で燃やせ』
エレン「……悪の組織かよ」
今日の更新は以上になります。
のろのろですいません。
続きは、明日以降に載せていきますのでよろしくです。
おはようございます、1です。
続きを少しだけ更新します。
エレン「アルミン、ちょっといいか?」
アルミン「何だい?」
エレン「ちょっと相談があるんだけどさ」
アルミン「改まってどうしたの?」
エレン「…あのさ、恥ずかしいんだけどよ、あぁなんて言ったらいいんだ」
アルミン「エレンらしくない態度だね、どうしたんだい?」
エレン「あぁっもう言うぞ!お、女と街に出かけて楽しませるのってどうすりゃいい?」
アルミン「へぇっ驚いたっ!エレンがそんなこと言うなんて!…ちなみに相手は誰?」
エレン「べ、別にいいだろ!(…言わない方が何かと良さそうだよな)」
アルミン「あぁ、そうだね。野暮なこと聞いてごめんよ(ミカサ、良かったね。ようやくエレンに思いが通じたんだね)」ホロリ
エレン「で、どうすりゃいい?頼む!失敗したらどうなるかわからないんだ(アニのことだから、何があるか本当にわからねぇ…)」
アルミン「大げさだなぁ(ミカサならエレンが誘ってくれたってだけで充分だと思うけど。まぁしっかりエスコートしたいっていうエレンの気持ちもわからなくないし、良い傾向だね)」
アルミン「そうだなぁ。ただあいにく僕も、女の子とデートしたことないから、ちゃんとしたアドバイスができない」
エレン「だからデートじゃないって!ってか、なんだよ~!アルミンしか頼りになる奴いないのに…」
アルミン「まぁまぁ、落ち着いて。協力しないとは言ってないよ」
エレン「でもアドバイス出来ないんだろ?」
アルミン「僕はね。ただ、そんなエレンの頑張りを応援するためなのか、本当に素晴らしいタイミングだよ。ちょっと前にこんなノートを見つけたんだ」
エレン「何だそりゃ?普通のノートじゃねぇか」
アルミン「昔の訓練生、まぁ僕らの先輩にあたるのかな?その人が置いてったメモ帳みたいだね」
エレン「メモ帳?」
アルミン「まぁほとんどが落書きみたいなものなんだけど、その中で面白い記述を見つけたんだ」
エレン「何だ?ってかよくそんなノート読む気になったな」
アルミン「…人のノートってなんか読みたくならない?」
エレン「まぁ、わからなくもないけど」
アルミン「まぁいいや、その中にね、なんと『俺的ベストデートコース』っていうページがあったんだ」
エレン「俺的ベストデートコース?頭悪そうだな」
アルミン「まぁまぁ、ネーミングセンスはさて置き、この作者、コースを決めるのに案を練りに練ったみたいで、このページの前にはかなりの試行錯誤の後が見られた」
エレン「へぇ、相当頭使って考えたコースなのか」
アルミン「そうだね、正直書いてあるスポットで、僕にも何をするのかよくわからない場所があったけど、少なくともそんな僕らの考えよりは、このノートを頼った方が良いんじゃないかな?」
エレン「…そうだな、こうなったらこのノートのコースをそのまま使う方が良さそうだ」
アルミン「うん、それが良いと思うよ。でも僕を頼ってくれたのに結局、他力本願になっちゃってゴメンよ」
エレン「いや、充分だ。こんな良いアイテムくれたしな!やっぱアルミンは頼りになるぜ」
アルミン「ははは、ありがとエレン」
エレン「それにしても、これ書いた人どんな人なんだろうな?」
アルミン「あぁ、それが意外と几帳面みたいでちゃんと名前書いてたよ」
エレン「マジかよ。その人もこんな風に後輩に見られるとは思わなかっただろうな。でももし会えたらお礼言いわないとな」
アルミン「気が早いね、エレン。お礼は成功してからじゃないと」
エレン「ははっ、それもそうだな。で、何て名前の人なんだ?」
アルミン「え~とね『オルオ・ボザド』って書いてあるね」
エレン「オルオさんか!どんな人なんだろうなぁ」
~食堂~
エレン「あ~、アニちょっといいか?」
アニ「ふん…何?(わわわ!エ、エレンが声かけてきた!こっこれはもしや、お出掛けの件かなっ?)」
エレン「(うわ、相変わらず不機嫌だな)この前のことなんだけどさ」
アニ「この前のこと?(や、やっぱりお出掛けの件だっ!来たよぉ~)」
エレン「あれだよ…ま、街に行くってやつ」
アニ「あぁ…あれね(ふふふ、わかってるけど、ちょっととぼけてみるアニちゃんなのでした)」
エレン「次の休日でいいんだよな?」
アニ「そ、そうだね(う…なんか恥ずかしくなってきたぞ///)」
エレン「じゃあ次の休日、街の入り口の噴水前に10時に来てくれるか?」
アニ「…ふん(きゃー!とうとう誘われちゃったよぉっ!これ、ままま、待ち合わせってやつだ!)」
エレン「…これでいいか?」
アニ「い、いいよ(もうっいいに決まってるじゃん!)」
エレン「そっか(良かった…なんか問題があるのかと思った)」
アニ「あ、ちなみに10時ってのは朝?(危ない危ない、ちゃんと確認確認っ!)」
エレン「へ?そりゃそうだろ。夜の10時なんて門限すぎちゃうだろ」
アニ「は…ジョークだよ(そそそ、そりゃそうだよね!うっかり)」ハズカシッ
エレン「へぇ、お前もジョークとか言うんだな?」
アニ「ふん、何それ(いやぁーー!掘り下げないでぇっ///)」
エレン「まぁいいか。そういうことだからよろしくな。あ、あんまり期待するなよ?」
アニ「わかってるよ(なんてね!期待するに決まってるじゃんもぅ!)」
エレン「じゃあ、またな」
アニ「あぁ(うん!またねっ!楽しみにしてるよっ!)」
アニ(エエエ、エレンが誘ってくれたっ!やった…やったねアニちゃん!)
アニ(早く休日にならないかなっ!楽しみ*)
アニ(し、か、も…待ち合わせ、だって!待ち合わせなんて初めて!本でしか読んだことないよっ!待ち合わせって、本当に存在したんだね!)
アニ(うぅ…ででで、でも、いざ2人で出掛けるとなると緊張してきた…まだ休みまで日にちあるのに、今からこんなんじゃ身がもたないよぉ)
アニ(よ、よし!日にちはあるんだし、身も心もしっかり準備しよう。とりあえず自分でできることは準備して、あとは…)
アニ(…ライナーに相談しよ)
1です。
少しだけ更新します。
小出しになってしまってすいません。
ライナー「お、アニか。どうした?」
アニ「……相談があるんだけど」
ライナー「あぁ、いいぞ。なんだ?」
アニ「あ、あのさ…男と、で、出掛ける時…気をつけた方が良いことってある?」
ライナー「ん?なんだって?(お、男と出掛けるって言ったのか?あのアニが?)」
アニ「……///」
ライナー「あ、あぁ、すまんな。男と出掛けるって言ったんだよな?も、もしかして……エレンか?」
アニ「///」コクリ
ライナー「へぇ、2人でデートする仲にまでなったのか。すごい進展だな」
アニ「デデデ、デートなんかじゃないよっ!(あ、あれ?男女2人で出掛けるのって、デ、デートになるの?)」
ライナー「あ、あぁ、悪い。友達同士、だったよな?」
アニ「そ、そうだよ、勘違いしないで(そそそ、そうそう!友達同士だからデートじゃない!うんうん、だいじょぶっ!)」
ライナー「で?何が聞きたいんだっけ?」
アニ「…気をつけた方が良いこと」
ライナー「気をつけた方が良いことねぇ…そんなに警戒しなくても大丈夫だと思うぞ?ただ出掛けるだけなんだろ?」
アニ「」コクリ
ライナー「ま、相手はあのエレンとは言え、男だからなんかの拍子で狼になるかもな?」ニヤニヤ
アニ「え?男って2人で出掛けると狼に変身するの!?(男には、へ、変身能力があるってこと?何のためだろ?場を盛り上げるためとか?)」
ライナー「…あ~、悪い、冗談だ。忘れてくれ(こいつ意味わかってないな。まったくどこまで子供なんだ…ま、エレンも似たようなとこあるし、意外とお似合いかもな)」
アニ「なんだ、冗談か(そりゃそうだよね…エレンが狼化するところ見てみたい気もするけど)」クスクス
ライナー「で、逆に聞くけど、何か気にしてることがあるのか?」
アニ「こういうことよくわからないから、あんまり考えてないけど、少しだけなら」
ライナー「そうか、じゃあ話せる範囲でいいから教えてくれるか。何かアドバイスできるかもしれん」
アニ「わかった」
アニ「まず服装なんだけど、普段はズボンだからここはスカートで行こうと思う。ギャップを狙ってね。でも、こいつ気合い入りすぎじゃね?って思われない程度のものにするつもり。あと、食事は割り勘にする。友達だし、変に気を使わせるの嫌だからそこは厳守で。事前に伝えてあるから大丈夫だと思うけど。あとは買い物する時…」ペラペラペラ
ライナー「」
アニ「って感じなんだけど、どうかな?もっと気をつけた方がいい?」
ライナー「完璧」
~そして当日~
アニ「……」ドキドキ
アニ(何かあったら困ると思って、待ち合わせの3時間前に来てみたけど…)
アニ(特に何もなく……でも遅れるよりずっといいもんね!)
アニ(色々考えてたらあっという間に時間過ぎちゃったし)
アニ(……何度考えても不安が取れない)
アニ(ライナーは私の気遣いなら心配ないって言ってくれたし、大丈夫!……かなぁ?)
アニ(そ、それとやっぱ服装、変じゃないかな?)
アニ(いつもと違ってスカートとかはいちゃったけど…何度考えても恥ずかしい)
アニ(気合い入りすぎとか言われないかなぁ?でもライナーも褒めてくれたし、大丈夫だよね!)
アニ(せっかくだし、可愛い恰好するって決めたんだもん!心を強く心を強く…)
アニ(そ、それにしても、ま、待ち合わせって、ただ待ってるだけでこんなに緊張するんだねっ)
アニ(というか、もう待ち合わせの時間だけど、エレン来ないなぁ…どうしたんだろ?)
アニ(……はっ!もしかして私、待ち合わせの場所間違えてる!?)
アニ(街の入り口の噴水前…って確かに言ってたけど。ももも、もしかして私が知らないだけで、もう一箇所同じようなところがあるとかっ!?)
アニ(えぇ~!どうしよぉ…。探してみた方がいいかなぁ?でも単に少し遅れてるだけだったら、エレンとすれ違っちゃうかも…)
アニ(あぁ、なんでもっと早く気付かなかったんだろ?あんなに時間あったのに…バカだぁ、私)ウロウロ
アニ(あ!その辺歩いてる人に聞いてみればいいんだ。知ってれば教えてくれるよねっ!)
アニ(よ、よし、知らない人に話しかけるの苦手だけど…頑張るぞっと)
アニ「ねぇ、ちょっと(え、笑顔笑顔!)」ギロッ
街人「な、なんですか!?(うわぁ、なんか怖え女に声かけられたよ…)」ビクッ
アニ「あのさぁ、この街にこういう場所、もう一つある?(よよよ、よしちゃんと聞けた!)」
街人「ひっ、ごめんなさい!(怖ぇ!とりあえず謝ろう)」
アニ「は?(なんで謝ったんだろ?あ、この人知らないのかな?)」
アニ「こういう噴水が他にもあるかって聞いてるんだけど?(それとも聞き方悪かったかな?)」
街人「へっ!?ふ、噴水ですか?……ほ、他にはなかったと思います」
アニ「あ、そ。邪魔したね(良かった!場所はここで良かったんだ!)」
街人「い、いえっ、では!(ば、場所聞かれただけか?あんな顔で迫ってくるからカツアゲかと思った…と、とにかく気が変わらない内に離れよう)」ダダダッ
アニ(と、するとエレンはなんでまだ来ないんだろ?)
アニ(はっ!も、もしかしてやっぱり私と出かけるの嫌になったとか!?)
アニ(……いや、エレンは約束を破るような人じゃない!そんなことしないもん!……一瞬でも疑っちゃったアニちゃん、反省だぞっ)
アニ(となると、もしかして…事故?そそそ、そんなことがあったら私…)ウルッ
エレン「悪いっアニ!」
アニ「っ!(エレンだ!)」パアアアッ
エレン「出る直前にちょっと教官につかまっちゃってさ。ちょっと遅れちまった!待ったか?」
アニ「どうだか…(うぅん!全然待ってないよ!たったの3時間だしっ)」
エレン「す、すまん(やべぇ…かなり待たせたのか?)」
アニ「まぁ、いいよ。で、どうするの?(エレンのエスコート楽しみにしてたよっ!)」ワクワク
エレン「あ、あぁ(オルオさんのメモには…)」
『まずは会ってすぐ、服装を褒めろ』
エレン(服装を褒めろだぁ?んなことしたことねぇよ…ん?でもこいつ珍しくスカートなんかはいてるな……これだな)
エレン「あ~…スカート、珍しいな」
アニ「っ!……変?(いきなりツッコまれた!やっぱ変かな?)」ウワメヅカイッ
エレン「っ!」ドキッ
エレン「(な、なんだ一瞬変な感じしたぞ?目付きが怖かったからか?そ、そうだよな)」
エレン「い、いや、いい…と思うぞ」
アニ「そ、そう!(ぱんぱぱ~んっっ!褒められた…エレンに褒められたよっ!良かった…おめかししてきてホント良かった!)」
エレン「ほ、ほら、もういいだろ!行くぞ(な、なんだこれ…ただ褒めただけなのに、なんか恥ずかしいぞ///)」
~映画館へ~
エレン「(まずは無難に映画を観る、だったな…)映画を観ようと思うけど、いいか?」
アニ「」コクリ
アニ(友達と映画!友達と映画!)ウキウキ
エレン「なんか観たいのとかあるか?(アニ的に映画観るのはありだったのか?…全然わかんねぇ)」
アニ「特にないね(エレンとならなんでもいいよっ!)」
エレン「そ、そうかじゃあ…(もういいや!マニュアル通りいこう…オルオさんメモには『ムーディな映画をチョイスせよ』って書いてあるけど……なんだよムーディな映画って!わかんねぇよ!)」
アニ「……(ど、どんな映画を観られるのかなっ?)」
エレン「(うわぁ、沈黙きついな…)ま、待つのも何だし、すぐ観られるのでいいよな?」
アニ「…(もちろん!)」コクリ
エレン「じゃあ今見られそうなのは…これかな。あ、チケット買わなきゃ……お、俺払うよ(奢るのが正解なんだよな?)」
アニ「っ!いいって。割り勘にしよう(ななな、何言ってるの!?)」
エレン「え?だって」
アニ「は、紙に書いてあったでしょ!?ちゃんと読んだの!?(もう!やっぱり男の子は、払おうとしちゃうんだっ!本に書いてあった通り…危ない危ない)」
エレン「よ、読んだけど(めっちゃ怒ってる…あれ、本気だったのか…)」
アニ「奢られるの嫌だからさ(まったく~、友達なんだから、気にしないでねっ)」
~鑑賞中~
エレン(すぐ観られるのが子供向けのしかなかった…)
エレン(間が持たないから、それにしちまったけど、大丈夫だったか?)チラッ
アニ「……」
エレン(わっかんねぇ!こいつ表情読みにくすぎだろっ!)
アニ「……(それっ!いけっ!頑張れっ!っあぁ!敵が向かってきてるよぉっ後ろっ後ろっ)」ハラハラドキドキ
エレン(まぁいいや、もうここまできたら悩んでてもしゃあねぇ…映画に没頭しよう)
エレン(……これ意外とおもしれぇな)
エレン「あぁ~、子供向けって書いてあったけど、面白かったな!」
アニ「……(や、やばい!感動して泣いたのばれてないかなっ?)」
エレン「あっ、悪い!面白くなかったか?確かに子供向けすぎたよな?」
アニ「いや…面白かったよ(うぅん、そんなことないよっ。はっ!感想言わないとつまんないと思われちゃうのかな!?)」
アニ「……顔が濡れて、力が出ないピンチで、友達が助けに来たのが良かった…」ボソッ
エレン「っ!あ、あぁ、あそこな!ドキドキしたよな。仲間が助けにきてくれたから、時間稼ぎになって、新しい顔が間に合ってさぁ(よ、良かった。なんだかんだ楽しんでくれてたみたいだな)」ホッ
アニ「…そうだね(エレンも同じところでワクワクしてたんだっ!…なんか気持ちが通じたみたいで、嬉しいなっ)」
エレン「あぁ。ふぅ、なんか集中して観てたら腹減ったな!ちょうど昼時だし、飯食うか?」
アニ「…任せるよ(どこに連れて行ってくれるのかっ?楽しみ!)」
エレン「(ん?またいつもの感じに戻ったか?でもなんだかんだ楽しんでそうだよな?あんまり気にしすぎない方がいいのかもな…)よし、じゃあ移動するか」
エレン「ここでいいか?(オススメの店まで書いてくれてて助かったぜ、オルオさん)」
アニ「…いいよ(わぁっ!すごいオシャレなお店!こんなとこ入ったことないよぉ……エレン色々調べてくれたのかなっ?///)」
エレン「え~と(ど、どうすりゃいいんだ?こんな店入ったことないから、わかんねぇぞ)」
アニ「…(ど、どうすればいいの?こんなお店始めてだから、わかんないよぉ)」
エレン「…」
アニ「…」
エレン「……」
アニ「……」
店員「当店は初めてでございますか?」
エレン「!」ビクッ
アニ「!」ビクッ
エレアニ「 はいっ!」
店員「」ビクッ
店員「で、ではこちらのメニューはいかがでしょう?本日のオススメとなっております」
エレン「そ、それで!い、いいよな、アニ!?」
アニ「」コクコクッ
店員「ではシェフの気まぐれコースをお二人様分で」
エレン「お、お願いします!」
アニ「し、しますっ!」
エレン「…」
アニ「…」
エレン「…ぷ、ぷぷ」
アニ「……ふふ…」
エレン「あははは!何だよ、アニのあの態度!」
アニ「ふん、エレンだってすごい慌ててたじゃん」
エレン「確かに。あぁ…ウケるな。俺らめちゃくちゃ慌ててたな」
アニ「そうだね」フフフ
エレン「お!お前、普通に笑えるんだな」
アニ「何それ?(えっ?ど、どういうこと?私普段笑ってないの?)」
エレン「あ、あぁ、悪い悪い。怒るなよ。でもその方がずっといいと思うぞ」
アニ「っ!///」
エレン「……実は俺、こういう店入るの初めてだから、よくわかんなくてさ。慌てちゃってごめんな」
アニ「!い、いいよ。私も初めてだし(今日のために調べてくれたんだ!ううう、嬉しいですよぉっ!)」
エレン「そか、アニも初めてだったんだな。それなら良かった、一緒だな」
アニ「そ、そうだね(いいいいい、いっしょぉっ!一緒発言がっ!)」
エレン「まぁ、こういう機会でもなきゃ来られなそうな店だし、いい経験だな」
アニ「確かに…あ、そういえばお金大丈夫?(そうだよ!ちゃんと見ないで頼んじゃったけど、大丈夫なのかなっ!?)」
エレン「あぁ、大丈夫だろ(一応、この店の相場調べておいて良かった。仮に一番高いメニューだったとしても大丈夫だ)」
アニ「そ、そうなんだ(~~っ!エレン、すごいエスコートっぷりじゃん!こんなのずるいよぉっ!)」
エレン「あぁ、とりあえずせっかく美味いもん食うし、そんなの気にせず食べようぜ」
アニ「そ、そうだね(よ~しっ!こうなったら、エレンの気持ちを美味しく頂いちゃいますよっ、アニちゃんは!)」
エレン(食事の後は買い物か…女が喜びそうな雑貨屋を回る。これもちゃんと店をピックアップしてある、ありがてぇ)
エレン(しかし、女と出かけるのにここまでしなきゃいけねぇのか…)
エレン(でも本当にすげぇな、オルオさん。会ったことねぇけど、こりゃきっと女にモテまくるかっこいい男なんだろうな)
エレン「(……あった、ここか)アニ、この店入ってみるか」
アニ「…(すごい!なんか可愛いものがたくさんある!うむむむ…エレンのお店のチョイスには、アニ調査員、唸らされますぞっ)」
エレン「あ~俺、よくわからねぇから好きに見ていいぞ」
アニ「……(好きに見ていいの!嬉しいっ)」 ダダダッ
エレン「無言で走っていったのは、楽しんでる証拠と考えていいんだよな?」
エレン「……」 グッタリ
アニ「!!!!」
エレン(女ってすげぇんだな…何件もはしごしてるのに、一向に疲れねぇし飽きねぇのな)
アニ「!!!!」
エレン(でもまぁ、楽しんでくれてるみたいだし、良かったか)
エレン(俺も……楽しい、かな)
エレン(ん?)
アニ「……」ジーッ
エレン「(髪飾り?)欲しいのか?」
アニ「っ!べ、別に…(うぅ~、すごくかわいいっ!でももうあんまりお金ないし、絶対になきゃいけないものでもないし…で、でも!)」
エレン「…買ってやろうか?」
アニ「え!?いや悪いし、いいよ(エレン、何言ってるの!大丈夫、大丈夫だよ!)」
エレン「いいよ、訓練のお礼ってことで」
アニ「お礼なんて(もう十分にもらったよぉ!そんな気を使わないでっ)」
エレン「も~らいっ!」ヒョイッ
アニ「あ!ちょっと!」
エレン「ほら、嫌なら取ってみろ」
アニ「くっ!」ピョンピョン
エレン「あははは!必死にジャンプしてるな」
アニ「ちっ(か、からかわれたぁ…)」
エレン「じゃあ取れなかったから、俺がもらうぞ」スタスタ
アニ「あ…(っくぅ!エレン~~!)」
エレン「ほれ」
アニ「あ(エエエ、エレンに髪飾り買ってもらっちゃった!)」
エレン「良かったな」
アニ「……(おおお、お礼!お礼言わなきゃっ!)」
アニ「エ、エレン」
エレン「ん?」
アニ「……あ、ありがと(い、言えたよ!私、お礼ちゃんと言えた!)」
エレン「おう」ニカッ
ライナー(…心配になったから、なんとなく街に来たら、本当に2人を見つけちまった…)
ライナー(ん?でもなんか思ったよりいい感じか?)
ライナー(エレンも笑ってるし、アニも満更じゃなさそうだ)
ライナー(…良かったなぁ、アニ。頑張った甲斐があったな)
ライナー(うまくいってるとわかれば、付き添いはいらんな)
ライナー(野暮な真似はよして、俺は帰るとするか…)
ライナー(ん?んん?お、お前らっ!そっちの方向は!)
エレン「さ、移動するか(次が最後の場所だな)」
エレン「オルオさんメモには…」
『楽しんだデートの最後に行くのはここだ。ここで決めろっ!』
エレン(ここがアルミンも俺も、よくわかんねぇ場所なんだよな。ま、行けばなんとなくわかるかな)
アニ(友達とお出かけって、楽しいなっ楽しいなっ!次はどこに連れて行ってくれるんだろ?ま、エレンに任せてれば、心配なしですねぇ)
エレン「なんか少し治安悪くなって来たか?(方向は間違ってないよな)」
アニ(?初めてくる地域だ)キョロキョロ
エレン「…ここ、か?」
アニ「ここ?(どんなとこだろ?)」
エレン「あぁ、ここ、か?」
『連れ込み宿』
エレン「…悪いな、アニ。実はここ、どういうところか俺知らねぇんだ。オルオ…あぁ、ある人にここが最後に行くには良いって聞いてさ」
アニ「ふ~ん(連れ込み宿?私も知らないや?)」
エレン「エスコートするとか言ってて悪いな」
アニ「いいよ(気にしないでエレン!よ~し、ここは私が頑張るよぉ!)」
アニ「そこの人に聞いてみる」
エレン「お、おい!」
アニ「ちょっと」
男「あぁ?」
アニ「ここって何するとこ?(うぅ、なんか怖そうな人に声かけちゃった…)」
男「はぁ?なんだそりゃ?本気で言ってるのかぁ?」
アニ「本気(ち、違う人に聞こうかな…いや、で、でもエレンのために頑張るよっ)」
男「へぇ…(こいつガキだな。本当に知らねえな)」
男「へへへ、ここはな、男と女が身体を動かして楽しく運動するところだ」
アニ「へぇ(なるほどねっ!運動が出来るんだ!とすれば、軽く格闘訓練も出来るだろうし、私とエレンにピッタリの場所だ)」
男「ヤリ方知らねぇってんなら、俺が教えてやろうか」ニヤニヤ
アニ「…相手いるから。エレン!(そう、今日の私にはお相手がいるのです!ふっふっふ~///)」
男「ちっ男連れかよ…」
エレン「おぉ、アニわかったのか?」
アニ「わかった。この建物の中で訓練が出来る(私たちにピッタリの場所だよ!)」
エレン「おぉ!そりゃいいな。一日訓練何もしないと、正直落ち着かないからな」
男「おいおい、兄ちゃん。男なら優しくリードしてやれよ?」ニヤニヤ
エレン「あ?何だよ」
アニ「いいよ、行こう(ふん!なんか嫌な感じの人に聞いちゃったなぁ。まぁ、教えてくれて助かったけど…さぁ、ここからは私がリードするところだぞっ!)」ガンバルッ
ライナー(おい~っ!お前ら、ここが何する場所かわかってるのか!?)
ライナー(…いや、さすがにわかって来てるんだよな)
ライナー(俺たちはまだガキだけど、さすがにここが連れ込み宿で、何をする場所かくらい…)
ライナー(いや!2人ともわかっていないのかもしれん。アニはお子ちゃまがそのまま育ってきた、純粋の結晶体みたいなもんだ…)
ライナー(そしてエレン…これも極め付けの朴念仁…鈍感王子だ)
ライナー(知らないのに、2人がここにたどり着いたのは何かの偶然か…)
ライナー(いやっ!もしかしたら、どちらかの策略…アニの、こうと決めたら走り出す一途さ、あるいはエレンの思春期男子パワー…そのどちらが仕組んでいることもありうる…)
ライナー(ん?ま、待てよ…これはすごい単純なことなのかもしれない)
ライナー(相思相愛の男女のごく自然な行動…そうしたら二人を止めるのは野暮の極みだ)
ライナー(しかし、どちらかが何も知らない、あるいはどちらも何も知らない場合、待っているのは…)
ライナー(…いや、もう考えるのはやめよう。なるようにしかならない。2人ももう兵士の一歩手前、大人の手前だ)
ライナー(俺が口を出すことじゃあないな。俺は何も見なかったんだ…)
ライナー(そう、俺は何も見なかった……面倒事に巻き込まれる前に帰ろう)コソコソ
エレン「あの店頭の婆さんに言えばいいのかな」
アニ「そうだろうね(いつもと違った場所で訓練するのってなんか新鮮!)」ワクワク
エレン「あ~、婆さん。二人」
婆さん「おやぁ、これはずいぶん若いお二人で。ひっひっひ」
エレン「あぁ?若すぎるとダメなのか?」
婆さん「いやぁ、あまりにも若すぎのはさすがに問題だけど、お前さんたちくらいならしょうがない。お盛んな時期だしね」
エレン「ん?よくわかんねぇなぁ、俺たちにはまだ早い訓練所なのか?」
アニ「大丈夫でしょ(自惚れるわけじゃないけど、エレンと私のペアならきっとどこでも問題ないよっ)」
婆さん「若いってのはいいねぇ、ちゃんと避妊はするんだよ。ひっひっひ」
エレアニ「ヒニン?」
エレン「何だそりゃ?」
アニ「さぁね(技の名前かな?私もまだまだ知らないことたくさんあるなっ!頑張らなきゃ)」
エレン「まぁいいか、じゃあ入ろうぜ」
アニ「うん(な、なんか薄暗いし、照明がピンクだから怪しい雰囲気だなぁ)」
エレン「……(な、なんだ、ここ?すっげぇ怪しげだけど、本当に大丈夫なのか?や、やめておくか?)」
エレン「…アニ、本当に入るか?」
アニ「何で?(ん?どうしたのかな?もしかしてエレン、この薄暗さで怖くなっちゃったのかな?もう~、私がいるから大丈夫だよっ)」
エレン「い、いや何でもない(ま、大丈夫か。今までのオルオさんの道筋に間違いはなかった!)」
エレン「よし!入ろうぜ、アニ」
アニ「そうだね、入ろ アルミン「エレーン!」
~時は少し遡り…~
アルミン(ふふふ、今頃エレンとミカサは楽しんでるかな?あの予定表通り、うまくいってるといいけど)
ミカサ「アルミン」
アルミン「なんだい、ミカサ…ってミカサッ!?」
ミカサ「どうしたの、アルミン?
アルミン「ミ、ミカサ…ど、どうしてここに?」
ミカサ「?ようやく教官の頼まれごとが終わって、今戻ってきたところ。それよりも、アルミン、エレンを知らない?宿舎のどこにもいないの」
アルミン「え!?ミ、ミカサ…エレンと一緒に出かけたんじゃないの?」
ミカサ「…どういうこと?」
アルミン「エ、エレンが『女の子とデートするから知恵を貸してくれ』って相談してきて…僕はその相手はてっきりミカサかと」
ミカサ「っ!何ということ…何故アルミンは確認をしなかったの?誰!?誰がエレンと……いえ、今はそんなことを言ってる場合じゃない!アルミン、エレンは今どこにいるの?」
アルミン「こ、ここに、今日のデートの ミカサ「デートって言わないっ!」
アルミン「っひいぃっ!よ、予定表の写しが…」
ミカサ「っっっ!!この予定表はアルミンが作ったの!?その答えによっては、私はアルミンを……」
アルミン「ぼ、僕をどうするの!?最後までちゃんと言って、いや、やっぱ言わないで!」ヒイィィッ
ミカサ「いいから早く!」
アルミン「その予定表は、昔ここにいたオルオ・ボザドって先輩の考えたデートの計画で、僕らはそれをそのまま借りただけだよ。何も知らない僕らより、そのオルオ・ボザド、そう、オルオ・ボザド先輩の言うことを聞いた方がいいかな、と思って!僕らには行く目的がよくわからない場所もあったけど…いやぁ、それにしてもオルオ・ボザド先輩はすごいなぁ」ペラペラ
ミカサ「…そう。じゃあこの場所…連れ込み宿がどういうところかは知ってた?」
アルミン「そ、それが僕らにはわからなかったんだ。何をするところなの?」
ミカサ「アルミン、命拾いしたわね、削がないであげる。でもこのオルオ・ボザドという男は、いつか必ず…」ボソッ
アルミン「え!?命!?今、命って!?削ぐ?」
ミカサ「話している時間がもったいない。アルミン、早くこの場所まで案内してっ!」
~そして今に戻る~
ミカサ「っ!間に合った!」
エレン「ミ、ミカサッ!?」
ミカサ「エレン、大丈夫!?」
エレン「あぁ?大丈夫も何も…」
ミカサ「良かった。それより…アニ?あなただったのね…何してるの?」
アニ「え?べ、別に…(エエエ、エレンと出かけてたなんて、恥ずかしくて言えないよっ!)」
ミカサ「質問を変える…この場所で何をしようとしてたの?」
アニ「ここで?……エレンと身体を動かそうと思ってね(こ、これならいつも2人で訓練してるし、ミカサも気にしないよねっ)」
ミカサ「そう…アニ、ここでエレンとそんなことをしようと思ったの…」ゴゴゴゴ
エレン「ミ、ミカサ!いきなり来て何怒ってるんだよ!おい、アルミン、これはどういうことなんだ!?」
アルミン「あぁ、僕はなんて大変なことを……」ガクガク
アニ(あれ?なんかミカサ怒ってるかな?な、何でだろ?)
アニ(あ!エレンを独占しちゃったからだっ!そりゃそうだよねっ、いつも一緒にいた幼馴染だもんねっ、悪いことしたなぁ…)
アニ(よしっ、今日はたくさんエレンといれたし、ここはミカサに訓練を譲ろう!…とか言うとエレンが私のものみたいだね、失礼いたしましたーっ///)
アニ(でもこうやって、人の気持ちを汲むことで、友達は増えてくって『猿でもわかるコミュニケーション』って本に書いてあったもんね)
アニ「は、悪かったね。ここは譲るよ(よよよ、よし!ちゃんと謝れたし、意思も伝えられた!これはアニちゃんのコミュニケーション力、うなぎ上りですねぇっ)」
ミカサ「っ!何それ…まぁいい、そう言うなら、もちろん譲ってもらって、エレンの全ては私がもらうけど……ずいぶん余裕なのが気になるわ」
アニ「?ま、私はいつでもできるしね(そうそう、自主練の時間もあるし!ミカサ、私のことは気にしないで!)」
ミカサ「っっ!アニィッ」ギリギリッ
アルミン「」ブクブク
アニ「あ、エレン…(きょ、今日はこれでお別れだから、ちゃちゃちゃ、ちゃんと言わなきゃ!おおお、お礼っ)」
エレン「何だ、アニ?」
アニ「今日は……」
アニ「……ありがと(いっ、言えたぁっ言えたぁっっ!)」
エレン「あ、あぁ!俺もありがとな。…なんか最後こんなんなってごめんな」
アニ「別にいいよ(訓練できなかったのはちょっと残念だけど……いっぱいいい事あったもん!特に…)」カミカザリ
アニ「あ、あと……た、」
エレン「ん?」
アニ「……楽しかったです」ボソッ
エレン「え?」
アニ「///」ボンッ
アニ「っっ!!」 ダダダッ
ミカサ「あ、アニ!待ちなさい!……くっ、何て速いの!……まぁ、いい、今日のところは据え膳をいただくことにしよう」
エレン「あ!おい、アニ!(あいつ最後『楽しかった』って言ったのか…?それは、俺も…)」
1です。
今日の更新は以上になります。
更新ノロノロですいません。
もう少しお付き合いよろしくです。
~格闘訓練~
エレン「よし、今日も頑張るかっ!さて、今日は誰と組もうかな?」
モブ女A「…い、いくよ!」
モブ女B「頑張ってね」
モブ女C「チャンスだよ、チャンス!」
モブ女A「あ、あのエレン、私とペア…」
エレン「お~い、アニ!一緒に組もうぜ」
モブ女A「…」
モブ女B「うわ、またあの女だよ…」
モブ女C「何なのあいつ。最近調子乗ってるよね」
アニ「別にいいけど(わわわ!エ、エレンから誘ってきてくれたよぉ!)」
ミカサ「またあの女と…」ゴゴゴ
アルミン「あははは~」
エレン「アニ、今日こそ俺が勝つぜ!」
アニ「は、あんたにはまだ無理だよ(なんてね!エレンは日に日に伸びてるから油断出来ないねっ)」
エレン「っくそ!見くびりやがって」
アニ「それがあんたの実力…(でも始めの力から考えるとすごい伸びだから!本当すごいんだよっ!自信持ってね!)」
エレン「ぐっ…今まで勝ててない以上、なんも言えねぇ」
アニ(な、なんかあのお出かけから、エレンが声かけてくる回数が増えた気がする…)
アニ(それに…わ、私も少しは自然に話せるようになってきたっ)
アニ(…2人でお出かけしたし、もう親友だもんねっ!///)
エレン「何、気を抜いてんだ!いくぞっ!」
アニ「ふっ!」
エレン「ぐあっ」ドスッ
アニ「足ガラ空き…(ほらぁ、油断するとすぐ足下に隙がでるよっ!)」
アニ(もう、油断がいかに危険か、身を持って教えてやるんだから!)
エレン「っな?ぐぅ…」
アニ「これが固め技だよ(こうなっちゃったら、そう簡単には外せないんだからね!こうなる前に気をつけないと…)」
モブ女A「ね、ねぇ!あれ!」
モブ女B「うっわ!超密着してるっ」
モブ女C「アニ、狙いすぎでしょ」
モブ女A「ないわぁ……まじで許せない」
モブ女M「削ぐ…あの女狐、絶対削ぐっ!」ゴゴゴゴ
エレン「こ、降参だ…降参するからっ」
アニ「降参?そんなことの前に学習しなよ。力の使い方と……女の子との話し方を(ななな、なんちゃってー!なんか最近話しやすいから、ついつい乙女ジョークを言っちゃう、アニちゃんなのでしたっ!)」
エレン「わ、わかった!覚えるから、離せって!」
アニ「そう…そんなにもっと知りたいの(エレンはこう言って、すぐ直すとこ忘れちゃうからな。もう少しわからせなきゃっ)」
アニ「っ?!」
ライナー「うごっ!」
エレン「ぐぇっ」
アニ「…(もう!ライナーったらいいところだったのに!)」
エレン「痛ってぇ…何でお前が降ってくるんだよ」
ミカサ「ねぇ、アニ…」
アニ「?(ミカサが話しかけてきてくれた!珍しいな、なんだろっ)」
ミカサ「それ…私にも教えて?」
アニ「ふん(わぁ!まさかのミカサから、指導のお願い!これは友達になるチャンスなのかなっ?)」
アニ「どうかな…この技は人間用なんだ。あんたに必要あるとは思えないけど…(でもミカサは人並み外れた強さだし…私に教えられるかなぁ?不安だけど…)」
ミカサ「っ……」
アニ「ただ、この技があんたみたいな猛獣に、通用するかどうか興味はある(そう、ミカサの戦闘力はもう猛獣並み…試してみたい気持ちはあるよねっ!)」
ミカサ「いい度胸ね」
エレン「ま、まじかよ…ついに…」
コニー「あいつらが戦うのかよ」
サシャ「夢のカードが!」
アニ「はぁはぁ」
ミカサ「くっ…」
アニ「やるね(す、すごいな、ミカサは…。今まで会った同年代でとびっきり強いよっ)」
ミカサ「…当たり前(息を整えるのがやっと…悔しい)」
ライナー「お、おい。名残惜しいだろうが、訓練の時間は終わりだ(おっかねぇ…なんだこれ、訓練じゃなくて、ただの殺し合いだろ)」
エレン「そうだぞ、やりすぎだ(正直引いた…)」
ミカサ「…次こそ」
アニ「ふん、楽しみにしてるよ(ま、またミカサ、訓練誘ってくれるのかなっ?)」
モブ女A「ちっ、氷の女、訓練終わったのにまだエレンのそばにいる…」
モブ女B「何なのあの女~」
モブ女C「まじウザいんだけど」
モブ女A「エレンが何も言わないのをいいことに図々しくさ」
モブ女B「ね。友達がいないからって、人のいいエレンに甘えて」
モブ女C「ちょっと調子に乗りすぎだよね」
モブ女A「普通の女は、ミカサ怖がってあんまり近寄れないけど、あいつはさぁ」
モブ女B「うん、アニ自身強いからか、全然気にしてないよね。さっきの訓練見ちゃうと納得だけど…」
モブ女C「あ!そうそう、そういえばこの前2人で街でデートしてたらしいよ!」
モブ女A「マジで?…はぁ~、ホントムカつく」
モブ女B「うわぁ、私たちのエレンに何してくれてんの?」
モブ女C「それがさ、なんかアニから誘ったっぽい」
モブ女AB「さいてー!」
モブ女C「どうせエレンにデート代、
全部奢らせたんだよ」
モブ女A「許せないね…」
モブ女B「エレンにちょっかい出したこと後悔させようよ!」
モブ女C「いいね!でもどうするの?」
モブ女A「……いい考えがあるよ」
モブ女A「マジで?…はぁ~、ホントムカつく」
モブ女B「うわぁ、私たちのエレンに何してくれてんの?」
モブ女C「それがさ、なんかアニから誘ったっぽい」
モブ女AB「さいてー!」
モブ女C「どうせエレンにデート代、
全部奢らせたんだよ」
モブ女A「許せないね…」
モブ女B「エレンにちょっかい出したこと後悔させようよ!」
モブ女C「いいね!でもどうするの?」
モブ女A「……いい考えがあるよ」
アニ(なんか最近楽しいな!エレンとは相変わらずいい感じだし、最近はミカサがよく格闘訓練の時に声かけてきてくれるしっ!)
アニ(ミカサは強いからいつもギリギリの勝負になるけど、あの緊張感はすごい訓練になる!)
アニ(あんな殺気を訓練でも出せるのはミカサくらいだよね。いつも真剣勝負に近いモチベーションに持っていけるのは、本当すごい)
アニ(私も見習わなくちゃ!)
モブ女A「アニ、ちょっといい?」
アニ「何?(ん、モブ女たち…?)」
モブ女A「あのさ、少し話があるんだけど(うわっ、目つき悪っ…なんでこんな女をエレンは…)」
アニ「話って?(何だろ?も、もしかして友達になって、とか?もしそうなら、もぅ!最近のアニちゃんは絶好調だね)」
モブ女B「…エレンのこと、なんだけどさ」
アニ「エレンのこと?(ななな、何だろ?ももも、もしやエレンは私のこと、親友から更に上の存在へとっ…そ、そんなのいけないよっ!)」
モブ女C「なんかさ、エレン……最近、アニの悪口ばっか言っててさ」
アニ「え?」
モブ女A「え~とね、なんか顔怖いだの、何考えてるかわからないだの、まとわりついてきて鬱陶しいだの…」
モブ女A「極め付けに、アニのこと嫌いだけど、無理して付き合ってやってるんだってさ」
アニ「っ!…(うそ、だ…)」
アニ「本当?(そ、そんなのうそだよね…だってエレンと私は、友達…だもん)」
モブ女B「ホ、ホントだよ!聞いてる私たちまで不愉快になるくらいでさ(うわ、こっわ…)」
アニ「そう、なんだ(そんなこと……あるのかな?)」
モブ女C「それ知らずにエレンと話してるアニが、すごい可哀想だから、私たち力になりたくて!」
アニ「何で?(そう…なんでこの子たちはこんなこと言うんだろ?嫌がらせ?)」
モブ女A「だ、だってさぁ…私たちあんまり話したことないけど…と、友達じゃん?(うえぇ!こいつと友達だって…自分で言ってて、ないわぁ)」
モブ女B(ぷぷー、友達だって!)
モブ女C(あはは!よくそこまで言えたねっ)
アニ「友達…(っうそ!この子たち、私のこと友達だと思ってくれてたの?」
モブ女B「そうそう、友達じゃん!(こうやったら乗っとけ乗っとけ)」
モブ女C「そうだよ…友達の悲しむ顔、見たくないよっ(うわぁ、私演技派、ぷぷぷ)」
アニ(私が知らないだけでこんなに友達が…。そう、友達は…うそ、つかないよね?この子たちは、私のこと思って言ってくれてるんだよね?)
アニ(でもエレンも友達…?)
アニ(…そういえば、エレンは私のこと友達って言ったこと……ないな。
アニ(そっか…そうだよね。当たり前だよね。友達じゃないなら、言うわけ…ないよね)
モブ女A「こういうことだからさ、エレンの自主練とかに付き合うのやめなね」
アニ「っ!(あれはエレンと私の大切な時間……嫌だな、なくなるの)」
アニ(でも…エレンは嫌々やってたんだよね。それならやめることが…エレンのため…?)
モブ女B「そうそう!貴重な自由時間使ってまですることじゃないよ」
モブ女C「アニのためを思って言ってるんだよ?今度の練習前にでも言いなね!」
アニ「そう…だね(…そうかぁ、エレンは無理して付き合ってくれてたんだもんね。私が…わがまま言っちゃエレンに、悪いもんね)」
モブ女A「あっ!そうそう、その時、エレンは色々言ってくるだろうけど、無視だよ」
モブ女B「うんうんっ、あいつの言ってることは全部嘘だから」
モブ女C「アニは相手の言うこと聞かずに、言うだけ言って立ち去ればいいから」
アニ「…わかった(…うん、それが、いいんだ…)」
~自主練~
モブ女たち『アニ、頑張ってね!』
アニ(あぁ、言うの嫌だな。何でこんなことに…あんなに、あんなに楽しかったのに…)
アニ(……でもエレンのためだもんねっ!その方がエレンは楽になるんだもんっ!そう…私と、離れれば……)
エレン「おい、アニ!遅いぞ、早くやろうぜ」
アニ「っ!」
エレン「ん?何だ、顔色悪いけど、調子悪いのか?…何なら今日は、無理して付き合わなくてもいいぞ?」
アニ「……(これでも?これでも私のこと本当に嫌いなの?この優しさも、笑顔も、全部演技なの?)」
モブ女A『…アニのこと嫌いだけど、無理して付き合ってるんだって!』
モブ女B『…あいつの言ってることは全部嘘だから』
モブ女C『…友達の悲しむ顔、見たくないよ!』
アニ「(……言わなきゃだよね)あ~、もういいよ…」
エレン「ん?何だって?」
アニ「だから、私との自主練、無理して付き合わなくて」
エレン「あ?おい、アニ…」
アニ「っ!わ、私のこと嫌いなんでしょ!?知ってるんだよっ!……悪かったね、嫌々私なんかに付き合わせて…」
エレン「は?何言ってんだ、お前?」
アニ「そういうことだから…じゃあね」ダダダッ
エレン「おい、アニ!」
モブ女A「言えたみたいだね、アニ!」
モブ女B「頑張ったね!」
モブ女C「わかるよぉ、辛かったよねぇ~」
アニ「…ちょっと1人にして」
モブ女たち「そうだよね!うん、わかった!」ニヤニヤ
モブ女A「……やったね」
モブ女B「うん、怖いくらいハマったね」
モブ女C「それにしても単純な女」
モブ女A「でもまだ油断は出来ないよ。エレンがこの先も声かけ続けたら、どうなるかわからないし…だから止めをさす!」
モブ女B「うわぁ!こわっ!ウケる!」
モブ女C「とことんやるなぁ…で、どうするの?」
モブ女A「あの女を最も憎んでる女を味方につける」
モブ女B「憎んでる女?」
モブ女C「あ、もしかして…」
モブ女A「そう……ミカサー!ちょっときてー」
ミカサ「……何?」
モブ女A「あのね」カクカクシカジカ
ミカサ「……」
モブ女A「と、いうことでミカサにはアニに、エレンには二度と近づかないで、って釘を刺してほしいの」
モブ女B「エレンを独り占めしたいでしょ?協力するよ!」
モブ女C「こうすれば絶対、エレンのためになると思うなぁ」
ミカサ「……わかったわ」
アニ「…また1人になっちゃったな」
アニ「いや違うのかな?モブ女たちは…友達、なんだよね?」
アニ「ホントかな?ホントに友達なのかな?」
アニ「…実は嫌われてたり、しないかな?」
アニ「……もうよくわかんないや、友達って何なんだろ」
アニ「ま、しょうがないかっ。私みたいな、冷たくて乱暴な女が友達作ろうっていうのが、そもそも間違いだったんだよねっ」
アニ「うんうん、しょうがないよっ!こうなったのも、しょうがない…」
アニ「ま、元々1人だったし、こういうのも慣れっこだよ」
アニ「…そう!アニちゃんは強い子なので、こんなの気にしないのだっ!」
アニ「アニちゃんは…強い子、だから…」ポロポロ
アニ「…あれ?何だろ、涙が出てくる」ポロポロ
アニ「…へへへ、やっぱ強くないや。こんなに風に泣いちゃうんだもんね…」
アニ「あ~、ショックだなぁっ!やっぱ、アニちゃんは弱い子でしたー…」
アニ「……エレンに悪いことしたな」
エレン(あ~、なんなんだよ!わけわかんねぇ!)イライライラ
エレン(いきなり『私のこと嫌いだったんでしょ?無理して付き合ってたんでしょ?』…だと?)
エレン(あ~!腹立つ!俺の気持ち、完全無視しやがって!)
エレン(確かにさ、最初はわけわかんねぇ奴だし、怖ぇしで、避けてたとこあったけど…)
エレン(最近は…そう、最近はそんなこと全くなかった。むしろ自主練はすげぇ学べることたくさんだったし)
エレン(普段も少しずつ話せるようになってきた。それにこの前、街に出かけたのだって…)
エレン(俺が感じてた思いは、俺だけが感じてたのか?勘違いだったのかよ?)
ミカサ「エレン?」
エレン「なんだよっ!」
ミカサ「っ!ごめんなさい」ビクッ
エレン「あっ…悪い、ミカサ…」
ミカサ「平気、気にしないで。それよりもエレン、大丈夫?イライラしてる」
エレン「あぁ、アニの奴が……いや、なんでもねぇ。もう考えるのやめだ!馬鹿馬鹿しい…」
ミカサ「……」
~食堂~
アニ「」ポツン
モブ女A「ミカサ、よろしくね!」
モブ女B「頼んだよ~」
モブ女C「エレンもミカサといる時間が増えて喜ぶと思うよっ」
ミカサ「……わかってる」
ミカサ「アニ、ちょっといい?」
アニ「何?(ミカサ、か。何か人と話すの面倒くさくなっちゃった)」ジロッ
ミカサ「(なんて荒んだ目…)ここだと何だから、外で話そう」
アニ「何でここだとダメなわけ?(人に聞かれてダメな話なんて、もう私にはないよ)」
ミカサ「いいから」
アニ「……わかったよ(呼び出しかぁ。最近エレンをちゃんと避けてるのに、それでも許してもらえないのかな?)
アニ(……もうエレンのことで何か言われるの嫌だよ)」
~外~
ミカサ「……」
アニ「で、何?」
ミカサ「……単刀直入に言うけど、あなた、エレンのことどう思ってるの?」
アニ「は?(どうって……)」
アニ(そっか、私がまだエレンに未練がないか、確かめにきたんだ…もしかして、エレンに言われてきたのかな?)
アニ(エレンは確かめたいのかも……もう、私が関わって来ないってことを…)
アニ(そりゃそうだよね。また関わってくるかもって思うと、落ち着かないよね……もう、はっきり言おう)
アニ「ふん…何とも思ってないよ(い、言っちゃった…ん、やっぱり心が痛いよ)」ズキズキ
ミカサ「…そう、それなら良かった。エレンにまとわりつく女狐が1人消えたことは、私にとってもエレンにとっても、すごく良いこと」
アニ「あそ…(そ、そんなことっ、わざわざ言わなくたって……わかってるよっ!)」
ミカサ「あと、もう一つだけ聞く。あなたの気持ちは……その程度だったの?」
アニ「その、程度?(何、その程度って?)」
アニ(その程度?そ、そんな軽い気持ちで、エレンと友達になろうとしたんじゃない!)
アニ(エレンなら、エレンとなら良い友達になれると思ってたもん!だけど……)
アニ「…あんたに何がわかるの?(そう!エレンのことを、少なくとも私は……)」
アニ(…友達だと思ってるから!エレンのためにこうして、身を引こうとしてるのに…)
ミカサ「わからない…私にはわからない」
アニ「そりゃ…そうだろうね(もういい!誰もわかってくれないし…わかってもらわなくていい!)」
アニ(私は……1人で生きてくっ!)ズキズキ
ミカサ「他人にとやかく言われたくらいで、エレンへの気持ちを諦めてしまう人の気持ちなんて…」
ミカサ「しかもそれが嘘か本当か見抜けない、バカ女の気持ちなんて」
アニ「…え?」
ミカサ「モブ女たちから話をすべて聞いた。そして、エレンとアニを引き離すために協力しろと」
アニ「……」
ミカサ「あなたがエレンから離れるのは、私にとって本当に都合がいい。だけど…」
ミカサ「悔しいけど…あなたが避けるようになってから、エレンは元気がない……そんなエレンの姿を、私は見たくない」
ミカサ「そして何より、態度が悪いとか何考えてるかわからないとか氷のようだとか色目を使ってムカつくとか調子乗ってるとかデートふざけるなとか…」ブツブツ
アニ(ん?…ちょっと言いすぎじゃない?)
ミカサ「と、そんな小さなことで、人を嫌いになるようなエレンじゃない」
ミカサ「ましてや、自分のために何かをしてくれる人を、エレンは嫌いになんて絶対にならない」
ミカサ「あの人は、そんな人じゃない…」
ミカサ「エレンを見くびらないでっ!」
アニ「っ!」
ミカサ「あなたは……本当に真っ直ぐな人。一緒に格闘術訓練をするようになって、わかった」
アニ(ミカサ…)
ミカサ「だから、そんなあなたとは、正々堂々勝負する。こんな卑怯な真似…エレンは絶対に許さない」
ミカサ「エレンが許さないなら、私も当然許さない」
アニ「じゃ、じゃあモブ女たちの言ってたことは…(ということはエレンは私のこと…)」
ミカサ「そう、嘘。残念だけど……」
ミカサ「エレンはあなたのこと、嫌いなんかじゃない」
アニ「っ!…そ、う(良かった…良かった!)」ポロポロ
ミカサ「もう一回聞く……あなたはエレンのことどう思ってるの?」
アニ「……好…き」
ミカサ「そう…」
アニ「だから…今度こそ…(決めた!こんな思いを二度としないためにも、ハッキリ宣言するんだ!)
アニ「…こ、今度こそちゃんと、正面から友達になりたいっ!」
ミカサ「そう……でも私は負けない。正妻の座は、長年連れ添ったわた…友達?」
アニ「は?そうだよ…(あれ?なんでミカサ驚いてるんだろ?変なこと言ったかな?)」
ミカサ「あなた…今、エレンと友達になりたいって言ったの?」
アニ「…///(うわぁぁ!繰り返されるのは恥ずかしいよぉ!)」
ミカサ「……ごめんなさい、私は大きな勘違いをしていたみたい」
アニ「?(勘違い?)」
ミカサ「そう、わかったわ。大丈夫、認める。友達になっても構わない。エレンの友達には、この私もなれないから(妻になるから)」
アニ「そ、そう…(ミ、ミカサのお墨付きがもらえたの!?)」
アニ(と、ということは…)
アニ「わ、私…本当にエレンと友 アルミン「話は聞かせてもらったよ!」ガササッ
アニ「」ビクッ
ミカサ「あら、アルミンだったの?小さい生き物の気配がしてたから、野ネズミか何かだと思ってた」
アルミン「そういうことなら僕にも協力させてよ!ってミカサ、今僕のこと野ネズミって…」
ミカサ「続けて?」
アルミン「う…わ、わかった。アニ、僕に考えがあるんだ!」
アニ「か、考え?(うぅぅ、恥ずかしい…アルミンに聞かれてたぁっ)」
アルミン「と、言っても、もうここまでの段階なら、大して手伝えることはないんだけどね、ふふふ」
ライナー「そうだぞ、アニ。あとはお前が勇気を出すだけだ」ガササッ
アニ「っ!ライナー!(うひゃあ!ラ、ライナーにも聞かれたっ!)」
ライナー「あぁ、悪いな。2人がいきなり出て行ったから心配でな。ま、幸い、取り越し苦労に終わったみたいだが」
ミカサ「なんだ、そっちはライナーだったの。私はてっきりゴリラか何かの気配かと」
ライナー「ここまで来たら乗りかかった船だ。俺にも最後の一枚噛ませろよ!ってミカサ、今ゴリラって…」
ミカサ「続けて」
ライナー「おっ、おう…アルミン、さてはあれだろ?次の行軍訓練の」
アルミン「さすがだね、ライナー。その通りだよ」
アニ「?」キョトン
アルミン「次の行軍訓練のペア決めはフリーだ」
ライナー「あぁ、だからその時にアニは、エレンを自分から誘う」
アニ「っ!そ、そんなの!(むっ、無理無理!あれからエレンと一言も喋ってないし、第一、私が自分からペアを組もうって言うなんて…)」
アルミン「アニ、チャンスは逃しちゃダメだ」
アルミン「言うべき時に自分の口ではっきり言えないと、またいつ邪魔が入るかわからないよ?」
ライナー「そうだぞ、アニ。ここで勝負をかけろ。エレンは大丈夫だ」
ミカサ「ぐぐぐ…エレンと組むつもりだったけど、フーッ、こ、ここはあなたに譲ってあげ、る…ぐっ」
アルミン「ミカサ、よく言ったね!」
アニ「…みんな」
アニ「……あ、ありがと(が、頑張るよ、私!)」
~行軍訓練ペア決め~
エレン「行軍訓練のペア決めか…誰と組むかな」
エレン(……あいつに話しかけるチャンス……い、いやっ!知らねぇ、いきなりあんなこと言い出す奴なんか知らねぇよ)
エレン「……単純に成績良い奴と組もう。訓練で良い成果出さなきゃなんねぇからな」
コニー「誰か俺と組もうぜ~!」キョロキョロ
エレン「お!コニーか、あいつならやりやすいし、申し分ないな!」
エレン「よし!お~い、コニ アルミン「エレーン!」
アルミン「エレン!ちょっといいかい?」
エレン「なんだ、アルミン?俺と組みたいのか?」
アルミン「いや、そうじゃないんだ。悪いけどこっち来てよ」
エレン「なんだよ、早くペア決めないと、成績良い奴から決まっちゃうぞ?」
アルミン「いいからいいから」
エレン「なんだよ…ん?ミカサとライナーと……(アニ!?)」
アニ「……(うぅ、エレンの顔、強張ってるよぉ…)」
ライナー「ほら、アニ。頑張れよ」ボソッ
ミカサ「アニ…(断られたらすかさず私がっ)」
エレン「……」
アニ「……あ、あのさ…」
エレン「な、何だよ?」
アニ「こ、この前さ、変なこと言って…すまなかったね」
エレン「…あ、あぁ(言ったこと、気にしてたのか…)」
アニ「勝手な言い分だと思うけど、あれ、忘れてくれないかな?」
エレン「……まぁ、忘れろってんなら忘れるよ(…んだよっ、勝手なことばっか言いやがって…ん?でもなんか気持ち軽くなった、か?)」
アニ「っ!……あ、あと」
エレン「なんだよ?」
アニ「わ、私と、ペペペ、ペア組まない?」
エレン「……あぁ、別にいいぜ」
アニ「そ、そっか!…そ、それだけだよ」
アルミン「アニ?まだあるよね?」
ライナー「おいおい、それだけじゃないだろう」
ミカサ「アニ(くっ!ペアが成立してしまった…)」
アニ「っ!///」
エレン「何だよお前ら。何企んでるんだ?」
アニ(い、言わなきゃ!こんなに応援してくれてる人たちがいるのに…)
アニ(いいい、言うぞ言うぞ!こここ、ここで決めなきゃ女がすたるっ!が、頑張るぞ、アニ・レオンハート!)
アニ「わわわ、わたしと、とっ、友達に…」
アニ「友達になって下さいっ!」
エレン「は?何言ってんだよ?」
アニ「…え?」
アニ(……あぁ、やっぱりダメ、か)
アニ(そうだよね、あんなわけわかんないこと言う空回り女なんて…友達になるの嫌だよね)
エレン「アニ!」
アニ「っ!」ビクッ
エレン「……俺たちもう友達だろ?」
アニ「っ!」
アニ(そ、そっか…そう、だったんだ。エレンはそう思ってくれてたんだ…)
アニ(なのに私は、エレンのこと信じられなくて……私ってホント馬鹿だな……)
アニ(で、でも…そんな私を、エレンは友達って言ってくれた……嬉しいよぉっ)ポロッ
エレン「おっ、おい!どうした?何で泣いてんだよ?お、俺なんか変なこと言ったか?」
アルミン「ふふふ、良かったね、アニ!」
ライナー「いやぁ、一瞬冷やっとしたぞ!エレン、よく言ったぞ!」
ミカサ「くっ、こうなったらこうなったで、なんか嫌な気持ち…」フッーフッー
エレン「あぁ?ま、いいか。よくわかんねぇけど…ほ、ほら、アニ」スッ
アニ「?」グスグス
エレン「…仲直りの…あ、握手だ」
アニ「っ!(エレンッ///)」
グッ
ミカサ「…あぁ、エレンの手は暖かい…」ギュッギュッ
エレン「お、おいっ!ミカサ!」
アルミン「ちょっとミカサ!さすがにここは空気読みなよっ!」
ライナー「わははは!さすがミカサだな!」
アニ「……ふふふ」
アニ(…楽しい…楽しいなっ!)
アニ「……私にも、友達ができたよ」
おわり
おまけ
キース「それでは!行軍訓練、1位のペアを発表するっ!」
ドキドキ
キース「1位!エレン・イェーガー、アニ・レオンハートペア!」
エレン「やったな!アニ!」
アニ「ふん(ややや、やったぁ!エレンと一緒に勝ち取った1位だよっ!嬉しいなっ!嬉しいなっ!)」
ミカサ「ちっ!やはりあの女狐も、モブ女たちと同じような目に遭わせるべきか…」ギリギリッ
アルミン「あはは…ぼ、僕は何も見てない…何も知らない…」ガクガク
キース「他のチームに大きく差をつけてのゴール…私もよくやったと言わざるを得ない」
アニ「!」
エレン「ありがとうございます!」
キース「他の者もこの2人に負けぬよう、精進せよ!それでは解散!」
エレン「俺たちすげぇな、アニ!」
アニ「どうだろうね(やったねぇ!エレン!やったねぇ!うむむ…アニちゃん嬉しいですよぉっ!)」
エレン「…これもアニのおかげだな!」
アニ「は(えぇぇぇ~っ!!そそそ、そんなことないよっ!こ、これはエレンのおかげ……いや…)」
アニ「あ~…あれだからね、私たち(そそそ、そう!あれあれっ///)」
エレン「は?あれ?」
アニ「あ、あれだよ、あれ…と、ともっ…(も、もう!エレン~わかってよ~)」
エレン「ん?…あぁ!俺たち友達だもんな」ニカッ
アニ「っ!…まぁ、そうなのかな?(うっひゃあっ!そ、そうそう!わ、私たち、ととと、友達だもんねっ)」
アニ(よよよ、よ~し!こ、この勢いで、さ、誘っちゃうぞっ!訓練1位お祝いのお食事会っ!)
アニ(いいい、いくぞいくぞ!いいい、言っちゃうもんねっ!さ、さぁ、今こそいくよ!アニ・レオンハート)
アニ「あ、あのさ。今度、このお祝いでご飯 アルミン「エレーン!」
エレン「お、なんだよ、アルミン?」
アルミン「エレン、教官が探してたよ!…あ、アニと話してたのかい?邪魔しちゃったかな?」
エレン「マジかっ!すぐ行かなきゃだな!…アニ、またな!」
アニ「あっ!」
アニ「……エレン!」
エレン「お!なんだ、アニ?」
アニ「あ、あのさ…」
アニ「こここ、こ、こん…」
エレン「こん?」
アニ「こ、今度……」
アニ「今日のお祝いに、ごごご、ご飯でも食べ行こうよっ!」
おわり
以上になります。
これで『エレンとアニの友達シリーズ』は完結です。
このキャラたちのお話は、またいずれ書ければと思っています。
読んでくれた方、お付き合いありがとうございました。
コメントくれた方、本当に書く励みになりました。ありがとうございました。
それではまた
このSSまとめへのコメント
アニきゃわわ(///∀///)