テレビ『現代においても、治療困難な病は存在します……たとえば……』
男「こえ~……」
女「ねえねえ、そんな辛気臭い番組見てないで、お菓子でも食べようよ~」
男「お菓子?」
女「ポテトチップスがあったじゃん」
男「ああ、あれ? 全部食っちゃったよ」
女「なにそれ~! じゃあ買いに行こうよ」
男「今から!? 近所のスーパーは閉まるの早いし、コンビニは近くにないんだよなぁ」
女「じゃあ、ドラッグストア行こうよ! 駅前にあったでしょ!」
男「ドラッグストア?」
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男「なんで、菓子買いに行くのに薬局行くんだよ」
女「薬局じゃないってば。ドラッグストア!」
男「英訳みたいなもんじゃねえか」
女「え、あんたまさか……ドラッグストア行ったことないの?」
男「ない」
女「え~っ!? やだ、ウッソーッ! 信じらんない!」
男「だって俺、薬飲むとかほとんどしたことねえもん」
女「いやだから、薬だけ売ってるんじゃないんだってば!」
女「行ったことないんなら、なおさら行った方がいいって!」
女「ドラッグストアってとても便利なんだから!」
男「でも、今の時間にやってるのか?」
女「店によるけど、夜の10時ぐらいまでやってるとこも多いよ」
女「出かけるならもう出なきゃ、間に合わないかも!」
男「うーん……分かったよ」
男「んじゃ、出かけるか!」
女「やったーっ!」
―ドラッグストア―
女「着いた着いた」
男「いつも素通りしてて気づかなかったけど、なるほど、店頭にトイレットペーパーがあるな」
男「たしかに薬だけ売ってるわけじゃないようだ」
女「それだけじゃないよ~」
女「さ、レッツゴー!」
男「おお……!」
男「店内、清潔感あってなかなかキレイだな」
女「でしょ~? ドラッグストアってキレイなところが多い印象あるよ」
男「お、飲み物売ってるじゃん!」
男「しかも、ペットボトル500mlで60~70円……かなり安いな!」
女「でしょ? 少なくともコンビニで買うより安上がりよ」
スタスタ…
男「菓子も売ってる!」
女「とりあえずポテトチップス、カゴに入れよっか」ガサッ
男「へぇ~、ドラッグストアっていうだけあって」
男「普通のスーパーじゃ見たことないようなバー系の菓子もいっぱい売ってるな」
男「眺めてたら食いたくなってきた。ちょっと一本買っていこうかな」
女「私もウエハース買おうっと」
男「ていうか、菓子だけじゃなく、食い物全般売ってるんだな!」
男「パンはもちろん……加工品とはいえ肉や野菜まであるじゃねえか!」
男「こっちには缶詰も……あ、シリアルもある。アイスにレトルト食品も!」
女「すごいでしょ!」
男「ああ、面積がある分、コンビニより種類が豊富だしな!」
男「三度の飯も、ドラッグストア寄れば事足りちゃうじゃん!」
男「オイオイオイ、文房具もあるぞ!?」
女「急にボールペンのインクが出なくなって困っちゃう時ってあるよね?」
男「あるある!」
女「そういう時も、ドラッグストアに駆け込めば安心! ……ってわけ!」
女「こっちには化粧品もあるわよ~」
男「がっつり化粧品コーナーみたいなのがあるんだな。専門っぽい店員さんもいるし」
女「ここで化粧品を買うと、私の美しさもますます磨きがかかるわけ!」
男「……そうだな」
女「なによ、今の間は!?」
男「えーと、ヒゲ剃りの泡切らしてたんだよな……ついでにカゴに入れとこ」ゴトッ
女「逃げるな!」
女「そして、もちろん!」
女「ドラッグストアだけあって、薬品のラインナップは充実!」
男「おお~……風邪薬からサプリメントまでずらりと並んでる!」
女「処方せんを受け付けるカウンターもあるし……薬剤師さんだって常駐してるんだから!」
男「あ、ホントだ。薬局としての機能もバッチリってわけか」
白衣女「こんにちは」ニッコリ
男(び、美人だ……!)
男(白衣を着た女の人っていいよなぁ……。知的で、クールに見えて……)
男「あ、あの……」
白衣女「なんでしょう?」
男「心臓に効く薬ってないでしょうか?」
白衣女「し、心臓ですか?」
男「あなたを見てると、胸のドキドキが止まらないんです!」
女「コラーッ!!!」
ドカッ! バキッ! ドゴッ!
男「ぐ、ぐふっ……」
女「ふんっ!」
白衣女「あのー……」
男「……はい」
白衣女「打撲傷には、こちらの消毒液と湿布がオススメですよ」
男「か、買います……」
男「こっちには血圧計がある!」
女「こういう自分の健康状態をチェックできるスペースのある店も多いのよね」
男「ちょっと測ってみるか」ウイーン…
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女「……なんだか普通ね」
男「ネタにもなんにもならない数値でごめん……」
女「その他にも、オムツや殺虫剤もあるし……」
男「栄養ドリンクも売ってる!」
女「漢方もあるよ!」
男「酒もあるじゃねえか! よっしゃ、ビール何本か買っていこ」
女「私、チューハイ!」
男「……うろついてるだけで時間を潰せるよ。ドラッグストアって楽しいな!」
女「でしょ~! ドラッグストアに来れば、大抵のものはなんでも揃っちゃうのよ」
女「スーパーだとやたらカゴに商品入れてるおばさんのせいで、レジが混んでることも多いけど」
女「ドラッグストアはあまりそういうこともないしね!」
男「コンビニとスーパーのいいところを寄せ集めたお店って感じだな!」
店員「ありがとうございましたー!」
男「ポテトチップス買うだけのはずが、5000円も使っちゃった」
女「ま、いいんじゃない? 必要な出費だったってことで」
男「だな!」
男「俺、これからはドラッグストアをガンガン利用するよ!」
女「私も~!」
――
男「ノド渇いちまったな」
女「じゃあドラッグストアに飲み物買いに行こうよ!」
女「今日の夕食どうする?」
男「ドラッグストア寄ればいいんじゃね?」
男「あっちぃな~」パタパタ
女「ドラッグストアなら涼めるわよ!」
――
――
女「今日はなんの予定もないけど……」
男「ならドラッグストアだな!」
男「連休だし、どこか旅行行くか!」
女「だったら市内ドラッグストア巡りしよう!」
女「一日一回はドラッグストア行かないとイライラするよね~」
男「いいや、三回は行かないと!」
男「ドラッグストア楽しすぎwwwww」
女「ドラッグストア便利すぎwwwww」
――
テレビ『現代においても、治療困難な病は存在します……』
テレビ『たとえば、このカップル……。病院のベッドにいますが、発作を起こすと……』
男『ううう……ドラッグストア行”き”た”い”! 行”き”た”い”! 行”き”た”い”!』
女『ドラッグストアが見えるわ……商品がいっぱい……楽しい……』
テレビ『このように、完全なドラッグストア中毒に陥っており……』
視聴者「こえ~……」
~END~
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